ヒムス県のハウラ地方で子供32人を含む92人に対する「虐殺」が発生し、シリア国民評議会を含む各反体制勢力や国連、アラブ連盟などが激しい非難を表明(2012年5月26日)

ハウラ地方での「虐殺」

UNSMISのロバート・ムード司令官は、ヒムス県のハウラ地方(ヒムス市郊外)でUNSMISが子供32人を含む92人の遺体を確認し、検死から「戦車の砲撃が行われた」可能性が高いと述べた。

al-Hayat, May 27, 2012
al-Hayat, May 27, 2012

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UNSMISの訪問に先立って、シリア人権監視団は「ハウラ地方で虐殺が発生し、子供25人を含む90人以上が死亡した…。正規軍が金曜日(25日)朝から砲撃を始め、深夜過ぎの早い時間まで砲撃は続いた」と発表していた。

同監視団によると砲撃は、同地方南部のタッルドゥー市と西部のタイバ村で激しかったという。

なおシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長はその後、AFP(5月26日付)に対して、死者数が114人にのぼると述べた。

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殺害された遺体は一カ所に集められ、反体制活動家らがユーチューブやストリーミング・テレビを通じて公開した。

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『ハヤート』(5月27日付)は、ハウラ地方の反体制活動家の話として、同地方がスンナ派の村々からなる一方、周囲をアラウィー派の村々に囲まれているとしたうえで、「彼ら(アラウィー派)が村々に進入し、殺戮行為を行った」と断じたと報じた。

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ハウラ地方の住民の一人はUPI(5月27日付)に対して、同地方に入ったUNSMISを住民が歓迎しておらず、「去るよう求めた」と述べた。

同住民によると、UNSMISが訪問する地域のほとんどはその後砲撃を受けている」という。

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これに対して、SANA(5月26日付)は、アル=カーイダがハウラ地方のシューマリーヤ村とタッルドゥー市で住民を虐殺したと報じた。

同通信社によると、武装テロ集団が25日夜にタッルドゥー市とシューマリーヤ村で家々を破壊し、彼らの犯罪活動を支援するメディアを通じて、軍がハウラ地方を砲撃したと見せかけているという。

また武装テロ集団は、タッルドゥー市の国立病院や治安維持警察本部を焼き撃ち、治安維持部隊との交戦で双方に多数の死傷者が出たという。

またシリア・アラブ・テレビ(5月26日付)も、コフィ・アナン特使の訪問を数日後に控えるなか、「アナン特使の停戦案を失敗させるために国民に対する反体制勢力の虐殺がエスカレートしている」と断じた。

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ダマスカスで活動する自由シリア軍は、ハサン・アフマド・ワフブ准将を捕捉、ユーチューブを通じて、同准将がハウラでの「虐殺」がアサド政権による犯行だと証言するビデオを発信した。

Youtube, May 26, 2012
Youtube, May 26, 2012

ワフブ准将は第24防空師団第96大隊司令官でアラウィー派だと証言している。

なお、自由シリア軍は3月17日にもドゥーマー市でナイーム・ハリール・アウダ准将(アラウィー派)を捕捉し、弾圧に関する取り調べ、証言を行わせたのち、シリア赤新月社に身柄を引き渡し、釈放している。

その他の国内での暴力・デモなど

『ハヤート』(5月27日付)によると、イドリブ県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、ハマー県、アレッポ県などでハウラ地方での虐殺に抗議するデモが発生した。

デモでは「アナンのイニシアチブを打倒しよう」、「アナンこそハウラ虐殺の責任者だ」といった横断幕などが掲げられた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市で、ハウラ地方での虐殺に抗議するため、ダマスカス・アレッポ街道を封鎖しようとしたデモ参加者に治安部隊が発砲し、1人が死亡した。

またアリーハー市では治安部隊の発砲で2人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外のブワイダ村などが軍・治安部隊の砲撃にさらされ、8人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が要撃を受け、兵士5人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(5月26日付)によると、アレッポ市のサアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)でアサド政権の改革支持、武装テロ集団の破壊行為拒否を訴えるデモが発生した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍国内合同司令部は声明を出し、国連が民間人保護のために早急に対処しない限り、アナン特使の停戦案は遵守できない、と警鐘をならした。

声明で同指導部は「監視団がいるなかで…ハウラ地方などでの虐殺は…、アナン特使の停戦案の失敗を示すものであり、バッシャール・アサドと彼の悪党が力と暴力以外の言葉を理解していないことを認識させるものだ…。(国連安保理は)責任を追及するとともに、アナン特使の停戦案の失敗を宣言し、シリアとその国民を救済する迅速かつ断固たる措置を講じる」べきだと述べた。

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ヒムス市・郊外軍事評議会のサーミー・クルディー報道官は、AFP(5月26日付)に対して、自由シリア軍国内合同司令部の声明が国内外の軍事評議会の間の調整を経て発表されたことを明らかにした。

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また在外の自由シリア軍最高軍事評議会のムスタファー・シャイフ准将は戦闘員に向けて声明を出し、「アサドの軍、シャッビーハ、体制の象徴に対して組織的に軍事的打撃を与える」呼びかけた。

また「利用可能なすべての手段を駆使して、住宅地域に政府とその武装した私兵が入ることを阻止する」よう呼びかけた。

一方、「シリアの友連絡グループ」に対して、「アサドの軍と体制の象徴に対する空爆を行うため、安保理の枠外で軍事同盟をただちに結成するよう」求めた。

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シリア国民評議会は声明を出し、ハウラ地方での「残忍な虐殺」に対処するための緊急会合の開催を安保理に呼びかけ、「国連憲章第7章に依拠することも念頭においたかたちでシリア国民を保護するための必要な措置」をとることを求めた。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、ハウラ地方での「虐殺」に関して、アナン特使とUNSMISが「政府の犯罪を隠蔽することに荷担している」と非難した。

レバノンの動き

NNA(5月26日付)によると、レバノン人がシリア領内に金7キロを密輸しようとして、北部県アッカール郡の対シリア国境の町アリーダでレバノン税関当局に拘束された。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長とアナン特使は共同声明を出し、UNSMISが「遺体を検証し、住宅地に戦車や迫撃砲による砲撃が加えられたことが確認された」ことを明らかにし、「国際法と、人口密集地域での重火器の使用停止に対するシリア政府の目に余る違反であり…関係者と責任者は処罰を受けねばならない」と厳しく非難、シリア政府に人口密集地域での重火器の使用停止を改めて求めた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ハウラ地方での「残忍な虐殺」を厳しく非難すると発表し、民間人に対する体系的な犯罪・侵害の責任者の処罰が必要だと述べた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ハウラ地方での「虐殺」を厳しく非難し、「シリアの友連絡グループ」の会合を呼びかけるとともに、国際社会に対して「シリア国民への殺戮を停止させるためさらなる動員」を求めた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、ハウラ地方での「虐殺」に対して国際社会が「協力な反応」を行う必要があると述べた。

AFP, May 26, 2012、Akhbar al-Sharq, May 26, 2012, May 28, 2012、al-Hayat, May 27, 2012、Kull-na Shuraka’, May 26, 2012、Naharnet.com, May 26, 2012、NNA, May 26, 2012、Reuters, May 26, 2012、SANA, May 26, 2012、UPI, May 26, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「自由シリア軍国内合同司令部」が発足声明を発表、シリアの友連絡グループの政府高官レベル会議が開かれUAEとドイツが「シリア再建のため」の約60万ドルを供与決定(2012年5月25日)

国内の暴力

反体制活動家によると、各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生した。

インターネット上では、地元調整諸委員会、シャーム・ニューズ・ネットワークなどが「ダマスカスよ我々の約束のときは近い」金曜日と銘打ってデモが呼びかけられていた。

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ハマー県では、シリア革命総合委員会によると、17人が早朝、軍・治安部隊の発砲で死亡した、という。

シリア人権監視団によると、ハマー市のサーブーニーヤ地区で治安部隊が未明、市民1人を殺害した。

またシャイザル町では青年2人を含む4人が殺害された。

さらにガーブ平原では軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦した。

UPI(5月25日付)によると、武装集団がハマー市校外の学校の校長を誘拐した。

一方、SANA(5月25日付)によると、ハマー市スーク・タウィールで、武装テロ集団によって殺害された一家3人の遺体が発見された。

またムハルダ市郊外のシャイザル町でも武装テロ集団が殺害した市民4人の遺体が発見された。

さらにサラミーヤ地方カッブ・ハート村では武装テロ集団の発砲で市民7人が殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市マルアブ地区で金曜礼拝後に反体制デモが発生したが、治安部隊が発砲し、強制排除した。

またヒムス市郊外のハウラ地方でも金曜礼拝後に反体制デモが発生した。

一方、地元調整諸委員会によると、クサイル市周辺の村々に軍・治安部隊が砲撃を加え、1人が死亡した。

他方、SANA(5月25日付)によると、クサイル地方ラブラ市で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民6人が死亡した。

またヒムス市ハミーディーヤ地区では武装テロ集団の発砲で女性1人が死亡した。

さらにハウラ地方のタッルドゥー市では武装テロ集団と治安維持部隊が交戦し、テロリストと治安維持部隊兵士双方が死傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のサラーフッディーン地区、ブスターン・カスル地区などで発生したデモに対して治安部隊が発砲し、複数が負傷した。

またマアッル・シューリーン村では、軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

一方、SANA(5月25日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団がブスターン・カスル地区で無差別に発砲し、子供2人が殺害された。

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ダマスカス県では、地元調整諸委員会によると、ナフル・イーシャ地区で人々がタイヤなどを燃やし、反体制デモを行った。

またシリア人権監視団によると、県内各所で反体制デモが発生した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サビーナ市など各地で反体制デモが発生した。

UPI(5月25日付)によると、武装集団がザバダーニー市やハーンマ市の学校を襲撃し、13歳の子供を負傷させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生した。

UPI(5月25日付)によると、武装集団がサフワ村の中学校を襲撃、焼き討ちにし、またラジャート村の教師を誘拐した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市クルド人地区の武装集団に対して、軍・治安部隊がヘリコプターで攻撃し、多数の負傷者が出た、という。

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シリア人権ネットワークによると、シリア人2人がダルアー県とクナイトラ県で治安部隊の発砲により死亡した。

アサド政権の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、米国の制裁によって米国内にある国連シリア政府代表部(のスタッフ)の銀行口座が閉鎖され、新口座を開設できない、と国連の関係部局に対して抗議した。

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『ハアレツ』(5月25日付)は、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)らシリア政府・軍高官複数が毒殺未遂にあっていたと報じた。

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『クドス・アラビー』(5月25日付)によると、バアス党シリア地域指導部のムハンマド・サイード・バヒーターン副書記長は、自身が暗殺されたとの一部報道を否定した。

反体制勢力の動き

「自由シリア軍国内合同司令部」を名のる組織が発足声明、規則および組織を発表、「現状を踏まえ、民間人殺戮と都市を包囲する治安部隊に対して、シリア各地で例外なく、合法的手段で自らの目的を追求する」と武装闘争放棄とも思われる方針を発表した。

また同声明には、「シリア国民が選ぶであろう政府による文民国家建設、国民統合と領土保全の維持を支援する」との目標が示されている。

しかしこれらの文書の日付は3月29日になっている。

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シリア・ムスリム同胞団のファールーク・タイフール副監督者は『シャルク・アウワト』(5月25日付)に対して、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長の辞任に関して、「ガルユーン氏は世界の指導者との広範なネットワークを保障する存在であり、その交代は現状において好ましくない」と述べた。

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『クッルナー・シュラカー』(5月25日付)は、シリア国民評議会元メンバーのジュワーン・ユースフ氏の話として、シリア・ムスリム同胞団の支配が評議会が抱える問題の根本にあると報じた。

同氏によると、シリア・ムスリム同胞団は世俗主義やリベラリズムの潮流を利用し自らの政治目標を実現しようとしており、評議会の失敗をブルハーン・ガルユーン事務局長に押しつけた、という。

またシリア・ムスリム同胞団は民主主義の原則を拒否しているという。

レバノンの動き

首相府は声明を出し、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣から午後、「シリア(アレッポ)で誘拐されたレバノン人(シーア派11人)が無事で、ベイルートへの帰路にある」との電話連絡を受けたと発表、彼らが釈放され、トルコ経由で帰国することを明らかにした。

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シリア解放党を名のる反体制組織のイブラーヒーム・ズウビー書記長は、アラビーヤ(5月25日付)に対して、レバノン人誘拐犯は「組織ではなく、いかなる勢力にも属していない」と述べ、自由シリア軍やイスラーム主義者の関与を否定した。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は解放記念日に合わせてテレビ演説を行い、そのなかでシリア国内の危機打開のために政治対話を支持すると改めて述べた。

SANA, May 25, 2012
SANA, May 25, 2012

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は国連安保理決議第2043号の実施状況に関する報告書で、「紛争の軍事化」を回避するため、すべての当事者、とりわけアサド政権に対してアナン特使の停戦案の履行を求めた。

また「シリアのすべての当事者への武器供与、軍事教練、ないしは軍事的支援を行う者は、暴力を恒久的に停止させるため、こうした選択肢を再検討しなければならない」と指摘した。

そのうえでアサド政権に対しては、「大多数の住民の人権が侵害されるなかで信頼できる政治的プロセスは始められない」とし、暴力停止を求めた。

UNSMISの展開に関しては、「監視団が展開する一部地域では暴力のレベルが低下しつつある」としながらも、現地では依然として暴力、混乱、人権侵害が続いており、「一部地域は反体制勢力の支配下」に置かれ、UNSMISはシリア政府と反体制勢力の双方から日々、停戦違反に関する報告を受けていることを明らかにした。

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国連の潘基文事務総長はCNN(5月25日付)に対して、シリア国内の紛争がレバノンに波及することに関して「この種の波及効果を非常に懸念している」と述べた。

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UAEのアブダビでシリアの友連絡グループ会合の政府高官レベル会議が24~25日に開かれ、会議を開催・主導したUAEとドイツは、シリア再建のために約60万ドルを供与することで合意した。

会議には約60カ国の高官と、シリア国民評議会執行委員会メンバーが出席した。

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AFP(5月25日付)によると、ドイツ外務省は駐シリア大使を本国に帰国させた。

AFP, May 25, 2012、Akhbar al-Sharq, May 25, 2012、Alarabia.net, May 25, 2012、CNN, May 25, 2012、Haaretz, May 25, 2012、al-Hayat, May 25, 2012、May 26, 2012、Kull-na Shuraka’, May 25, 2012、Naharnet.com,
May 25, 2012、al-Quds al-ʻArabi, May 25, 2012、Reuters, May 25, 2012、SANA, May 25, 2012、UPI, May 25, 2012などをもとに作成。

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第10期人民議会が初の臨時会を開きバアス党が擁立した候補者が議長、副議長、事務局長に就任、ガルユーン氏「我々はシリア国民の犠牲のレベルに自らを高めることができなかった」(2012年5月24日)

第10期人民議会

第10期人民議会が5月7日の総選挙後初の臨時会を開いた。

SANA(5月24日付)によると、臨時会では、選出された議員が就任宣誓を行ったのち、議長など役員の選挙が行われ、バアス党が擁立した候補者が議長、副議長、事務局長に就任した。

議長選挙には、ムハンマド・ジハード・ラッハーム議員(ダマスカス県)とムジーブッラフマーン・ムーサー・ダンダン議員(アレッポ県諸都市)が立候補し、225対9でラッハーム議員が議長に選出された。白票は15、無効票は1だった。

SANA, May 24, 2012
SANA, May 24, 2012
SANA, May 24, 2012
SANA, May 24, 2012
SANA, May 24, 2012
SANA, May 24, 2012

選出された250人のうち、初当選は207人、女性は30人。

また副議長は、ファフミー・ハサン議員(アレッポ県諸都市、無所属)、シャリーフ・シハーダ議員(ダマスカス県、無所属)が立候補し、202対35でハサン議員が選出された。白票は11票だった。

事務局長には5人が立候補し、アブドゥルムウティー・マシュラブ議員(ヒムス県、バアス党)、ハーリド・アッブード議員(ダルアー県、統一社会主義者党)が192票、195票を得て選出された。

アルカーン・アジュワド・ナスル議員(スワイダー県)、イスカンダル・ジルジス・ジャッラーダ議員(ラタキア県)、マフムード・ディヤーブ議員(ダマスカス郊外県)の獲得票は8、25、18票だった。

監査役(定員2人)には、マーリヤー・サアーダ議員(ダマスカス県、無所属)、ラーミー・ムハンマド・サーリフ議員(タルトゥース県、バアス党)が無投票で選ばれた。

なおバアス党が指導する進歩国民戦線は167議席、人民意思党が指導する野党連合の変革解放国民宣誓は5議席を占める。

アサド政権の動き

憲法最高委員会のメンバーがアサド大統領の前で宣誓を行った。

SANA, May 24, 2012
SANA, May 24, 2012

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SANA(5月24日付)は、アサド大統領はイラン通信情報技術大臣との会談で、シリアが「国民の抵抗力、統合への結束力、独立性ゆえに危機脱却の能力がある」と述べたと報じた。

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シリアのムハンマド・ジャラーラーティー財務大臣はRT(5月24日付)に対して、西側の経済制裁が「国の経済に直接の影響をもたらさない…。なぜなら国営・民営部門を通じてほとんどの産品の90%を自給自足しているからだ」と述べた。

国内の暴力

ハマー県では、シリア革命総合委員会によると、軍・治安部隊、シャッビーハがガーブ渓谷からハマー市に戻ろうとしていた家族を23日に誘拐・殺害し、遺体をミスヤーフ地方(タルトゥース県)に遺棄した、という。

シリア人権監視団によると、この誘拐・殺人によって、レンタカーのドライバー、女性1人とその子供4人が犠牲となった。

この事件に関して、SANA(5月24日付)は武装テロ集団が誘拐殺害したと報じた。

またSANA(5月24日付)によると、カムハーナ町で市民1人が武装テロ集団が仕掛けた爆弾の爆発で死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バサーミス村の自宅で市民4人が治安当局に逮捕、処刑された、という。

またダイル・サンバル村・イフスィム町間で軍・治安部隊と離反兵が交戦し、4人が死亡した。

一方、SANA(5月24日付)によると、バサーミス村で治安維持部隊が爆弾を仕掛けようとしていた武装テロ集団と交戦し、テロリスト多数を殺害した。

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ヒムス県では、離反兵が立て籠もるラスタン市に軍・治安部隊が砲撃を加え、3人の市民が死亡した。

またシリア革命総合委員会などによると、ヒムス市の複数地区に軍・治安部隊が砲撃を加えた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市で軍・治安部隊と離反兵が交戦し、離反兵1人と軍兵士1人が死亡した。

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ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、複数の活動家によると、治安当局の発砲で1人が射殺されたほか、各地で逮捕・摘発が行われた。

一方、SANA(5月24日付)によると、ダマスカス郊外県ジュダイダト・ファドル町で武装テロ集団が軍大佐と13歳になる息子を暗殺した。

またサフナーヤー市・ダーライヤー市間で武装テロ集団が違法な掘削井戸を解体していたダマスカス水資源局職員を襲撃し、職員4人と治安維持部隊兵士5人を殺害した。

『シャルク』(5月25日付)は、自由シリア軍がカーブーン区で「シャッビーハが経営し、彼らの会合場所となっていたレストラン兼酒屋を深夜に襲撃した」と報じた。

襲撃されたのはレストラン「ニダール」(アブー・ジャアファル・ダーヒル氏)。

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ダルアー県では、シリア革命総合委員会によると、フラーク市が軍・治安部隊に砲撃された。

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ラタキア県では、シリア革命総合委員会によると、ラタキア市のクルド人地区で銃声や爆発音が聞こえた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長はAFP(5月24日付)に対して、「我々はシリア国民の犠牲のレベルに自らを高めることができなかった」と自己批判した。

ガルユーン事務局長は自らの辞任に関して、「評議会に組織の改編を行わせ、前進させ、ほかの勢力を糾合し、民主的になるための法改正を行わせるため辞任を思い立った」と述べた。

またシリア国民評議会については「コンセンサスという基礎」が活動を妨げているとしたうえで、「選挙を基礎」に運営される必要があると主張し、「現在の組織形態は、さまざまな政党・政治組織の連合体が決定を独占し、メンバーが実質的に決定に参加する機会を与えておらず、そのことが停滞を招いた」と自己批判した。

さらに「現地でデモを組織している若者を…糾合することにおいて大きな進展はなかった…。シリア国民評議会は、それ以外の組織への真の開放を実現できず、前進できないことで、我々は信頼を失ってしまっている」と述べた。

一方、シリア国民評議会の対立を「イスラーム主義者対世俗主義者」とする見方に関しては、正確ではなく、こうした見方はシリア政府、さらには一部の世俗主義者が革命分断のために行ってきた方法だと述べた。

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自由シリア軍(ウバイド・ムハンマド・ウバイド大佐)はアラビーヤ(5月24日付)に対して、アレッポ市郊外の約90%(東部、西部、北部)が自由シリア軍の支配下に入ったと語った。

これらの地区では軍・治安部隊に対する軍事活動が見られているが、ウバイド大佐によると、「自由シリア軍の作戦は依然として自衛の段階にあり、軽火器を使用、アナン特使の停戦案を原則遵守している」という。

諸外国の動き

国連人権委員会、アムネスティは年次報告を発表し、アサド政権による人権侵害を非難した。

http://www.amnesty.org/en/region/syria/report-2012

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Aitnews.com(5月24日付)によると、グーグル社は米国の制裁によって禁止されていたシリア国内でのプログラムの一部を再開したと発表した。

シリアでの利用が再開されたのはクロム・ブラウザ、グーグル・アースなど。

AFP, May 24, 2012、Aitnews.com, May 24, 2012、Akhbar al-Sharq, May 24, 2012、Alarabia.net, May 24, 2012、al-Hayat, May 25, 2012、Kull-na Shuraka’, May 24, 2012, May 25, 2012、Naharnet.com, May 24, 2012、Reuters, May 24, 2012、SANA, May 24, 2012、al-Sharq, May 25, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポでのレバノン人巡礼者誘拐に自由シリア軍が関与か、一方シリア国民評議会がガルユーン事務局長の辞任を受理し6月初旬に新事務局長の選出へ(2012年5月23日)

アサド政権の動き

スィフヤーン・アッラーウ石油鉱物資源大臣は、2011年9月から現在まで、西側諸国の制裁によりシリアの石油部門の損失が40億ドル相当に上ると発表した。

石油鉱物資源省で行われた記者会見で、アッラーウ石油鉱物資源大臣は家庭用のガスが不足していると強調する一方、ヴェネズエラから22日に灯油約35,000トンが到着したことを明らかにした。

ヴェネズエラからの灯油の搬入はこれが3度目で、近く4度目の搬入がある、という。

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『クッルナー・シュラカー』(5月23日付)は、アサド大統領がガッサーン・ハバシュ在日シリア大使を帰国させ、大使を職を解く政令を発した、と報じた。

同報道によると、ハバシュ大使は経済通商大臣に就任すると噂されている。

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シリア・アラブ・テレビ(5月23日付)は、当局が身柄拘束したイスラーム主義者が破壊行為を行ったと自白する映像を公開した。

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反体制勢力は、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)が暗殺され、タルトゥース県のマドハラ市に埋葬されたとの噂を流した。

Akhbar al-Sharq, May 23, 2012
Akhbar al-Sharq, May 23, 2012

ジャズィーラなどが複数の暗殺された(可能性がある)と報じた政府・軍高官のなかでシャウカト少将だけが公の場に姿を現していないのがその理由。

しかしシャウカト少将が公の場所に姿を現したことはほとんどない。

国内の暴力

ダマスカス県およびダマスカス郊外県では、シリア人権監視団やシリア革命総合委員会によると、カーブーン、バサーティーン・バルザ、ハラスター、クタイファ、ムウダミーヤ、ドゥーマーなどで大きな爆発音が数回聞こえ、黒煙が上がったというが、詳細については伝えなかった(伝えることができなかった)。

シリア人権監視団によると、ダマスカス国際空港に向かう街道で爆弾が爆発し、3人が死亡した。

一方、SANA(5月23日付)によると、マイダーン地区で武装テロ集団が市民に発砲、2人が殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団などによると、離反兵がたて籠もるラスタン市に対して、軍・治安部隊が激しい砲撃を加えた。

複数の活動家によると、ヒムス市クスール地区に対して、軍・治安部隊が砲撃を加えた。

彼らによると、砲撃は、UNSMISが活動するなかで行われた、という。

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Akhbar al-Sharq, May 23, 2012
Akhbar al-Sharq, May 23, 2012

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市の検問所で市民1人が射殺された。

またダーイル町で治安当局が殺害した市民の葬儀に15,000人の住民が参列した、という。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アナダーン市で市民1人が治安当局に射殺された。

シリア人権監視団やアレッポ調整連合のムハンマド・ハラビー氏らによると、アレッポ市の裁判所で、弁護士と市民が逮捕者釈放を求める座り込みを行った。

ハラビー氏によると、参加者は1,000人を越えたという。

シリア人権監視団によると、治安部隊が参加者多数を逮捕し、抗議行動を強制排除した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月23日付)によると、マヤーディーン市郊外の砂漠地帯で武装テロ集団が国境警備隊の車輌を襲撃し、警備兵複数が死亡、また警備隊の応戦により、テロリスト複数が死傷した。

またダイル・ザウル市でも武装テロ集団と軍・治安部隊が交戦した。

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『クッルナー・シュラカー』(5月24日付)はハサカ県カーミシュリー市でクルド民族主義政党の民主統一党の党員が、逮捕された党員を搬送している治安機関の車を襲い、4人を脱走させた、と報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、アレッポでのレバノン人巡礼者誘拐を非難するとともに、「レバノンの混乱を助長するためにシリア政府が関与した可能性を否定しない」と推定し、自由シリア軍に対して「レバノンの同胞解放のため可能なすべての努力を行う」よう呼びかけた。

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自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐は『ラアユ』(5月23日付)に対して、アレッポでのレバノン人巡礼者誘拐への関与を否定し、「最近結成された金融マフィア集団」の犯行だと断じた。

また自由シリア軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将は、AFP(5月23日付)に対して、「自由シリア軍は決して関与していない…。こうした試みは自由シリア軍を貶めようとするものだ」と述べた。

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地元調整諸委員会は、声明を出し、アレッポでのレバノン人巡礼者誘拐に関して、「宗派感情をエスカレートさせ地域で内戦を煽ろうとする…革命の道徳」に反した行為と非難した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は『アフラーム』(5月23日付)に対して、「政治的解決が失敗した場合、国際社会は軍事介入という選択肢があるということに気づくだろう」と述べた。

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反体制活動家のマアン・アーキル氏(アラウィー派)は、ロイター通信(4月23日付)に対して、アサド政権の打倒はアラウィー派にとっても利益をもたらすだろう、と述べ、アラウィー派の運命とアサド政権の運命を結びつけるべきない、と主張した。

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シリア国民評議会は声明を出し、ブルハーン・ガルユーン事務局長の辞任を受理し、6月9~10日に新事務局長の選出を行うと発表した。

執行委員会が出した同声明によると、評議会メンバーは5月21日から23日にトルコのイスタンブールで会合を開き、ガルユーン事務局長が提出した辞表と組織改編委員会開催の呼びかけに関する書簡などを審議した。

