トルコ軍がシャーム解放機構が設置した土嚢を撤去し、M4高速道路を再開(2020年3月18日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから13日目となる3月18日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路沿線に重機などを派遣し、シャーム解放機構が設置した土嚢を撤去し、道路を再開した。

トルコ軍が土嚢を撤去した具体的な場所は不明だが、シャーム解放機構は17日までにナイラブ村とアリーハー市を結ぶ区間で、土嚢・堀を設置していた。

トルコ軍はこれとは別に、戦車や装甲車など約50輌からなる部隊を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に進入させ、ラーム・ハムダーン村に新たな拠点を設置した。

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ロシアの複数のメディアは、ハマー県北西部のシール・マガール村にあるトルコ軍監視所の航空写真を公開した。

この監視所はシリア軍の包囲を受けており、トルコ軍の補給物資は、ロシア軍が同地への往来の安全を確保して搬入されている。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアイン・イーサー市に戦車、装甲車など約150輌からなる増援部隊を派遣した。

一方、マアダーン町近郊では、武装集団がシリア軍の車輌を襲撃、兵士2人を殺害した。

AFP, March 18, 2020、ANHA, March 18, 2020、AP, March 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 18, 2020、Reuters, March 18, 2020、SANA, March 18, 2020、SOHR, March 18, 2020、UPI, March 18, 2020などをもとに作成。

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