イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が散発的に交戦、シリア軍兵士1人死亡(2020年3月23日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから18日目となる3月23日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反は確認されなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室もカフルナブル市一帯に展開するシリア軍に反撃し、兵士1人が死亡した。

一方、トルコ軍は戦車、装甲車など45輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、ジスル・シュグール市西のM4高速道路沿線のビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は49カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所
イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点
イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町、ナージヤ村、ズアイニーヤ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザイズーン村、サルマーニーヤ村、ズィヤーラ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

一方、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に向かって飛来した無人航空機(ドローン)が防空部隊によって撃墜された。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ブライカ村でヒズブッラーの退去を求める落書きが壁に書かれているのが発見された。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ロシアのショイグ国防大臣がシリアを訪問しアサド大統領と会談(2020年3月23日)

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

SANA(3月23日付)によると、会談では、3月5日にロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が交わした緊張緩和地帯第1ゾーン(イドリブ県)での停戦合意、「テロ組織」による停戦違反、M4高速道路の南北各6キロ、総幅12キロの沿線一帯からの「テロリスト」の排除にかかる合意の実施方法が取り上げられた。

会談ではまた、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸、米国による同地の石油略奪、治安と安定の回復に向けた措置、対シリア制裁解除に向けたロシアの取り組みなどについても協議された。

これらの問題に関して、両国間で今後の政策、措置への意見の一致が確認されたという。

さらに会談では、両国国防省と軍の協力関係についても意見が交わされた。

会談には、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ国防大臣、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長が同席した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民52人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,792人に(2020年3月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月23日付)を公開し、3月22日に難民52人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは52人(うち女性15人、子供27人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,792人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,544人(うち女性55,161人、子ども93,396人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は807,072人(うち女性242,437人、子供411,887人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2020をもとに作成。

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ホワイト・ヘルメットは新型コロナウイルス感染拡大防止を口実としたシリア政府の制裁解除要求に応じないよう呼びかける(2020年3月22日)

ホワイト・ヘルメットは「市民の尊厳ためのシリア協会」と共同声明を出し、新型コロナウイルス感染拡大防止を口実としてシリア政府が国際社会に求めている制裁解除に応じないよう呼びかけた。

シリアの外務在外居住者省の公式筋は19日、声明で、近隣諸国で新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、国際社会に対して、シリアに対する欧米諸国の違法な強制措置を解除するために行動するよう呼びかけていた。

声明は「医療部門はシリア政府に対する制裁からそもそも除外されている」、「シリア政府は支配地域での感染者の存在を否定している」、「感染拡大に向けた実効的な措置を講じていない」などといった理由をあげて、シリア政府による制裁解除要求に「仰天」しているとしたうえで、「これまでの経験から、シリア政府への経済支援は、体制そのものとその汚職のネットワークを支えるために利用される。医療支援が人々に直接行われなければ、必要としている人のもとにそれが届くことはない」と主張した。

また「体制はこれまで、シリア人の健康に絶大な関心を払ってきた病院を破壊し、医療スタッフを殺害してきた」と非難、「体制にいかなる支援を行っても…、さらなる殺戮、抑圧に向けられ、尊厳や健康な生活といった基本要素をシリア人から奪うことに繋がる」と断じた。

そして、世界保健機構(WHO)に対して、感染拡大を阻止するために必要な措置を講じさせるようシリア政府に圧力をかけることを求めるとともに、国連や国際機関に対して、体制が管理する刑務所に立ち入り、受刑者の感染状況を調査、必要な治療を施すよう呼びかけた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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イドリブ保健局はイドリブ県で新型コロナウイルスの感染が疑われる4人の検査を行っていると発表(2020年3月22日)

シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の反体制派支配地(いわゆる「解放区」)で保健衛生活動を行っているイドリブ保健局のムンズィル・ハリール局長はフェイスブックのアカウントを通じてビデオ声明を出し、トルコ国境に面するアティマ村の病院で新型コロナウイルス感染の疑いのある4人を隔離し、検査を行ったことを明らかにした。

