シリア軍は前日に奪われたハマー県北部のタンジャラ村、マナーラ村を奪還(2020年5月11日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから67日目となる5月11日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(場所は明示せず)確認した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が新興のアル=カーイダ系組織からなる「信者を煽れ」作戦司令室との激しい戦闘の末、10日に奪われていたガーブ平原のタンジャラ村、マナーラ村を奪還した。

2日におよぶ戦闘では、シリア軍兵士36人、「信者を煽れ」作戦司令室戦闘員19人が死亡した。

これに関して、シリア軍筋は、SANA(5月11日付)に対して、シリア軍部隊がタンジャラ村にある「テロ・グループ」の拠点を攻撃し、大打撃を与えたことを明らかにした。

同筋によると、10日午前、フッラース・ディーン機構とトルキスタン・イスラーム党からなる「テロ・グループ」がタンジャラ村のシリア軍拠点を襲撃、これを制圧したが、シリア軍が直ちに応戦し、拠点を奪還したという。

一方、シリア軍は、ザーウィヤ山地方のフライフィル村一帯で塹壕を掘削していたシャーム解放機構の重機を攻撃した。

これにより、シャーム解放機構のメンバー2人が負傷したという。

また、ジスル・シュグール市近郊にあるシャーム解放機構の検問所が正体不明の武装集団の襲撃を受け、戦闘となった。

このほか、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌約55輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に二度に分けて新たに進入させた。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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イドリブ市でタラーウィーフの礼拝後にデモが行われ、体制打倒などが訴えられる(2020年5月10日)

イドリブ県では、シャーム解放機構の拠点都市であるイドリブ市でタラーウィーフの礼拝後にデモが行われ、参加者は国内避難民(IDPs)の帰還、2~3月の戦闘での制圧地からのシリア軍撤退、アサド政権打倒、ロシアとイランの占領者の排斥、逮捕者の釈放などを訴えた。

AFP, May 10, 2020、ANHA, May 10, 2020、AP, May 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2020、Reuters, May 10, 2020、SANA, May 10, 2020、SOHR, May 10, 2020、UPI, May 10, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市中心街で爆弾が爆発し、住民1人死亡(2020年5月10日)

アレッポ県では、ANHA(5月10日付)やSANA(5月10日付)によると、トルコ占領下のバーブ市中心街のセンター交差点に近い市場で爆弾が爆発し、住民1人が死亡、複数が負傷した。

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ラッカ県では、ANHA(5月10日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー国内避難民(IDPs)キャンプ一帯、カズアリー村、シュールバ・ナイサク村などM4高速道路沿線を砲撃し、農地で火災が発生した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のタッル・ハラフ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

AFP, May 10, 2020、ANHA, May 10, 2020、AP, May 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2020、Reuters, May 10, 2020、SANA, May 10, 2020、SOHR, May 10, 2020、UPI, May 10, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団は、シリア民主軍に従軍していたトルコ国籍の士官や戦闘員が離反し、トルコへの逃亡を続けていると発表(2020年5月10日)

シリア人権監視団は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に従軍していたトルコ国籍の士官や戦闘員が、離反し、トルコへの逃亡を続けており、その一部が逃亡中に殺害されていると発表した。

同監視団によると、「B」と呼ばれるトルコ国籍の財務担当者が、在任中に横領した経費を仲間の男性1人と持ち出そうとしたが、トルコ国境に近いハサカ県のカルマーニーヤ村でトルコ側からの道先案内人を待っていたところ、シリア民主軍の諜報部隊に撃たれて、即死したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シュハイル村の絨毯工場近くで人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、オートバイに乗ったダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる2人組の発砲を受け、戦闘員2人が死亡した。

AFP, May 10, 2020、ANHA, May 10, 2020、AP, May 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2020、Reuters, May 10, 2020、SANA, May 10, 2020、SOHR, May 10, 2020、UPI, May 10, 2020などをもとに作成。

