ケリー米国務長官「有志連合の支援がシリア民主軍の進軍を可能とした。シリア民主軍は対トルコ国境の完全掌握に近づいている」(2016年2月3日)

ジョン・ケリー米国務長官は、イタリアの首都ローマで開催された有志連合参加国外相級会合で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、アレッポ県、ハサカ県でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で数千平方キロの地域を制圧したと主張した。

ケリー国務長官は「有志連合は航空支援、装備品供与、教練支援を行い、この進軍を可能とした…。シリア民主軍は現在、シリア・トルコ国境の完全掌握に近づいており、我々はダーイシュの重火器、教練キャンプ、石油関連拠点を破壊している」と述べた。

ARA News(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 3, 2016、AP, February 3, 2016、ARA News, February 3, 2016, February 4, 2016、Champress, February 3, 2016、al-Hayat, February 4, 2016、Iraqi News, February 3, 2016、Kull-na Shuraka’, February 3, 2016、al-Mada Press, February 3, 2016、Naharnet, February 3, 2016、NNA, February 3, 2016、Reuters, February 3, 2016、SANA, February 3, 2016、UPI, February 3, 2016などをもとに作成。

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民主統一党のムスリム共同党首「クルド人がいなければ、ジュネーブ3会議はジュネーブ2会議と同じ運命を辿る」(2016年2月3日)

西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は「クルド人はシリアの危機を政治的解決するうえでの基礎をなしており、クルド人がいなければ、ジュネーブ3会議はジュネーブ2会議と同じ運命を辿ることになるだろう」と述べた。

ムスリム共同党首は、リヤド最高交渉委員会を設置した反体制派合同会合(2015年12月にリヤドでかい際)において自党が排除されたことに関して、「紛争を真に終わらせようとする意志がないことを示している」と非難したうえで、「クルド人は軍事、政治勢力として現地に存在しており、シリア民主評議会において代表されている。同評議会は民主主義の価値観や自治を守っている」と述べた。

ARA News(2月3日付)が伝えた。

AFP, February 3, 2016、AP, February 3, 2016、ARA News, February 3, 2016、Champress, February 3, 2016、al-Hayat, February 4, 2016、Iraqi News, February 3, 2016、Kull-na Shuraka’, February 3, 2016、al-Mada Press, February 3, 2016、Naharnet, February 3, 2016、NNA, February 3, 2016、Reuters, February 3, 2016、SANA, February 3, 2016、UPI, February 3, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会のヒジャーブ元首相「人道に関する諸要求が受け入れられまで、ジュネーブには戻らない」、イスラーム軍のアッルーシュ氏「現政権と統一政府を作ることは不可能だ」(2016年2月3日)

リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表によるジュネーブ3会議中止発表を受け、記者団に対して、国連側に示した人道に関する諸要求(シリア軍、ロシア軍による空爆停止、反体制派支配下の都市に対するシリア軍の包囲解除と人道物資搬入、逮捕者釈放)が履行されない限りはジュネーブに戻ることはないと述べた。

ヒジャーブ元首相は「我々は明日(4日)にジュネーブを去る。人道に関する諸要求が受け入れられるまで、あるいは現地で具体的なことが起きるまでは戻ることはないだろう」と述べた。

AFP(2月3日付)が伝えた。

al-Hayat, February 4, 2016
al-Hayat, February 4, 2016

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リヤド最高交渉委員会選出の代表団の交渉責任者を務めるイスラーム軍幹部のムハンマド・アッルーシュ氏は、現政権とともに挙国一致政府(移行期統治機関)に参加することは「不可能で、これに関して話すまでもない」と述べた。

アッルーシュ氏は、ジュネーブ3会議の中止に関して「ジュネーブにいるシリア反体制派とシリア政府との問題であって、デミストゥラ氏、あるいはいかなる外国との問題でもない…。22の都市がシリア軍と親政権民兵の包囲に曝されている」と述べた。

ARA News(2月3日付)が伝えた。

AFP, February 3, 2016、AP, February 3, 2016、ARA News, February 3, 2016、Champress, February 3, 2016、al-Hayat, February 4, 2016、Iraqi News, February 3, 2016、Kull-na Shuraka’, February 3, 2016、al-Mada Press, February 3, 2016、Naharnet, February 3, 2016、NNA, February 3, 2016、Reuters, February 3, 2016、SANA, February 3, 2016、UPI, February 3, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表団のジャアファリー国連シリア代表はサウジアラビア、トルコ、カタールの指示を受けるリヤド最高交渉委員会がジュネーブ3会議を失敗に追い込んだと非難(2016年2月3日)

