ロシアのラブロフ外務大臣「ロシア軍の爆撃は有志連合とまったく同じで、ダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線を標的としている」(2015年10月1日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、国連総会出席のため訪問中のニューヨークで、シリア領内でのロシア空軍の空爆開始に関して、有志連合と同様に、ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などのテロ組織を標的とした作戦であることを改めて強調した。

ラブロフ外務大臣は「シリアでのロシアの作戦は、テロとの戦いが目的であり、いかなる当事者も支援していない…。シリアでの我々の作戦は、アサド大統領の要請を受けたものであり、ロシア連邦議会の決議に基づいている」と述べた。

また「欧米諸国の有志連合のシリア領内での活動は法的根拠を有さない。主権国家領内での軍事活動は、その国の政府の要請、ないしは国連の要請がなければ行うことはできない」と付言した。

そのうえで「我々は、ダーイシュ、そしてその他のテロ組織と戦う。これは米国の姿勢とまったく同じものだ…。有志連合は常に、ダーイシュ、ヌスラ戦線、そしてそのほかのテロリストを標的としていると言ってきた。我々の姿勢はこれと同じであり、我々と有志連合の姿勢は一つだ。

RT(10月1日付)が伝えた。

**

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は記者会見で、30日にロシア軍がシリア領内で開始した空爆に関して、シリア軍との連携のもとに、テロ組織を標的としていると述べ、「穏健な反体制派」や民間人に「無差別空爆」をしているとの欧米諸国の高官やメディア、一部の反体制派の批判を否定した。

ペスコフ報道官は「シリア国内でのロシア空軍の空爆作戦の成果を評価するのは時期尚早だ」としたうえで、この空爆によって、ロシア政府がダーイシュ(イスラーム国)をはじめとするテロ組織と戦うシリア軍を支援することをめざしていることを改めて明らかにした。

ペスコフ報道官はまた、「ロシア空軍はシリア国内でのテロ組織との戦いに参加している」と強調し、欧米諸国の高官やメディア、一部反体制派による主張が歪められており、事実無根だと反論した。

**

RT(10月1日付)によると、ロシア外務省は、地中海に展開するロシア海軍の強襲揚陸艦をシリア領内でのテロ組織に対するロシア空軍の作戦に投入すると発表した。

ロシア軍筋によると、ロシア海軍黒海艦隊の作戦参加は、タルトゥースの軍港、ラタキア県内の臨時空軍基地(フマイミーム航空基地)への技術支援拠点の防衛、海軍の特殊部隊の派遣などが目的だという。

AFP, October 1, 2015、AP, October 1, 2015、ARA News, October 1, 2015、Champress, October 1, 2015、al-Hayat, October 2, 2015、Iraqi News, October 1, 2015、Kull-na Shuraka’, October 1, 2015、al-Mada Press, October 1, 2015、Naharnet, October 1, 2015、NNA, October 1, 2015、Reuters, October 1, 2015、RT, October 1, 2015、SANA, October 1, 2015、UPI, October 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

NATO事務総長「ロシア軍のシリアでの爆撃がダーイシュ(イスラーム国)を標的としていないとの報告に懸念している」(2015年9月30日)

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ロシア軍によるシリア領内での空爆開始に関して、「ロシア軍のシリアでの空爆がダーイシュ(イスラーム国)を標的としていないとの報告に懸念している」と述べた。

ARA News(10月1日付)が伝えた。

AFP, October 1, 2015、AP, October 1, 2015、ARA News, October 1, 2015、Champress, October 1, 2015、al-Hayat, October 2, 2015、Iraqi News, October 1, 2015、Kull-na Shuraka’, October 1, 2015、al-Mada Press, October 1, 2015、Naharnet, October 1, 2015、NNA, October 1, 2015、Reuters, October 1, 2015、SANA, October 1, 2015、UPI, October 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ市東部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦(2015年9月30日)

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、ダイル・ハーフィル市、バクジャ村、発電所一帯、ブラート村、サーリヒーヤ村、ジャッブール村、シャイフ・ルトフィー村、タッル・ハッターバート村、ナアーム丘一帯、サブイーン村、アイユーブ村、航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(9月30日付)によると、米トルコ領政府が設置合意した北部「安全地帯」内のサンダフ村に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)をシャーム戦線が撃退し、戦闘員30人を殲滅した。

**

ダイル・ザウル県では、ARA News(10月1日付)によると、ダイル・ザウル市とハサカ市を結ぶ街道上で、ダーイシュ(イスラーム国)のチェチェン人司令官(アミール)1人を含むダーイシュ・メンバー5人の遺体が発見された。

5人は2ヶ月前にダイル・ザウル市内で拉致され、行方不明になっていたという。

**

ハサカ県では、ARA News(10月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ市郊外で、男性2人を「国防隊に所属」しているとの罪で処刑した。

**

米中央軍(CENTCOM)は、9月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、マーリア市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、October 1, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県で「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室の攻勢続く(2015年9月30日)

クナイトラ県では、マサール・プレス(9月30日付)によると、反体制武装集団が、同県の県庁所在地バアス市制圧に向けて、ハムリーヤ丘、アフマル丘、ハーン・アルナバ市近郊に対して砲撃を強化した。

これに対して、シリア軍は、「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室によって制圧されたタルジャナ中隊展開地域一帯、アマル農場、ジュャバーター・ハシャブ村、タルジャナ村を「樽爆弾」などで空爆するとともに、ダマスカス郊外県サフナーヤー市、ジャルマーナー市一帯の国防隊、人民諸委員会を増援部隊として同地に派遣した。

一方、SANA(9月30日付)によると、シリア軍と人民防衛諸組織が、タルジャナ村、一帯で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線、ナワー自由人大隊などと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、ヌスラ戦線はハドル村、ハーン・アルナバ市、ハラファー村に対して砲撃を加えた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーヒヤト・アサド町一帯で、シリア軍、国防隊が、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、ダーライヤー市に対して「樽爆弾」約40発を投下した。

**

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、マンスーラ村、アレッポ市カルム・マイサル地区、カルム・ジャバル地区、ライラムーン地区、ブスターン・バーシャー地区、サーフール地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月30日付)によると、ダルアー市Syriatelビル一帯で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Masar Press Agency, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのダウトオール首相「シリア紛争の解決策を考えるのであれば、いかなる者であれアサドのいないシリアを考えねばならない」(2015年9月30日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は30日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、ダウトオール首相は以下の通り述べた。

「国連は、ボスニア、ルワンダなどでの地域紛争、シリアで過去4年にわたり続いている紛争において、人々を「地獄の苦しみ」から救い出すことに失敗してしまった…。国際社会は速やかに、シリア難民の安全をはく補するために、彼らの祖国に「安全地帯」を設定するために行動しなければならない」。

