イランとイスラエルの緊張激化を受け、米軍(有志連合)は、イランからのミサイルや無人航空機による攻撃に備えて、シリア領内の部隊の再配置と防御態勢の強化を実施(2025年6月21日)

シリア人権監視団によると、イランとイスラエルの緊張激化を受け、ハサカ県各所に基地を設置し、部隊を駐留させている米軍(有志連合)は、イランからのミサイルや無人航空機による攻撃に備えて、部隊の再配置と防御態勢の強化を実施した。

具体的には、装甲車輌や兵站車輌のより防御力の高い拠点への移動、防空システムの警戒レベルを引き上げ、航空偵の強化など。

また、米国の輸送機1機がハッラーブ・ジール村の飛行場に設置されている基地に、最新のレーダー・システム、対空防衛装備を輸送した。

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シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県では、シャアファ村で、米主導有志連合軍のヘリコプター2機が低空飛行している様子が確認された。

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イスラエル軍がダルアー県、クナイトラ県でイランの無人航空機を撃墜(2025年6月21日)

シリア人権監視団によると、ダルアー県では、イスラエルの防空部隊が早朝、ムサイフラ町上空で、イランの無人航空機1機を迎撃、破片の一部が民家前に落下した。

イスラエル軍また、マハッジャ町上空でも無人航空機1機を撃墜したほか、イランのミサイル1発が(南北)カリーム村近郊に着弾したが、人的・物的被害はなかった。

このほか、イスラエル軍戦闘機が県西部を低空で旋回した。

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シリア人権監視団によると、クナイトラ県では、イスラエル軍がジャッバー村上空でイランの無人航空機3機をウンム・バーティナ村上空で1機を迎撃、またカフターニーヤ町近くで1機を撃墜した。

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ロシアのボグダノフ外務副大臣兼大統領特使(中東地域担当):「シリア国内のロシア軍基地の処遇問題について、シャルア移行期政権と引き続き連絡を取り合っている」(2025年6月21日)

タス通信によると、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、アフマド・シャルア移行期政権と関係を築く意志があると述べた。

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タス通信によると、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣兼大統領特使(中東地域担当)は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の会場で記者団に対して、シリア国内のロシア軍基地の処遇問題について、シャルア移行期政権と引き続き連絡を取り合っていると述べた。

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スワイダー市で6月17日から開催されていた総会がシャルア移行期政権に対する勧告に合意し、閉会(2025年6月21日)

イナブ・バラディーなどによると、スワイダー県スワイダー市で6月17日から開催されていた総会が、アフマド・シャルア移行期政権に対する勧告に合意し、閉会した。

勧告は以下3つの主要な軸からなる。

1. 政治方針

  • シリアの国土と国民の統一という国家原則の再確認
  • スワイダー県住民のシリア国家全体への統合と関与の促進
  • いかなる外国からの干渉にも反対し、国家主権と独立意思の尊重
  • 国旗の掲揚をすべての政府機関に義務づけ、宗教的シンボルは礼拝所内に限定
  • 文民国家、正義、法、権利を保障する国家を建設するため、すべてのシリア人およびシャルア移行期政権と協力
  • 国家の形態(中央集権・地方分権など)に関しては、将来、制憲議会または国会ですべてのシリア人の参加のもとに決定するものとし、暫定措置として2011年法第107号(地方行政法)の修正適用を提案
  • 移行期政権との権利、義務、市民権の原則に基づく均衡関係の構築
  • 総会で選出された事務局は専門委員会を通じて移行期政権および関係省庁と連絡を取り、スワイダー県に関する重要課題の解決を図る
  • 国民対話の呼びかけ
  • 憲法宣言の見直し、シリア国民の願いに応える現代的で先進的な恒久憲法を起草する憲法制定
  • 委員会の設置に取り組むこと、そして最終的に議会選挙の実施につなげること
  • 市民社会の活性化、女性・若者の参画、政党法の制定、政治活動の制度化の必要性

2.生活・サービス

  • スワイダー県内の生活・公共サービス問題への対処と尊厳ある生活の保障
  • 停止中の「巡礼街道整備プロジェクト」の再開(地元雇用と投資の促進)
  • 給与・賃金の改善要求(全国的な共通要求)
  • 不当解雇された職員の補償、2015年12月8日以降に退役した兵士の年金支給(個人の権利として保障)
  • 農業支援、化学肥料・設備の輸入、農産品輸出、井戸掘削などの法的整備
  • 保健、水道、電力、衛生、戸籍・入国管理などの公共機関の再活性化と有能な人材による管理、汚職幹部の再登用防止
  • 大学生の安全な通学・居住・学習環境の確保、過去の治安問題の再発防止、学業損失の補填