この書簡のなかでガルユーン事務局長は、組織内の「真空や意見の相違」を回避する必要を強調しつつ、事務局長選出には出馬しないとの意思を示した。

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シリア暫定議会の広報局は声明を出し、すべての革命運動家に対して、5月末までに自らの代表を擁立し、シリア暫定議会のメンバーとするよう呼びかけた。

レバノンの動き

Naharnet.com, May 23, 2012
Naharnet.com, May 23, 2012

アレッポで誘拐されたレバノン人とともに巡礼バスに乗っていた女性たちが空路でレバノンに帰国した。

「アフバール・シャルク」(5月23日付)によると、女性の一人は「自由シリア軍が私たちを静止し、男達を連れ去った…。白い車に乗った武装集団が砲撃を回避させると言って、バスをバサーティーンに誘導した…。彼らは自分たちが自由シリア軍だと言った」と述べた。

また武装集団はシリア軍と男たちを交換するつもりだと述べる一方、レバノン人を罵倒した、という。

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自由国民潮流代表で国民議会議員のミシェル・アウン元国軍司令官は、一部の勢力がシリアの混乱をレバノンに波及させ、我々を外国に屈服させようとしている、と述べた。

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マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教は、クウェートの『ラアユ』(5月23日付)に対して、「アサド政権は独裁で、レバノン国民はそれにより苦しめられてきた…。アサド政権の崩壊は、シリアで暮らすキリスト教徒に何の影響も与えない。なぜなら彼らはそもそも政治体制に忠実かどうかは別として、体制に従っているだけだからだ。すべてのイスラーム教の宗派は穏健だが、不安定をもたらそうとする一部の国の支援を受けた過激派が権力を握りつつある」と述べた。

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ベイルートにある聖ジョセフ大学でレバノン・カターイブ党を支持する学生とヒズブッラーを支持する学生が衝突した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、記者会見で、シリアの紛争がレバノンに波及する「具体的な脅威」があり、それが現実となればレバノンにとって「非常に悪い結果」をもたらすと述べた。

またレバノン情勢に関して、「シーア派とスンナ派の対立が人口的にエスカレートさせられていることは悲劇だ」と付言した。

一方、『ハヤート』(5月24日付)などによると、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、ロシア外務省が回付する雑誌とのインタビューで、アサド政権のシリアの反体制勢力の対話会合を国連主催のもとモスクワで開く意思があることを明らかにした。

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イラクのラマーディー市郊外でレバノン人巡礼者(シーア派)を乗せたバスが道路脇に仕掛けられた爆弾の爆発に巻き込まれ、3人が死亡、10人が負傷した。

AFP, May 23, 2012、al-Ahram, May 23, 2012、Akhbar al-Sharq, May 23, 2012、al-Hayat, May 24, 2012、Kull-na Shuraka’, May 23, 2012, May 24, 2012, May 26, 2012、Naharnet.com,
May 23, 2012、Reuters, May 23, 2012、SANA, May 23, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連平和維持活動担当事務次長がヒムス市を訪問し同県知事と会談するなか、アサド大統領が憲法最高委員会メンバーを発表(2012年5月22日)

アサド政権の動き

アサド大統領は2012年政令第173号を発し、憲法最高委員会メンバーを発表した。

メンバーは以下の通り:

アドナーン・ズライク(委員長)
アフマド・アブドゥッラー・アブドゥッラー
ムスタファー・アブドゥルハミード・ハズーリー
バシール・イブラーヒーム・ダッバース
ラスラーン・アリー・タラーブルスィー・マタル
マーリク・カマール・シャラフ
ジャミーラ・ムスリム・シュルバジー

国内の暴力

アレッポ県では、NNA(5月22日付)などレバノン内外のメディアによると、レバノン人(シーア派)16人がアアザーズ地方サラーマ村で自由シリア軍(反体制武装集団)に誘拐された。

またSANA(5月22日付)は、レバノン人(シーア派)11人とシリア人1人が誘拐された、と報じた。

彼らはイランからトルコ経由でレバノンに向かっていたバスの乗客で、バスにはイラン国内の聖地を巡礼した52人の乗客が乗っており、女性はまもなく釈放された、という。

一方、シリア人権監視団によると、アターリブ市で軍・治安部隊が離反兵が交戦した。

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ヒムス県では、ヘルヴェ・ラドス国連平和維持活動担当事務次長はヒムス市を訪問し、ガッサーン・アブドゥルアール県知事と会談した。

UNSMISが発表した声明によると、この会談で、ラドス事務長は、「政府と反体制勢力との間で現在失われている信頼回復に資するような平和的デモの許可、逮捕者釈放」を行い、「政治的プロセス」を進めるよう求めた。

SANA(5月22日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区で武装テロ集団が治安部隊兵士1人を殺害した。

またワルシャ地区では武装テロ集団の爆弾製造所が爆発市、多数のテロリストが死亡した。

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ダイル・ザウル県では、反体制武装集団高官によると、ブサイラ市に到着したUNSMISを歓迎するために街頭に出た市民数百人に治安部隊が発砲し、2人が死亡、UNSMISは市外に去った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルルーマー村で軍・治安部隊が発砲し、複数の市民が負傷した。

一方、SANA(5月22日付)によると、イドリブ・サルキーン街道で武装テロ集団が治安維持部隊を攻撃を受けたが応戦し、テロリスト多数を死傷させた。

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ハマー県では、ハマー革命広報局によると、ラターミナ町で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

またシリア人権監視団によると、カウカブ村に軍・治安部隊が突入した。

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このほか複数の反体制消息筋によると、ダマスカス郊外県、アレッポ市内などで治安部隊による逮捕・摘発活動が行われた。

国内でのその他の動き

『バラド』(5月22日付)は、ダマスカス県高官筋の話として、2015年着工予定の「ダマスカス緑の地下鉄」計画が西側の経済制裁により実施不能となり、プロジェクト停止となった、と報じた。

SANA, May 22, 2012
SANA, May 22, 2012
SANA, May 22, 2012
SANA, May 22, 2012

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CNN(5月22日付)は、米諜報筋の情報として、2011年3月に300億ドルあったとされるアサド政権の資金が、現在60億~90億ドルに減り、イランからの財政支援がなければ今年末には破綻するだろうと報じた。

アサド政権は反体制運動を弾圧するため月10億ドルを費やしている、という。

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SANA(5月22日付)によると、アレッポ大学で学生らがアサド政権の改革支持、テロ拒否を訴えるデモを行った。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、イドリブ県、ハマー県、ラタキア県、アレッポ県、ダマスカス(郊外)県で複数の爆発があったと発表したが、詳細については触れなかった。

レバノンの動き

Naharnet, May 22, 2012
Naharnet, May 22, 2012

ベイルート県南部郊外(ダーヒヤ)では、レバノン人(シーア派)16人の誘拐に抗議し、住民が道路を封鎖し、怒りを露わにした。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、レバノン人(シーア派)16人の誘拐を受け、緊急演説を行い、国民に自制を呼びかけ、道路封鎖を行わないよう求めた。

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ムスタクバル潮流のサアド・ハリーリー前首相は、アレッポでのシーア派16人の誘拐を受け、即時釈放を求めるとともに、家族との連帯を呼びかけた。

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アドナーン・マンスール内務地方自治大臣はジャディーダ・テレビ(5月22日付)に対して、誘拐されたレバノン人が「シリアの反体制武装集団の一派に拘束されている」と述べた。

しかしこの一派が自由シリア軍かどうかについてはコメントを控えた。

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レバノン司法当局は、サラフィー主義者のシャーディー・マウラーウィー氏(12日に逮捕)の釈放を決定した。

マウラーウィー氏は釈放後、トリポリ市内で「レバノンのシリア人避難民キャンプで誤って逮捕された…。圧力と拷問のなかで自白(アル=カーイダのメンバーであるとの自白)を迫られた」と発表した。

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『ジュムフーリーヤ』(5月22日付)は、アドナーン・マンスール内務地方自治大臣が、カタール政府がレバノンで身柄拘束されているカタール人(アブドゥルアズィーズ・アティーヤ氏)を釈放しなければ、在留レバノン人を国外退去に処すると脅迫しているとの一部報道などを否定した、と報じた。

アティーヤ氏は、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相の親戚で、マウラーウィー氏が関与しているとされるテロ組織との関係を疑われ身柄拘束されていたが、その後釈放された。

諸外国の動き

『ザマン』(インターネット版、5月22日付)は、トルコのハタイ警察が自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐を誘拐しようとしたトルコ人2人、シリア人1人を逮捕したと報じた。

3人は、ハタイ県アバイディンにあるシリア人避難民キャンプでアスアド大佐を誘拐し、シリア当局に引き渡そうとしていた、という。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は、NATO首脳会談で、国際社会でのシリア危機への対処する努力は不充分だ、と述べた。

AFP, May 22, 2012、Akhbar al-Sharq, May 22, 2012, May 23, 2012、al-Balad, May 22, 2012、CNN, May 22, 2012、al-Hayat, May 23, 2012、al-Jumhuriya, May 22, 2012、Kull-na Shuraka’, May 22, 2012、al-Nahar, May 22, 2012、Naharnet.com, May 22, 2012、NNA, May 22, 2012、Reuters, May
22, 2012、al-Safir, May 22, 2012、SANA, May 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民調整委員会が「反体制勢力の統一に関する委員会の立場を示すための覚書」を作成、ダイル・ザウル市で19日に発生したテロも「ヌスラ戦線」によるものと報道(2012年5月21日)

アサド政権の動き

アサド大統領は2012年政令第172号を発し、2012年5月25日に第10期人民議会を招集することを決定した。

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シリア外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、「アラブ連盟はシリアの危機を解消するための役割を担っておらず、問題の一部となってしまった」と述べた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、19日に執行部会合を開催し、反体制勢力の統一に関する委員会の立場を示すための覚書を作成し、アラブ連盟に提出することなどを決定したと発表した。

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シリア・ムスリム同胞団が声明を出し、「イスラーム教徒のウンマの成員」に対して、「ウンマと、と社会的安定と諸国民の統合に敵対するコム、ダマスカスの新たなシュウービーヤ」の試みに立ち向かうよう異例の声明を出した。

シリア・ムスリム同胞団は長らく宗教的な言説を避けてきたが、シリアでの反体制運動が高揚した2011年3月以降、ガザ包囲解除をめざすアサド政権に対する反体制運動凍結解除や武装闘争支援など、戦略の揺れが目立つ。

国内の暴力

AFP(5月22日付)は、19日にダイル・ザウル市で発生した「爆弾テロ」に関して、「シャームの民のヌスラ(救済)戦線」が犯行声明を発表した、と報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団や地元調整諸委員会などによると、県内の各地(ラターミナ町)では政権打倒、自由シリア軍の武装支持などを求めるゼネストが行われ、またデモも発生した、という。

またシリア人権監視団によると、ハマー市のアルバイーン地区で未明、治安部隊兵士4人が反体制武装集団によって殺害された。

さらにカストゥーン村に対して軍・治安部隊が砲撃を加え、スーハー村で治安部隊が市民1人を殺害した。

このほかシリア人権ネットワークによると、スーラーン市で離反兵5人が処刑された。

一方、SANA(5月21日付)によると、ハマー市郊外で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、前者の士官1人、兵士3人が死亡、テロリスト多数が死傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権ネットワークによると、ドゥーマー市で離反兵9人が殺害された。

またジスリーン、カフルバトナー、サクバーなどでも軍・治安部隊と離反兵が交戦したという。

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ダマスカス県では、SANA(5月21日付)によると、カーブーン区で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発市、民間人5人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月21日付)によると、ダイル・ザウル市で武装テロ集団が骨董商を暗殺した。

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ハサカ県では、『クッルナー・シュラカー』(5月21日付)によると、ハサカ県で反体制デモが発生し、2人が殺害された。

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イドリブ県では、「ハーン・シャイフーンおよび郊外の解放運動家調整」を名のる組織が、ユーチューブ(5月21日付)で、反体制武装集団と軍・治安部隊がシリア赤新月社とUNSMISを仲介して捕虜交換を行った、と発表した。

Youtube, May 22, 2012
Youtube, May 22, 2012

捕虜交換では、軍・治安部隊が民間人2人を釈放し、自由シリア軍が15日の戦闘で破壊された軍の戦車を引き渡した、という。

https://www.youtube.com/watch?v=3uh6Dc-NKoc&feature=youtu.be

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『クッルナー・シュラカー』(5月21日付)は、治安当局がムハンマド・サルマーン元情報大臣に国外への旅行を禁じたと報じた。

同報道によると、サルマーン元情報大臣は、5月8日に家族らとともにエジプトに発とうとした際、空港で出国を禁じられた、という。

レバノンの動き

AFP(5月21日付)によると、トリポリ市ジャバル・ムフスィン地区・バーブ・タッバーナ地区でRPG弾2発が発射された。被害はなかった。

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アフマド・アブドゥルワーヒド師暗殺に抗議する住民らが、ベイルート南部のナーイマ(山地県シューフ郡、北部県の北部県アッカール郡のアブダ、タッル・アッバース、ハルバ、ベカーア県の複数カ所で道路を封鎖した。

諸外国の動き

ロシア外務省は、レバノンでのアフマド・アブドゥルワーヒド師暗殺に関して、「シリアを不安定化させようとする計画の実現に失敗した勢力が隣国レバノンに向かったように見える」と発表、シリア情勢への外国の介入を拒否し、平和的な事態の解決が必要との立場を改めて示した。

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NATOのアナス・フォー・ラスムセン事務総長は、記者会見で、シリア情勢への懸念を示しつつ、NATOによる軍事介入を改めて否定した。

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ヨルダン通信(5月21日付)、ヨルダンのファーイズ・タラーウィナ首相は、シリアの危機における中国の役割に期待する、と述べた。

AFP, May 21, 2012、Akhbar al-Sharq, May 21, 2012, May 22, 2012、al-Hayat, May 22, 2012、Kull-na Shuraka’, May 21, 2012、Naharnet.com, May 21, 2012、Reuters,
May 21, 2012、SANA, May 21, 2012、YouTube, May 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドゥーマー市でUNSMISの車両が砲撃を受けるも死傷者は出ず、一方トゥルクマーニー副大統領補が「シリア政府・治安機関高官多数が暗殺された」と報道を否定(2012年5月20日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、ドゥーマー市に隣接するリーハーン農場地区に軍・治安部隊が砲撃した。

またドゥーマー市では、UNSMISの車輌の数メートル脇にRPG弾が着弾した。

複数の目撃者によると、UNSMISの車は軍検問所に駐車中に砲撃を受けた。死傷者はなかった。

同市は軍・治安部隊の離反兵掃討作戦によってゴースト・タウンと化しているが、『ハヤート』(5月21日付)は、「UNSMISの監視団が去れば、武装集団が戻り、問題を起こすだろう」との軍兵士の言葉を伝えた。

なお、シリア人権監視団によると、UNSMISが去った後、ドゥーマー市内での軍・治安部隊による治安維持活動で市民1人が殺害され、数十人が負傷した、という。

一方、SANA(5月20日付)によると、シャイフーニーヤ村で武装テロ集団が軍に発砲、大尉1人と兵士2人が死亡した。

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ダマスカス県では、地元調整諸委員会(ムラード・シャーミー)などによると、カフルスーサ区、アッバースィーイーン広場、バグダード通り、サウラ通りの検問所などで反体制武装集団と治安部隊が交戦、軍・治安部隊による厳戒態勢が強化され、シャーミー病院に続く道路などが閉鎖された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市に軍・治安部隊が突入し、子供3人を含む16人が死亡した。

一方、『シャルク』(5月20日付)は、武装集団がサラミーヤ市郊外でハマーディー・ウマル氏を誘拐したと報じた。同氏はファイサル・クルスーム前ダルアー県知事の兄弟。

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ダルアー県では、SANA(5月20日付)によると、ナワー市で武装テロ集団がシリア軍曹長の自宅を襲撃、同曹長と妻を殺害した。

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ヒムス県では、SANA(5月20日付)によると、ヒムス市郊外のマウジュ農場地域で軍・治安部隊が武装テロ集団と交戦し、テロリスト多数を死傷させた。

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イドリブ県では、『クッルナー・シュラカー』(5月20日付)によると、対トルコ国境のバーブ・ハワー地方で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。

アサド政権の動き

ハサン・トゥルクマーニー副大統領補は、シリア政府・治安機関高官多数が暗殺されたとのジャズィーラとアラビーヤの19日の報道に関して、根拠がない誤報と非難、「私も同僚も祖国に奉仕するための義務を遂行している」と述べた。

またムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣、ダーウード・ラージハ国防大臣も上記報道を否定した。

反体制勢力の動き

『ラアユ』(5月20日付)は、在米の複数のチュニジア筋の話として、シリアで逮捕されたチュニジア人戦闘員2人が、ナフダ党のラーシド・ガンヌーシー党首の仲介によりチュニジアの刑務所から釈放されていたと報じた。

また、同消息筋は、シリアで逮捕されたチュニジア人の19人がいずれもチュニジアのカタール大使館によってリクルートされたことを明らかにした。

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自由シリア軍は、『クッルナー・シュラカー』(5月20日付)に対して、同組織の士官がシリア軍第7師団からRPG弾などの武器を購入したと述べ、シリア軍が崩壊寸前だと主張した。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『ラアユ』(5月20日付)に対して、「同胞団はレバノンにいない」と述べ、バッシャール・ジャアファリー国連大使が国連に提出した書簡の内容を否定した。

またシリア・ムスリム同胞団は声明を出し、レバノンのシャイフ、アフマド・アブドゥルワーヒド師の暗殺(後述)に関して、「シリアの兄弟と連帯する途上にあったシャイフがアサドの悪党の手によって殺された」と非難、アサド政権の関与を断じた。

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地元調整諸委員会は声明を出し、5月20日のダイル・ザウル市内の軍施設に対する「爆弾テロ」に関して、厳重な警備が敷かれており近づくことさえできないとしたうえで、同事件を含む一連の「テロ」が政府の自作自演だと断じた。

第10期人民議会をめぐる動き

『クッルナー・シュラカー』(5月20日付)は、ダマスカス県の信頼できる消息筋の話として、第10期人民議会選挙の投票率は実際は12%にも満たなかったと報じた。

Kull-na Shurakā’, May 20, 2012
Kull-na Shuraka’, May 20, 2012

レバノンの動き

北部県アッカール郡のクハイハート村にある軍の検問所でアフマド・アブドゥルワーヒド師(スンナ派シャイフ)が射殺された。

また同乗していたムハンマド・フサイン・ムルヒブ氏も死亡した。

アフマド・アブドゥルワーヒド導師はムスタクバル潮流のハーリド・ダーヒル議員がハルバ市で主催した集会に出席し、演説する途上だった。

集会は暗殺事件の発生を受け中止された。

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ナハールネット(5月20日付)は、治安当局高官の話として、アブドゥルワーヒド師が乗った車が検問所での停止を行ったため、軍が発砲、射殺したと報じた。

しかしLBC(5月20日付)は、アブドゥルワーヒド師に同行者の話として、同師の車は検問所で停車すると、一部の兵士が「集会にはもう行けないだろうに」と侮辱、発砲を受けたと報じた。

さらにMTV(5月20日付)は、治安筋の話として、クハイハート村の検問所が銃撃に曝され、最初に発砲を受けたのはアブドゥルワーヒド師の車ではなかったと報じた。

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アブドゥルワーヒド師暗殺を受け、北部県各所(アッカール、ディンニーヤ、トリポリ)では住民が暗殺に抗議し、タイヤを燃やすなどして、シリア、トリポリのヌール広場、バッダーウィー、ベイルートに向かう道路を封鎖した。

また同様の抗議行動は、ベイルート南部のナーイマ(山地県シューフ郡)の高速道路、ベイルート県内のヴェルダン、ビシャーラ・フーリー、カスカース、コルニーシュ・マズラア、バアルベック県ベカーア郡東部などでも発生した。

さらにNNA(5月20日付)によると、ベイルート県内のターリク・ジュダイダにあるベイルート・アラブ大学で衝突があり、機関銃やロケット弾が使用され、6人が負傷した。

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アブドゥルワーヒド師暗殺を受け、アッカール郡のムフティーやイスラーム教法曹界は追悼のためのゼネストを呼びかけた。

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ムスタクバル潮流代表のサアド・ハリーリー前首相は、アブドゥルワーヒド師暗殺を受けて声明を出し、対シリア国境に混乱をもたらし、アサド政権に利益をもたらすような計画があることは明白だとしたうえで、アッカール郡住民に対してこうした策略に乗らないよう呼びかけた。

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ムスタクバル潮流のハーリド・ダーヒル議員は、アブドゥルワーヒド師が頭と首を撃たれて死亡したことを明らかにしたうえで、軍兵士の一部が「民兵のような行為」を行ったと非難、「シリアのバッシャール・アサド大統領を支持する者が我々を弱体化させようとしていることは明白だ…アブドゥルワーヒドを殺す命令が下されたのだ」とシリアの関与を推定した。

また「この政府はレバノン国民を代表していない」と述べ、ナジーブ・ミーカーティー内閣の対シリア政策をアサド政権寄りだと非難した。

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ナハールネット(5月20日付)によると、レバノン北部県(アッカール郡ムカイブラ村)からシリア領内(ヒムス県ムシャイルファ村)に越境しようとしたシリア人が撃たれ、1人が死亡、2人が負傷した。

複数の目撃者によると、事件が発生したレバノン北部国境地帯には5月18日からシリア軍が展開している、という。

諸外国の動き

ロシア連邦会議国際問題委員会のミハイル・マルゲロフ委員長は、RT(5月20日付)に対して、シリア情勢に関して「力ずくで体制転換などできない。シリア人が自分たちで問題を正常化しなければならない」と述べ、外国の干渉に改めて拒否の姿勢を示した。

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ロバート・ムードUNSMIS司令官、ババカル・ガイ国際連合事務総長特別顧問、エルヴェ・ラドス平和維持活動担当事務次長はダマスカスでワリード・ムアッリム外務在外居住大臣と会談し、アナン特使の停戦案の実施状況やUNSMISの展開状況などに関して協議した。

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AFP(5月20日付)は、シリアで暮らしていたパレスチナ人約480人が2011年3月以降、混乱を避け、シリアからヨルダンに避難している、とヨルダンのUNRWAが発表したと報じた。

AFP, May 20, 2012、Akhbar al-Sharq, May 20, 2012、al-Hayat, May 21, 2012、Kull-na Shuraka’, May 20, 2012、LBC, May 20, 2012、MTV, May 20, 2012、Naharnet.com, May 20, 2012、NNA, May 20, 2012、al-Raʼy, May 20, 2012、Reuters, May 20, 2012、RT, May 20, 2012、SANA, May 20, 2012、al-Sharq, May 20, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル市で発生した自爆攻撃により9名が死亡、湾岸各局が「シリアの政府・治安機関の高官多数を暗殺した」と主張する男の映像を放映(2012年5月19日)

国内の暴力

ダイル・ザウル市のガーズィー・アイヤーシュ地区の軍事施設ビルに爆弾を搭載した車が突入爆発し、民間人と警備員の合わせて9人が死亡、4歳の女の子1人を含む数十人が負傷した。

SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012

SANA(5月19日付)によると、爆発現場には直径5メートル、深さ2メートルのクレーターができ、周囲100メートルの建物が被害を受けた。

事件発生後、UNSMISが現場を視察した。

シリア人権監視団によると、テロは軍事情報局、空軍情報部の施設がある通りで発生した。

なおSANA(5月18日付)は、関係当局がダイル・ザウル市で爆弾と積んだ車を捕らえ、爆発を未然に防ぎ、テロリスト複数名を逮捕した、と報じていた。

このほかダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市でバアス党関係者の兄弟1人が暗殺された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フーズ村で警官1人と離反兵1人が砲撃を受けて死亡した。またハーン・シャイフーン市では、治安部隊の発砲で市民1人が死亡した。

一方、離反兵は軍・治安部隊の兵員輸送車を攻撃し、5人を死傷させたほか、国境地帯で交戦し、軍車輌3台を破壊したという。

これに対して、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ナザーリーヤ村、ジュースィーヤ村に軍…治安部隊が攻撃を加え、12人が負傷した。

一方、SANA(5月19日付)によると、関係当局が、トルコ領内からジスル・シュグール地方フーズ村に潜入しようとした武装テロ集団と交戦し、潜入を阻止、テロリスト1人を殺害した。

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ヒムス県では、SANA(5月19日付)によると、関係当局が、レバノン領内(ワーディー・ハーリド地方)からタッルカラフ地方アルムータ村に潜入しようとした武装テロ集団と交戦し、潜入を阻止した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハムダーニーヤ地区で何者かが車に発砲し、乗っていた女性1人とその子供2人が死亡した。

このほか市内にあるバアス党施設にRPG弾が撃ち込まれた。

一方、SANA(5月19日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団が医師1人を暗殺した。

アサド政権の動き

シリア外務在外居住者省は国連安保理と事務総長に書簡を提出し、米国とEUによる経済制裁をシリア国民に対する「経済的テロ」と非難した。

その他の国内での動き

アレッポ市では、学生・青年による大規模集会がアレッポ大学で開かれ、アサド大統領が指導する改革路線を支持、武装テロ集団による犯罪行為拒否を訴えた。SANA(5月19日付)が報じた。

SANA, May 19, 2012
SANA, May 19, 2012

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は、ダイル・ザウル市のテロに関して声明を出し、「混乱を拡げ、シリア国人の革命抑圧を隠蔽しようとする政府の計画の一部」と断じ、アサド政権の自作自演だと主張した。

また別の声明を出し、アサド政権がレバノンの金融機関や銀行を通じて外貨獲得やマネーロンダリングを行い、西側の制裁を回避している、と非難した。

さらに別の声明では、在外活動家6人がシリア国内に入ったことを明らかにし、その氏名と電話番号を公開することができると発表した。

6人はムハンマド・サルミーニー、ウマル・イドリビー、アフマド・ザイダーン、アクラム・アッサーフ、サーミル・ヒムスィー、ハムザ・シャマーリー、ムハーブ・イブラーヒーム。

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地元調整諸委員会のウマル・イドリビー報道官は、ユカール・ネット(http://youkal.net/、5月19日付)を通じて声明を出し、シリア国内に密入国しヒムス市を訪問したことを明らかにした。

訪問の目的は明らかにしていない。

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シリア国民評議会の広報局メンバーのムハンマド・サルミーニー氏もトルコ領内からシリアに密入国し、「完全に解放されている複数の地域を目の当たりにした」と述べた。

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『シャルク・アウサト』(5月19日付)は、シリア国民評議会のメンバー26人が国内の反体制活動家らとの連携のために、レバノン、トルコからシリア領内に密入国したと報じた。

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シリア自由軍事評議会のムスタファー・シャイフ准将は声明を出し、同軍司令官のリヤード・アスアド大佐がレバノンに入り、緩衝地域の設置準備を行っているとしたバッシャール・ジャアファリー国連大使の書簡を偽りだと否定した。

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シリア人権監視団は声明を出し、レバノン、バーレーンへのアサド政権の内政干渉を非難した。