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ハマー県でアル=カーイダ系の「信者を煽れ」作戦司令室がシリア軍を急襲し、2カ村を制圧(2020年5月10日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから66日目となる5月10日、ハマー県でシリア軍と新興のアル=カーイダ系組織からなる「信者を煽れ」作戦司令室が交戦、無人航空機(ドローン)がイドリブ県を攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、フッラース・ディーン機構と「信者を煽れ」作戦司令室に所属する武装集団が9日深夜から10日未明にかけて、ガーブ平原のマナーラ村、タンジャラ村一帯のシリア軍拠点を急襲し、タンジャラ村を制圧した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)によると、「信者を煽れ」作戦司令室はタンジャラ村に加えて、マナーラ村も制圧したという。

ドゥラル・シャーミーヤによると、「信者を煽れ」作戦司令室は、親政権民兵隊がマナーラ村周辺地域に進軍を試みたことを受けて反撃したという。

これに対して、シリア軍はただちに応戦し、フッラース・ディーン機構などと交戦するとともに、両村一帯、アンカーウィー村、クライディーン村、カーヒラ村を砲撃した。


この戦闘で、シリア軍兵士や親政権民兵の戦闘員32人(ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)によると、中尉1人、少尉1人を含む26人死亡)、フッラース・ディーン機構側の戦闘員13人が死亡、またアンカーウィー村に対する砲撃で女性1人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハマー県ガーブ平原での戦闘激化を受けて、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バーラ村、カンスフラ村を砲撃した。

また、無人航空機(ドローン)がハルーバ村を爆撃した。

爆撃を行ったドローンの所属は不明だが、ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)は、ロシア軍の無人航空機(ドローン)がイドリブ市やイドリブ県南部上空に飛来したと伝えた。

シリア人権監視団によると、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌55輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

ビンニシュ市東で、トルコの後援を受けるシャーム軍団の拠点複数カ所が正体不明の武装集団の襲撃を受け、戦闘となった。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラサーファ市近くでシリア軍の車輌が爆弾の爆発に巻き込まれ、兵士多数が死傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(場所は明示せず)確認した。

AFP, May 10, 2020、ANHA, May 10, 2020、AP, May 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 10, 2020、Reuters, May 10, 2020、SANA, May 10, 2020、SOHR, May 10, 2020、UPI, May 10, 2020などをもとに作成。

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トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)7人が新たに死亡(2020年5月9日)

シリア人権監視団は、トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)7人が、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍との戦闘で死亡し、その遺体がトルコ占領下のアレッポ県北部に搬送されたと発表した。

これにより、リビアでの戦闘で死亡したシリア人傭兵(ムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザート師団、スライマーン・シャー師団)の数は268人となった。

なお、リビアに派遣されたシリア人傭兵の数は約8,000人、トルコがシリア領内に設置しているキャンプで、派遣に向けて教練を受けている傭兵は約3,100人に達しているという。

AFP, May 9, 2020、ANHA, May 9, 2020、AP, May 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2020、Reuters, May 9, 2020、SANA, May 9, 2020、SOHR, May 9, 2020、UPI, May 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県北部で国民軍に所属する武装集団どうしが交戦(2020年5月9日)

ハサカ県では、ANHA(5月9日付)によると、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員どうしが、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のダーウーディーヤ村・アリーシャ村間の地域で交戦した。

シリア人権監視団によると、交戦したのは、ハムザ師団とスルターン・ムラード師団の戦闘員。

AFP, May 9, 2020、ANHA, May 9, 2020、AP, May 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2020、Reuters, May 9, 2020、SANA, May 9, 2020、SOHR, May 9, 2020、UPI, May 9, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県・イドリブ県境で住民を狙撃し殺害(2020年5月9日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから65日目となる5月9日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ県との県境に位置するミーズナーズ村一帯に展開するシリア軍部隊が、同村の住民1人を狙撃し、射殺した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、マアーッラト・ウルヤー村に潜入しようとしたシリア軍部隊を撃退した。

一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が県北部のシリア政府支配地域を砲撃した。

これに対して、シリア軍も反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県のキンダ村一帯を砲撃した。

AFP, May 9, 2020、ANHA, May 9, 2020、AP, May 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 9, 2020、Reuters, May 9, 2020、SANA, May 9, 2020、SOHR, May 9, 2020、UPI, May 9, 2020などをもとに作成。

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フッラース・ディーン機構のアブー・ハマーム・シャーミーを名乗る人物がシャーム解放機構を批判(2020年5月8日)

