イスラーム旅団を含む国内で活動する43の反体制武装集団が「シリア・イスラーム軍」の名で統合を発表する一方、自由シリア軍合同司令部中央広報局は声明のなかで国連安保理決議第2118号が定める懲罰の不十分さを理由にこれを拒否(2013年9月29日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月30日付)などによると、国内で活動する43の反体制武装集団が「シリア・イスラーム軍」の名で統合した。

司令官はイスラーム旅団司令官でシリア・イスラーム解放戦線代表のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ氏(1970年、ドゥーマー市生まれ)が務めるという。

参加した武装集団は以下の通り:

1. イスラーム旅団
2. イスラーム軍旅団
3. イスラーム教徒軍旅団
4. サイフ・ハック旅団
5. シャームの鷲旅団
6. 勝利の吉報旅団
7. シャーム征服旅団
8. グータの盾旅団
9. スィッディーク大隊
10. タウヒード・シャーム旅団
11. 首都南部大隊
12. バドル旅団
13. ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ旅団
14. ジュンド・タウヒード旅団
15. サイフ・イスラーム旅団
16. ウマル・ブン・ハッターブ旅団
17. ムアーッズ・ブン・ジャバル旅団
18. ファールーク旅団
19. ズバイル・ブン・アウワーム旅団
20. ズィー・ヌラーン旅団
21. アンサール旅団
22. ハムダ旅団
23. 防空旅団
24. 迫撃ロケット旅団
25. 機甲旅団
26. イシャーラ旅団
27. ザーヒル・バイバルス旅団
28. サイフ・ハック旅団
29. カラムーン・コマンド旅団
30. アブドゥッラフマーン旅団
31. ムラービティーン旅団
32. バーディヤ旅団
33. アンサール・スンナ旅団
34. アフル・バイト旅団
35. アターリブ殉教者旅団
36. 海岸戦線旅団
37. アイン・ジャールート旅団
38. アンサール・タウヒード大隊
39. ムジャーヒディーン大隊
40. アビー・タッジャーナの鷹
41. スンナ大隊
42. アンサール大隊
43. バッラー・ブン・アーズィブ大隊

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はニューヨークの国連本部で潘基文事務総長と会談した。

マーティン・ニルスキー国連報道官は、会談でジャルバー議長が、ジュネーブ2会議に連立が代表団を派遣する用意があるとの意思を示したことを明らかにした。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の駐カタール代表部(大使館)で領事を務めていたウマル・イドリビー氏、会計担当のイヤーブ・フィトヤーン氏、広報担当のウマル・ラクルーク氏らが、ニザール・ヒラーキー駐カタール代表に対して辞表を提出し、連立を脱会した。

駐カタール代表部が在外シリア人のニーズに積極的に応えようとしていないこと、そして不明朗な会計などが脱会の理由。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局(ファフド・ミスリー氏)は声明を出し、国連安保理決議第2118号がいかなる懲罰行為もアサド政権に迫っていないと非難、拒否すると発表した。

シリア政府の動き

アサド大統領はイタリアのライ・ニュース24のインタビューに応じ、シリアの化学兵器廃棄を定めた国連安保理決議2118号への対応などについて意見を述べた(http://www.youtube.com/watch?v=dH0SYTiyHaQ&feature=c4-overview )。

SANA, September 29, 2013
SANA, September 29, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「シリアはすべての化学兵器の廃棄を求めている国連安保理決議を遵守するだろう…。我々はもちろん遵守する。我々の歴史は、我々が署名したすべての条約を遵守していることを示している」。

「我々はこの決議がかたちを得るのに先立って化学兵器禁止条約に加盟した…。加盟は決議ではなく、我々自身の意志と関係がある。もちろん、我々には、そうしたいという意志があるのだ。なぜなら、2003年に我々は、中東全域における化学兵器の根絶を求める提案を安保理に対して行っているからだ…。(シリアは)条約のすべての条項を実施するし、いかなる留保も行わない」。

(米国とイランの接近に関して)「これはシリアで起きていることによい影響を与えると考えている…。イランはシリアの同盟国であり、我々はイラン人を信頼している。イラン人はシリア人と同様…アメリカ人を信頼してはいない…。イラン人と米国人の接近は単なるジェスチャーではない。具体的に検討された動きであり、イラン・イスラーム革命以来のイラン人の米国人との関係の経験に基づいている…。もし米国人がこの接近に誠実であるなら、シリア危機だけでなく、それ以外のさまざまな問題にも良い結果をもたらすと思う」。

「率直に言うと、欧州諸国は今日、こうした役割(ジュネーブ2会議開催における役割)を果たすだけの能力を持っていない。なぜなら、成功を実現するための様々な要素を持ち合わせていないからだ…。欧州のほとんどの国は10年前にジョージ・ブッシュが政権を握って以降、他国に対して米国のように対処するようになってしまった…。しかしこうした役割には信頼性が必要だ…。どの欧州の国について信頼性があると言うことができるだろう。人道支援と言っておきながら、独立以来最悪の制裁をシリアに科してきた…。必要な基礎が充たされなければ、こうした役割は果たし得ない」。

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内の高校を軍が空爆し、生徒10人を含む16人が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地一帯郊外のナースィリーヤ村にある軍の拠点・武器庫(第413武器庫)など複数カ所を反体制武装集団が奇襲し、兵士19人を殺害した。戦闘では反体制武装集団戦闘員複数名も死亡したという。

またムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市などに、軍が砲撃を行った。

このほか、ザマルカー町で反体制武装集団が国防隊の民兵14人を要撃、殺害した。

一方、SANA(9月29日付)によると、アッブ農場、マイダアー町、ダーライヤー市、リーマー農場、ナースィリーヤ村、ナバク市、ダイル・アティーヤ市郊外、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・ジャッラーフ町、マスカル・ヒサーン村、ラッフーム村、アナク・ハワー村、ハウラ地方で、軍と反体制武装集団が交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

一方、SANA(9月29日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ハミーディーヤ地区、ワーディー・サーイフ地区、クスール地区、サビール地区、アクラマ地区、カラム・シャーミー地区、ラスタン湖ダム、タッルドゥー市、サムアリール村、キースィーン村、ラッフーム村、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガジャル村、タッルカラフ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月29日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ファトフ旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月29日付)によると、マルジュ・フージャ村、カサーティル村、サーキヤト・カルト村、マルジュ・ザーウィヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月29日付)によると、ダイル・ザウル市のラシュディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、旧空港地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月29日付)によると、アブー・ジャッバール村、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、アレッポ旧市街、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、ナイラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月29日付)によると、マアラカ村、カンスフラ村、ラールーズ村、カフル・ウワイド村、ハッルーズ村、アーリヤ村、タルヒーヤ村、バーッラ村、バザーブール村、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月29日付)によると、サマン村、シューマラ村、ブスラー・シャーム市、ダルアー市、ムダウワラ市、アラーリー村、フラーク市、インヒル市、ヒルバト・ティール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

MTV(9月29日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のシャアブ検問所で、レバノン軍がシリアに向かおうとしていたトラックから使用できなくなった迫撃砲を押収した。

諸外国の動き

ヨルダンのペトラ通信(9月29日付)は、同国北部ラムサー市のモスクにシリア領内から発射された迫撃砲弾が着弾した事件(26日)に関して、ムハンマド・ムーマニー広報担当国務大臣(内閣報道官)が、アンマンのシリア大使間にヨルダン政府が抗議文を送り、事件の再発を防ぐための措置を要請した、と報じた。

AFP, September 29, 2013、al-Hayat, September 30, 2013、Kull-na Shuraka’, September 29, 2013、Kurdonline, September
29, 2013、MTV, September 29, 2013、Naharnet, September 29, 2013、Reuters,
September 29, 2013、Rihab News, September 29, 2013、SANA, September 29, 2013、UPI,
September 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は国連安保理決議第2118号採択をおおむね評価、一方同連立はラッカ市の教会に破壊行為を行ったイスラーム国を「シリア革命を逸脱している」として非難(2013年9月28日)

反体制勢力の動き

反体制組織の統一司法評議会の検事長は、シリア国民評議会のバッサーム・イスハーク氏が、9月26日に出演したアラビーヤ・チャンネルで、シャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立を拒否したことを「アサド政権による工作活動で、国外の武装集団以外によるものだ」と評したことに対して、名誉毀損容疑での起訴に向けて動くと発表した。

検事長はまた、シリア国民評議会に対してイスハーク氏の除名と制裁を要請した。

**

クッルナー・シュラカー(9月28日付)は、トルコの首都アンカラで自由シリア軍の武装組織を統合するためのマラソン会合が開催され、参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長、タウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ氏らが出席したと報じた。

**

ファールーク・ウマル旅団は声明を出し、ダマスカス郊外県ドゥーマー市一帯を活動拠点とするシャバーブ・フダー大隊に合流すると発表した。

**

『ハヤート』(9月29日付)は、活動家らの話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アレッポ県トゥワイヒーナ村の中学生以上の女子生徒にヒジャーブを身につけて登校することを義務づけたと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は国連安保理決議第2118号採択に関して「我々の要求の一部が実現したことは光栄だ」としつつ「我々は国連憲章第7章に基づくより明確な決議を望んでいた。決議には言及はなされているが、明確な決議は採択されなかった…。しかしこの決議には同調できる」と述べた。

**

シリア国民反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるラッカ市のサイイダ・ビシャーラ教会への破壊行為を「道徳基盤、市民権に反する」としたうえで、「この組織はシリア革命を逸脱しており、シリア国民の希望、崇高なる革命の原則を何ら代表してない」と非難した。

連立はまた別の声明で、ランクース市のハーリド・ブン・ワリード・モスクへの自爆テロをアサド政権の犯行と断じ、非難した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ムハンマド・ナーイフ・カッドゥール・アイニーヤ氏をダイル・ザウル県知事に任命した。

SANA(9月28日付)が報じた。

**

ニューヨークを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、インドネシアのマルティ・ナタレガワ外務大臣、レバノンのアドナーン・マンスール暫定外務大臣と相次いで会談し、シリア情勢の対応などについて協議した。

SANA(9月28日付)が報じた。

ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議に関してスカイ・ニュース・アラビック(9月28付)に対して「アサド大統領の将来を議論する余地はない。これはシリア憲法が決定する問題だ」と述べた。

またムアッリム外務在外居住者大臣は、スカイ・ニュース・アラビックに対しシリア革命反体制勢力国民連立に関して「米国にシリア攻撃を要請したことで、シリア国民の眼前で瓦解した」と非難した。

さらにジュネーブ2会議において誰が反体制勢力を代表すべきかとの問いに対して「シリアで許可されたすべての野党」と答えるとともに「まだ参加するよう連絡を受けていない国内の愛国的野党組織がある…。シリア国民のほとんどの成員が代表されることを望むなら、参加の輪を拡げねばならない」と述べた。

そのうえで「ドーハで作られた(シリア革命反体制勢力国民)連立が、ジュネーブ大会の傘下に身を置き、反体制勢力の唯一の代表とみなされ、参加に先立って条件を提示するということは、お笑いであり、誰かに権力を手渡すためにジュネーブに行くことはないと言っておこう」と付言した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動、イスラーム・カーディスィーヤ旅団、イスラーム聖地大隊、アンサール・フダー大隊、イスラーム・ムサンナー運動が、4日間にわたる軍との交戦の末、ナスィーブ国境通行所に近いダルアー市旧税関地区を制圧した。

自由シリア軍南部地区司令官で、ヤルムーク大隊を率いるバッシャール・ズウビー氏は『ハヤート』(9月29日付)に対して、旧税関地区制圧には、自由シリア軍に属する武装集団と、ヌスラ戦線をはじめとするイスラーム主義武装集団が参加したことを明らかにしたうえで、「対レバノン国境の戦闘はまだ終わっていない。我々は両国間のすべての国境通行所を解放し…、両国国境地帯全土を掌握する」との意思を示した。

『ハヤート』(9月29日付)によると、ダマスカスとアンマンを結ぶ主要幹線道路上のナスィーブ国境通行所は依然シリア軍の支配下にあるという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイドナーヤー町、タルフィーター村で、軍、人民諸委員会が、反体制武装集団と交戦した。

またラアス・マアッラ町、マイダヤー市を空爆する一方、反体制武装集団はカラムーン山地一帯の第413燃料庫を制圧した。

一方、SANA(9月28日付)によると、ザマルカー町と、ダマスカス県ジャウバル区、カーブーン区を結ぶ戦線に向かって軍が進軍、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市、バハーリーヤ市周辺、ドゥーマー市、マイダアー町、ダーライヤー市、サイドナーヤー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アドラー市、ブルダーン市に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアドナーニーヤ村、アレッポ市ハーリディーヤ地区の軍施設・拠点を砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、ICARDA周辺、アレッポ州王刑務所、カブターン・ジャバル村、アイティーン村、カフルカール村、バーブ市、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市サラーフッディーン地区、アンサーリー地区、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アティマ村のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)拠点を民主統一党人民防衛隊が攻撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・地下トンネル・装備を破壊した。

またカッバース地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月28日付)によると、ムハージリーン村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、クスール地区、ダール・カビーラ村、カフルナーン村、キースィーン村、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村、ガジャル村、ザーラ村、タルビーサ市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月28日付)によると、カーミシュリー市で、治安当局が住民の協力のもと、カッドゥール・ベク地区でシャームの民のヌスラ戦線メンバー15人を逮捕した。

レバノンの動き

NNA(9月29日付)によると、北部県アッカール郡のヌーラ村、クバイヤート村にシリア領から発射された迫撃砲弾3発が着弾し、兵士3人が負傷した。

諸外国の動き

『ハヤート』(9月29日付)は、イラク治安筋の話として、アンバール県のアーナ市、ワラーワ市が24日シリアから潜入したサラフィー主義(アル=カーイダ)武装集団の襲撃を受けたとしたうえで、対シリア国境地域の制圧をめざすこれらの組織の活動が活発化していると報じた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチの国連ディレクターのフィリップ・ボロピオン氏は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する国連安保理決議2118号に関して、「この決議は数百人の子供をガスで殺害したことをはじめとする深刻な犯罪に対する正義を保障することに失敗した」と批判した。

なおヒューマン・ライツ・ウォッチは、8月21日のダマスカス郊外県の化学兵器攻撃を口実に米国が準備したシリアへの軍事攻撃に対して態度を留保していた。

AFP, September 28, 2013、al-Hayat, September 29, 2013、Kull-na Shuraka’, September 28, 2013、Kurdonline, September
28, 2013、Naharnet, September 28, 2013, September 29, 2013、Reuters, September
28, 2013、Rihab News, September 28, 2013、SANA, September 28, 2013、Sky News
Arabic, September 28, 2013、UPI, September 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

化学兵器使用に関する国連調査団は国内7カ所での調査を行った末に10月末までに調査報告書を提出すると発表、国連安保理では「化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意」に法的拘束力を与える安保理決議第2118号を全会一致で採択(2013年9月27日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍の北の嵐旅団は「ナフラワーンの戦い作戦室」の名で声明を出し、アアザーズ市を含むアレッポ県全土でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に「戦線布告」すると発表した。

Kull-na Shuraka', September 27, 2013
Kull-na Shuraka’, September 27, 2013

これに先だって、ダーイシュは声明を出し、北の嵐旅団に28日晩までに「武器引き渡しと改悛」を求めていた。

**

『ザマーン・ワスル』(9月27日付)は、自由シリア軍司令官の情報として、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が、ダイル・ザウル県でヌスラ戦線戦闘員がイラク・シャーム・イスラーム戦線(ダーイシュ)に協力していることを叱責した、と報じた。

同報道によると、ジャウラーニー氏は、9月初めにダイル・ザウル県スハイル市を視察訪問し、「戦闘面、素行面、宗教面での綱紀粛正」を戦闘員に求めたという。

**

シャームの民のヌスラ戦線のアミール、アブー・ウンス氏が、自由シリア軍とのインタビューに応じ、その映像がユーチューブなどを通じて配信された。

アブー・ウンス氏はインタビューのなかで、自由シリア軍に所属するイスラーム主義部隊の協力・連携のもと、ダルアー県のナスィーブ国境通行所に近いダルアー市旧税関地区制圧を行ったことを明らかにした。

https://www.youtube.com/watch?v=4d-xVjn-8OI

**

クッルナー・シュラカー(9月27日付)は、反体制活動家らの情報として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のジャラーブルス州(アレッポ県ジャラーブルス地方)の組織が、アッラーと預言者ムハンマドを中傷した者を死刑に処するとする警告文を回付している、と報じた。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は第68回国連総会出席のために訪問中のニューヨークで、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、中国の王毅外交部長、アルジェリアのラムターン・アマーミラ外務大臣と相次いで会談し、シリア情勢について協議した。

SANA(9月27日付)によると、会談では、化学兵器廃棄に関する米露合意の履行、ジュネーブ2会議の開催などについて意見が交換されたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アフリーン市郊外のジンディールス地方ジャルマ村、サルーラ村を襲撃、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

またダーイシュは、アティマ市郊外のムハンマディーヤ村を砲撃した。

このほか、ハーディル村各所への軍の砲撃により11人が死亡した。

一方、SANA(9月27日付)によると、シャイフ・サイード市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アルバイド村、カスキース村、ムスリミーヤ街道、アレッポ市・イドリブ市街道、バーブ街道地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ県では、サラーフッディーン地区、スワイカ地区、ザフラーウィー地区、バニー・ザイド地区、アンサーリー地区、カッラーサ地区、サーフール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、SANA(9月27日付)によると、ランクース市のハーリド・ブン・ワリード・モスク近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも30人が死亡、数十人が負傷した(その後(9月30日)、シリア人権監視団は、死者数が48人となったと発表した)。

またダーライヤー市、カラムーン山地一帯などが軍の砲撃を受ける一方、ジュダイダト・アルトゥーズ町一帯で、大規模な逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(9月27日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、バハーリーヤ市郊外、シャブアー町郊外、サイイダ・ザイナブ町郊外、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ナバク市郊外、ルハイバ市、ナースィリーヤ村、フーシュ・アラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月27日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月27日付)によると、カルアト・ヒスン市、カフルナーン村、ダール・カビーラ村、タッルダハブ市、ガジャル・ガソリン・スタンド、タドムル市郊外、ブルジュ・カーイー村、カフルラーター村、キースィーン村、サムアリール村、タッルドゥー市、シャーイル山(ハマー県)西部、ヒムス市カラービース地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、ハミーディーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月27日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、カフルラーター市、アルバイーン山一帯、ナイラブ村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月27日付)によると、軍がナスィーブ・ジャービル国境通行所に近いダルアー市旧税関地区で反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員を殺傷した。

またアトマーン村、ナーフタ町、ヌアイマ村、ナワー市、東ムライハ町、タスィール町、ザアルーラ市、ガディール・ブスターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領はBBC Arabic(9月27日付)のインタビューに応じ、「(レバノンの)すべての当事者がシリアから戦闘員を撤退させるプロセスを行っている」と述べた。

一方、スライマーン大統領は『ハヤート』(9月28日付)に対して、「シリアの化学兵器はレバノンに密輸されておらず、レバノンにあるという証拠もない」と述べた。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団はダマスカスで声明を出し、化学兵器使用が疑われる7カ所での調査を9月30日までの予定で行い、10月末までに調査報告書を提出すると発表した。

調査が行われるのは以下7カ所:

1. アレッポ県ハーン・アサル村(3月19日使用疑い)
2. アレッポ県アレッポ市シャイフ・マクスード地区(4月13日使用疑い)
3. イドリブ県サラーキブ市(4月29日使用疑い)
4. ダマスカス郊外県東グータ地方(8月21日使用疑い)
5. ダマスカス郊外県フバーリーヤ市(8月22日使用疑い)
6. ダマスカス県ジャウバル区(8月24日使用疑い)
7. ダマスカス郊外県アシュラフィーヤ・サフナーヤー市(8月25日使用疑い)

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は第68回国連総会で一般討論演説を行い、シリアでの化学兵器使用問題に関して、西側に対して証拠がないままに、アサド政権に「嫌疑や非難」を向けるべきでないと非難、「バイアスのないかたちで」調査を行うよう呼びかけるとともに、安保理に対しては「事実のみに依拠して」同問題に検討を加えるよう求めた。

**

イランのハサン・ロウハーニー大統領は第68回国連総会出席のために訪問中のニューヨークで、「ジュネーブ大会であれ、別の国際会議であれ…、イランが参加すれば、シリア国民のためになるよう、実質的に参加の呼びかけに応えるだろう」と述べた。

**

国連安保理は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意(14日)に法的拘束力を与える安保理決議第2118号を全会一致で採択した。

同決議は、化学兵器使用を「国際社会の平和と安全への脅威」と位置づけ、8月21日のダマスカス郊外県で化学兵器攻撃を「もっとも強い言葉で非難」した。

アサド政権による合意不履行に関して、「国連憲章第7章のもと措置を講じる」と明記されているが、実際の制裁や武力行使については新たな決議の採択が必要となる。

このほか同決議は、すべての紛争当事者が参加し、移行期政府樹立などを骨子とする紛争の平和的・政治的解決をめざした2012年6月のジュネーブ合意を全面支持した。

国連安保理決議第2118号の全文は以下の通り(http://www.un.org/News/Press/docs/2013/sc11135.doc.htm):

“The Security Council,

“Recalling the Statements of its President of 3 August 2011, 21 March 2012, 5 April 2012, and its resolutions 1540 (2004), 2042 (2012) and 2043 (2012),

“Reaffirming its strong commitment to the sovereignty, independence and territorial integrity of the Syrian Arab Republic,

“Reaffirming that the proliferation of chemical weapons, as well as their means of delivery, constitutes a threat to international peace and security,

“Recalling that the Syrian Arab Republic on 22 November 1968 acceded to the Protocol for the Prohibition of the Use in War of Asphyxiating, Poisonous or Other Gases and of Bacteriological Methods of Warfare, signed at Geneva on 17 June 1925,

“Noting that on 14 September 2013, the Syrian Arab Republic deposited with the Secretary-General its instrument of accession to the Convention on the Prohibition of the Development, Production, Stockpiling and Use of Chemical Weapons and on their Destruction (Convention) and declared that it shall comply with its stipulations and observe them faithfully and sincerely, applying the Convention provisionally pending its entry into force for the Syrian Arab Republic,