シリア政府代表団を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、サウジアラビア、トルコ、カタールの指示を受けるリヤド最高交渉委員会がジュネーブ3会議を失敗に追い込んだと非難、ジュネーブ3会議の中止の責任を追及した。

ジュネーブでの記者会見でジャアファリー国連シリア代表は、「我々シリア政府にとって重要なのは、我々が世界に対して、我々の規律、遵守の姿勢、真剣さ、そして責任感を示したことだ…。我々の前に統一された反体制派はおらず、互いに対立し合った複数の反体制諸派がいただけで、そのなかには外国勢力から命令を受けている者からなるグループさえいた」と述べた。

また「スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は言及を避けたが…、リヤド最高交渉委員会の代表団が今朝、ハウジャ(シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ議長)とリヤード・ヒジャーブ(リヤド最高交渉委員会委員長)の到着を受け、ジュネーブからの撤退を決定したのだ」と暴露した。

そのうえで「リヤド最高交渉委員会の振る舞いは…、責任感、真剣さ、義務感を欠いている…。同委員会を動かしているのは、サウジアラビア、トルコ、カタールで、これらの国が委員会にジュネーブ3会議を失敗させるよう当初から指示をしてきた」と断じた。

SANA(2月3日付)が伝えた。

SANA, February 3, 2016
SANA, February 3, 2016

AFP, February 3, 2016、AP, February 3, 2016、ARA News, February 3, 2016、Champress, February 3, 2016、al-Hayat, February 4, 2016、Iraqi News, February 3, 2016、Kull-na Shuraka’, February 3, 2016、al-Mada Press, February 3, 2016、Naharnet, February 3, 2016、NNA, February 3, 2016、Reuters, February 3, 2016、SANA, February 3, 2016、UPI, February 3, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表はジュネーブ3会議を中止し、2月25日に再開すると発表(2016年2月3日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、シリア政府と反体制派の代表による和平交渉「ジュネーブ3会議」を中止し、2月25日に再開すると発表した。

デミストゥラ共同特別代表は、スイスのジュネーブにある国連本部で記者会見を開き、「私は対話が始まらねばならないと考えてきたし、実際に対話は始まった。しかし、我々側だけではく、この危機に関与する当事者らの側でさらに行うべきことある…。双方とも政治的対話を開始することに関心を示している…。我々は国連安保理での会合開催を呼びかけるとともに、2月25日に改めて集まることにする」と述べた。

またデミストゥラ共同特別代表の報道官を務めるフーラ・マタル氏は、ジュネーブ3会議の中止に関して、「デミストゥラ共同特別代表が対話を準備にさらなる時間が必要だと感じた」ためだと述べた。

SANA(2月3日付)が伝えた。

AFP, February 3, 2016、AP, February 3, 2016、ARA News, February 3, 2016、Champress, February 3, 2016、al-Hayat, February 4, 2016、Iraqi News, February 3, 2016、Kull-na Shuraka’, February 3, 2016、al-Mada Press, February 3, 2016、Naharnet, February 3, 2016、NNA, February 3, 2016、Reuters, February 3, 2016、SANA, February 3, 2016、UPI, February 3, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合がシリア領内で11回の爆撃を実施(2016年2月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月2日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して31回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は11回で、ハサカ市近郊(2回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、マンビジュ市近郊(2回)、マーリア市近郊(2回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 3, 2016などをもとに作成。

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ヒムス県東部の油田地帯でダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍の戦闘激化(2016年2月2日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーイル・ガス採掘所一帯、ジハール油田一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がマハッサ地区、スード丘、カルヤタイン市、マヌーフ村、タドムル市西部郊外採石場一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つバーブ市一帯で、ダーイシュの拠点に対して重点的な空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市アルディー地区、マアダーン地区、ハウィーカ地区、スワイイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)を攻撃し、戦闘員36人を殲滅した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(2月2日付)によると、バラダー渓谷で活動する反体制武装集団が1日から同地一帯でダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団と交戦、ダイル・マクラン町、イフラ村、フサイニーヤ町の拠点7カ所を制圧した。

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ハサカ県では、ARA News(2月3日付)によると、有志連合がシャッダーディー市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。


