イスラエル軍が占領下のゴラン高原上空から首都ダマスカス南方にミサイル複数発を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃(2022年6月6日)

SANA(6月6日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍が午後11時18分に、占領下のゴラン高原上空から、首都ダマスカス南方にミサイル複数発を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、ほとんどを撃破した、と伝えた。

ミサイル攻撃により若干の物的被害が出たという。

シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃は、レバノンのヒズブッラーの部隊やシリア軍防空部隊が展開するダマスカス郊外県キスワ市一帯に対して行われた。

発射されたミサイルは10発、うち少なくとも7発は撃破されたが、ダマスカス郊外県アクラバー町に1発が着弾し、物的被害が出た。

AFP, June 6, 2022、ANHA, June 6, 2022、‘Inab Baladi, June 6, 2022、Orient News, June 6, 2022、Reuters, June 6, 2022、SANA, June 6, 2022、SOHR, June 6, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県、アレッポ県北部への砲撃を続ける(2022年6月6日)

ラッカ県では、SANA(6月6日付)、ANHA(6月6日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、サクル・レストラン、M4高速道路沿線を砲撃した。

トルコ軍はまた、アイン・イーサー市の工業地区で住民1人を狙撃し、負傷させた。

**

アレッポ県では、ANHA(6月6日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市西のカウカリー村、タッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村を砲撃した。


一方、トルコ占領下のアアザーズ市では、シリア国民軍に所属する北の嵐旅団のメンバーの車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、メンバー1人が負傷した。

また、同じくトルコ占領下のアフリーン市では、マワーリー部族の民兵シリア国民軍に所属するハムザ師団の検問所を襲撃し、戦闘員1人を負傷させた。

**

ハサカ県では、SANA(6月6日付)、ANHA(6月6日付)によると、電力公社の復旧チームが4日のトルコ軍とシリア国民軍によるウンム・カイフ村一帯の要撃で破壊された送電線を修復し、タッル・タムル町の変電所への電力の供給を再開させた。

AFP, June 6, 2022、ANHA, June 6, 2022、‘Inab Baladi, June 6, 2022、Orient News, June 6, 2022、Reuters, June 6, 2022、SANA, June 6, 2022、SOHR, June 6, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省は過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反12件を確認したと発表(2022年6月6日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(イドリブ県6件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県0件)確認したと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 6, 2022をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はロシア軍の護衛を受け、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市近郊の国境で防護壁を再建(2022年6月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市郊外のクライブ村に近い国境地帯で、トルコ軍がコンクリート製の防御壁を再設置する作業を行った。

同地の防御壁は、2022年1月8日に一度撤去されていた。

再設置作業中、地元の武装集団が現場に向けて発砲し、住民らが一次避難、ロシア軍が憲兵隊とヘリコプター1機が介入し、作業現場を監視、事なきを得た。

AFP, June 5, 2022、ANHA, June 5, 2022、Orient News, June 5, 2022、Reuters, June 5, 2022、SANA, June 5, 2022、SOHR, June 5, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県北部、ラッカ県北部を砲撃し、住民3人負傷(2022年6月5日)

アレッポ県では、ANHA(6月5日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のスーガーニカ村、マーリキーヤ村、マルアナーズ村、ウンム・クラー村、ワフシーヤ村、バイナ村、ダイル・ジャマール村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、マンビジュ市西のハムラー村、ブーガーズ村、トルコ占領下のバーブ市東の農村地帯を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(6月5日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のアブー・ナイトゥーラ村を砲撃し、住民3人が負傷した。

AFP, June 5, 2022、ANHA, June 5, 2022、Orient News, June 5, 2022、Reuters, June 5, 2022、SANA, June 5, 2022、SOHR, June 5, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省は過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反9件を確認したと発表(2022年6月5日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