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ジャズィーラとアラビーヤは、シリアの政府・治安機関の高官多数を暗殺したと証言する男の映像を放映した。

映像には、「ダマスカスおよび同郊外のサハーバ大隊」に属するとされる軍服姿の男が映っており、「アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)、ムハンマド・シャッアール内務大臣、ダーウド・ラージハ国防大臣、ハサン・トゥルクマーニー副大統領補、ファールーク・シャルア副大統領、ムハンマド・サイード・バヒーターン・バアス党シリア地域指導部副書記長ら多くの高官を2ヵ月にわたる監視活動の後、殺害した」と証言している。

レバノンの動き

『サフィール』(5月19日付)は、西側外交筋の話として、トリポリ市内での騒乱に関して、サラフィー主義者がヒムスの自由シリア軍に武器を供与するためにめざしている革命の始まりだ、と報じた。

諸外国の動き

米キャンプデービッドで開かれているG8で、アナン特使のイニシアチブのもとでの和平に向けた努力を支持することで一致した。ロイター通信(5月19日付)が報じた。

AFP, May 19, 2012、Akhbar al-Sharq, May 19, 2012、Alarabia.net, May 19, 2012、Aljazeera.net, May 19, 2012、al-Hayat, May 20, 2012、Kull-na Shuraka’, May 19, 2012、Naharnet.com, May 19, 2012、Reuters,
May 19, 2012、SANA, May 19, 2012、al-Safir, May 19, 2012、al-Sharq al-Awsat, May 19, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジャアファリー国連代表が国連事務総長に送った書簡のなかでレバノン・シリア国境付近が「テロ分子の培養器」になっていると指摘、アレッポ県では「抗議行動開始以降最大規模のデモ」が発生(2012年5月18日)

Kull-na Shurakā’, May 18, 2012
Kull-na Shuraka’, May 18, 2012

アサド政権の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は国連の潘基文事務総長にワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の書簡を提出した。

同書簡は「レバノン・シリア国境付近がシリアとシリア国民の安全に干渉するアル=カーイダとシリア・ムスリム同胞団のテロ分子の「培養器」になっている」ことに抗議する内容で、レバノン領内の国境地帯に「武器集積所」が作られて海路、空路で一部の国からレバノンに武器が運び込まれ、シリア領内に密輸されている、と指摘している。

また「サラフィー主義者やムスタクバル潮流が国境地帯で統括する一部の慈善団体事務所が…アル=カーイダやムスリム同胞団のテロ分子の受入、潜伏先となっている」と断じている。

さらに負傷した反体制武装活動家が「これらの組織が運営し、サウジアラビアやカタールの資金援助を受けている病院や診察所で、名前を偽り治療を受けている」と指摘している。

他方、自由シリア軍に関しては、リヤード・アスアド大佐が「レバノン領内に緩衝地帯を設置する準備をするため、最近レバノンを訪れた」と告発している。

国内の暴力

ロンドンで活動するシリア人権監視団など反体制組織は、各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、軍・治安部隊の弾圧、砲撃で死傷者が出たと宣伝した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団やアレッポ調整連合などによると、アレッポ大学内でUNSMISが監視をするなかで、2011年3月の「抗議行動開始以降最大規模のデモ」が発生した。

またアレッポ市のサラーフッディーン地区、スッカリー地区などでもデモが発生し、「国民は自由シリア軍の武装を望む」といったシュプレヒコールを連呼、治安維持部隊が実弾を発砲し強制排除した。

フェイスブックなどでは、「アレッポ大学の英雄達の金曜日」と銘打って反体制デモが呼びかけられていた。

一方、SANA(5月18日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バサーティーン市で激しい爆発が複数回発生し、その後銃撃戦があった。

またドゥーマー市、タッル市で反体制デモが発生し、治安部隊が発砲、複数名が負傷、多数を逮捕しした。

一方、SANA(5月18日付)によると、治安維持部隊がムライハ市近くの街道で600キロの爆発物を積んだ盗難車を発見し、爆弾を解除・押収した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区で治安部隊がデモ参加者追跡中に市民2人を射殺した。

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ヒムス県では、軍・治安部隊がラスタン市に対して砲撃を続けた。

またヒムス市で発生したデモに対して、治安部隊が発砲し、1人が死亡した。

一方、SANA(5月18日付)によると、タルビーサ市郊外で武装テロ集団が治安維持部隊兵士1人を殺害した。

また国境警備隊がレバノン領内からタッルカラフ地方に潜入しようとした武装テロ集団を交戦し、テロリスト1人を殺害し、多数を負傷させた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市などで反体制デモが発生した。

一方、SANA(5月18日付)によると、カフル村で爆弾を積んだ車が爆発し、乗っていたテロリスト3人が死亡した。

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ハマー県では、ハマー革命報道局報道官のマリヤム・ハマウィーヤ女史によると、カフルズィーター市などで反体制デモが発生した。

またシリア人権監視団によると、ハマー市で子供1人が殺害された。

一方、SANA(5月18日付)によると、ハマー市では武装テロ集団がしかけた爆弾の撤去作業中に爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町で反体制デモが発生した。

またジャースィム市やジーザ町で、治安部隊の突入で子供2人が殺害された。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市など各地でクルド人らが反体制デモを行った。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐は声明を出し、レバノンのアラブ民主党のリフアト・イード党首(アラウィー派)が「レバノン国家への陰謀を企て、外国の「アラブ軍」(シリア軍)を北部(県)に招き入れようとしている」と批判した。

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ロンドンで反体制活動を行うシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長はAFP(5月18日付)に対して、各地で反体制デモが発生、数万人が参加、その規模は4月のアナン特使の停戦案履行以降最大規模だった、と述べた。

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シリア人権擁護連盟は声明を出し、シリア司法当局が反体制活動家のムハンマド・アブドゥルマウリー・ハリーリー氏(4月16日逮捕)を「反逆罪」で有罪とし、死刑判決を下したと発表した。

同声明はこの判決に関して、「残虐な拷問によって」得られた証言をもとにした判決であり無効だと抗議した。

レバノンの動き

ナジーブ・ミーカーティ首相は、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連大使が潘基文事務総長に提出した書簡に関して、レバノン政府が国境警備やテロ活動抑止に全力を挙げているとしたうえで、領土侵犯がシリア側から行われており、両国の国境通過をめぐる問題が複雑で、その警備が困難であることを皆が知っていると反論、そのうえで国境をめぐる両国の対立を煽る行為だと非難した。

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ムスタクバル潮流は、シリアのバッシャール国連大使が潘基文事務総長に提出した書簡に関して、「(シリア)政府のあからさまな犯罪から注意をそらすためのでっち上げ」と非難した。

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AFP(5月18日付)によると、トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区で、少なくとも四発の砲弾・手榴弾が着弾・爆発し、住民3人が負傷した。

LBC(5月18日付)によると、四発のうち1発はジャバル・ムフスィン地区に着弾、3発は同地区からバーブ・タッバーナ地区に撃ち返されたという。

諸外国の動き

ロバート・ムードUNSMIS司令官は、ダマスカスで記者会見を開き、「可能な限り早く安定を回復させるために当事者どうしに対話させるべく計画を立てたい。しかしそれは暴力の軽減、停止なくして実現するとは期待していない…。我々は戦い合う当事者とそれを支援する者たちに(対話のための)真の機会を与えたい」と述べた。

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ロシア外務省報道官は、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長が声明で自由シリア軍の武装を公然と呼びかけることに対して、「アナン特使の和平案を実施しているなかでなぜそのような話をするのか?」と厳しく批判した。

またハーン・シャイフーン市でのUNSMISの車輌に対する砲撃に関して、実行犯が「当局を挑発し、報復措置を行わせ、アナン特使の和平案を失敗させようとしている」と非難した。

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AKI(5月18日付)は、チュニジア内務省が声明を出し、シリアでテロへの関与を証言したとされるチュニジア人2人に関して、シリアで反体制武装活動に参加しているチュニジア人が複数いることを認めた、と報じた。

AFP May 18, 2012、AKI, May 18, 2012、al-Hayat, May 19, 2012、Kull-na Shuraka’, May 18, 2012、Naharnet.com, May 18, 2012、Reuters
May 18, 2012、al-Watan, May 18, 2012などをもとに作成。

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シリア国民評議会のガルユーン事務局長が辞意を表明、UNSMISが展開されていないヒムス県ではラスタン市に対して軍・治安部隊が激しい砲撃を加える(2012年5月17日)

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は声明を出し、辞意を表明した。

Kull-na Shurakā’, May 17, 2012
Kull-na Shuraka’, May 17, 2012

声明でガルユーン事務局長は、「シリア国民評議会内での事務局長選挙結果が様々な反応や批判を巻き起こした…。コンセンサスないしは選挙に基づいて新たな候補者が選ばれ次第辞職を発表する…。私はコンセンサスを受けて立候補を受け入れた。私は自分が分裂をもたらす立候補者であることを受け入れない。私はいかなる地位にも固執しない」と述べた。

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ブルハーン・ガルユーン事務局長の辞意表明を受け、地元調整諸委員会は声明を出し、シリア国民評議会からの脱退の可能性を宣言した。

声明において、地元調整諸委員会は、「我々が評議会の活動への参加を見合わせて2ヵ月が経ち、最近ではローマでの事務局会合への参加も見送ってきたが、評議会が自らの過ちを検証せず、評議会改革に必要と考えられる諸要求に応じなければ…、参加凍結を開始し、脱退する」と表明した。

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反体制活動家のファウワーズ・タッルーがシリア国民評議会からの脱退を宣言した。

しかしシリア国民評議会は声明で、タッルー氏がシリア国民評議会のメンバーではなかったと主張した。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市に対して軍・治安部隊が昼夜、激しい砲撃を続けた。

同市にはUNSMISは展開していない。

また地元調整諸委員会によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区に対して、軍・治安部隊が激しい砲撃を加えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市、カナーキル村で治安部隊による大規模逮捕・摘発が行われ、クタイファ市では軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市で治安部隊がゼネストを中止させるため展開を強化した。

Kull-na Shurakā’, May 17, 2012
Kull-na Shuraka’, May 17, 2012

シリア革命総合委員会によると、身柄拘束された少女(リーター・ジャマール・ジャフマーニーさん)との連帯を訴え市内複数地区でゼネストが行われている、という。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市内の2カ所で爆発が起きた。

一方、アレッポ大学では、医学部キャンパス内のハーフィズ・アサド前大統領の記念碑が破壊された。

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ユーチューブ(5月17日付)に、アレッポ大学前を通過する国連の車輌に軍服姿の男性が襲いかかる映像が公開された。

「アフバール・シャルク」(5月23日付)によると、この車輌はUNSMISの車輌で、襲いかかった男性は治安機関の兵士だという。

http://www.youtube.com/watch?v=2TGcGDKmwO0&feature=youtu.be

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ハサカ県では、『クッルナー・シュラカー』(5月17日付)によると、アームーダー市でPKK系のクルド民族主義政党の民主統一党メンバーが消費公社による住民への砂糖配給に介入しようとしたのを、政治治安部が阻止しようとして、対立が激化、銃撃戦に発展した。

また『クッルナー・シュラカー』(5月18日付)は、シリア・クルド民主合意政治局メンバーのムハンマド・サーリフ・ウスマーン氏(通称サーリフ・スーフィー)がカーミシュリー市で政治治安部によって逮捕したと報じた。

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シリア人権ネットワークによると、軍・治安部隊の弾圧や反体制武装集団との戦闘で6人が死亡した。内訳はイドリブ県2人、ダマスカス県・郊外県2人、ダルアー県1人、ラッカ県1人。

アサド政権の動き

SANA(5月17日付)によると、ファイサル・ミクダード外務在外居住者次官は、第10期人民議会選挙後の組閣に関して、「挙国一致内閣となるだろう…。我々はシリア建設のために行動する意思があるすべての建設的な反体制組織を歓迎する」と述べた。

また反体制武装集団に関して、「武装テロ集団はアナン特使の和平案を履行していない…。問題なのはそもそもUNSMISを望んでいなかった国(の動き)だ」と非難した。

レバノンの動き

レバノンの声ラジオ(5月17日付)は、ファタハ・イスラームのメンバー6人が南部県サイダー郡にあるアイン・フルワ・パレスチナ難民キャンプを脱走したと報じた。

ナハールネット(5月18日付)によると、ハイサム・シャアビー、アブー・ムハンマド・タウフィーク・ターハー、ムハンマド・アーリフィー、ズィヤード・アブー・ニアージュ、ムハンマド・イブラーヒーム・マンスール、ウサーマ・シハービー。

『ジュムフーリーヤ』(5月18日付)は、このうちアブー・ニアージュら5人がアル=カーイダのメンバーだと報じる一方、『ナハール』(5月18日付)は、彼らがジュンド・シャームとファタハ・イスラームのメンバーだと報じた。

『ジュムフーリーヤ』(5月18日付)によると、6人はシリアで「特別な任務」を実行するため、トリポリに向かったという。

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シリアの反体制勢力は対レバノン国境地帯(シリア領内)で2週間前に拉致したレバノン人2人(はドゥル・フサイン・ハリール・ジャアファル氏、アブドゥッラー・ザイン氏)を釈放した。

これに対してレバノンのジャアファル家側は、シリアの反体制活動家2人を含むシリア人39人を見返りとして釈放した。

この「捕虜交換」はシリア領内のズィーター市で行われた。

諸外国の動き

イスラエルのエフード・バラク国防大臣は、CNN(5月17日付)に対して、「(アサド政権)崩壊が遅れていて失望する…。アサド政権は完全に終わったと考えている」と述べた。

また「方法を案出すべきだと思う…。シリアの体制を転換させるために。イエメン方式にするのがよい。つまりアサドとその取りまきが国を去るが…、党、諜報機関、軍は解体しないという方法が」と付言した。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は、サンクト・ペテルスブグル市で講演し、5月18~19日に米国で開催されるG8首脳会議に出席し、シリア情勢などを協議したいとの意思を示すとともに、「外国の主権に関する事柄への外国の干渉は破壊的な内戦をもたらすだろう」と述べ、シリアへのバッシングを続ける西側諸国の姿勢を暗に批判した。

AFP, May 17, 2012、Akhbar al-Sharq, May 23, 2012、CNN, May 17, 2012、al-Hayat, May 17, 2012, May 18, 2012、al-Jumhiriya, May 18, 2012、Kull-na Shuraka’, May 17, 2012, May 18, 2012、al-Nahar, May 17, 2012, May 18, 2012、Naharnet.com, May 17, 2012、Reuters, May 17,
2012、al-Safir, May 18, 2012、al-Watan, May 17, 2012、Youtube, May 17, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がロシアのTVチャンネルのインタビューに応じる、また米紙によると湾岸アラブ諸国が「反体制武装集団に対する月数百ドルの資金援助」を決定(2012年5月16日)

アサド政権の動き

アサド大統領はロシア24テレビ(5月16日付)のインタビューに応じ、西側諸国とのメディア戦争に当初は敗北しそうだったが、長期的には「メディアは現実を打ち負かすことはできない…。状況は変わっている。なせなら実際に起きていることはメディアのレポートとは大きく異なるからだ」と述べた。

RT, May 16, 2012
RT, May 16, 2012

また「シリア政府は自らの立場を世界中の記者に伝えようとしてきたが、一部の通信社は紛争当初に作り出された嘘や偽りの映像に固執する人々にだけシリア(のニュース)を配信し続けている」と批判した。

シリア国民評議会に関して、アサド大統領は「外国で活動している組織で…影響力がなく…、シリア国民の国益に反して活動している…。選挙ボイコットの呼びかけは…人々(との関係)をボイコットせよという呼びかけに等しい…。自分たちを国民の代表だと言っている彼らがどうして人々をボイコットできるのか?…私は彼らにいかなる意義も重要性もあるとは考えない」と述べた。

また自由シリア軍については、「何よりも先ず彼らは自由でない」と述べ、外国から武器や資金を供与されている組織が自由であるはずがないと批判するとともに、「死刑判決を受けた犯罪者集団で、アル=カーイダ系の宗教的過激派・テロリスト、さらにはアラブ諸国などから来た外国の傭兵からなっている」と指摘した。

そのうえで、シリア当局が多くの外国人傭兵をすでに捕捉しており、そのことを世界に向けて発表する準備をしていることを明らかにした。

西側のバッシングに関しては、「政府側の暴力について指摘するが、テロリストについては一言も触れていない…。アナン氏は今月シリアを訪れるが、私は彼にこのことを伝えたい…。 これらの国々の指導者たちは、(アラブの春の蜂起が)春ではなく、混沌だということが明らかになった。私は「シリアにこの混沌を拡げようとすれば、苦しむのはあなたたちだ」と言ったが、彼らはそのことをよく理解している」と述べた。

また西側の経済制裁については、「制裁は政府ではなく、一般の人々にだけ影響を与える…。我々はこうした困難を克服するためオルターナティブを見つけようとしている」と述べた。

フランソワ・オランド仏大統領に関しては、「きっと中東とアラブ世界に混沌を拡げるような政策をとらないだろう」と述べ、期待感を示した。

ロシアと中国の姿勢に関しては、「政体」やアサド大統領個人を支持しているのではなく、国際社会の安定化を支持していると評価した。

http://www.youtube.com/watch?v=8GcD4sz6K8o

 

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アサド大統領は2012年政令第169号を発し、第10期人民議会当選者を承認した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者次官は、マナール・チャンネル(5月16日付)で、「レバノン領からテロ集団がシリアに攻撃を行っており…、これらのテロリストはレバノンの一部の勢力の支援を受けている」と断じたうえで、「レバノンでシリアに敵対する者が勝つことはないだろう」と述べた。

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『クドス・ア

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市で治安部隊の発砲により5人(子供1人、男性1人、離反兵3人)が死亡した。

またサラーキブ市では兵士3人が離反した。

アブー・ハマームを名のる反体制活動家は、「ハーン・シャイフーン市での攻撃で包囲されていたUNSMIS隊員6人は市内の安全な場所に避難し、反体制勢力と一晩を過ごし…、国連が3台の車を手配し、隊員を移送した」と述べた。

ハマーム氏によると、ハーン・シャイフーン市では一晩中、砲撃が続いていたという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市シャンマース地区に対して軍・治安部隊が「戦場処刑」を行い、アブー・フライラ・モスクのイマーム、マルイー・ザクリート師を含む15人を殺害した。

シリア赤新月社のアブドゥッラフマーン・アッタール総裁は、ヒムス市クスール地区で救急医療活動を行っていたシリア赤新月社車輌が14日に砲撃に遭い、医療隊員2人が負傷した、と発表、強く非難した。

しかし、アッタール総裁は、ヒムス市およびヒムス県全域で引き続き人道・救急医療活動を継続するとの意思を示した。

これに対して、『ザマーン・ワスル』(5月16日付)は、ヒムス市の赤新月社が、ボランティア隊員2人(アフマド・アトファ氏、ジハード・ハーキミー氏)が政治治安部に身柄拘束されたことに抗議して、市内での活動を凍結した、と発表したと報じた。

このほか、SANA(5月16日付)によると、武装テロ集団がヒムス市で治安維持部隊兵士を射殺した。またシリア人権監視団によると、ラスタン市で軍・治安部隊の発砲により1人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の避難民キャンプで子供1人を含む3人が治安部隊の発砲で死亡した。

Kull-na Shurakā’, May 16, 2012
Kull-na Shuraka’, May 16, 2012

またムライハ村で逮捕・摘発活動を行う治安部隊が市民1人を射殺した。

一方、SANA(5月16日付)によると、武装テロ集団がナーズィヒーン地区で市民に向け発砲し、子供1人を殺害、16人を負傷させた。

またザイズーン村で、武装テロ集団がシャイフのムーサー・アフマド・アウダ師を暗殺した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町に軍・治安部隊が突入し、離反兵と交戦した。

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アレッポ県では、SANA(5月16日付)によると、武装テロ集団がダイル・ファーヒラ市にある土地改良公社の技術者1人を殺害した。

反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流は声明を出し、アラブ連盟主催の反体制勢力大会開催失敗を踏まえ、アラブ連盟に対して現下のシリアの危機に関する問題から手を引くよう求めた。

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シリア国民変革潮流は声明を出し、アラブ連盟主催の反体制勢力大会延期に対して遺憾の意を示した。

レバノンの動き

レバノンのアラブ民主党のリフアト・イード党首は、トリポリ市内での対立に関して「アラブ軍」がレバノンに駐留することなく安定は回復しないだろう、と述べ、シリア軍の介入を通じた事態収拾を示唆した。

諸外国の動き

『ワシントン・ポスト』(5月16日付)は、サウジアラビア、カタールなど湾岸アラブ諸国が月数百ドルの資金援助を反体制武装集団に行う決定をし、シリア・ムスリム同胞団も独自の援助チャンネルを設置したことで、反体制武装集団が武器・装備を拡充し、ラスタン市奪還などの成果をあげた、と報じた。

同報道によると、米国もまた「非軍事的な支援」(nonlethal assisatnce)を増加させる一方、友好国との調整を続けている、という。

http://www.washingtonpost.com/world/national-security/syrian-rebels-get-influx-of-arms-with-gulf-neighbors-money-us-coordination/2012/05/15/gIQAds2TSU_story.html

『ハアレツ』(5月16日付)は、イスラエル高官の話として、イスラエルの軍事情報局のアヴィブ・コシャヴィ少将が2週間前に米ワシントンと国連本部を秘密裏に訪問し、イランの核問題、シリア情勢、ヒズブッラー対策などを協議、アサド政権の存続がイスラエルの国益に資するとの従来の姿勢を改め、その打倒が国益にかなうとの姿勢に転換したと報じた。

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国連のマーティン・ニスルキー報道官は、UNSMIS車輌が破壊されたイドリブ県ハーン・シャイフーン市での軍・治安部隊による攻撃に関して、隊員が「危険な状態」に曝されているとの懸念を表明し、「シリア政府は自らが支配する地域における隊員の安全を最優先するべき」と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ナースィル・カドゥワ・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同副特使とカイロで共同記者会見を開き、16~17日に予定されていたシリアの反体制勢力の大会の延期に関して、「連盟はすべての反体制勢力と等距離で、一当事者を犠牲に別の当事者を支援することはない」との姿勢を改めて確認した。

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キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長の報道官はシリア情勢に関して、アサド政権に暴力の即時停止を改めて求めた。

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国連の拷問禁止委員会は声明を出し、アサド政権による「組織的拷問」を非難、その停止を求めた。

AFP, May 16, 2012、Akhbar al-Sharq, May 16, 2012、AKI, May 16, 2012、Haaretz, May 16, 2012、al-Hayat, May 17, 2012、Kull-na Shuraka’, May 16, 2012、Naharnet.com, May 16, 2012,
May 18, 2012、al-Quds al-‘Arabi, May 16, 2012、Reuters, May 16, 2012、RT, May 16, 2012、SANA, May 16, 2012、The Washington Post, May 16, 2012、al-Watan, May 16, 2012、Zaman al-Wasl, May 16, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県やヒムス県で暴力が継続するなか第10期人民議会選挙の結果が発表される、シリア国民評議会事務局が運営委員会議長の選挙を行いガルユーン現議長を再選(2012年5月15日)

第10期人民議会選挙の結果

選挙最高委員会はダマスカスで記者会見を開き、ハラフ・アザーウィー委員長が第10期人民議会選挙の結果を発表した。

Kull-na Shurakā’, May 15, 2012
Kull-na Shuraka’, May 15, 2012

それによると、有権者総数は10,118,519人で、うち5,186,957人が投票、投票率は51,26%だった。

記者会見では各選挙区の当選者の氏名が発表されただけで、獲得票数、所属リストは示されなかった。

SANA(5月15日付)は、反体制武装活動が激しいイドリブ県、ダルアー県、ヒムス県、ダマスカス郊外県での投票率に関して、アザーウィー議長が、「人民議会はシリア国民全体を代表している…。こうした情報は各県の小委員会や選挙センターが提示するかもしれない」と回答を避けたと報じた。

また女性の当選者の数が30人に達したと付言した。

http://www.sana.sy/ara/2/2012/05/15/419128.htm

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市での犠牲者の葬儀の会葬者に治安部隊が発砲し、20人が死亡した。

この攻撃で、UNSMISの車輌が爆発に巻き込まれ大破した。隊員7人にケガはなかった。

自由シリア軍メンバーや隊員などによると、攻撃は、UNSMISが自由シリア軍の随行のもと市内の視察を行っている最中に始まった、という。

一方、UNSMISの車輌攻撃に関して、SANA(5月15日付)などシリア公式筋は、武装テロ集団の犯行だと報じる一方、離反兵は軍・治安部隊の攻撃によるものだと主張した。

他方、SANA(5月15日付)によると、ドゥライキーシュ市の国境警備隊がトルコ領内から潜入を試みる武装テロ集団と交戦、テロリスト多数を死傷させた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市郊外で女性1人を含む市民4人が治安部隊に射殺された。

一方、SANA(5月15日付)によると、ヒムス・ダマスカス街道シンシャール交差点近くで武装テロ集団がニザール・フサイン准将が乗っていた車を襲撃、准将と運転手の合わせて2人を暗殺した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で警官1人、市民6人が治安部隊の発砲で殺害された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町で市民1人が殺害された。

一方、SANA(5月15日付)によると、ダルアー市郊外で武装テロ集団が仕掛けた爆弾の爆発で治安維持部隊の大尉が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、各地で4人が殺害された。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市内の住宅ビルに仕掛けられた爆弾が爆発し、市民4人が死亡した。

この事件に関して、SANA(5月15日付)は、テロリスト3人も倒壊した建物の下敷きになって死亡した、と報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町で市民3人が殺害、遺棄された。

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ダマスカス県では、『クッルナー・シュラカー』(5月15日付)によると、ダマスカス大学電気機械工学部の学生数百人がキャンパス内で反体制デモを行い、シリア学生国民連合の学生や大学警備当局と衝突し、情報学科の学生1人が逮捕された。

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SANA(5月15日付)は、チュニジア人2人とリビア人1人が、アル=カーイダと自由シリア軍を名のる民兵との調整のもと、トルコ国境を経てシリア領内に潜入したと自供したと報じた。

なおロイター通信(5月15日付)はチュニジアの対リビア国境の町ベンガルダンの当局や若者らへのインタビュー、証言をもとに、チュニジアの青年がシリアでの反体制武装集団の活動に参加している、と報じた。

SANA, May 15, 2012
SANA, May 15, 2012

反体制勢力の動き

シリア国民評議会事務局はローマで運営委員会議長の選挙を行い、ブルハーン・ガルユーン現議長の再選出(三選)した。

選挙にはガルユーン議長とジョルジュ・サブラー氏が立候補し、秘密投票により前者が21票、後者が11票を得票した。

これまで議長は執行委員会が選出・再任していたが、事務局が議長を選出したのは今回が初めて。

なおシリア国民評議会は運営委員会議長選出と合わせて声明を出し、「現地での革命および革命かとさらなる接近、連携する」との意思を示した。

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「シャームの民のヌスラ(救済)戦線」は声明を出し、5月10日のダマスカスでの同時自爆テロの犯行を否定した。

声明では「複数の通信社、ウェブサイト、チャンネルが…ユーチューブで配信されたビデオを根拠として、この行為を救済戦線によるものだと伝えている…。しかしこのビデオやそこで発表された声明はねつ造である」と主張している。