ハリール局長は、「検査はまだ不充分で、結果を確認するには時間を要する」と述べ、この4人の感染を否定した。

また、「解放区」に感染者がいるかもしれないが…、分析結果が届くまで確認することはできない」と付言した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/videos/145204003508059/?__xts__%5B0%5D=68.ARBhgkPjPQy0Yhd-QV8CH2URA_DHjdNQKVA72oifYq6ZH0XFyCFUXZpnKQyMy29suM89ZRynjv5dvpEbh4rtYDoAAN4teOMW4op4xKZgskddtmsg5SpTi0oBJeUDmES2-ocEAuikK5uA-ukBPtLu4w1ElvZJ0NlYI99wch1hfYFJaeyGhsjc9k-I3Dqv2FUnipbCwKB0vG0HuDfKAQnZJ-pNlji8SgPADsBTlW-b7RaKzjPVtKrSqQbDMexKlGMcixBnGIapmdwaymP4idxWjNgl5zvs9_-BS6gsfPiz9WRHfabQTsNFE282vIgbSkuUwUqr5EPjLIthQSW1ycF6IFSxPW9ODfy_iks_jQ&__tn__=-R

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暫定内閣は声明を出し、国際社会がシリア北部で新型コロナウイルス感染防止に務める同内閣の保健省を支援しなければ、「差し迫った災害」が現実のものになると警鐘を鳴らした。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコはハサカ市への水道供給を停止(2020年3月22日)

ハサカ県では、SANA(3月22日付)やシリア人権監視団によると、ラアス・アイン市近郊のアルーク村にある揚水所に駐留するトルコ軍部隊が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市およびその周辺地域への水道水の供給を停止した。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シリア人権監視団は政府支配地域で新型コロナウイルス感染者1人が死亡したと主張(2020年3月22日)

シリア人権監視団は、信頼できる複数の医療筋の情報として、ダマスカス県、ヒムス県、ラタキア県、タルトゥース県で新型コロナウイルスの感染を疑われ、隔離されている患者の数が128人に達していると発表した。

このうちの56人は検査の結果が陰性だったために隔離施設を後にしたが、72人は現在も隔離されているという。

また、女性1人が新型コロナウイルスに感染して死亡したが、シリアの治安当局は箝口令を敷き、この事実を公表していないという。

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シリア人権監視団はまた、ダイル・ザウル県のマヤーディーン市でも、新型コロナウイルスに感染している「イランの民兵」が15人に達したと発表した。

内訳は、イラン人11人、イラク人4人。

同市では、イラン人1人が肺炎で死亡している。

新型コロナウイルスに感染していたと思われるが、事実確認はとれないという。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣はパン製造業者に衛生管理の徹底を要請、そのための費用をパン代に上乗せすると発表(2020年3月22日)

イドリブ県の反体制派支配地の軍事・治安権限を握るシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣は、新型コロナウイルス感染防止策として、県内のパン(フブズ)製造業者に対して、施設の殺菌と清掃のための費用として、パン1袋に対して2シリア・ポンドの費用を上乗せすると通達した。

シリア救国内閣はまた、すべてのパン製造業者に対し、施設の衛生管理にかかる指示を遵守し、従業員に周知徹底するよう要請した。

具体的には、手洗いの徹底、施設の塩素消毒、マスクの着用、パンの袋の密閉など。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発(2020年3月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市内のファーラービー病院近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子ども1人を含む2人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍がタッル・アブヤド市西部郊外にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点を砲撃した。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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シリア全土で23~24日に全交通機関停止、22日から紙媒体の新聞発行中止、23日からレバノンからの入国停止(2020年3月22日)

イマード・ハミース内閣は閣議で新型コロナウイルス感染予防策を協議、3月23日午後8時から24日夕刻まで、各県内、および県外の公共および民間の交通機関の運行を停止することを決定、各省庁、組合、民間の生産施設に対して、従業員の移動手段を確保するよう要請した。