AFP, June 5, 2022、ANHA, June 5, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2022、Orient News, June 5, 2022、Reuters, June 5, 2022、SANA, June 5, 2022、SOHR, June 5, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍が占領下のラアス・アイン市近郊の国境地帯で、革命特殊任務軍と米主導の有志連合が55キロ地帯でそれぞれ軍事演習(2022年6月4日)

ハサカ県では、リア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍が占領下のラアス・アイン市近郊の国境地帯で軍事演習を行った。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米軍が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、革命特殊任務軍が有志連合の部隊と合同軍事演習を行った。

AFP, June 4, 2022、ANHA, June 4, 2022、Orient News, June 4, 2022、Reuters, June 4, 2022、SANA, June 4, 2022、SOHR, June 4, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアレッポ県アアザーズ市で、トルコのSTE電力会社に対する抗議デモが発生(2022年6月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるいわゆる「ユーフラテスの盾」地域のアアザーズ市で、トルコのSTE電力会社に対する抗議デモが発生し、シリア国民軍諸派の戦闘員らが強制排除を試みた。

また、前日のジンディールス町でのデモでシリア国民軍の憲兵隊によって撃たれて重体だったダイル・ザウル県からの国内避難民(IDPs)で東部軍のメンバーの男性1人が死亡した。



AFP, June 4, 2022、ANHA, June 4, 2022、Orient News, June 4, 2022、Reuters, June 4, 2022、SANA, June 4, 2022、SOHR, June 4, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町一帯を砲撃、6人負傷(2022年6月4日)

ハサカ県では、SANA(6月4日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村一帯を砲撃し、送電線が破壊され、タッル・タムル町の変電所への電力の供給が途絶えた。

ANHA(6月4日付)によると、この砲撃で、シリア軍兵士6人が負傷した。

**

 

アレッポ県では、ANHA(6月4日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊のハムラー村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、タッル・リフアト市近郊のバイナ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

AFP, June 4, 2022、ANHA, June 4, 2022、Orient News, June 4, 2022、Reuters, June 4, 2022、SANA, June 4, 2022、SOHR, June 4, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機2機がラサーファ砂漠でダーイシュの拠点に爆撃を実施(2022年6月3日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機2機がラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して爆撃を実施した。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍はヘルモン山近くから占領下のゴラン高原に密入国しようとしたシリア人男性1人を拘束(2022年6月3日)

タイム・オブ・イスラエル(6月3日付)は、イスラエル軍がクナイトラ県のヘルモン山(シャイフ山)近くから、イスラエルの占領下にあるゴラン高原に密入国しようとしたシリア人男性1人を拘束したと伝えた。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022、The Times of Israel, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアレッポ県各所で断続的な停電に抗議するデモがトルコのSTE電力会社前で行われ、シリア国民軍が参加者に実弾を発砲し、1人死亡(2022年6月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるいわゆる「オリーブの枝」地域のアフリーン市、ジンディールス町、「ユーフラテスの盾」地域のマーリア市、スーラーン町(スーラーン・アアザーズ町)などで、トルコのSTE電力会社に対する抗議デモが発生した。

デモは、占領地での断続的な停電に抗議するもの。

同地は、STE社のほかに、トルコのAKエネルギー社が電力を供給している。

ジンディールス町では、トルコの支援を受けるシリア国民軍の憲兵隊がデモの強制排除を試み、参加者に実弾を発砲、1人が撃たれて死亡、アフリーン市でも憲兵隊とSTE社の守衛が実弾を発砲し、2人が負傷した。

一方、マーリア市では、デモ参加者がSTE社のビルに押し入り、放火した。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

外務在外居住者省は欧州理事会による対シリア制裁の継続を「現実と完全に乖離した嘘を繰り返し、シリアで起きている前向きな進展を完全に無視している」と非難(2022年6月3日)

外務在外居住者省の公式筋は声明を出し、欧州理事会がシリア政府関係者289人、70団体に対する資産凍結、渡航禁止などの制裁措置を2023年6月1日まで延長したことに関して、「現実と完全に乖離した嘘を繰り返し、シリアで起きている前向きな進展を完全に無視している」と批判した。