“Welcoming the establishment by the Secretary-General of the United Nations Mission to Investigate Allegations of the Use of Chemical Weapons in the Syrian Arab Republic (the Mission) pursuant to General Assembly resolution 42/37 C (1987) of 30 November 1987, and reaffirmed by resolution 620 (1988) of 26 August 1988, and expressing appreciation for the work of the Mission,

“Acknowledging the report of 16 September 2013 (S/2013/553) by the Mission, underscoring the need for the Mission to fulfil its mandate, and emphasizing that future credible allegations of chemical weapons use in the Syrian Arab Republic should be investigated,

“Deeply outraged by the use of chemical weapons on 21 August 2013 in Rif Damascus, as concluded in the Mission’s report, condemning the killing of civilians that resulted from it, affirming that the use of chemical weapons constitutes a serious violation of international law, and stressing that those responsible for any use of chemical weapons must be held accountable,

“Recalling the obligation under resolution 1540 (2004) that all States shall refrain from providing any form of support to non-State actors that attempt to develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use weapons of mass destruction, including chemical weapons and their means of delivery,

“Welcoming the Framework for Elimination of Syrian Chemical Weapons dated 14 September 2013, in Geneva, between the Russian Federation and the United States of America (S/2013/565), with a view to ensuring the destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme in the soonest and safest manner, and expressing its commitment to the immediate international control over chemical weapons and their components in the Syrian Arab Republic,

“Welcoming the decision of the Executive Council of the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW) of 27 September 2013 establishing special procedures for the expeditious destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme and stringent verification thereof, and expressing its determination to ensure the destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons program according to the timetable contained in the OPCW Executive Council decision of 27 September 2013,

“Stressing that the only solution to the current crisis in the Syrian Arab Republic is through an inclusive and Syrian-led political process based on the Geneva Communiqué of 30 June 2012, and emphasising the need to convene the international conference on Syria as soon as possible,

“Determining that the use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic constitutes a threat to international peace and security,

“Underscoring that Member States are obligated under Article 25 of the Charter of the United Nations to accept and carry out the Council’s decisions,

“1.   Determines that the use of chemical weapons anywhere constitutes a threat to international peace and security;

“2.   Condemns in the strongest terms any use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic, in particular the attack on 21 August 2013, in violation of international law;

“3.   Endorses the decision of the OPCW Executive Council 27 September 2013, which contains special procedures for the expeditious destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme and stringent verification thereof and calls for its full implementation in the most expedient and safest manner;

“4.   Decides that the Syrian Arab Republic shall not use, develop, produce, otherwise acquire, stockpile or retain chemical weapons, or transfer, directly or indirectly, chemical weapons to other States or non-State actors;

“5.   Underscores that no party in Syria should use, develop, produce, acquire, stockpile, retain, or transfer chemical weapons;

“6.   Decides that the Syrian Arab Republic shall comply with all aspects of the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 (Annex I);

“7.   Decides that the Syrian Arab Republic shall cooperate fully with the OPCW and the United Nations, including by complying with their relevant recommendations, by accepting personnel designated by the OPCW or the United Nations, by providing for and ensuring the security of activities undertaken by these personnel, by providing these personnel with immediate and unfettered access to and the right to inspect, in discharging their functions, any and all sites, and by allowing immediate and unfettered access to individuals that the OPCW has grounds to believe to be of importance for the purpose of its mandate, and decides that all parties in Syria shall cooperate fully in this regard;

“8.   Decides to authorize an advance team of United Nations personnel to provide early assistance to OPCW activities in Syria, requests the Director-General of the OPCW and the Secretary-General to closely cooperate in the implementation of the Executive Council decision of 27 September 2013 and this resolution, including through their operational activities on the ground, and further requests the Secretary-General, in consultation with the Director-General of the OPCW and, where appropriate, the Director-General of the World Health Organization, to submit to the Council within 10 days of the adoption of this resolution recommendations regarding the role of the United Nations in eliminating the Syrian Arab Republic’s chemical weapons program;

“9.   Notes that the Syrian Arab Republic is a party to the Convention on the Privileges and Immunities of the United Nations, decides that OPCW-designated personnel undertaking activities provided for in this resolution or the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 shall enjoy the privileges and immunities contained in the Verification Annex, Part II(B) of the Chemical Weapons Convention, and calls on the Syrian Arab Republic to conclude modalities agreements with the United Nations and the OPCW;

“10.  Encourages Member States to provide support, including personnel, technical expertise, information, equipment, and financial and other resources and assistance, in coordination with the Director-General of the OPCW and the Secretary-General, to enable the OPCW and the United Nations to implement the elimination of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme, and decides to authorize Member States to acquire, control, transport, transfer and destroy chemical weapons identified by the Director-General of the OPCW, consistent with the objective of the Chemical Weapons Convention, to ensure the elimination of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme in the soonest and safest manner;

“11.  Urges all Syrian parties and interested Member States with relevant capabilities to work closely together and with the OPCW and the United Nations to arrange for the security of the monitoring and destruction mission, recognizing the primary responsibility of the Syrian Government in this regard;

“12.  Decides to review on a regular basis the implementation in the Syrian Arab Republic of the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 and this resolution, and requests the Director-General of the OPCW to report to the Security Council, through the Secretary-General, who shall include relevant information on United Nations activities related to the implementation of this resolution, within 30 days and every month thereafter, and requests further the Director-General of the OPCW and the Secretary-General to report in a coordinated manner, as needed, to the Security Council, non-compliance with this resolution or the OPCW Executive Council decision of 27 September 2013;

“13.  Reaffirms its readiness to consider promptly any reports of the OPCW under Article VIII of the Chemical Weapons Convention, which provides for the referral of cases of non-compliance to the United Nations Security Council;

“14.  Decides that Member States shall inform immediately the Security Council of any violation of resolution 1540(2004), including acquisition by non-State actors of chemical weapons, their means of delivery and related materials in order to take necessary measures therefore;

“15.  Expresses its strong conviction that those individuals responsible for the use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic should be held accountable;

“16.  Endorses fully the Geneva Communiqué of 30 June 2012 (Annex II), which sets out a number of key steps beginning with the establishment of a transitional governing body exercising full executive powers, which could include members of the present Government and the opposition and other groups and shall be formed on the basis of mutual consent;

“17.  Calls for the convening, as soon as possible, of an international conference on Syria to implement the Geneva Communiqué, and calls upon all Syrian parties to engage seriously and constructively at the Geneva Conference on Syria, and underscores that they should be fully representative of the Syrian people and committed to the implementation of the Geneva Communiqué and to the achievement of stability and reconciliation;

“18.  Reaffirms that all Member States shall refrain from providing any form of support to non-State actors that attempt to develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use nuclear, chemical or biological weapons and their means of delivery, and calls upon all Member States, in particular Member States neighbouring the Syrian Arab Republic, to report any violations of this paragraph to the Security Council immediately;

“19.  Demands that non-State actors not develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use nuclear, chemical or biological weapons and their means of delivery, and calls upon all Member States, in particular Member States neighbouring the Syrian Arab Republic, to report any actions inconsistent with this paragraph to the Security Council immediately;

“20.  Decides that all Member States shall prohibit the procurement of chemical weapons, related equipment, goods and technology or assistance from the Syrian Arab Republic by their nationals, or using their flagged vessels or aircraft, whether or not originating in the territory of the Syrian Arab Republic;

“21.  Decides, in the event of non-compliance with this resolution, including
unauthorized transfer of chemical weapons, or any use of chemical weapons
by anyone in the Syrian Arab Republic, to impose measures under Chapter VII
of the United Nations Charter;

“22.  Decides to remain actively seized of the matter.

**

国連の潘基文事務総長は国連安保理決議第2118号採択に関して「国際社会は自らの任務を遂行した…。これは、長い期間を経たのちのかすかな希望だ」と述べた。

また潘事務総長は、ジュネーブ2会議を11月15日に開催すると発表し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が開催までの期間に、大会を成功させるために必要な準備を行うことを明らかにした。

『ハヤート』(9月29日付)が報じた。

**

バラク・オバマ米大統領は国連安保理決議第2118号採択に先立って「国際社会の大いなる勝利」だと述べるとともに、「この拘束力を持つ決議は、アサド政権が公約を実行しなければならず、不履行の場合は報いを受けることを保障している」と自賛した。

**

ジョン・ケリー米国務長官は国連安保理決議第2118号採択に関して「シリアの化学兵器の破壊」が米国の主な目的だったとしたうえで、「軍事力の行使によってもこの目的を実現できただろうが、安保決議はこれ以上のことを成し遂げた」と自賛した。

そのうえで「我々の目的は、アサド政権に8月21日に国民に対して化学兵器を使用したことを公の場で処罰することだ。安保理決議に従い、化学兵器に関わる高官は処罰されるだろう」と述べた。

一方、ジュネーブ2会議については、全権を委任された移行期政府の樹立が重要だとの見方を示した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は国連安保理決議第2118号採択に先だって「(化学兵器使用疑惑は)安保理のもとで正しく調査され、100%の確証を得ねばならない」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は国連安保理決議第2118号採択に関して「安保理はやっとその名にふさわしいことを行った」と述べた。

AFP, September 27, 2013、BBC Arabic, September 27, 2013、al-Hayat, September 28, 2013, September 29, 2013, September 30, 2013、Kull-na Shuraka’,
September 27, 2013、Kurdonline, September 27, 2013、Naharnet, September 27,
2013、Reuters, September 27, 2013、Rihab News, September 27, 2013、SANA, September
27, 2013、UPI, September 27, 2013、Zaman al-Wasl, September 27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のスタンドプレイに対して主にシリア国内の諸組織から激しい反発の声が沸き起こるなか、アレッポ県では人民防衛隊がイスラーム国と交戦し後者のアミールを殺害、ヌスラ戦線司令官は後者によって拉致される(2013年9月26日)

反体制勢力の動き

ザマーン・ワスル(9月26日付)は、シリア国内のサラフィー主義武装集団が、「ムハンマド軍」の名で統合をめざしていると報じた。

この動きは、シリア革命反体制勢力国民連立による「シリア国民軍(中核)」の創設に向けた動きに対抗して4ヶ月前に始動したという。

ヌスラ戦線をはじめとする13の武装集団が、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否する声明を出したのも、この動きの一環だという。

「ムハンマド軍」には、シャーム自由人大隊、イスラーム旅団、タウヒード旅団などの参加が見込まれ、その兵力は約50,000人に達し、スンナ派戦闘員のみから構成され、2014年末までの結成をめざすという。

**

弁護士組合評議会を名乗る組織が声明を出し、同評議会および現地の軍事部門が、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否するとしたシャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団に同調すると発表、「連立はシリア国民の代表ではない」と非難した。

またジュネーブ2会議への参加を示唆した最近の幹部らの発言に関しても「革命の要請に反する」と批判した。

一方、アフマド・トゥウマ氏が発足をめざしている暫定政府については、シリア国内の勢力をもって構成するよう呼びかけるとともに、「責任を負うことができなければ承認しない」と述べた。

**

シリア国民評議会元事務局長のブルハーン・ガルユーン氏は、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否するとしたシャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団の声明に関して「反体制勢力の信頼回復の努力を打ちのめす」動きと批判した。

**

シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、化学兵器使用を口実とした米英仏のシリア攻撃の試みを非難する一方、シリア革命反体制勢力国民連立を構成する諸勢力に対して、連立を脱会し、新たな政治同盟を結成するよう呼びかけた。

**

アンマール・ワーウィー空挺大尉はユーチューブ(9月26日付)などを通じて声明を出し、シリア国内の30以上の反体制武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会を承認しないと発表した。

連立と参謀委員会を拒否した武装集団は「シリア国内総合司令部」を名乗る連合組織に所属する武装集団で、共同声明には、リヤード・アスアド大佐、アブー・ワファー大佐(ダマスカス郊外県革命評議会)などが署名しているという。

http://www.youtube.com/watch?v=cyM-8GybxHU

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジャンディーラス地方とイドリブ県アティマ地方の間で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、後者のアレッポ州のアミールを名乗るUAE人が死亡した。

またクッルナー・シュラカー(9月26日付)は、複数の活動家らの話として、ラッカ県のシャームの民のヌスラ戦線を指揮するアブー・サアド・ハドラミー司令官が、24日にアレッポ県カフルダーイル村で消息を絶ったと報じた。

同報道によると、ハドラミー司令官は、シリア東部、北部で躍進するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)への対応についての指示を受けるため、シリア国内の某所でヌスラ戦線指導者のアブー・ムハンマド・ジャウラーニーと会う途中に、ダーイシュに拉致されたとみられる。

ハドラミー司令官はシリアのラッカ県出身で、本名はムハンマド・サイード・アブドゥッラーで、当初は平和的なデモを主導していたが、その後、ヌスラ戦線に参加、ラッカ県の司令官になったという。

一方、SANA(9月26日付)によると、カブターン・ジャバル村、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ナイラブ村、ハーン・アサル村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、アッザーン市、ザバディーヤ市、バヤーヌーン町、シャイフ・サアド村、ハイヤーン町、アズィーザ村、カフルカール村、ミンタール村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員がラッカ市内のサイイダ・ビシャーラ教会(ギリシャ・カトリック教会)の、十字架やイコンを焼き討ち、教会にイスラーム国の旗を打ち立てた。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(9月26日付)が、シャームの民のヌスラ戦線と反体制武装集団のスルターン・バーシャー・アトラシュ大隊の間で、拉致合戦が激化、緊張が高まっていると報じた。

同報道によると、ムサイフラ町のヌスラ戦線シャリーア委員会に、アトラシュ大隊のファドル・ザインッディーン司令官らが、身柄拘束中の同大隊戦闘員2人の釈放を直談判したことが事の発端。

しかし、ヌスラ戦線は、ザインッディーン司令官ら全員をフラーク市で逮捕、これに対してフラーク市の活動家らがヌスラ戦線のメンバー4人を逮捕し、ザインッディーン司令官らとの捕虜交換を行ったという。

また、シャリーア委員会は、身柄を拘束していた2人のうちの1人ファドル・サーミー・ザインッディーンを釈放した。

スルターン・バーシャー・アトラシュ大隊は自由シリア軍の部隊で、スワイダー県出身者が主体で、指導者のハルドゥーン・ザインッディーン氏らは2013年初めに軍との戦闘で戦死している。

一方、SANA(9月26日付)によると、ナワー市、インヒル市、ヌアイマ村、アトマーン村、アドワーン村、ザアルーラ市、アイン・バーシャー市、ヒーラーン村、ガディール・ブスターン市、カラク村、ヤードゥーダ村、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月26日付)によると、ハミード村、ジャフファ村、ダルダーラ村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、両村を制圧した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月26日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市、シャブアー町、リーハーン農場、シャイフーニーヤ村、カースィミーヤ市、ダブラ市、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ランクース市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月26日付)によると、マーリキー地区のイラク大使館内の領事館棟に迫撃砲弾が着弾し、イラク人女性1人が死亡、3人が負傷した。

シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

さらに、ドゥンマル区では、10人が軍に逮捕された後、拷問を受けて死亡した。

一方、SANA(9月26日付)

によると、カーブーン区、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市、東西ムファッキル村内の軍施設を、反体制武装集団が迫撃し、三村を制圧した。

**

ヒムス県では、SANA(9月26日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ワルシャ地区、カラービース地区、タルビーサ市、ガントゥー市、ラスタン市、ハウラ地方、ダール・カビーラ村、サムアリール村、タドムル市郊外、カフルラーター市、マアッルブライト市、カフルヌブーダ町、マアッルダッス市、バザーブール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月26日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ムワッザフィーン地区、ハウィーカ地区、労働者住宅地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月26日付)によると、スーダー村、トゥッファーハ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は「(シリアの)化学兵器廃棄のプロセスが実機段階に入れば、これらの武器が破壊される場所の安全を保障する必要が生じるだろう」としたうえで、「ロシア側はこれらの場所を守ることを支援する用意がある」と述べた。

**

シリアの友連絡グループがニューヨークの国連本部で会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立への支援継続・強化などについて協議した。

会合には、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が出席した。

『ハヤート』(9月28日付)によると、フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、会合で、シリアの化学兵器廃棄を定めた国連安保理決議の必要を強調した。

またジョン・ケリー米国務長官は「ここにいる皆が、軍事的勝利などないと考えている。いずれかの当事者が勝利を宣言する前にシリアは崩壊するだろう」と述べた。

さらに、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、化学兵器廃棄に関する米露合意の履行を、国連憲章第7章に基づく国連安保理決議を通じてシリア政府に迫るべきだと述べる一方、化学兵器問題をめぐるアサド政権の姿勢については「国民の虐殺と正統性回復…のため、時間稼ぎを行っている」と非難した。

また反体制勢力への支援に関して「シリアの将来に過激派が影響を及ぼす道を経つ最善の手段が、穏健派に最大限の支援を行うことだと何度も確認してきた」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍(参謀委員会)への全面支援の必要を訴えた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は、国内で台頭する反体制サラフィー主義者を「アサド政権の産物」と断じた。

ジャブラー議長は「アル=カーイダとつながりのある組織は、シリア国民、彼らの革命、愛国的な自由シリア軍とは無関係だと考えている…。過激化の現象は、政権の支援と計画のもとに顕在化した。政権は自由のための革命を宗派内戦にしようとしており、多くのテロ組織を作り出し、彼らに武器を供与した」と述べた。

AFP, September 26, 2013、al-Hayat, September 27, 2013, September 28, 2013、Kull-na Shuraka’, September 26,
2013, September 27, 2013、Kurdonline, September 26, 2013、Naharnet, September
26, 2013、Reuters, September 26, 2013、Rihab News, September 26, 2013、SANA,
September 26, 2013、UPI, September 26, 2013、Zaman al-Wasl, September 26,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長ら使節団が米国務長官およびブラーヒーミー共同特別代表と会談し「ジュネーブ2会議に出席する」との意向を伝える、反体制武装集団が対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所の大部分を制圧(2013年9月25日)

SANA, September 25, 2013
SANA, September 25, 2013

反体制勢力の動き

国連総会に合わせてニューヨークに滞在中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が、ジョン・ケリー米国務長官、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

『ハヤート』(9月26日付)によると、会談でケリー米国務長官は、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意の実施、反体制勢力への軍事支援、ジュネーブ2会議開催を通じた政治的解決の必要を確認する一方、「過激派の台頭への懸念」を表明したという。

一方、ジャルバー議長は、ブラーヒーミー共同特別代表との会談で、全権を有する移行期政府樹立に向けてジュネーブ2会議に出席するとの意向を伝えたという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアナス・アブダ報道官は、シャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団が連立および連立が発足をめざしている移行期政府を拒否したことに関して「ヌスラ戦線、ないしはアル=カーイダに属するいかなる組織による承認も求めないと強調する」と述べた。

アブダ報道官はまた、シリア革命反体制勢力国民連立の使節団が国連総会に合わせてニューヨークを訪問中に声明が発せられたことを「タイミングがまったくふさわしくない」と非難した。

**

『ハヤート』(9月26日付)によると、自由シリア軍に属するという士官100人以上が共同声明を出し、ジュネーブ2会議をボイコットする意思を示した。

声明は、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐や、マーリク・クルディー大佐らが署名している。

士官らは声明で「アサド政権とのいかなる対話、そして現政権打倒以外に事態に帰結しようとするいかなる大会もあらためて非難するとともに、イラン政府が問題の一部をなしており、シリアをめぐるいかなる大会にも参加すべきでないと述べる」と非難した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、ラワーン・カッダーフさんに「結婚ジハード」を強要されたと証言させたシリア・アラブ・テレビの番組に関して「戦争犯罪だ」と非難した。

**

シリア民主フォーラムは声明を出し、シリアの化学兵器廃棄をめぐる米露合意が、シリアへの軍事攻撃を回避したと評価しつつ、アサド政権による暴力を停止させるために引き続き圧力をかけ続けるよう国際社会に呼びかけた。

シリア政府の動き

アサド大統領はヴェネズエラの国営放送Tele Surの単独インタビューに応じた(http://sana.sy/ara/2/2013/09/26/504394.htm)。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「テロリストたちは一つのメッセージを表明しているだけだ。彼らが担っているのは不正に満ちた暗黒の教えだ。彼らにとって自分たちと同じように考えない者は、生きるに値しない人間だ…。一方、外国が資金援助、煽動、計画するテロ活動があり、祖国にはもはや希望がないとシリア人を絶望させようとしている…。しかし、こうしたテロ活動は別の影響をもたらした。シリア人は今日、これまで以上に祖国を守ろうと結束している」。

「米政府の言説は最低限の信頼さえない…。シリア危機が発生した当初から、米国の政策は嘘のうえに作られていた…。8月21日にシリアで化学兵器が使用されたという問題が生じると、米政権は直接ねつ造に関与した。しかし、米政権は自らの主張を裏付ける証拠を何ら示していない。つまり、実質的に米国民を欺いたのだ」。

「国連憲章第7章(に基づく安保理決議)に関して、我々は懸念していない。なぜならシリアは自らが署名したすべての合意を履行しているからだ」。

「米国が攻撃する潜在的可能性は常に存在する。あるときは化学兵器を根拠とし、また別のときには別の口実を根拠とするからだ。重要なのは、米国が過去数十年やっていることが、安保理、国連憲章、国家を守る者たち権、人道的・道徳的慣習のすべてを無視したものだということだ。我々は常に、世界のどこかで(攻撃の)可能性があることを踏まえておかなければならない。これが今のシリアに起きていることだ…。しかし米国が行ってきた戦争や介入は、米国の国益に反している…。米国民の利益に反している」。

「米国は今、シリア国民に誰が政権に入るのか、そして誰が政権から去るのかを強要することなどできない。この問題は100%シリア国民の希望に従うものだ。友好国でさえ、この問題に何の役割も果たすことはできない」。

「実際のところ、私は、米国が介入を止めれば世界はよりよくなると考えている。我々は米国に誰かを助けてもらいたいなどと思っていない。我々は世界のすべての問題を解決できないといったのはオバマだ。米国が世界のすべての問題を解決しない方がよい」。

「シリアの危機に対するイランの姿勢は極めて客観的だ。なぜなら、シリアで起きていることの真実を知っているからだ」。

(グータ地方での化学兵器攻撃に関して)「実質的な証拠のすべては、テロリストがダマスカス周辺で化学兵器を使用したことを示している」。

「正確を期すると、これらの集団にサウジアラビアやカタールが化学兵器を提供したことを示すものはない。しかし、これらの国がシリア危機発生当初からテロリストを支援してきたことは周知の事実だ。彼らはあらゆる最新鋭兵器を提供してきた…。とくにサウジアラビアには、この種の物質をテロリストに供与する能力がある」。