フッラース・ディーン機構のアブー・ハマーム・シャーミーを名乗る人物が、ラマダーン月15日(5月8日)付で「破壊のつるはし」と題した声明を出し、「シャーム解放機構の兵たちよ、救いは救い、安心は安心。我々はことの深刻さを警告すると伝える」と表明し、批判した。


AFP, May 15, 2020、ANHA, May 15, 2020、AP, May 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2020、Reuters, May 15, 2020、SANA, May 15, 2020、SOHR, May 15, 2020、UPI, May 15, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はロシア・トルコ両軍によるM4高速道路での合同パトロールに異議(2020年5月8日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構は声明を出し、ロシア・トルコ両軍によるイドリブ県内のM4高速道路での合同パトロールに改めて異議を唱えた。

シャーム解放機構は「修復されしシリア革命は、それを弱化させようとする多くの計画に直面している。しかし、その担い手たちは今も革命の原則を守っており、各戦線で民衆運動の支援を受け、ムジャーヒディーンの銃をもって革命を防衛している…多くの住民、活動家、ジャーナリストが「尊厳の座り込み」を行うために繰り出し、敵に対峙し、ロシア占領軍の通行に拒否の姿勢を表明した。我々は、解放区の住民に根付いた生きた革命の鼓動を表現するこの座り込みを祝福する」と表明したうえで、ロシア軍に対抗するよう呼びかけた。

AFP, May 8, 2020、ANHA, May 8, 2020、AP, May 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2020、Reuters, May 8, 2020、SANA, May 8, 2020、SOHR, May 8, 2020、UPI, May 8, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県ダーラ・イッザ市でシャーム解放機構による元司令官処刑の決定に抗議するデモ(2020年5月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーラ・イッザ市で、シャーム解放機構による元司令官処刑の決定に抗議するデモが発生した。

処刑が決定された元司令官は、ダーイシュ(イスラーム国)を離反し、シャーム解放機構に参加したメンバーで、2年前にシャーム解放機構に逮捕されていたという。

AFP, May 8, 2020、ANHA, May 8, 2020、AP, May 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2020、Reuters, May 8, 2020、SANA, May 8, 2020、SOHR, May 8, 2020、UPI, May 8, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県サラーキブ市内にあるシリア軍拠点を砲撃(2020年5月8日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから64日目となる5月8日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を3件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配下のサラーキブ市内にあるシリア軍拠点を砲撃した。

トルコ軍はまた、兵站物資などを積んだ車輌数十両からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、シリア軍が県東部の政府支配地域内に潜入していた自由人軍のメンバー2人を捕捉した。

また、フーア市近郊のサワーギヤ町にあるシャーム軍団の拠点が何者かの襲撃を受け、戦闘となった。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダブスィー・アフナーン村で空軍情報部の士官1人が何者かの襲撃を受けて、殺害された。

AFP, May 8, 2020、ANHA, May 8, 2020、AP, May 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 8, 2020、Reuters, May 8, 2020、SANA, May 8, 2020、SOHR, May 8, 2020、UPI, May 8, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍と有志連合はダーイシュの次期カリフと目されていたアブドゥッラー・カルダーシュ氏をダイル・ザウル県で逮捕(2020年5月7日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、同軍が米軍主導の有志連合の支援を受けて、ダイル・ザウル県のザッル村で空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の次期カリフと目されていたアブドゥッラー・カルダーシュ氏を拘束したと発表した。

なお、この人物が、ダーイシュ自身がアブー・バクル・バグダーディー氏死後に新カリフに就任したと発表していたアブー・イブラーヒーム・クラシーと同一人物なのかは不明。

AFP, May 7, 2020、ANHA, May 7, 2020、AP, May 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 7, 2020、Reuters, May 7, 2020、SANA, May 7, 2020、SOHR, May 7, 2020、UPI, May 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市で国民軍に所属する東部自由人連合とシャーム戦線が交戦(2020年5月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市で国民軍に所属する東部自由人連合が、同じく国民軍に所属するシャーム戦線の士官の自宅(アシュラフィーヤ地区)を襲撃、拘束しようとしたが、シャーム戦線と国民軍憲兵隊が応戦し、戦闘となった。

これを受けて、国民軍に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動がジンディールス町一帯に配置していた部隊をアフリーン市に派遣した。
国民軍憲兵隊がアフリーン市内に展開し、厳戒態勢を敷いた。