AFP, February 2, 2016、AP, February 2, 2016、ARA News, February 2, 2016、February 3, 2016、Champress, February 2, 2016、al-Hayat, February 3, 2016、Iraqi News, February 2, 2016、Kull-na Shuraka’, February 2, 2016、al-Mada Press, February 2, 2016、Naharnet, February 2, 2016、NNA, February 2, 2016、Reuters, February 2, 2016、SANA, February 2, 2016、UPI, February 2, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市北部のハルダトニーン村、ラトヤーン村を制圧し、ヌッブル市、ザフラー町包囲解除をめざす(2016年2月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、SNN(2月2日付)によると、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員が、3年以上にわたって反体制派武装集団に包囲されているヌッブル市、ザフラー町の封鎖解除に向けて攻撃を激化、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘の末、前日のドゥワイル・ザイトゥーン村、タッル・ジャビーン村制圧に続いて、両都市から約3キロの地点に位置するラトヤーン村、ハルダトニーン村を攻略、同地の大部分を制圧した。

シリア軍の進軍を受け、同地に近いマアルサト・ハーン村、アナダーン市、ハイヤーン町、バヤーヌーン町(いずれも反体制派の支配下)の住民多数が避難を開始したという。

またアナダーン市、タームーラ村などでは戦闘機(所属明示せず)が空爆を実施し、女性5人、シリア赤新月社スタッフ2人を含む11人が死亡した。

一方、SANA(2月2日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市北部のハルダトニーン村とラトヤーン村で反体制武装集団を掃討し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ファトフ軍が、シリア政府の支配下にとどまるフーア市、カファルヤー町を砲撃した。

一方、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がアブー・ズフール町、サラーキブ市、タマーニア町、カフルナブル市でシャームの民のヌスラ戦線、フルサーン・ハック旅団などからなるジハード主義武装集団の拠点などを攻撃し、戦闘員30人以上を殲滅した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がキンサッバー町一帯およびトルコ国境地帯を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルナーン村で反体制武装集団と交戦、ロシア軍と思われる戦闘機がキースィーン村、ブルジュ村を空爆し、ブルジュ村では子供4人を含む7人が死亡した。

一方、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がキースィーン村、バルグースィーヤ村、ガジャル村、ラスタン市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市を結ぶ回廊地帯を「樽爆弾」などで空爆、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ARA News(2月3日付)によると、国連、シリア赤新月社が、タッル市に人道支援物資の搬入作業を開始した。

物資は住民3,500世帯を対象に5,000箱が搬入される予定で、2日にはトラック14輌が約2,500箱を搬入したという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がナワー市、フラーク市を空爆し、4人が死亡した。

一方、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がアトマーン村、ウンム・ワラド村、タファス市一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月2日付)によると、シリア軍がラターミナ町、ラトミーン村、ムーリク市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点などを攻撃し、戦闘員37人を殲滅した。

AFP, February 2, 2016、AP, February 2, 2016、ARA News, February 2, 2016、February 3, 2016、Champress, February 2, 2016、al-Hayat, February 3, 2016、Iraqi News, February 2, 2016、Kull-na Shuraka’, February 2, 2016、al-Mada Press, February 2, 2016、Naharnet, February 2, 2016、NNA, February 2, 2016、Reuters, February 2, 2016、SANA, February 2, 2016、SNN, February 2, 2016、UPI, February 2, 2016などをもとに作成。

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トルコ国境に面するジャラーブルス市(アレッポ県)近郊でトルコ軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦(2016年2月2日)

アレッポ県では、ARA News(2月2日付)によると、トルコ国境に面するユーフラテス河畔のジャラーブルス市近郊で、ダーイシュ(イスラーム国)とトルコ軍が交戦した。

トルコ治安筋によると、国境地帯(トルコ領内)で地雷撤去作業を行っていたトルコ軍に対してダーイシュが発砲し、戦闘となったという。

AFP, February 2, 2016、AP, February 2, 2016、ARA News, February 2, 2016、Champress, February 2, 2016、al-Hayat, February 3, 2016、Iraqi News, February 2, 2016、Kull-na Shuraka’, February 2, 2016、al-Mada Press, February 2, 2016、Naharnet, February 2, 2016、NNA, February 2, 2016、Reuters, February 2, 2016、SANA, February 2, 2016、UPI, February 2, 2016などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外相、「テロ組織」のイスラーム軍とシャーム自由人イスラーム運動のメンバーのジュネーブ3会議への個人参加を認める(2016年2月2日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は訪問先のUAEのアブダビでの記者会見で、イスラーム軍とシャーム自由人イスラーム運動を「正当な反体制派」ではないと強調し、両組織を改めて「テロ組織」とみなしつつ、ジュネーブ3会議への両組織メンバーの「個人としての参加を認める」ことに合意したと述べた。

UAEのアブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務大臣との会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、「イスラーム軍とシャーム自由人イスラーム運動が交渉における正当なパートナーとして承認したわけではない…。これが我々の姿勢であり、また両組織をテロ組織いとみなすISSG(国際シリア支援グループ)の多くの当事者の姿勢である」と述べた。

『ハヤート』(2月3日付)などが伝えた。

AFP, February 2, 2016、AP, February 2, 2016、ARA News, February 2, 2016、Champress, February 2, 2016、al-Hayat, February 3, 2016、Iraqi News, February 2, 2016、Kull-na Shuraka’, February 2, 2016、al-Mada Press, February 2, 2016、Naharnet, February 2, 2016、NNA, February 2, 2016、Reuters, February 2, 2016、SANA, February 2, 2016、UPI, February 2, 2016などをもとに作成。

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リヤド最高交渉委員会は、対話交渉の前提条件履行を求め、デミストゥラ共同特別代表との会談と中止(2016年2月2日)

『ハヤート』(2月3日付)によると、リヤド最高交渉委員会の代表団メンバーの一人ファラフ・アタースィー氏は、2日に予定されていたスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表との個別会談が中止になったと発表した。

これに関して、同じく代表団メンバーのバスマ・カドマーニー女史は、リヤド最高交渉委員会が交渉参加の前提条件として提示している諸要求(シリア軍、ロシア軍の民間人への攻撃、包囲解除、逮捕者釈放)を実現させるために、デミストゥラ共同特別代表に「もう1日」の猶予を与えたことを明らかにした。

デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は2日午前にシリア政府代表団との個別会談を、午後に反体制派の代表団との個別会談を予定していた。

al-Hayat, February 3, 2016
al-Hayat, February 3, 2016

AFP, February 2, 2016、AP, February 2, 2016、ARA News, February 2, 2016、Champress, February 2, 2016、al-Hayat, February 3, 2016、Iraqi News, February 2, 2016、Kull-na Shuraka’, February 2, 2016、al-Mada Press, February 2, 2016、Naharnet, February 2, 2016、NNA, February 2, 2016、Reuters, February 2, 2016、SANA, February 2, 2016、UPI, February 2, 2016などをもとに作成。

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シリア政府代表はデミストゥラ共同特別代表との会談を「間接対話に向けた準備段階」とみなし、「前提条件なし」の対話を主唱(2016年2月2日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、スイス首都のジュネーブでバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表率いるシリア政府代表団と会談した。

会談はシリア政府と反体制派の間接交渉の一環で、2月1日に予定されていたが1日遅れて行われた。

会談後、ジャアファリー国連シリア代表は、シリア政府代表団が国連安保理決議第2254号に準じ、「前提条件なし」に対話に応じようとしているのに対して、反体制派側は「プロの政治家としてではなく、素人的に問題に対応しようとしている」と批判した。

またジュネーブ入り以降2度目となるデミストゥラ共同特別代表との会談については、「我々はいまだ間接対話に向けた準備段階にある」と述べ、間接交渉がまだ始まっていないことを明らかにした。

そのうえで、ジャアファリー国連シリア代表は「我々はデミストゥラ氏と、間接対話において誰と我々が交渉するのかを判然とするため、この準備段階が重要であるということを議論した」としたうえで、間接交渉における反体制派の代表団の氏名、交渉における議題を明らかにするよう求めた、と付言した。

SANA, February 2, 2016
SANA, February 2, 2016

AFP, February 2, 2016、AP, February 2, 2016、ARA News, February 2, 2016、Champress, February 2, 2016、al-Hayat, February 3, 2016、Iraqi News, February 2, 2016、Kull-na Shuraka’, February 2, 2016、al-Mada Press, February 2, 2016、Naharnet, February 2, 2016、NNA, February 2, 2016、Reuters, February 2, 2016、SANA, February 2, 2016、UPI, February 2, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合がシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年2月1日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月1日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(2回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 2, 2016などをもとに作成。

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Oxfamはシリア紛争に対する富裕国の支援額、受け入れ表明難民数の一覧をまとめた報告書を発表(2016年2月1日)

英国の支援団体Oxfamは「シリア危機の公正な分担に関する分析2016」(Syria Crisis Fair Share Analysis 2016)と題した報告書を発表し、富裕国による支援額、受け入れを表明した難民数の一覧を発表した(https://www.oxfam.org/sites/www.oxfam.org/files/file_attachments/bn-syria-fair-shares-analysis-010216-en.pdf)。