また、保健省などが作成した今後6ヶ月の新型コロナウイルス対策案を承認、隔離センターを増設するとともに、各県に19の緊急監視チームを発足させ、ダマスカス県、ラタキア県、アレッポ県に世界保健機構(WHO)連携してウイルス感染診断用のラボを設置することを決定した。

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情報省は、新型コロナウイルス感染予防策として、22日から追って通知があるまでの機関、紙媒体の新聞の発行中止を要請することを決定した。

これを受け、バアス党の機関紙『バアス』、人民議会に近い『サウラ』、大統領府に近い『ティシュリーン』、民間の『ワタン』が要請に応じた。

なお、4紙はインターネットを通じた記事の配信は続ける。

また、進歩国民戦線のムハンマド・シャッアール副書記長と労働者総連合のジャマール・カーディリー総裁は、戦線加盟政党と組合に対して紙媒体での機関紙の発行を中止するよう要請した。

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内務省は、新型コロナウイルス感染予防策として、3月23日正午から追って通知があるまでの期間、レバノンからのシリア人および外国人の入国を禁止することを決定した。

貨物車輌の運転手の入国は除外される。

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SANA(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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ヤーズジー保健大臣はシリア国内で新型コロナウイルス感染者1人が初めて確認されたと発表(2020年3月22日)

ニザール・ヤーズジー保健大臣はシリア国内で1人が新型コロナウイルスの感染していることが確認されたと発表した。

シリア国内で感染者が確認されたのはこれが初めて。

記者らとの会見で、ヤーズジー保健大臣は、帰国者に対して実施している検査で、湾岸諸国から帰国した女性1人から陽性反応が出て、新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと述べた。

ヤーズジー保健大臣は、保健省が現在、この男性を隔離するなどの必要な措置を講じているとしたうえで、隔離は14日間行われる予定で、患者が回復するまで4日毎にウイルス検査が実施される予定だと付言した。

感染が確認されたのは、20代の女性で、帰国時に感染の症状は見られなかったという。

ヤーズジー保健大臣はそのうえで、この女性は何らの症状も訴えていないため、比較的早い段階で回復が見込まれるだろうと述べた。


SANA(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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サッカーのシリア代表チーム通称「カシオンの鷲」が新型コロナウイルス感染拡大を阻止するため、不要不急の外出を控え、自宅で過ごすよう呼びかける(2020年3月22日)

サッカーのシリア代表チーム通称「カシオンの鷲」のメンバーが、ファンらに向けてビデオ・メッセージを配信し、新型コロナウイルス感染拡大を阻止するため、不要不急の外出を控え、自宅で過ごすよう呼びかけた。

ビデオ・メッセージでは、ウマル・スーマ選手、イブラーヒーム・アーリマ選手、アフマド・サーリフ選手、ムアイイド・アッジャーン選手が、世界規模での新型コロナウイルス感染拡大に対応するため、保健省の指示に従って、大勢の人が集まる場所を避け、自宅で過ごすといった予防策を講じるよう呼びかけた。

なお、シリア・サッカー連盟は、3月10日から4月15日まで国内リーグの試合を中止することを決定している。

SANA(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領は政令を施行し、2020年3月22日以前の犯罪に対する恩赦を決定(2020年3月22日)

アサド大統領は2020年政令第6号を施行し、2020年3月22日以前の犯罪に対する恩赦を決定した。

恩赦の対象となるのは、死刑(無期懲役刑に減刑)、無期懲役刑(刑期を20年に減刑)、
無期禁固刑(刑期を20年に減刑)、回復の見込みのない疾病を患っている受刑者、70歳以上の受刑者など。

SANA(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM4高速道路沿線に新たに2カ所の拠点を設置(2020年3月22日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから17日目となる3月22日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハザーリーン村一帯でにある「決戦」作戦司令室の拠点を攻撃を試み、砲撃を行ったが、「決戦」作戦司令室の反撃を受けて、兵士3人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、ファッティーラ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、戦車や装甲車など約60輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させたほか、M4高速道路沿線のジスル・シュグール市近郊のムシャイリファ村とタッル・ハッターブ村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は以下46カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

