ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから348人、ヨルダンから731人の難民が帰国、避難民16人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月28日付)を公開し、4月27日に難民1,079人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは348人(うち女性105人、子供178人)、ヨルダンから帰国したのは731人(うち女性219人、子供373人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は204,353人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者72,112人(うち女性21,780人、子ども36,696人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者132,241人(うち女性39,700人、子ども67,432人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 433,633人(うち女性130,138人、子供221,050人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民16人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは10人(うち女性5人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは6人(うち子供2人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,728人(うち女性7,561人、子供10,677人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,324人(うち女性390,120人、子供654,443人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した16人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合が、シリア民主軍に対する抗議デモを受け、CONOCOガス田一帯に展開、同地のシリア民主軍を排除(2019年4月27日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(4月27日付)によると、米主導の有志連合がCONOCOガス田一帯に展開、同地に進駐していた人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を排除した。

シリア民主軍の排除は、4月24日以降、北・東シリア自治局支配地域で、シリア民主軍の退去を求める抗議デモが続いているのを受けた動きだという。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、Dayr al-Zawr 24, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル当局は、ロシア仲介によるイスラエル軍兵士の遺体回収(奪還)の見返りとして、シリア人2人の釈放を許可(2019年4月27日)

イスラエル日刊紙『ハアレツ』(4月27日付)は、イスラエル司法当局が拘束中のシリア人捕虜2人の釈放を許可したと伝えた。

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が26日、イスラエル軍兵士ザハリア・バウメル氏の遺体回収(奪還)への見返りとして、シリア人2人の釈放に同意したと発表していた。

バウメル氏は1982年のレバノン侵攻時のシリア軍との間で行われた「スルターン・ヤアクーブの戦い」で行方不明となったイスラエル軍兵士で、イスラエル軍は「ほろ苦い歌」と名づけられた作戦で、ロシアの仲介のもと、シリア国内に埋葬されていたとされる遺体を回収していた。

シリア政府筋も20日、ロイター通信に対して、ロシアの仲介でイスラエルの刑務所からシリア人2人ないしはそれ以上が釈放されるだろうと述べていた。

イスラエル高官は今回の決定が関して、「捕虜交換」ではなく、「善意」を示すためのものと説明、バウメル氏の遺体回収に先立って、2人の釈放が合意されていたことを否定した。

イスラエルが釈放するとされているのは、ザイダーン・タウィール氏とアフマド・ハミース氏。

タウィール氏は1962年、ハーディル村(アレッポ県)生まれ。

2008年7月に麻薬密売容疑で逮捕され、有罪判決を受け、2019年7月に刑期を終える予定だった。

また、ハミース氏は、1984年、ダマスカス県ヤルムーク難民キャンプ生まれ。

イスラエル軍基地に潜入し、兵士に危害を加えようとしていたとして2005年4月に逮捕され、有罪判決を受け、2023年に刑期を終える予定だった。

2人の釈放は、イスラエル政府ではなく、検事総長が決定した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、Haaretz, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領「シリアの反体制派はアサド政権が勝利したと見ている」、反体制派「ロシアの発言は、非現実的で、何ら客観的でない」(2019年4月27日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は一帯一路サミットで訪問中の中国の首都北京での記者会見でシリア情勢に言及、「シリアの反体制派はアサド政権が勝利したと見ており、こうした認識は正しく現実的だ」と述べた。

プーチン大統領は「しかし、この政府(アサド政権)は、制憲委員会に関して自らの主張を押しつけようとはしていない…。アサド大統領が制憲委員会の活動開始を妨害しているという嫌疑は根も葉もない…。アサド大統領がこの委員会の設置を免れようとしているなどと言う権利は誰にもない」としたうえで、「反体制派こそが妨害している」と強調した。

一方、「イドリブ県に対する包括的な攻撃は今は適切ではない」と述べ、「ロシアは反体制派とともに制憲委員会を設置するために行動する」と付言した。

**

これに対して、国連主催のジュネーブ会議に参加する反体制派の最高交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はツイッターのアカウントを通じて、「シリア政府は過去も未来も勝利することはない。ロシアの発言は、たとえそれが本当だとしても、非現実的で、何ら客観的でない」と反論した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

野党国民青年公正成長党のイブラーヒーム書記長の娘が小銃の暴発で死亡(2019年4月27日)

ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)は、親政権系の複数サイトの情報として、野党国民青年公正成長党のバルウィーン・イブラーヒーム書記長の娘が首都ダマスカスで遺体で発見されたと伝えた。