同報告書によると、2015年の各国の拠出総額は推計で89億米ドルだったが、この額は国連、赤十字国際委員会などが必要だとしてきた額の56.5%に過ぎなかった。

また各国が受け入れ表明した難民の数は12万8,612人に過ぎず、Ofxamが2016年末までに受け入れを求めている46万人には到底達していないという。

Oxfam, February 1, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はフランス軍の無人航空機を撃墜したと発表(2016年2月1日)

アレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信が、マンビジュ市西方でダーイシュがフランス軍の無人航空機を撃墜したと発表、残骸の写真を公開した。

Kull-na Shuraka', February 1, 2016
Kull-na Shuraka’, February 1, 2016

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市各所を空爆した。

また、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がスィーン村、タイバ村の農場地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がタドムル市西部の採石所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、スード丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)を空爆などで攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局は声明を出し、タドムル市西部ドゥーワ地区のシリア軍拠点を攻撃し制圧、またフルクルス・ガス社のパイプラインを破壊したと発表した。

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ラッカ県では、ARA News(2月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がユーフラテス河畔のティシュリーン・ダム一帯およびアイン・イーサー市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。 

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、February 2, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がヌスラ戦線との交戦の末にアレッポ市北部のドゥワイル・ザイトゥーン村、タッル・ジャビーン村を制圧する一方、反体制武装集団はダマスカス郊外県ダーライヤー市・ムウダミーヤト・シャーム市間で反転攻勢(2016年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のドゥワイル・ザイトゥーン村一帯でシリア軍、国防隊、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が同地一帯の大部分を制圧した。

またこの戦闘と合わせて、戦闘機(所属明示せず)が同地一帯およびフライターン市、アナダーン市、ラトヤーン村、バーシュカウィー村、アレッポ市カースティールー地区などを40回以上にわたり空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍が、アレッポ市北部のドゥワイル・ザイトゥーン村、タッル・ジャビーン村をシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦の末に制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、バヤーヌーン町、フライターン市一帯、アレッポ市シャイフ・ルトフィー地区、ラーシディーン地区でヌスラ戦線の拠点を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍およびロシア軍戦闘機がハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ダイル・ハビーヤ村を空爆、またシリア軍がダーライヤー市一帯を砲撃した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、反体制武装集団はダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市を結ぶダーライヤー市西部一帯などでシリア軍と交戦し、複数の建物群を奪還した。

さらに、クッルナー・シュラカー(2月1日付)によると、シリア軍とヒズブッラー戦闘員がマダーヤー町とともに包囲下に置いているブカイン市を砲撃し、迫撃砲複数発が小学校に着弾し、子供7人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がロシア軍士官の指揮のもと、クルド山、トルクメン山一帯で、海岸第2師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団などのジハード主義武装集団との戦闘を続けた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がウンム・シャルシューフ村、ガルナータ村を7回にわたり空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がヒルブナフサ村一帯を20回にわたり空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がサルマーニーヤ村でファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県フーア市、カファルヤー町の人民防衛諸集団とアル=カーイダ系のファトフ軍が捕虜交換(2016年2月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フーア市、カファルヤー町に残留する地元住民(人民防衛諸集団、国防隊)が同地の包囲を続けるジハード主義武装集団(ファトフ軍)と捕虜交換を行い、武装集団は地元の女性住民を含む人質18人を解放、これに対して地元住民側は捕捉していた戦闘員27人を解放した。

この捕虜交換は、昨年半ばにイランの仲介で実現したシリア政府とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団との停戦合意に基づく措置で、地元消息筋によると、ハマー県カルアト・マディーク町一帯で身柄引き渡しが行われたという。

なお捕虜交換と合わせて、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員の遺体35体と人民防衛諸集団隊員の遺体33体の交換も行われたという。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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米大統領特別大使代理マクガーク氏が西クルディスタン移行期民政局実効支配入り:「自治はあなた方の権利だ。なぜなら、あなた方は過激派ダーイシュと戦い、彼らをこの地域から放逐したからだ」(2016年2月1日)

米大統領特使ブレット・マクガーク氏が西クルディスタン移行期民政局実効支配下のアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市を訪問し、同民政局人民防衛隊主体のシリア民主軍幹部と会談した。

複数のクルド筋がAFP(2月1日付)に明らかにしたところによると、マクガーク氏は、英仏両国の高官とともに現地入りし、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「軍事計画」について主に意見が交わされたという。

会談には、シリア民主軍の幹部に加えて、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区、コバネの代表も参加、米国高官から「自治はあなた方の権利だ。なぜなら、あなた方は過激派ダーイシュと戦い、彼らをこの地域から放逐したからだ。将来のシリアは民主的な国となり、クルド人民の権利が尊重され、そのことはシリアの新憲法でも保障されるだろう」との言葉を受けたという。