AFP, March 22, 2020、ANHA, March 22, 2020、AP, March 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 22, 2020、Reuters, March 22, 2020、SANA, March 22, 2020、SOHR, March 22, 2020、UPI, March 22, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県の反体制派支配地域で新型コロナウイルス感染予防策進まず(2020年3月21日)

「イドリブ保健局」(Mudiriya Sihha Idlib、https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/ムンズィル・ハリール局長)は声明を出し、イドリブ県内の「解放区」において新型コロナウイルスの感染者は確認されていないと発表した。


声明は「解放区」内での感染拡大の噂が広まるなかで発表された。

イドリブ保健局はまた「一部病院で予防策が取られているのは当然のことだ。これは感染が疑われる患者と接するにあたって行われている」と付言した。

そのうえで、「我々はすべての関係機関、住民に信用できない筋が発信する情報を拡散しないよう、また噂を鵜呑みにしないよう求める…。イドリブ保健局は感染者が確認された場合、公式に発表する」と強調した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/photos/a.648305141939511/2313156365454372/?type=3&theater%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/90139643_2313156368787705_3047103104068616192_n.jpg?_nc_cat=107&_nc_sid=8024bb&_nc_ohc=GoKaoCLrPrIAX8aH_tW&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&oh=62df0a8fd0d60cf4bfabfb86c144da92&oe=5E9BCAAF

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イドリブ保健局はこれに先だって、新型コロナウイルス感染に備えて、医療体制を強化すると発表、住民に通院・手術のスケジュールの変更を呼びかけるとともに、感染が疑われる場合の通院方法について告知した。

https://www.facebook.com/Idleb.Health.Directorate/photos/a.655667164536642/2312521512184524/?type=3&theater%20https://scontent-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t1.0-9/s960x960/90235706_2312521515517857_8054336824270651392_o.jpg?_nc_cat=100&_nc_sid=110474&_nc_ohc=0k7M03ArHqAAX-64HyF&_nc_ht=scontent-nrt1-1.xx&_nc_tp=7&oh=fadba74c0080a828767e51638dee4983&oe=5E9A8624

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シリア人権監視団は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県の反体制派支配地では、ほとんどの住民が、新型コロナウイルスの世界的な感染に対して関心を向けないまま生活を続けていると発表した。

「イドリブ県の保健局」(Mudiriya al-Sihha bi-Idlib)によると、感染を予防するためのマスクや医療用手袋はほとんどなく、また値段も高騰しているほか、感染者の隔離や治療が可能な医療施設、病院十分ではない。

また、市場、公園、病院、モスクは、通常通り住民で賑わっており、感染拡大が予想される現状を踏まえていかなる決定も下されていない。

イドリブ大学も授業の中止には踏み切っていない。

なお「イドリブ県の保健局」が上記のイドリブ保健局と同一機関なのかは不明。

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トルコのガジアンテップで活動する暫定内閣のアブドゥッラフマーン・ムスタファー首班は、住民に必要のない外出を控えて、自宅にとどまるよう呼びかけて、状況次第では外出禁止令を発出すると表明している。

だが、イドリブ県の反体制派支配地は、暫定内閣ではなく、シリア救国内閣や地元の評議会が自治を担っており、暫定内閣の呼びかけにはほとんど効果がない。

暫定内閣はシリア革命反体制勢力国民連立(シリア国民連合)傘下組織で、同内閣の保健省は、「イドリブ保健局」(Mudiriya Sihha Idlib)を所轄している。

この保健局は通称「自由イドリブ保健局」(Mudiriya Sihha Idlib al-Hurra)と呼ばれている。

シリア救国内閣はシャーム解放機構に自治を委託されている組織。

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シリア人権監視団によると、反体制派の支配地には400万人が暮らしており、その半数以上が国内避難民(IDPs)としてキャンプでの生活を余儀なくされているという。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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リビアで死亡したシリア人戦闘員(国民軍)が143人に(2020年3月21日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加するためにトルコが派遣したシリア人戦闘員(国民軍)の死者数が143人を記録していると発表した。

