反体制派系のシリア・ジャーナリスト連合は国民軍司令官に対してアフリーン市での爆破事件の責任をとって辞任するよう求める(2020年4月29日)

反体制メディア活動家らが組織するシリア・ジャーナリスト連合は声明を出し、国民軍のアフリーン地区司令官らに対して、28日にトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で発生し、100人あまりが死傷した爆発事件の責任をとって辞任するよう求めた。

シリア・ジャーナリスト連合は声明のなかで「こうした血塗られた爆破事件は、武装諸派の体系的汚職、「密輸」のための通行所を経由したありとあらゆる行き過ぎた行為と結びついている。これらの通行所での虐殺行為で流されているシリアの人々の血に対して無頓着だ」と非難した。

連合は「事件の背景にクルディスタン労働者党(PKK)がいるが、その責任は国民軍を構成する三個軍団の司令官ら、そしてアフリーン地区の自治を担う高官らにある」と指弾した。

そのうえで、アフリーン地区のムハンマド・ハマーディーン(アブー・リヤード)憲兵隊司令官、同地区政治治安局のムハンマド・ラージー司令官、同地区警察のムハンナド・フサイン署長およびアーミル・ムハンマド副署長、国民軍のムウタッズ・ラスラーン第1軍団司令官、マフムード・バーズ第2軍団司令官、アブー・アフマド・ヌール第3軍団司令官の辞任を要求した。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市およびその一帯、マンビジュ市を砲撃(2020年4月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市およびその一帯、マンビジュ市を砲撃した。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ大統領府はアフリーン市での爆破事件を準備したYPG・PKKのテロリストを逮捕したと発表(2020年4月29日)

シリア人権監視団によると、トルコの諜報機関は、28日にトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で100人あまりが死傷した爆発事件の発生を受けて、4月29日から追って通知があるまでの期間、アフリーン市を封鎖すると決定した。

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トルコ大統領府は声明を出し、「アフリーン市での血塗られた攻撃を準備した人民防衛隊(YPG)/クルディスタン労働者党(PKK)のテロリストが逮捕された」と発表した。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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ロバーク元米国大使が北・東シリア自治局支配地内で活動するクルド民族主義組織の代表と会談(2020年4月29日)

ANHA(4月29日付)は、ウィリアム・ロバーク元駐バーレーン米国大使を代表とする米国務省使節団が、北・東シリア自治局支配地内で活動するクルド民族主義組織の代表と会談したと伝えた。

会談の場所は不明。

シリア人権監視団によると、会談「クルド勢力の足並みを揃え、米国の政策への信頼を回復する」のが目的。

ロバーク元大使は、シリアのクルド勢力の足並みを揃えようとする人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官のイニシアチブに対する各組織の意見に耳を傾けた。

会談に参加したのは、クルディスタン民主平和党、クルディスタン自由連合、シリア・クルディスタン民主パールティ、クルディスタン愛国連合党、クルディスタン民主変革党、クルディスタン刷新運動、クルディスタン労働党、クルディスタン緑の党、クルディスタン・ムスタクバル潮流、クルディスタン友愛党、シリア・クルド民主ルージュ党、ロジャヴァ自由愛国連合、民主闘争党、クルディスタン共和党の代表。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局が新型コロナウイルス感染者を確認したと初めて発表(2020年4月29日)

北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の保健委員会(保健省に相当)のジュワーン・ムスタファー共同議長は声明を出し、ジャズィーラ地域で新型コロナウイルス感染者が2人確認されたと発表した。

ムスタファー共同議長によると、感染が確認されたのはハサカ県ハサカ市。

2人は夫婦で、妻はカーミシュリー市内の国立病院で隔離され、夫は自宅療養しているという。

感染者が確認されたことを受けて、北・東シリア自治局傘下のハサカ地区評議会のアブドゥルガニー・ウースー共同議長、同地区保健局のルーマンダー・イーサー共同議長、健康フォローアップ委員会メンバーのダルバース・マアミー氏は共同声明を出し、ハサカ市ウムラーン地区を完全隔離、またハサカ市を部分隔離すると発表した。

