シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから32日目となる5月31日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より34人(民間人4人、シリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員23人)増えて981人となった。
うち、313人が民間人(女性66人、子供77人を含む)、668人がシリア軍兵士(276人)および反体制武装集団戦闘員(392人)。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は77回、投下した「樽爆弾」の数は17発を記録、ロシア軍戦闘機も15回の爆撃を行った。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアムキーヤ町、ハウワーシュ村、フワイジャ村、サイヤード村、カフルズィーター市、ラトミーン村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでアムキーヤ町、ハウワーシュ村、フワイジャ村、シャフルナーズ村、カラ・ジュルン村に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍地上部隊は、ハウワーシュ村、フワイズ村一帯を砲撃し、シャーム解放機構の戦闘員15人を殺害し、同地での戦闘で戦闘員8人を殺害した。
対するシャーム解放機構もこの戦闘でシリア軍兵士7人を殺害した。
これに関して、シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官は、トルコの支援を受ける国民解放戦線、イッザ軍とともに、フワイズ村一帯でシリア軍の拠点を襲撃し、多数の兵士を殺傷したと発表した。
また、国民解放戦線も同地奪還を目的とする軍事作戦を開始したと発表した。
一方、SANA(5月31日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町を砲撃し、住居などに被害が出た。
これに対して、シリア軍はフワイジャ村、シャフルナーズ村、アンカーウィー村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃するとともに、フワイズ村方面から潜入しようとした反体制武装集団を撃破した。
このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月31日付)によると、シリア軍はシール・マガール村にあるトルコ軍監視所一帯を砲撃、トルコ軍側に複数の負傷者が出た。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサルジャ村一帯、ブナイン村灌木地帯、カフル・ウワイド村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ウライニバ村、ハーン・シャイフーン市一帯、カフル・ジャーリス村一帯、アイン・ラールーズ村一帯、イドリブ市西部郊外、イフスィム町、フバイト村、タッルアース村、フィキーア村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市一帯、フバイト村に「樽爆弾」を投下した。
ロシア軍もカフルアイン、ハーン・シャイフーン市、フバイト村を爆撃した。
またシリア軍は地上部隊は、ダイル・サンバル村、イドリブ県を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(アレッポ県1件、ラタキア県10件、ハマー県2件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、アレッポ県1件)確認した。
AFP, May 31, 2019、ANHA, May 31, 2019、AP, May 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2019、al-Hayat, June 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 31, 2019、Reuters, May 31, 2019、SANA, May 31, 2019、SOHR, May 31, 2019、UPI, May 31, 2019などをもとに作成。
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