143人は、国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザ師団、スライマーン・シャー師団のメンバーで、リビアの首都トリポリ市南部のサラーフッディーン地区、トリポリ国際空港近郊のラムラ地区一帯、ハドバ開発計画地区、ミスラータ市一帯などで、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と交戦中に死亡したと見られる。

また、トルコは、リビアに派遣した国民軍戦闘員の数が6,000人を超えたことに対処するため、給与削減に踏み切ったという。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は4,750人に達し、約1,900人が派遣に向けて、トルコ占領下のアレッポ県北部(「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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ハミース首相は3月22日から、市場の閉鎖、商業、福祉、文化、社会活動の中止を徹底するよう指示(2020年3月21日)

イマード・ハミース首相は声明を出し、すべての省庁に対して、3月22日から追って通知があるまでの期間、新型コロナウイルス感染予防および拡大防止のために必要な措置を講じるよう通知した。

ハミース首相は声明のなかで、生産部門での操業は継続しつつも、必要最低限まで職員の数を減らすなどして公務を遂行するよう指示している。

ハミース首相はまた、各県の県知事に対して、3月22日から追って通知があるまでの期間、市場の閉鎖、商業、福祉、文化、社会活動の中止を徹底し、住民の外出を最低限に抑える措置を講じるよう指示した。

なお、食糧と医薬品の販売、宅配、民間の医療施設はこの限りではないと付言した。

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ニザール・ヤーズジー保健省は、新型コロナウイルス感染者が確認された場合、ダマスカス郊外県ザバダーニー市にあるザバダーニー国立病院を特別の隔離施設とすることを決定したと記者らに対して明らかにした。

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内務省は声明を出し、新型コロナウイルス感染予防・拡大防止策として、3月22から追って通知があるまでの期間、旅券発給、渡航許可、各種滞在許可、運転免許、登録証の発行を停止すると発表した。

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シリアとレバノンのキリスト教諸派の総大司教・総主教は共同声明を出し、シリア保健省の指示に従い、新型コロナウイルス感染予防・拡大防止策として、3月21日から追って通知があるまでの期間、すべての礼拝、ミサ、冠婚葬祭、そのほかの行事の一切を中止すると発表した。

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SANA(3月21日付)が伝えた。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はM4高速道路で3度目となる単独パトロールを実施(2020年3月21日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから16日目となる3月21日、シリア・ロシア軍、トルコ軍による爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県0件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路で3度目となる単独パトロールを実施した。

パトロールが実施されたのはタルナバ村からムサイビーン村に至る区間。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など40輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、シリア軍はファッティーラ村、スフーフン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハッダーダ村、フドル丘を砲撃した。

AFP, March 21, 2020、ANHA, March 21, 2020、AP, March 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 21, 2020、Reuters, March 21, 2020、SANA, March 21, 2020、SOHR, March 21, 2020、UPI, March 21, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民36人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,691人に(2020年3月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月21日付)を公開し、3月20日に難民36人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは36人(うち女性11人、子供18人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,691人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,443人(うち女性55,131人、子ども93,344人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,715,172人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,971人(うち女性242,407人、子供411,835人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 21, 2020をもとに作成。

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内務省は新型コロナウイルス感染予防策として中国、イラン、日本など26カ国の国民の入国を禁止(2020年3月20日)

内務省は、新型コロナウイルス感染予防策として、中国、イタリア、イラン、韓国、スペイン、ドイツ、フランス、米国、日本、ベルギー、オーストラリア、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドの国民の入国を2ヶ月、またカタール、バーレーン、UAE、クウェート、エジプト、イラク、レバノン、サウジアラビア、アルジェリア、チュニジア、モロッコの国民の入国を1ヶ月禁止することを決定したと発表した。

入国規制は、シリアの在住資格、事前の入国許可の有無にかかわらず行われる。

内務省はまた、これらの国から帰国するシリア人については、疾病の症状がない場合は、外出を控え、自宅で14日間滞在し、調査チームの経過観察を受けることを、症状がある場合はダマスカス郊外県のドゥワイル地区にある隔離施設に滞在することを決定した。