3.社会的和解と平和の構築

  • 地元出身者による警察署と司法警察の強化と装備の整備
  • 宗派対立や扇動的言説の禁止と刑事責任の追及
  • 最近のスワイダー県で発生した一連の事件に関する透明な調査の実施
  • 武器の無秩序拡散や違法武装集団の取り締まり、5月1日合意(移行期政府・地元勢力・宗教指導者間の合意)の履行
  • ダルアー県、ダマスカス郊外県との地域連携と対話強化、国民的な包括的和解プロセスの基盤構築
  • 移行期正義の実施と加害者の法的責任追及(ただし報復に基づく正義ではなく、平和の維持を目的とした真の正義の実現)

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ダマスカス県ルクンッディーン区で、行方不明者の家族たちが抗議のデモを実施し、家族の消息を明らかにするよう要求:イドリブ県のカラーマ・キャンプ群で住民らが緊急支援を求めて抗議デモ(2025年6月21日)

シリア人権監視団によると、ダマスカス県のルクンッディーン区で、行方不明者の家族たちが抗議のデモを実施し、家族の消息を明らかにするよう要求した。

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シリア人権監視団によると、イドリブ県では、カラーマ国内避難民(IDPs)キャンプ群で、住民らが緊急支援を求めて抗議デモを行った。

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シリア人権監視団によると、ハマー県では、ハマー市のアースィー広場で、前日、前々日に続いてデモが発生し、参加者らは「シャッビーハ」の排除と「革命家」とされる人々の釈放を要求した。

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アレッポ県タッル・アラン町のカフェでシリア民主軍を称える歌を聴いていたとして治安当局に逮捕されていたスウェーデン国籍の若者が釈放される(2025年6月21日)

シリア人権監視団によると、アレッポ県では、タッル・アラン町のカフェでシリア民主軍を称える歌を聴いていたとして、18日に治安当局に逮捕されていたハリール・サファル氏が釈放された。

サファル氏は、スウェーデン国籍を持ち、欧州で約14年を過ごした後に帰郷したばかりで、村のカフェでシリア民主軍を称える歌を聴く自身の動画をSNSで公開していた。

また、逮捕と合わせて、カフェも「集会許可を得ていない」として閉鎖された。


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ダイル・ザウル県シュハイル村にあるアサーイシュの検問所がダーイシュのスリーパーセルの襲撃を撃退(2025年6月21日)

ANHAによると、ダイル・ザウル県では、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の広報センターが21日晩に、シュハイル村の検問所がダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルの襲撃を受けたが、アサーイシュがこれを迎撃、撃退したと発表した。

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ラッカ県では、ハウィージャト・スワーフィー村付近で、身元不明の2体の遺体が発見された。

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OIC外相会議に出席するためにトルコのイスタンブールを訪れたシャイバーニー外務在外居住者大臣が、アフガニスタンのムッタキー外務大臣らと会談(2025年6月21日)

SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、トルコのイスタンブールで開催されたイスラーム協力機構(OIC)の第51回外相理事会に出席した。

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外務在外居住者省はフェイスブックを通じて、OIC外相会議に出席するためにイスタンブールを訪れたアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣が、アフガニスタンのアミール・ハーン・ムッタキー外務大臣らと会談し、二国間の関係強化の可能性や、共通の関心事項についての意見交換を行ったと発表した。

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シャルア暫定大統領は首都ダマスカスで、ジャン=ピエール・ラクロワ国連平和維持活動(PKO)担当事務次長および随行団と会談(2025年6月21日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は首都ダマスカスで、ジャン=ピエール・ラクロワ国連平和維持活動(PKO)担当事務次長および随行団と会談を行った。


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SANAによると、これに先立ち、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、ラクロワ事務次長らと首都ダマスカスの国防省本庁舎で会談を行い、地域の平和と安定の実現に向けた国連との連携および調整の強化策を議論した。

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シリア民間航空総局は北・東シリア地域民主自治局がカーミシュリー国際空港の運営・管理を一方的に宣言したのを受けて、同空港を「運用上の理由」により閉鎖したと発表(2025年6月21日)

SANAによると、シリア民間航空総局は声明を発表し、北・東シリア地域民主自治局がカーミシュリー国際空港の運営・管理を一方的に宣言したのを受けて、同空港を「運用上の理由」により閉鎖したと発表した。

声明によると、閉鎖措置は、同総局が発行した航空情報通報(NOTAM)に基づくもので、国内外すべての航空会社および関係機関に対して法的拘束力を持つ。

また、空港の管理を主張する北・東シリア地域民主自治局に対しては、空港の管理・運用およびシリア領空内の航空運行を統括する法的権限を有するのはシリア民間航空総局のみであると強調した。

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人民議会選挙高等委員会はクナイトラ市のアラブ文化センターで、同県の公職者、地域の代表、部族長、名士らとの会合を開催(2025年6月21日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会はクナイトラ県クナイトラ市のアラブ文化センターで、同県の公職者、地域の代表、部族長、名士らとの会合を行った。
会合には、アフマド・ダッラーティー知事も出席し、人民議会選挙に向けた準備状況が話し合われた。

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シリア・アラブ航空は6月22日(日)にダマスカス国際空港から出発予定だったフライトをアレッポ国際空港発に変更(2025年6月21日)