「イスラエルは敵国だ…。今日、対シリア戦線の複数の地域でテロリストを直接支援している。つまりゴラン高原で、兵站、医療、情報支援を行い、テロリストに武器装備を供与している」。

「イスラエルの核兵器に関して、誰も何も言わない…。米国によってあらゆる政策、そしてあらゆる犯罪を完全に保護されているならず者国家だからだ。こうした保護が…安保理、そして国連で存在する限り…、イスラエルの武器が議題に上ることはない」。

「ジュネーブ2会議は、シリアのすべての成員による対話の道を開くうえで、不可欠で重要なステップだ。しかし、ジュネーブ2会議は、シリア国内の対話に置き換えることはできない。国民投票を経ねばならない国民の意見に代わるものなど決してない。これは、シリアの危機を解決するための政治プロセスに関する我々の基本路線だ。しかし、こうした対話すべては、テロ支援が停止されなければ、いかなる実質的な結果も現地でもたらさない」。

「国外にいる当事者について言うと、我々は彼らの背後にいる国々に(対話への参加の有無を)聞かねばならない。米国、フランス、英国、サウジアラビア、カタールなどといった国にだ…。彼らはシリア国民に属していないがゆえに、これらの国にジュネーブに行けと言われれば来るし、こうしろと言われれば、その通りにするだろう」。

「我々には立ち向かう以外の選択肢はない。なぜなら、この地域の未来は政治的に、シリアで起きることにかかっているからだ。我々はシリアだけを守っているのではない。我々の国益だけを守っているのではない。我々の原則だけを守っているのではない。我々は我々の国民、この地域のすべての未来を守っている。この地域は世界の心臓だ」。

**

バッシャール・ジャアファリー国連代表は声明を出し、第68回国連総会で一部の国が、シリアでの紛争の当事者をジュネーブ2会議に向かわせようとせず、シリアやイランに批判を集中させている、と批判した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所で、軍と交戦の末、兵士数十人を殺害し、同通行所の施設など大部分を制圧した。

反体制武装集団はまた、通行所西側一帯、空軍情報部の施設なども合わせて制圧したという。

ヤルムーク旅団の司令官を名乗るバッシャール・ズウビー氏は『ハヤート』(9月26日付)に、「ナスィーブ国境通行所の約70%を制圧した」ことを明らかにした。

またズウビー氏は、ダルアー県を拠点とする軍事評議会(アフマド・ファフド・ニウマ司令官)が「この計画にはまったく関係ない」と述べ、同県での戦闘をめぐって対立し合っていることを示唆した。

さらに『ハヤート』(9月26日付)は、この攻撃が、シャームの民のヌスラ戦線、聖なる家の翼大隊など自由シリア軍に属さないサラフィー主義者が、自由シリア軍南部作戦司令室との調整のもとに主導したと伝えた。

同紙によると、この攻撃を受け、ヨルダン軍の増援部隊が対シリア国境に展開し、厳戒態勢を強化した。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月26日付)によると、アレッポ国際空港に近い防衛工場機構周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡、またアズィーザ村での戦闘では軍兵士10人が死亡した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アッサーン村、シャイフ・サイード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、カフルカール市、バナーン・フッス市、ダイル・ハーフィル市、フマイマ村、アブー・ジャッバール村、ミンタール村、ハイヤーン町、ダフラ・ナジュム村、アッザーン村、ラスム・ウカイリシュ村、アズィーザ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アバウィード村で、ラヒーヤ村から避難してきた住民5人(子供2人を含む)が軍によって処刑された。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アルバイーン山周辺の村々、カフルラーター市、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール航空基地周辺、ブワイティー市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市近郊のハミード村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦の末、同村を制圧した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区、ジャウバル区、バルザ区を軍が砲撃した。

一方、SANA(9月25日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月25日付)によると、軍がザマルカー町のザマルカー橋で、反体制武装集団を殲滅、道橋および周辺一帯を完全制圧した。

またマアルーラー市では、サフィール・ホテル周辺などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殲滅した。

このほか、シャイフーニーヤ村、ビラーリーヤ村、シャブアー町郊外、フジャイラ村、ダーライヤー市、ヤブルード市、ラアス・アイン市、ナースィリーヤ村、アトナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、グータの盾大隊、ルクンッディーン殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月25日付)によると、バイト・イブリフ村、ラビーア町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、タドムル市郊外の農場地帯、キースィーン市、ガジャル村、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、ザアフラーニナ市、ラスム・サブア市、ラッフーム村、ハワーディーブ市、ヒムス市バーブ・フード地区、ワルシャ地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ナハールネット(9月25日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール市で、軍の警告を無視して検問所を立ち去ろうとしたミニバスに軍が発砲、乗っていた1人が死亡、2人が負傷した、と報じた。

同報道によると、殺害されたのはシャームの民のヌスラ戦線メンバーだという。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団が、シリア国内での調査を再開するため、再入国した。

アンジェラ・ケイン国連軍縮問題高等代表はアラビーヤ(9月25日付)に対して、調査団が8月の訪問時に予定していた3カ所(アレッポ県ハーン・アサル村、ヒムス市、ダマスカス郊外県タイバ村)での調査を行うと述べた。

**

英国のニック・クレイグ副首相は、シリア人避難民への人道支援策として1億6,000万米ドルの追加支援を行うと発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官と会談し、ヨルダンとレバノンのシリア人避難民への支援策として、1,000万米ドル相当の支援を行うことを明らかにした。

**

国連の常任理事国5カ国の外相と潘基文事務総長が会談し、シリア情勢への対応について協議した。

**

チュニジアのルトフィー・ベン・ジッドゥー内務大臣は地元ラジオ(9月25日付)に対して、チュニジア人青年を軍事教練施設やシリアに送り込み、テロ活動を行わせようとしたネットワークを摘発、これまでに約300人を逮捕したと述べた。

AFP, September 25, 2013、al-Hayat, September 26, 2013、Kull-na Shuraka’, September 25, 2013、Kurdonline, September
25, 2013、Naharnet, September 25, 2013、Reuters, September 25, 2013、Rihab
News, September 25, 2013、SANA, September 25, 2013、UPI, September 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線を含むサラフィー主義武装集団13組織がシリア革命反体制勢力国民連立と同連立暫定政府を拒否するとの声明を発表、オバマ大統領は国連総会の一般討論演説のなかで「化学兵器で子供たちを殺したアサド政権が正統性を失っている」とを改めて主張(2013年9月24日)

反体制勢力の動き

シリアのサラフィー主義武装集団13組織が共同声明(声明第1号)を発し、シリア革命反体制勢力国民連立と同連立暫定政府を拒否すると発表、また反体制武装集団に対して、シャリーアのもとに統合するよう呼びかけた(http://www.youtube.com/watch?v=Lj1bheERxzs&feature=player_embedded)。

Kull-na Shuraka', September 24, 2013
Kull-na Shuraka’, September 24, 2013

「声明第1号」に署名したのは、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム・イスラーム自由人運動、タウヒード旅団、イスラーム旅団、シャームの鷹旅団、シャーム・イスラーム暁運動、イスラーム・ヌール運動、ヌールッディーン・ザンキー大地、アレッポ「命令に従い正しく進め」連合、第19師団、アンサール旅団。

**

イスラーム旅団のザフラーン・アッルーシュ司令官はビデオ声明を出し、ダマスカス県およびダマスカス郊外県に「アサド政権を打倒するためのダマスカス作戦室」を開設したと発表した(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=FeNghh3RPn8)。

アッルーシュ司令官によると、同作戦室は以下の反体制武装集団から構成されるという。

イスラーム旅団
フィルカーン旅団
ハビーブ・ムスタファー旅団
シャーム・イスラーム自由人運動
サハーバ旅団・大隊
ムスリミーン軍旅団

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、国連第68回総会に合わせてニューヨークに滞在中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら連立幹部が、アラブ各国の閣僚と会談し、シリア情勢について協議したと報じた。

シリア政府の動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長はダマスカスを訪問中の欧州の報道機関の使節団と会談した。

会談で、ラッハーム議長は、シリアで起きていることを客観的に報道し、シリア国民に対する武装テロ集団の犯罪を国際世論に知らしめることが報道機関に求められていると述べるとともに、米英仏が、ロシアによる化学兵器廃棄のイニシアチブにもかかわらず、依然としてシリアの危機を長引かせようとしていると非難した。

そのうえで、「シリア国民が民主主義、自由、人権保護を欲していると主張する米国などが、憲法も持たない…同盟国のサウジアラビアやカタールについての関心を示さない」と指摘、シリア国民に関心を示すのであれば、「テロとの戦いに関する国連決議を遵守し、シリアへの武器とテロリストの流れを止めるべきだ」と主張した。

**

『ジュムフーリーヤ』(9月24日付)は、アサド大統領の資産が5億5,000万米ドルから15億米ドルだと西側諸国の専門家が推計している、と報じた。

同紙によると、ラーミー・マフルーフの資産は推計で50億米ドルに達し、また2011年以降の米国による制裁で米国が凍結したアサド大統領の資産は8,000万米ドルだけだという。

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、法務省の信頼できる消息筋の話として、国民安全保障会議が、テロ法廷検事長に対して、大統領のいとこで反体制活動家のリーバール・アサド氏の起訴を要請したと報じた。

**

シリア・アラブ・テレビ(9月24日付)は、父親に「結婚ジハード」を強要されたというラワーン・カッダーフさんの証言を放映した。

al-Hayat, September 26, 2013
al-Hayat, September 26, 2013

カッダーフさんはダルアー県出身の16歳で、父親にレイプされたあと、反体制武装集団に売られ、性的関係を強要された、と証言した。

しかしこの放送に対して、フェイスブックなどで、証言がプロパガンダだとの批判が相次いだ。

**

クッルナー・シュラカー(9月25日付)は、複数の活動家の話として、リヤード・サーリヒーン大隊が、ワダーフ・ジャミール・アサド大尉(大統領のいとこ)を捕捉したと報じた。

ユーチューブ(9月24日付)にアップされた映像で、ワダーフ・アサド大尉は、自身が第127戦車旅団に所属し、ダマスカス県に向かう途中で捕らえられたと自供、軍の将兵に「バッシャール・アサドは必ず倒れる」と述べ、離反を呼びかけた。

http://www.youtube.com/watch?v=A1DnBhWvkTw&feature=player_embedded

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外の第7師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団が第88旅団基地を迫撃し、タッル・ルカイス、タッル・ブーザの軍の拠点2カ所を制圧した。

これに関して、『ハヤート』(9月25日付)は、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊、サハーバ大隊が反体制武装集団に対する軍の包囲を解除するために反転攻勢をかけている、と報じた。

ダマスカスに本部を構えているというサハーバ大隊の司令官でアブー・ムアーッズを名のる活動家によると、この反転攻勢は、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市などへの包囲を解除し、食糧、医薬品、武器を供給することをめざしているという。

一方、SANA(9月24日付)によると、ハラスター市、リーハーン農場、シャブアー町郊外、フジャイラ村、ダーライヤー市、ザバダーニー市郊外の山間部、マアルーラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団などによると、タダームン区で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも7人が死亡、15人が負傷した。SANA(9月24日付)によると、この爆発で3人が死亡、11人が負傷した。

同地区は23日に、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長が視察したばかり。

またSANA(9月24日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、『ハヤート』(9月25日付)によると、ラアス・アイン市郊外のジャーファー村の北部郊外一帯を民主統一党人民防衛隊が完全制圧した。

人民防衛隊は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と数日にわたる戦闘の末、同地を制圧した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、人民防衛隊がジャーファー村(ヤズィーディー派の村)、ダルダーラ村、および周辺の農場を完全制圧したと報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する軍の砲撃で、市民3人が死亡した。

**

アレッポ県では、AFP(9月24日付)が、アレッポ市郊外工業地区の住民が避難先から徐々に帰宅し、日常生活再開に奮闘している、と報じた。

一方、SANA(9月24日付)によると、アレッポ市サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ジュダイダ地区、マーリキーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、マンスーラ村、バヤーヌーン町、ダイル・ジャマール村、ナイラブ村、バーブ市北部、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、シャイフ・サイード村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、カフルカール村、バナーン・フッス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月24日付)によると、ダルアー市各所、カフルシャムス町、ムザイリーブ町、タファス市、サイダー町、ブスル・ハリール市、アトマーン村、マイーナ市、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ラフィード市、ヒーラーン村、ザアルーラ市、マアラカ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、SANA(9月24日付)によると、ジャディード・アカイダート村、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区、ウルフィー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

LBCI(9月24日付)などによると、アレッポ県アアザーズ市で反体制武装集団に拉致されたシーア派巡礼者の家族が、トルコ大使館前で抗議デモを行い、シリアの反体制勢力に圧力をかけ、家族を解放するよう求める一方、「我々はレバノンのすべてのトルコ人に対して嫌がらせを行うだろう。我々の行動が気にいらなければ、レバノンから立ち去ることができる」と脅迫した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は第68回国連総会で一般討論演説を行い、アサド政権に関して「国民を殺戮し、子供たちをガスで殺した指導者は、破壊しつくされた国で統治の正統性を回復することはできない」と述べた。

また「ロシアとイランは、アサド政権の存続に固執することは、両国が恐れている結果、テロリストによるさらなる暴力がシリアを席巻するという結果を直接招くということを悟る時が来た…。シリアが戦争前の状態に戻ると考えることは幻想だ」と警告した。

そのうえで化学兵器廃棄問題に関して「アサド政権に誓約を遵守させるための強力な安保理決議を作らねばならない」と述べ、国連憲章第7章に依拠する決議採択を主張するとともに、こうした決議が採択できない場合「国連は国際法の基本すら科すことができなくなってしまう」と警鐘を鳴らした。

さらに「米国がシリアで望んでいるのは、シリア国民の普通の生活、隣国の安定、化学兵器廃棄に反するものではない。シリアはテロリストの温床にならないことを明言する」と述べた。

**

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は国連第68会総会で一般討論演説を行い、「この戦争(シリアの紛争)は地域の安定と平和を真に脅かすものとなった。冷戦時代の代理戦争が繰り返されることで、シリアにさらなる混乱がもたらされる」と懸念を表明した。

ギュル大統領はシリアの化学兵器廃棄に関する米露合意を歓迎する一方、アサド政権が「(化学兵器使用以外の)犯罪の責任を免れることがあってはならない」と主張、「パワー・バランス」を維持する政策が紛争を長引かせるとしたうえで、アサド政権を打倒するための戦略を国際社会と近隣諸国は推し進めるべきだと呼びかけた。

そのうえで「我々はシリア国民を放置しておくことはできないし、そうすべきでない…。強力な支援の言葉は今、真の行動を伴わなければならない」と訴えた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は国連第68会総会で一般討論演説を行い、イランに対して、シリアの化学兵器廃棄に向けた「具体的なイニシアチブ」を発揮するよう求めた。

そのうえで国連憲章第7章に基づく安保理決議の採択を呼びかけた。

**

カタールのタミーム・ビン・ハマド首長が第68回国連総会で一般討論演説を行い、国際社会に対して、シリアでの化学兵器攻撃をはじめとする犯罪への追及がなされなければ「人権や国際法のしくみが信頼を失うだろう」と懸念を示した。

**

国連の潘基文事務総長は第68回総会で演説し、「国際社会は化学兵器使用に関与した者を裁かねばならない」と述べた。

**

『ハヤート』(9月25日付)は、ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談し、シリアの化学兵器廃棄に関する国連安保理決議案について協議したと報じた。

同報道によると、会談ではロシア側の提案についての協議が行われたが、同案は西側諸国が求めている「強い内容」ではない、という。

**

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、連邦議会下院で「(シリア政府の)協力拒否、誓約不履行、ないしは誰であれ、化学兵器を使用した場合になされる一連の措置の一つとして、国連憲章第7章に言及することもあり得る」と述べた。

しかし「国連安保理決議が憲章第7章に基づくことはあり得ず、制裁や力の行使が自動的になされることはないと改めて繰り返す。安保理決議は常に、化学兵器禁止機関の執行理事会の決定を支援するものではねければならない」と強調した。

**

米ホワイトハウスは、周辺諸国のシリア人避難民の流入などに対処するため、3億4,000万米ドルの追加支援を行うと発表した。

これにより、米国の人道支援総額は14億米ドルになるという。

このうち、レバノン軍の国境警備体制の強化のために870米ドルを、また避難民対策として7,400万米ドルがレバノンに供与されるという。

**

『ハヤート』(9月24日付)は、ヨルダン閣僚の話として、ヨルダン政府がシリアでの戦闘に参加しようとしているサラフィー主義者に対して大規模な摘発キャンペーンを行っていると報じた。

同報道はまた、サラフィー主義指導者の話として、この摘発キャンペーンで、約120人が逮捕されたと伝えた。

彼らは、シリアに潜入し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)やシャームの民のヌスラ戦線に合流しようとしていたという。

**

ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、第68回国連総会に合わせて声明を出し、「炎上している都市に平和と繁栄の家を建てることはできない。今日、我々は地域の炎上を無視できない…。未来を守るため、世界は我々とともにこの火災を止めねばならない」と述べた。

アブドゥッラー2世はシリアの紛争を「人道レベル、安全保障レベルにおいて国際的な災害」としたうえで「過激派が、シリアの人種的宗教的分断を利用している」と非難し、「シリアでの流血を止めるため、政治的移行プロセスを加速させる時が来た」と述べ、国際社会に行動を求めた。

AFP, September 24, 2013、al-Hayat, September 24, 2013, September 25, 2013、al-Jumhuriya, September 24, 2013、Kull-na Shuraka’, September 24, 2013, September 25,
2013、Kurdonline, September 24, 2013、LBCI, September 24, 2013、Naharnet,
September 24, 2013、Reuters, September 24, 2013、Rihab News, September 24,
2013、SANA, September 24, 2013、UPI, September 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド・シリア民主党がシリア・クルド国民評議会からの脱会を発表するなか、ヌスラ戦線を含むサラフィー主義諸組織がアアザーズ市におけるイスラーム国の停戦合意不履行に対応するための会合を開く(2013年9月23日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のワリード・ウマリー氏はクッルナー・シュラカー(9月23日付)に、「優先的に実施されねばならない…多くのアイデアがあるにもかかわらず…、決定が遅れている」としたうえで「一部の古参が活動を止め、事態を硬直化させている」と非難した。

**

ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する市民諸委員会を代表する革命通信調整局は声明を出し、反対女性活動家のラッザーナ・ザイトゥーナ弁護士が、自宅前で何者かからの発砲を受け、3日以内に立ち退くよう脅迫を受けたと発表、彼女との連帯の意思を表明した。

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)によると、クルド・シリア民主党(ジャマール・シャイフ・バーキー書記長)が、シリア・クルド国民評議会からの脱会を発表した。

脱会は、シリア・クルド国民評議会が、参加政党に評議会以外の政治同盟からの脱会を求めたことに抗議したもの。

クルド・シリア民主党は、民主統一党とともに、民主的変革諸勢力国民調整委員会に参加している。

また脱会の背景には、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流がある、という。

なおシリア・クルド国民評議会の要請に対して、シリア・クルド・アーザーディー党はシリア国民民評議会を脱会し、要請に従った。

一方、シリア・クルド国民評議会のファイサル・ユースフ前事務局長はフェイスブックで、クルド・シリア民主党が評議会脱会を受けて、民主統一党との戦略的協力合意を結んだと綴った。

シリア政府の動き

アサド大統領は中国中央電視台(CCTV)のインタビューに応じた(http://middleeast.cntv.cn/2013/09/23/VIDE1379913323970489.shtml)。

SANA, September 23, 2013
SANA, September 23, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

(シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して)「おそらく一つだけ困難がある。それは一部地域の治安状況による基本的な困難で、これらの地域には査察団が入ることを…許さないだろう。武装集団がいる地域のことを言っている。彼らはおそらくこうした活動を妨害しようとしている。つまり査察団が入ることを阻止しようとするだろう。我々はこれらのテロリストが外国の命令のもとに活動しており、テロリストは査察団が入ることを妨害することで、シリア政府が合意実施を妨害していると非難しようとするだろう」。

「一部の国が、シリア政府を非難する目的で、査察団を攻撃することをテロリストに求めれば(化学兵器廃棄の合意への履行が遅れることもある)…。テロリストがいろいろな場所に出没できることをご存じでしょう。彼らは特定の地域にとどまっているわけではない。しかしこうしたことは潜在的にあり得るだけだ」。

(化学兵器の保有に関して)「シリアはこの兵器(化学兵器)を数十年前から製造している。大量にあるのは当然のことだ。なぜなら我々は戦時下の国だ。我々には40年も前に占領された土地がある。しかし、いかなる状況下でも、シリア軍は基本的に、伝統的兵器のみで戦闘を行う準備をしてきた」。

「どんな国、どんな国においても、化学兵器は常にテロリストなどの破壊分子の手に渡らないよう、特別な条件下で保管されている。こうした集団は敵対する国から送り込まれる。しかし、この問題に関しては心配することはない。シリアの化学兵器は安全な地域、場所にある。シリア・アラブ軍がこれらの場所を完全に掌握している」。

(化学兵器廃棄の合意を遵守し得るか否かに関して)「この点に関しては二つの理由で心配はない。第1に、シリアは独立以来、自らが署名したすべての合意を遵守している…。我々を安心させるもう一つの点は、中国とロシアが安保理で果たしている役割である。両国は安保理がシリアへの攻撃を正当化するような根拠として利用されないよう努めている。しかし、米英仏が安保理決議案、ないしは米露合意をめぐって彼らが望んでいる合意を通じてやろうとしていることは、自分たちをシリアという想像上の敵との戦いにおける勝者に見せようとすることが目的だ。だから我々は、この手の合意…に関心を示したり、懸念したりしなくてもよいのだ」。

「米国は戦争を正当化する理由を探したければ、別のさまざまな理由を探すことができる。米国は戦争を止めようとはしない。なぜなら化学兵器の引き渡しに関しては、シリアとロシアが合意しているだけだからだ。また、世界中、そして米国内でシリアへの戦争が拒否された。なぜならその理由が満足いくものではなかったからだ…。米国が他国に対して覇権主義的な政策を続けたいと考えている限り、我々は現下の危機とは別に懸念し続けねばならない。とくに、西側諸国は、国連憲章、国際法を度外視しようといるなか、常に懸念し続けねばなんらない」。