SANA(3月20日付)が伝えた。

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イマード・ハミース内閣は閣議を開き、新型コロナウイルス感染予防への対応策を協議した。

SANA(3月20日付)によると、閣議では、国民に対して「強制的な外出禁止」を発令する必要を回避するため、「自発的な自宅待機」を呼びかけることを改めて確認した。

また、保健省で感染者が確認された場合、ただちにこれを公表することも確認した。

さらに、すべての省庁に対して、市民生活や生産活動に影響を与えない最低限の勤務態勢を敷くよう指示、財務、工業、社会問題労働、経済対外貿易の各省に対しては、民間セクターに対して、生産活動を維持しつつ、感染の脅威が去り次第、最大限の操業を再開できるよう促すことを指示した。

一方、国営、民間の両セクター、および組合に対しては、すべての従業員の健康管理と感染拡大阻止に向けた措置を講じることを義務づけた。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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シリア軍は新型コロナウイルス感染予防策として、4月22日まですべての物流・兵站を停止することを決定(2020年3月20日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、新型コロナウイルス感染予防策として、4月22日までの約1ヶ月間、すべての物流・兵站を停止することを決定したと発表した。

また、物流・兵站にかかる延滞への一切の法的措置についても停止することを合わせて決定した。

SANA(3月20日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下のアレッポ県、ラッカ県、ハサカ県各所でノウルーズがひっそりと祝われる(2020年3月20日)

ANHA(3月20日付)は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市郊外、タッル・リフアト市、マンビジュ市、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、ラッカ県アイン・イーサー市、ハサカ県のハサカ市、タッル・ハミース市でノウルーズがひっそりと祝われたと伝えた。

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一方、アレッポ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市で大きな爆発が発生した。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領とロシアのプーチン大統領が電話会談でシリア情勢の進捗について意見を交わす(2020年3月20日)

アサド大統領はロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢の進捗について意見を交わした。

SANA(3月20日付)によると、会談では、3月5日のロシア・トルコ首脳会談での停戦合意が発効して以降も「テロ組織」による停戦違反が続いている現状のほか、政治プロセスについても話が及んだ。

プーチン大統領は会談で、アサド大統領とシリア国民に対して預言者昇天祭の祝辞を伝えるとともに、シリアが現下の困難を克服し、一刻も早く治安と安定を回復することを願うと述べたという。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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ハビーブ元国防大臣(81歳)が死去(2020年3月20日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、アリー・ハビーブ元国防大臣(81歳)がダマスカス県のアサド大学病院で死去したと発表、弔意を示した。

ハビーブ元国防大臣はタルトゥース県サーフィーター市近郊のマンダラ村出身。

1962年に軍事アカデミーを卒業、1986年に少将に昇進、1990年から1991年の湾岸戦争ではシリア軍司令官として多国籍軍に参加、1994年には特殊部隊司令官に就任、その後、2004年から2009年まで参謀総長を、2009年から2011年まで国防大臣を務めた。


AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路を単独パトロールするなか、ロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する者たちがトルコ軍によって撤去された土嚢を再び積み上げる(2020年3月20日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、5日のロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効してから15日目となる3月20日、シリア・ロシア軍、トルコ軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍、「決戦」作戦司令室による若干の停戦違反が確認された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

シリア人権監視団によると、シリア軍がイドリブ県のファッティーラ村を砲撃、反体制武装集団もイドリブ県とラタキア県のシリア軍拠点を散発的に砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がM4高速道路のタルナバ村、ムサイビーン村間で単独でのパトロールを実施した。

一方、ナイラブ村近郊の沿線では、トルコ軍によって撤去されていた土嚢がロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対する者たちによって再び積まれ、通行が阻止された。

AFP, March 20, 2020、ANHA, March 20, 2020、AP, March 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2020、Reuters, March 20, 2020、SANA, March 20, 2020、SOHR, March 20, 2020、UPI, March 20, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民42人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は577,655人に(2020年3月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月20日付)を公開し、3月19日に難民42人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは42人(うち女性13人、子供22人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は577,655人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者182,407人(うち女性55,120人、子ども93,326人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,716,330人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は806,935人(うち女性242,396人、子供411,817人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 20, 2020をもとに作成。