遺体で発見されたのは、イブラーヒーム書記長の娘サーンドラー・ハンムー氏(23歳)で、小銃の手入れしていた際に暴発し、死亡したという。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県ファルワーン村の住民がシリアのアル=カーイダ「シャーム解放機構」を撃退、戦闘員12人を殺害(2019年4月27日)

イドリブ県では、ANHA(4月27日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、県南東部のファルワーン村の住民2人を「刑事事件」に関与している疑いがあるとして拘束しようとしたが、住民がこれに抵抗、戦闘の末、シャーム解放機構の戦闘員12人が死亡した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県北部で4日連続でYPG主体のシリア民主軍の退去を求める抗議デモ、シリア民主軍はデモ参加者に実弾を発砲(2019年4月27日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月27日付)によると、24、25、26日に続いて、北・東シリア自治局支配下の県北部のシュハイル村、スワル町、ムワイリフ村、ヒサーン村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行に抗議し、北・東シリア自治局支配地からの退去を求めるデモが発生し、住民数百人が参加した。

一部住民は、タイヤを燃やすなどして街道で封鎖した。

ヒサーン村では、シリア民主軍がデモ参加者に向けて実弾を発砲し、複数が負傷した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアのアル=カーイダ「シャーム解放機構」と新興のアル=カーイダ系組織「信者を煽れ作戦司令室」がアレッポ県のシリア軍拠点を攻撃、ロシア軍戦闘機が介入し、爆撃を実施(2019年4月27日)

アレッポ県では、ANHA(4月27日付)によると、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が、ザンマール町近郊のシリア軍拠点を襲撃、シリア軍と砲撃戦になった。

またウマル・ブン・ハッターブ軍を名のる武装集団もハーン・トゥーマーン村近郊のシリア軍拠点を攻撃し、シリア軍と砲撃戦となった。

シリア人権監視団によると、攻撃を行ったのは、シャーム解放機構とフッラース・ディーン機構。

戦闘は週時間に及び、ロシア軍戦闘機が介入、同地を爆撃、反体制武装集団は撤退したという。

戦闘でシリア軍兵士17人が死亡、30人が負傷、反体制武装集団側も8人が死亡したという。

「信者を煽れ」作戦司令室が発表した声明によると、戦闘でシリア軍将兵25人を殺傷したという。

一方、SANA(4月27日付)によると、ハラサ村で活動を続ける反体制武装集団がハーディル村を砲撃し、住民2人が死亡、複数が負傷した。

**

ハマー県では、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がハスラーヤー村、カフルズィーター市一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

**

イドリブ県では、SANA(4月27日付)によると、シリア軍がアービディーン村一帯にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県1件、ラタキア県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を25件(アレッポ県9件、イドリブ県6件、ハマー県10件)確認した。

AFP, April 27, 2019、ANHA, April 27, 2019、AP, April 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2019、al-Hayat, April 28, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2019、Reuters, April 27, 2019、SANA, April 27, 2019、UPI, April 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから391人、ヨルダンから729人の難民が帰国、避難民16人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月27日付)を公開し、4月26日に難民1,120人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは391人(うち女性108人、子供183人)、ヨルダンから帰国したのは729人(うち女性240人、子供409人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は203,274人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者71,764人(うち女性21,557人、子ども36,318人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者131,510人(うち女性39,481人、子ども67,059人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 432,554人(うち女性129,814人、子供220,499人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民16人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性2人、子供7人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,712人(うち女性7,556人、子供10,672人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,308人(うち女性390,115人、子供654,438人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した5人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局支配下のラッカ市で爆弾2発が相次いで爆発し、1人死亡(2019年4月26日)

ラッカ県では、ANHA(4月26日付)によると、北・東シリア自治局支配下のラッカ市中心部の時計台交差点近くのゴミ箱に仕掛けられていた爆弾2発が相次いで爆発し、1人が死亡、2人が負傷した。

**

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、24日と25日にマーリア市とバーブ市近郊のダーガルバーシュ村で国民軍の車輌とハムザ師団の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷したと発表した。

ANHA(4月26日付)が伝えた。

AFP, April 26, 2019、ANHA, April 26, 2019、AP, April 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2019、al-Hayat, April 27, 2019、Reuters, April 26, 2019、SANA, April 26, 2019、UPI, April 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局支配地域で3日連続となる抗議デモが行われ、参加者はYPG主体のシリア民主軍の退去を求める(2019年4月26日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月26日付)によると、24、25日に続いて、北・東シリア自治局支配下の県北部のブサイラ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行に抗議し、北・東シリア自治局支配地からの退去を求めるデモが発生し、多くの住民が参加した。