「シリア軍は伝統的戦争を基本として構築されている。化学兵器(廃棄)はこの問題(シリア軍への武力)に影響を与えないだろう…。化学兵器の使用を自殺だと言う人もいる。我々シリアは、自殺に向かうことはない」。

「1980年代に我々が化学兵器の製造を始めたとき、シリアとイスラエルの間で伝統兵器に関して大きな格差があった…。1990年代後半に、シリアは化学兵器の製造を停止した。なぜなら、伝統兵器に関する格差の一部が解消されたからだ…。1980年代にあった化学兵器保有の根拠がもはや基本的にはなくなっていたのだ。だから、私は2003年に中東全体における大量破壊兵器の廃棄を(安保理に)提言したのだ」。

「化学兵器が見返り(として供与された)とは言えないが、我々とロシアの間には武器に関するさまざまな契約がある。それゆえシリアの軍備増強は(ロシアとの)合意以前から行われており…、化学兵器の問題とも無関係だ。関係があるのは、我々はイスラエルと敵対しており、領土を占領されているという点だ。我々は伝統的軍備を増強するのは当然なのだ…。(ロシアから供与を受けた軍備の一例としては)対空防空兵器がある」。

(8月21日のグータ地方での化学兵器攻撃に関して)「(反体制武装集団が使ったことを示す)さまざまな証拠がある。さまざまな化学物質に関する物的証拠、そしてこれらの物質の保存手段などであり、それらは数度に分けてロシア側に送られた…。別の理由としては、隣国からこれらの物質の一部を運んだとするテロリストの自供もある。これについてはシリアのテレビで放映された」。

(ジュネーブ2合意に関して)「我々はジュネーブのイニシアチブを当初から支援してきた…。ジュネーブ大会に希望を抱いている。しかし希望は現実的なものでなければならない…。ジュネーブ大会の成功を保障する第1の要素は、テロ活動の停止、国外からのテロリストの潜入の停止、これらのテロリストへの武器、資金の提供の停止だ。これを実行しなければ、いかなる政治的活動も幻想となってしまうし、何の価値もなくなってしまう」。

(ジュネーブ大会開催にふさわしい状況かとの問いに対して)「問題はシリア政府でも、ロシア、中国、イラン、そして世界の多くの国にあるのではない…。問題は実際には、米国をはじめとする一部西側諸国にある。これらの国は、テロリストに有利なような現地の軍事情勢を実現しようとして、ジュネーブ大会に入ろうとしている。また別の理由もある。彼らは今もなおいわゆる反体制勢力の統合を実現できていない。むろん、それはシリア国民に属していないので反体制勢力でもないのだが…。常に彼らどうしの間で戦いが起きている…。しかし我々は…このステップ(ジュネーブ2会議)を行うのにふさわしいと考えている」。

(ジュネーブ2会議へのシリア政府の参加の条件に関して)「一部の国の反体制武装集団への武器・資金援助は条件ではない…。シリアのあらゆる場所でテロリストが破壊殺戮を行えば、(ジュネーブ2会議で)真の行動などあり得ない。前提条件について話はしないが…。大会開催後もテロが続けば、その限りにおいて大会には価値はない」。

「我々は武器を持ついかなる者との交渉も受け入れない。我々は反体制勢力と交渉する。反体制運動とは政治活動だ。反体制運動が人々を殺すテロ活動であることはない。それゆえ、我々は武装蜂起した者とは交渉する…。また外国の介入を受け入れるすべての者との交渉も受け入れない。軍事介入であれ、政治介入であれ」。

「これらの者(テロリスト)の大部分はシリアの国外からやって来る…。もしシリア国民、シリア社会が、テロリストを支援していれば、彼らはより強力だっただろう。またシリア社会が軍を支援すれば、軍はより強い存在になる。それゆえ、現地のパワー・バランスに関していうと、事態は軍にとって有利である。大部分のシリア人が軍を支持しているので、軍は過去数ヶ月間進軍を続けてきた」。

「国家とテロリストの間に戦闘停止はあり得ない。世界じゅうの国家が憲法に従って、市民を攻撃するあらゆるテロと戦う義務がある。なぜなら国家が市民を守るというのは自明のことだからだ。停戦すれば、テロリストを承認することになる。さらに、そうすれば、我々は国民を防衛するという任務を放棄することになる」。

(ジュネーブ2会議参加をめぐる政府のレッドラインに関して)「レッドラインは第1に、市民、国家、軍に武器を向けることだ。第2に、どのようなかたちであれ外国の介入を唱道することだ」。

(2014年の大統領選挙へのアサド大統領の出馬を国民が望んでいると思うかとの問いに対して)「国民の一部は望んでいて、一部が望んでいないことは自明だ。多数派が誰かを特定するデータはない。しかし兆候はある。危機が始まって2年半を経ても、シリア国民が国家を支持質しているという兆候だ」。

「中国はあらゆる意味で世界的な大国だ。政治、軍事、経済の面で。しかし我々シリアにとって今重要なのは、中国がシリアの危機を通じて行ってきた姿勢だ。とりわけロシアとの強力を通じて中国が示してきた基本姿勢は、シリアの危機に良い影響を与えてきた…。こうした役割が、シリアへの攻撃を行うために安保理を利用しようとした一部の西側諸国の動きを阻止した」。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブ・ハワー国境通行所に近いハザーヌー町周辺で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と地元の反体制武装集団(自由シリア軍)と交戦し、ダーイシュの指導者の一人でリビア人のウサーマ・ウバイディー(アブー・アブドゥッラー・リービー)を含むダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

al-Hayat, September 24, 2013
al-Hayat, September 24, 2013

またクッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、ハザーヌー町の地元戦闘員6人と少女1人も死亡したという。

複数の目撃者によると、ダーイシュはアレッポ県のバーティヌー村を制圧した後、ハザーヌー町周辺に検問所を設置、またザーウィヤ山にも進入しているという。

シリア人権監視団は、ダーイシュがハザーヌー町出身者2人を逮捕しようとして戦闘が発生したと発表したが、クッルナー・シュラカー(9月23日付)は、21日のハーリム市郊外ハッターン村での反体制シャイフのサラーフッディーン・ハブラス氏暗殺未遂に関連して、地元武装集団が拘束していたダーシュシュ戦闘員の釈放をめぐる交渉が決裂したのを受け、ダーイシュがハザーヌー町、カッリー市、バーティブー市に通じる街道、ハイル・サラーフ市に通じる街道の検問所を攻撃し、戦闘になったと報じた。

アブー・アブドゥッラーの死を伝えた声明によると、彼は2003年からイラクで活動を行い、その後、シリア当局に逮捕され、リビアに送還、3年間服役した。

数ヶ月前にシリアの反体制活動に参加、シリア人戦闘員の教練を行っていたという。

一方、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、イラン人戦闘員1人がバーブ・ハワー国境通行所で「自由シリア軍」に逮捕された。

このイラン人は、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ町で親政権のアブー・ファドル・アッバース旅団に加わるためにラタキア県のカサブ国境通行所からシリアに入国しようとしていたが、間違ってバーブ・ハワー国境通行所から入国しようとしたのだという。

他方、SANA(9月23日付)によると、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サルミーン市、カンスフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月24日付)によると、タウヒード旅団、シャーム自由人大隊、シャームの民のヌスラ戦線が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるアアザーズ市での停戦合意不履行に対応するための会合を開き、事態悪化を抑止するために調整することで合意した。

しかし、ダーイシュは声明を出し、アアザーズ市の北の嵐旅団を「浄化した」と発表した。

ダーイシュは声明で、北の嵐旅団が、シリア軍によるマンナグ航空基地(アレッポ県)への攻撃を保障し、民主主義というアッラーが啓示した以外の方法での統治を主唱していると非難した。

また北の嵐旅団が、シリアに潜入したジョン・マケイン米上院議員を出迎え、ドイツや米国の諜報機関と通じていると断言した。

そのうえで、アレッポ県アアザーズ市に近いバーブ・サラーマ国境通行所の往来を制限していると指摘し、「改悛の扉は開を開かねば…、ダーイシュ戦闘員は彼らのムチを切り裂くだろう」と脅迫した。

一方、SANA(9月23日付)によると、ナイラブ村、バナーン・フッス村、アレッポ宗王刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、サフィーラ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市バニー・ザイド地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシリア軍マンスーラ方面司令官のキリスト教徒士官を「イスラームに改宗した」ことを受けて釈放した。

また軍は、タブカ市各所に空爆を行った。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区に対して軍が激しい砲撃・空爆を行った。

一方、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、共和国護衛隊のアンマール・アフマド・シャリーフィー大佐がバルザ区で反体制武装集団の要撃を受けて死亡した。

シャリーフィー大佐は先週、バルザ区攻略の司令官に就任したばかりだったという。

またカーブーン区でも、反体制武装集団は「カーブーンの獅子」と呼ばれていたシリア軍のラーティブ・アイユーシュ大尉を殺害したという。

他方、SANA(9月23日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月23日付)によると、ドゥーマー市郊外、リーハーン農場、ハラスター市、ムライハ市、ダイル・サルマーン市郊外、シャブアー町郊外、ダブラ市郊外、ダイルハビーヤ市周辺、ヤブルード市郊外、ブルダーン市郊外、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月23日付)によると、タイバ村、シャンダーヒーヤ村、ラスタン湖、カフルナーン村、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、キースィーン市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、クスール地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月23日付)によると、ダイル・ザウル市ティーム地区で軍が反体制武装集団への特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月23日付)によると、ファッラーフ村で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、女性1人を含む2人が死亡した。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネルを通じてテレビ演説を行い、ベイルート県郊外のダーヒヤでの軍・治安部隊への治安権限の移譲、シリア情勢などについて語った。

Naharnet, September 23, 2013
Naharnet, September 23, 2013

8月15日のベイルート県郊外での爆弾テロに関して、ナスルッラー書記長は「シリア国内で、反体制勢力として活動しているタクフィール主義者によるものだ…。治安機関も同じ結論に達していると思う」と述べた。

シリアの化学兵器問題に関しては「米国防長官は、化学兵器がヒズブッラーに手渡されると警鐘を鳴らした翌日、シリア革命反体制勢力国民連立は、シリア政府がヒズブッラーに化学兵器を与えたと主張した。また一部の「利口な」反体制指導者は、我々は1トンの化学物質を受け取ったと主張した。しかしこれは嘲笑に値する言いがかりだ」と述べた。

また「小麦、穀物、あるいは伝統的な兵器を運ぶのとは違う。しかし、一部のレバノンの勢力は、このメディア・キャンペーンに加わり、レバノンに化学兵器が持ち込まれたのではと恐れている…。こうした言いがかりは、レバノン、そして国民すべてに危険な影響を与える」と付言した。

そのうえで「私はこうした言いがかりを完全に否定する。私はレバノン国民に、こうした言いがかりが行われていることに慎重になるよう呼びかける」と強調した。

諸外国の動き

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は国連総会出席のために訪問したニューヨークで記者団に「予防的措置、装甲車・戦車の展開にもかかわらず、我々はテロリストの潜入を阻止できない」と述べ、トルコ経由でシリアに潜入していたサラフィー主義戦闘員がトルコに退却していることを明らかにした。

ギュル大統領はそのうえで「過激派は我々の安全保障にとって大いなる懸念のもととなっている」と付言した。

『ヒュッリイェト』(9月23日付)が伝えた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ソチで開かれた集団安全保障条約機構首脳会議で、シリア情勢に関して「いかなる軍事介入も国際法違反であり、国連の正統性への敵対行為である」と述べた。

そのうえで、加盟国のアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンが、「シリア情勢が政治的・平和的方法以外によっては正常化し得ないという点で合意した」ことを明らかにした。

プーチン大統領はその一方で「(シリアの)過激派は無から発生したわけではないし、消えてなくなることもない。国を超えてテロが拡がる問題こそが、真の問題であり、すべての条約加盟諸国の国益に直接影響を及ぼし得る」と警鐘を鳴らした。

**

中国外交部報道官は、シリア政府が化学兵器計画の申告書を化学兵器禁止機関に提出したことに関して「化学兵器条約加盟後にシリアが行った重要なステップだと考える」と評価、「専門家派遣など、シリアの化学兵器廃棄に関して同機構への支援を続ける」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器廃棄問題に関する安保理の内容に関して三つの条件を示した。

三つの条件とは、①シリアで再び化学兵器が使用された場合、安保理が違反を審議できるようにすること、②米露合意の不履行に対して、国連憲章第7章に基づく措置を明記すること、③8月21日の化学兵器攻撃の実行者の裁判・処罰。

**

AFP(9月23日付)によると、ヨルダンの国家治安裁判所は、シリアへの潜入を試みたヨルダン人ジハード主義者5人に禁固5年の有罪判決を下した。

5人は2012年2月にシリアに潜入し、シャームの民のヌスラ戦線に加わろうとして逮捕されていた。

AFP, September 23, 2013、al-Hayat, September 24, 2013、Kull-na Shuraka’, September 23, 2013, September 24,
2013、Kurdonline, September 23, 2013、Naharnet, September 23, 2013、Reuters,
September 23, 2013、Rihab News, September 23, 2013、SANA, September 23, 2013、UPI,
September 23, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長がジュネーブ2会議参加に向けた従来の条件を軟化させる、サアドッディーン大佐が(自由シリア軍)最高軍事評議会と参謀委員会の間の「高度な調整」の存在を暴露(2013年9月22日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、国連安保理に書簡を送り、ジュネーブ2会議への参加に関して、ジュネーブ大会(2012年)の合意に基づき、すべての当事者が全権を有する移行期政府の発足に同意しなければならないとの立場を表明し、アサド政権退陣を参加の条件としてきたこれまでの主張を軟化させた。

ロイター通信(9月22日付)が報じた。

しかし、ザマーン・ワスル(9月22日付)によると、これに対して連立のバドル・ジャームース事務局長は、ジャルバー議長の発言の一部しか公表されていないと反論、「連立の内規にアサド大統領と現政権の幹部、そしてシリア国民に対する犯罪に関与したすべての者の解任」をめざすと規定されていると強調した。

また政治委員会メンバーのカマール・ルブワーニー氏は、「ジュネーブ2会議に参加したものは、犯罪者との共謀容疑で裁かれる…。またイランの占領、さらにはシリア革命への強奪に関与した容疑で裁かれる」と牽制した。

**

自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐はクッルナー・シュラカー(9月22日付)に、参謀委員会が近くイスタンブールで会合を開き、ジュネーブ2会議で審議予定の移行期政府の人事に関して協議することを明らかにした。

サアドッディーン大佐は、このなかで自らが報道官だと名乗る「最高軍事評議会」がサリーム・イドリース参謀長率いる参謀委員会の間に「高度な調整」があると述べ、両組織が一枚岩でないことを暴露した。

またファフド・ミスリー氏が率いる自由シリア軍合同司令部中央広報局については、「存在しない…。自由シリア軍を何ら代表していない」と述べた。

そのうえで移行期政府の時人事については、国防大臣と内務大臣のポストを求める意向を示した。

**

クッルナー・シュラカー(9月22日付)は、民主統一党支持者がハサカ県ダルバースィーヤ市の住民に対して、イラク・クルディスタン地域の旗を掲げている家を焼き討ちにすると脅迫し、この旗に変えてTEV-DEMの旗を掲揚するよう求めている、と報じた。

**

アフバール・アーン(9月22日付)は、37人の女性ジハード主義者が、ダマスカス郊外県東グータ地方で狙撃訓練などを受け、「女性部隊」を結成したと報じた。

**

自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐は、チュニジア女性が「結婚ジハード」(慰安婦)としてシリア国内に送り込まれてきたとの情報に関して「メディアのねつ造」と断じ、「不貞行為」とみなしていると述べた。

クッルナー・シュラカー(9月23日付)が伝えた。

シリア政府の動き

ビシュル・リヤード・ヤーズジー観光大臣は、2011年3月の危機以降、271の観光宿泊施設が営業を停止し、3,300億シリア・ポンドの損失が発生、約300の観光プロジェクトが停止し、25万8,000人が職を失った、と発表した。

『ティシュリーン』(9月22日付)が伝えた。

**

オリエント・ネット(9月22日付)は、8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃は、アラウィー派将兵からなる秘密治安部隊の「第450部隊」が行ったと主張した。

同ネットによると、この部隊は化学研究調査センターに所属し、シリアの化学兵器プロジェクトを統括しているのだという。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ダマスカス・ヒムス国際幹線道路沿いの内務省施設近くで、爆弾を仕掛けた車を爆発させ、軍の兵士多数を死傷させた。

同監視団によると、ダマスカス郊外県でのダーイシュのテロはこれが初めて。

これに対して、軍は、ナバク市、ヤブルード市、および両市郊外など、ダーイシュのテロが発生した地点周辺を空爆、砲撃した。

またダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、バイト・サフム市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

このほか、ハーン・シャイフ・キャンプでは、軍の拘置所で拘束されていた市民3人が拷問を受け、死亡したという。

一方、SANA(9月22日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、シャブアー町、フタイタ・トゥルクマーン市、ザバダーニー市およびブルダーン市郊外の山間部、リーマー農場、ダーライヤー市、ナバク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、ロシア外務省は声明を出し、マズラア地区にあるロシア大使館に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾、うち1発が本舎を直撃し、スタッフ3人が軽傷を負った、と発表した。

外務省声明によると、迫撃砲はマッザ区から発射されたという。

他方、SANA(9月22日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマズラア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が負傷した。

**

アレッポ県では、自由シリア軍の北の嵐旅団が声明を出し、アアザーズ市での停戦合意の第1項(身柄拘束者の釈放)をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が遵守していないと非難した。

北の嵐旅団によると、ダーイシュは40人の身柄拘束者のうちの9人しか釈放しておらず、「猶予期間を経て、ダーイシュが合意を履行しなければ、彼らは法的裁きを受けねばならない」と警鐘を鳴らした。

なお『ハヤート』(9月23日付)によると、アアザーズ市の大部分はダーイシュが制圧しており、北の嵐旅団は同市西側入り口を維持しているのみで、アブー・イブラーヒーム・シーシャーニーの一団(ダーイシュ)が両者の兵力を引き話すかたちで検問所を設置しているという。

一方、SANA(9月22日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、アッザーン村、ラスム・ウカイリシュ村、ラスム・シャイフ村、バーブ市・ナスルッラー市街道、ダイル・ハーフィル市・タイバト・イマーム市街道、カブターン・ジャバル村、アイティーン市、ハーン・トゥーマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、旧市街、バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、バーブ・ハディード地区、シャイフ・サイード地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、『ハヤート』(9月23日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がバーブ・ハワー国境検問所から約10キロの地点に位置するハザーヌー町を襲撃、「自由シリア軍」と交戦した。

ザマーン・ワスル(9月22日付)は、この戦闘を受けて、トルコの当局が、バーブ・ハワー国境通行所に通じるトルコ両側の通行所も閉鎖した、と報じた。

一方、SANA(9月22日付)によると、タッル・サラムー村、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、『ハヤート』(9月23日付)によると、シャッダーディー市郊外で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を襲撃し、戦線の武器を奪った。

また、民主統一党人民防衛隊はラアス・アイン市郊外のジャーファー村で、武器を輸送していたダーイシュとヌスラ戦線の車輌2台を攻撃、破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ラサーファ地区で軍と反体制武装集団が交戦、またハミーディーヤ地区に地対地ミサイルが着弾した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区で、軍が反体制武装集団の作ったトンネルを破壊したほか、旧空港地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月22日付)によると、ヒムス市カラービース地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ガジャル村、ザアフラーナ村、カフルナーン村、ガースィビーヤ村、ダール・カビーラ村、キースィーン村、タッルドゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月22日付)によると、シャイフ・サアド村、ナワー市、フラーク市、西ムライハ村、ガディール・ブスターン市、ザアルーラ市、アトマーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(9月22日付)によると、ラフィード市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシアのChannel 1(9月22日)に、シリアの化学兵器廃棄をめぐる問題に関して「米国は、ロシアが国連憲章第7章に基づく決議を支持しなければ、化学兵器禁止機関での活動を止めるとして我々を揺すり始めた…。西側諸国はシリアの体制を転換するという戦略目標によって盲目になってしまっている」と批判した。

また「西側諸国は、リビアで一度裏切ったということを認めたがらない…。イラクでも裏切り、事態を放置した…。彼らの唯一の目的とは優位を確保することだ」と述べた。

さらに、アサド政権が倒れたら「シリアが再び世俗国家になることはなかろう」としたうえで、反体制武装集団の「3分の2から4分の3はジハード主義者だ」との見方を示した。

**

ロバート・フィスク記者は『インディペンデント』(9月22日付)で、8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃に使用された毒ガスが、ロシアからシリア軍に供与されたものではないとの「証拠」をロシア側が握っているとの噂がシリア国内で流れていることを明らかにした。

フィスク記者によると、この毒ガスはソ連時代に製造され、アラブ諸国のなかではイエメン、エジプト、リビアにしか供与されていなかったという。

http://www.independent.co.uk/voices/comment/gas-missiles-were-not-sold-to-syria-8831792.html

**

ヨルダンのシリア人避難民管理局のウィダーフ・ハンムード局長はAFP(9月22日付)に「多くのシリア人が危機発生以降、教までに自発的に帰国し、その数は91,000人に達する」と述べた。

またハンムード局長によると、ヨルダン国内のシリア人避難民の総数は54万3,029人で、うち12万1,130人がザアタリー・キャンプに収容されているという。

**

ドイツ内務省の連邦憲法擁護庁(BfV)はドイツ紙に対し、約170人のイスラーム過激派がドイツからシリアに潜入し、その一部が戦闘に参加していることを明らかにした。

**

リハーブ・ニュース(9月21日付)は、イラクのペシュメルガが、シリア領内にカラシニコフ銃40丁を密輸しようとしていた男性2人を拘束、銃を押収したと報じた。

AFP, September 22, 2013、Akhbar al-An, September 22, 2013、al-Hayat, September 23, 2013、The Independent, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 22, 2013, September 23,
2013、Kurdonline, September 22, 2013、Naharnet, September 22, 2013、Orient
Net, September 22, 2013、Reuters, September 22, 2013、Rihab News, September
22, 2013、SANA, September 22, 2013、Tishrin, September 22, 2013、UPI, September 22, 2013、Zaman al-Wasl, September 22, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍合同司令部中央広報局が反体制武装活動に参加している外国人戦闘員に対しシリアを去るよう求めるなか、化学兵器禁止機関はシリア政府から保有する化学兵器に関する申告書を受け取ったと発表(2013年9月21日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏はスカイ・ニュース(9月21日付)で、反体制武装活動に参加している外国人戦闘員に関して、「正統なイスラーム教の道徳と自由シリア軍の原理に反した振る舞いゆえに、歓迎されていない」と非難、「過激派であるかどうかにかかわらず…ただちにシリアを去らねばならない」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、ロシアのセルゲイ・リバコフ外務副大臣がシリア訪問時(9月18日)に、民主的変革国民調整委員会の執行部と会談し、ジュネーブ2会議などに関して協議したと報じた。