SANA(6月3日付)が伝えた。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ県北部、ラッカ県北部を砲撃(2022年6月3日)

アレッポ県では、ANHA(6月3日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市西のクールフユーク村、ブーガーズ村、カーウカリー村、バーブ市東のアリーマ町を砲撃した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属のマンビジュ軍事評議会は、ムフスィンリー村で「傭兵」(シリア国民軍戦闘員)1人を殺害したと発表した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、タッル・リフアト市近郊のカンタラ村、バイナ村、ウンム・クラー村、ワフシーヤ村、ウンム・フーシュ村、ハルバル村、アフラス村を砲撃し、住民1人が負傷した。

 

**

 

ラッカ県では、SANA(6月3日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村一帯を砲撃した。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クウェートとアレッポ国際空港を結ぶ旅客便の運航が再開される(2022年6月3日)

アレッポ国際空港(アレッポ県)のムハンマド・ミスリー社長は、クウェートとを結ぶ旅客便の運航が再開され、クウェート発の第1便が乗客85人を乗せて同空港に着陸したと発表した。

SANA(6月3日付)が伝えた。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がラサーファ砂漠でダーイシュの拠点に4回の爆撃を実施(2022年6月2日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して4回の爆撃を実施した。

AFP, June 3, 2022、ANHA, June 3, 2022、Orient News, June 3, 2022、Reuters, June 3, 2022、SANA, June 3, 2022、SOHR, June 3, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県タッル・タムル町近くのロシア軍基地一帯を砲撃(2022年6月2日)

ハサカ県では、ANHA(6月2日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町、タッル・タムル町に近いウンム・ムハルマラ村、ハドラーウィー村、ブービー村、バック村を砲撃した。

砲撃はタッル・タムル町の変電所、同町近郊のロシア軍基地一帯、アブー・ラースィーン町の北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の本部にも及んだ。

また、ウンム・ムハルマラ村で若い男性1人が負傷した。

**

アレッポ県では、ANHA(6月2日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のタルナダ村、タナブ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア国民軍はシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市北のムフスィンリー村とジャンダル村一帯に潜入し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会と交戦、マンビジュ軍事評議会の兵士1人を殺害した。

AFP, June 2, 2022、ANHA, June 2, 2022、Orient News, June 2, 2022、Reuters, June 2, 2022、SANA, June 2, 2022、SOHR, June 2, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのソイル内務大臣はシリア北部に避難民のために住居10万戸の建設をめざすと表明(2022年6月1日)

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、「我々は共にいる、我々はイドリブに寄り添う」と銘打ったキャンペーンの会合のなかで、内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)の主導のもと、トルコの12の慈善団体と連携して、シリア北部に避難民のために住居10万戸の建設をめざすと表明した。

ソイル内務大臣によると、現在すでに250ヵ所に6万戸を建設積みであり、今後は第1段階で2万こ、第2段階で5万戸の建設を進めていく計画だという。

既に建設された6万戸のうち、約4万5000戸はイドリブ県、1万3000戸以上は「ユーフラテスの盾」、「オリーブの枝」地域に建設され、約5万1000戸が入居済みだという。

https://twitter.com/AFADBaskanlik/status/1532021077605490691

AFP, June 1, 2022、ANHA, June 1, 2022、Orient News, June 1, 2022、Reuters, June 1, 2022、SANA, June 1, 2022、SOHR, June 1, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

欧州理事会はシリア政府に対する制裁措置を2023年6月1日まで延長することを決定(2022年6月1日)

欧州理事会はシリア政府に対する制裁措置を2023年6月1日まで延長することを決定した。

延長された資産凍結、渡航禁止の対象は、289人、70団体。

死亡したバアス党シリア地域指導部の前副書記長だったムハンマド・サイード・ハヒーターン氏、科学研究センターの前所長だったサラーム・トゥウマ氏の2名、欧州司法裁判所での控訴でシリア政府との関与にかかる容疑を棄却されたビジネスマンのアブドゥルカーディル・サブラー氏は除外された。