AFP(5月16日付)が伝えた。

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シリア人権監視団は、4月末に逮捕されたパレスチナ人思想家のカイラ・サラーマ氏が当局の「激しい拷問」に曝されていると発表、非難した。

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シリア国民変革潮流は声明を出し、EUによる追加制裁発動に歓迎の意を示した。

レバノンの動き

北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区でスンナ派住民とアラウィー派住民の衝突が再び激化し、3人が負傷した。

これを受け、レバノン国軍が両地区に展開した。

両地区での対立は、治安得局がサラフィー主義者のシャーディー・マウラーウィー氏をテロ容疑で逮捕したことをきっかけに5月12日に始まり、既に9人が死亡、数十人が負傷している。

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NNA(5月15日付)は、ベカーア県ヒルミル郡の対シリア国境に位置するハウシュ・サイイド・アリー地方の農夫複数が、シリア領内で耕作中に迫撃砲の流れ弾に当たり、1人が死亡、複数が負傷した、と報じた。

諸外国の動き

UNSMISのロバート・ムード司令官は、監視員が200人を越え、またダイル・ザウル県内に拠点を開設したと発表した。

AFP, May 15, 2012、Akhbar al-Sharq, May 15, 2012、al-Hayat, May 16, 2012、Kull-na Shuraka’, May 15, 2012, May 16, 2012、Naharnet.com,
May 15, 2012、NNA, May 15, 2012、Reuters, May 15, 2012、SANA, May 15, 2012、al-Watan, May 15, 2012などをもとに作成。

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カイロで予定されていたアラブ連盟主催の反体制勢力の大会が「シリア国民評議会と民主的変革諸勢力国民調整委員会の要請により」延期を余儀なくされる(2012年5月14日)

アラブ連盟主催の反体制勢力大会をめぐる動き

5月16、17日にカイロで開催が予定されていたアラブ連盟主催の反体制勢力の大会は、シリア国民評議会、民主的変革諸勢力国民調整委員会の参加見合わせなど足並みの乱れにより、延期を余儀なくされた。

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シリア国民評議会はローマでの会合で声明を出し、アラブ連盟主催の反体制勢力大会を「アサド政権との交渉団を結成することを目的とした」大会と非難、参加を見合わせると発表した。

シリア国民評議会執行委員会のジブル・シューフィー氏は、『ハヤート』(5月15日付)に対して、アラブ連盟主催の反体制勢力の大会への参加辞退が、「(連盟の)シリア国民評議会への招待状が正式な組織に対してではなく、個々人に対して行われていたため」と述べた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行局は声明を出し、アラブ連盟主催の反体制勢力大会への参加を見合わせると発表した。

同声明によると、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長に書簡を送付し、参加見合わせの理由などを明らかにする、という。

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Kull-na Shurakā’, May 14, 2012
Kull-na Shuraka’, May 14, 2012

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は声明を出し、アラブ連盟主催の反体制勢力大会に参加すると発表した。

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『クッルナー・シュラカー』(5月14日付)によると、シリア・クルド国民評議会がカーミシュリー市で会合を開き、アラブ連盟主催の反体制勢力大会に、シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長を団長とする使節団を派遣することで合意した。

また75人が参加した会合では、評議会事務局を構成する無所属代表17人、女性代表1人、青年代表2人を選出した。

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アラブ連盟は声明を出し、16日にカイロで開催を予定していた反体制勢力の大会の延期を発表した。

声明によると、延期は、シリア国民評議会と民主的変革諸勢力国民調整委員会の要請による、という。

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なお『ハヤート』(5月15日付)が入手したカイロでのアラブ連盟主催の反体制勢力大会の参加予定者のリストには68人の反体制活動家が名を連ねている。

主な招待者は、ワリード・ブンニー、ハイサム・マーリフ、ナウワーフ・バシール、ミシェル・キールー、ルワイユ・フサイン、カマール・ルブワーニー、ファーイズ・サーラ、アンマール・カルビー、イマードッディーン・ラシード、アブドゥルアズィーズ・ハイイル、アブドゥルバースィト・スィーダー、アーリフ・ダリーラ、サーディク・ジャラール・アズム、スハイル・アタースィー、ブルハーン・ガルユーン、バスマ・カドマーニー、ジョルジュ・サブラー、リヤード・トゥルク、リヤード・サイフ、サミール・ナッシャール。

国内の暴力

SANA, May 14, 2012
SANA, May 14, 2012

ヒムス県では、自由シリア軍ヒムス市・郊外報道官のサーミー・クルディー少佐によると、ラスタン市に対して、軍・治安部隊が「この2日で300発以上の迫撃砲を撃ち」、同市の奪還を試みたが、自由シリア軍の抵抗によって阻止された。

また自由シリア軍は、軍・治安部隊との交戦により、兵員輸送車3輌を破壊、乗っていた兵士23人を殺害し、数十人を負傷させた。

この戦闘で、自由シリア軍側にも9人の死者が出た。

一方、ロイター通信(5月14日付)によると、軍・治安部隊との交戦で自由シリア軍の司令官の一人アフマド・アイユーブ氏が殺害された。

さらに国連のマーティン・ニスルキー報道官は声明を発表し、ヒムス市でUNSMISの車輌が何者かの発砲を]受けたことを明らかにした。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月14日付)によると、ウカイダート部族の有力シャイフの一人、アブドゥルアズィーズ・ラシード・ハファル氏が載っていた車が反体制武装集団によって襲撃され、同氏と息子、そしてドライバーの3人が暗殺された。

複数の消息筋によると、ハファル氏は「ダイル・ザウルで暗殺された政府に忠実な7人目の人物」だという。

ハファル氏の家族は、政府の諜報活動に関わることを止めるよう反体制勢力から脅迫を受けていた、という。

なお先週にもウカイダート部族の有力シャイフの一人、ムハンマド・ハサン・ガンナーシュ氏がダイル・ザウル県で暗殺されていた。

一方、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市で15歳の少年が殺害された。

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ダマスカス県では、SANA(5月14日付)によると、ジャウバル区でアフマド・サルマーン・マアッラー大佐が武装テロ集団に襲撃、暗殺された。

また『クッルナー・シュラカー』(5月14日付)によると、旧市街のサイイダ・ルカイヤ・モスク近くで、ウラマーのアッバース・ラッハーム氏が「武装した何者か」に暗殺された。

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ハマー県では、『ハヤート』(5月15日付)によると、ラターミナ町、ヒヤーリーン町などで反体制デモが発生した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(5月15日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区などで反体制デモが発生した。

その他の国内での動き

マディーナトナー報道ネットワーク(5月14日付)は、アレッポ大学で学長、副学長、各学部長からなる会合が開催され、学生への意見聴取などを通じた事態への対処などが協議された、と報じた。

会合には、アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)、ハサン・トゥルクマーニー副大統領補が出席した、という。

諸外国の動き

EU外相会合は、アサド政権に対する15回目となる追加制裁の発動を承認した。

追加制裁は、アサド政権を資金面で支援するとされる以下2機関と3人を対象とする。

タバコ公社
サリーム・アルトゥーン・グループ

アディーブ・マイヤーラ(シリア中央銀行総裁)
サリーム・アルトゥーン(ビジネスマン)
ユースフ・クライズリー(ビジネスマン)

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ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、記者団に対して、「我々にとって非常に明らかなのは、その事件(シリアでの自爆テロ)の背後にいるテロ集団がアル=カーイダおよびそれと行動をともにする集団だということだ」と述べた。

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イスラエル軍高官はAFP(5月14日付)に対して、アサド政権が崩壊したら、アル=カーイダがゴラン高原に達する危険があると述べたと報じた。

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ハマースのムーサー・アブー・マルズーク政治局副長はAFP(5月14日付)に対して、「シリアはハマースを支援してきた最善の国の一つだが、諸国民は自らの権利を要求し、奪われた権利のすべてを回復する権利がある」と述べ、民主主義、自由を実現するかたちでの問題解決の必要を訴えた。

AFP, May 14, 2012、Akhbar al-Sharq, May 14, 2012、Damas Post, May 14, 2012、al-Hayat, May 15, 2012、Kull-na Shuraka’, May 14, 2012, May 16, 2012、Naharnet.com,
May 14, 2012、Reuters, May 14, 2012、SANA, May 14, 2012、Shabaka Madina-na
al-Ikhbariya, May 14, 2012、al-Watan, May 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が最高憲法裁判所の設置を定める2012年政令第35号を発令、民主的変革諸勢力国民はカイロで予定されているアラブ連盟主催のシリア反体制勢力大会に参加せず(2012年5月13日)

アサド政権の動き

アサド大統領は、最高憲法裁判所の設置を定めた2012年政令第35号を発令した。

SANA, May 13, 2012
SANA, May 13, 2012

最高憲法裁判所は大統領を含む7人から構成され、新憲法に基づき、大統領(任期7年)の再任の是非を審査する。

http://www.sana.sy/ara/2/2012/05/14/418652.htm

第10期人民議会選挙をめぐる動き

SANA(5月13日付)は、ダマスカス郊外県の14カ所で第10期人民議会選挙の再投票が行われたと報じた。

国内の暴力

スーリーユーン・ネット(5月13日付)は、イラクのアル=カーイダの元指導者だというアブー・ウマルを名のる活動家が、シリア国内でのイスラーム主義者によるとされる自爆テロはシリアのムハーバラートによる仕業だと述べた、と報じた。

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イドリブ県では、シリア人権ネットワークによると、タマーニア町に軍・治安部隊が装甲車などを投入し、反体制運動を支持する住民を逮捕、「50%以上の家屋を焼き打った」。

同ネットワークによると、タマーニア町による住民は、アサド政権を支持し、「シャッビーハ」を輩出しているとされる隣接するアズィーズィーヤ村(アラウィー派の村)の「怒り」を買っており、両村の対立はアズィーズィーヤ村出身の「シャッビーハ」がタマーニア町の青年2人を殺害したことで激化していた、という。

シリア人権監視団によると、この掃討作戦で、女性2人を含む市民5人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市、ドゥマイル市で治安部隊が市民2人を射殺した。

一方、「イバーダ大隊」を名のる離反兵を指揮していたサッターム・カラーウ(アブー・ウダイ)氏が、ドゥーマー市での軍・治安部隊との戦闘で殺害された。

同大隊は、過去数ヶ月にわたり軍・治安部隊を襲撃していた、という。

地元調整諸委員会やシリア人権監視団によると、ドゥーマー市などグータ東部では軍・治安部隊が激しい砲撃を加え、活動家・市民らを逮捕している、という。

Kull-na Shurakā’, May 13, 2012
Kull-na Shuraka’, May 13, 2012

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で離反兵(少尉)が要撃を受け殺害された。

一方、SANA(5月13日付)は、フワーイジュ・ズィーバーン町で武装テロ集団が治安維持部隊に発砲し、1人を殺害した、徒報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市で治安部隊が市民1人を射殺した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市での軍・治安部隊と離反兵の交戦で、離反兵2人が殺害された。

一方、ハーッラ市での交戦では、軍・治安部隊兵士4人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タッフ村などで住民が反体制デモを行った。

一方、『ハヤート』(5月14日付)は、シリア・トルコ国境に敷設された地雷撤去を行っていたボランティア活動家6人(シリア人)が地雷の爆発に巻き込まれ負傷したと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サラーフッディーン地区でアレッポ大学学生ら数十人が反体制デモを行った。

一方、SANA(5月13日付)によると、武装テロ集団がアレッポ市南部の変電所に勤務する技師1人を暗殺した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長は、5月16日にカイロで予定されているアラブ連盟主催のシリア反体制勢力大会に参加しないと述べた。

マンナーア氏は記者会見で、「5月10日にナビール・アラビー事務総長から突然の招待を受けたが、誰が招待し、誰が招待されたのか、そしてそれが何人かも知らされておらず、どのような根拠で招待者が決定されたのか、そして会合の組織的基礎、(回付される)ペーパー案がどこかも分からない」と述べた。

またこうした招待が、シリア国民評議会の再編の失敗を受けた動きで、国民調整委員会、シリア民主フォーラム、シリア・クルド民主評議会などといった主要な反体制組織を排除しようとするものだと批判した。

なお国民調整委員会報道委員会によると、マンナーア氏は先週、チュニジアのムンスィフ・マルズーキー大統領と会談し、同大統領が軍事介入を拒否するとの姿勢と、反体制勢力の結集のための協力を行う意思があることを示した、という。

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反体制活動家のファフド・ミスリー氏は、RT(5月14日付)に対して、シリア政府が過去2ヵ月の間にアル=カーイダのメンバーなどイスラーム主義者約500人を釈放し、「政府は彼らが攻撃してくることをよく知っている」たと述べた。

ミスリー氏は複数の友人からの情報として、アサド政権が、イスラーム解放党、アル=カーイダ、サラフィー主義者、ジハード主義者ら約500人をサイドナーヤー刑務所や軍事情報局パレスチナ課拘置所から釈放した、という。

また「政府は彼らが、自分たちに敵対してくるだろうということをよく知っている…。彼らはシリアの治安当局によってリクルートされ…、その後釈放された…。そのなかには現在アレッポに潜伏するアブー・ムスアブなどがおり、政府は彼が治安当局によって監視されていることを彼に知らしめている」と付言した。

その他の国内での動き

アサド政権を支持するムハンマド・ワリード・フィルユーン師(ダマスカス・ラフマ・モスク説教師)は、ドゥンヤー・チャンネル(5月13日付)で、「預言者の時代に倣って」、ハッジ、ウムラ、礼拝を廃止すべきだと述べた。

AFP, May 13, 2012、Akhbar al-Sharq, May 13, 2012、al-Hayat, May 14, 2012、Kull-na Shuraka’, May 13, 2012、Naharnet.com, May 13, 2012、Reuters,
May 13, 2012、SANA, May 13, 2012、Sūrīyūn.net, May 13, 2012、al-Watan, May 13, 2012、Zaman al-Wasl, May 13, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2日前に発生したダマスカス県の連続自爆テロに関して「シャームの民のヌスラ戦線」が再び犯行声明を発表、シリア国民評議会運営委員会ではガルユーン事務局長の再選の是非について協議される(2012年5月12日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

SANA(5月12日付)は、ダマスカス郊外県司法小委員会が、ダーライヤー市、クドスィーヤー市、キスワ市の投票所14カ所で不正が発覚、第10期人民議会選挙の投票やり直しを行うことを決定したと報じた。

SANA, May 12, 2012
SANA, May 12, 2012

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変革解放人民戦線代表で人民意思党党首のカドリー・ジャミール氏はダマスカスで記者会見を開き、第10期人民議会選挙が危機解決のための包括的政治プロセスの起点になることに失敗したと批判し、選挙結果を無効として、人民議会を解散したうえで、全国一選挙区での比例代表制に基づく選挙のやり直しを呼びかけた。

変革解放人民戦線は第10期人民議会選挙に参加したが、候補者全員の落選が確実となっている。

5月10日のダマスカスでの同時多発テロをめぐる動き

5月10日のダマスカスでの同時多発テロに関して、「シャームの民のヌスラ(救済)戦線」を名のる組織が「住宅地に政府が砲撃を続けること」への報復として実行したと発表した。

同組織による犯行声明はこれが4度目。

これまでに、2012年1月6日、3月17日、4月27日のダマスカスでの爆弾テロ、2月12日のアレッポでの爆弾テロに対して犯行声明を出している。

『ハヤート』(5月15日付)は、専門家の話として、テロの手法はアル=カーイダの手法に似ている、と報じた。

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5月10日のダマスカスでの同時自爆テロの犠牲者の葬儀がウスマーン・モスク(ダマスカス)で行われ、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師、アドナーン・マフムード情報大臣、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣らが参列した。

SANA, May 12, 2012
SANA, May 12, 2012

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SANA(5月12日付)は、アーディル・サファル首相が、ダマスカスの同時自爆テロ現場(カッザーズ地区)を視察、また負傷者を慰問し、「こうした陰謀を根絶するための一致団結と国民統合」の必要を強調したと報じた。

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アドナーン・マフムード情報大臣はダマスカスで記者団に対して、「テロとの戦いを口実に戦争を行う同盟者らを指導する西側諸国と米国は今日、シリアに対してテロを行う勢力と同盟を結んでいる」と述べた。

国内の暴力

UNSMISのロバート・ムード司令官は、西側の煽動報道とは対称的に「シリア情勢は平静であり、(現在)民間人、軍人157人からなる隊員がいる」と述べた。

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イドリブ県では、SANA(5月12日付)によると、トルコからの潜入を試みた武装テロ集団を国境警備隊がヒルバト・ジューズで撃退した。

またイドリブ県で、武装テロ集団がアレッポ・ラタキア間の鉄道線路に爆弾を仕掛けて爆発させ、路線を数メートルにわたって破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、カフル・ウワイド市、カンスフラ村、クークファイン市などに軍治安部隊が突入し、逮捕・摘発活動を行った。

また軍・治安部隊と離反兵がハントゥーティーン村東部で交戦、イフスィム地方で爆発や砲撃があった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市での軍・治安部隊の砲撃により1人が死亡した。

またカルナーズ町出身で4日前にハマー市で負傷していた市民1人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(5月12日付)によると、ヒムス・サラミーヤ街道で武装テロ集団が貨物車2台を襲撃し、市民1人が殺害された。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月12日付)によると、アルトゥーズ町で武装テロ集団がシリア軍士官・下士官を襲撃し、1人を殺害した。

またハジャル・アスワド市では、武装テロ集団がシリア軍士官・下士官を襲撃し、1人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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ダマスカス県では、『クッルナー・シュラカー』(5月12日付)によると、旧市街で「殺戮を止めよ、我々はすべてのシリア人のための祖国建設を望む」というプラカードとロウソクを掲げて集会を行った青年数十人が治安当局に身柄拘束された。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、アナン特使の和平案への支持を改めて表明する一方、アサド政権との対話に関しては、国内での暴力が続く限り「国民によって明らかに拒否されている」と述べ、応じない姿勢を示した。

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自由民主シリアのための「共に」運動は声明を出し、アサド政権の打倒、マイノリティの権利を尊重した民主的市民国家の建設、外国の軍事的干渉拒否を呼びかけるとともに、反体制勢力による大会を開き、一致団結することを提案した。

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シリア報道と表現の自由センターのメンバー8人が釈放された。

8人は2月16日にダマスカス県内のセンター本部で逮捕されていた。

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ロイター通信(5月13日付)は、シリア国民評議会の運営委員会がローマで開催され、ブルハーン・ガルユーン事務局長の再選の是非について協議した、と報じた。

会合に関して、サミール・ナッシャール氏(ダマスカス民主変革宣言)は、ガルユーン事務局長の国内での支持の低さや、評議会の国際社会での承認取り付け失敗を踏まえ、「我々はブルハーン・ガルユーンの任期延長、更新に反対だ」と述べた。

また「我々は政権交代を支持している。なぜならすべての政治勢力がその職(事務局長職)に就任する機会を持っているからだ」と付言した。

レバノンの動き

ヒムス県クサイル地方でのシリア軍・治安部隊と離反兵の戦闘が、レバノン領に一時拡大、ベカーア県バアルベック郡カーア地方にシリア軍が進入・発砲し、シュトゥーラ村でレバノン人1人が負傷した。

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『ムスタクバル』(5月12日付)は、ベカーア県バアルベック郡の対シリア国境地帯で、シリアの反体制勢力約50人をジャアファリー家が誘拐、これに対抗するかたちで自由シリア軍がジャアファリー家の2人とシリア人1人を誘拐した、と報じた。

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ベカーア県バアルベック郡サアドナーイル市では、「シリア革命との連帯」を求める集会が開催され、自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐がビデオ演説を行い、「革命」への支援と避難民保護を求めた。

サアドナーイル市はムスタクバル潮流支持者が多い。

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北部県トリポリ市では、イスラーム主義者の青年数百人が11日にテロ容疑で逮捕されたイスラーム主義者の釈放を求めて、同市の北部、南部の入り口前で抗議行動を行った。

青年らは委任統治時代のシリアの旗を掲げていた。

諸外国の動き

トルコのアフマド・ダウトオール外務大臣は、シリア国内での違法な取材活動中に身柄拘束されていたトルコ人記者2人が、イランの仲介でトルコ側に引き渡された、と発表した。

一方、トルコの国境警備隊は、シリア国内で反体制勢力が誘拐したイラン人18人のうちの2人を釈放した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、連盟主催のもとにカイロで16日に予定されているシリア反体制勢力大会で発表される「政治宣言」をアナン特使がシリア政府に手渡すことになるだろう、と述べた。

AFP, May 12, 2012、Akhbar al-Sharq, May 12, 2012、al-Hayat, May 13, 2012, May 14, 2012、Kull-na Shuraka’, May 12, 2012, May 13, 2012、al-Mustaqbal, May 12, 2012、Naharnet.com, May 12, 2012、Reuters, May 12, 2012、SANA, May
12, 2012、al-Watan, May 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県内の数十か所でダマスカス県での同時多発テロへの非難を示すデモが発生するなか、シリア国民評議会事務局長が日本記者クラブと日本外国特派員協会で講演(2012年5月11日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

『クッルナー・シュラカー』(5月11日付)は、5月7日に行われた第10期人民議会選挙の投票に関して、ダマスカス郊外県キスワ市の治安部隊の検問所が有権者の移動を妨げ、投票を阻害した、と報じた。

国内の暴力

al-Hayat, May 12, 2012
al-Hayat, May 12, 2012

反体制勢力によると、各地で金曜礼拝後にアサド政権の打倒を求める散発的なデモが発生し、数万人が参加、治安部隊による強制排除で、少なくとも15人が死亡した。

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アレッポ県では、アレッポ調整連合によると、アレッポ市内数十カ所でデモが発生し、数千人が参加、ダマスカス県での同時多発テロ(10日)への非難の意を示すとともに、国際社会にシリアへの軍事介入を求めた。

シリア人権監視団によると、デモに対して治安部隊が発砲し、サラーフッディーン地区で1人を殺害した。

クルド人が多数住むアイン・アラブ市でも反体制デモが発生した。

一方、シリア・アラブ・テレビ(5月11日付)などは、アレッポシアール地区で1.2トンの爆発物を積み自爆テロを試みようとしていたテロリストを殺害した、と報じた。

またSANA(5月11日付)によると、アレッポ市サアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)に武装テロ集団が仕掛けた爆弾を爆発、撤去しようとしていた爆弾処理班1人が死亡した。

これに関連して、オリエント・テレビ(5月12日付)は、シリア人権監視団がアレッポ市内の「バアス党本部の近くで大きな爆発」があったと発表したと報じた。

さらに同市サイフ・ダウラ地区では、武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発した。

SANA, May 11, 2012
SANA, May 11, 2012

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ヒムス県では、SANA(5月11日付)によると、ヒムス市郊外で治安部隊兵士3人が殺害された。

一方、SANA(5月11日付)によると、ヒムス市で武装テロ集団が士官候補生や治安維持部隊を襲撃し、3人を殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルルーマー村、カフルハーヤー村などで反体制デモが発生した。

一方、SANA(5月11日付)によると、サルキーン市で武装テロ集団の攻撃により市民1人が死亡、7人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハラファーヤー市、カフルズィーター市などで発生したデモに対する治安当局の弾圧で4人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市、カーミシュリー市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、フール市、カフターニーヤ市などで反体制デモが発生し、治安当局の弾圧で2人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市などで発生したデモに対する治安当局の弾圧で1人が死亡した。

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ダマスカス県およびダマスカス郊外県では、シリア人権監視団やダマスカス調整連合によると、タダームン区などで反体制デモが発生し、治安部隊が弾圧、5人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市などで反体制デモが発生した。

アサド政権の動き

シリア政府は国連安保理決議第1559号に関する事務総長報告に関して、国連安保理と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかで「シリアの内政に関する出来事と第1559号に関わる事項を混同している」と非難した。

『ハヤート』(5月12日付)によると、この書簡では、事務総長報告がレバノンのジャディード・テレビのアリー・シャアバーン氏殺害に関して、シリア軍の犯行と断じていることを、「最終的な判決を待たず、シリアに責任を科している」と非難している。

また「レバノンに逃れた者のほとんどは、シリアの司法において指名手配されている武装テロ集団か、彼らによって家を離れることを余儀なくされた人々だ」と説明している、という。

なお国連安保理決議第1559号(2004年)は、エミール・ラッフード大統領(当時)の任期延長へのシリアの干渉を口実に、レバノン駐留シリア軍の完全撤退とヒズブッラーなどレジスタンス組織の武装解除を求めた決議。

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、一部の諸外国がシリアの武装集団に資金や武器を提供していると非難し、国連安保理に対して、シリア国内での「テロ活動」を停止するための必要な措置と、テロ組織を支援する国への圧力を求めた。

ブルハーン・ガルユーン氏(シリア国民評議会事務局長)講演

日本を訪問中のブルハーン・ガルユーン・シリア国民評議会事務局長は、日本記者クラブと日本外国特派員協会で講演を行った。

青山弘之撮影
青山弘之撮影

講演で、ガルユーン氏は、アナン特使の和平案がアサド政権による停戦違反により失敗の危機にあると述べ、国際社会および地域社会に対して、制裁を前提としたかたちでの介入を呼びかけた。

一方、ダマスカス県での同時多発テロ(10日付)に関しては、「アナン特使の和平案を頓挫させるための新たな手段」と位置づけ、アサド政権がその背後にいると断じた。

またシリア国内でのアル=カーイダによる活動が活発化しているとの米国などの見方を受けるかたちで、「アサド政権はイラクのアル=カーイダと親密な関係を持っていることは周知の事実」と述べた。

青山弘之撮影
青山弘之撮影

しかし上記の発言からも明らかなように、ガルユーン事務局長の講演は、誇張・事実誤認、具体性の欠如に彩られ、在外反体制活動家の一泡沫勢力になりさがったシリア国民評議会の無能さを再認識させた。

例えば、ガルユーン事務局長は、2011年9月のシリア国民評議会が「民主的変革諸勢力国民調整委員会以外のすべての政治勢力が参加したが、その後新たな小規模・脆弱な組織が次々と現れ、評議会は組織の再構築を進めている」と述べた。

だが評議会には発足当初からシリア国内で活動を続けているほとんどの反体制組織・活動家は参加していない。

またアナン特使の和平案に関して、その失敗を前提に論を展開、シリア国民評議会もまた(アサド政権と同様に)、アナン特使のイニシアチブに積極的に応じていないとの印象を与えただけだった。

他方、アナン特使の和平案が危機解決のため、対話を通じて政治的解決をめざすことを求めていることに関しては、アサド大統領の退任が政治的解決の前提とするとの見解を示した。

しかし、ガルユーン事務局長は、「アサド大統領退任を前提とした場合の政治的解決の内容は何か」との筆者の質問に対して、アサド大統領の退任の必要性とそのための国際社会の圧力を強調しただけで、ポスト・アサドの政治プロセス(民主化)の具体的な手順については何ら説明することはなかった。

総じて、ガルユーン事務局長の姿勢は、シリア国民評議会には実現不可能なアサド政権の打倒を外国の介入によって実現しようとする他力本願と、その後の政治プロセスについての具体的ビジョンの欠如という2点によって特徴づけられていた、と言える。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は、組織の拡大・再編に際して選挙を通じた代表の選出を拒否するとの姿勢を示した。