同報道によると、この会合で、ロシア側は、ジュネーブ2会議に、同委員会、シリア革命反体制勢力国民連立、クルド人合同使節団の3団体を反体制勢力の代表として参加させる意向を示したほか、移行期政府の閣僚ポストに関して、委員会に2閣僚を配分することを提案したという。

またクウェート紙『アンバー』(9月21日付)は、ジュネーブ2会議後に発足される移行期政府の閣僚候補についての情報を得たと報じた。

それによると、アサド政権が外務、内務、防衛大臣のポストを得る一方、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長が入閣するという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、レバノンのマロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教、シリア正教会アンタキア総大司教のイグナチウス・ザッカー1世イワス、ギリシャ・カトリックのアンタキア総大司教のグレゴリウス3世ラッハーム、ギリシャ正教会アンタキア総大司教のヨハネ10世に書簡を送り、ダマスカス郊外県マアルーラー市を襲撃したのは、反体制武装集団ではなく、アサド政権の軍だと訴えた。

またジャルバー議長は、8月21日付のグータ地方での化学兵器攻撃についても、反体制武装集団の犯行でないと伝えた。

クッルナー・シュラカー(9月21日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイランのホセイン・ロウハーニー大統領の『ワシントン・ポスト』への寄稿に関して、イランがアサド政権を政治的、経済的、軍事的に支援するなかで「皮肉」だと非難した。

**

『ハヤート』(9月22日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の使節団が国連総会に合わせて、米国を訪問し、西側各国を含む「シリアの友人連絡グループ」の外相、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とジュネーブ2会議などについて協議するための準備が行われていると報じた。

同報道によると、使節団は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、サーリム・ムスラト副議長、ミシェル・キールー氏、ブルハーン・ガルユーン氏、ルワイユ・サーフィー氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ムンズィル・マーフース氏からなるという。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、ダマスカス郊外県で活動する武装集団が、自由シリア軍参謀委員会のもとに第4師団を結成したと報じた。

第4師団に参加したのは以下の組織。

タウヒードの獅子旅団
トルクメン旅団
スバイナ殉教者旅団
ハジャル・アスワド旅団
ゴランの鷹旅団
イマーム・リファーイー大隊
ヤルムーク自由人旅団
ジュンドッラー大隊
ハジャル・アスワド中隊
自由司令部
ゴラン・コマンド大隊
ナバク殉教者大隊
ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ大隊
真理の険大隊
シャーム殉教者大隊

国内の暴力

ハマー県では、SANA(9月22日付)によると、タッル・マラフ村、ジャルマ村、シャイフ・ハディード町、ムハルダ市・スカイラビーヤ市街道で軍がシャームの民のヌスラ戦線の掃討を完了、同地の治安を回復した。

一方、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町で、軍が市民15人を殺害した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月22日付)によると、シャブアー町周辺、ダイル・アサーフィール市郊外、バハーリーヤ農場、カースィミーヤ農場、ドゥーマー市郊外、ムライハ市郊外、フサイニーヤ町、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサイイダ・ザイナブ町では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が2発着弾し、市民3人が死亡した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月22日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月22日付)によると、バイト・イブリク村、カビール村、ダルーシャーン村、クーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム戦線(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、「自由シリア軍」がサフィーラ市の防衛工場機構近くの6つの村を制圧し、同機構とアレッポ国際空港などを結ぶ軍の兵站線を遮断した、とシリア革命反体制勢力国民連立が発表した。

また『ハヤート』(9月22日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアアザーズ市での停戦合意を履行するかたちで、身柄拘束していた北の嵐旅団メンバー9人を釈放した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ナイラブ村、ダイル・ハーフィル市、バーブ市・ダイル・ハーフィル市街道、ターディフ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アドナーニーヤ村、カスィース村、シャイフ・サイード村、アイティーン村、ワディーヒー村、ハッダーディーン村、ラスム・バクルー村、ラスム・ウカイリシュ村、ラスム・シャイフ村、アレッポ市ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市内のイバーラ・モスク近くに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月22日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ハウィーカ地区、シュマイティーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人大隊、アッバース旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月22日付)によると、カフルナーン市、キースィーン市、ガジャル村、カフルラーハー市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月22日付)によると、ダルアー市、タファス市、アトマーン村、ハーッラ市、ジャースィム市、ナマル町、アーリヤ市、タッル・マハッス市、ラフィード市、ナワー市、マアラカ市、サイダー町、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ガディール・ブスターン市、ウンム・ルーカス市、ウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、ムウタッズ・ビッラーヒ旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(9月21日付)によると、「自由シリア軍」がハーリム市郊外のハッターン村で、反体制シャイフのサラーフッディーン・ハブラス氏暗殺を阻止した。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関(本部ハーグ)は、シリア政府から、化学兵器の種類、量、保管場所、保管形態、研究・製造施設に関する申告書を受け取ったと発表した。

同申告書は、9月14日の米露合意において「1週間以内の提出」が定められていた。

化学兵器禁止機関はまた、検証チームが申告書に関する情報の確認を行っていると付言した。

また化学兵器禁止機関は、22日に予定していた、シリアの化学兵器の検査・廃棄に関する計画書の作成を審議するための会合を延期することを決定した。

シリア政府が提出した申告書の内容の確認が完了しないことが理由。

**

ロシアのセルゲイ・イヴァノフ大統領府長官はストックホルムでの国際戦略研究研究所の大会で「現時点で私が述べることは、あくまでも理論的、仮定的なものだが、もしアサド大統領が騙していることが分かったら、我々は態度を変えるだろう」と述べた。

イヴァノフ長官は、シリアでの化学兵器使用に関して、政権ないしは反体制勢力のいずれかが嘘をついているとしたうえで「我々が態度を変え、国連憲章第7章に基づくこともある…。しかしこれはあくまでも理論上の話であって、今のところその証拠(アサド政権による使用の証拠)はない」と述べた。

ロシアの複数のメディアなどが報じた。

**

『ハヤート』(9月21日付)は、サウジアラビアのアブドゥッラー国王の指示のもと、シリア同胞救済国民キャンペーンがレバノン国内のシリア避難民への住居提供のプログラムを準備、空マンション560部屋を借り上げ、560世帯に提供した、と報じた。

同プログラムは1,000部屋を提供する予定。

**

ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、米『ワールド・ポリスィー・ジャーナル』誌に寄稿し、そのなかでシリア人避難民受け入れなどの問題に対してヨルダンへのさらなる支援を行うよう国際社会に訴えた。

ヨルダンの国営ペトラ通信(9月21日付)が伝えた。

**

UNICEFの東・北アフリカ地域事務所のマリア・カリビス代表は、レバノンのシリア人避難民が収入を得るために児童労働に依存するようになっていると発表した。

カリビス代表はまた、難民登録を終えた約40万人のシリア人児童のうち、公立大学に通えているのが4分の1程度だけであることを明らかにした。

AFP, September 21, 2013、al-Abna’, September 21, 2013、al-Hayat, September 21, 2013, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 21,
2013、Kurdonline, September 21, 2013、Naharnet, September 21, 2013、Reuters,
September 21, 2013、Rihab News, September 21, 2013、SANA, September 21, 2013、UPI,
September 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム旅団の司令官は東グータ地方の若者にジハードに参加するよう呼びかけた声明を「承認しない」と発表、安保理常任理事国を含まない28か国外相がシリアにおけるすべての紛争当事者に対して暴力停止を呼びかける共同声明を発表(2013年9月20日)

反体制勢力の動き

イスラーム旅団のムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ司令官は声明を出し、東グータ地方の若者にジハードへの参加を呼びかけた19日の声明(20日付声明)に関して、「我々はこの文書を承認しない。文書は我々(の姿勢)を代表しない」と関与を否定した。

Rihab News, September 20, 2013
Rihab News, September 20, 2013

**

ダマスカス郊外県革命評議会指導部報道官を名乗るムハンマド・サイード氏はクッルナー・シュラカー(9月20日付)に、イスラーム旅団の司令官であるアブー・マアルーフがマアルーラー市での政府との「停戦」を反故にするだろうと述べた。

サイード氏によると、アブー・マアルーフは「政権が捕虜釈放の見返りに、マアルーラー市での停戦(攻撃停止)をめざしているが、それは同市一帯地域での弱さゆえであり、いずれ軍を動員して、再び停戦を破り、メディアでの勝利を収めようとしている。我々はアッラーの許しのもと、こうしたことを決して許さない」と述べたという。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は、ロシア・トゥデイ(9月20日付)に、ジュネーブ2会議の開催中に停戦を求めるだろうと自身が述べたとする『ガーディアン』(9月19日付)の報道内容を否定した。

**

『ハヤート』(9月21日付)は、複数の反体制筋の話として、ダマスカス郊外県マアルーラー市一帯の完全制圧作戦を指揮していた第3師団のサリーム・バラカート少将が当局によって逮捕されたと報じた。

同報道は、制圧作戦の「失敗」を受けて、バラカート少将が逮捕されたと報じている。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦、またヤルムーク区に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(9月20日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備・地下トンネルを破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(9月20日付)によると、シャブアー町、ダイル・アサーフィール市、ザマルカー町、アーリヤ農場、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ヤブルード市、ザバダーニー市郊外の山間部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月20日付)によると、スルターニーヤ村、西サラーム村、東サラーム村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安を回復した。

またヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガントゥー市、ガジャル村、キースィーン市、タルビーサ市、ダイル・フール村、ドゥワイル村、マスラビーヤ村、マクラミーヤ村、カフルラーハー市、タッルドゥー市、カフルナーン村、ザアフラーナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月20日付)によると、フライターン市、ダイル・ハーフィル市、フマイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市サラーフッディーン地区、旧市街、サーフール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月20日付)によると、アトマーン村、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ナワー市、タイバ町、ムザイリーブ町、ヤードゥーダ村、ジーザ町、フラーク市、ヌアイマ村、ジャースィム市、ラジャート市、アブー・ガーラ市、ライード市、アイン・フライジャ市、サイダー町、バサーラ市、ナダー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山各所、タマーニア町、マルイヤーン村などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(9月20日付)によると、ビンニシュ市、ムスィービーン市、ファイルーン市、イドリブ中央刑務所周辺、ナフリヤー市、カフルラーター市、タッル・サラムー村、ブワイティー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

レバノンの声ラジオ(9月20日付)などによると、ベカーア県西ベカーア郡で、RPG、手榴弾、爆発物80キロを所持していたパレスチナ人1人とシリア人2人を当局が逮捕した。

諸外国の動き

チュニジアの女性家族問題省は声明を出し、サラフィー主義者がシリアでの戦闘に慰安婦を派遣しているいわゆる「結婚ジハード」問題に関して、「宗教道徳的価値に明らかに反する…忌まわしい行為」と非難、当局に然るべき法的措置を行うよう求めた。

UPI(9月20日付)が報じた。

**

欧州、アジア、アフリカ、オセアニア、ラテンアメリカの28カ国外相が、シリアにおけるすべての紛争当事者に対して暴力停止を呼びかける共同声明を発表した。

共同声明に署名したのは、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、コートジボワール、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エジプト、エストニア、EU、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、カザフスタン、ラトビア、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、タイの外相。

日本の外相は署名していない。

**

イランのホセイン・ロウハーニー大統領は『ワシントン・ポスト』(9月20日付)に「なぜイランは建設的関与をめざすのか」と題したコラムを寄稿した。

同コラムのなかで、ロウハーニー大統領はシリアとバーレーンの情勢に触れ、両国に「国民対話」を行うよう呼びかけるとともに、イランがシリアの紛争当事者を仲介すると述べた。

**

イタリアの沿岸警備隊は、シチリア島近くでシリアの紛争から逃れてきたというシリア人400人以上が乗った船2隻を発見し、シラクーザ港に曳航した。

避難途中で22歳の女性1人が死亡したという。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、8月に入って、3,300人のシリア人が同様のルートでイタリアに避難したという。

**

国際原子力機関(IAEA)は総会で、イスラエルに核拡散防止条約(NPT)への加盟と査察の受け入れを求める決議案を賛成43、反対51、棄権32で、否決した。

決議案はアラブ諸国が提出、ロシア、中国が賛成したが、米国、西欧諸国、日本は反対した。

AFP, September 20, 2013、al-Hayat, September 21, 2013, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 20,
2013、Kurdonline, September 20, 2013、Naharnet, September 20, 2013、Reuters,
September 20, 2013、Rihab News, September 20, 2013、SANA, September 20, 2013、UPI,
September 20, 2013、The Washington Post, September 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立がイスラーム国によるアアザーズ市制圧を「シリア革命勢力への敵対行為」として非難するなか、タウヒード旅団とイスラーム国が同市での停戦合意に署名したと報じられる(2013年9月19日)

反体制勢力の動き

イスラーム旅団、フダー青年大隊、コマンド部隊などから構成されるシャリーア委員会は20日付で声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方の1983~1994年生まれの青年に対して、「ジハードの義務」を果たし、「アサドの悪党とイスラームの敵」に対する戦闘に参加するよう呼びかけた。

Rihab News, September 20, 2013
Rihab News, September 20, 2013

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるアアザーズ市制圧を「シリア革命勢力への敵対行為」、「シリア革命の得枠組みから逸脱している」と非難した。

**

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官は『シャルク・アウサト』(9月19日付)に、「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をはじめとするジハード主義集団には、反体制武装集団を標的にするため、計画的で調整された動きがある」と批判した。

ミクダード調整官は「これらの組織は、政府軍と戦い、独裁体制からシリア人を解放するのを支援するためにシリアにやってきた。しかし、我々は今日、彼らが民衆を弾圧し、宗教を利用して彼らを脅迫し、彼らを口実にシリア人を弾圧してきた体制にとって代わってしまった」と述べた。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかで米国、およびその西側同盟国、一部地域諸国が、国連憲章、国際法、そしてテロとの戦いに関する国連安保理決議に違反して、シリア国内のアル=カーイダおよびその分派を含む武装テロ集団に資金、武器を供与していると指摘した。

声明は、米英仏、トルコ、サウジアラビア、カタールを名指しで批判し、これらの国の活動に対処するよう国連に求めた。

**

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は『ガーディアン』(9月19日付)のインタビューに応じ「反体制武装集団も、政権も、相手の陣営を負かすことはできない。パワーバランスは早々に変わることはない」としつつ、「外国の介入がなくなることが、停戦と平和的政治プロセスの開始をもたらす」と主張した。

そのうえで、反体制武装集団との停戦に合意できれば、「中立的な友好国」の監視団による「国際管理のもと」化学兵器の廃棄が行われるだろうとの見方を示した。

一方、アサド政権の退陣の是非について「体制が今のようなかたちで続くことを恐れてはならない。様々な具体的理由により、現体制はこれまでの体制ではなくなった」と述べ、西側諸国にアサド政権の主導のもとでの改革を支援するよう呼びかけた。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、欧州議会のヴェロニク・ドゥ・カイザー議員(ベルギー)がシリアを訪問し、アサド大統領と会談したと報じた。

同報道によると、会談で、アサド大統領は民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーズ・ハイイル氏が2012年9月の中国訪問を終え、帰国した直後に誘拐された事件に関して、「武装集団が彼を誘拐した」と答えたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が北の嵐旅団を放逐し、制圧したアアザーズ市に、自由シリア軍を名乗るタウヒード旅団などが増援部隊を派遣した。

Kull-na Shuraka', September 19, 2013
Kull-na Shuraka’, September 19, 2013

タウヒード旅団の報道官だというアブー・ハサン氏はAFP(9月29日付)の取材に対し、「タウヒード旅団が事態収集のため活動する…。我々はこの対立を収集するために尽力したい。みなが満足する解決にいたり、両当事者を治める委員会を設置し、民衆の要求を実現しなければならない」と述べた。

また「アアザーズ市民は動揺していて、アアザーズ市からの「ダーイシュ」の撤退と、前線に去ることを求めている」と付言した。

アアザーズ市を奪われた北の嵐旅団は声明を出し「我々は、タウヒード旅団に対して、人民を保護するというアッラーへの宣誓を履行するため、アアザーズ市にただちに向かい、同市を守り、ダーイシュから解放するよう求めている」と発表した。

アブー・ルワイユ・ハラビーを名乗る活動家によると、北の嵐旅団は、アアザーズ市内の病院でボランティア活動をしていたドイツ人医師を拉致しようとしたダーイシュと争い、同市を奪われたという。

またハラビー氏は「アアザーズを制圧したダーイシュは、国境通行所に近づき、アレッポ北部一帯を制圧しようとしているようだ」と危機感を露わにした。

複数の目撃者によると、このドイツ人医師は「国境なき医師団」のメンバーで、同医師が活動していた病院へのダーイシュの襲撃によって、2人が死亡し、その後、ダーイシュと北の嵐旅団の戦闘によってさらに2人が死亡し、戦闘も対シリア国境近くにまで拡がったという。

ザマーン・ワスル(9月19日付)によると、アブー・イブラーヒーム・シーシャーニーらダーイシュの一部司令官は「イスラームの血が流れないよう」戦闘停止を呼びかけたが、外国人戦闘員はこの呼びかけに応じず、戦闘を続けたという。

またダーイシュの司令官の一人によると、ダーイシュの攻撃は、指導者のアブー・バクル・バグダーディーから祝福されている一方、別の指導者のアブー・アブドゥッラフマーン・クワイティーは「事態収拾を試みたが、失敗した」という。

しかしその後、クッルナー・シュラカー(9月19日付)などは、タウヒード旅団とダーイシュがアアザーズ市での停戦合意に署名したと報じ、文書の写真を公開した。

停戦合意内容は以下の通り:

1. 双方(ダーイシュ、北の嵐旅団)による即時発砲停止。
2. 双方が拘束した逮捕者の24時間以内の釈放。
3. 双方の行方不明者・身柄拘束者の返還。
4. 合意履行と兵力引き離しのため、タウヒード旅団による検問所設置。
5. シャリーア委員会での紛争の審理。
6. 北の嵐旅団への48時間以内の拠点の返還。
7. タウヒード旅団とムハンマド軍による合意履行の保証。

なおイラク・シャーム・イスラーム国の略称である「ダーイシュ」(داعش)は、同集団のアラビア語名「الدولة الإسلامية في العراق والشام」の頭字語。

**

同じく、アレッポ県では、SANA(9月19日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ハイヤーン町北部、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャッブーリーン村街道で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、近くを走っていたバス2台に乗っていた14人が死亡した。

14人のなかには、国防隊民兵も含まれていたという。

一方、SANA(9月19日付)によると、カフルナーン村、タッルドゥー市、キースィーン市、タッルダハブ市、ガースィビーヤ村、ラスタン市、ヒムス市カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、ワルシャ地区、アクラード・ダースィニーヤ村、ファルハーニーヤ村、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカフルナーン村の住民が反体制武装集団によって襲撃され、13人が死亡、複数が負傷、さらにマシュラファ村でも、反体制武装集団の襲撃により、1人が死亡、6人が負傷した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍の戦闘機を攻撃、撃墜したとの情報が流れた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町の南部環状道路沿いの軍拠点の近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月19日付)によると、シャブアー町、ダイル・アサーフィール市、ミスラーバー市、アルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、カタナー市郊外、ラアス・アイン市、サルハー村、ジャイルード市、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月19日付)によると、ラタキア市ブスターン・サマカ地区で、関係当局が反体制武装集団のアジトを捜索、手榴弾、拳銃、爆弾などを押収した。

**

イドリブ県では、SANA(9月19日付)によると、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、クーリーン市、ナフリヤー市、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアルシャムシャ市、タッル・サラムー村、ブワイティー村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月19日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区にある農業研究施設近くで、軍が反体制武装集団と交戦し、戦闘員を殲滅、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流のウカーブ・サクル議員は、LBCI(9月19日付)に「我々はシリアの反体制武装集団に武器を供与する手段を持っていない」と述べ、シリアの紛争への関与を否定した。

またヒズブッラーに関して「シリア、エジプト、バーレーンに戦闘員が輸出されたことで、レジスタンスは終わった…。もはやレジスタンスではない。単なる請負人になってしまった」と非難した。

諸外国の動き

チュニジアのルトフィー・ベン・ジッドゥー内務大臣は議会で、シリアに「結婚ジハード」の名目で派遣されたチュニジア人女性をめぐる問題に関して、「20人、30人、そして100人(の戦闘員)が彼女らと交わり、結婚ジハードの名のもとでの性的交渉の結果、彼女らは身ごもって帰国しているが、我々は沈黙し、手をこまねいているだけだ」と発言した。

ベン・ジッドゥー内務大臣はまた、2012年3月以降、シリアでの戦闘に参加しようとした6,000人の出国を阻止し、チュニジア人のシリアへの潜入を支援していた86人を逮捕したことを明らかにした。

AFP(9月19日付)が報じた。

**

ロイター通信(9月19日付)は、トルコ高官からの情報として、アレッポ県アアザーズ市での北の嵐旅団(アフマド・ガザーラ大尉)とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘を受け、トルコ当局がキリス市とアアザーズ市を結ぶオンジュプナル国境通行所を一時的に封鎖したと報じた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ダマスカス郊外県での8月21日の化学兵器攻撃に関して「挑発だったことを示すあらゆる根拠がある」と述べた。

プーチン大統領は、その一例として、国連調査団の報告書が攻撃に使用されたと指摘したロケット弾について「こうした挑発を行うために、キリル文字が書かれたロケット弾を見つけて利用することは難しいことではない」と述べた。