米匿名高官によると、この訪問は、マクガーク氏のもとで進行中の有志連合によるダーイシュへの圧力強化の一環として行われたものだというが、その詳細については明らかにしなかった。

なお、シリア人権監視団によると、マクガーク氏らは1月31日にヘリコプターでハサカ県ルマイラーン町近郊の農業用飛行場に入り、同地からトルコ国境に近いアイン・アラブ市に向かったという。

この農業飛行場は米軍が滑走路などの拡張工事を完了させたばかり。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表とシリア政府の個別会談が延期される一方、最高交渉委員会の代表団はデミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表との会談で「人道面での進展」を要求(2016年2月1日)

2月1日に予定されていたスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表とシリア政府の代表との個別会談が延期された。

会談は2日に行われる見込み。

『ハヤート』(2月2日付)によると、延期の理由は不明だが、複数の国連消息筋によると、リヤド最高交渉委員会の代表団に、イスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏が交渉責任者として、またアスアド・ズウビー准将が団長として残留していることに対して、シリア政府側が慎重な姿勢を示していることが背景にあるという。

シリア政府代表団との会談はシリア時間で12時、反体制派代表団との会談は18時に開催される予定だった。

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一方、デミストゥラ共同特別代表は、31日晩にスイスのジュネーブに到着したリヤド最高交渉委員会の代表団と会談した。

『ハヤート』(2月2日付)などによると、会談でリヤド最高交渉委員会の代表団は、シリア政府との間接交渉に入る前に、人道面での進展を求めたという。

交渉団の団長を務めるアスアド・ズウビー准将によると、デミストゥラ共同特別代表との会談では「3点、すなわちロシア軍による革命家の(支配)地域への攻撃停止、シリア軍および民兵によって包囲されている地域の封鎖解除と物資配給、女性や子供などの逮捕者の釈放」のみが話し合われたという。

Naharnet, February 1, 2016
Naharnet, February 1, 2016

『ハヤート』(2月3日付)によると、リヤド最高交渉委員会の報道官を務めるサーリム・ムスラト氏は「我々にとって三つの問題が重要だ。第1に都市の包囲解除、第2に逮捕者釈放、第3にロシア軍機そして政権による民間人への攻撃停止」と述べ、これらの問題にシリア政府が対処することが交渉の前提条件になるとの姿勢を改めて示した。

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リヤド最高交渉委員会の代表団とデミストゥラ共同特別代表の会談の数時間後、国連は、シリア政府がダマスカス郊外県マダーヤー町への新たな人道支援物資の搬入に同意したと発表した。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、February 3, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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ロシア国防省は、ロシア軍機が領空侵犯したとするトルコ政府の主張を「幻想」と一蹴(2016年2月1日)

ロシア軍のSu-34戦闘機がトルコ領空を侵犯したとするトルコ政府の非難については、トルコ側が侵犯が行われた地域、侵犯したとされる戦闘機の飛行高度、航路、速度など一切の証拠を示しておらず、「幻想」に過ぎないと反論した。

トルコ外務省は1月30日、ロシア軍戦闘機が29日にシリアとの国境に近いトルコ領空を侵犯したと発表していた。

なお、シリア人権監視団は30日、ロシア軍と思われる戦闘機がトルコ国境に近い県北部にあるダーイシュ(イスラーム国)支配下のトゥルクマーン・バーリフ村、ガイラーニーヤ村、タラーリーン村を空爆し、ダーイシュ戦闘員1人を住民複数人が死亡したと発表している。

ロシア軍と思われる戦闘機が空爆した村はトルクメン人(トルコ系住民)が多く暮らす村で。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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ロシア空軍の先週1週間のシリアでの出撃回数は468回、対する米主導の有志連合は73回(2016年2月1日)

ロシア国防省は、シリア駐留ロシア軍戦闘機(Su-24M、Su-34)およびロシア領内から出撃した長距離爆撃機Tu-22M3の先週1週間の出撃回数が468回に達し、アレッポ県、ラタキア県、ハマー県、ヒムス県、ダマスカス郊外県、ラッカ県、ダルアー県、ダイル・ザウル県内の「テロリストのインフラ」1,354カ所を攻撃、ダーイシュ(イスラーム国)など反体制武装集団戦闘員70人以上を殲滅したと発表した。

このうち長距離爆撃機Tu-22M3はダイル・ザウル県でダーイシュ(イスラーム国)と戦うシリア軍を支援するために出撃し、同県のダーイシュ拠点23カ所に対して爆撃を行った。