AFP, May 7, 2020、ANHA, May 7, 2020、AP, May 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 7, 2020、Reuters, May 7, 2020、SANA, May 7, 2020、SOHR, May 7, 2020、UPI, May 7, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュはヒムス県、ダイル・ザウル県でシリア軍、シリア民主軍を攻撃、13人を殺害(2020年5月7日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスフナ市とダイル・ザウル県シューラー村の間に位置する地域でシリア軍と親政権民兵を襲撃し、士官1人を含む11人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が南東部のバーグーズ村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌を襲撃し、2人を殺害した。

一方、クーリーヤ市近郊の砂漠では、国防隊の車輌が地雷の爆発に巻き込まれて、2人が死亡した。

AFP, May 7, 2020、ANHA, May 7, 2020、AP, May 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 7, 2020、Reuters, May 7, 2020、SANA, May 7, 2020、SOHR, May 7, 2020、UPI, May 7, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がアルーク村の揚水所を再び止水、タッル・アブヤド市近郊を砲撃しシリア民主軍兵士1人を殺害、シリア軍兵士ら3人を負傷させる(2020年5月7日)

ハサカ県では、ANHA(5月7日付)によると、ラアス・アイン市近郊のアルーク村にある揚水所に駐留するトルコ軍部隊とその支援を受ける国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市およびその周辺地域への水道水の供給を停止した。

ANHAによると、トルコ軍と国民軍がアルーク村にある揚水所を止水するのは今回で6回目。

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ラッカ県では、ANHA(5月7日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市近郊のアフダクー村を砲撃、シリア軍兵士2人が負傷した。

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、この砲撃により、シリア軍兵士2人が負傷するとともに、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士1人が死亡、1人が負傷したという。

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アレッポ県では、ANHA(5月7日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市東の国境地帯で合同パトロールを実施した。


AFP, May 7, 2020、ANHA, May 7, 2020、AP, May 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 7, 2020、Reuters, May 7, 2020、SANA, May 7, 2020、SOHR, May 7, 2020、UPI, May 7, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県ではシャーム解放機構がシリア軍を砲撃し、兵士多数死傷(2020年5月7日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから63日目となる5月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がM4高速道路のタルナバ村からアリーハー市近郊に至る区間で合同パトロールを実施した。

パトロールの実施に合わせて、ロシア軍の無人航空機(ドローン)複数機が、バーラ村、アリーハー市、マストゥーマ村などの上空を旋回し、偵察活動を行った。

一方、シャーム解放機構は、ザーウィヤ山地方のカンスフラ村一帯に展開するシリア軍部隊を砲撃し、シリア軍側に複数の死傷者が出た。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月7日付)によると、シャーム解放機構はカンスフラ村一帯に潜入しようとしたシリア軍部隊を迎撃し、兵士らを殺傷したという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安当局がムサーラマ家の青年を逮捕したことに抗議するデモがダルアー市内で発生した。

デモ参加者は、ダルアー市ダルアー・バラド地区とマハッタ地区を結ぶ街道を、タイヤを燃やすなどして封鎖した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・ジン村で何者かがシリア軍第4師団の兵士を襲撃、殺害した。

AFP, May 7, 2020、ANHA, May 7, 2020、AP, May 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 7, 2020、Reuters, May 7, 2020、SANA, May 7, 2020、SOHR, May 7, 2020、UPI, May 7, 2020などをもとに作成。

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リビアへの戦闘員派遣に反対する国民軍所属組織の70人あまりが離反(2020年5月6日)

シリア人権監視団は、トルコがアレッポ県、ラッカ県、ハサカ県北部の占領地、いわゆる「ユーフラテスの盾」、「オリーブの枝」、「平和の泉」地域で活動を続ける国民軍所属組織に対してリビアへの戦闘員派遣を要請していることに反発し、スルターン・ムラード師団の戦闘員70人あまりが離反したと発表した。

AFP, May 6, 2020、ANHA, May 6, 2020、AP, May 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2020、Reuters, May 6, 2020、SANA, May 6, 2020、SOHR, May 6, 2020、UPI, May 6, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のラアス・アイン市(ハサカ県)で住民が国民軍の退去を求める(2020年5月6日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市住民が、トルコの支援を受ける国民軍どうしの不和や戦闘に抗議し、同市からの退去を要請した。