「シリアにおける悲劇は、シリア国民が自らの意思を真に代表し、その存在に完全に満足することができる正統な政府を持つことなくして終わることはないだろう。シリア紛争の解決策を考えるいかなる者も、アサドのいないシリアを作ることを考えねばならない」。

「トルコは、ISIS、PKKを含むあらゆるテロと戦っている。我々の対テロ努力と国際社会への貢献は、同盟国には周知のことである」。

『デイリー・サバフ』(9月30日付)が伝えた。

Daily Sabah, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ファビウス仏外相「民間人と穏健な反体制派ではなく、ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のみを攻撃すべき」(2015年9月30日)

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は記者会見で、シリア領内でのロシア軍による空爆開始に関して、民間人と「穏健な反体制派」を標的とせず、ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織にのみ攻撃を限定すべきだと述べた。

ファビウス外務大臣は「もちろん、ダーイシュ(イスラーム国)と一致団結して全力で戦わねばならない。また我々に参加したいという者は、以下の条件を満たせば歓迎される。空爆がダーイシュなどのテロ組織に対して行われること。民間人、穏健な反体制派を標的としないこと」と述べた。


AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハモンド英外務相が国連総会で演説「アサドが、移行期の開始時であれ、移行期中であれ、去ることで、傷ついた人々を癒やすことができる」(2015年9月30日)

英国のフィリップ・ハモンド外務大臣は30日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、ハモンド外務大臣は以下の通り述べた。

「シリアの危機は、暴力的な過激主義…移民問題の双方において世界全体に反響をもたらしている。これらの脅威を恒久的に解決するには、シリアに恒久的な平和と安定をもたらす以外にはない。こうした安定を実現したいのなら、我々は紛争に人道的な影響を及ぼすべくこれまで以上に行動しなければならない。しかしシリアがこの危機から脱するための航路をたどれるようにするには、我々は何よりもまず、シリアがどのように安定へといたるのかをはっきりさせねばならない」。

「シリアを危機に陥れたのはアサド政権だ。平和的に抗議する人々への残虐な弾圧…、「樽爆弾」の無差別使用へといたる民間人に対する無差別攻撃が根本原因だ。アサド政権は、過激主義、とりわけISILが台頭する環境を創り出した。だから、我々はISILというガンを征するためにアサドという毒を飲むべきだとの忠告を拒否する」。

「紛争当初、ジハード主義者を解き放ったのはアサドだ。今でも彼らとの取引を続けているのはアサドだ。アサドの軍はそれ以外の当事者よりも多くの民間人を毎月殺している」。

「アサドは、ISILに戦闘員を勧誘するもっとも重要な戦闘員(sergeants)の一人だ。彼の軍は穏健な反体制派や民間人の拠点を破壊するために照準を合わせいる。ISILと戦うためにアサドと同盟を結ぶいかなる試みもISILを強化し、アサド政権に対するスンナ派抵抗運動の事実上の指導者にしたてあげてしまう」。

「我々はシリア国民に、ISILのテロとアサドの専制から自由な未来を保障しなければならない。なぜなら、シリアは、代議的な政府、すなわちISILと軍事的に戦うために国際社会と行動できる政府を持つことができれば、暴力的な過激主義を圧倒するもっとも有効なパートナーとなり得るからだ」。

「それゆえ、アサドとその取り巻きが今行うことができる最大の貢献とは…、政治的移行を可能とするように退くことであり、それにより内戦が終わり、シリア人がイスラーム過激主義との戦いにおいて一つになることを可能とする」。

「過去数週間、シリア国内の現実は変化した。ロシアの介入が政権の指揮を高め、その能力を高めた。ロシアは、このように公然とアサドを支えるという重責を担っているが…、この間もアサドは自国民に対してテロを続けている。国際社会はロシアに、樽爆弾…、化学兵器の使用を停止させるための影響力をこれまで以上に行使することを期待している」。

「我々は、ロシアがISILに対して武力を行使するとの意思を耳にしてきた。そして我々はこれを歓迎する。しかし…、これと同じ武力を行使して、アサド政権の弾圧に抵抗する穏健な反体制派を攻撃するのであれば、ISILとの戦いにおいて効果的な一員となることは不可能だ」。

「明確に言うのなら、政権を支援する行動は、シリアでISILに対する戦いを効果的に行うことと両立しない。これは道義的な判断ではなく、プラグマティックな判断による」。

「ロシアの空爆の標的は、慎重に選択されていたとは言えない…。シリアで今朝行われた軍事行動がISILとアル=カーイダ系組織に対するもので、アサド政権に抵抗する穏健な反体制派ではない。ロシアは、国際社会に対してそう明言できるかが重要だ」。

「シリア国民はアサドがとどまるか去るかを決めるべきだということも耳にする。しかし、こうしたことは幻想だと言わねばならない。そうした発言は現地の現実を無視している。25万人が死亡し、120万人が難民となった国で公正な選挙などどのようにしてできるのか? 彼らのほとんどは国外にいる」。

「アサドが、移行期の開始時であれ、移行期中であれ、去ることで、傷ついた人々への癒やしを始めることができる。アサド抜きの新たな政府が支配する新たなシリアへといたる政治プロセスに着手することができれば、そのとき反体制派の力をISILと戦うために向けることもできるだろう」。


英国政府ホームページ(2015年9月30日)をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

中国の王外相「シリア危機を政治的に解決するための機会を追求すべき」(2015年9月30日)

中国の王毅外交部長(外務大臣)は、国連安保理常任理事国会合で、シリア情勢に関して「一丸となってシリア危機を政治的に解決するための機会を追求すべきである。(紛争の)当事者たちは、これまで以上に政治的解決を実現への意思を示している」と述べた。

王外交部長はまた、開催に向けた準備が綴られているシリア政府と反体制派の和平交渉(ジュネーブ3)について、「こうした会合が開催し得るような環境を創り出すため行動すべきであり…、政治的解決に向けたプロセスを進めることが、すべての当事者による「テロとの戦い」に向けた連携強化に知ることになろう」と付言した。

そのうえで、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表による当事者どうしの仲介努力を支援すべきだと主唱した。

新華社通信(9月30日付)、ロイター通信(9月30日付)などが伝えた。


AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣が、国連総会出席のため米ニューヨーク入りし、ヴェネズエラ大統領、イラク、スーダン、中国外相と会談、またロシアを議長国とする「テロとの戦い」の連携強化に向けた安保理外相級会合に出席(2015年9月30日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住大臣は、国連総会出席のため米ニューヨークを訪問した。