なお、米国主導の有志連合による出撃回数は先週1週間で73回で、アレッポ県、ヒムス県、ラッカ県、ハサカ県で50回のミサイル攻撃、爆撃を行ったのみだったという。

また、シリア駐留ロシア軍による「人道作戦」の一環として、1月だけでダイル・ザウル市に対して200トン以上の食糧、医療物資をパラシュートで投下した。

AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で18回の爆撃を実施(2016年1月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月31日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は15回で、フール町近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(3回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 1, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市などでシリア軍と反体制武装集団の戦闘が続く(2016年1月31日)

アレッポ県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がアレッポ市ラーシディーン地区、ブアイディーン地区、アシュラフィーヤ地区、アンサーリー地区、カッラーサ地区、シュカイイフ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市西部のラスム・アラム村、サルジャト・カビール村で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ラタキア県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍が県北部のトゥウーマー村で反体制武装集団の掃討を完了し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

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ヒムス県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がウンム・シャルシューフ村、タッル・アブー・サナースィル丘、カフルラーハー市、タイバ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍が東グータ地方のハラーブー地区でジハード主義武装集団と交戦、戦闘員12人を殲滅した。

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ダルアー県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がダルアー市ダルアー・バラド地区各所、ウンム・ワラド村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)はダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区内の文学部などを制圧する一方、シリア軍はアレッポ市東部のタッル・マクスール村を制圧(2016年1月31日)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(1月31日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区にある文学部、アナス・ブン・マーリク・モスクを制圧した。

一方、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、ブガイリーヤ村、ジャフラ村、ジュナイナ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆などで攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、タッル・マクスール村でダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了し、同村を制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、同地に近いアファシュ村、アブー・ダンナ村、アーミリーヤ村でダーイシュの拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、シャーイル・ガス採掘所一帯、タドムル市郊外柑橘園一帯、ウンム・サフリージュ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆などで攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(1月31日付)によると、シリア軍がシャアフ村東部を移動中のダーイシュ(イスラーム国)の石油密輸トレーラーを空爆した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(1月31日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団がタッル市で反体制武装集団と交戦、複数人が死傷した。

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ハサカ県では、ARA News(1月31日付)によると、有志連合戦闘機がシャッダーディー市南部のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県の12イマーム派の巡礼地で連続自爆テロが発生し、ダーイシュ(イスラーム国)が犯行を認める(2016年1月31日)

ダマスカス郊外県では、SANA(1月31日付)などによると、サイイダ・ザイナブ町内クーア・スーダーン地区にある旅客バス発着場で連続爆破テロが発生し、50人以上が死亡、110人あまりが重軽傷を負った。

シリア人権監視団の発表によると、死者は少なくとも45人、負傷者は110人。

AFP(1月31日付)によると、死者は63人。

『ハヤート』(2月2日付)によると死者数は71人で、うち29人が民間人(子供5人を含む)、42人がシリア人および外国人の戦闘員。

内務省消息筋によると、バス発着場に停車中の旅客バスに仕掛けられた爆弾が爆発、その後、負傷者らを救出しようと、警察、軍・治安部隊、住民らが集まったところに、自爆ベルトを着用した男性2人が相次いで自爆したという。

サイイダ・ザイナブ町は、12イマーム派の聖地の一つサイイダ・ザイナブ・モスク(廟)を擁し、イラン、イラク、レバノンなどからのイスラーム教12イマーム派の信徒の巡礼コースとなっている。

また、イラク戦争(2003年)後の混乱のなかで多くのイラク人が同地に難民として押し寄せた。

事件発生後、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信が声明を出し、「ダマスカス(郊外県)のサイイダ・ザイナブ一帯(シリア政府支配地域)でのシーア派の巣窟に対して2度にわたり殉教作戦を敢行した」と発表、犯行を認めた。

SANA, January 30, 2016
SANA, January 30, 2016

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事件発生を受け、ワーイル・ハルキー内閣は声明を出し「勇敢なる我らが軍が全土て達成している偉大なる勝利に敗退するテロ組織の臆病で絶望に満ちたテロ行為」と非難する一方、「ダマスカス郊外県など各地での国民和解の道のり、テロとの戦い、そして全土解放」を継続するとの意志を表明した。


AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、February 2, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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ヌスラ戦線はアル=カーイダへの固執し、アル=カーイダへの忠誠を拒否するアル=カーイダ系組織との統合の試みは挫折(2016年1月31日)

ロイター通信(1月31日付)は、複数の反体制派消息筋の話として、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、シャーム自由人イスラーム運動などそのほかの反体制武装集団との統合に向けた会合を行ったが、決裂したと伝えた。