ラアス・アイン市では4月27日に国民軍に所属する第20師団と東部自由人連合がラアス・アイン市近郊のハルウーニー村、アドワーニーヤ村一帯で激しく交戦していた。

一方、トルコ軍はアレッポ県北部で活動している国民軍の戦闘員とその家族を大型バス8台に分乗させ、ラアス・アイン市に移住させた。

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アレッポ県では、ANHA(5月6日付)によると、トルコ占領下のシャッラー村で国民軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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ラッカ県では、ANHA(5月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市を砲撃した。

AFP, May 6, 2020、ANHA, May 6, 2020、AP, May 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2020、Reuters, May 6, 2020、SANA, May 6, 2020、SOHR, May 6, 2020、UPI, May 6, 2020などをもとに作成。

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トルキスタン・イスラーム党はイドリブ県の火力発電所を破壊(2020年5月6日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから62日目となる5月6日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、SANA(5月6日付)によると、中国新疆ウィグル自治区出身者を中心に構成されるトルキスタン・イスラーム党がジスル・シュグール市近郊のザイズーン火力発電所の冷却塔を爆破、これを破壊した。

シリア人権監視団によると、火力発電所は、2015年3月にイドリブ県が「ファトフ軍」によって制圧されて以降、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルキスタン・イスラーム党によって分割管理されてきた。

両組織は、発電所の設備や備品を数年間にわたって持ち出しては、イドリブ県の廃品業者に売却していたという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はアーフィス村一帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, May 6, 2020、ANHA, May 6, 2020、AP, May 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 6, 2020、Reuters, May 6, 2020、SANA, May 6, 2020、SOHR, May 6, 2020、UPI, May 6, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県で正体不明の武装集団がトルコの後援を受けるシャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団を襲撃(2020年5月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がフーア市近郊にあるシャーム自由人イスラーム運動の砲台を襲撃し、戦闘となった。

この戦闘で武装集団のメンバー複数人が負傷した。

また、イドリブ市とマアッラトミスリーン市を結ぶ街道では、別の武装集団がシャーム軍団の車輌を盗もうとして、これを襲撃した。

シャーム自由人イスラーム運動とシャーム軍団はいずれもトルコが後援する国民解放戦線(シリア国民軍)に所属している。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市で、トルコ軍兵士7人の新型コロナウイルス感染が確認(2020年5月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「オリーブの枝」地域の中心都市アフリーン市で、トルコ軍兵士7人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。

感染は、アフリーン市内のトルコ軍基地で兵士らに対して行われたPCR検査で確認され、基地は封鎖されたという。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

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トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍)の数は7,850人に(2020年5月5日)

シリア人権監視団は、トルコがハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と対立を続ける国民合意政府(GNA)を支援するため、シリア人傭兵(国民軍戦闘員)を新たに派遣したと発表した。

同監視団によると、これにより、リビアに派遣された傭兵は、シリア人以外の外国人も含めて7,850人となった。

また、シリア北部にトルコが設置しているキャンプで教練を受ける戦闘員の数は3,000人に達しているという。

なお、リビアでの戦闘で死亡したシリア人傭兵は261人に達しているという。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市(アレッポ県)での爆発で住民1人死亡(2020年5月5日)

アレッポ県では、ANHA(5月5日付)やSANA(5月5日付)によると、トルコ占領下のバーブ市のファーティマ・ザフラー・モスク近くで、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡、国民軍の戦闘員多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、死亡したのは両替商。

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

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M4高速道路でのロシア・トルコ軍合同パトロール部隊が初めてアリーハー市郊外に到達(2020年5月5日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから61日目となる5月5日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍は、3月5日の停戦合意に従い、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施した。

合同部隊は、タルナバ村を出発、ムサイビーン村を経由して、アリーハー市郊外までの区間をパトロールした。

合同パトロール部隊がアリーハー市郊外にまで到達したのは今回が初めて。

一方、シリア政府支配地域に面するアーフィス村ではトルコ軍部隊が掩体壕を新設した。

これに対して、サラーキブ市北の設置されている検問所に駐留するシリア軍がトルコ軍の重機(ブルドーザー)を砲撃、これを破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安機関が地元の名士らに対して、ムザイリーブ町のムザイリーブ区庁舎を4日に襲撃し、職員9人を殺害した「テロ集団」の司令官を5日中に引き渡すよう要求、これに応じない場合は同地に進攻すると最後通告を出した。