大臣には、ファイサル・ミクダード外務在外副大臣、アフマド・アルヌース外務在外居住者省顧問も同行した。

シリアの外務大臣が米国に入国するのは、2014年9月の国連総会時以来1年ぶり。

ニューヨークに到着したムアッリム外務在外居住者省は、ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領、イラクのイブラーヒーム・ジャアファリー外務大臣、スーダンのイブラーヒーム・ガンドゥール外務大臣、中国の王毅外交部長(外務大臣)と相次いで会談した。

SANA(9月30日付)が伝えた。

**

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、「テロとの戦い」への対応を協議するために招集された安保理閣僚級会合(議長国ロシア)に出席し、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、そしてその他のアル=カーイダ系組織によるテロに対抗し続けるとのシリアの立場を表明した。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ケリー米国務長官「ロシア軍がダーイシュ(イスラーム国)壊滅を目的としていれば反対しない」(2015年9月30日)

ジョン・ケリー米国務長官は、シリア領内でのロシア軍による空爆開始に関して、ダーイシュ(イスラーム国)壊滅を目的としていれば反対しないと述べた。

ケリー国務長官は「ロシアの最近の行動、そして現在遂行中の行動が、この組織(ダーイシュ)を敗北させるための真摯な取り組みを反映したものであれば、我々はこうした努力を歓迎し、我々の作戦との衝突を回避するための方法を模索する用意がある」と述べた。

**

ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官は、シリア領内でのロシア軍による空爆開始に関して、「ロシアが標的とした目標が何だったのか、ロシアが空爆した標的が何だったのかを言うことは時期尚早だ」としつつ、シリアの紛争に「軍事的解決」を強いることはロシアにはできないと述べた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍によるシリア領内での爆撃開始をめぐるロシア政府の動き(2015年9月30日)

ヴラジミール・プーチン大統領は、シリア領内のダーイシュやアル=カーイダ系組織へのロシア軍の空爆開始に関して「ロシアにジハード主義者たち(の脅威)が及ばないよう、シリアのジハード主義者を壊滅するために先手を打って行動する」と述べた。

プーチン大統領は「国際テロリズムと戦う唯一の正しい方法は、先制的に行動し、テロリストによって掌握されている場所で彼らと戦闘、壊滅し、彼らが我々のもとにまで到達することを待たないことだ」と述べた。

『ハヤート』(10月1日付)が伝えた。

**

ロシアのセルゲイ・イワノフ大統領府長官は、シリア政府がロシア大統領に正式に「テロとの戦いのための軍事支援」を要請してきたとしたうえで、ロシア連邦議会がこの要請を審議するための臨時会を開催、全会一致で、プーチン大統領による国外での軍事力行使を承認したと発表した。

連邦議会の臨時会は非公式で行われ、数分で法案審議と採決を終了したという。

イワノフ大統領府長官はまた、地上軍派遣の是非に関して、「地上部隊の派遣は検討されていない」と述べ、否定した。

**

『ハヤート』(10月1日付)によると、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア軍によるシリア領内での空爆に関して、第三国領内での武力行使は、国連安保理決議ないしはその国の正統な政府の要請に基づく必要があるとしたうえで、「ロシアは、シリア領内で唯一合法的に武力行使を行う国である」と述べた。

なお『ハヤート』(10月1日付)によると、ロシア軍による空爆開始と合わせて、ロシア外務省はイスラエルにその旨通知、またミハイル・ボグダノフ外務副大臣によると、数日中にすべての関係各国に空爆開始を通知するという。

**

『ハヤート』(10月1日付)は、ロシア正教会が、ロシア軍によるシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)、アル=カーイダ系組織への空爆を「聖なる戦い」と評し、支持を表明したと伝えた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がシリア軍戦闘機とともにシリア中部のダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線の拠点に対して爆撃を開始(2015年9月30日)

SANA(9月30日付)は、シリア軍消息筋の話として、テロとの戦いとダーイシュ(イスラーム国)根絶にかかるシリアとロシアの合意を実施するかたちで、ロシア空軍がシリア空軍の支援を受け、シリア中部のダーイシュ拠点複数カ所に正確な空爆を行った、と伝えた。

SANA, September 30, 2015
SANA, September 30, 2015

同消息筋によると、空爆は、ヒムス県のラスタン市、タルビーサ市、ザアフラーナ村、ダイル・フール村、ハマー県のトゥルール・ハムル村、アイドゥーン村、サラミーヤ市一帯のダーイシュ拠点に及んだ。

このうちラスタン市、タルビーサ市、ザアフラーナ村、ダイル・フール村は、ダーイシュではなく、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の支配地域である。

これに関して、ロシア国防省のイゴール・コナシンコフ報道官はスプートニク通信(9月30日付)に対して、「ロシア軍戦闘機は今日(30日)、シリア領内のダーイシュ拠点8カ所に対して、約20回の空爆を行い、テロ組織の司令拠点…、武器弾薬燃料庫を破壊した」ことを明らかにした。

コナシンコフ報道官によると、「すべての空爆は、航空偵察とシリア軍参謀委員会のデータ照会後に実施された」という。

コナシンコフ報道官はこの発表に先立って、ロシア航空宇宙防衛軍の航空機が、シリア領内でのダーイシュ拠点に対する空爆を行うための作戦(偵察活動)を開始したことを明らかにしていた。

なお、20回という空爆回数は、2014年9月に米国がシリア領内で開始した空爆回数(1日平均3~5回程度)に比べ、4~6倍の規模。

一方、『ハヤート』(10月1日付)は、シリアの治安機関高官筋の話として、「ロシア空軍とシリア空軍の戦闘機は水曜日(29日)、複数回の空爆を行い、ハマー県、ヒムス県、ラタキア県のテロリストの拠点複数カ所を攻撃した」と伝えた。

同消息筋によると、両国空軍が空爆を行ったのは、ラタキア県のガマーム村、ズワイド山、ダイル・ハンナー村、ハマー県のラターミナ町、カフルズィーター市、ヒムス県のラスタン市、タルビーサ市。

これらの地域はいずれも、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線や、同じくアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなるファトフ軍の活動地域。

**

クッルナー・シュラカー(9月30日付)は、反体制活動家らが撮影した空爆の動画(https://youtu.be/UXsH50NrF1Ehttps://youtu.be/oqJPVlDdLek)、写真を転載した。

Kull-na Shuraka', September 30, 2015
Kull-na Shuraka’, September 30, 2015
Kull-na Shuraka', September 30, 2015
Kull-na Shuraka’, September 30, 2015
Kull-na Shuraka', September 30, 2015
Kull-na Shuraka’, September 30, 2015
Youtube, September 30, 2015
Youtube, September 30, 2015



