シリア軍とトルコ軍・「決戦」作戦司令室がイドリブ県で砲撃戦(2021年6月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアリーハー村、ジスル・シュグール市近郊のカンダ村、ルワイサ村、ザーウィヤ山地方のカンスフラ村、バーラ村、ルワイハ村を砲撃し、アリーハー村では住民多数が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、砲撃はバーラ村に設置されているトルコ軍の拠点一帯にも及んだ。

これに対して、トルコ軍は、「決戦」作戦司令室とともに、シリア政府の支配下にあるムアスラーン村、ジャバーラー村、ミラージャ村、ザイトゥーナ村基地、カフルナブル市近郊の灌木地帯、マアッラト・ハルマ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村、ハークーラ村、マナーラ村(タンジャラ村)を砲撃した。

これに対して、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村を砲撃した。

これに関して、SANA(6月28日付)は、中国の新疆ウイグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党が、シリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃したと伝えた。

SANAによると、ジューリーン村に打ち込まれた砲弾は12発に達したという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方各所を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県18件、ラタキア県5件、アレッポ県1件、ハマー県7件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を14件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 28, 2021、ANHA, June 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 28, 2021、Reuters, June 28, 2021、SANA, June 28, 2021、SOHR, June 28, 2021などをもとに作成。

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