シャームプレス(9月19日付)などが伝えた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、訪問先のマリでの記者会見で「ロシアは(シリア政府に兵器を)定期的に供与している。しかし、我々は諸外国とともに、より広い枠組みのもと、監視可能な枠組みでこれを行う。なぜなら、武器が自由シリア軍でなく、ジハード主義者の手に渡ることを我々は受け入れられないからだ」と述べ、反体制武装集団への武器供与の意思を示した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、シリアの化学兵器廃棄に関して、NATOが直接関与することはないとしつつ、「もちろん一部の加盟国は個別に貢献する用意があり、またその能力を持っている」と述べた。

AFP, September 19, 2013、Champress, September 19, 2013、The Guardian, September 19, 2013、al-Hayat, September 20, 2013、Kull-na Shuraka’, September 19, 2013, September 21,
2013、Kurdonline, September 19, 2013、LBCI, September 19, 2013、Naharnet,
September 19, 2013、Reuters, September 19, 2013、Rihab News, September 19,
2013、SANA, September 19, 2013、al-Sharq al-Awsat, September 19, 2013、UPI, September 19, 2013、Zaman al-Wasl, September 19,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・シャーム・イスラーム国とヌスラ戦線が反体制武装集団との戦闘の末にアアザーズ市を制圧するなか、民主統一党のムスリム共同党首はシリア革命反体制勢力国民連立への合意をめぐるシリア・クルド国民評議会のスタンドプレイを非難(2013年9月18日)

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(9月19日付)のインタビューに応じて、シリア革命反体制勢力国民連立へのシリア・クルド国民評議会の合意などへの見方について語った。

インタビューでムスリム共同党首は、クルド最高会議を構成するシリア・クルド国民評議会と民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会が「シリア革命反体制勢力国民連立との交渉は、クルド最高委員会の名で行うことで合意した。しかし、彼ら(シリア・クルド国民評議会)は、単独行動を行い、クルド最高委員会を崩壊させた。それゆえ我々は(シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立の合流を定めた)合意に反対している。この合意はクルド人の立場を代表していない。なぜならクルド最高委員会を経由していないからだ」と批判した。

また、シリア革命反体制勢力国民連立に関して「あなた方は統一の意見をもって集まっている訳でもなければ、クルド人を攻撃するシャームの民のヌスラ戦線に対する共通の姿勢も持っていない、そう私は彼らに言ってやった…。彼らが国内のイスラーム主義戦闘員を制御していないことが明らかになったとき、いったいどういう根拠に基づいて我々は彼らと合意をするのか?」と非難した。

そのうえで連立総合委員会(114人)でのシリア・クルド国民評議会合流の是非を問う採決で、出席者80人中52人しか支持票を投じなかった点に着目し、合流は「連立内でも違法」と主張した。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立がアフマド・トゥウマ氏の首班への選出を通じて発足をめざしている移行期政府については、「協力の用意がある」と述べた。

一方、ジュネーブ2会議に関して、「クルド人の権利の承認は必要不可欠だ」としたうえで、参加の意思を強く示した。

さらに、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国との戦闘については、トルコからの支援があると批判した。

**

自由シリア軍合同司令部(ファフド・ミスリー)は、革命運動諸勢力と共同声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する査察・調査の対象を、レバノン領にも拡大するよう求めるとともに、シリアの化学兵器がヒズブッラーの武器庫に移設された証拠を持っていると主張した。

同声明によると、シリアの化学兵器は3ヶ月前に、ベカーア県ヘルメル郡と北部県アッカール郡の無人地帯にあるヒズブッラーの武器庫に移設されたのだという。

**

ダマスカス郊外県マアルーラー市から敗走したカラムーン解放戦線が、サイイダ・ザイナブ町とジャルマーナー市の国防隊に所属する「シャッビーハ」を捉え、彼らから「軍から報酬をもらった別のシャッビーハが反体制武装集団を装ってマアルーラー市に送り込まれていた」との証言を得たとし、その映像をユーチューブで公開した。

クッルナー・シュラカー(9月18日付)が報じた。

**

シリア・トルクメン民主運動を名乗る組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立へのシリア・クルド国民評議会の合流に関する合意を「シリアの領土、国民の統合に抵触する」と非難し、賛否の態度を保留すると発表した。

**

シリア民主フォーラムの政治局は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立が「シリア革命反体制勢力国民連立が交わす合意、締結文書などの一切は、体制転換後に選出される国会での承認をもって正式に発効する」との決定を下したことに関して、「シリアの主権を代表していると主張する」暴挙と非難し、「決して受け入れられない」と拒否の姿勢を示した。

また声明は、シリア民主フォーラムが連立に加盟していないと改めて主張、創設者で連立に参加したミシェル・キールー氏らと一線を画していることを明らかにした。

シリア政府の動き

米国のフォックス・ニュースは、アサド大統領との独占インタビューを行い、放映した(http://video.foxnews.com/v/2680700063001/)。

SANA, September 18, 2013
SANA, September 18, 2013

インタビューは9月17日にダマスカスでデニス・クシニッチ前下院議員と記者のグレッグ・パルコット氏が行った。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

(化学兵器を保有しているのかとの問いに対して)「もちろんだ。先週我々が(化学兵器禁止)条約に加わったが、これは我々が(化学兵器を)持っているということを意味する。そして我々はそう言ったのだ。だからもう秘密ではない…。我々はそれを廃棄するために国際的な合意(米露合意)に参加したのだ」。

(化学兵器廃棄の合意の履行に関して)「オバマ大統領は私を信用すべきだと思わない。まず、シリア国民が私を信用すべきであって、オバマ大統領ではない。次に、合意や国際関係について話す場合、そこには(履行のための)しくみがあって、この仕組みは客観的な基準に準拠すべきだ…。信用するかしないか…は、個人的な関係ではない」。

(化学兵器を早急に廃棄できるかとの問いに対して)「廃棄は技術的にとても難しい作業だと思う。多額の資金が必要で、シリアの備蓄を廃棄するには10億(ドル)がかかると見積もる人もいる。我々は専門家ではないが、これは最近の評価だ。だから、専門家に「早急に」という言葉がどういう意味なのかをあなた方は尋ねなければならない…。おそらく1年前後はかかるのだろう…。もし米国政府がこうした資金を供与し、有毒物質を米国に責任をもって持ち去るのであれば、やってもらいたい。もちろん、こうしたことは国連の特定の組織との協力のなかで行われるものだが…。我々は何の条件も示さない。どこにでも持ち去っていって欲しい」。

「我々がこの合意(化学兵器廃棄に関する)合意に同意したとき、我々はこの合意に完全に協力したいと思ったのだ。一部分だけでない。これは非常に明確なことだと思う」。

「米国の脅しがあって我々が合意したという誤解がある。事実、G20サミット前、ロシアのイニシアチブが提案される前、米国の脅しは、化学兵器の引き渡しに関するものではなかった。それは、こうした兵器を二度と使わせないためにシリアを攻撃するというものだった…。我々はいかなる脅しにも決して屈しなかった。事実我々は、ロシアのイニシアチブ、我々のニーズと確信に応えたのだ。だから(化学兵器廃棄に関して)国連憲章第7章に依拠するかどうかは、大国どうしのポリティクスに関わる問題だ」。

(化学兵器廃棄の合意履行に関して)「我々がしなければならない唯一のことは、情報を提供すること、我々の施設に彼ら(化学兵器禁止機関や国連調査団)がアクセスできるようにすることで、そのことに問題はない。明日にでもできる…。問題はどのくらい彼らがすべての化学兵器を廃棄できるかだ。なぜならそれはきわめて複雑だからだ。意思の問題ではなく、技術に関わる問題だ」。

(化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について)「彼らはサンプルを入手したし、客観的だとされる。我々は公式の報告書を出してはいないが、問題は私がサリン・ガスの使用に同意したかどうかということだ…。私は(国連の報告書に)まだ同意はしない。証拠を得るまで待たねばならない…。彼らはミッションをまだ完了していない。彼らは戻ってくる。我々は彼らと議論して、詳細を示すことになろう…。我々は(国連の報告書を)見なければならない。そして同意するかしないかを言う前に議論しなければならない」。

(化学兵器の使用が戦争犯罪なのは)「自明で、軽蔑に値する。そして犯罪だ…。しかしビデオや写真が信頼できるかを誰も検証していない…。唯一検証されたものと言えば、国連調査団が持ち帰ったサンプルだけだ…。しかし検証されていないビデオに基づいて報告書を作ることはあってはならない」。

(シリア軍がサリン・ガスを装填したロケット弾で攻撃を行ったことと国連報告書が示唆しているとの意見に関して)「報告書はこうしたこと…について言及していなかった…。何よりもまず、サリン・ガスは「キッチン・ガス」と呼ばれている。誰でも家で作れるからだ…。反乱分子であればだれでもサリンは作れる。また、我々は彼らがみな複数の国の政府の支援を受けており、こうした化学兵器を持っている国の政府であれば彼らに化学兵器を手渡せる」。

「自分の軍のそばでサリンを使うことはできない。これが第1だ。第2に、敗走しているのではなく、進軍しているなかで、大量破壊兵器は使わない。状況は軍にとって有利だった。第3に…化学兵器は特殊部隊のみが使用し…、歩兵部隊などの伝統的な部隊は使用しない。だからあなたの指摘(シリア軍が化学兵器を使用したとの指摘)は現実的でなく、本当ではない」。

「我々はテロ集団がサリンを持っているという証拠を持っており、ロシアにそれを渡した…。なぜこの点を無視するのか?」

「世俗国家とは宗教、宗派、民族に関係なく市民に対処することを意味する。なぜなら、シリアは坩堝だからだ。我々は数十の異なる文化・価値観からなっている。もしこうした世俗的社会を背景とする世俗国家がなくなってしまえば…、シリアは解体するだろう」。

「我々が直面しているのは内戦ではなく、戦争だ。しかも新しい種類の戦争だ…。(シリアで活動するジハード主義者に関して)誰も正確な数は分からない…。しかし数万人のジハード主義者がいることを知っている…。正確なデータはないが、80~90%の反乱分子とテロリストがアル=カーイダとその分派だ…。もちろん別のグループもいるが、その数は小さく、マイノリティになりつつある。当初、ジハード主義者がマイノリティだったが、2012年末までに…彼らはマジョリティになった」。

「我々は数万人のシリア人を失った。主にテロリストの攻撃、暗殺、自爆テロによってだ…。(政府軍の兵員の犠牲者は)15,000人以上はいる…。大多数の無実の人々は政府ではなく、テロリストに殺された。賢明な政府で自国民を殺す政府など世界のどこにもない」。

「いかなる外交努力であってもまず、テロリストの流れ、テロリストへの兵站支援、武器・資金供与を停止させることから始められるべきだ。そのうえで…、シリア人はテーブルにつき、シリアの将来、政治システム、憲法、そしてすべてを議論することができる…。このことはテロリストと交渉することを意味しない」。

(オバマ大統領に伝えたいことはとの問いに対して)「あなたの国民に耳を傾け、国民の常識に従いなさい。それだけです」。

「(紛争)当初から、テロリストや外国人がシリアに来る前から(国民の要求を受け入れてきた)。2011年当初から、紛争が始まった6日後に、我々は変わらねばならないと言った。そしてその2、3ヶ月後には憲法改正のプロセスを始めた…。最初から、もし要求があるのなら、すべてを変える用意があると言ってきた。国民が反対したら大統領に何ができ、そしてどのように成功を収められようか…?大統領であるためだけに大統領になりたいというのか?それは非現実的だし、不可能だ」。

「テロリストが侵入した場合、市民は、テロリストに人間の盾として利用されない限りはその場を立ち去る…。だから多くの避難民が発生している。また多くの場合、シリア軍は民間人が(避難して)生活していない地域を攻撃する」。

「もしシリア国民が大統領になって欲しいというのなら、とどまらなければならない。もし彼らが望まなければ、ただちに辞めねばならない…。しかし米国政府、そしてその同盟国である西欧諸国、そしてアラブ世界の操り人形だけが、大統領は去るべきだ、シリア国民はそうすべきだと繰り返している…。この陣営だけが主権国家の問題に干渉している」。

「我々はいつも世界中の国、なかでも米国とよい関係を持ちたいと思っている。なぜなら世界でもっとも偉大な国だからだ…。しかしこのことは、米国が向かって欲しいと思う方向に我々が向かうことを意味しない。我々には我々の国益があり、文明があり、意思がある。彼らはそれを受け入れ、尊重すべきなのだ」。

**

アサド大統領は、ロシアのセルゲイ・リバコフ外務副大臣を代表とするロシアの使節団とダマスカスで会談した。

SANA, September 18, 2013
SANA, September 18, 2013

会談で、アサド大統領は、西側諸国および一部地域諸国が支援するタクフィール主義テロの攻撃に対抗するシリアに対するロシア側の支持の姿勢を高く評価し、謝意を示した。

一方、リバコフ外務副大臣は、会談後に記者団に対して、化学兵器に関する情報の提出が「期日に沿って行われるという保障を我々は得た」と述べた。

また8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃が反体制勢力によるものであることを示すとして、シリア政府がロシア側に提示した証拠に関して、「いかなる政治的目的もない…極めて明確で重要な証拠だ」と述べた。

そのうえで、これらの証拠に充分関心が払われていないことを遺憾だとしたうえで、化学兵器使用に関する国連調査団が早急にシリアに戻り、調査を完了することを望むと述べた。

SANA(9月18日付)が報じた。

**

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣はAFP(9月18日付)に、シリアの化学兵器廃棄に関する安保理決議に関して「国連憲章第7章に基づく決議になるというのは、西側諸国の大嘘だと思う。第7章には決して依拠しないと思う。まったく正当性がない。米露合意はこの点に何ら言及していなからだ」と述べた。

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(9月19日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が反体制武装集団との戦闘の末に、アアザーズ市を制圧した。

リハーブ・ニュース(9月18日付)によると、イスラーム国とヌスラ戦線は、イスラーム国のアブー・アナス・バグダーディーを名乗る指導者の一人を北の嵐旅団が殺害したと主張し、同市を襲撃、制圧した。

衝突を未然に防ぐため、タウヒード旅団が両者の和解を仲介したが、不調に終わっていたという。

イスラーム国とヌスラ戦線はまた、戦闘で北の嵐旅団の戦闘員5人を殺害、100人を捕捉したという。

一方、SANA(9月18日付)によると、ハーン・アサル村、ラスム・アッブード村、クワイリス村、ウワイジャ地区、アレッポ市ジャンドゥール地区、ライラムーン地区、ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA革命通信(9月18日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国が県内にある使徒末裔旅団の本部複数カ所を包囲し、重火器で攻撃した。

一方、SANA(9月18日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区で、軍が反体制武装集団の武器庫を攻撃破壊、またマリーイーヤ村、ズィヤーリー村、ムーハサン市郊外の街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

また、同市では、イラク・シャーム・イスラーム国が、カスィール・ヒンダーウィー大隊、アッバース大隊を名乗る反体制武装集団と交戦し、多数の死者が出たという。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月18日付)によると、ラアス・アイン市近郊のアルーク村、ジャフファ村、ハミード村、ラウディー村に侵入したシャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国と、民主統一党人民防衛隊が交戦し、4つの村を奪還、制圧した。また、タッル・ハラフ村などでも、両者が交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区を軍が空爆した。

一方、SANA(9月18日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊、武器弾薬を押収した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

またバイト・サフム市入り口とシャブアー町郊外の農場で、軍、国防隊、ヒズブッラーの戦闘員が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月18日付)によると、ドゥーマー市、シャブアー町周辺、バハーリーヤ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団が、ザーウィヤ山のカフルズィーター市で「11人が軍によって戦場処刑され、焼き殺された」と発表した。

またサルジャ村への軍の空爆で、女性1人が死亡した。

一方、SANA(9月18日付)によると、サルミーン市、ビンニシュ市、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシャムシャ市、サルジャ村、アブー・ズフール航空基地周辺、カルン・ガザール村、シュハイハ村、フータ村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月18日付)によると、カフルヌブーダ町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線拠点に特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月18日付)によると、アトマーン村、フラーク市、シャイフ・マスキーン市、ヒルバト・ガザーラ町、ダーイル町、タファス市、ハーッラ市、インヒル市、シャイフ・サアド村、タスィール町、ナワー市、イズラア市、ムハッジャ村、ムザイリブ市、ヤードゥーダ村、タッル・シハーブ町、ナスィーブ村、バッカール村、ダルアー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・武器を破壊した。

またシャイフ・マスキーン市で反体制武装集団が仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員3人が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(9月18日付)によると、レバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またキースィーン市、カフルナーム村、ヒムス市クスール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

諸外国の動き

インテルファクス通信(9月18日付)によると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について、政治的に偏りがあると批判し、ダマスカス郊外県での化学兵器攻撃がシリアの反体制勢力の犯行であることを示すシリア政府提供の情報を近く国連安保理に示すと述べた、と報じた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、化学兵器使用に関する国連調査団の報告書に関して「国連が任命した調査団の客観性について誰も疑問を抱くことなどできない…。ロシアは安保理決議採択を遅らせるために、報告書について曖昧な点を強調しようとしている」と述べ、ラブロフ外務大臣の姿勢を非難した。

**

米国のサマンサ・パワー国連大使は、シリアの化学兵器廃棄に関して、国連総会で「化学兵器が使われたというだけでは不十分だ…。我々はそれを使用した者を非難しなければならない」と述べ、シリア政府に廃棄に関する合意を遵守させるための強力な国連安保理決議が必要だと訴えた。

**

国連のマーティン・ニルスキー報道官は、化学兵器使用に関する国連調査団の報告書に関して「報告書の結論には議論の余地がない」と述べ、報告書の内容に懐疑的なロシアの姿勢を暗に非難した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、英国のデヴィッド・キャメロン首相と会談し、シリア情勢などへの対応について協議した。

会談後の会見で、ラスムセン事務局長は、シリアの化学兵器の廃棄について「シリア政府が国際社会の求めに完全に応じることを期待している。そうしない場合、我々には国際社会の対応が必要になる」としたうえで、「軍事的選択肢を残すことは、外交的・政治的努力に勢いを与えることになるだろう」と述べ、強力な安保理決議の採択が必要だとの見解を示した。

**

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長と会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談で、アブドゥッラフヤーン外務副大臣は「一部の国が武装集団やアル=カーイダに公然と武器供与を増強している」と非難、「シリア政府が保有する武器の行方を決定するのと同じように、シリアのテロ集団が保有する化学兵器を実質的・真剣に廃棄するための計画を作る必要がある」と主張した。

**

中国外交部報道官は、シリア情勢に関して、「国連の枠組みのなかでの化学兵器問題の解決」を支持するとしたうえで、「政治的解決を奨励する」べきだと強調した。

**

ローマ法王フランシスコはシリア情勢に関して「私の心は親愛なるシリア国民とともにある。彼らの人道的苦しみは対話を通じてのみ解決し得る」と述べた。

**

『ハヤート』(9月19日付)は、トルコの地元高官の話として、民主統一党が実効支配するシリア領内の対トルコ国境地域に対して、赤新月社などトルコ経由での人道支援を始めていると報じた。

この動きは、トルコの労働社会問題省も支援しており、ハサカ県アイン・アラブ地方などに人道支援物資が届けられたのだという。

AFP, September 18, 2013、al-Hayat, September 19, 2013、Kull-na Shuraka’, September 18, 2013, September 19,
2013、Kurdonline, September 18, 2013、Naharnet, September 18, 2013、Reuters,
September 18, 2013、Rihab News, September 18, 2013、SANA, September 18, 2013、UPI,
September 18, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍総司令部が軍ヘリコプターのトルコへの領空侵犯および撃墜に関する声明を発出するなか、仏大統領がカタール外相との会談を行いアサド政権の「人道に対する罪」を懲罰する意向で合意(2013年9月17日)

反体制勢力の動き

第5師団化学兵器課の課長だったという離反士官のザーヒル・サーキト准将は、アサド政権が化学兵器をシリア人とイラク人のマフィアを経由して自由シリア軍に転売しようとしている、と述べた。

そのうえで、サーキト准将は、自由シリア軍のすべての部隊とジハード主義者に、化学兵器を購入しないよう呼びかけた。

クッルナー・シュラカー(9月17日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイスタンブールでテレビ演説を行い、シリアの化学兵器廃棄に関して、国連憲章第7章に依拠した安保理決議を採択するよう国際社会に呼びかけた。

クッルナー・シュラカー(9月17日付)などが報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月18日付)によると、クルド最高委員会代表者会合が開催され、クルド人地域内のアラブ人、キリスト教徒などとの連絡調整などについて協議した。

会合には、シリア・クルド国民評議会代表者であるムスタファー・マシャーイフ氏、ムハンマド・サーリフ・アブドゥー氏、フアード・アリークー氏が出席しただけで、シリア・クルド民主党のムハンマド・イスマーイール氏、民主統一党のアースィヤー・アブドゥッラー氏、サイナム・ムハンマド氏、イルハーム・アフマド氏、アブドゥッサラーム・アフマド氏、アブドゥルカリーム・ウマル氏は欠席した。

**

シリア・クルド国民評議会を主導するシリア・クルド・イェキーティー党の政治局は声明を出し、ハサカ県ラアス・アイン市および同市周辺に対するシャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国の包囲・攻撃を非難し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、包囲解除のための責任を果たすよう求めた。

シリア政府の動き

シリア・アラブ・テレビ(9月17日付)は、シリア軍総司令部が軍ヘリコプターのトルコへの領空侵犯と撃墜に関する声明を出したと報じた。

同声明によると、領空侵犯したヘリコプターは、ラタキア県ブダーマ村に近いブーヌスィーヤ地方でトルコ国境を経由して潜入するテロリストを監視する偵察活動を行っていたが…、誤ってトルコ領空をわずかを侵犯、このことに気づいた直後にシリア領内に帰還しようとしたが、その際、トルコ軍戦闘機から直接攻撃を受け、シリア領内に墜落した」という。

また「トルコ側の対応は極めて迅速であったが、帰還途中だったヘリコプターは、いかなる戦闘任務にもついていなかった。このことは、シリアに対して緊張を高めようとしているエルドアン政府の真意を示すものである」と付言した。

**

ワーイル・ハルキー首相は、紛争で被災した一部地域の復興と避難住民帰宅のための今年度(2013年度)計画を実施するため、300億シリア・ポンド(1億5000万米ドル)を投入することを明らかにした。