AFP, April 26, 2019、ANHA, April 26, 2019、AP, April 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2019、al-Hayat, April 27, 2019、Reuters, April 26, 2019、SANA, April 26, 2019、UPI, April 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県でゴラン高原に対するイスラエルの主権を認めたトランプ大統領の決定に抗議するデモ(2019年4月26日)

クナイトラ県では、SANA(4月26日付)によると、ビイル・アジャム村、ブライカ村で、ドナルド・トランプ米大統領が3月25日にシリア領ゴラン高原に対するイスラエルの主権を認める大統領令に署名したことに抗議するデモが行われ、住民らが参加した。

AFP, April 26, 2019、ANHA, April 26, 2019、AP, April 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2019、al-Hayat, April 27, 2019、Reuters, April 26, 2019、SANA, April 26, 2019、UPI, April 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アスタナ12会議は制憲委員会メンバー人選で合意に至らないまま閉幕(2019年4月26日)

カザフスタンの首都アスタナ(ヌルスルターン)で25日に開幕したアスタナ12会議は、2日間の日程を終え、閉幕した。

アスタナ会議の保障国であるロシア、イラン、トルコは閉幕声明を発表し、シリアの領土統一、主権尊重、国連憲章の遵守を改めて確認するとともに、ゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認したドナルド・トランプ米大統領の決定を非難した。

閉幕声明は、ロシア、トルコ、イランの代表団長(アレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使、アリー・アスガル・ハージー外務大臣補、セダト・オナル外務大臣補)、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表らが同席するなかで、カザフスタンのフムタル・ティレウベルディ(Mukhtar Tileuberdi)外務副大臣が読み上げた。

声明は、ゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認したトランプ大統領の決定を非難、「テロとの戦い」を口実とした分離の試みを拒否すると強調した。

また、主権と独立を尊重するとの原則のもとにジャズィーラ地方(ユーフラテス川以東地域)の治安と安定を保障すること、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンに非武装地帯を設置することを定めた2018年9月のソチ(ロシア)での合意の完全履行を強調、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構による同地支配強化の試みに懸念を表明した。

そのうえで、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム解放機構)、アル=カーイダやダーイシュとつながりのあるすべてのテロリストの根絶に向けて協力を継続することを確認した。

政治プロセスに関しては、ペデルセン特別代表の支援のもと、制憲委員会の活動を開始する必要が強調され、同氏に全面協力する用意があることが確認された。

このほか、声明は、シリア領内のすべての場所に対して、前提条件なく人道支援を継続する必要があることを強調、国際社会、とりわけ国連と人道帰還に対してさらなる協力を呼びかけた。

**

シリア代表団の代表を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は会議閉幕後に記者会見を開き、トルコがイドリブ県からのテロ組織の排除を定めた2018年9月のソチ(ロシア)での合意を遵守しておらず、シャーム解放機構への支援を続けていると非難、シリア領内に違法に駐留するすべての外国部隊に即時撤退を求めるとともに、シリアが主権や領土統一を侵害されることを認めないと強調した。

**

一方、ロシア代表団を率いるアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使は、記者会見で、今回の会合で制憲委員会のメンバーについて合意に至らなかったことを明らかにした。

**

カザフスタン外務省によると、次回の会議(アスタナ13会議)は6月以降に行われる見込み。

**

SANA(4月26日付)、ANHA(4月26日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)、AFP(4月26日付)などが伝えた。

AFP, April 26, 2019、ANHA, April 26, 2019、AP, April 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2019、al-Hayat, April 27, 2019、Reuters, April 26, 2019、SANA, April 26, 2019、UPI, April 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がシリアのアル=カーイダ支配下のハマー県、イドリブ県を爆撃し、住民10人が死亡(2019年4月26日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がタッル・フワーシュ村一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)によると、この爆撃で住民7人が死亡、多数が負傷したという。

また、シリア人権監視団によると、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が、ガーブ平原のマシャーリーウ地区にあるシリア軍拠点を攻撃し、戦、シリア軍兵士少なくとも4人が死亡した。