シリア人権監視団は、ロシア空軍が攻撃を行ったタルビーサ市で、子供1人と女性2人を含む27人が空爆によって死亡したと発表した。

またドゥラル・シャーミーヤ(9月30日付)も、ロシア軍による攻撃が行われたザアフラーナ村で、住民8人が死亡したと伝えた。

さらに、トルコのイスタンブールでシリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表は訪問先の米ニューヨークからツイッターで、「ロシア軍はダーイシュ、アル=カーイダとつながりのある組織が存在しない地域を標的とし、少なくとも36人が死亡した」とつぶやいた。

ハウジャ代表によると「今日、ロシア軍の標的となったヒムス県内の地域は、1年前にダーイシュが敗退した地域」なのだという。

**

SANA(9月30日付)はまた、ロシア軍による空爆と並行して、シリア軍がヒムス県郊外のダーイシュとヌスラ戦線の拠点、車列に対して空爆を行ったと伝えた。

シリア軍が空爆を実施したのは、ダーイシュの支配下にあるシャーイル・ガス採掘所一帯、ハンヌーラ村、カルヤタイン市、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の支配下にあるカンヌ山一帯(ラスタン市郊外)で、これにより拠点などを破壊、複数の戦闘員を殺傷したという。

一方、ハマー県では、シリア軍がラターミナ町、カフルズィーター市・ザカート村間の街道でシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の拠点、車列を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、バリーギート村、ムーリク市東部に対しても空爆を行った。

シリア人権監視団によると、ラターミナ町の空爆では死傷者はなかった。

なお、シリア人権監視団によると、シリア軍はマンスーラ村、タッル・ワースィト村に対しても空爆・砲撃を行った。

**

このほか、SANA(9月30日付)によると、ヒムス県ヒムス市のマハッタ(鉄道駅)地区、アルメニア地区、ワーディー・ザハブ地区、警察住宅地区など(いずれもシリア政府支配地域)に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾11発が着弾し、1人が死亡、19人が負傷した。

一方、シリア人権監視団は、ヌスラ戦線とともにヒムス県ラスタン市一帯で活動するタウヒード軍の司令官(第313旅団司令官)の一人ハサン・ハシュファ氏、ザフラーナ村法廷のアブドゥルムハイミン・アーガー裁判長が25日に何者かに暗殺されたと発表した。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、Sputnik News, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア大統領府声明「シリアからの正式な要請を受け、ロシア軍がシリア領内「テロとの戦い」の枠内で爆撃を開始」(2015年9月30日)

シリア大統領府は声明を出し、アサド大統領がロシアのヴラジミール・プーチン大統領に対して行った正式な要請に基づき、ロシア空軍が、「テロとの戦い」の枠組みのなかで派遣された、と発表した。

声明によると、「国外でのロシア空軍の活用をプーチン大統領に認めることを定めた法案をロシア連邦議会が承認したのを受け、シリア大統領府にシリア領内におけるロシア空軍の駐留形態に関する問い合わせがあった。これに基づき、我々は、国家間関係が、国際法・憲章、および国民の利益を実現し、国土保全を保障するための国家間の合意に基づくべきであることを確認した。これに基づき、ロシア軍のシリアへの派遣が、アサド大統領からプーチン大統領に送付された書簡を通じてシリア国家から正式に要請された。これは、テロとの戦いのためのプーチン大統領のイニシアチブの枠組みに基づく、ロシア空軍部隊の派遣要請を含むものである」という。

SANA(9月30日付)が伝えた。

AFP, September 30, 2015、AP, September 30, 2015、ARA News, September 30, 2015、Champress, September 30, 2015、al-Hayat, October 1, 2015、Iraqi News, September 30, 2015、Kull-na Shuraka’, September 30, 2015、al-Mada Press, September 30, 2015、Naharnet, September 30, 2015、NNA, September 30, 2015、Reuters, September 30, 2015、SANA, September 30, 2015、UPI, September 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

安倍首相が国連総会で演説:シリア、イラクの難民、国内避難民支援に向けた追加支援を約束(2015年9月29日)

安倍晋三内閣総理大臣は29日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、安部総理は「日本は、シリア・イラクの難民・国内避難民に向けた支援を一層厚くします。金額に換算すると、今年は約8.1億ドル。昨年実績の3倍となるでしょう」と述べ、緊急支援を約束した。

外務省ホームページ(2015年9月30日)をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県で「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室がアマル農場を制圧(2015年9月29日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、県北部でシリア軍と反体制武装集団の戦闘が続き、シリア軍が、反体制武装集団に制圧されたタルジャナ連隊展開地域一帯、そしてナブア・サフル村一帯を「樽爆弾」で空爆した。

フルカーン旅団が「一時の忍耐なくして勝利なし」と題した声明を出し、そのなかで、「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室がアマル農場、タルジャナ中隊展開地域を制圧、またハミーディーヤ村に進撃しようとしたシリア軍部隊を撃退したと発表した。

『ハヤート』(9月30日付)は、「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室に関して、複数の情報を総合し、以下の武装集団が参加していると伝えた。

シャーム征服(ファトフ)作戦司令室

イスラーム軍

シリア革命家戦線

アンサール・ディーン戦線

カシオン旅団

フルカーン旅団

またこれらの武装集団に加えて、シャームの剣大隊も参加していると見られる。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が人民防衛諸組織とともに、アマル農場、タルジャナ村、ハミーディーヤ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアルマー町を砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、タファス市、ダルアー市アブー・バクル・モスク一帯、アトマーン村で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア軍がダーライヤー市に「樽爆弾」8発を投下、また地対地ミサイルと思われる兵器で攻撃を加えた。

シリア軍はまた、ドゥーマー市に対しても空爆を行ったほか、ダーヒヤト・アサド町一帯で、イスラーム軍などのジハード主義武装集団と交戦した。

これに対して、ジハード主義武装集団は、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに展開するシリア軍戦車2輌を攻撃、破壊した。

このほか、ダマスカス県西部でジハード主義武装集団に逮捕されたハーン・シャイフ・キャンプ出身の男性が、拷問を受け死亡した。

この男性は、シリア政府に内通しているとの嫌疑で逮捕されていた。

これに対して、男性の遺族は、反体制武装集団の「シャリーア法廷」に訴えを起こし、この武装集団に補償金を支払うよう命じたという。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の支配下にあるジャウバル区を砲撃した。