ハルキー首相によると、前年度(2012年度)の復興資金は、150億シリア・ポンド(7500万米ドル)だったという。

SANA(9月17日付)が報じた。

国内の暴力

イドリブ県では、リヤーブ・ニュース(9月17日付)によると、トルコ国境に面したバーブ・ハワー国境通行所で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも10人が負傷し、トルコ領内に搬送された。

複数の活動家によると、爆発は「自由シリア軍」が管理する国境通行所の入り口、トルコ国境から数百メートルの場所にあるサラフィー主義者の検問所で発生したという。

またシリア人権監視団によると、アルバイーン山一帯で、軍と反体制武装集団が交戦、またサラーキブ市を軍が空爆した。

一方、SANA(9月17日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、サルマーニーや村、アルバイーン山周辺、マンティム村、ビカフルーン村、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(9月17日付)は、ジスル・シュグール市周辺の村落を空爆していたシリア軍ヘリコプターを「自由シリア軍」が撃墜したと報じた。

また「自由シリア軍」がアルバイーン山解放作戦を開始し、シリア軍のT72戦車などを破壊し、司令官の一人(大佐)を殺害した、と報じた。

**

ダマスカス郊外県では、前日のSANAの報道に続いて、シリア人権監視団が、シャブアー町が軍によって完全制圧されたと発表した。

同監視団によると、軍によるシャブアー町の完全制圧は、ヒズブッラーの戦闘員の支援のもとに行われ、反体制武装集団との交戦では戦闘員11人が死亡したという。

また同監視団によると、ダイル・アサーフィール市への軍の砲撃で、子供1人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(9月17日付)によると、軍によって制圧されたシャブアー町で、ダマスカス国際空港街道に沿って反体制武装集団が通行する車輌を狙撃するために作った全長500メートルのトンネルが発見された。

またハラスター市、ドゥーマー市郊外、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ルハイバ市、ヤブルード市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ダマスカス郊外県シャブアー町の武装集団の広報調整官は、クッルナー・シュラカー(9月17日付)に対して、同市がまだ陥落していないと述べた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(9月17日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアマーラ地区、カッサーア地区、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民5人が死亡、子供2人を含む数十人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月17日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市バーブ・スィバーア地区、バーブ・トゥルクマーン地区に潜入しようとした反体制武装集団も、軍が撃退した。

このほか、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、バイト・ハッバハーン市、ラスタン市、ウンム・リーシュ村、ラッフーム村、ウンム・ハワーディース市、ヒブラ市、ムフターリーヤ村、シンダーヒーヤ村、ティールマアッラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月17日付)によると、ダイル・ザウル市ブアージーン地区、アブド村、ブーライル村、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月17日付)によると、アターリブ市、アウラム・スグラー村、ワディーヒー村で、トルコから武器を運び込もうとしていた反体制武装集団の車輌を軍が攻撃・破壊した。

またクワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、マンスーラ村西部、アレッポ・ラッカ街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、スワイカ地区、ザフラーウィー市場、裁判所、スライマーン・ハラビー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月17日付)によると、タッル・アウダ村、ラヒーヤト・ザーヒル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月17日付)は、ベイルート北部のハーラート村(レバノン山地県ジュバイル郡)で、爆弾を仕掛けようしていたシリア人が誤爆し、死亡したと報じた。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、対シリア国境でトルコ軍戦闘機がシリア軍ヘリコプターを撃墜したことに関して記者会見で「トルコ軍はしなければならないことをしたまでだ」と述べた。

またエルドアン首相は「トルコはシリアとの軍事的対決に関する交戦規則を変更した。トルコ軍兵士は特定の地域に向かうことを許されている…。新規則は、国境の侵犯が行われたときなどに適用される」と付言した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府首班のアフマド・トゥウマ氏と会談した。

連立が出した声明によると、両者は、シリア・トルコ間の国境検問所の管理強化、シリア国内の避難民の住居確保を行う必要がある点で一致した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワを訪問したフランスのローラン・ファビウス外務大臣と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

ラブロフ外務大臣は「最終目標がシリアの紛争の政治的正常化に到達することという点で合意した」と述べたが、『ハヤート』(9月18日付)によると、化学兵器廃棄問題への具体的な対応をめぐって歩み寄りは見られなかった。

一方、ファビウス外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について「シリア政府が化学兵器を使用したことが明らかになった」と述べ、「西側諸国による圧力が大きな役割を果たした」と自賛しつつ、「地域への化学兵器拡散を阻止するための早急な措置が必要だ」と述べた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣とパリで会談し、シリア情勢について協議し、アサド政権の人道に対する罪を懲罰する点で一致した。

『ハヤート』(9月18日付)が報じた。

**

ジェニファー・サキ米国務省報道官は、シリア情勢をめぐるロシアの姿勢に関して「流れに逆らって泳いでいる」と非難した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「広範に化学兵器が使用されたことを明らかにしている客観的なこの報告書を歓迎する…。シリアの政権のみが攻撃の責任を追及されることは極めて明白だ」とする声明を出した。

またヘイグ外務大臣は、シリアでの化学兵器廃棄を支援するため専門家を派遣する用意があると付言した。

**

中国外務省報道官はシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「報告書を充分そして真剣に検討する」と述べた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して声明を出し「サリン・ガスを装填した地対地ミサイルが使用されたと詳述している報告書は…犯罪者を特定することの助けになるだろう」と指摘、改めて化学兵器の使用を強く非難した。

**

イスラエルのマイケル・オレン国連代表大使は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して『ワシントン・ポスト』(9月17日付)に「アル=カーイダと同盟を結んでいる反体制勢力にアサドが敗北することの方が、アサドがイランと同盟することよりもましだ」と述べた。

また「アサドを退任させれば、イラン、ヒズブッラーの同盟が弱まるだろう。イスラエルにとって最大の脅威は、テヘラン、ダマスカス、そしてベイルートに至る戦略的アーチだ。我々はアサド政権がこのアーチの要石をなしていると見ている」と付言した。

**

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア情勢に関して、国外避難民200万人以上、国内避難民400万人以上の合わせて約700万人が人道支援を必要としていると述べた。

また、シリアへの国連の人道支援に関して、2013年だけで44億米ドルが必要だが、現時点で18億4000万米ドルしか資金を確保できていない、と付言した。

**

国連の潘基文事務総長は記者会見で、「シリアの化学兵器問題への対処方法に関する枠組み合意に米露がいたると楽観している」と述べた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチのリチャード・ディッカー国際司法プログラム局長は「化学兵器を封印するのみで、それを使用した責任者を訴追しないというのでは、犠牲者に対する侮辱だ」と述べ、シリアの化学兵器廃棄に関する国連安保理決議に、国際刑事裁判所への付託を明記すべきだと主張した。

AFP, September 17, 2013、al-Hayat, September 18, 2013、HRW.org, September 17, 2013、Kull-na Shuraka’, September
17, 2013, September 18, 2013、Kurdonline, September 17, 2013、Naharnet, September
17, 2013、NNA, September 17, 2013、Reuters, September 17, 2013、Rihab News,
September 17, 2013、SANA, September 17, 2013、UPI, September 17, 2013、The
Washington Post, September 17, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立が総合委員会会合の閉幕宣言のなかで「アサド政権に与えることをめざしたロシアの陰謀」を非難する一方、ガルユーン氏は同連立とシリア・クルド国民評議会の合意の枠組みから民主統一党を排除する姿勢を明示(2013年9月16日)

反体制勢力の動き

『デイリー・テレグラフ』(9月16日付)は、シリアの反体制武装集団の約半分がアル=カーイダと関係のあるサラフィー主義者だと結論づけた英国のIHS Jane’sの報告書の一部を紹介した。

IHS Jane’sの報告書によると、シリアの反体制武装勢力は、約1,000の細胞、約10,000人の戦闘員からなるアル=カーイダとつながりのある「過激派」(extremists)と、約35,000人の「強硬派」(hardliners)からなるという。

「過激派」と「強硬派」の違いは、同報告書によると、前者は外国人から、後者は主にシリア人からなっている点だという。

またこうしたサラフィー主義者以外に、30,000人以上の戦闘員がより穏健なイスラーム主義組織に属しているのだという。

同報告書は、戦闘員へのインタビューや諜報機関の推計をもとに、シリア国内で約10万人の戦闘員が反体制運動に参加しているとしたうえで、「世俗的なグループが反体制派を主導しているという考え方は何ら裏付けがない」と結論づけている。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールでの4日にわたる総合委員会会合を閉幕した。

4日間の会合では、アフマド・トゥウマ氏が暫定政府首班に選出される一方、シリア・クルド国民評議会の連立への合意に関する文書が承認された。

閉幕声明で、連立は8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃をアサド政権による「体系的暴力」と非難するとともに、「化学兵器の引き渡しと解体は、犯罪者を免責する措置ではない」と主張、「国際社会、とりわけシリアの友(連絡グループ)に最低限の信頼を維持するため…、自由シリア軍に武器を供与し、アサド政権の国民に対する暴力を停止させる」よう求めた。

また化学兵器廃棄に向けたロシアのイニシアチブについて「革命を生き埋めにし、シリア国民を殺戮するさらなる機会をアサド政権に与えることをめざした陰謀」と非難した。

さらに、ジュネーブ2会議に関しては、「アサド体制の存続を含意するいかなる決定、シリアの将来を描くことに現体制を象徴する者が参加するかたちでのいかなる政治的解決をも拒否する」との姿勢を明示した。

一方、クッルナー・シュラカー(9月16日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立のトルクメン国民ブロックは、シリア・クルド国民評議会の連立への合流に関する合意を受け、総合委員会で声明を回付し、トルクメン人をクルド人と同じく「民族」(シャアブ)として承認し、憲法でその民族的権利を保障するよう求めた。

このほか、総合委員会では、シリア革命反体制勢力国民連立が交わす合意、締結文書などの一切は、体制転換後に選出される国会での承認をもって正式に発効することが14日に決定された、という。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府首班のアフマド・トゥウマ氏はロイター通信(9月16日付)のインタビューに応じ、そのなかで「反体制勢力は民主主義がイスラームの教えに反しないということを明示することで、アル=カーイダに対して思想的に立ち向かわねばならない。また反体制戦闘員が制圧している地域における公共福祉を回復することでアル=カーイダの人気に歯止めをかけねばならない」と述べた。

トゥウマ氏はまたアラビーヤ(9月16日付)のインタビューも応じ、サラフィー主義がシリア社会に固有の思想ではないと述べ、「民主的文化の普及を通じた…市民社会の再建と民主制の確立」をめざすと述べる一方、国際社会に対して「暫定政府が(シリア国内で)活動できるよう飛行禁止空域の設置」を求めた。

**

シリア国民評議会元事務局長のブルハーン・ガルユーン氏はリハーブ・ニュース(9月16日付)に、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立の合意に関して、「クルド人代表の決定は(シリア・クルド国民)評議会内でなされねばならず、クルド最高委員会の決定であってはならない」と述べ、民主統一党を排除する姿勢を明示した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム報道官はAKI(9月16日付)に、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について「危機の政治的解決の糸口にならなければ、シリア人には何の役にも立たない」と述べた。

ハッダーム報道官はまた「シリア国民は、暴力を停止し、ジュネーブ2会議を準備する必要がある。これは化学兵器に関する合意を実施するためにも不可欠である。シリアのほとんどの地域で戦闘が続けば、合意を実施することはできない」と指摘した。

一方、ジュネーブ2会議に関しては「国民調整委員会、クルド最高委員会、シリア革命反体制勢力国民連立は合同の使節団を結成しなければならない」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(9月16日付)によると、シャブアー町の反体制武装集団の武器庫と爆弾製造工場に対して、軍が特殊作戦を行い、戦闘員約40人を殲滅、武器を破壊・押収した。

またハラスター市、フジャイラ村でも、軍が反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員20人以上を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月16日付)によると、ジャウバル区、ドゥンマル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月16日付)によると、ハムラー村、ラヒーヤ村、ラーラー村、ラビーア村、アフィーフ村、カルアト・ラヒーヤ村、タッル・ダリール村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殲滅し、同地の治安を回復した。

またムーリク市を襲撃しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

イドリブ県では、SANA(9月16日付)によると、マアッルシャムサ市、アブー・ズフール航空基地周辺、ビンニシュ市、シャビーバ市、マアッラトミスリーン市、サルミーン市、マアッラト・ヌウマーン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月16日付)によると、アウラム・クブラー町、カスティールー街道、フライターン市東部、バーブ・アレッポ街道、アターリブ市、ICARDA付近で、トルコから武器弾薬を運び込もうとしていた反体制武装集団の車輌を軍が破壊、武器・弾薬を押収した。

またハッダーディーン村、クワイリス村、アルビード村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市旧市街、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月16日付)によると、ブスラー・シャーム市で自爆攻撃を行おうとしていた反体制武装集団戦闘員が運転していた車を破壊、同戦闘員を殺害した。

またタファス市、ムザイリーブ町、ダーイル町、インヒル市、シャイフ・マスキーン市、ヌジャイフ村、タスィール町、イズラア市、シャイフ・サアド村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月16日付)によると、ヒムス市ワアル地区に侵入しようとした反体制武装集団を殲滅した。

またアブー・アラーヤー村、マスウーディーヤ村、ジュッブ・ジャッラーフ町に対して、反体制武装集団が迫撃砲で攻撃を行ったが、死傷者は出なかった。

**

ハサカ県では、SANA(9月16日付)によると、タッル・イード村、ムワイナ村、ラジャム・アスウース村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、戦闘員を殺傷した。

諸外国の動き

米英仏の外相はパリで会談し、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意への対応を協議した。

会談後の記者会見で、フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、参加国が「数日中に、強力な国連安保理決議を採択する必要がある」との認識で一致したとしたうえで、アサド政権が化学兵器廃棄に関する約束をしない場合、軍事的措置を含む制裁を念頭に、「深刻な結果を招く」との文言を安保理決議に盛り込むべきだとの姿勢を示した。

またアサド政権が化学兵器を使用したと断じたうえで、「兵器使用者の責任の追及」を決議に盛り込むべきだとも主張した。

一方、ジョン・ケリー米国務長官は、「アサド政権が合意に違反した場合の結果については、ロシアも含めて我々すべてが合意している」と述べ、ジュネーブでのロシアとの会談で、ロシア側が国連憲章第7章に基づく決議について同意したとの見解を示した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでエジプトのナビール・ファフミー外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、ラブロフ外務大臣は「シリアへの武力行使に含みを持たせるような内容を持ったいかなる安保理決議案もジュネーブ合意(シリアの化学兵器廃止に関する米露合意)を失敗させるだろう」と述べ、国連憲章第7章に基づく決議をめざす米国の姿勢が合意の「誤解」によるものだと暗に批判した。

また「脅迫や攻撃を行う口実を探すことは、ジュネーブ2会議を失敗させるための挑発や試みを反体制勢力に煽動することを意味する」と付言した。

そのうえで「ジュネーブ2大会の期日を議論する必要があると我々のパートナー(西側諸国)は考えているはずだ。我々は…準備ができている。シリア政府も使節団の派遣に同意している」と述べ、西側諸国に反体制勢力(シリア革命反体制勢力国民連立など)を説得して、交渉に向かわせるよう求めた。

**

シリアでの化学兵器の調査を使用する国連調査団が潘基本文事務総長に報告書を提出、その内容が公開された。

報告書は、国連調査団が持ち帰った環境・医療サンプルを検査した結果、サンプルが収集されたアイン・タルマー村、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町のすべてで、化学兵器の装填が可能な地対地ミサイルが使用され、同ミサイルによって攻撃がされた地域でサリン・ガスが使用された痕跡が発見されたこと確認されたと指摘した。

同報告書によると、国連調査団は、患者や医療スタッフの証言、そしてカルテを検証、また36人の患者(ムウダミーヤト・シャーム市で16人、ザマルカー町で20人)に対面調査を行い、尿などのサンプルを採取した。

そして検査の結果、ムウダミーヤト・シャーム市の尿サンプル100%、ザマルカー町のサンプル91%からサリン・ガスを吸引したことが確認された。

全文はhttp://www.un.org/disarmament/content/slideshow/Secretary_General_Report_of_CW_Investigation.pdfを参照。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアで8月21日に化学兵器が使用されたと結論づけた国連調査団の報告書に関して「もっとも厳しい表現で化学兵器使用を非難する。こうした行動は戦争犯罪で、国際的な外交儀礼へのあからさまな違反であると考える」と述べた。

そのうえで、「米露合意を早急に実施するため化学兵器禁止条約と安保理が行動することを望む」と付言した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣はRTLラジオ(9月16日付)に、8月21日のシリアでの化学兵器攻撃に関する国連調査団の報告書に関して「攻撃元に関して、疑いの余地はない…。シリア政府の犯行だと述べている人々の主張を裏づけるものだ」と述べた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のパウロ・ピニェイロ委員長はジュネーブで記者会見を開き、シリアでの紛争において、化学兵器の使用が疑われている事例が14件あることを明らかにした。

同委員長は、これらの事例について調査を進めているとする一方、「化学兵器を使用したのが誰なのか、そして使われた物質が何なのかは判明していない」と付言した。

**

トルコのビュレント・アルンジュ副首相は、アンカラで記者会見を開き、トルコ領空を侵犯したシリア軍のヘリコプターをトルコ軍の戦闘機が撃墜したと発表した。

定例閣議後の記者会見で、アルンジュ副首相は「シリア軍のMi-17ヘリコプターが国境から2約2キロのハタイ県ギュヴェッジ村上空を侵犯、度重なる警告にもかかわらず侵犯を続けたため、我々の戦闘機がミサイルで攻撃、これによりヘリコプターはシリア領内に墜落した」と述べた。

これに関して、アフメト・ダウトオール外務大臣は、国連安保理とNATOに報告すると述べた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のメンバーで前国際連合戦争犯罪主任検事のカルラ・デル・ポンテ女史は、スイスのテレビ局とのインタビューで、シリアの反体制武装集団の半数がサラフィー主義者だとするIHS Jane’sの報告書について「信頼できる情報です。彼ら(サラフィー主義者)はもう少し多いと言えます」と述べた。

AFP(9月16日付)が伝えた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のメンバーの一人のカーリン・アブーザイド女史は、ロイター通信(9月16日付)に、「もっとも卑劣な(人道)犯罪を行っている集団を調べるのであれば、とくに外国人戦闘員(の行為)を調べなさい」と述べた。

**

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「シリアの政権のみが保有する地対地ミサイルによるサリン・ガス発射に言及しているこの報告書の情報は、攻撃が同政権によるものだということを明確に表している」と述べた。

AFP, September 16, 2013、AKI, September 16, 2013、Alarabia.net, September 16, 2013、The Daily Telegraph, September 16, 2013、al-Hayat, September 17, 2013, September 18、Kull-na Shuraka’, September 16, 2013、Kurdonline,
September 16, 2013、Naharnet, September 16, 2013、Reuters, September 16,
2013、Rihab News, September 16, 2013、SANA, September 16, 2013、UPI, September
16, 2013などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民連立がシリア革命反体制勢力国民連立によるトゥウマ氏の移行期政府首班への選出を批判するなか、後者連立内ではシリア・クルド国民評議会の連立への合流が承認される(2013年9月15日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民連立のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、シリア革命反体制勢力国民連立によるアフマド・トゥウマ氏の移行期政府首班への選出を「国民的コンセンサスも、地域、国際社会のコンセンサスも得ていない北部の政府と、ダマスカスの政府との間でのシリア分割の門戸を開くことになろう」と批判した。

また、シリアの化学兵器廃棄については、「核兵器、化学兵器といった大量破壊兵器を(地域で)唯一保有することになるイスラエルに資する」と非難した。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局(ファフド・ミスリー)は声明を出し、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について、「シリア国民への裏切り」と非難した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は総合委員会会合(3日目)を開催、シリア・クルド国民評議会の連立への合流の是非に関して審議を行い、採決の結果、投票で80人中52人が支持を表明し、承認された。

しかし、これに関して、クッルナー・シュラカー(9月15日付)は、連立内の対立が露呈した、と報じた。

同報道によると、評議会の合流は、シリア・ムスリム同胞団やシリア民主主義者連合が推進し、連合代表のミシェル・キールー氏は、その背景に米国の意向があったことを明らかにした。

合意支持者は、シリア・ムスリム同胞団のアフマド・ラマダーン氏、ナズィール・ハキーム氏、シリア民主主義者連合代表のキールー氏のほか、アフマド・ルワイヤーン・ジャルバー議長、ルワイユ・サーフィー報道官、ブルハーン・ガルユーン氏などからなっているという。

一方、体制転換後の国号を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」に変更することなどを定めた参加合意に対しては、連合内の法務委員会、カマール・ルブワーニー氏、ムスタファー・サッバーグ前事務局長、革命運動体、人民自由潮流が反対したという。

なお、リハーブ・ニュース(9月15日付)は、シリア・クルド国民評議会の合流の採決で反対票・棄権票を投じた総合委員会メンバーの氏名(28人)を公開した。

反対票を投じた主なメンバーは、アナス・アルヌート、サミール・ナッシャール、ハイサム・マーリフ、カマール・ルブワーニー、そしてトルクメン・ブロックのメンバー。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について、「化学兵器廃棄を、空軍や弾道兵器(の廃棄)にも拡大することを強く求める」と表明した。

また連立は、化学兵器廃棄が「公正の実現を犠牲にしてはならない」と述べ、その使用者を国際刑事裁判所に訴追、処罰する必要があると強調した。

その一方、合意にいたるまでのロシアの提案については「アサド政権によるシリア国内での攻撃継続を奨励している」と批判した。

そのうえで、ロシアの提案が「国連憲章第7章に従って対処されねばならない」と主張し、アサド政権の合意不履行に強い姿勢で対処するべきだとの意思を示した。

さらに、「アサド政権の航空兵器、戦車を無力化し得るよう、反体制武装勢力の能力を向上させることをアラブ諸国とシリアの友連絡グループ」に求めた。

**

クッルナー・シュラカー(9月16日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、同移行期政府首班のアフマド・トゥウマ氏、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長がイスタンブールでアフメド・ダウトオール外務大臣と会談し、シリア情勢について協議した。

シリア政府の動き

AFP(9月15日付)は、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意を受け、ダマスカス県では、米国の攻撃が回避されたとの安堵の声が拡がったと報じた。

**

アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、RIAノーヴォスチ通信(9月15日付)に、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について「我々はそれを歓迎する。合意はシリア人が危機から脱却するを支援する一方、シリアへの戦争を回避するものだ…。それはシリアにとっての勝利で、友人であるロシアのおかげで実現した」と述べた。