複数の消息筋によると、会合は10日ほど前にヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、そしてイドリブ県で活動するその他のファトフ軍構成組織などの幹部らによって開かれたという。

一部の武装集団は、統合によってダーイシュ(イスラーム国)への優位を印象づけ、軍事的支援増をもたらすと考えていた。

ヌスラ戦線の最高指導者と目されるアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏は、統合が実現した場合、組織の改称にも応じるとの姿勢を示したもの、アル=カーイダとの関係を絶つことを拒否し、統合の試みは頓挫したという。

なお、シャーム自由人イスラーム運動は、アル=カーイダの元メンバーらが主導して結成された組織だが、アル=カーイダへの忠誠を拒否、サウジアラビアやトルコの後押しを受けてリヤド最高交渉委員会に参加している。

イドリブ県ハーリム市、サルキーン市で25日に発生したヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の衝突は、この交渉の決裂を受けたものだという。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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YPGはアレッポ市シャイフ・マクスード地区でのヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動と交戦(2016年1月31日)

アレッポ県では、ARA News(1月31日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が西クルディスタン移行期民政局の実効支配下にあるアレッポ市シャイフ・マクスード地区を攻撃、人民防衛隊がその戦闘員1人を殺害した。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表「2月1日にシリア政府、反体制派の代表と個別に会談すると発表」、民主統一党は米国の「政治的保障」を受けジュネーブを去る(2016年1月31日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、2月1日月曜日にシリア政府、反体制派の代表と個別に会談すると発表した。

シリア政府代表団との会談はシリア時間で12時、反体制派代表団との会談は18時に開催されるという。

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『ハヤート』(2月1日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、米バラク・オバマ米政権が民主統一党に次回以降のジュネーブでの交渉への参加を「政治的に保障」、これを受けるかたちで民主統一党サーリフ・ムスリム共同党首がジュネーブ3会議への出席見送りを承諾したと伝えた。

ムスリム共同党首が同紙に対して明らかにしたところによると、トニー・ブリンケン国務副長官はムスリム共同党首に対して直接電話で次回以降の交渉への参加を保障したという。

これに対して、ムスリム共同党首は、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局の人民防衛隊がシリア民主軍の基軸をなすことを確認したという。

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ジュネーブ3会議で反体制派との交渉にあたるシリア政府代表団団長のバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、リヤド最高交渉委員会の会議への参加の遅れと交渉に参加する代表団メンバーを開示しないことに関して、記者団に対し、「真剣さと責任を欠く」と批判した。

SANA(1月31日付)などが伝えた。

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シリア国内で活動する武装集団35組織は共同声明を出し、ジュネーブ3会議への参加を決定したリヤド最高交渉委員会に関して、「シリア国民および革命の要求に遵守する限り、最高委員会の正統性を認める」と発表した。

共同声明を出した武装集団は以下の通り:

ナスル軍、アンサール・イスラーム戦線、タウヒード軍、スルターン・ムラード師団、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、第16歩兵師団、第24歩兵師団、第1中隊、アンサール・シャーム大隊、シャーム軍団、ヒムス解放運動、ムジャーヒディーン軍、イスラーム覚醒大隊、「命じられるまま進め」連合、アームード・ハウラーン師団、部族師団、ハウラーン自由人連合、砂漠自由人連合、イスラーム軍、北部師団、ヒムス軍団、シャーム戦線、第10沿岸旅団、第316師団、第46師団、イスラーム殉教者旅団、ヤルムーク軍、第1特殊任務師団、カシオン旅団、ハムザ師団、ジャイドゥール・ハウラーン旅団、殉教者ガッサーン・トゥワイリシュ旅団、タウヒードの暁師団、ウムライン旅団、第2沿岸師団。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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マラダ潮流のフランジーヤ代表「ハリーリー元首相がアウン元国軍司令官を推せば、大統領選挙への立候補をとりさげる」(2016年1月31日)

サアド・ハリーリー元首相(ムスタクバル潮流、3月14日勢力)が大統領候補に推すマラダ潮流(3月8日勢力)のスライマーン・フランジーヤ代表はNBN(1月31日付)に対して、ハリーリー元が自身ではなく、レバノン軍団(3月14日勢力)やヒズブッラー(3月8日勢力)が推す自由国民潮流(3月8日勢力)代表のミシェル・アウン元国軍司令官を支持すれば、大統領への立候補をとりさげる、と述べた。

AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NBN, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内で5回の爆撃を実施(2016年1月30日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回で、ハサカ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュの施設に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, January 31, 2016などをもとに作成。

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