また、ARA News(9月30日付)によると、ムハージリーン区、マッザ86地区、アブー・ルンマーナ地区、バーブ・トゥーマ区、旧市街、マーリキー地区などに反体制武装集団が撃ったと思われる迫撃砲弾複数発が着弾し、住民2人が死亡、5人が負傷した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がズィヤーラ町、マンスーラ村、カーヒラ村一帯を空爆した(死傷者はなかった)。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍がラターミナ町、ムーリク市東部でファトフ軍に対して特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまたマンスーラ村のファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハーリディーヤ地区のシリア軍拠点を反体制武装集団が砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、バニー・ザイド地区、カルム・マイサル地区、ジュダイダ地区、シャッアール地区、ブスターン・カスル地区、カーディー・アスカル地区などで反体制武装集団に対して正確に攻撃を行い、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム自由人イスラーム運動の仲介により、スィンジャール町郊外のヒヤーラ村の住民とシャームの民のヌスラ戦線が調停のための会合を開いた。

会合は、数日前にヌスラ戦線がヒヤーラ村を襲撃し、女児を殺害したことを受けたものだという。

一方、SANA(9月28日付)によると、タマーニア町、ジスル・シュグール市・フライカ村街道、アブー・ズフール町でシリア軍がファトフ軍の拠点、車列を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が人民防衛諸組織とともに、マリージュ村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が、ダイル・フール村、タルビーサ市で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 29, 2015、AP, September 29, 2015、ARA News, September 29, 2015、September 30, 2015、Champress, September 29, 2015、al-Hayat, September 30, 2015、Iraqi News, September 29, 2015、Kull-na Shuraka’, September 29, 2015、al-Mada Press, September 29, 2015、Naharnet, September 29, 2015、NNA, September 29, 2015、Reuters, September 29, 2015、SANA, September 29, 2015、UPI, September 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がヒムス県、アレッポ県、ラッカ県でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を爆撃、反体制派はダマスカス県ヤルムーク・キャンプ一帯、ダルアー県でダーイシュと勢力争い(2015年9月29日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーイル・ガス採掘所一帯、マクサル・ヒサーン村一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、シリア軍がタドムル市・スフナ市街道一帯を空爆した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍がシャーイル・ガス採掘所一帯、タフハ村、タドムル市北西部採石場一帯でダーイシュ(イスラーム国)を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受けるクワイリス航空基地一帯をシリア軍が空爆した。

このほか、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)は、マンビジュ市郊外の村で男性(老人)3人を「アッラーの支配、イスラーム国家、アッラーの裁定の実行に対する戦争に参加」したとの罪で銃殺刑に処した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍がシャイフ・ルトフィー村、クワイリス航空基地一帯、アルバイド村、ラスム・アブド村、ナイラブ航空基地一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、SANA(9月28日付)によると、シリア軍がラッカ市内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

スワイダー県では、SANA(9月28日付)によると、ヒルバ村、アシュハイブ丘で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯および隣接するカダム区一帯で、ダーイシュとジハード主義武装集団どうしが交戦した。 

**

ハサカ県では、ARA News(9月30日付)によると、有志連合がハッダーディー市のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を行った。

AFP, September 29, 2015、AP, September 29, 2015、ARA News, September 29, 2015、September 30, 2015、Champress, September 29, 2015、al-Hayat, September 30, 2015、Iraqi News, September 29, 2015、Kull-na Shuraka’, September 29, 2015、al-Mada Press, September 29, 2015、Naharnet, September 29, 2015、NNA, September 29, 2015、Reuters, September 29, 2015、SANA, September 29, 2015、UPI, September 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

キャメロン英首相「アサドと共にダーイシュに対抗することは正しいことで、行われていないとしても、うまくは行かないだろう」(2015年9月29日)

英国のデヴィッド・キャメロン首相はCBS(9月29日付)のインタビュー番組(http://www.cbsnews.com/videos/british-pm-cameron-teaming-up-with-assad-to-defeat-isis-is-phony-solution/)に出演した。

シリア情勢に関して、キャメロン首相は「もっとも難解な問題」だとしたうえで、以下のように述べた。

「現下の問題は、ロシアとイランが、アサドのいないシリアの国家の最終的なありようについて熟慮していないことだ…。IS(ダーイシュ(イスラーム国)がアサドより悪いと考えている人がいることを知っている。だからといって、我々はアサドと何らかのかたちで交渉して、共にISに対抗すべきではないのか。それは魅力的な話だが、もしたとえそれが、行うべき正しいことでありにもかかわらず行われていないとしても、うまくは行かないだろう。我々は、ISとアサドから解放されたシリアを必要としている」。

「米国の主張に私は同意しているが、それは移行する必要があるというものだ。しかし、明白なのは、移行期の最後には、アサドはシリアの元首ではあり得ないということことだ。そのようなことがあったら、ことはうまく進まないだろう」。

「我々がロシアやイランとどれほどの隔たりがあろうと、この2カ国はシリアで起きていることに影響を及ぼすことができ、我々は、異なった指導者が指導する新たなシリアが必ずしもこれらの国の国益に反しないと確信している。いや、それは、ISの排除の助けになるだろう」。

「我々は「穏健な反体制派」を教練してきた。しかし、我々の教練は十分ではなく、彼らも成功を収めていないし、そのプレゼンスも十分ではない」。

「彼(アサド大統領)は、驚愕すべきこと、数十万という自国民の虐殺をしたし、数百万が避難している。私見では、彼は国際法に違反しており、去らねばならない」。

AFP, September 29, 2015、AP, September 29, 2015、ARA News, September 29, 2015、CBS, Septmeber 29, 2015、Champress, September 29, 2015、al-Hayat, September 30, 2015、Iraqi News, September 29, 2015、Kull-na Shuraka’, September 29, 2015、al-Mada Press, September 29, 2015、Naharnet, September 29, 2015、NNA, September 29, 2015、Reuters, September 29, 2015、SANA, September 29, 2015、UPI, September 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領とオバマ米大統領がシリア情勢をめぐって直接会談:シリア領内での偶発的な衝突を回避するため、両国軍による協議開催を支持することで合意(2015年9月28日)

国連総会出席のため米国を訪問中のロシアのヴラジミール・プーチン大統領がニューヨークでバラク・オバマ米大統領と会談し、シリア情勢、ウクライナ情勢などについて意見を交わした。

米政府関係者が匿名を条件に明らかにしたところによると、90分におよぶ会談で、両首脳は、シリア領内での偶発的な衝突を回避するため、両国軍による協議開催を支持することで合意した。

プーチン大統領は会談後、記者団に対し「戦場におり、ダーイシュを筆頭とするテロリストに抵抗し、戦っている者たちを支援するために、さらに何をすべきかを思案している」と述べ、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリア政府とクルド人部隊(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊)への支援強化について検討していることを明らかにした。