シリア国民評議会再編準備委員会のメンバー5人が声明で明らかにした。

声明を発表したのはアブドゥッラッザーク・イード、ナウワーフ・バシール、アンマール・カルビー、ワリード・ブンニー、イマードッディーン・ラシードの5人でいずれもシリア国民評議会メンバーではない。

声明によると、シリア国民評議会は、組織のすべてのレベルのメンバーの選出を選挙で行うことを拒否し、再編後に評議会に加入・参加する組織・個人の数を制限するべきだとの立場を示したという。

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シリア・国民評議会のジョルジュ・サブリー執行委員会メンバーは、フランスで記者会見を開き、「来週、カイロで新事務局長を選ぶための大会を開催する」と述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説を行い、ダマスカスでの同時多発テロ(10日)に関して、「レバノン、パレスチナでのレジスタンスを支援するシリアを破壊したいと考えている者がいる」と述べ、西側や湾岸アラブ諸国の関与を暗に示唆した。

またシリア人の前には「シリア政府が指導する真摯な改革か、自爆テロ犯への武器資金供与を行う…破壊的知性」のいずれかの選択肢しかないと強調した。

諸外国の動き

国連安全保障理事会はダマスカスで起きた連続自爆テロを「もっとも強い言葉で非難する」とした報道機関向け声明を発表した。

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イラン国営通信(5月11日付)は、ムハンマド・リザー・ロハイミー副大統領が、ダマスカスでの同時多発テロ(10日)に関して、「バッシャール・アサド大統領が始めた民主的改革プロセスを停止させるために行われた」との見方を示したと報じた。

またイラン外務省報道官は「シリアの民間人に対してこのような卑劣な行為を行うということは、これらの集団の戦略が、人民議会選挙に投票した…大多数の人々の意思に反しているということを意味する」と非難した。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は、ダマスカスでの同時多発テロ(10日付)に関して、強い非難の意を示し、シリア国民に対し事件再発を回避するための意思を持つよう呼びかけた。

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ローマ法皇ベネディクト16世は、ダマスカス県での同時自爆テロ(10日)を受け、シリア人に同情の念を示すと友に、UNSMISのさらなる派遣を呼びかけた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はダマスカス県での同時自爆テロ(10日)に関して、「背後にいる者はUNSMISの任務を失敗させ、シリアでの殺戮・流血を助長しようとている者だ」と非難した。

AFP, May 11, 2012、Akhbar al-Sharq, May 11, 2012、al-Hayat, May 12, 2012、Kull-na Shuraka’, May 11, 2012, May 12, 2012、Naharnet.com,
May 12, 2012、Orient TV, May 12, 2012、Reuters, May 11, 2012、SANA, May 11,
2012、al-Watan, May 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県内で連続自爆テロが発生し数百名の死傷者が発生、これを受け米・仏の高官らは「暴力の根源」としてのアサド政権を非難(2012年5月10日)

SANA, May 10, 2012
SANA, May 10, 2012

SANA, May 10, 2012
SANA, May 10, 2012

SANA, May 10, 2012
SANA, May 10, 2012

SANA, May 10, 2012
SANA, May 10, 2012

国内の暴力

ダマスカス県南部のカッザーズ地区で午前8時(通勤通学時間帯)、自爆テロと思われる爆発が2件ほぼ同時に発生し、シリア内務省によると、民間人および軍人55人が死亡、372人が負傷した。

在外の反体制組織のシリア人権監視団は死者数が59人に達し、そのほとんどが治安要員だったと発表した。

爆発は同地区にある軍事情報局パレスチナ課前の街道で発生し、シリア内務省によると、1トン以上の爆発物を積んだ車2台が自爆し、現場には深さ1メートル、長さ5.5メートル、幅3.3メートルのくぼみと深さ2.5メートル、縦横8.5メートルのくぼみができ、周辺の建物や通行中の車100台以上が大破した。

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SANA(5月10日付)によると、ダルアー県ムライハ村とスワイダー県サマー村間の街道に武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士6人が殺害された。

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SANA(5月10日付)によると、ダイル・ザウル県でユーフラテス石油社の石油パイプラインが武装テロ集団によって破壊された。

SANA, May 10, 2012
SANA, May 10, 2012

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SANA(5月10日付)などによると、アレッポ県ライラムーン交差点で、治安維持部隊の車輌を標的とした爆弾テロがあり、治安維持部隊兵士1人が死亡、9人が負傷した。

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シリア人権監視団によると、イドリブ県ハーン・シャイフーン市、ヒムス県ヒムス市バーブ・フード地区、ダルアー市郊外で子供1人を含む3人が殺害され、ダマスカス郊外県ドゥマイル市などで治安部隊による大規模な逮捕・摘発が行われた。

同時自爆テロに対するアサド政権の反応

シリア外務在外居住者省はダマスカスでの同時多発テロ発生を受け、国連安保理と事務総長宛てに書簡を提出し、「テロを実行・奨励する諸外国、当事者、メディアに対して適切な措置」を講じるよう求めた。

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『ハヤート』(5月11日付)によると、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ダマスカスでの同時自爆テロの発生がアル=カーイダと武装テロ集団の犯行だと断じ、非難した。

同時自爆テロに対する反体制勢力の反応

シリア国民評議会のサミール・ナッシャール運営委員会メンバーはAFP(5月10日付)に対して、ダマスカスでのでの同時自爆テロが「UNSMISに危険だと警告し…、国際社会にはシリアに武装集団とアル=カーイダがいると主張する」ためにアサド政権が行った自作自演だと非難した。

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自由シリア軍事評議会のムスタファー・シャイフ議長は、ダマスカスでの同時自爆テロに関して、「このようなことを実行する能力も手段も持たない反体制勢力が行うことなどあり得ない」と述べ、アサド政権の関与を疑い、国連に対して事件を調査するための国際調査団の設置を呼びかけた。

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ダマスカス・郊外軍事評議会司令官ハーリド・ハッブーシュ大佐は声明を出し、ダマスカスでの同時自爆テロに関して、反体制勢力にはこの規模の攻撃を行う能力はない、と述べ、アサド政権が行った自作自演だと非難した。

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『ザマーン・ワスル』(5月10日付)は、フェイスブックの情報として、ダマスカスでの同時多発テロでの被害者のなかに治安当局に逮捕されていたはずのムアイイド・フサイン・スバイイー氏が含まれていたと報じた。真偽は不明。

同時自爆テロに対する諸外国の反応

アナン特使は、ダマスカスでの同時多発テロに関して、「受け入れられず、シリアでの暴力は停止されねばならない」としてうえで、「すべての当事者に暴力停止の実行」を呼びかけた。

またUNSMISのロバート・ムード司令官はダマスカスでの同時多発テロの現場を視察後に記者会見を開き、「私はシリア国内外のすべての当事者に暴力行為停止への支援を呼びかける」と述べた。

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国連安保理では、ダマスカスでの同時自爆テロ発生を受け、ロシアが安保理決議案を提出、審議がなされた。

決議案では、同時自爆テロが非難されているとともに、「すべての当事者」に停戦遵守を呼びかけている。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、北京での中国の楊潔チー外務大臣と会談後に記者団に対して、「我々はすべての当事者に暴力停止とアナン特使への協力を呼びかけている」と述べた。

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フランスのベルナール・ヴァレロ報道官は、ダマスカスでの同時多発テロに関して「シリアが目の当たりにしている惨状の責任のすべては政府にある」と非難した。

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『ハヤート』(5月11日付)によると、ドイツ国連大使は、ダマスカスでの同時多発テロを非難しつつ、「シリア政府がアナン特使の停戦案を遵守していないことが暴力を煽っている」と非難した。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長付報道官のマイケル・マン氏は、ダマスカスでの同時多発テロに関して「アナン特使のミッションを困難なものとしているが、重要なものともしている」と述べた。

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スーザン・ライス米国連大使は、ダマスカスでの同時自爆テロに関して、ツイッターで「手遅れになる前に政治的解決を急ぐ必要がある」としたうえで、アサド政権の存在が「シリアと地域の安定を揺るがす」と述べ、引き続きシリア不安定化のための内政干渉への意思を表した。

また、ライス米国連大使はロイター通信(5月10日付)に対して、「ダマスカスでの同時爆破事件に誰が関与しているか分からないが、米国はシリア政府が最終的には暴力激化の責任を負っていると考える…。我々は過激派の活動が活発化している証拠を持っており、事件はこうした現象の一つだと考えられる」と述べ、反体制勢力による犯行ではないとの見方を示した。

しかし「UNSMISとアナン特使のイニシアチブが失敗したと言うには時期尚早だと思う」と述べ、慎重姿勢を示した。

CNN(5月10日付)はCIA高官の話として、シリアにおける真空がイラクからのアル=カーイダの潜入を助長している」が、「デモを行う人々とは関係がなく、独自の兵を有している」と報じた。

アル=カーイダの関与が事実だとすると、アサド政権の自作自演を断じる反体制勢力の主張が偽りだということになる。

アサド政権の動き

『アクス・サイル』(5月10日付)は、シリア軍高官の話として、政府は平和的デモを根絶し、「シリア革命を武装闘争への変容させる」戦術をとっている、と報じた。

同報道によると、この高官はベイルートでレバノン国軍が開催した会議で、弾圧には「死の師団」と称される「第三の当事者」がおり、治安機関の監督のもと、弾圧を行っている、という。

また政府は、レバノン内戦に干渉した経験をもとに、外国の干渉が続く限り徹底弾圧を続ける意思を持っており、都市部の調整(タンスィーク)のほとんどを根絶した、という。

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『クッルナー・シュラカー』(5月10日付)は、アサド政権がクルド人からなる三つの大隊を創設し、クルド人の反体制勢力弾圧に充てていると報じた。

反体制勢力の動き

時事通信(5月10日付)などによると、玄葉光一郎外相は日本を訪問中のシリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長と外務省で会談した。

玄葉外相は、シリア情勢に関して「全ての暴力が停止され、シリア国民の正当な希求が達成されることを期待する」と表明し、日本政府として追加の人道支援を検討していることを明らかにし、中立的な姿勢を示した。

一方、ガルユーン事務局長は、アサド政権がアナン特使の停戦案を遵守していないと非難した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長はAKI(5月10日付)に対して、中国訪問中に、評議会はシリアの危機を解決するため政治的解決に依拠し、アナン特使の和平案を支持し、外国の干渉に反対する、と述べた」との報道に関して、「アナン特使の和平案の失敗は必然的に国際社会の介入をもたらすだろう」と述べたに過ぎないと否定した。

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シリア・クルド民主諸勢力連合が声明を出し、参加型で多元的な民主的市民国家建設のために、クルド人が居住する地域での革命青年の結集や他の諸勢力との調整の必要などを確認した。

SCN-sy.com(5月10日付)が報じた。

シリア・クルド民主諸勢力連合は2011年12月22日に結成された反体制組織。

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Kull-na Shurakā’, May 10, 2012
Kull-na Shuraka’, May 10, 2012

フェイスブックのページ「栄光のシリアネットワーク」(http://www.facebook.com/SyriaGloryN)はダマスカス県での同時多発テロに関して、犠牲者の一部が短パン、部屋着などを着用していたと指摘し、その写真を公開、事件がアサド政権による自作自演だと非難した。

Kull-na Shurakā’, May 10, 2012
Kull-na Shuraka’, May 10, 2012

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『クッルナー・シュラカー』(5月10日付)は、アサド政権を支持するデモに参加していた「市民」と、アラブ連盟監視団が視察した際に面談した「テロリスト」が同一人物であることを示す写真を公開した。

その他の国内の動き

ダマスカス戦略研究センターのバッサーム・アブー・アブドゥッラー所長は、ドゥンヤー・テレビ(5月10日付)での対談で、「ブルハーン・ガルユーン(シリア国民評議会事務局長)、エルドアン首相、ハサン・アブドゥルアズィーム(民主的変革諸勢力国民調整)委員会代表は、シリア国民の名をかたって話していることの罰として、舌を切り落とされるべきだ」と述べた。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、アサド大統領と電話会談し、ダマスカスでの同時多発テロに関して、「民主主義に至る正しい手段ではない…。唯一の理想的な方法とは対話のテーブルに着き、静粛かつ知的に民主主義への転換をもたらす文明的手段を検討すること」と述べた。

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ヒズブッラーは声明を出し、ダマスカスでの同時多発テロに関して「ワシントンやアラブの親米国が望んでいるアラブの春とはこれか?シリアやアラブ諸国民が期待しているアメリカ型自由の実践の見本なのか?」と非難の意思を示した。

AFP, May 10, 2012、Akhbar al-Sharq, May 10, 2012、AKI, May 10, 2012、ʻAks al-Sayrl, May 10, 2012、al-Hayat, May 11, 2012、Kull-na Shuraka’, May 10, 2012, May 11, 2012、Naharnet.com, May 10, 2012、Reuters, May 10, 2012、SANA, May 10, 2012、SCN-y.com, May 10, 2012、al-Watan, May 10, 2012、Zaman al-Wasl, May 10, 2012、時事通信などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー市でUNSMISの車列を狙ったと思われる爆弾テロが発生、シリア国民評議会事務局長が訪問先の中国から「評議会がアナン特使の和平案を支持する」ことを表明(2012年5月9日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

『ワタン』(5月9日付)などは、ダマスカス県、スワイダー県、タルトゥース県、アレッポ市、クナイトラ県の選挙結果を速報で発表した。

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SANA(5月10日付)など各紙によると、ダマスカス県旧市街の投票所2カ所に続いて、ハサカ県の2カ所でも投票箱が開封されていたことが発覚、この二カ所での投票のやり直しが決定されたと報じた。

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変革解放人民戦線はダマスカスで記者会見を開き、代表で人民意思党党首のカドリー・ジャミール氏が、第10期人民議会選挙の投票において「数々の違反がなされた」と指摘、「選挙の公正性に多いに疑問を投げかける」と非難、選挙の実態を評価したうえで、5月12日に戦線の最終的な立場を発表する、と述べた。

変革解放人民戦線はジャミール氏がダマスカス県選挙区から出馬するなど、複数の立候補者を出馬されているが、全員の落選が確定している。

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『ワタン』(5月9日付)は、第10期人民議会選挙に「パレスチナ人も投票した」と国民民主団結党が異議を申し立て、近く司法小委員会に申し立てを行う、と報じた。

国内の暴力

ダルアー市入口の街道でUNSMISの車列が通過した数秒後に爆弾が爆発、監視団に被害はなかったが随行するシリア軍兵士6人(『ハヤート』(5月10日付など)が負傷した。

UNSMISの車列(6台の車輌)にはロバート・ムード司令官も乗っており、シリア軍、シリアと外国の記者団が同行していた。

犯行はアサド政権の「自作自演」ではなく、反体制武装集団によるものと思われる。

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事件に関して、潘基文国連事務総長は、「シリアの都市部で暴力が続くなかでの敵対行為は、当事者らが停戦を遵守しているのとの問いを喚起するものであり、監視団の活動の将来に直接の影響を与えるだろう」と述べた。

また国連筋によると、潘事務総長はムード司令官に対して電話で「UNSMISの車列を狙った爆破かどうかの証拠はないが、その活動をめぐって困難や挑戦が存在することを示している」と述べたという。

一方、国連筋によると、ムード司令官は「爆発が受け入れられないが、シリア国内で暴力が続くことも同じレベルで受け入れられない」と述べたという。

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ダマスカス郊外県では、反体制活動家(ムハンマド・サイード)によると、アルバイン市で「シャッビーハ」を乗せたバスがロケット弾攻撃を受け、少なくとも7人が死亡した。

またドゥーマー市では、シリア人権監視団などによると、軍・治安部隊による砲撃が続き、ハラスター市などでは、治安部隊による逮捕・摘発活動が行われた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区で軍・治安部隊と離反兵が交戦したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市近くのアイン・ハムラー村で、軍・治安部隊が発砲、市民1人が死亡、またマガーラ村で退役士官が射殺された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区とカラム・ザイトゥーン地区で2人が射殺された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で治安部隊兵士1人が爆殺され、またスファイラ市、クーリーヤ市、ヒサーン村で治安部隊による逮捕・摘発活動が行われた。

反体制勢力の動き

中東通信(5月9日付)は、中国訪問中のシリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長が、「評議会はシリアの危機を解決するため政治的解決に依拠し、アナン特使の和平案を支持し、外国の干渉に反対する」と述べたと報じた。

シリア国民評議会は、これまで武装闘争や外国の干渉による政権打倒を支持してきた。

ガルユーン事務局長は楊潔チー外務大臣らと会談した。

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シリア国民評議会は声明を出し、中国への使節団派遣の成果を発表した。

同声明によると、使節団は、ブルハーン・ガルユーン事務局長を含む6人のメンバーから構成されており、中国外相、中国共産党幹部と会談、以下の立場を伝えた。

1. 暴力停止と民主的体制建設をめざすアナン特使の和平案を「期限つき」で支持。
2. アサド政権の暴力を停止させるための制裁発動を伴う国連決議の必要。
3. 暴力停止を条件としたアサド政権との民主的体制建設に向けた交渉。

一方、中国側からは、アナン特使の和平案にもとづく停戦のための努力継続の意思などを確認した。

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シリア国民評議会のサミール・ナッシャール運営委員会メンバーはAFP(5月9日付)に対して、ダルアーでの爆発事件に関して、「民衆がUNSMISの増援を望むなか、監視団を現場から遠ざけるための爆発」と断じ、アサド政権が「シリア国内に原理主義者やテロリストがいると主張するため」に行った自作自演だと非難した。

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自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐は、『シャルク・アウサト』(5月9日付)に対して、「我らが国民は、国連安保理が真剣な措置を講じないなかで、我々に保護を求めており…、おかげさまで…、我々は次の段階のための新たな行動計画を策定し、我々の軍事行動は体系的に変更されるだろう」と述べた。

また爆弾テロを行うのかとの問いに対しては、「爆破は我々の道徳に沿ったものではなく、それを必要としていない…。我々の目的は軍車輌を標的とし、爆発物のみを使用する」と曖昧に答えた。

その他の国内の動き

『ナハール』(5月9日付)は、進歩国民戦線加盟政党のシリア民族社会党のイサーム・マハーイリー党首が、党の活動全体を統括するレバノンのシリア民族社会党のアアド・ハルダーン党首の承認を得ずに、政党法に基づいて公認申請を行い、党が事実上の分裂状態に陥ったと報じた。

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ロイター通信(5月9日付)は、欧州の複数のトレーダーからの情報として、シリアがレバノンを経由して西側などへの穀物の輸出を行っている、と報じた。

アサド政権の反体制運動弾圧を受け、2011年に西側が発動した制裁には、食糧品の取引禁止は含まれていないが、シリアの金融機関との取引停止などの影響で直接の取引は困難になっている、という。

レバノンの動き

AFP(5月9日付)は、レバノンの地元高官の話として、ベカーア県バアルベック郡カーア地方で、レバノン人女性1人がシリア軍の発砲により死亡、1人が負傷したと報じた。

シリア領と接するカーア地方はシリア・レバノン両国で国境画定がなされていないため、その領有権は曖昧である。

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『ムスタクバル』(4月10日付)によると、北部県アッカール郡アブーディーヤ村にシリア軍が越境進入し、シリア人1人を逮捕し、シリアに連行した、と報じた。

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レバノン・シリア最高評議会のナスリー・フーリー議長は、『ハヤート』(5月10日付)に対して、「レバノンのシリア人避難民を帰国させるときが来た」とのシリア側の帰国要請を受けていると語った。

諸外国の動き

UNHCRはヨルダンにおけるシリア人避難民の数が14,500人に達したと発表した。

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国際通貨基金(IMF)のニウマト・シャフィーク副専務理事は、混迷するシリア情勢を受け、シリア・ポンドが為替市場で45%、公定レート25%下落し、シリアの証券価格も40%下落したと述べた。

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トルコのベシル・アタライ副首相は記者団に対して、シリア政府が身柄拘束中のトルコ人記者2人を「人質」にとり、トルコ領内のシリア人避難民との「交換のカード」としようとしている、と述べた。

AFP, May 9, 2012、Akhbar al-Sharq, May 9, 2012、ʻAks al-Sayr, May 9, 2012、DP-News, May 10, 2012、al-Hayat, May 10, 2012、Kull-na Shuraka’, May 9, 2012 MENA, May 9, 2012、al-Mustaqbal,
May 10, 2012、al-Nahār, May 9, 2012、Naharnet.com, May 9, 2012, May 10, 2012、Reuters, May 9, 2012、SANA, May 9, 2012、al-Sharq al-Awsat, May 10, 2012、al-Watan, May 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・クルド国民評議会の使節団が米国務省の招聘を受け同国を訪問、アナン特使はシリア情勢に関する報告のなかでアサド政権、反体制派双方の非妥協性を非難(2012年5月8日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

SANA(5月8日付)は、ダマスカス県旧市街の投票所2カ所で投票箱が開封されていたことが発覚、ダマスカス選挙監視司法小委員会はこの二カ所での投票のやり直しを決定したと報じた。

al-Hayat, May 9, 2012
al-Hayat, May 9, 2012

投票用紙が入った投票箱は、各投票所から開票会場に集められ、有権者、マスコミの前で開封されたのち、集計がなされることになっていた、という。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市クスール地区で治安部隊が検問所で市民1人を射殺した。

また軍・治安部隊と離反兵の交戦で負傷していた1人が死亡した。

地元調整諸委員会によると、カルアト・ヒスン市に対して軍・治安部隊が砲撃を加えた。

一方、SANA(5月8日付)によると、ヒムス・ハマー街道で武装テロ集団がバスを襲撃、市民3人を殺害した。

SANA, May 8, 2012
SANA, May 8, 2012

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市で治安部隊が大規模な逮捕・摘発を行った。

地元調整諸委員会によると、ザバダーニー市に軍・治安部隊が戦車、軍用車輌を進入させた。

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ダマスカス県では、地元調整諸委員会によると、バルザ区でパレスチナ人が治安部隊の発砲した流れ弾にあたって死亡した。

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ハマー県では、ハマー革命広報局報道官を名のるマリヤム・ハマウィーヤなる女性活動家によると、反体制もが続いていたカルアト・マディーク町が軍・治安部隊の砲撃にさらされた。

一方、SANA(5月8日付)によると、ハマー市で武装テロ集団に殺害されたと思われる市民の遺体が発見された。

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SANA, May 8, 2012
SANA, May 8, 2012

ダルアー県では、地元調整諸委員会によると、タファス市などで第10期人民議会選挙に抗議するゼネストとデモが行われた、という。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月8日付)によると、武装テロ集団は、ジャースィム市近くのジュダイド・アカイダート村のシャイフ、マフムード・ハサン・ガンナーシュ師を暗殺した。

アサド政権の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア情勢をめぐる国連安保理での非公式会合後に、シリア国内で逮捕された「武装テロ集団」メンバーのうちシリア人以外のアラブ諸国籍を持つ者が26人におり、彼らが「トルコとレバノンを経由して、リビア、チュニジアなどから来たことを自供した」と述べた。

またシリア政府が「アナン特使の停戦案におけるすべての項目を実施しているが、テロリストに資金・武器を支援している当事者らは…これらを実施していない。こうした国々は武装テロ集団への支援を停止せねばならない」と付言した。

国内のその他の動き

シリアのスィフヤーン・アッラーウ石油鉱物資源大臣は声明を出し、西側諸国の経済制裁によって、石油部門に30億米ドル相当の損失が生じていることを明らかにした。

アッラーウ大臣によると、制裁により原油の輸出量は380,000バレル/日から150,000バレル/日に落ち込み、石油鉱物資源省は原油の減産、一部油田の閉鎖を余儀なくされているという。

また武装テロ集団の破壊工作によって、25人の技術者が殺害され、100以上の機器が盗まれ、40件以上の爆発事故などが発生している、という。

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ロイター通信(5月8日付)は、ロシアやイランから供給されるはずの燃料約30,000トンが4週間にわたってバーニヤース港、タルトゥース港に届いていないと報じた。

同報道によると、これらの燃料のなかには、戦車、装甲車などの燃料となる灯油が含まれている、という。

反体制勢力の動き

在外の反体制組織、シリア人権監視団は、2012年4月の停戦発効後に831人が殺害されたと発表した。

この数値は現地活動家からの情報のみをもとにしている。

同監視団によると、831人中民間人は589人にのぼり、2011年3月以降の死者数は11,925人(うち民間人は8,515人)に達する、という。

また25,000人が反体制抗議行動に関連して逮捕されている、という。

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『クッルナー・シュラカー』(5月8日付)は、シリア・クルド国民評議会のメンバーの一人の話として、同評議会使節団が米国務省の招聘を受け、米国を訪問した、と報じた。

訪米したのは、アブドゥルハキーム・バッシャール代表(シリア・クルド民主党(アル・パールティー)党首)、サアドッディーン・ムッラー氏(シリア・クルド・イェキーティー党)、ワリード・シャイフー氏(無所属)、カーミーラーン・ハッジ・アブドゥー氏(シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)。

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シリア国内の活動家が組織したとされるシリア暫定議会のナーイフ・シャアバーン報道官は、AKI(5月8日付)に対して、「体制打倒は解放戦争を通じて行われる…。体制は国内の革命(勢力)が軍事的、政治的に結集すれば1ヵ月ともたない」と述べ、武装闘争を支持した。

Kull-na Shuraka', May 8, 2012
Kull-na Shuraka’, May 8, 2012

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シリア国民評議会メンバーのアブドゥッラー・トゥルクマーニー氏はAKI(5月8日付)に対して、第10期人民議会選挙によって、「操り人形の新たな劇場」が作られるだけだ、と非難した。

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アナン特使の政治顧問が民主的変革諸勢力国民調整委員会の本部を訪問し、ハサン・アブドゥルアズィーム代表らと会談した。

会談では、危機の政治的解決と民主的体制への転換に向けた政府との対話について意見が交換された。

同顧問はその際、UNSMISが監視活動以外の活動を行わないことを確認するとともに、民主的体制への転換には、アサド政権の退陣が必要であるとの見方を示した、という。

民主的変革諸勢力国民調整委員会は11日に声明で明らかにした。

諸外国の動き

コフィ・アナン・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使はジュネーブから国連安保理非公式会合にシリア情勢に関する報告を行った。

アナン特使はこの報告のなかで、「6項目停戦案が失敗したとの結論に達したら、それはシリアと地域全体にとって困難な日となるだろう」と述べ、シリア政府が砲撃・暴力継続や人権侵害に関してもっとも大きな責任を負っていると非難の意を示した。

しかしアナン特使は同時に反体制勢力に対しても「武器を置き、対話のテーブルに着くことの責任を負っている」と述べ、その非妥協的な姿勢を非難した。

一方、第10期人民議会選挙に関しては、「政府のイニシアチブのもとに行われたが、我々が話していたのは政府と反体制勢力の対話に至るような政治プロセスである…。この選挙は我々が話していたものではなく、シリア政府は政治的対話の結果が別の選挙として表されるということを理解しているはずである」と述べた。

アナン特使は安保理への報告後記者団に対して、シリアを近く訪問する予定だと述べる一方、「和平案の失敗の可能性に関して多くの問いがなされている。将来、和平案が成功しなかったとの結論に達し、別の選択肢を選ぶかもしれない。しかし私はシリアのことを第一に考え、交渉のテーブルに向かう者を賞賛する」と述べた。