SANAによると、シリア・アラブ航空は、6月22日(日)にダマスカス国際空港から出発予定だったフライトを、アレッポ国際空港発に変更、また乗客の利便性を考慮し、首都ダマスカスとアレッポ空港間を結ぶ専用バスを運行すると発表した。

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総合情報機関が内務省関係機関と連携して、アサド前大統領のいとこのワスィーム・アサドを逮捕(2025年6月21日)

SANAによると、内務省は、総合情報機関の特殊任務部隊が、レバノン国境に近いヒムス県タッルカラフ市近郊で内務省関係機関と連携して待ち伏せ作戦を実施、ワスィーム・アサド容疑者をおびき出し、逮捕したと発表した。
同容疑者は麻薬取引の主要人物で、前政権下で複数の犯罪に関与していたことで知られているという。

イナブ・バラディーによると、ワスィーム・アサドは、1980年生まれで、バッシャール・アサド前大統領のいとこ。
カプタゴンの製造・密輸ネットワークに関与したことが疑われており、EUが制裁対象に指定している。
ハムザ・ムスタファー情報大臣は、Xを通じて、ワスィーム・アサド容疑者の逮捕について、シリア人に対する人権侵害の加害者たちを追及する日々強化される取り組みの一環であると強調した。

アナス・ハッターブ内務大臣もXを通じて、逃亡中のバッシャール・アサドの体制の犯罪象徴たちを追及する国家の努力の一環であると強調した。


マズハル・ワイス法務大臣もXを通じて逮捕の歓迎の意を示した。

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シリア人権監視団によると、ヒムス県では、ヒムス市とタッルカラフ市を結ぶハワーシュ橋(ハワーシュ町)付近で、治安機関所属と自称する3人組の武装グループがタルカルフ市出身の若者2人を制止し、バイクへの給油を要求、拒否されると2人に向けて発砲した。

このうち1人はレバノン国境近く(ワーディー・ハーリド)で拘束されたが、残る2人は逃走中。

また、ヒムス市タッル地区でタッルカラフ市出身の若者が自宅で就寝中に武装グループの襲撃を受け射殺された。

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シリア人権監視団によると、治安当局はまた、前政権の民兵の一つバーキル旅団の幹部であるファーディー・アフィース容疑者、ダイル・ザウル県西部出身で、前政権の総合情報局やシリア軍第86師団に配属されていたダウード・トゥーカーン容疑者も逮捕した。

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シリア人権監視団によると、ラタキア県では、ラタキアのマズィーラ橋付近で、アラウィー派の22歳の若者が正体不明の武装グループに銃撃され死亡した。

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シリア人権監視団によると、アレッポ県では、アフリーン市出身の若者が、ムスタファー・シャイフー氏殺害に抗議するデモに参加したとして、内務省総合治安局の要員によって激しい暴行を受けた。

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シリア人権監視団によると、タルトゥース県では、シャイフ・バドル市近郊のスーラーニー村で、内務省総合治安局所属とされるグループが住居を襲撃し、家財道具を略奪・破壊、女性に暴行を加えた。

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シリア人権監視団によると、ダルアー県では、サナマイン市で、住民の男性がバイクに乗った2人組の武装グループの銃撃を受け、死亡した。

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シリア人権監視団によると、スワイダー県では、スワイダー県南部のクーム地区で30代の男性が自宅の部屋でライフル銃で撃たれて死亡しているのが発見された。

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シャルア移行期政権、北・東シリア地域民主自治局の両支配地域で修了試験開始:ダルアー県で試験関連書類を運搬中の車輌が襲撃を受ける(2025年6月21日)

SANAによると、アフマド・シャルア移行期政権の支配地域で、一般および宗教基礎教育修了試験、職業高校(工業・商業・女子)修了試験が開始された。
試験期間は、一般および宗教基礎教育修了試験が7月9日、職業高校(工業・商業・女子)修了試験が7月10日まで。

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SANAによると、通信通信情報技術と教育養育省は共同声明を発表し、試験会場周辺地域において一時的な通信遮断措置を行うとして、その実施日程を明らかにした。

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ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の支配地各所で、同自治局教育養育委員会とアフマド・シャルア移行期政権の教育養育省との共同合意に基づき、国連児童基金(UNICEF)の支援のもと、中等教育修了試験が実施された。

試験は前政権のカリキュラムに基づくもので、ジャズィーラ地区(ハサカ県)、ダイル・ザウル地区(ダイル・ザウル県)、ラッカ地区(ラッカ県ラッカ市)、タブカ地区(同タブカ市)、ユーフラテス地区(アレッポ県北部)の複数の試験会場で、26,445人の生徒が受験した

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シリア人権監視団によると、ダルアー県では、ヤードゥーダ村とムザイリーブ町を結ぶ街道で、修了試験の試験・解答用紙を運んでいた治安当局の車輌が武装グループに襲撃され、銃撃戦が発生、武装グループのメンバー1人が死亡した。

車輌は、西ダルアーのシャジャラ町の教育センターの試験関連文書を運搬中だった。

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