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北・東シリア自治局は3月23日午前6時から追って通知があるまでの期間、支配地全域での住民の外出を禁止すると発表(2020年3月19日)

北・東シリア自治局執行評議会共同議長府は、新型コロナウイルス感染防止策として、3月23日午前6時から追って通知があるまでの期間、支配地全域での住民の外出を禁止し、病院、医療センター、薬局、食糧品店、国際機関事務所、赤新月社事務所を除くすべての施設を閉鎖、食品、燃料以外の輸送を禁止とすることを決定した。

AFP, March 23, 2020、ANHA, March 23, 2020、AP, March 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2020、Reuters, March 23, 2020、SANA, March 23, 2020、SOHR, March 23, 2020、UPI, March 23, 2020などをもとに作成。

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ポンペオ米国務長官「ロシアはイドリブ県での軍事作戦でトルコ軍兵士数十人を殺害した」(2020年3月19日)

マイク・ポンペオ米国務長官はワシントンDCの国務省での記者会見で「我々は、ロシアがイドリブ県での軍事作戦でトルコ軍兵士数十人を殺害したと信じている」と述べた。

ポンペオ国務長官はまた「イドリブ県でのアサド政権とその同盟者の攻撃は民間人、インフラに及び、100万人近くが家を追われている」と付言した。

スプートニク・ニュース(3月19日付)によると、ロシア外務省筋はただちに反論、「(新型コロナウイルス)感染症が世界的に蔓延しているなか、米国高官は嘘の情報を繰り返しロシアを貶めようとするプロパガンダを続けている」と非難した。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、Sputnik News, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はイドリブ県のM4高速道路でシャーム解放機構が「見守る」なか、14の監視ポストを設置(2020年3月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によるとトルコ軍が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が「見守る」なか、M4高速道路のナイラブ村とブサンクール村を結ぶ区間の沿線の14カ所に監視ポストを設置した。

また、装甲車10輌からなるトルコ軍部隊が、タルナバ村からムハムバル村を結ぶ区間でパトロールを実施した。

監視ポストの設置とパトロール活動は、シャーム解放機構がM4高速道路沿線での警備を続けるなかで実施された。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約90輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリアに新たに進入させるとともに、M4高速道路沿線のブサンクール村近郊に新たな拠点を設置した。

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また、アレッポ県でも、トルコ軍はジーナ村近郊に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は以下44カ所となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所(アスタナ会議での合意に基づき設置)

  • イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
  • アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
  • ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
  • ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

  • イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(2カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村
  • アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
  • ハマー県:ムガイル村

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

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リビア国内での戦闘で、トルコが派遣したシリア国民軍の死者は129人を記録、トルコはシリア国民軍戦闘員の増加を受けその給与を削減(2020年3月19日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加するためにトルコが派遣したシリア人戦闘員(国民軍)の死者数が129人を記録していると発表した。

129人は、国民軍に所属するムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザ師団、スライマーン・シャー師団のメンバーで、リビアの首都トリポリ市南部のサラーフッディーン地区、トリポリ国際空港近郊のラムラ地区一帯、ハドバ開発計画地区、ミスラータ市一帯などで、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍と交戦中に死亡したと見られる。

また、トルコは、リビアに派遣した国民軍戦闘員の数が6,000人を超えたことに対処するため、給与削減に踏み切ったという。

なお、リビアに派遣された国民軍戦闘員は4,750人に達し、約1,900人が派遣に向けて、トルコ占領下のアレッポ県北部(「オリーブの枝」、「ユーフラテスの盾」地域に設置されているキャンプでトルコ軍の教練を受けている。

AFP, March 19, 2020、ANHA, March 19, 2020、AP, March 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, March 19, 2020、Reuters, March 19, 2020、SANA, March 19, 2020、SOHR, March 19, 2020、UPI, March 19, 2020などをもとに作成。

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