また、ハサカ市内の住民に対して、拡声器を通じて、外出を控え、予防措置を徹底、またシリア政府支配下の治安厳戒地区に入らないよう呼びかけた。

ANHA(4月29日付)が伝えた。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー総司令官は28日のアフリーン市での爆破事件への関与を否定し、トルコを非難(2020年4月29日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、28日にトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で発生し、100人あまりが死傷した爆発事件に関して、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/MazloumAbdi/)で「罪のない命を奪う非難されるべきテロ行為」、「このテロ行為は占領国トルコとその傭兵どもが平和とオリーブの都市に対して行ってきた破壊政策がもたらした結果だ」と綴った。

トルコ国防省は28日の声明で、YPGの関与を断じている。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県、アレッポ県の反体制派支配地を砲撃(2020年4月29日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから55日目となる4月29日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、カンスフラ村、アーフィス村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村、カフルタアール村を砲撃した。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月29日付)を公開し、4月28日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 29, 2020をもとに作成。

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ダイル・ザウル県の砂漠でパレスチナ人民兵組織のクドス旅団の戦闘員2人の遺体が発見される(2020年4月28日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(4月28日付)によると、ユーフラテス川西岸のマヤーディーン市近郊の砂漠地帯で、パレスチナ人民兵組織のクドス旅団の戦闘員2人の遺体が発見された。

遺体はいずれも首が切断されており、ダーイシュ(イスラーム国)の要撃を受けて殺害されたものと思われる。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、Dayr al-Zawr 24, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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米軍は空路、陸路でシリア領内の基地に兵站物資を供給(2020年4月28日)

シリア人権監視団は、米軍の貨物機複数機が、ハサカ県カーミシュリー市近郊のカスラク村とダイル・ザウル県のウマル油田に違法に設置されている米軍基地に兵站物資を搬入していると発表した。

米軍はまた貨物車輌300輌からなる車列をハサカ県のタッル・バイダル村に派遣し、武器や装備を補給したという。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダはイドリブ県内のドゥルーズ派の土地を接収しようと、IDPsに退去を迫る(2020年4月28日)

シリア人権監視団は、シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣が、イドリブ県北部のキフタイン村のキャンプに身を寄せている国内避難民(IDPs)を退去させようとしていると発表した。

同監視団によると、キャンプが設置されているのは、ドゥルーズ派宗徒が所有している土地。

シリア救国内閣は、イドリブ県においてイスラーム教スンナ派以外の宗教・宗派の宗徒の財産を掌握しようとしているシャーム解放機構の意向に沿って、土地の接収を企図、IDPsに対して72時間に退去するよう警告しているという。

キャンプに滞在しているIDPsは約175世帯で、そのほとんどが県南部のサルマーン村出身者だという。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア・トルコ外相が電話会談で新型コロナウイルス感染症対策やシリア情勢について協議(2020年4月28日)

ロシア外務省の声明は、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣とトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が電話会談を行い、新型コロナウイルス感染症対策や、シリアのイドリブ県情勢などへの対応について意見を交わしたと発表した。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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トルコのドローンがアサーイシュ拠点を爆撃する一方、トルコ占領下のアフリーン市で大きな爆発、100人あまり死傷(2020年4月28日)

アレッポ県では、ANHA(4月28日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市で午前4時半頃、自治局の内務治安局(アサーイシュ)の拠点を爆撃、車輌などが被害を受けた。

一方、シリア人権監視団、ANHA、SANA(4月28日付)などによると、トルコ占領下のアフリーン市中心街のマフムーディーヤ地区(ラージュー街道)で、大きな爆発が発生した。