「信者を煽れ」作戦司令室側にも死者が出たという。

これに対して、シリア軍はカルアト・マディーク町、ジスル・バイト・ラース村、フワイズ村、カルカート村、サフリーヤ村、ラハーヤー村を砲撃、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月26日付)によると、シリア軍がアンカーウィー村、フワイズ村、シャリーア村、カルアト・マディーク町、フワイジャ村、シャフルナーズ村、サハーブ村、タッル・フワーシュ村、ラターミナ町、カフルズィーター市にあるシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がシャイフ・イドリース村、カンスフラ村、マウザラ村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)によると、ロシア軍はカフルナブル市、ジャバーラー村、ビダーマー町、アービディーン村一帯に対してもミサイル攻撃を行い、カフルナブル市では、住民3人が死亡、多数が負傷、ジャバーラー村では子供1人を含む3人が死亡したという。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイン村、ザルズール村、ウンム・ハラーヒール村、シャフシャブー山一帯を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県2件、ラタキア県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を32件(アレッポ県21件、ハマー県1件、イドリブ県7件、ラタキア県3件)確認した。

AFP, April 26, 2019、ANHA, April 26, 2019、AP, April 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2019、al-Hayat, April 27, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 26, 2019、Reuters, April 26, 2019、SANA, April 26, 2019、UPI, April 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから305人、ヨルダンから566人の難民が帰国、避難民10人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月26日付)を公開し、4月25日に難民871人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは305人(うち女性92人、子供155人)、ヨルダンから帰国したのは566人(うち女性170人、子供289人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は202,154人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者71,373人(うち女性21,557人、子ども36,318人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者130,781人(うち女性24,906人、子ども42,281人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 431,434人(うち女性120,047人、子供203,903人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

**

一方、国内避難民10人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは7人(うち女性4人、子供2人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,696人(うち女性7,554人、子供10,670人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,292人(うち女性386,262人、子供648,338人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 26, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アムネスティー・インターナショナルは2017年の米主導の有志連合によるラッカ市攻撃で1,600人以上が死亡していたと発表(2019年4月25日)

アムネスティー・インターナショナルは、インターアクティブ・ウェブサイトRhetoric versus Reality: How the ‘most precise air campaign in history’ left Raqqa the most destroyed city in modern timesを立ち上げ、米主導の有志連合と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、2017年6月から10月にかけてダーイシュ(イスラーム国)の首都と目されていたシリアのラッカ市に対して行った爆撃や砲撃で、1,600人以上の市民が死亡していたと発表した。

ウェブサイトでは、2年に及ぶ調査をもとに作成されており、有志連合やシリア民主軍の攻撃で犠牲者が出た事例、そしてそれを否定する有志連合側の発表が多数紹介されている。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンから帰国したばかりの難民の誘拐事件相次ぐ(2019年4月25日)

親政府系の「ダマスカス迫撃砲日記」は、レバノンでの避難生活を終えて帰国したばかりの難民の誘拐事件が最近になって多発していると伝えた。

誘拐犯は、国境地帯で誘拐した難民の身柄と引き替えに多額の身代金を要求しているという。

これに関して、反体制派系のドゥラル・シャーミーヤ(4月25日付)は、誘拐、そして人質となった難民が釈放されていないことの責任がシリア政府にあるとしたうえで、事件の背後には、レバノンとシリアを陸路ではなく旅客便で結びつけたいと考えているシャーム・ウィング社がいると揶揄する識者のコメントを紹介した。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Yawmiyat Qadhifa Hawun fi Dimashq, April 25, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍がダイル・ザウル県北部でダーイシュ・メンバー5人を殺害(2019年4月25日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(4月25日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がズィーバーン町、シュハイル村などでダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルを摘発するための特殊作戦を実施し、ダーイシュ・メンバー5人を殺害した。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アスタナ12会議が開幕:イドリブ県情勢、制憲委員会、難民帰還、復興などについて協議(2019年4月25日)

カザフスタンの首都アスタナ(ヌルスルターン)でシリア危機の解決に向けたアスタナ12会議が開幕した。

SANA(4月25日付)によると、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア代表団は、アレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使を団長とするロシア代表団、アリー・アスガル・ハージー外務大臣補を団長とするイラン代表団と個別に会談した。

会談では、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンの現況と同地での「テロとの戦い」のありようについて集中的に意見が交わされた。

一方、イスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ政治局長を団長とする反体制武装集団の代表団(シリア革命軍事諸勢力代表団)もアスタナ入りした。

**

ロシアの代表団はまた、イランの代表団、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表と個別に会談、セダト・オナル外務大臣補を団長とするトルコの使節団もペデルセン氏と会談した。