しかし、アサド大統領の進退については意見が一致せず、オバマ大統領は、アサド政権の退陣がシリアの安定には必要だとする従来の主張を繰り返したという。

ロイター通信(9月28日付)が伝えた。

**

ジョン・ケリー米国務長官は、プーチン・オバマ会談後、NBC News(9月29日付)のインタビューで、「シリアが統一国家、世俗国家なければならないこと、ダーイシュ(イスラーム国)に対抗する必要があること、そして政治移行プロセスを進める必要があること」でロシア側と合意が成立していると述べた。

一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、RT(9月29日付)に対して、プーチン・オバマ会談を「非常に建設的だった」と評したうえで、「ダーイシュを敗北させることが共通の目標であることで合意した」と述べた。

またシリアの紛争に関しては、「具体的なプロセスは決まっていない」としながらも、協力を継続することで合意した」と述べた。

AFP, September 29, 2015、AP, September 29, 2015、ARA News, September 29, 2015、Champress, September 29, 2015、NBC Newsal-Hayat, September 30, 2015、Iraqi News, September 29, 2015、Kull-na Shuraka’, September 29, 2015、al-Mada Press, September 29, 2015、Naharnet, September 29, 2015、NNA, September 29, 2015、Reuters, September 29, 2015、RT, September 29, 2015、SANA, September 29, 2015、UPI, September 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムジャーヒディーン軍の作戦司令官「エジプトのシーア派民兵が最近になってシリア軍を支援するために派遣された」(2015年9月28日)

ムジャーヒディーン軍のアレッポ市ラーシディーン地区作戦司令室司令官の「アミーン大佐」を名乗る活動家は、クッルナー・シュラカー(9月28日付)に対して、「エジプトのシーア派」民兵が最近になってシリア軍を支援するために派遣されていることが確認されている、と述べた。

「アミーン大佐」によると、アレッポ市一帯では、レバノン人、イラン人、アフガン人、北朝鮮人、ロシア人などがシリア軍を支援するために戦闘に参加しているというが、これに加えて、エジプト人シーア派もアレッポ市西部一帯での戦闘に加わり始めたのだという。

なお、イブン・ハルドゥーン・センターによると、エジプトにおけるシーア派人口は2005年1月時点の推計で約65万7,000人(エジプト総人口の1%以下)という。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

クナイトラ県、ダマスカス郊外県、アレッポ市郊外で、シリア軍とジハード主義武装集団の戦闘続く(2015年9月28日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、前日のイスラエル軍によるシリア領内(シリア軍拠点)への攻撃にもかかわらず、シリア軍は国防隊とともに、アフマル丘、ハドル村一帯で反体制武装集団と交戦、同地一帯を「樽爆弾」で空爆した。

クッルナー・シュラカー(9月28日付)によると、「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室は県北部に展開していたシリア軍第90師団所属第4中隊(タルジャナ中隊)を制圧したという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市、マダーヤー町一帯、ナシャービーヤ町およびその一帯を「樽爆弾」などで空爆し、少なくとも3人が死亡した。

ARA News(9月28日付)によると、ザバダーニー市一帯およびフーア市・カファルヤー町一帯の一時停戦対象地域内に位置するマダーヤー町への空爆では、女性1人が死亡した。

シリア軍と国防隊はまた、ダーヒヤト・アサド町郊外のダマスカス・ヒムス街道(国際幹線道路)一帯で、イスラーム軍などジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が重火器で攻撃を行った。

一方、SANA(9月28日付)によると、ドゥーマー市西方、サマーディー村、アーリヤ農場、ハラスター市北部農場地帯、ダイル・アサーフィール市農場地帯、ダイル・サルマーン街農場地帯で、シリア軍がイスラーム軍と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(9月29日付)によると、西カラムーン地方(レバノン国境地帯)で活動する反体制武装集団は、「シャームの民中隊」の名で統合すると発表した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市、ザカート村をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が、ウカイリバート町、ジャニー・アルバーウィー村、ラフジャーン村、ウンム・マイヤール村で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(9月28日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、カフルナブル市で住民多数を逮捕した。

逮捕された住民は、シリア軍士官の家族だという。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の支配下にあるタルビーサ市のウラマー委員会の委員長を務めるアクラム・ハーッジ・イーサー氏が、市内のアビー・バクル・モスクでの早朝の礼拝を終え、モスクを出た直後に何者かに殺害された。

同監視団によると、タルビーサ市はまた、シリア軍が西部各所を砲撃し、ジハード主義武装集団司令官1人が死亡したという。

また、同じく反体制武装集団の支配下にあるヒムス市ワアル地区では、シリア軍が深夜に重火器による攻撃を再び激化させ、子供、武装集団戦闘員ら合わせて24人が死亡した。

ワアル地区へのシリア軍による砲撃は27日から激しさを増している。

シリア軍はこのほかにも、サアン・アスワド村、ガントゥー市、ハルムーズ村を砲撃し、少なくとも3人が死亡した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が、ラスタン市、ガントゥー市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アイン・タッル地区、旧市街、ザフラー協会地区、バーシュカウィー村一帯、ハンダラート・キャンプ一帯、ブライジュ村などで、シリア軍、国防隊、バアス大隊、ヒズブッラー戦闘員、アジア系・アラブ系外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線、ムハーリジーン・ワ・アンサール軍(チェチェン人など)などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

ARA News(9月28日付)によると、シリア軍はまた、アレッポ市カーティルジー地区、マイサル地区、旧市街、シャッアール地区、カッラーサ地区に対しても空爆を行い、少なくとも3人が死亡した。

一方、クッルナー・シュラカー(9月28日付)によると、アレッポ市南部のダマスカス・アレッポ街道(国際幹線道路)沿いのICARDA郊外の農場地帯にあるアジュナード・シャーム・イスラーム連合の拠点に対して、何者かが爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、戦闘員3人が死亡、2人が負傷した。

他方、SANA(9月28日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、ラーシディーン地区、ザフラー境界一帯、カースティールー地区、ラームーサ地区、ハラク地区、シャイフ・サイード地区、ブスターン・カスル地区、カルム・タッラーブ地区、マアスラーニーヤ地区、シュカイイフ地区、製材所、サミーリーヤ村、ワディーヒー村、ナイラブ航空基地一帯でシリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、ARA News(9月28日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区での西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊での戦闘に敗れて撤退したシャーム戦線(ないしはシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線)が、シリア政府支配下にとどまるヌッブル市、ザフラー町に対して砲撃を激化させた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒーシュ村を空爆し、6人が死亡した。