爆発が起きたのは、大衆市場にある国民軍の本部前で、タンクローリーに仕掛けられた爆弾が爆発し、シリア人権監視団によると、子供11人と戦闘員6人を含む46人が死亡、50人以上が負傷した(シリア人権監視団は29日、死者がさらに増え、子供11人と戦闘員12人を含む52人となったと発表した。)。

https://www.facebook.com/afrinnow/videos/554918711878301/

https://www.facebook.com/efrinviolations/videos/229321628325565/

 

これに関して、トルコ国防省は声明を出し、「アフリーン市で爆弾が仕掛けられたタンクローリーが爆発し、民間人40人が死亡、47人以上が負傷した」としたうえで、「無垢の市民を狙った爆発の責任は人民防衛隊(YPG)にある」と非難した。

他方、アレッポ解放軍団は声明を出し、4月25と27日にシャッラー村近郊のアナービカ村などで、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の車輌を攻撃するなどして、トルコ軍兵士2人と国民軍戦闘員3人を殺害したと発表した。

ANHA(4月28日付)が伝えた。

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ハサカ県では、SANA(4月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のダーウーディーヤ村、タッル・マンダル村、アニーク・ハワー村を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のバーブ・ファラジュ村、ルバイアート村一帯で、シリア軍、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ軍、国民軍と砲撃戦を行った。

AFP, April 28, 2020、Anadolu Ajansı, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、April 29, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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ハミース内閣は県内の都市・農村間の移動制限を緩和、4月30日、5月1、2日の県外への移動を許可(2020年4月28日)

イマード・ハミース内閣の新型コロナウイルス対策チームは、午後7時30分から翌朝6時までの外出禁止、県内外の移動禁止、団体での移動、集会自粛、映画館、文化センター、劇場、スポーツ・サロンなどの閉鎖継続といった感染予防策を継続することを確認した。

その一方、県内の都市・農村間の移動制限については、就業者の移動を容易にするためにこれを解除することを決定した。

また、4月30日木曜日、5月1日金曜日、5月2日土曜日の3日に限り、昼間の県外への移動を認めることを決定した。

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タルトゥース県は、来週日曜日(5月3日)をもって、タルトゥース市の海岸通り(コルニーシュ)の通行禁止措置を解除すると発表した。

SANA(4月28日付)が伝えた。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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保健省は新型コロナウイルス感染者2人が回復したと発表(2020年4月28日)

保健省は新型コロナウイルス感染者2人が回復したと発表した。

これにより、4月28日現在の同地での感染者数は計43人、うち死亡したのは3人、回復したのは21人となった。

SANA(4月28日付)が伝えた。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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通商用通行所設置を巡ってトルコとシャーム解放機構の緊張が高まるなか、トルコ・ロシア軍はM4高速道路で合同パトロールを実施(2020年4月28日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから54日目となる4月28日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がダーラト・イッザ市近郊のカートゥーラ村の検問所に戦闘員を終結させ、同市に向かうトルコ軍の車列の進行を阻止した。

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イドリブ県では、ANHA(4月28日付)によると、シリア政府支配地域とを結ぶ通商用の通行所を設置しようとするシャーム解放機構の動きを阻止するためにトルコ軍が27日にマアーッラト・ナアサーン村一帯に設置した土塁を、シャーム解放機構が撤去した。

同地では、シャーム解放機構とトルコ軍、そしてその後援を受けるシャーム軍団(国民解放戦線所属)の緊張が高まっているという。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍の合同部隊がM4高速道路のタルナバ村からナイラブ村までの区間で合同パトロールを実施した。

合同パトロールは、トルコ軍が26日に「尊厳の座り込み」デモを強制排除して以降初めて。

このほか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるカンスフラ村、ファッティーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月28日付)を公開し、4月27日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2020をもとに作成。

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通信技術省所轄のSY-TRA はアサド大統領のいとこのラーミー・マフルーフ氏が経営する携帯電話会社2社に2,338億シリア・ポンドの追徴課税納付を求める(2020年4月27日)