オリエント・ニュース(6月1日付)が伝えた。

AFP, June 1, 2022、ANHA, June 1, 2022、Orient News, June 1, 2022、Reuters, June 1, 2022、SANA, June 1, 2022、SOHR, June 1, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領はシリア難民100万人の「自発的」帰還を目的とした「安全地帯」設置に向けた軍事作戦においてアレッポ県タッル・リフアト市一帯とマンビジュ市一帯からPKKを排除すると述べる(2022年6月1日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、与党公正発展党(AKP)の国会議員らを前に演説し、シリア難民100万人の「自発的」帰還を目的とした「安全地帯」設置に向けた軍事作戦に関して、アレッポ県タッル・リフアト市一帯とマンビジュ市一帯で、トルコが「分離主義テロリスト」とみなすクルディスタン労働者党(PKK)を排除する意向を明らかにした。

アナトリア通信(6月1日付)が伝えた。

AFP, June 1, 2022、Anadolu Ajansı, June 1, 2022、ANHA, June 1, 2022、Orient News, June 1, 2022、Reuters, June 1, 2022、SANA, June 1, 2022、SOHR, June 1, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はタッル・リフアト市をドローンで爆撃、米軍が拡張工事をしていたラファー・セメント工場の基地を砲撃、これを受け所属不明の戦闘機がトルコ占領下のタッル・アブヤド市を爆撃(2022年6月1日)

アレッポ県では、ANHA(6月1日付)によると、トルコ軍が自爆攻撃型の無人航空機(ドローン)で、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市の産婦人科クリニックを攻撃し、クリニックの施設に物的被害が出た。

トルコ軍はまた、シリア国民軍とともに、タッル・アブヤド市一帯、マンナグ航空基地、カフル・アントゥーン村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、砲撃では、マンナグ航空基地に設置されているシリア軍の拠点が狙われ、シリア軍兵士2人が負傷した。

トルコ軍はまた、シリア国民軍とともに、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市北のアウン・ダーダート村、ムフスィンリー村を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(6月1日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のアブー・ナイトゥーラ村、米軍がかつて駐留していたハッラーブ・ウシュク村近郊の基地(ラファージュ・セメント工場)を砲撃した。

ラファージュ・セメント工場は現在は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が基地として使用している。

シリア人権監視団によると、ラファージュ・セメント工場では、米軍が数日前に基地拡張、そしておそらくは再展開を目的としてブルドーザーやショベルカーなどの重機20輌で堀の掘削や土塁の建設作業を行っていたが、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北部での侵攻作戦実施の意志を示したのを受けて、撤退していた。

一連の砲撃を受け、所属不明の戦闘機複数機が、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市の国立病院脇に設置されているシリア国民軍の拠点に対して爆撃を行い、3人が死亡、6人が負傷した。

この爆撃に関して、シリア民主軍の広報センターは声明を出し、関与を否定した。

これに関して、シリア人権監視団は、ロシア軍戦闘機2機が、アレッポ県マンビジュ市からタッル・アブヤド市に至る地域上空に飛来し、低空で飛行、タッル・アブヤド市で空対空ミサイルの攻撃によると思われる爆発が発生したと発表した。

一方、オリエント・ニュースは、「シリア民主軍による虐殺」と断じた。

タッル・アブヤド市への爆撃に対抗して、トルコ軍とシリア国民軍はさらにアイン・イーサー市および同市一帯の村々への砲撃を行った。

砲撃は、アイン・イーサー市の市街地にも及んだ。

トルコ軍とシリア国民軍はさらに、タッル・アブヤド市近郊のシャウィーク・シャーシュ(シャシー)村を砲撃、女性1人とその娘1人の合わせて2人が負傷した。

このほか、ANHA(6月2日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍が県北部のクーラク村を砲撃し、住民1人が負傷した。

 

 