その後、ロシア、イラン、トルコの代表団は合同会合を開催し、イドリブ県を中心とするシャーム解放機構支配地域の情勢、制憲委員会の設置、難民帰還、復興などについて意見を交わした。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県でゴラン高原に対するイスラエルの主権を認めたトランプ大統領の決定に抗議するデモ(2019年4月25日)

クナイトラ県では、SANA(4月25日付)によると、ハーン・アルナバ市で、ドナルド・トランプ米大統領が3月25日にシリア領ゴラン高原に対するイスラエルの主権を認める大統領令に署名したことに抗議するデモが行われ、多くの住民が参加した。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県北部でYPG主体のシリア民主軍の退去を求める抗議デモが発生、シリア民主軍の発砲で参加者3人が死亡(2019年4月25日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月25日付)によると、北・東シリア自治局支配下の県北部のダマーン村、アズバ村、ブサイラ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の退去を求める抗議デモが発生し、多くの住民が参加した。

住民は、北・東シリア自治局支配地の混乱、拉致、殺害、石油利権の独占に抗議、道路封鎖やゼネストを敢行し、シリア民主軍の退去を求めた。

だが、シリア民主軍はダマーン村でデモ参加者に発砲、3人が死亡した。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制派が撃った砲弾がラタキア市に着弾し、4人負傷(2019年4月25日)

ラタキア県では、SANA(4月25日付)によると、トルコ国境近くで活動を続ける反体制武装集団が発射したロケット弾1発がラタキア市グラーフ地区(南ラムル地区)の民家に着弾し、子供1人を含む4人が負傷した。

**

ハマー県では、SANA(4月25日付)によると、シリア軍がフワイズ村、フワイジャ村、ジスル・バイト・ラース村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を24件(アレッポ県8件、ハマー県9件、イドリブ県5件、ラタキア県2件)確認した。

AFP, April 25, 2019、ANHA, April 25, 2019、AP, April 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 25, 2019、al-Hayat, April 26, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 25, 2019、Reuters, April 25, 2019、SANA, April 25, 2019、UPI, April 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから362人、ヨルダンから672人の難民が帰国、避難民25人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月25日付)を公開し、4月24日に難民1,064人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは362人(うち女性109人、子供185人)、ヨルダンから帰国したのは672人(うち女性202人、子供343人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は201,283人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者71,068人(うち女性12,710人、子ども36,163人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者130,215人(うち女性24,725人、子ども39,092人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 430,563人(うち女性129,215人、子供219,483人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,696,131人(うち女性2,000,839人、子供3,415,027人)。

**

一方、国内避難民25人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性3人、子供2人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは15人(うち女性4人、子供8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人(うち子供1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は20,430人(うち女性6,630人、子供9,057人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,282人(うち女性390,109人、子供654,434人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 25, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はシリア空爆で「意図せず死亡したとされる民間人」は2019年3月末の段階で1,291人(2019年4月25日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2014年8月から2019年3月までにシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる7件の新たな報告を受け、すでに報告されている146件と併せて調査を行い、31件(うち2件が再調査)の調査を完了した。

調査を完了した31件のうち11件で意図せずに民間人34人が死亡したことが確認された。

121件については調査が継続される。

なお、2014年8月から2019年3月までに有志連合が実施した空爆34,464回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は1,291人となった。

CENTCOM, April 25, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから349人、ヨルダンから665人の難民が帰国、避難民1,999人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者1,983人)が帰宅(2019年4月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月24日付)を公開し、4月23日に難民1,014人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは349人(うち女性105人、子供178人)、ヨルダンから帰国したのは665人(うち女性200人、子供339人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は200,249人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者70,706人(うち女性21,356人、子ども35,978人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者129,543人(うち女性38,890人、子ども66,055人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 429,529人(うち女性128,904人、子供218,955人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,696,131人(うち女性2,000,839人、子供3,415,027人)。

**

一方、国内避難民1,999人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは14人(うち女性4人、子供6人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1,985人(うち女性579人、子供992人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,661人(うち女性7,543人、子供10,657人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,257人(うち女性390,102人、子供654,423人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した1,985人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は1,983人(うち女性579人、女性992人)だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 24, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

オスマン帝国によるアルメニア人虐殺追悼記念日に合わせて、北・東シリア自治局支配下のアルメニア教徒が民兵組織「殉教者ノバル・オザニアン部隊」の結成を宣言(2019年4月24日)