通信技術省所轄の電気通信電話規制委員会(SY-TRA )は声明を出し、アサド大統領のいとこでビジネスマンのラーミー・マフルーフ氏が取締役会長を務めるシリアテルと、同氏が事実上経営するMTNの携帯電話会社2社に対して、国家に納付されるべき追徴課税2,338億シリア・ポンド(約3億9,000米ドル、日本円で約400億円)の納付期限を5月5日に終えることを決定したと発表した。

声明によると、2019年9月19日の首相決定第1700号に基づいて設置された委員会が追徴課税金額の2,338億シリア・ポンドを確定、これを受けてSY-TRA の検査委員会が5月5日を納付猶予期間の最終日に指定した。

なお、猶予期間中に納付義務が履行されない場合は、公的財産権を確保するために必要な法的措置を講じると付言している。

AFP, May 2, 2020、ANHA, May 2, 2020、AP, May 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2020、Reuters, May 2, 2020、SANA, May 2, 2020、SOHR, May 2, 2020、UPI, May 2, 2020などをもとに作成。

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シリア交渉委員会のハリーリー代表は新代表選出を画策するサウジアラビアを非難(2020年4月27日)

シリアの反体制政治組織の一つでジュネーブ会議、制憲委員会(憲法委員会)に反体制派の代表団を派遣しているシリア交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はメンバーに宛てた非公式の書簡のなかで、最大の支援国であるサウジアラビを批判した。

ハリーリー代表はこの書簡のなかで「サウジアラビア外務省アラブ局長のサイード・スワイイド氏は委員会の問題にあからさまに介入している。これはサウジアラビアの歴史、そして同国の外務大臣とシリア問題を担当すサーミル・スブハーンアラビア湾担当国務大臣の政策に反している」としたうえで、「スワイイド局長が(委員会内での)選挙を呼びかけようとしない一連の理由があるが、それは、シリア問題にかかる小グループ(米仏独、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン)が委員会とその決定の独立性を尊重するとした同局長の前言の本質を損ねるものである」と非難した。

ハリーリー代表はそのうえで「選挙の呼びかけはリヤド2、会議での合意に基づく基本原則に基づくもので…、サウジアラビアの介入は、投票の実施なくしてメンバーを交代しないとした委員会の内規を無視したものだ…。サウジアラビアは自らの政策に即したかたちでシリアの反体制派をめぐるガードを調整しようとしている」と付言、サウジアラビアに対して、委員会のメンバー改選のための選挙実施を呼びかけるよう求めた。

一方、シリア最高委員会の複数の情報筋によると、スワイイド局長は、ハリーリー局長に代わる新たな局長を選出する内部投票を実施するよう要請する文書を委員会に対して送ったという。

書簡は、今後の政治プロセスの進展に向けて、シリア政府との和解により前向きな指導部への交代を画策しているものと思われる。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)などが伝えた。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシャーム解放機構がシリア政府支配地との境界に通商路を設置する試みを阻止するため部隊を展開(2020年4月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍部隊がキトヤーン村の分岐路に展開し、マアーッラト・ナアサーン村に近いシリア政府支配地域に至る街道を封鎖した。

街道の封鎖は、シャーム解放機構がシリア政府支配地とを結ぶ通商用の通行所を設置するのを阻止するため。

シャーム解放機構は27日、マアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県西部のミーズナーズ村の間の地域で、土塁や地雷を撤去し、通行所の設置を準備していた。