**

ダルアー県では、SANA(9月28日付)によると、シリア軍がヌアイマ村、アトマーン村・タファス市街道でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、ARA News(9月28日付)によると、ロシア大使館などがあるアダウィー地区の乗り合いタクシー停留所に迫撃砲弾1発が着弾し、住民2人が死亡、5人が負傷した。

ダマスカス警察筋によると、この迫撃砲は、ジャウバル区に潜伏を続ける反体制武装集団が撃ったものだという。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、September 29, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍戦闘機がダイル・ザウル県で、有志連合がアレッポ県北部でダーイシュ(イスラーム国)を爆撃(2015年9月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明、ただしクッルナー・シュラカー(9月28日付)によるとシリア軍戦闘機)がスブハ村とブーライル村を結ぶ水路一帯、ブーライル村内、マヤーディーン市内の市場を複数回にわたり空爆し、子供3人、女性1人を含む13人が死亡、50人以上が負傷した(シリア人権監視団は29日、死者が31人にのぼったと発表した。また、クッルナー・シュラカー(9月29日付)も死者は40人以上にのぼっていると伝えた)。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリア軍が、ハトラ村、サアワ村でダーイシュ(イスラーム国)に対して集中的に攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、ARA News(9月28日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)支配下のサフィール市東部クワイリス航空基地一帯への「樽爆弾」などによる空爆を再び激化させた。

また、SANA(9月28日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(9月28日付)によると、有志連合が未明に、マーリア市郊外のタラーリーン村、ダフラ村、ハルジャラ村にあるダーイシュ(イスラーム国)の武器庫を空爆、破壊した。

**

スワイダー県では、SANA(9月28日付)によると、県東部の砂漠地帯で、人民防衛諸集団がダーイシュ(イスラーム国)の侵入を阻止した。

**

ヒムス県では、SANA(9月28日付)によると、シリア軍がタドムル市・スフナ市街道、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、タイフール村南部、タドムル市、ドゥワイズィーン村、アルサーン丘でダーイシュ(イスラーム国)の拠点などを空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、September 30, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、September 30, 3015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カタールのタミーム首長が国連総会で演説「独裁の時代を終わらせ、ダマスカスから過激派とテロを遠ざけるような政治的解決が必要」(2015年9月28日)

カタールのタミーム・ビン・ハマド・サーニー首長は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、タミーム首長は以下のように述べた。

「シリア政府が行う卑劣な犯罪と蛮行が…この地域を脅かす過激主義の温床を創り出した」。

「シリア政府は、テロリズムという概念を利用し、平和的なデモをテロリズムと評す一方で、シリア政府は実質的なテロ行為を行ってきた」。

「独裁の時代を終わら、ダマスカスから過激派とテロを遠ざけるような政治的解決が必要だ」。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国のオバマ大統領が国連総会で演説「ロシア、イランを含むあらゆる国と紛争を解決するために協力する用意があるが、戦争前の現状に立ち返ることはできないということを理解しなければならない」(2015年9月28日)

米国のバラク・オバマ大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、オバマ大統領は以下のように述べた。

「独裁者が、数十万という自国民を殺害するとき、それはもはや一国の内政問題ではない…。またテロ組織が人質の首をはね、無実の人々や奴隷扱いされた女性を殺害するときも、一国の安全保障問題ではない。それは全人類に対する攻撃だ」。

「ISILのような破壊的なカルトとの妥協の余地はない。我々の軍…を駆使して、彼らを追い詰めることに米国は何の釈明もしない」。

「しかし軍事力が必要とは言え、シリアの状況を解決するにはそれだけでは不十分だ。持続的な安定は、シリア国民が平和に共存することを合意したときにのみ実現する。米国は、ロシア、イランを含むあらゆる国と紛争を解決するために協力する用意がある。しかし、我々は、これほどの流血と虐殺があったなかで、戦争前の現状に立ち返ることはできないということを理解しなければならない」。

「この紛争がどのように始まったか思い出してみよう。アサドが平和的デモに過剰な抑圧を加え、殺害したことが、現下の対立の環境を創り出した。だから、アサドとその同盟者は、化学兵器や無差別爆撃の被害を受けてきた大多数の国民をなだめることはできない。リアリズムは、戦いを終わらせ、ISILを撲滅するために妥協が求められていると言っている。しかし、リアリズムはまた、アサドを遠ざけ、新たな指導者、そして新たな包括的な政府に移行することも求めている」。


AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イランのロウハーニー大統領が国連総会で演説「違法な武力行使への脅迫や、実際の武力行使は暴力と危機をさらに悪化させるだけ」(2015年9月28日)

イランのハサン・ロウハーニー大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、ロウハーニー大統領は以下のように述べた。

「シリアにおける人道危機は、我々の地域における暴力と過激主義の拡散を示す痛ましい一例だ。危機の当初から、そして一部の地域および国際社会のアクターが、シリアに武器や諜報を注ぎ込み、過激派を積極的に支援することで、事態の軍事化に寄与している間、我々は、シリア危機には軍事的解決策はないと強調してきた。拡張主義的な戦略や目的の追求や、地域のバランスを代理人を通じて変化させようとする試みは、人道的なレトリックではカムフラージュできない。無実の人々の殺戮を早急に終わらせることを国際社会の共通の目標とすべきだ。あらゆる化学兵器の使用を非難するとともに、我々は、シリアが化学兵器禁止条約を受諾したことを歓迎している。また過激派がこうした武器を入手することが、地域をさらなる危険へと陥れることは、あらゆる武器不拡散にかかる計画において考慮されるべきだと考えている。同時に、違法で効果のない武力行使への脅迫や、実際に武力行使を行うことが、地域における暴力と危機をさらに悪化させるだけだと点を強調したい」。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領が国連総会で演説「テロに真正面から果敢に戦いを挑んでいるシリア政府やその軍との協力を拒否することは大きな間違い…アサド大統領の軍、そしてクルド人の部隊以外にシリアでダーイシュなどのテロ組織と真に戦っている者はいないということを認めるべき」(2015年9月28日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、プーチン大統領は以下のように述べた。

「いわゆるイスラーム国の旗のもとで、数十万の民兵が戦っている。そのなかには、2003年のイラク侵攻で路頭に放り出された元イラク兵も含まれている。多くの兵士がリビアからやって来ているが、この国は国連安保理決議第1973号への深刻な違反によって破壊されたと理解し得る国だ。そして今度は、過激派集団に、西側諸国の支援を受けているシリアのいわゆる「穏健な反体制派」のメンバーが加わっている」。

