イスラエル軍が駐シリア・イラン大使館を爆撃、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団の幹部ら多数が死亡(2024年4月1日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて声明を出し、イスラエル軍が午後5時00分頃、占領下ゴラン高原から首都ダマスカス(マッザ区マッザ・オートストラード地区)にある駐シリア・イラン大使館を狙ってミサイルで爆撃を行い、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、ミサイルの一部を撃墜するも、大使館の施設1棟が完全に破壊され、中にいた全員が死傷、遺体の収容、扶桑社の救急搬送、瓦礫の撤去が行われていると発表した。

SANA(4月1日付)が伝えた。














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イランのタスニーム・ニュース(4月1日付)によると、破壊されたのは領事部と大使公邸が入っている建物。








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タスニーム・ニュース(4月1日付)によると、イラン・イスラーム革命防衛隊は、顧問のモハンマド・レザー・ザーヒディー氏とモハンマド・ハーディ・ハーッジー・ルハイミー氏、両名の護衛を務める顧問と士官5人が死亡したと伝えた。

死亡した護衛5人は、ホセイン・エミーヌッラーヒー、サイイド・メフディー・ジャラーラティー、モフセン・サダーカト、アリー・アーガー・バーバーイー、サイイド・アリー・サーレヒー・ローズブハーニー。

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Vsquds.net、エナブ・バラディー(4月1日付)によると、ザーヘディー司令官は1944年、イスファハーン生まれ。

「ハサン・マフダウィー」、「レザー・マフダウィー」といった別名でも知られている。

イラン・イラク戦争(1980~88年)に従軍し、重傷を負い、その後、1998~2002年にレバノン武装司令官を務めたのち、イスラーム・革命防衛隊の空軍司令官、陸軍司令官、サアルッラー軍団司令官、ゴドス軍団副司令官などを歴任、2008年にレバノン武装司令官に復職、現在に至る。

ゴドス軍団からヒズブッラーへの軍事支援、イランとヒズブッラーの関係維持を担う幹部司令官の1人、ヒズブッラーのシューラー評議会の外交にも出席、シリア国境に近いレバノン南部に展開するヒズブッラーの部隊を訪問してきたとされる。

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シリア人権監視団によると、この爆撃で11人が死亡した。

死者の内訳は、モハンマド・レザー・ザーヒディー・イラン・イスラーム革命防衛隊駐シリア・レバノン司令官、同司令官の副官、同司令官の執務室長、顧問(士官)2人、イラン・イスラーム革命防衛隊シリア・レバノン・パレスチナ総参謀機構のホセイン・エミールッラー機構長(准将)、その他士官を含むイラン人2人、レバノンのヒズブッラーのメンバー1人、シリア人2人。

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イナブ・バラディー(4月1日付)は、複数メディアがパレスチナのイスラーム聖戦機構のズィヤード・ナッハーラ書記長も死亡した可能性があると伝えた。

AFP, April 1, 2024、ANHA, April 1, 2024、‘Inab Baladi, April 1, 2024、Reuters, April 1, 2024、SANA, April 1, 2024、SOHR, April 1, 2024、Tasnim News, April 1, 2024、Vsquds.net, n.d.などをもとに作成。

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