トルコ軍はまた、マアーッラト・ナアサーン村、シャラフ村にも展開し、大型車輌の通行を禁止した。

現地では、マアーッラト・ナアサーン村の住民らが、新型コロナウイルス感染拡大に繋がるなどとして、通行所の設置に反対するデモを行っていた。

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なお、シャーム解放機構のサイード・アフマド通行所局長は、ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)の取材に応じ、「解放区に輸入される商品の割合は3年前には、シリア政府支配地域からが65%、トルコからが35%だった…。だが、新たな政治状況、そして解放区の通行所(の運営)が統合されたことで、政府支配地域からが5%、トルコからが95%になった。解放区はその一方で輸入よりも50%も多く余剰の生産物を輸出している。輸出の90%は政府支配地域で、5%がトルコだ」と述べ、通行所の設置がシリア政府支配地域との輸出入のバランスを是正し、輸出に見合った輸入を実現することを目的としていると述べた。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍無人航空機がイドリブ県住民に安全と平和を確保するために協力を呼びかけるビラを散布(2020年4月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機が、住民に対して、安全と平和を確保するためトルコ軍に協力するよう呼びかけるビラを散布した。

ビラには以下のように書かれているという:

「イドリブ県の我らの親愛なる同胞へ。トルコ軍は常にあなた方と共にある。あなた方のために全力を尽くし、イドリブ県の住民の命と財産を守るために多くの犠牲を払ってきた。トルコはあらゆるレベルで、持続的安定を保障し、無垢の人々の犠牲を食い止め、あなた方の安全を守るために努力している。

我々の目標は、M5、M4高速道路を開通させることで、イドリブ県に対する一切の軍事行動や掃討を阻止し、避難を余儀なくされた民間人を帰宅させ、経済生活を再生することにある。

我々は、あなた方が平和と安全のもとに暮らすことを欲しているトルコ軍を支援して欲しいとあなた方に願っている。イドリブ県で我々が充実させようとしている平和と安全を不快に思っている者どものウソを信じないでください。これらの連中は、あなた方をだまし、同胞どうしの不和を助長しようとしている。我々はまた、この地域の平和と安定を作り出すために取り組んでいる。

アッラーの御加護がある限り、アッラーは我々みなをお助け下さいますように」。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県、アレッポ県を砲撃(2020年4月27日)

ラッカ県では、ANHA(4月27日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、ディブス村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(4月27日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村を砲撃した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県で反体制派どうしが戦闘、アレッポ県でダーイシュのメンバー脱走(2020年4月27日)

ハサカ県では、SANA(4月27日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のハルービー村で国民軍に所属する第20師団が東部自由人連合の拠点を接収しようとして戦闘となった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市にある国民軍所属部隊のハムザ師団の拘置所からダーイシュ(イスラーム国)のメンバー8人が脱走した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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米軍が部隊撤退後初めてシリア北部でパトロールを実施(2020年4月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の装甲車6輌からなる部隊が、タッル・バイダル村に違法に設置している基地から、M4高速道路上のサイカル村の検問所(ダルバースィーヤ市の南約20キロ)に至る地域でパトロールを実施した。

米軍がシリア北部でパトロールを行うのは、2019年10月のトルコ軍による侵攻作戦(「平和の泉」)に先立って同地から部隊撤退を発表して以降初めて。

米軍はまた、貨物車輌など70輌を、ワリード国境通行所からシリア領内に進入させ、タッル・バイダル村、カスラク村に違法に設置されている米軍基地に派遣した。

一方、SANA(4月27日付)が複数の住民の話として伝えたところによると、米軍の車輌6輌の車列がシャッダーディー市に入り、同地でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーを乗せて、イラクに向かった。

車列は米軍ヘリコプターの援護を受けてイラクに向かったという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアイン・アラブ(コバネ)市一帯の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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イスラエル軍が首都ダマスカス近郊を爆撃、住民3人が死亡、3人が負傷(2020年4月27日)

SANA(4月27日付)は、シリア軍防空部隊が午前4時55分、レバノン領空を侵犯し、シリア領内に発射した複数のミサイルを迎撃し、そのほとんどを撃破したと伝えた。

イスラエル軍がシリア領内への爆撃を実施するのは4月に入って3回目。

 

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SANAによると、イスラエル軍による爆撃の被害を受けたのはダマスカス郊外県のフジャイラ村とアーディリーヤ村で、住民3人が死亡、子供1人を含む3人が負傷、住宅が損壊した。