**

ハサカ県では、ANHA(6月1日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村、タッル・ジュムア村を砲撃した。

AFP, June 1, 2022、ANHA, June 1, 2022、June 2, 2022、Orient News, June 1, 2022、Reuters, June 1, 2022、SANA, June 1, 2022、SOHR, June 1, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍ヘリコプターがハサカ県のカーミシュリー市からアームーダー市、ダルバースィーヤ市、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町にいたる国境地帯上空に飛来、トルコ軍を牽制(2022年5月31日)

アレッポ県では、ANHA(5月31日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のアキーバ村、ウンム・フーシュ村、ウンム・クラー村、ワフシーヤ村、ダイル・ジャマール村、ザイワーン村、シャッアーラ村、スーガーニカ村の森林地帯、バイナ村を砲撃した。

 

**

 

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍ヘリコプター2機が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市からアームーダー市、ダルバースィーヤ市、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町にいたる国境地帯上空に飛来、偵察活動を行った。

偵察活動は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア難民100万人の「自発的」帰還を口実とした新たな軍事侵攻の実施を示唆したことを受けたもの。

AFP, May 31, 2022、ANHA, May 31, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2022、Reuters, May 31, 2022、SANA, May 31, 2022、SOHR, May 31, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市近郊のタッル・ザハブ村の住民がシリア軍検問所の支援を受けて米軍の車列の進行を阻止(2022年5月31日)

ハサカ県では、SANA(5月31日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるカーミシュリー市近郊のタッル・ザハブ村の住民がシリア軍検問所の支援を受けて、村を通過しようとした米軍の装甲車5輌と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の四輪駆動車1輌からなる車列の進行を阻止し、これを退却させた。

AFP, May 31, 2022、ANHA, May 31, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2022、Reuters, May 31, 2022、SANA, May 31, 2022、SOHR, May 31, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

NHK総合「おはよう日本」:シリア人傭兵がウクライナでロシア軍の爆撃により死亡(2022年5月31日)

NHK総合の「おはよう日本」(5月31日付)は、シリア人傭兵(「国際義勇兵」)がウクライナでの戦闘で死亡した伝えた。

死亡したのは、アブドゥッラフマーン・アフマドを名乗る男性。

ウクライナ東部ハルキウ州に対するロシア軍の爆撃で死亡したことを、NHK特派員が彼の上官だという男性から電話で伝えられた。

アフマド氏の遺体はその後シリアに移送され、同地で埋葬された。

アフマド氏の父は弁護士で、将来を嘱望されていたが、4年前にシリア領内に対するロシア軍の爆撃で母親ら家族を殺害され、反体制派の戦闘員になった。

ロシアの侵攻を受けるウクライナに共鳴し、同地入りし、ウクライナ軍とともにロシア軍との戦闘に参加していた。

**

ニュースは、トルコのイスタンブール支局の佐野圭崇記者がウクライナでロシア軍と戦うシリアの反体制派戦闘員に行ったインタビューをもとに制作された5月17日のNHK Worldのリポート(https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/videos/20220517210511912/)の内容を踏襲したもの。

5月17日のリポートでは、佐野記者のインタビューに応じた1人スハイル・ハンムード氏(スハイル・アブー・トウ(TOW))が、ウクライナ行きを決心した理由について、「カネが傭兵になったことの動機の一つだ…。トルコにいる妻と子供にカネを送って、自分たちで生活できるようにするためだ」と述べていた。

32歳のハンムード氏は、シリアでの戦闘に参加することで月20米ドルの報酬を得ていたが、生計を立てることができず、ウクライナで「傭兵」になる道を選んだという。

ハンムード氏はまた、「ウクライナに行くと、月2000米ドルを得られる…。妻にカネを送ることができる」などと述べた。

取材に応じたトルコの難民キャンプに身を寄せている妻も佐野記者のインタビューに対して、ハンムード氏の決断にショックを隠し切れない様子で、彼の身に何か起きたら、身寄りのいないトルコで生活ができなくなり、どうしていいか分からないなどと述べた。