テリー・ロード=ラーセン国連中東問題担当特使は、シリア情勢に関する国連安保理非公式会合後、「我々の情報によると、レバノンからシリア、シリアからレバノンという双方向での武器の流れがあると考えられる複数の要因がある」と述べた。

ラーセン特使はまた、「中東地域で目の当たりにしている事態は、「死の舞」であり、早晩戦争になるかもしれない」と付言し、シリア情勢の混乱が地域全体を混乱に陥れる危険に警鐘を鳴らした。

安保理筋によると、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連代表大使は、ヘルヴェ・ラドス国連平和維持活動担当事務次長に対して、UNSMISのヘリコプターでの監視活動の安全をシリア政府が保障するとの案を示したが、ラドス事務次長はUNSMISの活動の独立性が失われるとして却下した。

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『ハヤート』(5月9日付)は、複数の外交筋の話として、安保理の非公式会合において、アサド政権による停戦違反への西側諸国の非難のなかで、ロシアはほぼ孤立していたと報じた。

また、第10期人民議会選挙を「前向きな兆候」と評価すべきだと中国とインドの見解も、選挙に信頼性がないとの西側諸国の主張によってかき消された、という。

モロッコの国連代表は、4月末のアラブ連盟外相会合での連盟の立場を会合で伝えたが、何ら具体的な措置を求めることはなく、「暴力停止、逮捕者釈放、政治的プロセスの開始」を強調しただけだった、という。

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スーザン・ライス米国連代表大使は、米国がアサド政権への圧力を強化し、退任に追い込むべく努力を続けていると述べ、「アナン特使の停戦案が実行されるための論理的結論とは体制転換が生じることである」と述べた。

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UNSMISのネーラジュ・シン報道官は、ダマスカスで記者団に対して、停戦監視活動に関して、ダマスカス郊外県への短距離の視察から開始し、その後ヒムス県などへの遠隔地への活動を拡大していく意向を示した。

シン報道官によると現在、監視団はヒムス県に9人、イドリブ県、ハマー県、ダルアー県で4人が活動している。

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国連の潘基文事務総長は、「包括的な政治対話のみがシリアの真に民主的な未来をもたらすことができる…。しかし選挙はこうした枠組みのなかで行われていない…。しかも民主的プロセスは暴力が続くなかで成功し得ない」と第10期人民議会選挙を否定するような発言を行った。

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AFP(5月8日付)は、イラン外務省報道官が第10期人民議会選挙を「シリア政府が行う改革の第2弾だ」としたうえで、「選挙への参加は、シリア人が平和的手段を通じた問題解決の必要を充分認識していることを示している」と高く評価した、と報じた。

また報道官は、「一部の反体制勢力が選挙に参加しなかったこと」に遺憾の意を示すとともに、「これらのグループは改革実施を可能とするような方法を遵守すべきだ」と非難した。

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マーク・トナー米国務省副報道官は、第10期人民議会選挙に関して、「国民の基本的人権が拒否され、政府が国民を攻撃しているなかで信頼に値する選挙を行うことは不可能だ…。このような状況下で国会選挙を行うことはほとんどばかげている」と述べた。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長付報道官のマイケル・マン氏は、第10期人民議会選挙に関して、「シリア情勢は国際的な希望とは逆の動きをしている…。選挙は危機の解決に資さないだろう…。この選挙は国連監視団がいるにも関わらず暴力が続く状況下で行われた」と述べた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、イタリア首相との会談後の記者会見で、「我々には1,000、2,000ないしは3,000人の監視団が必要だ」と述べつつ、「アサド政権へのあらゆる希望を失っている」と落胆の意を示し、アナン特使の和平案の成功を暗に悲観視した。

トルコの作家、イスメト・オズチェリク氏は『アイドゥンルク』(5月8日付)で、エルドアン首相率いるAKPが、テロリストに自国の領土をシリアでのテロ活動の前線として利用させていると非難、シリア国民に対するテロの共犯者だと断じた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は訪問先の中国で、「シリアでの軍事行動はがエスカレートし、国が内戦に陥るかもしれない。こうしたことは誰も見たくない…。シリア人がこのような事態に直面するような存在だとは思わない」と述べた。

また中国に対しては、「中国は誰かが圧力をかけられるような国ではない…。アラブ連盟は敢えてそのようなことはしない」と述べ、アナン特使の停戦案を引き続き支持するよう呼びかけた。

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国際移民機構(IOM)報道官は、イラク北部のシリア人避難民の数が急増していると発表した。

同報道官によると、イラクのドホーク県にあるドゥーミーズ避難民キャンプにはシリア人世帯約98世帯が避難してきたという。同キャンプには2,835人のシリア人非難民がおり、イラク北部に避難してきたシリア人総数は4,200人程度になるという。

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赤十字国際委員会のジャコブ・ケレンベルガー総裁はシリア情勢に関して、「一部の地域での戦闘はきわめて激しく、アサド大統領に対する蜂起は「内戦」と評さざるを得ない状況に陥っていることさえある」、と述べた。

AFP, May 8, 2012、Akhbar al-Sharq, May 8, 2012、AKI, May 8, 2012、al-Hayat, May 9, 2012, May 10, 2012、Kull-na Shuraka’, May 8, 2012, May 11, 2012、Naharnet.com,
May 8, 2012、Reuters, May 8, 2012、SANA, May 8, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「多くの有権者」によるゼネストのなか各地で第10期人民議会選挙の投票が実施、ムアッリム外相がムードUNSMIS司令官と会談(2012年5月7日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

第10期人民議会選挙の投票が各地で実施され、シリアの主要メディアは投票の様子を大々的に報道する一方、西側諸国などのメディアは反体制勢力の呼びかけのもと多くの有権者がゼネストを行い、投票をボイコットしたと報じた。

al-Hayat, May 8, 2012
al-Hayat, May 8, 2012

バアス党および同党が主導する進歩国民戦線加盟政党、2011年に制定された政党法のもとで認可された新党が立候補者を擁立し、選挙戦を戦った。

また各地のビジネスマン、実業家らも無所属候補として出馬する一方、反体制組織のほとんどは選挙をボイコットした。

なお選挙に参加した新党は、変革解放国民戦線加盟政党(人民意思党(カドリー・ジャミール党首)、シリア民族社会党インティファーダ派(アリー・ハイダル党首)、シリア・クルド人国民イニシアチブ(ウマル・ウースー代表)、国民青年公正成長党(バルウィーン・イブラーヒーム書記長)、アラブ民主団結党(マーヒル・フライフ書記長)、シリア民主党(アフマド・クーサー書記長)、民主前衛党(ヌーファル・ヌーファル書記長)。

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ハマー県では、AFP(5月7日付)が活動家の話として伝えたところによると、ハマー市のほとんどの店舗がゼネストにより閉められ、人通りはほとんどなく、街には犠牲者の写真や「殉教者こそが立候補者」などと掲げられた横断幕が掲げられた。

また複数の活動家は、選挙によって選ばれる人民議会を「操り人形の議会」と非難した。

しかし、タイバト・イマーム市などでは、治安当局が市民に強制的に店を開けさせた、という。

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イドリブ県では、ヌールッディーン・アブドゥーを名のる活動家によると、「イドリブ市とその郊外では、選挙が行われていることを示すものはまったく見当たらない…。政府はこの茶番じみた選挙を組織することで、自ら存続していると幻想を自ら抱こうとしている。しかし戦車という鉄拳を振るうことなくして都市や村を支配することはできない」と語った(AFP(5月7日付)。

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スワイダー県では、地元調整諸委員会によると、スワイダー市の技師組合内で多数の市民が治安対策による事態収拾拒否、選挙反対、アレッポ大学学生との連帯を求めて座り込みを行った。

参加者のほとんどはドゥルーズ派宗徒だった。

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ダマスカス県では、複数の反体制活動家によると、カダム区、アサーラ地区、カーブーン区、バルザ区が、軍・治安部隊の展開によって機能不全に陥った。

ファーディーを名のる市民はAFP(5月7日付)に対して、選挙への参加は「意味がない」、なぜなら投票が「現状を追認することにつながるからだ」と述べた。

また県内の投票所近くで、ある男性はロイター通信(5月7日付)に対して、「これ(選挙)は茶番劇だ。立候補者はビジネスマンと政権内有力者の操り人形だ」と非難した。

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シリア人権監視団によると、イドリブ県、ダルアー県、ハマー県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県の各所で選挙実施に抗議するゼネストが断行された。

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一方、SANA(5月7日付)は、投票を済ませた政府首脳らの声を報じた。

ムハンマド・シャッアール内務大臣は「選挙は正常なかたちで実施され、投票所は…選挙の雰囲気で起こりがちないくつかの出来事を除いて何らの問題も起きていない」と述べた。

バアス党シリア地域指導部のムハンマド・サイード・バヒーターン副書記長は「選挙はシリアの現在と未来にわたるこの重要な段階におけるもっとも重要な憲政上の成果であり、これによりバッシャール・アサド大統領が一連の法律や新憲法の制定を通じて指導する改革路線が確固たるものになる」と述べた。

マフムード・アブラシュ前人民議会議長は「選挙はアサド大統領が指導する包括的改革プロセス継続を望むシリア国民の意思を表している」と述べた。

アーディル・サファル首相は「選挙を通じて政治、経済、社会といった分野で包括的な改革プログラムが推し進められた」と述べた。

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シリア国外では、シリア国民評議会が声明を出し、市民に対して選挙のボイコットを呼びかけていた。

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『ハヤート』(5月8日付)によると、投票所の近くには立候補者の支援者らが、自身の支援する立候補者の氏名が記載されたリストを配付し、投票に訪れる有権者に配付していた、という。

しかし、ダマスカス県内で取材が許可されたある投票所では、投票開始から3時間で137人が投票したと発表されたが、取材が行われた40分で投票所に現れた有権者はたったの3人だった、という。

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『クッルナー・シュラカー』(5月7日付)は、ダマスカス選挙区の投票所前で配付されていた「国民同盟ファイハー・シャーム・リスト」に「国民統一リスト」の立候補者(バアス党、進歩国民戦線の立候補者)と解放変革国民戦線のカドリー・ジャミール代表や無所属の有力ビジネスマンの名前が並記されていると報じた。

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Kull-na Shurakā’, May 7, 2012
Kull-na Shuraka’, May 7, 2012

『クッルナー・シュラカー』(5月7日付)はフェイスブックなどからの情報として、バアス党が、タルトゥース県選挙区から出馬辞退をしなかった国民統一リストに記載されていない党員への投票を行わないよう、党員らに通達したと報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(5月7日付)は、ハサカ県での選挙戦に関する詳細な報告を行った。

それによると、同県の選挙区(定数14、うちA部門8、B部門6)では約560人が立候補し、うち約290人が投票日までに選挙戦から撤退、約270人が最後まで選挙活動を続けた。

この約270人の多くは、部族の代表者、現政権の関係者、進歩国民戦線加盟政党の現役党員や元党員、政党法のもとで認可された新党党員など。

新党のなかでは国民成長党の党員がもっとも活発な選挙活動を行った、という。

バアス党は投票に先立って「国民統一リスト」を作成したが、多くの党員は、このリストではなく「人民と祖国への忠誠リスト」の名で別のリストを作成し、投票を行った。

「人民と祖国への忠誠リスト」は、バアス党がいわゆる「陰のリスト」で、バルウィーン・イブラーヒーム(国民青年公正成長党書記長)、サミール・バーシャー氏、シャイムムース・アリー氏という3人のクルド人の無所属立候補者と、アッシリア教徒の無所属立候補者を暗に支持していることをめぐる党内の意見対立の結果として作成されたもので、多くの党員はアラーッディーン・ラズィークー氏(シャッラービーン部族)、ムハンマド・フルウ(アドワーン部族)、アブドゥッラッザーク・イーサー前議員、ハムーダ・サッバーグ氏などに投票することが予想されている。

しかしこうした党内での「自由」な投票行動とは裏腹に、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、ダイリーク市、カーミシュリー市、ラアス・アイン市などでは多くの市民が投票をボイコットした、という。

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『クッルナー・シュラカー』(5月8日付)は、ハサカ県での投票状況に関して、ハサカ市、カーミシュリー市では、キリスト教徒が多数住む一部の地区を除いて、ほとんどの住民は投票を行わなかった、と報じた。

アサド政権の動き

SANA(5月7日付)は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がUNSMISのロバート・ムード司令官と会談し、監視団の活動を歓迎するとともに、客観性とプロフェッショナリズムが重要だと述べたと報じた。

国内の暴力

ロイター通信(5月7日付)は、UNSMIS(シリア停戦監視団)が対レバノン国境地域で住民と面談し、政府による人権侵害、反体制勢力の武装、「五つ星のホテルで暮らし、国内の市民に犠牲にしている」在外反体制活動家に不満を訴える市民の意見を聴取した、と報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市郊外で治安部隊の要撃によって若者3人が殺害された。

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ダマスカス郊外県では、複数の反体制活動家によると、ドゥマイル市、ダーライヤー市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

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『クッルナー・シュラカー』(5月7日付)は、ダマスカス県ドゥンマル区のクルド人が居住するマシャーリーウ地区とルッズ地区で発生した反体制デモを治安部隊とシャッビーハが武力弾圧したことを受け、クルド民族主義政党の使節団が「アラウィー派有力者」と会見し、今後武力弾圧を行わないよう要請したと報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(5月7日付)は、アサド大統領のいとこのアーティフ・ナジーブ准将がラタキア県ジャブラ市で暗殺されたとの情報を入手したと報じた。

反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は、「この選挙は形式的なものに過ぎず、シリアのパワー・バランスを変えるものではない…。人民議会はムハーバラートを一つも掌握していない。それゆえ国内において何の権力も持っていない」と述べた。

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クウェート通信(KUNA、5月7日付)は、地元調整諸委員会が、2011年3月11日以降、シリア政府が子供1,122人を殺害したとの報告書を発表した、と報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は米ワシントンにあるアトランティック・カウンシルで「我々は甚大な被害を伴う真の内戦に突入するのを回避するため、時間との戦いを行っている」と述べ、アサド政権の弾圧を改めて一方的に非難、暴力停止を求めた。

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クウェート紙『スィヤーサ』(5月7日付)は、イラクの法治国家連立の信頼できる消息筋の話として、ヌーリー・マーリキー首相のもとで国家安全保障顧問を務め、シリア・ファイルを担当するファーリフ・ファイヤード氏が首相に対して、アサド政権内で軍事クーデタが(ロシアなどの手引きによって)発生する可能性があると報告、自由シリア軍やシリア・ムスリム同胞団などシリアの反体制勢力とのチャンネルを確保すべきだと進言したと報じた。

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フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は、シリアの人民議会選挙に関して「悪質な茶番」と一蹴した。

AFP, May 7, 2012、Akhbar al-Sharq, May 7, 2012、al-Hayat, May 8, 2012、Kull-na Shuraka’, May 7, 2012, May 8, 2012、KUNA, May 7, 2012、Naharnet.com,
May 7, 2012、Reuters, May 7, 2012、SANA, May 7, 2012、al-Siyasa, May 7, 2012などをもとに作成。

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アサド大統領が殉教者記念日に合わせてカシオン山の殉教者廟を訪問、また民主的変革諸勢力国民調整委員会の使節団がイスタンブールを訪問しトルコ高官らと議論(2012年5月6日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

SANA(5月6日付)は、ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣が声明を出し、第10期人民議会における投票の安全と透明性を保障するために必要なすべての措置を講じたと発表した、と報じた。

SANA, May 6, 2012
SANA, May 6, 2012

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シリアのアドナーン・マフムード情報大臣は、「シリア国民はこの選挙への参加を通じて、諸外国がシリアに対して行うテロ攻撃や敵対行為に抵抗する…。この選挙はシリア国民が信任した新憲法のもと…、政治的多元主義と政党制のもとでの初の選挙である」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、タッル市では、治安部隊の発砲で市民1人が死亡した。

UNSMISの使節団がザバダーニー市を訪問、市民の歓迎を受ける一方、同市では夜間に反体制デモが発生した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ザバダイン地方にある民間旅客バス会社(ハサン・ハリール社)の駐車場を武装テロ集団が攻撃し、32台のバスが炎上した。

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ダマスカス県では、アブー・ムハンナド・マッズィーを名のる活動家によると、マッザ区で治安部隊が発砲した。

シリア・アラブ人権機構など人権団体6団体が共同声明を出し、民主的変革諸勢力国民調整委員会のメンバー3人がダマスカス県庁前で抗議行動を行った後に逮捕されたと発表した。

逮捕されたのは、マイス・クライディー女史、アフマド・アスラーウィー氏、イブラーヒーム・バッシュ氏。

またシリア人権監視団によると、ダッフ・シューク地区で未明、爆弾が爆発し、複数が死傷した。

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SANA, May 6, 2012
SANA, May 6, 2012

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッルカラフ市に近いアリーダ村やラスタン市を軍・治安部隊が砲撃し、複数名が負傷、家屋が破壊された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊と離反兵が交戦、クーリーヤ市では軍・治安部隊による大規模逮捕・摘発が行われた。

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ハマー県では、ハマー市でのデモの映像などがインターネットを通じて配信された。

またハマー革命報道局なる組織によると、フワイズ市、カフルヌブーダ町、ヒヤーリーン町、カフル・トゥーン市などで、軍・治安部隊が砲撃、逮捕・摘発を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジャルジャナーズ町、カンスフラ村、カフル・ウワイド市、ジスル・シュグール市周辺の村などで、反体制デモが発生した。

アサド政権の動き

SANA(5月6日付)は、アサド大統領が殉教者記念日(6日)に合わせて、ダマスカス県カシオン山の殉教者廟を訪問したと報じた。

SANA, May 6, 2012
SANA, May 6, 2012

反体制勢力の動き

国内で反体制活動を行う活動家は、シリア暫定議会(国会)の発足を宣言したと『クッルナー・シュラカー』(5月6日付)が報じた。

同議会は、1943年の国会に準じるかたちで各県を代表する120人の議員からなり、国内で活動する調整(タンスィーク)、政治組織、大衆組織を通じて立候補、在外の活動家は含まれていない、という。

5月6日に招集されたとされる議会においては主に以下の事柄が承認された。

1. 現行憲法の廃止と1950年憲法の復活。
2. 大統領および首相の権限の一時停止とシリア暫定議会による暫定統治。
3. バアス党解体。
4. シリア国内の士官からなる参謀指導部の設立と同指導部による国防。
5. 外交政策委員会、法務委員会などの執行機関の設置(なお両機関は在外活動家7:国内の活動家3の割合で構成)。

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地元調整諸委員会は、5日にダマスカスとアレッポで発生した爆弾テロに関して「革命活動家に何らの利するところがない」と述べ、アサド政権の自作自演を疑った。

また地元調整諸委員会のウマル・イドリビー報道官(在外)は、AFP(5月6日付)に対して、「発砲下での選挙実施は、政府が危機の政治的解決に真剣でないことを示している」と非難した。

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、Kull-na Shurakā’, May 6, 2012
、Kull-na Shuraka’, May 6, 2012

シリア国民評議会のバスマ・カドマーン報道官はUPI(5月6日付)に対して、「我々は(人民議会)選挙がまったく信用を欠いていると考える。この選挙は政府が住民を殺戮するなかで実施されている。民主化プロセスへの侮辱だ」と述べた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア氏はUPI(5月6日付)に対して、「我々はこの選挙に反対だ。なぜなら自由選挙の要件がまったくないからだ」と述べた。

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『クッルナー・シュラカー』(5月7日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会の使節団がトルコのイスタンブールを訪問し、トルコ外務副大臣、在ダマスカス・トルコ大使らトルコ政府高官と会談したと報じた。

同報道によると、この会談で、両者はPKK系のクルド民族主義政党である民主統一党の国民調整委員会への参加の是非、シリア国民評議会への国民調整委員会の合流の是非、トルコのシリア国民評議会への対応、西側の経済制裁の影響などについて意見が交わされた。

調整委員会はこの会談で、民主統一党の参加を認めるべきでないとする一方で、シリア国民評議会への合流を求めるトルコ側に対して消極的な回答を行った、という。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、キリスのシリア人避難民キャンプを訪問し、避難民数百人を前に、「あなたたちの力は日に日に増している…。あなたたちの勝利は遠くない」と常軌を逸した発言をした。

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米国家安全保障局のデニス・マクドノー副補佐官は、ワシントン近東政策研究所で、シリアへの軍事的介入が「アサドの退任を早めることはないだろう」との見方を示した。

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サウジアラビア外務省は、シリアに滞在するサウジアラビア人に改めて避難勧告を行った。

AFP, May 6, 2012、Akhbar al-Sharq, May 6, 2012、al-Hayat, May 7, 2012、Kull-na Shuraka’, May 6, 2012, May 7, 2012、Reuters, May 6, 2012、SANA, May 6, 2012、UPI, May 6, 2012などをもとに作成。

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ダマスカス県とアレッポ市で自由シリア軍が犯行を主張する爆弾テロが発生(2012年5月5日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

反体制活動家のスライマーン・ユースフ氏は、AKI(5月5日付)に対して、アッシリア教徒とクルド人の反体制活動家は第10期人民議会選挙をボイコットするだろう、と述べた。

SANA, May 5, 2012
SANA, May 5, 2012

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国内の暴力

ダマスカス県とアレッポ市で爆弾テロが発生、アレッポでのテロに関して自由シリア軍のメンバーが犯行を認めた。

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ダマスカス県では走行中の軍用バスを標的とした爆弾テロが発生する一方、サウラ通りの車に仕掛けられた爆弾が爆発し、兵士3人が負傷した。

この事件に関して、イマードを名のる反体制活動家は、「我々は外国の記者にダマスカスが沈黙している訳ではないことを明らかにしたい」と述べた。

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SANA, May 5, 2012
SANA, May 5, 2012

アレッポ市での爆破テロは、タッル・ザラーズィール地区の洗車スタンドを標的としたもので、自由シリア軍が同スタンドの店主がある女性を夫の目前で強姦したことへの制裁として行ったとロイター通信(5月5日付)に発表し、犯行を認めた。

シリア人権監視団によると、この爆発で少なくとも5人が死亡した。

一方、SANA(5月5日付)によると、このテロで子供1人を含む3人が死亡し、21人が負傷した。

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その他、ダマスカス県では、反体制活動家らによると、カフルスーサ区、タダームン区で4日のデモの犠牲者の葬儀が行われ、参列した「数千人」が反体制デモを行った。

また、バルザ区、カーブーン区で軍・治安部隊が大規模な逮捕・摘発活動を展開、またサブア・バフラート地区で厳戒態勢が強化された。

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アレッポ県では、SANA(5月5日付)によると、軍医のイスマーイール・スライマーン大佐がアレッポ市で武装テロ集団に暗殺された。

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ダイル・ザウル県では、反体制活動家らによると、アレッポ大学学生寮でのデモ弾圧に抗議して、ダイル・ザウル市の学生がデモを行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ミスヤーフ市でサアド・ムスタファー・ハッシュ弁護士が治安当局に逮捕された。

またラスタン市では、軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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イドリブ県では、SANA(5月5日付)によると、対シリア国境地帯で、トルコ領から密入国を試みた武装テロ集団と国境警備隊が交戦し、国境警備隊1人とテロリスト多数が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、同県でバアス党の地元幹部が「武装した何者か」に殺害された。

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スワイダー県では、『クッルナー・シュラカー』(5月5日付)によると、スワイダー市で反体制デモが発生した。

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自由シリア軍は声明を出し、マーヒル・アサド大佐に近いアドナーン・ザイダーン・ディーブ空挺准将(第4師団)を暗殺した、と発表した。

アサド政権の動き

『クッルナー・シュラカー』(5月5日付)は、シリアの主要なメディアが武装テロ集団のリーダーの一人と報じていたガッサーン・サルワーヤ容疑者(通称アブー・ナズィール)が、アサド政権に近いビジネスマンのアイマン・ジャービル氏に買収されていた、と報じた。

Kull-na Shurakā’, May 5, 2012
Kull-na Shuraka’, May 5, 2012

複数の匿名筋によると、サルワーヤ氏が精神病であり、ジャービル氏によって武器や資金を与えられ、破壊工作を行っていたとの証言を行った、という。

反体制勢力の動き

第147空挺連帯のガーズィー・ジャービル・アッブード准将が離反を宣言した。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、アサド政権がUNSMIS隊員の国籍を制限していることを批判し、こうした制約のもとではUNSMISが本来の任務を遂行し得ないと主張した。

その他の国内での動き

SANA(5月5日付)によると、ダマスカス県サブウ・バフラート広場に多くの市民が集まり、アサド政権による改革路線支持、シリアに対する陰謀への抵抗を訴えた。

SANA, May 5, 2012
SANA, May 5, 2012

レバノンの動き

レバノン・シリア最高議会のナスリー・フーリー議長はアドナーン・マンスール外務大臣と会談し、レバノンからの武器密輸問題に対するナジーブ・ミーカーティー内閣の対応に関して「私はシリアがレバノンの内閣のパフォーマンスを不快に感じているとは思わない」と述べた。

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UNHCRは、シリアからレバノンへの避難民の数が24,000人に達したと発表した。

AFP, May 5, 2012、Akhbar al-Sharq, May 5, 2012、AKI, May 5, 2012、al-Hayat, May 6, 2012、Kull-na Shuraka’, May 5, 2012、Naharnet.com, May 6, 2012、Reuters, May 5, 2012、SANA, May 5, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各県で第10期人民議会選挙に向けた政治運動が活発化するなか、アナン特使付報道官が「シリア国内で停戦合意が尊重されているわずかな兆候」を指摘(2012年5月4日)

al-Hayat, May 5, 2012
al-Hayat, May 5, 2012

第10期人民議会選挙をめぐる動き

『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)は、アサド大統領が第10期人民議会選挙で無所属議員が争う議席数を65議席(全体の25%)に減らすよう指示を出したと報じた。

同報道によると、第9期以前の人民議会選挙では約84議席(全体の33%)が無所属議員のために確保されていた。

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ダマスカス選挙区から立候補している実業家のワーイル・ガブラ氏、アディーブ・アシュカル氏、技師のアクラム・アジュラーニー氏、ウマル・ウースィー氏の4人が「シャーム・リスト」の結成を宣言した。

またリスト結成に合わせて、4人は、司法の独立、人民議会による監視・処罰機能の強化、社会的公正などの実現などを掲げた選挙綱領を発表した。

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

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労働者総連合のシャアバーン・アズーズ総裁が、ダマスカス県選挙区からの立候補辞退を発表した。

『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)が報じた。

出馬辞退の理由は「個人的な理由」によるという。

労働総同盟はバアス党政権を支える人民諸組織の一つで、その総裁は常に人民議会議員に選出されていた。

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

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『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)によると、人民議会前議員でビジネスマンのバハーッディーン・ハサン氏は、ダマスカス県選挙区からの立候補の辞退を発表した。

ハサン氏は2007年の第9期人民議会では他の無所属のビジネスマンとファイハー・リストを結成しB部門で当選したが、今期は他の無所属候補とのリスト結成に失敗した。

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人民議会前議員でアレッポ市選挙区から立候補していたアブドゥルカリーム・サイイド氏が声明を出し、アレッポ大学学生寮での学生デモ弾圧に抗議して、立候補をとり止めると発表した。