クナイトラ県のハマーム・ディブヤーン知事は報道向けの声明を出し、フジャイラ村の住宅複数棟がイスラエル軍の攻撃を受け、男性1人とその妻が死亡、子供1人を含む3人が負傷したと発表した。

ディブヤーン知事によると、爆撃はイスラエルが占領するゴラン高原からの避難民を狙ったものだという。

ダマスカス郊外県のアラー・イブラーヒーム知事も、フジャイラ村への爆撃で、クナイトラ市からの避難民の一家が被害を受け、夫婦が死亡、息子1人を含む2人、妻の母が負傷し、妻の母が搬送先のムジュタヒド病院で死亡したと発表した。


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一方、シリア人権監視団は、撃破されたミサイルの残骸によってフジャイラ村とアーディリーヤ村で民間人3人が死亡したとしつつ、イスラエル軍が狙ったのは、キスワ市からサフナーヤー市に至る地域に展開する「イランの民兵」やレバノンのヒズブッラーの拠点で、少なくともこれらの民兵4人が死亡したが、身元は不明と発表した。

スプートニク・ニュース(4月26日付)によると、イスラエル軍が発射したミサイルは8発で、うち5発はシリア軍防空部隊が着弾前に撃破した。

サウト・アースィマ(4月28日付)によると、イスラエル軍が狙ったのはナジュハー村とアーディリーヤ村の間に位置するサフヤー山地に展開する第1師団第58旅団の拠点。

イスラエル軍がこの地域を攻撃するのは今回が初めて。

攻撃によって、倉庫複数棟が被弾、イラン・イスラーム革命防衛隊のメンバー少なくとも3人が死亡したという。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、Sawt al-‘Asima, April 28, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、Sputnik News, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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保健省は新型コロナウイルス感染者5人が回復したと発表(2020年4月27日)

保健省は新型コロナウイルス感染者5人が回復したと発表した。

これにより、4月27日現在の同地での感染者数は計43人、うち死亡したのは3人、回復したのは19人となった。

SANA(4月27日付)が伝えた。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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所属不明のドローンがハマー県北部でトルコの支援を受ける国民解放戦線と新興のアル=カーイダ系組織を爆撃(2020年4月27日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから53日目となる4月27日、所属不明の無人航空機(ドローン)がハマー県北部を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のアンカーウィー村近郊で、無人航空機(ドローン)が、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するナスル軍の車輌を爆撃し、戦闘員3人が死亡、5人が負傷した。

ドローンはまた、新興のアル=カーイダ系組織の一つのフッラース・ディーン機構の車輌に対しても爆撃を加え、人的被害が出た。

爆撃を行ったドローンの所属は不明だが、ロシア軍、レバノンのヒズブッラー、あるいは「イランの民兵」に所属していると思われる。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と国民解放戦線などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、HFL(4月27日付)によると、スワイダー県の武装集団がブスラー・シャーム市を襲撃、シリア軍第5軍団に所属する地元部隊が応戦した。

この戦闘で、スワイダー県の反体制武装集団戦闘員1人が死亡、第5軍団の兵士2人が負傷した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、HFL, April 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年4月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月27日付)を公開し、4月26日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,853人。

内訳は、レバノンからの帰還者182,605人(うち女性55,179人、子ども93,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,133人(うち女性242,455人、子供411,918人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2020をもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路でロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対して行われていた座り込みデモを強制排除、シャーム解放機構と交戦(2020年4月26日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)、イナブ・バラディー(4月26日付)、ザマーン・ワスル(4月26日付)、ANHA(4月26日付)、シリア人権監視団などによると、トルコ軍が早朝、ナイラブ村近郊のM4高速道路で続けられていた「尊厳の座り込み」デモを強制排除した。