「彼らはまず武装し、教練を受け、そしていわゆるイスラーム国に鞍替えしている。さらにイスラーム国そのものが、どこからともなく表れたのではない。彼らはそもそもは、望ましくない世俗的体制を倒すための道具として登場したのだ」。

「ロシアは常に一貫して、あらゆるテロと戦ってきた。今日、我々は、テロ組織と戦っているイラク、シリアといった地域諸国に軍事・技術支援を行っている」。

「我々は、テロに真正面から果敢に戦いを挑んでいるシリア政府やその軍との協力を拒否することは大きな間違いだと考えている。我々は、アサド大統領の軍、そしてクルド人の部隊以外にシリアでイスラーム国などのテロ組織と真に戦っている者はいないということを認めるべきだ」。

「ロシアは近く…、中東における脅威を包括的に分析するための閣僚会合を(国連で)招集するつもりだ。我々は何よりもまず、イスラーム国をはじめとするテロ組織と対決するすべての勢力の活動を調整するための決議に合意できるかを議論することを提案する…。この調整は、国連憲章の原則に基づくべきだ」。

「そのうえで、新たな難民キャンプを設置する必要がある…。しかし、この問題(難民・移民問題)を根本的に解決する方法とは、破壊されたかれらの彼らの国を建て直し、政府機関を強化し…、包括的な軍事、経済、物的支援を行うことにある…。主権国家に対するいかなる支援も、国連憲章に沿ってのみ行われ得るし、そうでなければならない」。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

潘事務総長が国連総会演説で、ロシア外務副外相の提唱した「連絡グループ会合」に同調(2015年9月28日)

国連の潘基文事務総長は、各国首脳らによる一般教書演説に先立って国連総会で演説した。

シリア情勢に関して、潘事務総長は以下のように述べ、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣が提唱した米、ロシア、サウジアラビア、トルコ、エジプトの5カ国による連絡グループ設置への支持を表明した。

「シリア人は、抑圧、過激主義、破壊、恐怖ゆえに、自分たちの国、そして家を離れようとしている。安保理などでの4年にわたる外交麻痺は、シリアの危機を制御不能にすることを許してしまった」。

「紛争を終わらせる責任は何よりもまず、戦いを行っているシリアの当事者にある。彼らこそが、自分たちの国を廃墟にしようとしている者たちだ」。

「しかし、シリア国内だけで解決策を求めるだけでは不十分だ。戦いはまた、地域諸国やそこでの対立関係によって突き動かされている。武器と資金がこの国に流入していることで、火に油が注がれてしまっている」。

「私が任命した共同特別代表(スタファン・デミストゥラ氏)は、平和的解決の基礎を確立すべく可能なすべてのことを行っている。今こそ、彼以外、とりわけ安保理と重要な地域のアクターたちが踏み出す時だ。とくに5カ国がカギを握っている。ロシア、米国、サウジアラビア、イラン、トルコだ。お互いに妥協しない限りにおいて、現場での変化を期待しても無駄だ」。

「無実のシリア人がさらなる「樽爆弾」とテロの代償を払うことになる。残虐な犯罪を免れることはできない。我々は国際刑事裁判所に問題を付託すべきだ」。


AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのボグダノフ外務副大臣「シリアでの紛争解決に向け、米露、サウジ、トルコ、エジプトなどからなる連絡グループが会合を開くべき」(2015年9月28日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣はスプートニク通信(9月27日付)に対し、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が設置に向け準備を続けている四つの作業グループと合わせて、「国連総会終了後、10月までにもっとも強い影響力を持つ諸外国からなる連絡グループが会合を開くべきだと考えている」と述べた。

この連絡グループに関して、ボグダノフ外務副大臣は「我々は、ロシア、米国、サウジアラビア、トルコ、エジプトの名を参加国として挙げてきた」と付言した。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、Sputonik, September 28, 2017、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドイツのフォン・デア・ライエン国防大臣「アサド大統領が永遠にシリアの指導者ではない」(2015年9月28日)

ドイツのウルズラ・フォン・デア・ライエン国防大臣は、シリア情勢に関して、「アサド大統領が永遠にシリアの指導者ではない。彼は長期的に紛争解決策の一部とはなり得ない」と述べた。

ARA News(9月28日付)などが伝えた。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フランス議員・記者使節団がオランド大統領の強硬姿勢維持を尻目にダマスカスを訪問(2015年9月28日)

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、シリアを訪問中のフランス議員・記者使節団と会談した。

SANA(9月28日付)によると、ラッハーム人民議会議長は会談で、中東地域諸国のタクフィール主義テロへの対応に失敗したことを西側諸国が認める時が来た、としたうえで、シリアに対する西側諸国のこうした政策、路線を正す役割を国会議員が担っていると強調した。

これに対して、フランス議員・記者使節団団長でフランス・シリア友好協会代表のジャラルド・バプト議員は、使節団の訪問が政治的・外交的な性格を持つものではなく、人道状況の視察、食糧人道支援や遺跡保護のニーズの確認することが目的だとしつつ、テロによって破壊されたインフラなどの復旧をめざすシリア国民の粘り強い努力を賞賛した。

SANA, September 28, 2015
SANA, September 28, 2015

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フランスのオランド大統領「フランスはアサドを解決策の一部として受け入れないとの姿勢において孤立していない」(2015年9月28日)

『ハヤート』(9月29日付)は、フランス消息筋の話として、国連総会出席のためにニューヨークを訪問中のフランソワ・オランド大統領が、トルコのアフメト・ダウトオール首相と会談し、シリア情勢、なかでもシリア北部における「安全地帯」設置について意見を交わしたと伝えた。

同消息筋のよると、オランド大統領は会談で、「フランスはアサドを解決策の一部として受け入れないとの姿勢において孤立していない」と述べ、この点においてトルコと違わないことを確認したという。

そのうえで、トルコ領内の避難民の状況を改善し、欧州へのさらなる移民の流入を阻止するために、トルコ政府と協力、その負担軽減をめざす意思を示したという。

**

フランスのフランソワ大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。

シリア情勢に関して、オランド大統領は、アサド大統領を「独裁者」と評し、国民に対して部差別空爆を行うことで、多くの難民を生み出したと指摘、難民・移民問題の原因が、テロリストによる暴力だけでなく、アサド政権による弾圧にあると非難した。

そのうえで、ジュネーブ合意(2012年)やジュネーブ2会議(2014年)に基づき、すべての反体制勢力を包摂するかたちで移行期政府を樹立することで、紛争を政治的(外交的)に解決へと導くべきだと主張し、紛争の原因であるバッシャール・アサドを移行プロセスに含めるべきではないと改めて強調した。

AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.