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『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)はフェイスブックの情報として、ダルアー県選挙区から立候補している反体制活動家のアーイシャ・アブドゥッラフマーン女史が暗殺された、と報じた。

 

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

 

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

 

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

 

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

 

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

 

Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012
Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

 

国内の暴力

反体制活動家らによると、アレッポ大学学生寮でのデモ弾圧に抗議するかたちで、アレッポ県、ヒムス県、ハマー県、ダルアー県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県などで「数千人」(『ハヤート』5月5日付)が反体制デモを行った。

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アレッポ県では、活動家らによると、アレッポ市サラーフッディーン地区などで金曜礼拝後に反体制デモが発生し、治安部隊が強制排除した。

またシリア人権監視団によると、アレッポ市スッカリー地区で治安部隊の発砲により家族3人が、またサラーフッディーン地区で女性1人が死亡した。

一方、SANA(5月4日付)によると、アレッポ市旧市街で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士1人が死亡した。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、活動家らによると、カフルスーサ区、マイダーン地区、アサーリー地区、ジャウバル区、ハジャル・アスワド市、バイト・サフム市、アルバイン市などで金曜礼拝後にデモが発生し、治安部隊の介入により5人が死亡した。

シリア人権監視団によると、ムライハ市で治安部隊の発砲により1人が、タダームン区での反体制デモに治安部隊が介入し、市民1人が死亡した、という。

一方、RT(5月4日付)によると、ティジャーラ地区でロシア人技術者が居住するビルが武装集団の襲撃を受け、警備に当たっていた治安維持部隊兵士1人が負傷した。

治安維持部隊は武装集団の2人を逮捕した。

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Kull-na Shurakā’, May 4, 2012
Kull-na Shuraka’, May 4, 2012

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で治安部隊の発砲などにより3人が死亡した。

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ハマー県では、ハマー市、カルアト・マディーク町などで反体制デモが発生した。

またシリア人権監視団によると、ハマー市内の検問所で治安部隊の発砲により3人が殺害された。

またムーリク市では軍・治安部隊と離反兵の交戦で前者の兵士1人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムーハサン市で治安部隊の発砲により1人が死亡した。

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イドリブ県では、カフルルーマー村、ハーッス村、マアッラト・ハルマ村、ビンニシュ市などで反体制デモが発生した。

またシリア人権監視団によると、ザーウィヤ山で治安部隊に逮捕されていた市民3人の遺体が発見された。

一方、SANA(5月4日付)によると、マアッラト・ニウマーン市で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、下士官1人が殺害された。また治安維持部隊の応戦により、テロリスト1人が死亡した。

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ダルアー県では、インヒル市などで反体制デモが発生した。

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シリア革命調整諸連合など反体制活動家らはフェイスブックなどを通じて「我々の誠意が我々の救済である」金曜日と銘打って反体制デモを呼びかけていた。

アサド政権の動き

アーディル・サファル首相は、食品産業機構の総裁にブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官の夫ハリール・ジャワード氏を任命した。

『クッルナー・シュラカー』(5月4日付)が報じた。

反体制勢力の動き

反体制活動家で社会学者のタイイブ・ティーズィーニー氏はモスクワ通信(アンバー・モースコー、5月4日付)に対して、「賢者の評議会」を発足し、今後の政情に対応することを検討していると語った。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は大統領宮殿で記者団に対して、「レバノンはシリアへの武器密輸の基地とはならない」と述べた。

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レバノン海上で拿捕された密輸船ルトフッラー2号に関する事件で、軍事裁判所のサクル・サクル判事は21人を起訴した。

NNA(5月4日付)が伝えた。

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『アフバール』(5月4日付)は、レバノン領内のパレスチナ難民キャンプで爆弾製造の句連を受けた専門家5人が、数ヶ月前にシリア領内に潜入していた、と報じた。

また密輸船ルトフッラー2に関して、イスラーム主義者の武器密輸人の証言として、ヒムスの反体制勢力に供与される武器だったと報じた。

諸外国の動き

アナン特使付報道官のアフマド・ファウズィー氏はジュネーブで記者団に対して、シリア国内で停戦合意が尊重されている「わずかな兆候」を見出すことができると述べた。

ファウズィー特使は、「一部の重火器は(都市部から)撤収されたが、一部は残っている。暴力行為は減退したが、依然として続いている…。満足がいくとは言えないが…、停戦遵守へのわずかな兆候はある」と述べた。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、訪問先の北京で、シリア政府がアナンの停戦案を履行しない場合、国際社会は新たな決議を採択せねばらなない、と述べた。

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サウジアラビアのアリー・アウダ・アスィーリー在レバノン大使は『ナハール』(2012年5月4日付)に対して、「カタールとサウジがシリアの反体制勢力に武器を供与している」とのシリアのアリー・アブドゥルカリーム在レバノン大使の発言を、「何の証拠もなくGCC諸国を非難している」と反論した。

AFP, May 4, 2012、al-Akhbar, May 4, 2012、Akhbar al-Sharq, May 4, 2012、al-Hayat, May 5, 2012、Kull-na Shuraka’, May 4, 2012、al-Nahār, May 4, 2012、Naharnet.com, May 4, 2012、NNA, May 4, 2012、Reuters, May 4,
2012、SANA, May 4, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ大学で未明から早朝にかけて学生1,500人以上が反体制デモを実施し治安部隊が介入する一方、ムードUNSMIS司令官はすべての当事者に対する停戦履行を改めて呼びかけ(2012年5月3日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

『ダマス・ポスト』(5月2日付)は、国民成長党が国民統一リスト(進歩国民戦線の選挙リスト)の発表を受けて、第10期人民議会選挙への参加をとり止めたと報じた。

国民成長党は政党法によって公認された野党の一つで、同党に先だって、民主前衛党、団結党、アンサール党が参加をとり止めている。

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SANA(5月3日付)は、5月7日投票予定の第10期人民議会選挙の投票に向けた準備が各地で完了したと報じた。

各選挙の選挙委員会が発表したところによると、各地の投票所数、有権者数、立候補者数はそれぞれ以下の通り。

ダマスカス県:投票所数791カ所、有権者数1,098,635人、立候補者数900人以上(ダマスカス郊外県と合わせた数値)
ダマスカス郊外県:投票所数641カ所、有権者数1,143,979人
タルトゥース県:投票所数171カ所、有権者数670,113人、立候補者数380人
ラタキア県:投票所数817カ所、有権者数863,180人、立候補者数665人
イドリブ県:投票所数103カ所、有権者数1,148,384人、立候補者数171人
クナイトラ県:投票所数175カ所(同県からの難民が居住するダマスカス県、ダマスカス郊外県、ダルアー県、クナイトラ市に設置)、有権者数302,790人、立候補者数170人
ハマー県:投票所数カ1,000所、有権者数1,280,051人、立候補者数482人
アレッポ市:投票所数455カ所、有権者数1,200,698人、立候補者数1,322人
アレッポ県諸地域:投票所数955カ所、有権者数2,232,867人、立候補者数人
ラッカ県:投票所数510カ所、有権者数565,428人、立候補者数317人
スワイダー県:投票所数309カ所、有権者数339,662人、立候補者数発表せず
ダイル・ザウル県:投票所数656カ所、有権者数973,209人、立候補者数167人
ダルアー県:投票所数カ223所、有権者数633,507人、立候補者数126人
ハサカ県:投票所数759カ所、有権者数1,004,585人、立候補者数367人
ヒムス県:投票所数627カ所、有権者数1,331,556人、立候補者数490人

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国内で反体制活動を行う民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、AKI(5月3日付)に対して、現政権が退陣しない限り、いかなる選挙も承認しない、と述べ、同委員会が第10期人民議会選挙をボイコットすることを改めて明らかにした。

国内の暴力

アレッポ県では、アレッポ大学の大学寮で未明から早朝にかけて学生1,500人以上が反体制デモを行い、治安部隊が介入、学生4人が死亡、少なくとも30人が負傷、数百人が逮捕された。

Ugarit News Network, May 3, 2012
Ugarit News Network, May 3, 2012

『ハヤート』(5月4日付)によると、このデモは未明に始まり、アサド政権を支持する学生が反体制派の学生らをナイフなどで襲撃、その後治安部隊(シリア革命総合委員会によると、投入された治安部隊の数は300人以上)が投入されたという。

反体制デモを行った学生の多くはイドリブ県出身者で、事態収拾のために投入された治安部隊は、寮内の部屋に突入、学生らに催涙弾や実弾を発砲、一部の部屋を焼き討った、という。

弾圧は午前まで続いた。

地元調整諸委員会によると、アレッポ市、ダルアー県、ダイル・ザウル県などでアレッポ大学との連帯を呼びかけるデモが発生、反体制活動家や目撃者らによると、アレッポ市のアレッポ大学キャンパス、同市内各所、ダルアー市のダルアー大学で反体制デモが行われた。

またアレッポ大学では授業が中止となった。

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ダマスカス県では、SANA(5月3日付)によると、マサーキン・バルザ地区でティシュリーン軍事病院に勤務する士官1人が武装テロ集団の襲撃に遭い、殺害された。

またダッフ・シューク地区では、地元調整諸委員会によると、軍・治安部隊による逮捕・摘発活動が行われた。

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ダマスカス郊外県では、シリア革命総合委員会によると、ザマルカー町で激しい爆発があった。

またハラスター市、ドゥーマー市では、地元調整諸委員会によると、軍・治安部隊による逮捕・摘発活動が行われた。

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ハマー県では、反体制活動家らによると、ハマー市のマシャーウ・アルバイーン地区で軍・治安部隊による掃討作戦が行われた。

一方、SANA(5月3日付)によると、サラミーヤ・ヒムス街道で武装テロ集団が観光用の自動車を襲撃し、市民1人を殺害した。

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Kull-na Shurakā’, May 3, 2012
Kull-na Shuraka’, May 3, 2012

ヒムス県では、ラスタン市郊外、カルアト・ヒスン市、ザーラ村などに対して軍・治安部隊が砲撃を加えた。

シリア人権監視団によると、フーラ村で離反兵1人とその父親が治安部隊に射殺され、クサイル市では軍・治安部隊兵士1人が殺害された。

このほかタドムル市でタドムル市で兵士6人が離反、軍・治安部隊と交戦した。

『ハヤート』(5月4日付)は反体制勢力HPの情報として、ヒムスで暗殺されたイスマーイール・アリー・ハイダル氏と友人のファーディー・アターウィナ氏が治安部隊に要撃・暗殺されたと報じた。

同報道によると、シリア民族社会党インティファーダ派のアリー・ハイダル党首の息子であるイスマーイール氏は、これまでに反体制デモなどに参加していた、という。

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イドリブ県では、ザーウィヤ山で軍・治安部隊による掃討作戦が続いた。

シリア人権監視団によると、サラーリーフ村で女性1人が治安部隊に射殺された。またイフスィム村で学生らが反体制デモを断行したという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ムーハサン市に軍・治安部隊が突入した。

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AFP(5月3日付)によると、反体制活動家のファーイズ・サーラ氏の息子2人、バッサーム氏(37歳)とウィサーム氏(26歳)が治安当局に逮捕された。

アサド政権の動き

SANA(5月3日付)は、シリアのアドナーン・マフムード情報大臣がイタリア在住のシリア人およびイタリアのメディア関係者からなる使節団と会談、そのなかでアナン特使の停戦案発効後の武装テロ集団による停戦違反が1930回以上にのぼる、と述べたと報じた。

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シリアのアリー・アブドゥルカリーム在レバノン大使はアドナーン・マンスール外務大臣と会談し、密輸船ルトフッラー2の拿捕・摘発に関して、カタールとサウジがシリアの反体制勢力に武器を供与していると非難した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、シリア国内の学生に対して、アレッポ大学の学生と連帯するためのストライキを行うよう呼びかけた。

諸外国の動き

SANA(5月3日付)は、ロバート・ムードUNSMIS司令官が、滞在先のラタキアから「シリアが暴力から平和に移行し、激しい暗殺作戦を回避するために誰でも協力できる」と述べ、すべての当事者に停戦履行を呼びかけた、と報じた。

AFP, May 3, 2012、Akhbar al-Sharq, May 3, 2012、AKI, May 3, 2012、Damas Post, May 2, 2012、al-Hayat, May 4, 2012、Kull-na Shuraka’, May 3, 2012、Naharnet.com, May 3, 2012、Reuters,
May 3, 2012、SANA, May 3, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

第10期人民議会選挙の国内投票所12,152カ所の設置が完了、国内で活動する野党の代表者らが「平和的変革諸勢力連立」の結成を発表(2012年5月2日)

image2第10期人民議会選挙をめぐる動き

SANA(5月2日付)は、ハサン・ジャラーリー内務次官は声明を出し、5月7日投票予定の第10期人民議会選挙の投票所12,152カ所の設置など投票日の準備を完了したと発表したと報じた。

またジャラーリー内務次官によると、2012年5月6日時点で18歳以上の人口は14,788,644人に達する、という。

SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012

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『クッルナー・シュラカー』(5月2日付)は、第10期人民議会選挙においてダマスカス県選挙区から立候補(B部門)している無所属のビジネスマンのムハンマド・ハムシュー氏、サーミル・ダバス氏、アフマド・ナビール・クズバリー氏の3人が「ファイハー・リスト」を結成し、「祖国は高価であり…祖国は愛おしい」とのスローガンを掲げたと報じた。

このスローガンはハーフィズ・アサド前大統領の言葉だという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、対トルコ国境近くのラーイー村の街道で反体制武装集団が軍・治安部隊を要撃し、士官2人を含む15人を殺害した。

同市ではこれに先立ち、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、離反兵2人が死亡していた。

また複数の活動家によると、アレッポ市フィルドゥース地区、アアザミーヤ地区などで反体制デモが発生した、という。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、市民2人が殺害された。

また、カナーキル村では軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、軍・治安部隊兵士1人が殺害された。

さらに、ハラスター市では軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、軍・治安部隊兵士6人が殺害された。

SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012

このほか、ザバダーニー市、サクバー市、カフルバトナー町などで軍・治安部隊による反体制勢力の逮捕・摘発が行われた。

一方、インターネットなどでは、「ダマスカス青年変革連合」を名のるグループがダマスカス県ジャウバル区での自由シリア軍支持を訴えるデモの映像を配信した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ラジャート高原では軍・治安部隊の発砲で1人が死亡、ダーイル町などで軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月2日付)によると、ブスラー・シャーム市とムハッジャ村で治安維持部隊の曹長、軍曹が武装テロ集団に殺害された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市、ダフラ村で軍・治安部隊による反体制勢力の逮捕・摘発が行われた。

一方、SANA(5月2日付)によると、シュハイル市で治安維持部隊の曹長が武装テロ集団に殺害された。

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ヒムス県では、SANA(5月2日付)によると、シリア民族社会党インティファーダ派のアリー・ハイダル党首の息子イスマーイール・ハイダル氏と友人のファーディー・アターウィナ氏がヒムス・ミスヤーフ街道を自動車で移動中に、武装テロ集団によって襲撃、暗殺された。

SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012

シリア民族社会党インティファーダ派は人民意思党とともに変革解放人民戦線を主導し、第10期人民議会選挙に参加している。

一方、複数の活動家によると、軍・治安部隊がヒムス市(ハーリディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区)、カルアト・ヒスン市などで掃討作戦を行った。

またヒムス市ワアル地区、ラスタン市で反体制デモが発生したという。

アサド政権の動き

アサド大統領は政令第30号を発し、兵役法(2007年)第95~100、107条、軍事刑法(1950年)第100~101、146条の違反者らを対象とした恩赦を発令した。

この恩赦は2012年5月1日以前の犯罪に対して適用されるが、兵役を逃れ国内に逃亡している者に対しては90日以内の、国外に逃亡している者に対しては120日以外の出頭を条件としている。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者次官は、『デイリー・テレグラフ』(5月1日付)とのインタビューで、潘基文国連事務総長がシリアの反体制勢力寄りだと批判、また反体制勢力のほとんどが犯罪者、麻薬商人だと批判した。

野党の動き

SANA(5月2日付)によると、国内で活動する野党の代表者がダマスカスで記者会見を開き、平和的変革諸勢力連立の結成を発表した。

平和的変革諸勢力連立に参加したのは、人民意思党、シリア民族社会党インティファーダ派、シリアのための第三潮流、平和的変革の道潮流、マルクス民主連合、国民行動潮流、ダイル・ザウル人民運動委員会、クナイニス国民平和委員会、アームーダー国民平和委員会。

Kull-na Shurakā’, May 2, 2012
Kull-na Shurakā’, May 2, 2012

記者会見には平和的変革の道潮流のファーティフ・ジャームース代表、人民意思党のカドリー・ジャミール党首らが出席、すべての当事者の対話を通じた平和的変革、軍事的介入拒否などをめざす、との立場を表明した。

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しかしアームーダー国民平和委員会は、この記者会見の直後に声明を出し、連立への参加したとの情報を否定した。

反体制勢力の動き

国内で反体制活動を行うシリア共産主義行動党は、党の重鎮ファーティフ・ジャームース氏が、平和的変革の道潮流を設立するなど、アサド政権に協力的な言動を繰り返しているとして、除名処分としたと発表した。

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シリア国民評議会は声明を出し、アサド政権による逮捕、収監者の拷問・殺害を非難、国連安保理に対してこれらの行為を停止させるための決議採択を求めた。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー報道官は、アフバール・ムスタクバル・チャンネル(5月2日付)に対して、アナン特使の6項目和平案の完全履行と、アサド政権の崩壊が実現すれば反体制勢力は満足するだろう、と述べた。

その他の国内での動き

『クッルナー・シュラカー』(5月2日付)は、ダマスカス郊外県サブーラ町にあるカタール首長宮殿前で多数の若者がデモを行い、シリア国内のハマド・ブン・ハリーファ首長の財産を没収・国有化し、反体制運動による犠牲者の遺族への補償金として支給するよう訴えた。

SANA, May 2, 2012
SANA, May 2, 2012

諸外国の動き

ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を出し、4月のイドリブ県での軍・治安部隊による掃討作戦において、アサド政権が市民95人を殺害し、家屋数百棟を破壊するなどして、「戦争犯罪」を犯していたと非難した。

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マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長はカーネギー平和財団での後援で、「NATOはシリアに対する軍事的な計画を準備してない」と述べた。

AFP, May 2, 2012、Akhbar al-Sharq, May 2, 2012、The Daily Telegraph, May 2, 2012、al-Hayat, May 3, 2012、Kull-na Shuraka’, May 2, 2012, May 3, 2012、Naharnet.com,
May 2, 2012、Reuters, May 2, 2012、SANA, May 2, 2012、Syria Steps, May 2,
2012、UPI, May 2, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

第10期人民議会選挙にむけ各地で諸政党および立候補者らによる選挙活動が活発化、「シャームの民のヌスラ戦線」が先月24日に発生したダマスカス県内のテロの犯行声明を発表(2012年5月1日)

第10期人民議会選挙をめぐる動き

5月7日の投票日を1週間後に控え、シリア国内各地では第10期人民議会選挙の立候補者の選挙活動が活発化し、街頭には選挙ポスターが目立ち始めた。

SANA, May 1, 2012
SANA, May 1, 2012

ダマスカス郊外県では進歩国民戦線が「挙国一致」リストを発表、リストに参加できなかった進歩国民戦線加盟政党の立候補者が選挙活動から撤退した。

リストはバアス党員14人、バアス党以外の進歩国民戦線加盟政党党員2人、無所属3人からなる。

同県の複数の消息筋によると、立候補辞退を届け出た同県の立候補者数は2012年4月29日時点で約139人(うち130人が進歩国民戦線加盟政党の党員、1人が無所属)。全国では435人に達した、という。

立候補を辞退した無所属のムハンマド・アドナーン・ザクザク氏(ヤブルード市)は、『ワタン』(5月1日付)に対して、バアス党地域指導部が進歩国民戦線リストに無所属の立候補者を3人から5人以上に増やすとの誓約に違反したため、辞退したと述べた。

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SANA(5月1日付)は、シリア国民青年党のマーヒル・ムルヒジュ書記長が党の経済・社会的な目的に沿って第10期人民議会の選挙に参戦しているとしつつ、大政党がリストを作成し、また無所属の立候補者が政治資金を投入していることで、選挙戦は困難を伴っている、と述べたと報じた。

シリア国民青年党は政党法に基づき新たに認可された野党。

Kull-na Shurakā’, May 1, 2012
Kull-na Shuraka’, May 1, 2012

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民主前衛党と団結党は、各選挙区での進歩国民戦線リストの発表に抗議し、第10期人民議会選挙から撤退すると発表した。

両党は政党法に基づき新たに認可された野党。

選挙からの撤退に関して、団結党のイマード・ハティーブ書記長は、進歩国民戦線リストを通じた議席の「総取り」により、バアス党がすべての権力を保持し続ける政治状況に変化をもたらさないと非難した。

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ダルアー県では、国民統合リスト(進歩国民戦線の選挙リスト)に参加している立候補者のアブドゥルハミード・フスニー・ターハー氏がダルアー市で武装テロ集団に暗殺された。

また警官一人も巻き添えとなり死亡した。

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『クッルナー・シュラカー』(4月27日付、5月1日付)によると、ダマスカス県選挙区(定数29、うちA部門10、B部門19)における国民統一リストの立候補者は以下の通り。

A部門

アンマール・サーアーティー(ʻAmmār al-Sāʻātī、バアス党、シリア学生国民連合総裁)
ムハンマド・イッザト・アラビー・カーティビー(Muḥammad ʻIzzat ʻArabī Kātibī、不明)
マージダ・クタイト(Mājida Quṭayṭ、バアス党、女性連合総裁)
アーティフ・ズライク(ʻĀṭif al-Zurayq、バアス党、馬術連合総裁)
ジャマール・カーディリー(Jamāl Qādirī、不明)
ワファー・ハリーファ(Wafāʼ Khalīfa、不明)
ムナー・スッカル(Munā Sukkar、不明)

B部門

ムハンマド・ハリール・マシュハディーヤ(Muḥammad Khalīl Mashhadīya、バアス党、前ラタキア支部指導部書記長)
ムハンマド・ファールーク・アブー・シャーマート(Muḥammad Fārūq Abū al-Shāmāt、バアス党)
ナーディル・ブアイラー(Nādir Buʻayrā、バアス党)
ユースフ・アスアド(Yūsuf Asʻad、バアス党、医師組合前総裁)
ムハンマド・ジハード・ラッハーム(Muḥammad Jihād al-Laḥḥām、バアス党、弁護士組合ダマスカス支部長)
ファーイズ・サーイグ(Fāʼiz al-Ṣāʼigh、バアス党、地域指導部メディア局長、SANA前総裁)
ムハンマド・アーミル・カッバーニー(Muḥammad ʻĀmir al-Qabbānī、バアス党、中央支局書記長)
ハザール・ダクル(Hazār al-Daqr、バアス党)
アンマール・バクダーシュ(ʻAmmār Bakdāsh、シリア共産党バクダーシュ派)
フナイン・ニムル(Ḥunayn Nimr、シリア共産党ファイサル派)
ナジュムッディーン・シャムディーン(Najm al-Dīn Shamdīn、不明)
ハーリド・アッブード(Khālid al-ʻAbbūd、統一社会主義者党)

『ダムプレス』(http://www.dampress.net/?page=show_det&select_page=6&id=19848、5月1日付)によるとラタキア県選挙区(定数17、うちA部門9、B部門8)における国民統一リストの立候補者は以下の通り。

A部門

アンマール・バディーウ・アサド(ʻAmmār Badīʻ al-Asad)
ムハンマド・アブドゥッラ・ウジャイル(Muḥammad ʻAbd Allāh ʻUjayl)
ナディーム・アフマド・マンスーラ(Nadīm Aḥmad Manṣūra)
サミール・イブラーヒーム・ハティーブ(Samīr Ibrāhīm al-Khaṭīb)
ワファー・サイード・マアッラー(Wafāʼ Saʻīd Maʻallā)
ファイハー・アリー・タリーフィー(Fayḥāʼ ʻAlī Ṭarīfī)
サアドッラー・ムハンマド・ヌール・サーフィヤー(Saʻd Allāh Muḥammad Nūr Ṣāfiyā)

B部門

ナッバハーン・ハサン・イーサー(Nabbahān Ḥasan ʻĪsā)
アイハム・ナジュダト・ジュライクース(Ayham Najdat Juraykūs)
マイサー・ムハンマド・サーリフ(Maysāʼ Muḥammad Ṣāliḥ)
ムハンマド・ハサン・ビラール(Muḥammad Ḥasan Bilāl)
カーミル・サイード・ザントゥート(Kāmil Saʻīd Zantūt)
アリー・ジャミール・ムハンマド(ʻAlī Jamīl Muḥammad)
イスカンダル・ジルジス・ジャッラーダ(Iskandar Jirjis Jarrāda)

『ダムプレス』(http://www.dampress.net/?page=show_det&select_page=6&id=19848、5月1日付)によるとタルトゥース県選挙区(定数13、うちA部門6、B部門7)における国民統一リストの立候補者は以下の通り。

A部門

バースィル・サルマーン・イーサー(Bāsil Salmān ʻĪsā)
ムハンマド・アブドゥッラー・ワフード(Muḥammad ʻAbd Allāh Waḥūd)
マハー・ハサン・ウマル(Mahā Ḥasan al-ʻUmar)
スバーフ・マフムード・アフマド(Ṣubāḥ Maḥmūd Aḥmad)
サミール・ムハンマド・ジャウハル(Samīr Muḥammad Jawhar)

B部門

イサーム・ハリール・アリー(ʻIṣām Khalīl ʻAlī)
ラーミー・ムハンマド・サーリフ(Rāmī Muḥammad Ṣāliḥ)
ユースフ・ムハンマド・アスアド(Yūsuf Muḥammad Asʻad)
トゥーニー・アズィーズ・ハンナー(Ṭūnī ʻAzīz Ḥannā)

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市バスィーラ地区にある軍の基地の近くで軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦し、軍兵士12人が戦死、市民1人が死亡、複数が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市での軍・治安部隊の砲撃により一家9人(子供1人、女性4人)を含む10人が死亡した。

またSNN(5月1日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市では治安部隊が13歳の少年を射殺した。

Kull-na Shurakā’, May 1, 2012
Kull-na Shuraka’, May 1, 2012

ターリク・アブドゥルハックを名のる活動家によると、負傷者35人が対トルコ国境の非難キャンプでの治療を受けるために避難・搬送されてきた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、SANA(5月1日付)によると、カタナー市で治安部隊の発砲により市民1人が殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、フワイジャ村で軍・治安部隊の砲撃により市民1人が死亡した。

一方、SANA(5月1日付)によると、タイバト・イマーム市・ラターミナ町間で治安維持部隊が武装テロ集団の仕掛けた爆弾の爆発に巻き込まれ、1人が死亡、3人が負傷した。

またトゥワイニー村でも、治安維持部隊が武装テロ集団の襲撃に遭い、1人が死亡した、という。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市で離反兵2人が軍・治安部隊に射殺され、ヒムス市ハーリディーヤ地区では軍・治安部隊の発砲で2人が死亡した。