デモは、ロシア・トルコ軍によるM4高速道路の合同パトロールに反対するため、3月13日に開始されていた。

トルコ軍と警察からなる大規模部隊は、装甲車、重機を伴い、ナイラブ村近郊の座り込み現場に入り、路上に積まれていた土嚢を撤去、催涙弾や放水でデモ参加者を排除しようとしたが、デモ参加者が投石を行うなどして抵抗したため、トルコ軍が実弾で応戦した。

トルコ軍の発砲により、シャーム解放機構のメンバー2人と同組織に自治を委託されている救国戦線の職員2人の合わせて4人が死亡した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍は、デモ参加者が設営していたテントのほとんどを撤去した。

なお、トルコ軍は13日にも強制排除を試みていた。

https://www.youtube.com/watch?v=c1JGJOvUArQ

https://www.youtube.com/watch?v=N3wMZGSfcDs

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イナブ・バラディーが現地の複数の軍事筋の話として伝えたところによると、強制排除を受けて、武装集団がナイラブ村近郊でトルコ軍部隊を襲撃、対戦車ミサイルで重機、戦車、装甲車を狙い、被害を与えた。

ザマーン・ワスルによると、狙われたのはトルコ軍の戦車2輌。

イナブ・バラディーとザマーン・ワスルは攻撃を行った武装集団を特定せずに報じたが、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が主導する反体制武装集団が、ナイラブ村近郊に設置されているトルコ軍の拠点複数カ所を攻撃したと発表した。

なお、トルコ軍はヘリコプターを現地に派遣し、負傷した兵士を本国に移送した。

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トルコ軍部隊が襲撃されたのを受けて、トルコ軍はバイラクタルTB2無人航空機(ドローン)を投入し、対戦車ミサイルが発射された地点を爆撃、また地上部隊が砲撃を行い、シャーム解放機構と交戦した。

シリア人権監視団によると、バイラクタルTB2の爆撃はナイラブ村に対して行われ、シャーム解放機構の車輌が被弾、メンバー2人が殺害、3人が負傷した。
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一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(4月26日付)によると、ハザーヌー町近郊で、住民数十人が、トルコ軍による「尊厳の座り込み」強制排除で犠牲者が出たことへの対抗措置として、バーブ・ハワー国境通行所に至る道路を封鎖し、トルコ軍車輌の通行を妨害した。

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シリア人権監視団によると、その後、トルコの支援を受ける反体制武装集団がシャーム解放機構と会合を開き、トルコ軍との戦闘を収拾、座り込みデモを中止させた。

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しかし、シャーム解放機構のタキー・ディーン・ウマル広報関係局長はドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)に対して、トルコ軍の無人航空機(ドローン)による爆撃と事態収拾についての情報を否定した。

ウマル広報関係局長は、「我らがムジャーヒディーンがトルコ軍の無人航空機に狙われたというニュースが流れているが、このニュースは正しくない。また我々とトルコがマストゥーマ村で会合したとの情報も流れているが、これも正しくない」と述べた。

AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、‘Inab Baladi, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, April 26, 2010、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020、Zaman al-Wasl, April 26, 2020などをもとに作成。

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反体制派系NGOのシリア人権ネットワークはイドリブ県でのタラーウィーフの礼拝を新型コロナウイルス予防対策ができていないと非難(2020年4月26日)

シリア・ロシア軍の攻撃の被害を発表し続ける反体制派系NGOのシリア人権ネットワークはツイッターのアカウント(https://twitter.com/SN4HR/)を通じて、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市内の複数のモスクでタラーウィーフの礼拝が行われたことを批判した。

シリア人権ネットワークは「イドリブ市のモスクで行われたタラーウィーフの礼拝で礼拝者が密集している状況は、新型コロナウイルス感染症COVID-19の脅威に対する配慮と社会的取り組みを欠いている…。これはCOVID-19の感染拡大と予防のために行われるべきもっとも単純な予防策に反している」と批判し、24日に行われた礼拝の写真を転載した。

 

AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020などをもとに作成。

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