ハンムード氏は3月末にシリアを発ち、4月半ば、妻はウクライナにいる彼からメッセージを受け取ったが、それ以降連絡が取れていないという。

一方、リポートは、傭兵の1人アブドゥッラフマーン・アフマド氏は、ウクライナで教練を行い、部下に対して「あそこにロシア兵がいると思って狙え…。我々がすべきは、多くのロシア兵を殺すことだ」と指導する様子を紹介した。

28歳のアフマド氏は、300人の部下とともにウクライナのために戦っているという。

アサド政権を支援するロシア軍が行った爆撃で5年前に母と弟を亡くした彼は、インタビューで「カネや信仰が動機ではない…。母と弟の仇をとりたい…。殺されてもいい」と答えている。

アフマド氏によると、ウクライナには自分が経験したのと似た状況があり、「ウクライナもシリアと同じように侵略を受けた…。私はウクライナの人々とともにある…。私はロシアを追い出すまで戦う」との決意を述べた。

彼の所在がシリアで最後に確認されたのは3月末。

その後、5月初め、NHKに対して、アフマド氏についての情報を得た。彼が所属する武装組織のリーダーは、彼はウクライナで死んだことを明かした。

司令官は「これは死んだ兵士のビデオだ…。私はこの若い男性がアブドゥッラフマーンだと分かった」と述べた。

彼が所属する武装組織のリーダーによると、彼はハルキウの前線でロシア軍の攻撃によって10人の兵士とともに殺害された。

アフマド氏の遺体はトルコを経由してシリアに移され、埋葬されたという。

アフマド氏ら傭兵は、トルコから貨物機でウクライナに移送されたという。

武装組織のリーダーによると、3,000人の傭兵がウクライナ入りし、「仲介者」を通じてウクライナ軍の指揮下に入っているという。

なお、対するアサド政権側は、40,000人がウクライナ行きを希望して登録を済ませており、ロシアは前線での戦闘に参加するシリア人には月7,000米ドル、それ以外の任務に就いた場合は月3,000米ドルを支給することを約束しているという。

シリアからウクライナに行っているのは「義勇兵」ではなく、カネで雇われている「傭兵」だが、トルコのウクライナ大使館は、シリアからの「義勇兵」はいないとNHKの取材に答えている。

また、中継地となっているトルコはシリアの反体制派に資金援助、教練を行っているが、トルコ外務省の報道官もシリアの反体制派がウクライナに入ったことについては否定している。

NHK, May 17, 2022、May 31, 2022をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領が電話会談でウクライナ情勢、シリア北部情勢への対応について意見を交わす(2022年5月30日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのヴラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行い、ウクライナ情勢への対応などについて意見を交わした。

アナトリア通信(5月30日付)によると、エルドアン大統領は電話会談で、プーチン大統領に対して、ロシア、ウクライナ双方が合意すれば、国連の代表も加えたかたちでイスタンブールで停戦会談を開催する用意があることを伝えた。

電話会談ではまた、シリア北部情勢への対応についても意見が交わされた。

AFP, May 30, 2022、ANHA, May 30, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2022、Reuters, May 30, 2022、SANA, May 30, 2022、SOHR, May 30, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

兵站物資を積んだ米軍の貨物車輌30輌からなる車列がイラクからワリード国境通行所を経由してシリア領内に侵入(2022年5月30日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、兵站物資を積んだ米軍の貨物車輌30輌からなる車列が、イラクからワリード国境通行所を経由してシリア領内に侵入、米軍基地があるシャッダーディー市方面に向かった。

AFP, May 30, 2022、ANHA, May 30, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2022、Reuters, May 30, 2022、SANA, May 30, 2022、SOHR, May 30, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで暮らしていた2家族がキャンプ内の劣悪な生活環境を理由に政府支配地に脱出(2022年5月30日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米軍が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで暮らしていた2家族が、キャンプ内の劣悪な生活環境を理由に、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由してシリア政府の支配地に脱出した。