「アフバール・シャルク」(5月1日付)は、4月9日に「失踪」したタッルドゥー市議会のアブドゥルムウティー・サーリフ・サイイド議長が軍事情報局ヒムス支部に逮捕されていたことが明らかになったと報じた。

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アレッポ県では、SANA(5月1日付)によると、アレッポ市で武装テロ集団が市民1人を殺害した。

反体制勢力の動き

「シャームの民のヌスラ(救済)戦線」を名のる組織が、4月24日にダマスカス県マルジェ地区(イラン文化センター前)で発生した爆弾テロの実行声明を発表した。

同声明において、シャームの民救済戦線はイラン文化センターを「イラン政府の諜報活動の前線」と位置づけ、攻撃を正当化した。

シャームの民のヌスラ戦線はこれまでにも3月17日にダマスカス県内で発生したテロの実行声明を出している。

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AKI(5月1日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会の幹部の一人が、「アナン特使のイニシアチブが第1週目から頓挫していたことは明白だ。政府は軍部隊・重火器の住宅地域からの撤退や砲撃・暴力停止を拒否してきた…。みながイニシアチブの破綻を自認すべきだが、そのことを宣言しようとしない」と述べたと報じた。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、27日のダマスカス県マイダーン地区などでの自爆テロなどに関して、「武装テロ集団を利用して国民に対して犯した行為」と非難、アサド政権の関与を断じた。

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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は声明を出し、アサド政権がラタキア県、タルトゥース県を中心に構成される国家を作り、シリアを分割・解体しようとしている、と政府高官から聞いたと発表し、国民に抵抗を呼びかけた。

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シリア国民評議会は声明を出し、アラブ連盟監視団のアンワル・マーリク元隊員への暴行を非難した。

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アレッポ革命指導部総合評議会なる組織が声明を出し、ダマスカス県マイダーン地区などでの「自爆テロ」に関して、アサド政権の自作自演と断じた。

レバノンの動き

ヒズブッラーは声明を出し、ダマスカス県マイダーン地区などでの自爆テロに関して、「シリアを現下の危機から救出するための解決策に達するチャンスを消滅させようとする破壊的試み」と非難した。

諸外国の動き

ヘルヴェ・ラドス国連平和維持活動担当事務次長は記者会見で、5月末までにUNSMIS隊員300人をシリア国内に展開する意思を改めて示した。

ラドス事務次長は、これまで複数の国から軍人150人をUNSMISに参加させる旨申し出があり、うちの3人へのビザ発給がシリア当局によって拒否されたことを明らかにし、「シリア当局の協力に関して安保理に継続的に報告する」と述べた。

一方、UNSMIS隊員の国籍、シリア領空での停戦監視活動をめぐってシリア・国連議定書が最終合意に達していないことに関しては、「進展が見られており、近いうちに署名に至るだろう」と述べるとともに、UNSMIS隊員の任命や国籍の選択が国連の権限であることを強調した。

なおUNSMIS隊員は現在35人がシリア各地に展開している。

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ロバート・ムードUNSMIS司令官は、UNSMISの展開によってシリア国内での暴力が低下していると述べる一方、「シリア国内の支援と外国の支援が必要」と強調し、現状が続けば、停戦が不可能に達してしまうだろうと述べ、国内での散発的な暴力の継続に懸念を示した。

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アナン特使付報道官のアフマド・ファウズィー氏は、アナン特使のもとでの和平プロセスが「無期限」であると強調した。

またナースィル・カドゥーワ副特使が「反体制勢力の統一戦線を作り出し、(アサド政権との)交渉のための…信頼に足るチームを設置すること」を最優先している、と述べた。

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ラディカ・クマラスワミ児童と武力紛争に関する国連事務総長特別代表は2012年4月12日の停戦発効以降、児童34人が犠牲となったと発表した。

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エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は、ロシア外務省中東問題担当特使と会談し、シリア情勢に関してアナン特使の和平案の「早期実施」を求めることを確認した。

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米国務省のヴィクトリア・ヌーランド報道官は、ジャーナリストで反体制活動家のマーズィン・ダルウィーシュ氏の釈放をシリア政府に求めた。

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アナトリア通信(5月1日付)は、トルコの国家安全保障会議(アブドゥッラー・ギュル大統領が議長)が、シリア情勢について審議し、暴力の停止と民主的体制転換を呼びかけた。

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アラブ連盟監視団の元隊員でシリアでの監視活動中にアサド政権への批判的な言動を繰り返したアルジェリア人のアンワル・マーリク氏が滞在中のフランス(トゥールーズ)で暴行に遭った。

同氏はまた、4月下旬に脅迫メールを受け取っていたという。

AFP, May 1, 2012、Akhbar al-Sharq, May 1, 2012、Dampress.net, May 1, 2012、al-Hayat, May 2, 2012、Kull-na Shuraka’, May 1, 2012、Naharnet.com, May 1, 2012、Reuters, May 1, 2012、SANA, May 1, 2012、SNN, May 1, 2012、Syriandays, May 1, 2012、al-Watan, May 1, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ市で連続爆弾テロが発生し多数の死傷者が発生、各反体制派は相次ぐ爆発事件についてアサド政権の責任あるいは自作自演を非難(2012年4月30日)

国内の暴力

イドリブ市の二カ所で早朝に連続爆弾テロが発生し、多数の死傷者が出た。

また午後には同市ジャーミア地区で第3の爆発が発生し、複数が負傷した。

さらにダマスカス県内でも政府関連施設を狙った爆弾テロや砲撃が相次いだ。

SANA, April 30, 2012
SANA, April 30, 2012
SANA, April 30, 2012
SANA, April 30, 2012

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イドリブ市での爆弾テロに関して、SANA(4月30日付)は、住宅地内でビル2棟が「自爆テロ」により爆破され、9人(ほとんどが一般市民)が死亡、100人が負傷した、と報じた。

しかしロンドンを拠点とする反体制勢力のシリア人権監視団は、爆弾テロがハナーヌー広場の空軍情報部と、カールトゥーン通りの軍事情報局の施設を標的にしたもので、20人以上に上る死者のほとんどが治安要員だったと発表した。

なお事件発生後に、UNSMIS先遣隊が現場を視察した。

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ダマスカス県内では、サブウ・バフラート広場正面に位置する中央銀行を何者かがRPG弾で攻撃した。

アディーブ・マイヤーラ総裁によると、この攻撃で窓ガラスなどが破損した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月30日付)によると、ルクンッディーン区で警察のパトロール隊が武装テロ集団の攻撃を受け、警官4人が負傷した。

また、クドスィーヤー市・ディーマース町間に武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、爆発に巻き込まれた内務省職員1人が死亡した。

これに関してシリア人権監視団は軍用車を狙った爆弾テロが発生した、と発表した。

アクス・サイル(5月1日付)は、ダマスカス・イマーム・ホメイニー・ハウザ外務局長のファーディー・ブルハーン師がダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町でバイクに乗った2人組から発砲を受けた、と報じた。

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シリア人権監視団によると、ハマー県、ダイル・ザウル県などで、治安部隊の発砲により23人の民間人が殺害された。

アサド政権の動き

シリア外務在外居住省のファイサル・ミクダード次官はUNSMISのロバート・ムード司令官とダマスカスで会談した。

SANA(4月30日付)によると、この会談でミクダード次官は、シリアが「武装集団とそれを支援する者たちの行為に対抗しているが、これらの組織の活動はUNSMIS到着以降、先例がないほどエスカレートしている」と語った。

第10期人民議会選挙をめぐる動き

政党問題委員会メンバーのマフムード・ムラッシャハ氏は、第10期人民議会選挙に立候補者を擁立する政党に対し2012年の政党交付金は1億シリア・ポンドに達する、と発表した。

ムラッシャハ氏によると、交付金のうち約40%は選挙で議席を獲得するであろう政党に、残りの約60%は議席を獲得できなかった政党に支給され、支給額は獲得議席数、獲得票数に応じて配分される。

al-Hayat, May 1, 2012
al-Hayat, May 1, 2012

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第10期国民議会選挙で、変革解放国民戦線メンバーとして立候補(ダイル・ザウル県選挙区その他の人民諸集団代表枠)していたシリア民族社会党インティファーダ派のアブドゥルカーディル・ウバイド氏はフェイスブックで離党と立候補を取りやめると発表した。

理由については言及しなかった。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は、声明を出し、「発生した…爆破は、政府による血塗られた行為の一つであり…その背後には我々の首都のあらゆる場所でその旅団が展開していることを正当化し、国民を脅迫して平和的デモを阻止しようとするねらいがある」と非難、アサド政権の自作自演を疑った。

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地元調整諸委員会は、国内各地での爆弾テロに関して、「政府は自らがでっち上げたテロ一味の標的になっていると主張する試みを強めている」と非難、「一連の爆発事件の全責任は治安部隊が負っている」と断じた。

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『シャルク・アウサト』(5月1日付)は、自由シリア軍の匿名幹部の話として、レバノン領海内で拿捕された武器密輸船「ルトフッラー2」がシリアの諜報機関の船だと断じ、自由シリア軍との関係を否定した。

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自由シリア軍は声明を出し、ダマスカス県サブウ・バフラート広場前の中央銀行に対する砲撃に関して、関与を否定し、政府の嫌疑が向けられることへの懸念を表明した。

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ダマスカス県・郊外軍事評議会は声明を出し、ダマスカス県マイダーン地区などでの爆弾テロの頻発に関して、政権が民間人殺戮とアナン特使の停戦案違反を正当化するための自作自演だと断じ、関与を否定した。

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シリア革命総合委員会は声明を出し、ダマスカス県マイダーン地区などでの爆弾テロに関して、「爆破攻撃は革命に利さない」としたうえで、政権が軍の展開を正当化させるために行った自作自演だと断じた。

その他のシリア国内での動き

SANA, April 30, 2012
SANA, April 30, 2012

SANA(4月30日付)は、シリア中央銀行へのRPG弾による攻撃後、サブウ・バフラート広場で同行職員がテロに反対するデモを行った、と報じた。

レバノンの動き

『サフィール』(5月1日付)は、ミシェル・スライマーン大統領がアサド大統領と電話会談し、シリア情勢などをめぐって協議したと報じた。

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AFP(4月30日付)は、レバノンの南部県シャイフ山地方の対シリア国境地帯で、シリア領から何者かが銃を発砲し、1人が負傷したと報じた。

AFP, April 30, 2012、Akhbar al-Sharq, April 30, 2012、AKI, April 30, 2012、ʻAks al-Sayr, May 1, 2012、al-Hayat, May 1, 2012、Kull-na Shuraka’, April 30, 2012、Naharnet.com, April 30,
2012、Reuters, April 30, 2012、SANA, April 30, 2012、al-Safir, May 1, 2012、al-Sharq al-Awsat, May 1, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

UNSMISのムード司令官がダマスカスに到着し「すべての当事者」に対する暴力停止を呼びかけ、最近の一連のテロに「アル=カーイダを筆頭とする過激派のテロ思想の指紋」の存在が指摘される(2012年4月29日)

国内の暴力

UNSMISのロバート・ムード司令官はダマスカス国際空港に到着、記者団を前に、シリアのすべての当事者に暴力停止と停戦監視活動への支援を呼びかけた。

al-Hayat, April 30, 2012
al-Hayat, April 30, 2012

ムード司令官は、「すべての当事者に暴力停止と暴力停止のための支援を求める…アナン特使の和平案を成功させるため…。和平案を実行するためすべての当事者と協力するだろう…。監視団だけではすべての問題を解決することはできないからだ」と述べた。

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UNSMIS先遣隊は、ヒムス市ハーリディーヤ地区の「廃墟」、ラタキア市、タルトゥース市を視察した。

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在外の反体制勢力、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県、ヒムス県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ハマー県、イドリブ県、ダルアー県で軍・治安部隊の弾圧により少なくとも17人が殺害された。

また同監視団によると、ハーン・トゥーマーン村にある軍施設に対する爆弾攻撃でシリア軍兵士4人が死亡した。

この爆発に関して、SANA(4月29日付)は、ハーン・トゥマーン地区の軍の武器局の倉庫内で弾薬を移動中に爆発が発生し、4人の兵士が死亡したと伝えた。

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シリア革命総合委員会によると、ダマスカス県マイダーン地区で反体制デモが発生し、治安部隊が催涙弾などを使用し、強制排除した。

また同委員会によると、ヒムス県のクサイル市、ジュワイスィーヤ市、ナザーリーヤ村、アレッポ県のアナダーン市、ハーン・トゥマーン市、イドリブ県のアイン・ラールーズ市、アリーハー市、ダマスカス郊外県のザマルカー町、ドゥーマー市、ダイル・ザウル県のクーリーヤ市、ブーカマール市などで軍治安部隊による砲撃、逮捕・摘発が行われ、少なくとも10人が死亡した。

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SANA(4月29日付)は、ダイル・ザウル県のクーリーヤ市・マフカーン町間でユーフラテス石油社のパイプラインが武装テロ集団によって爆破されたと報じた。

またその後、武装テロ集団はクーリーヤ市内で治安維持警察と市民に発砲し、子供1人が死亡した、と付言した。

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イドリブ県では、SANA(4月29日付)によると、ラタキア市とイドリブ県アリーハー市を結ぶ街道でも武装テロ集団が仕掛けた爆弾2発が爆発した。

またイドリブ県アイン・シャイブ村で郵便局職員1人が武装テロ集団に襲撃・殺害された。

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ハマー県では、SANA(4月29日付)によると、ハマー市東部で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦、テロリスト多数を逮捕した。

その他のシリア国内での動き

SANA(4月29日付)は、ダマスカス県マイダーン地区で27日に発生した「自爆テロ」に関して、最近のシリア国内での一連のテロに「アル=カーイダを筆頭とする過激派のテロ思想の指紋」が見られると評した。

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SANA(4月29日付)は、変革解放国民戦線が記者会見を開き、改めて国民対話の必要を強調した、と報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は、ダマスカス県マイダーン地区で27日に発生した「自爆テロ」やタルトゥース市で発生した爆弾攻撃に関して、「タイミング、状況、方法は政権が用いるもの」と非難し、アサド政権の自作自演だと断じた。

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シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表はアナン特使宛てに公開書簡を提出し、そのなかで、シリアのすべての逮捕者を釈放するために介入するよう呼びかけた。

レバノンの動き

レバノン中央銀行のリヤード・サラーマ総裁は、MTV(4月29日付)で、西側の制裁を免れるため、シリア人がレバノンの銀行でマネーロンダリングしているとの一部報道を否定した。

諸外国の動き

赤十字国際委員会のジャコブ・ケレンベルガー総裁は、シリア情勢に関して、アナン特使の和平案が「危機的状態」にあると警鐘を鳴らし、UNSMISの停戦活動の迅速な進展が重要だとの見方を示した。

AFP, April 29, 2012、Akhbar al-Sharq, April 29, 2012、al-Hayat, April 30, 2012, May 1, 2012、Kull-na Shurakaʼ, April 30, 2012、Naharnet.com,
April 29, 2012、Reuters, April 29, 2012、SANA, April 29, 2012などをもとに作成。

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ラタキア県で軍兵士の離反に加え大規模な爆発および交戦が発生するなか、露外務省が声明のなかでアサド政権による反体制武装集団掃討への支持を表明(2012年4月28日)

国内の暴力

反体制勢力のシリア情報センターのスィーマー・マラキー報道官は、ラタキア県の人民宮殿近くの軍部隊で約30人が離反し、大きな爆発が複数回あったと発表した。

シリア人権監視団は、ラタキアの女性活動家スィーマー・ナッサール氏の話として、人民宮殿がある同県ブルジュ・イスラーム近くで複数の士官、兵士が離反し、軍…治安部隊と交戦している、と発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、アルバイン市などで、軍・治安部隊と離反兵が交戦、カラムーン山地一帯では離反兵10人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カンスフラ村、カフル・ウワイド市で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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『クッルナー・シュラカー』(4月28日付)は、シリアの総合情報部パレスチナ課がファタハ・イスラームのメンバーを家族とともに多数誘拐し、シリア国内での爆弾テロなどを実行させている、と報じた。

アサド政権の動き

シリアの外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、声明を出し、NATOに対トルコ国境の保護を求めるとのトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相の発言に関して、「挑発的」であり、アナン特使の停戦案を「反故にしようとする」発言と批判した。

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『ティシュリーン』(4月28日付)は、潘基文事務総長の27日の発言に関して、「武装集団による(停戦)違反について話すことを避けている」と社説で批判した。

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『サウラ』(4月28日付)は、潘基文事務総長の27日の発言に関して、「なぜテロリストの撤退を要求しないのか?なぜ彼らの存在、役割、その支持者、資金援助者について指摘しないのか?」と非難した。

シリア国内でのその他の動き

SANA(4月28日付)は、ビラード・シャーム・ウラマー連合、シリア暴力犯罪犠牲者監視団、アラブ社会主義連合党などが27日のダマスカス県マイダーン地区などでの自爆テロを非難する声明を次々と発表したと報じた。

諸外国の動き

ロシア外務省は声明を出し、「我々はシリアで活動するテロリストへの断固たる抵抗が存在することに満足している」と発表、アサド政権による反体制武装集団掃討への支持を表明した。

AFP, April 28, 2012、Akhbar al-Sharq, April 28, 2012、al-Hayat, April 29, 2012、Kull-na Shuraka’, April 28, 2012、Naharnet.com, April 28,
2012、Reuters, April 28, 2012、SANA, April 28, 2012などをもとに作成。

 

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ダマスカス県およびタルトゥース市で複数の爆弾テロが発生し11名以上が死亡、アラブ連盟緊急外相会合が国連安保理に「民間人の早急な保護」にかかわる決議を採択することを求める(2012年4月27日)

国内の暴力

ダマスカス県およびタルトゥース市の複数カ所で車爆弾による爆弾テロが発生し、少なくとも11人が死亡した。

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ダマスカス県では、SANA(4月27日付)によると、マイダーン地区のザイン・アービディーン・モスク前と、工業地区(オートストラード・アダウィー)の国内運輸社(国営)近くでテロが発生した。

マイダーン地区でのテロは車爆弾による「自爆テロ」で、民間人と治安維持部隊兵士9人が死亡、約30人が負傷、同通信社などシリアの主要メディアは犯行を「武装テロ集団」によるものと断じた。

イフバーリーヤ・チャンネル(4月27日付)によると、同「自爆テロ」は金曜礼拝の直後に発生し、反体制派のデモを阻止するための兵士を乗せたバスを標的としていたと報じた。

SANA, April 27, 2012
SANA, April 27, 2012
SANA, April 27, 2012
SANA, April 27, 2012

工業地区でのテロは、武装テロ集団が仕掛けた爆弾によるもので、3人が負傷した。

またこれ以外にも、カーブーン区で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発した、という。

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一方、タルトゥース市では、クバイヤート地区で武装テロ集団がしかけた爆弾2発が爆発し、5人が負傷した。

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SANA(4月27日付)によると、このほかにも、タルトゥース市では爆弾処理班がテロ発生現場で別の爆弾を発見、撤去し、またダイル・ザウル市でも爆弾2発、アレッポ市でも2発を撤去した。

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SANA(4月27日付)は、ラタキア県の軍部隊が地中海からゴムボートで潜入を試みた武装テロ集団と交戦し、撃退したと報じた。

同部隊は、トルコ国境30~35キロ地点に本部を構えており、この交戦で、兵士1人が戦死、複数が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(4月27日付)によると、アフリーン地方で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士3人が殺害された。

また治安維持部隊の応戦でテロリスト2人が死亡した。

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シリア革命調整連合などによると、金曜の礼拝後に各地で散発的な反体制デモが発生し、「数万人」が参加したという。

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アレッポ県では、アレッポ調整連合報道官のムハンマド・ハラビーなる活動家によると、アレッポ市のシャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで数千人が街頭に出た。

シリア人権監視団によると、アレッポ市でのデモに対する治安部隊の介入で、1人が殺害され、複数が負傷した。

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ハマー県では、ハマー革命評議会広報局によると、ハマー市のマシャーウ地区、マルアブ地区などで反体制デモが発生した。

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ダマスカス郊外県では、地元調整諸委員会メンバーのムハンマド・ファーリスなる活動家によると、ザバダーニー市で反体制デモが発生した。

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ダマスカス県では、地元調整諸委員会によると、カダム区、カフルスーサ区のモスク近くで反体制デモが発生した。

またシリア人権監視団によると、ダッフ・シューク地区で市民1人が治安部隊の発砲により、死亡した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市のジャバリーヤ地区、ハミーディーヤ地区、空港地区、ブーカマール市などで反体制デモが発生した。

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ハサカ県では、地元調整諸委員会によると、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、カーミシュリー市などでクルド系住民が反体制デモを行った。

『クッルナー・シュラカー』(4月27日付)は、カーミシュリー市での反体制デモで、21日に逮捕された民主統一党(PKK系のクルド民族主義政党)メンバーの釈放が同党支持者によって叫ばれ、治安部隊が同党員複数を逮捕、催涙弾などを使用してデモを強制排除した、と報じた。

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イドリブ県では、ジスル・シュグール市、ハーッス村などで反体制デモが発生した。

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ラッカ県では、地元調整諸委員会によると、ラッカ市内で反体制デモが発生、治安部隊が強制排除した。

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反体制勢力はフェイスブックなどで「アッラーの命令が下されたが急ぐことはない…シリアよ耐えよ。勝利は近い」金曜日と銘打って反体制デモを呼びかけた。

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UNSMIS先遣隊は、イドリブ氏、ヒムス市旧市街などを新たに視察した。

反体制勢力の動き

複数の反体制活動家は、ダマスカス県などで発生した一連のテロに関して、「テロリスト」と対決しているという話を裏付けるために政権自身が行ったものであり、反体制的であることで知られている地区で爆発が発生したことに驚いている、と述べ、犯行を否定している。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、国連の潘基文事務総長に対して、アナン特使の停戦案が失敗に終わったことを宣言し、シリアの国連加盟資格を凍結し、シリア国民の意思を代弁する新政府発足に向けてイニシアチブを発揮するよう呼びかけた。

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シリアのための第三潮流は声明を出し、ダマスカス県マイダーン地区での「自爆テロ」を非難した。

親アサド政権の野党・体制外組織の動き

SANA, April 27, 2012
SANA, April 27, 2012

SANA(4月27日付)は変革解放人民戦線のカドリー・ジャミール代表らシリアの野党(反体制勢力)がロシアを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、アナン特使の和平案以外「シリアの現状におけるオルターナティブはない」との意見で一致した、と報じた。

また同戦線は国民対話が不可避であるとの立場を改めて強調した。

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『クッルナー・シュラカー』(4月27日付)は、民主統一党の参加組織の一つ「西クルディスタン人民機構」が声明を出し、クルド人青年らに対してシリア軍への兵役を免れるためにシリア国外に逃亡しないよう呼びかけた、と報じた。

第10期人民議会選挙をめぐる動き

『ダイリーク・マハッバ』(http://www.derekalmhbe.com/vb/showthread.php?t=8364、4月27日付)によるとハサカ県選挙区(定数14、うちA部門8、B部門6)における国民統一リストの立候補者は以下の通り。

A部門

サイード・ダーウド・イーリヤー(Saʻīd Dawud Īliyā)
ハマード・アッブード・サウード(Ḥamād ʻAbbūd al-Saʻūd)
アッブード・イーサー・シャウワーフ(ʻAbbḍd ʻĪsā al-Shawwākh)
アドナーン・ムハンマド・スライマーン(ʻAdnān Muḥammad Sulaymān)
サッターム・ジャドアーン・ダンダフ(Saṭṭām Jadʻān al-Dandaḥ)
ハーミド・イブラーヒーム・ジャースィム/カルクー(Ḥāmid Ibrāhīm al-Jāsim/al-Akrkū)
カーティリーン・ミシェル・ディーブ(Kātirīn Mīshīl Dīb)

B部門
サッバーグ・ハムーダ・ユースフ(Ṣabbāgh Hamūda Yūsuf)
ハーリド・サトム・アティーヤ(Khālid Saṭm al-ʻAṭīya)
アブドゥッラフマーン・ファルハーン・イーサー(ʻAbd al-Raḥmān Farḥān al-ʻĪsā)

レバノンの動き

レバノンの複数の治安筋が『ハヤート』(4月28日付)に明らかにしたところによると、レバノン海軍とUNIFIL海軍はレバノン領海内で、「ルトフッラー2」という船名の船舶一隻を武器密輸容疑により拿捕した。

「ルトフッラー2」はトルコのアレキサンドレッタ港からレバノンのトリポリ港に向かう途中で、機関銃や迫撃砲を積んでいたという。

レバノン・テレビ(4月27日付)によると、船長は、シリア人国籍のムハンマド・ハッファージャを名のる人物で、リビアからアレキサンドレッタ経由でシリアの反体制勢力に武器を提供して疑いがもたれており、船長とともにアフマド・ビルナール船長代理も逮捕された。

SANA(4月28日付)、『ハヤート』(4月29日付)などによると、「ルトフッラー2」は、シエラレオネ船籍で、北部県バトルーン郡沖で拿捕され、船員10人が身柄を拘束された。

身柄拘束された船員の内訳は、シリア人8人、エジプト人2人、インド人1人。

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SANA, April 27, 2012
SANA, April 27, 2012

ベカーア県バアルベック郡のカーア地方の対シリア国境付近で、バスが発砲を受け、レバノン人女性2人が負傷した。

複数の消息筋によると、発砲はシリア領内からなされた、という。

諸外国の動き

アラブ連盟緊急外相会合が閉幕し、5月5日の国連安保理会合で「国連憲章第7章について言及しないかたちで…シリアで民間人を直ちに保護する」ための決議採択を求めることを定めた閉幕声明を発表した。

閉幕声明案には国連憲章第7章に依拠した声明採択を求めるとの文言が含まれていたが、シリアへの外部介入に消極的なシリア周辺諸国の意向を反映し、骨抜きとなった。

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国連難民高等弁務官は、2011年3月半ば以降、65,000人以上のシリア人がトルコ、レバノンなどに避難したと発表した。

同発表(報告)によると、避難民の数は65,070人でうち約50,000人がUNHCRに難民申請している、という。

また避難民のうち約24,000人がトルコに、22,000人がレバノンに、16,000人がヨルダンに、3,000人がイラクに避難している。

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国連の潘基文事務総長は、シリア情勢に関して、「国際的な和平案を承認した二つの安保理決議に対する違反状態」と批判、アサド政権に対して両決議とアナン特使の停戦案、そして「政治的転換」の即時履行を求めた。

また潘事務総長は4月27日付で、ロバート・ムード准将をUNSMISの司令官に正式に任命した。

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キャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は記者会見で、「シリア政府が停戦に合意したにもかかわらず、暴力が継続していることを我々は強く懸念する」としたうえで、「シリア政府は停戦を履行していない」と非難した。

AFP, April 27, 2012、Akhbar al-Sharq, April 27, 2012、Derekalmhbe.com、April 27, 2012、al-Hayat, April 28, 2012, April 29, 2012、Kull-na Shuraka’, April 27, 2012、Naharnet,
April 28, 2012、Reuters, April 27, 2012、SANA, April 27, 2012, April 28,
2012などをもとに作成。

 

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