ANHA(4月24日付)は、北・東シリア自治局支配地域のアルメニア教徒が、オスマン帝国による1915年のアルメニア人虐殺の追悼記念日(4月24日)に合わせて、新たな民兵組織「殉教者ノバル・オザニアン部隊」の結成を宣言したと伝え、その写真を公開した。

結成宣言は、アルメニア人虐殺追悼式典の会場となったハサカ県タッル・タムル町近郊のタッル・クーラーン村で行われ、

「殉教者ノバル・オザニアン部隊」はアルメニア教徒のみによって構成され、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下で北・東シリア自治局の防衛にあたるという。

アナトリア通信(4月23日付)が複数の情報筋の話として伝えたところによると、この部隊は戦闘員90人からなり、ハサカ県のハサカ市、ラアス・アイン市、アームーダー市、ラッカ県タッル・アブヤド市、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市で活動する。

ノバル・オザニヤンは、トルコ・マルクス・レーニン主義共産党(TKP/ML TİKKO)の軍事部門を指導したアルメニア人活動家で、ナゴルノ・カラバフ戦争(1988~1994年)への従軍経験もある。

シリア北東部でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘にYPGの義勇兵として参加していたが、2017年8月に戦死した。

AFP, April 24, 2019、Anadolu Ajansı, April 24, 2019、ANHA, April 24, 2019、AP, April 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 24, 2019、al-Hayat, April 25, 2019、Reuters, April 24, 2019、SANA, April 24, 2019、UPI, April 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダンからシリア難民多数が新たに帰国(2019年4月24日)

SANA(4月24日付)は、ヨルダンで避難生活を送ってきたシリア人難民多数が、ダルアー県のナスィーブ国境通行所(ヨルダン側はジャービル国境通行所)を経由して、シリアに帰国したと伝え、その写真を公開した。

AFP, April 24, 2019、ANHA, April 24, 2019、AP, April 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 24, 2019、al-Hayat, April 25, 2019、Reuters, April 24, 2019、SANA, April 24, 2019、UPI, April 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年4月24日)

アレッポ県では、ANHA(4月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、タッル・リフアト市近郊のシャイフ・イーサー村を砲撃した。

AFP, April 24, 2019、ANHA, April 24, 2019、AP, April 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 24, 2019、al-Hayat, April 25, 2019、Reuters, April 24, 2019、SANA, April 24, 2019、UPI, April 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局の支配下のダイル・ザウル県北部各所でYPG主体のシリア民主軍の素行や治安悪化に抗議するデモが発生(2019年4月24日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月24日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある県北部のムハイミーダ村、ヒサーン村、下サフィーラ村、上サフィーラ村、ワスィーア村、ムワイリフ村、ハスィ-ン村、ガリーバ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行や治安悪化に抗議するデモが行われ、多数の住民が参加した。

SANAが配信した映像には、杖を振り上げて行進する住民や黒煙が写っている。

AFP, April 24, 2019、ANHA, April 24, 2019、AP, April 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 24, 2019、al-Hayat, April 25, 2019、Reuters, April 24, 2019、SANA, April 24, 2019、UPI, April 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府支配下の首都ダマスカス、ラタキア市、アル=カーイダ支配下のジスル・シュグール市、トルコ占領下のマーリア市で大きな爆発が相次いで発生(2019年4月24日)

ダマスカス県では、SANA(4月24日付)、シリア人権監視団によると、ナフル・イーシャ地区の南部環状線で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、運転していた男性1人が死亡、5人が負傷した。

**

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月24日付)によると、ラタキア市アイン・タムラ地区の県知事公邸近くで大きな爆発が発生した。

爆発の原因は不明だという。

だが、ドゥラル・シャーミーヤ(4月25日付)は、この爆発がシリアのムハーバラートによるものだが、理由は明らかではないと伝えた。

https://youtu.be/SrOgRmEJElY

**

イドリブ県では、ANHA(4月24日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるジスル・シュグール市で大きな爆発が発生し、住民11人が死亡、27人が負傷した。

**

アレッポ県では、ANHA(4月24日付)によると、トルコの占領下にあるマーリア市で反体制武装集団(いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室)が乗った車が攻撃を受け、複数の戦闘員が死傷、車は大破した。

AFP, April 24, 2019、ANHA, April 24, 2019、AP, April 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 24, 2019、April 25, 2019、al-Hayat, April 25, 2019、Reuters, April 24, 2019、SANA, April 24, 2019、UPI, April 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.