一方、米国が違法に駐留を続けるヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、有志連合と革命特殊任務軍が合同軍事演習を行った。

AFP, May 30, 2022、ANHA, May 30, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2022、Reuters, May 30, 2022、SANA, May 30, 2022、SOHR, May 30, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍のドローンがカーミシュリー市東の村を爆撃し、女性1人を含む2人死亡、5人負傷、タッル・タウィール村の教会も大きな被害を受ける(2022年5月30日)

ハサカ県では、ANHA(5月30日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市東のスィーカルカー村の路上で車が攻撃を受けて炎上、乗っていた1人が負傷した。
https://hawarnews.com/ar/uploads//2022/05/30/151057_20.png

シリア人権監視団によると、攻撃はトルコ軍の無人航空機(ドローン)によるもので、女性1人を含む2人が死亡、5人が負傷した。

また、ANHA(5月30日付)、SANA(5月30日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯への砲撃を続けた。

これにより、アブー・ラースィーン町および周辺の農村の住民130人以上がトルコ軍とシリア国民軍砲撃を避けるため、タッル・タムル町方面に避難した。

また、トルコ軍とシリア国民軍の砲撃により、アッシリア教徒が暮らすタッル・タウィール村にあるマール・サーワー教会が大きな被害を受けた。


 

**

アレッポ県では、ANHA(5月30日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のウンム・フーシュ村、ワフシーヤ村、ガルーナータ村、スムーカ村、シャフバー・ダム、シャワーリガ村を砲撃した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、5月26日と27日にシーラーワー町一帯でトルコ軍の装甲車やシリア国民軍部隊を攻撃し、トルコ軍兵士3人とシリア国民軍戦闘員2人を殺害、トルコ軍兵士7人とシリア国民軍戦闘員4人を負傷させたと発表した。

**

ラッカ県では、ANHA(5月30日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村を砲撃した。

AFP, May 30, 2022、ANHA, May 30, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2022、Reuters, May 30, 2022、SANA, May 30, 2022、SOHR, May 30, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラン外務省報道官:トルコがシリア難民100万人の「自発的」帰還を口実にシリア北部への軍事侵攻を画策していることに関して、あらゆる軍事的措置に反対すると述べ拒否(2022年5月29日)

イラン外務省のサイード・ハティーブ・ザーデ報道官は、トルコがシリア難民100万人の「自発的」帰還を口実にシリア北部への軍事侵攻を画策していることに関して、「イラン政府はあらゆる軍事的措置に反対する」と述べ、拒否の姿勢を示した。

AFP, May 29, 2022、ANHA, May 29, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2022、Reuters, May 29, 2022、SANA, May 29, 2022、SOHR, May 29, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラビー・ジャディード:トルコ軍はシリア北部への軍事侵攻を中止か?(2022年5月29日)

アラビー・ジャディード(5月29日付)は、シリア国民軍の匿名筋の話として、トルコ軍司令部は、シリア国民軍に対して、シリア北部に対する軍事侵攻の中止する旨通達したと伝えた。

同匿名筋によると、5月28日に、トルコ占領下のアレッポ県北部にあるハワール・キリス村でトルコ軍とシリア国民軍の会合が開かれ、中止が通達されたという。

ロシア、米国、そしてイランの反発が中止の背景に見られるという。

トルコでは5月27日、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を議長とする国家安全保障会議が開催された。

だが、会議終了後に出された声明では、シリア北部に対する軍事侵攻について、目的は近隣諸国の主権の侵害ではなく、この地域をテロから浄化し、同地に平和を実現することにあると述べるにとどめ、作戦実施の有無、時期についての言及はなかった。

AFP, May 29, 2022、ANHA, May 29, 2022、al-‘Arabi al-Jadid, May 29, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2022、Reuters, May 29, 2022、SANA, May 29, 2022、SOHR, May 29, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.