これを受けて、事態悪化を懸念したロシアが地元名士と面談し、地元名士にリーダーを探し出し、その身柄引き渡すことを約束させた。

一方、ジュビーブ村(スワイダー県)とウンム・ワラド村を結ぶ街道では、離反兵が何者かの襲撃を受けて、殺害された。

 

AFP, May 5, 2020、ANHA, May 5, 2020、AP, May 5, 2020、Dayr al-Zawr 24, May 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 5, 2020、Reuters, May 5, 2020、SANA, May 5, 2020、SOHR, May 5, 2020、UPI, May 5, 2020などをもとに作成。

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アンサール・タウヒードは声明を出し、「信者を煽れ」作戦司令室を離脱(2020年5月4日)

新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードは声明を出し、「信者を煽れ」作戦司令室を離脱すると発表した。

「信者を煽れ」作戦司令室は、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる武装連合体。2018年10月に結成された。

声明のなかでアンサール・タウヒードは「我々は自立しており、公然、非公然を問わず、内外のいかなる組織のバイア(忠誠)と関わりはない…。いかなる作戦司令室にも所属していない。いかなるグループ、組織とも同盟を結んでいない。戦いは一部組織との連携のもと独自に行われている」と表明した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がハサカ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2020年5月4日)

ハサカ県では、SANA(5月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のタッル・マナーフ村、ファッカ村、ダルダーラ村、アズィーズィーヤ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(5月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が3日夜から4日未明にかけて、アフダクー村、クーバルラク村、スライブ村、カルファラ村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、ズィヌービヤー村、ザイン・アラブ村を砲撃した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にある北西部のいわゆる「解放区」が暫定内閣による通行所閉鎖で医薬品不足に(2020年5月4日)

シリア人権監視団は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の支配下にある北西部のいわゆる「解放区」が、医薬品不足に見舞われていると伝えた。

トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立の傘下組織)がシリア政府支配地域とを結ぶすべての通行所を閉鎖しているため。

これにより、降圧薬、アスピリン、子供用のサプリメント、肺炎治療用の薬などシリア製の医薬品の供給が停止しており、新型コロナウイルス感染症対策が充分に行えなくなっているという。

なお、シャーム解放機構は、4月30日にイドリブ県のマアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県のミズナーズ村を結ぶ街道に通行所を設置し、シリア政府支配地域との通商を試みたが、トルコや住民の反対により、5月1日にこれを閉鎖している。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

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ダルアー県ムザイリーブ町にあるムザイリーブ区庁舎が「テロ集団」の襲撃を受け、職員9人死亡(2020年5月4日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから60日目となる5月4日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるルワイハ村一帯に潜入、「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌35輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がガーブ平原で、シリア軍の無人偵察機(ドローン)を撃墜した。

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ダルアー県では、SANA(5月4日付)によると、ムザイリーブ町にあるムザイリーブ区庁舎が「テロ集団」の襲撃を受け、職員9人が殺害された。

殺害されたのはダルアー警察の職員。

また、シリア人権監視団によると、東ムライハ町とナーフタ町を結ぶ街道で空軍情報部のメンバー2人が何者かの襲撃を受けて、死亡した。

AFP, May 4, 2020、ANHA, May 4, 2020、AP, May 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 4, 2020、Reuters, May 4, 2020、SANA, May 4, 2020、SOHR, May 4, 2020、UPI, May 4, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局が管理するハサカ市の刑務所でダーイシュ・メンバーが暴動(2020年5月3日)

ハサカ県では、ANHA(5月3日付)によると、北・東シリア自治局が管理するハサカ市グワイラーン地区にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)で、拘留中のダーイシュ(イスラーム国)メンバーが暴動を起こしたが、内務治安部隊(アサーイシュ)がこれを鎮圧した。

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のキーヌー・ガブライール報道官が発表した声明によると、暴動は2日晩から3日まで続いたが、内務治安部隊、テロ撲滅部隊、米主導の有志連合が介入し、最終的には暴動を首謀したメンバーとの交渉の末に鎮圧した。

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