**

ワーイル・ハルキー首相は、シリアの化学兵器の廃棄に関する米露合意について「シリア人は(アサド大統領が示した)危機解決政治プログラムの実施を強く求めている…。シリアは、ジュネーブ2開催など、政治的解決に資するような国際社会の信頼できるイニシアチブを歓迎する…。これは外国の介入を排除したかたちで、シリア人どうしがシリアの国土のなかで国民対話を開催するのにふさわしい雰囲気を醸成するだろう」と述べた。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について、英国のITN(9月15日付)に「シリアは国連から発せられるすべてを遵守する。我々は我々の化学兵器を廃絶するとしたロシアの計画に同意している。実際、我々は(化学兵器に関する)リストの準備を進めている」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(9月15日付)は、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長が、組合組織幹部らとの会談で「バアス党は今も昔も国家と社会の指導者で、今後もそうであり続ける」と述べたと報じた。

**

ワーイル・ハルキー首相は、PFLP-GCのアフマド・ジブリール書記長に、PFLP-GCを「西側とその手先である一部アラブ諸国政府の夢を打ち砕くレジスタンスの筆頭」と評し、シリア政府による全面支援の意思を伝えた。

これに対して、ジブリール書記長は、アサド政権の勝利を確信し、「アラブ民族と世界の栄誉ある勝利」につながると返礼したという。

SANA(9月15日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を加えた。

またマルジャ地区のダマスカス郊外県庁前に迫撃砲弾1発が着弾した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月15日付)は、「自由シリア軍」がバアス党ダマスカス郊外県支部の本部を狙い、建物に被害を与えたが、人的被害はなかったと報じた。

一方、SANA(9月15日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒジャーズ地区、マルジャ地区、ジョルジュ・フーリー広場に迫撃砲弾3発が着弾し、市民2人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市周辺、ムウダミーヤト・シャーム市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が地対地ミサイルなどで攻撃した。

また、マアルーラー市周辺では、軍、人民諸委員会が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる武装集団と交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月15日付)によると、マアルーラー市南西部郊外、ラアス・アイン市、サルハー村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷した。

またザバダーニー市周辺および山岳地帯、ジャイルード地方、アドラー市、カースィミーヤ市、ダイル・サルマーン市、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、『サウラ』(9月15日付)は、グータ地方で国防隊を指揮していたアラー・ムニール・スライマーン大佐が即席爆弾の爆発に巻き込まれ、戦死したと報じた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、マスルーヒーヤ村、サルージュ村、アニーク村、バージラ村、アブー・クスール村、カスル・ブン・ワルダーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、軍が砲撃した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市西方のヒンナーディー(ハイムー)村の農業研究所に設営された民主統一党人民防衛隊の殉教者サルハ大隊の本部に対して、男性2人が自爆攻撃を行った。

**

イドリブ県では、SANA(9月15日付)によると、イドリブ市とマストゥーマ村を結ぶ街道で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、記者のファフルッディーン・ハサン氏を含む3人が死亡した。

また、カフル・ウワイド市、ムウタリム村、ザルズール市、カニーヤ村、カーディリーヤ市、ハミーディーヤ市、マアッラト・ヌウマーン市、ウンム・ジャリーン村、ブワイティー村、タッル・サラムー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月15日付)によると、ムシャイリファ村、マスアダ村、ムサイイード村、ハッターブ村、アスマド村、ウンム・ハーラタイン村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またタルビーサ市、ラスタン市、ガジャル村、キースィーン市、タスニーン市、ダール・カビーラ村、ハウラ地方、ガントゥー市、アイン・フサイン市、カルアト・ヒスン市、ジャッブーリーン村、ザマーミール村、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人、UAE人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またラッフーム村では、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民2人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月15日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区、ハウィーカ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、クスール地区、ムッラート村、ハトラ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また同市ハミーディーヤ地区で、軍はヌスラ戦線シャリーア委員会の拠点を攻撃、破壊した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、ABC(9月15日付)が放映したインタビューのなかで、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について「同盟国であるアサド政権に化学兵器を手放させることに責任を負う、と述べた彼(ヴラジミール・プーチン大統領)を祝福している…。これは冷戦ではない。米露の争いではない」と述べた。

また(シリアの化学兵器問題よりも)「ずっと大きな問題がある…。シリアへの攻撃を行わないことが、イランへの攻撃を行わないことを意味しない、とイラン人は結論づけてはならない」と述べた。

**

ジョン・ケリー米国務長官はイスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意の報告を行った。

ネタニヤフ首相は会談後の会見で、米露合意が「結果、すなわちシリア化学兵器全廃…をもたらすことを希望する」と述べた。

また「世界は、大量破壊兵器を使うかもしれない過激派政権に保有させないことを確認せねばならない。シリアはその一例だ」と付言した。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、シリアの化学兵器廃棄に関する問題について、TV1(9月15日付)に「シリア危機の外交的政治的解決は可能だが、軍事的脅威もなければならない」と述べ、アサド政権が公約を履行しなかった場合の制裁を定めた国連安保理決議を採択すべきだと述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は北京を訪問し、中国の王毅外交部長らと会談、シリア情勢などについて協議した。

会談後、ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について歓迎の意を示した。

また王外交部長は、「シリア問題の政治的解決に向けた状況を情勢する」と述べ支持を表明するとともに、「シリア問題は軍事的方法では解決されない」と強調した。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は声明を出し、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について「政治的正常化への合意に向けた動きを促す措置」と歓迎し、すべての紛争当事者に国連安保理を通じて停戦に向け、自らの役割を果たすよう呼びかけた。

**

トルコ政府は声明を出し、シリアの化学兵器廃棄に関する米露の合意について「シリア政府によって、時間稼ぎのために…利用されようにしなければならない」と警鐘をならした。

**

イラクのムクタダー・サドル氏は、シリアの化学兵器に関する米露合意に関して、アサド大統領ら政権幹部は化学兵器使用に関する国際裁判所への訴追を免れるため、「適切なかたち」での退任を受け入れるだろうとの見方を示した。

サドル氏は、2014年のシリア大統領選挙にアサド大統領が出馬しないとの見方を示すとともに、シリアの政治的移行期が始まれば、イランの革命防衛隊やヒズブッラーの戦闘員はシリアから退却するだろう、と述べた。

『スィヤーサ』(9月15日付)が報じた。

AFP, September 15, 2013、al-Hayat, September 16, 2013、Kull-na Shuraka’, September 15, 2013, September 16, 2013、Kurdonline, September 15, 2013、Naharnet, September 15, 2013、Reuters, September 15, 2013、Rihab News, September 15, 2013、SANA, September 15, 2013、al-Siyasa, September 15, 2013、al-Thawra, September 15, 2013、UPI, September 15, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米露外相がシリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する両国の合意内容を発表するなか、自由シリア軍参謀委員会は「著しく裏切られた」としてその内容を拒否(2013年9月14日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はイスタンブールで記者会見を開き、シリアの化学兵器廃棄に関する米露の合意について「著しく裏切られた…。危機を解決するものでない」と非難し、拒否すると発表した。

イドリース参謀長は「我々は米露の合意を拒否する。化学兵器が破壊される2014年半ばまで、世界の誰も待っていられない」と述べた。

また「バッシャール・アサドの軍は、化学兵器の一部をレバノンとイラクに移動させ始めている」と主張、米国に対して、ロシアのイニシアチブに騙されないよう忠告するとともに、「(ジョン・ケリー米国務長官は)私に、(シリア)攻撃の脅迫は依然として選択肢のなかにあると述べた」ことを明かした。

イドリース参謀長はさらに、ジュネーブ2会議に関して、アサド政権が政治プロセスから排除されなければ、参加を受け入れないと述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで前日に続き総合委員会会合を継続、ガッサーン・ヒートゥー氏の後任として、アフマド・トゥウマ氏を移行期政府首班に選出した。

首班選挙では総合委員会(定数114人)メンバーの75人がトゥウマ氏を支持し、10人が反対を表明、12人が棄権、17人が欠席した。

トゥウマ氏は、1955年生まれ、ダイル・ザイル県出身の歯科医師。2001年に反体制組織「市民社会再生諸委員会」に参加、2005年には「ダマスカス民主変革宣言」に参加し、2006年に同宣言国民評議会のダイル・ザイル県代表に、2007年は同書記長に選出された。

トゥウマ氏は選出後に演説を行い、解放区の行政に関する戦略計画を策定し、人道支援活動、治安対策、経済復興をめざすとの姿勢を示した。

**

反体制活動家のリーバール・アサド氏(アサド大統領のいとこ)はCNN(9月14日付)に、化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案をアサド政権が受け入れたことを歓迎し、「誰の手にこうした兵器が渡るか分からないなか、この提案は非常によい」と述べた。

**

シリア軍化学兵器局の元局長だったという離反士官のアドナーン・サルウ少将はアラビーヤ(9月14日付)に、シリアの化学兵器を廃棄するのに1ヶ月も必要ないとしたうえで、アサド政権が化学兵器を隠すために時間稼ぎをしていると批判した。

またサルウ少将は、アサド政権がダマスカス県ジャウバル区で新型の化学兵器を使用したと主張した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、AFP(9月14日付)が治安筋の話として、マアルーラー市周辺で軍と反体制武装集団が交戦を続けたと報じた。

同治安筋によると、軍は、反体制武装集団の拠点が依然としてサフィール・ホテルおよび同ホテル周辺などにあるが、教会や史跡が多いマアルーラー市一帯に対して迫撃砲などを使用できないために、戦闘には困難が伴っているという。

このほか、シリア人権監視団によると、スバイナ町、アルバイン市郊外、ザマルカー町郊外、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市を、軍が空爆し、ムウダミーヤト・シャーム市では子供2人が死亡した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月13日付)によると、ラアス・アイン市東部のジャフファ・ダルダーラ村、アルーク村にイラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線が潜入し、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

**

ダマスカス県では、ロイター通信(9月14日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を行った。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アトマーン村、タファス市、ダーイル町を軍が空爆し、子供1人と女性3人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団はタッル・ジャービーヤにある第61旅団本部を砲撃し、複数の兵士を殺傷した。

**

アレッポ県では、SANA(9月14日付)によると、ダイル・ハーフィル市・アレッポ市街道、バーブ市・アレッポ市街道、フライターン市で、軍がトルコから武器弾薬を運び込もうとした反体制武装集団の車輌を攻撃、破壊した。

またキンディー大学病院周辺、クワイリス村、アレッポ市ジュダイダ地区、ライラムーン地区、旧市街で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月14日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、ダルクーシュ町、アイン・バーッラ市、タイイバート村、シュグル市、ビンニシュ市、バザーブール村、ハミーディーヤ市、ウンム・ジャリーン村、ジャルジャナーズ町、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月14日付)によると、レバノン領内からタッルカラフ市方面に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ハマー県では、SANA(9月14日付)によると、ハマー市郊外のハルサーン市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

またビッリー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ベカーア県バアルベック郡のシリア国境に近いラブワ村、ジャッブーラ村に迫撃砲弾3発が着弾し、NNA(9月14日付)によると、2人が負傷したと報じた。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのジュネーブでシリアの化学兵器の国際管理・廃棄の具体案に関する協議(3日目)を行った。

3日間の会談を終えた両国外相は記者会見を開き、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露の合意内容を発表した。

合意内容の骨子は以下の通り:

1. 米露は数日以内に、化学兵器禁止機関に、シリアの化学兵器の検査、廃棄に関する計画書を提出する。
2. 米露は、上記計画書の実施を定める国連安保理決議の採択において協力する。
3. 米露は、化学兵器の使用、無許可での移送など、シリア政府が合意を履行しなかった場合、国連憲章第7章に基づく措置をとるべきだという点に同意する。
4. シリアの化学兵器の量と種類について、米露の見解は一致した。
5. 米露は、シリア政府が保有するすべての化学兵器の種類、量、保管場所、保管形態、研究・製造施設を、1週間以内に完全に申告するにことをシリア政府に求める。
6. 2014年前半までに化学兵器の廃棄を完了し、化学兵器、原材料、専用機材、弾薬、製造・研究施設を破壊する。
7. シリア政府は化学兵器禁止機関(OPCW)と国連調査団によるあらゆる施設への完全な査察を認める。
8. 以下の日程を目標にする。2013年11月までに最初の査察を実施し、同月までに製造施設を破壊する。

会談で、ケリー国務長官は「シリアが保有する化学兵器の種類や量に関して、米露の見解は一致した…。アサド政権に1週間以内に化学兵器と製造施設の完全な目録を提出させる」と述べた。

米政府は、シリアがサリンガスなどの化学兵器を約1,000トン保有しているとみている。

また「世界は、アサド政権に約束の履行を求める。引き延ばしや回避は許さない」と述べ、シリア政府が廃棄プロセスを履行しない場合、「国連憲章第7章に基づく措置」をとると明言した。

しかし「武力行使は、安保理がとるかもしれず、またとらないかもしれない選択肢の一つだ」と付言した。

一方、ラブロフ外務大臣は、米国との合意を「共通理解と自動的な制裁に基づく合意」だとしたうえで、「シリアは化学兵器禁止条約に正式加盟する前から加盟国としての義務を履行する」と述べた。

また「今回の合意が実現すれば、化学兵器を廃棄できるだけでなく、軍事的シナリオを回避できるだろう」と強調した。

一方、シリア政府の公約不履行に対処するための国連憲章第7章に基づく安保理決議に関して「武力行使や自動的な制裁を意味するものではない。すべては安保理で承認されなければならない」と述べた。

**

バラク・オバマ米大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意に関して「化学兵器の最終的な廃棄に向けた重要で具体的な一歩だ」と歓迎の意を示した。

そのうえで「外交が失敗すれば、米国は行動する用意がある」と付言した。

**

クッルナー・シュラカー(9月14日付)は、ジョン・ケリー米国務長官がシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長と電話会談を行い、化学兵器使用に関するアサド政権への制裁(軍事攻撃)について説明した、と報じた。

同報道によると、電話会談で、ケリー国務長官は、アサド政権への制裁(攻撃)が、シリアのためだけでなく、国際機関や国際世論に対する米国の信頼のためになされねばならない、と述べたという。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意に関して「重要な一歩だ」とする声明を出した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について「歓迎」の意を示し、「合意履行のための早急な行動は今から始まる」と述べた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について「歓迎」の意を示すとともに、シリアの紛争に関して「軍事的解決ではなく、政治的解決があるのみ」と強調した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について「シリア政府の戦闘機が今も複数の地域を砲撃し…、民間人を殺している」と述べたうえで、「(合意は)過去の犯罪を帳消しにしない…。ダマスカスが時間稼ぎをしようとしていることに対して(国際社会は)目を覚ますべきだ」と異議を唱えた。

**

国連のプレス・センターは、声明を出し、国連がシリアの化学兵器禁止条約加盟に必要なすべての文書を受理し、30日後の10月14日にシリアが同条約に正式加盟することになるだろう、と発表した。

ロイター通信(9月14日付)が報じた。

**

国連報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について潘基文事務総長が「シリア国民の苦しみを終わらせるための政治的解決を促すことを強く希望する」と述べたと伝えた。

AFP(9月14日付)が報じた。

**

イタリアの沿岸警備隊は、過去24時間の間にイタリア南部の海岸にシリア人約500人を乗せた船舶複数席が漂着した、と発表した。

AFP, September 14, 2013、Alarabia.net, September 14, 2913、CNN, September 14, 2013、al-Hayat, September 15, 2013、Kull-na Shuraka’, September 14, 2013、Kurdonline, September
14, 2013、Naharnet, September 14, 2013、NNA, September 14, 2013、Reuters,
September 14, 2013、Rihab News, September 14, 2013、SANA, September 14, 2013、UPI,
September 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア、中国、イランの首脳らがシリアが化学兵器禁止条約への加盟を表明・申請したことへの支持を表明する「ビシケク宣言」を発表するなか、仏大統領がアラブ諸国外相と会談し「シリアの反体制勢力への支援強化の必要」について意見を一致させる(2013年9月13日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、UPI(9月13日付)に、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアのイニシアチブについて「ジュネーブ2への門戸を開き、挙国一致内閣発足、武装集団の解体、外国人戦闘員のシリアからの排除が行われることがなければ、成功し得ない」と述べた。

また「誠実な離反兵、シリア軍、そしてクルド人の人民防衛隊が軍を再編するために同盟を結ばなければ」、アル=カーイダを根絶できないとの見方を示した。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立に関して、マンナーア渉外局長は「ジュネーブ2会議が始まれば、連立はその役割を終えるだろう」と述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は『イッティハード』(9月13日付)に、米国がシリアへの軍事攻撃を事実上見送ったことに関して「世界の大国の躊躇は、邪悪なアサド政権だけを強めるだけでなく…、アル=カーイダなどのテロリストを東方(イラク)からシリアに潜入させる。彼らはアサドと戦っているだけでなく、より重要なのはアサドに反対する人々と戦っているのだ」と述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アサド政権が化学兵器禁止条約加盟の進めていることに関して「国際社会をあざむく新たな試みに過ぎない」と非難した。

**

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、Elaph(9月13日付)に「我々は、誰が武器を受け取り、配給しているのか知りたい。もしそれ(米国による武器供与)が本当だとしても…、それについて発表した者を我々は知らないし、自由シリア軍にも属していない」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(9月13日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、在米事務局のスタッフの給与を引き上げるため、30万ドルを米国に送金したと報じ、在外事務局の一方的な給与引き上げは「非論理的」と批判した。

**

『ハヤート』(9月14日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム地元評議会が、国際社会に対して、アサド政権に圧力をかけ、同市包囲を解除し、人道支援を搬入するよう呼びかけた。

また同評議会は、シリア政府が人民諸委員会(自警団)の協力のもと、国連などの人道支援を積んだ車輌が市内に入ることを阻止している、と非難した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立がイスタンブールで総合委員会の会合を開催した。

リハーブ・ニュース(9月14日付)によると、会合の主な議題は、シリア・クルド国民評議会の加盟問題と暫定政府首班の選出の2点。

シリア・クルド国民評議会の加盟問題では、ムスタファー・サッバーグ前事務局長が代表を務める無所属決定ブロックが、シリア・クルド国民評議会に総合委員会の代表ポスト11議席を与えることに反対した。

ハサカ県の革命運動組織を代表するヤースィル・ファルハーン氏は、アサド政権打倒後の国名を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」に変更するとしたシリア・クルド国民評議会との合意文書に異議を唱え、評議会の連立への参加に反対した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・サーリフ報道官はイスタンブールで記者会見を開き、「米国から自由シリア軍にまだ武器は供与されていない」としたうえで、西側諸国に武器供与の約束を履行するよう改めて求めたと発表した。

シリア政府の動き

シリア情報科学協会はSANA(9月13日付)を通じて声明を出し、同協会が提供するSANAをはじめとするインターネット・サイトがサイバー攻撃にさらされ、閲覧不能・困難な状態にあると発表した。

国内の暴力

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(9月13日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国がシリア自由人旅団の幹部10人を拘束した。

同報道によると、シリア自由人旅団の幹部10人は、数週間前にアレッポ県アアザーズ市で盗まれた司令官の自動車を行方を捜索、イスラーム国と深い関係のあるラッカの商人によって転売されたことをつきとめ、車を取り返しに向かったところを拘束されたという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マアルーラー市周辺で、軍、人民諸委員会と、シャームの民のヌスラ戦線などの武装集団が交戦、双方に死傷者が出た。

またムウダミーヤト・シャーム市では、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月13日付)によると、マアルーラー市周辺、ザバダーニー市東方の山岳地帯、ムライハ市郊外、カースィミーヤ市郊外、ズィヤービーヤ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、サイイダ・ザイナブ町のバス発着所に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾5発が着弾し、市民2人が死亡した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区、アサーリー地区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃・空爆を行った。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市を軍が空爆する一方、反体制武装集団はアドワーン村近郊の軍の機甲連隊、工兵連隊の拠点を制圧した。

一方、SANA(9月13日付)によると、ウンム・ルグース村、アトマーン村、ナワー市、シャイフ・サアド村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月13日付)によると、アルバイーン山で、軍がシャームの民のヌスラ戦線、(アルバイーン)山の盾旅団、シャームの鷹旅団、革命自由人旅団、真実の剣旅団、シャームの竜巻旅団、シリア殉教者旅団連合、アッバース旅団、クドスの騎士大隊、アリーハー革命家大隊、アフバーブッラー大隊、マルヤーン大隊、イブリーン大隊、アンサール・ハック大隊、ウマル・ファールーク大隊、アリーハー・コマンド大隊を掃討し、同地を制圧した。

また軍はサラーキブ市、ジャーヌーディーヤ町、ジスル・アブヤド市、ズアイニーヤ市、カフルラーター市、マジュダリヤー村、ルークドゥー市、バザーブール村、バッリーン市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ウンム・ジャリーン村、バヤーイーヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月13日付)によると、ハーリディーヤ村、ラスタン市、カール・カビーラ市、アイン・フサイン村、ヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(9月13日付)によると、ナブア・サフル村、アイン・バーシャー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月13日付)によると、ハイヤーン町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、スライマーン・ハラビー地区、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団を撃退し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月13日付)によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区、アルディー地区、スィヤーサ橋で、軍が反体制武装集団と交戦し、ジュンド・アズィーズ旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月13日付)によると、シャーキリーヤ村、ガマーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月13日付)によると、北部県アッカール郡のヌーラ村、ダッバービーヤ村に、シリア領から発射された迫撃砲弾が着弾した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのジュネーブでシリアの化学兵器の国際管理・廃棄の具体案に関する協議(2日目)を行った。

2日の協議に先立ち、両外相はアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

会談後の記者会見で、ケリー国務長官は、シリア情勢の打開に向けた新たな国際会議の開催を話し合うため、28日にニューヨークでも会談することを明らかにした。

またラブロフ外務大臣との協議について、ケリー国務長官は「建設的」に進んでいると述べるとともに、国際会議の開催が化学兵器の国際管理・廃棄の進展にかかっているとの考えも示した。

一方、ラブロフ外務大臣は、国際会議開催を、化学兵器の問題と「並行して」進めることが重要だと強調した。

**

上海協力機構がキルギスのビシケクで首脳会議を開き、シリア情勢などについて協議した。

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領、中国の習近平国家出席、イランのホセイン・ロウハーニー大統領らが参加した会議は、シリアが化学兵器禁止条約への加盟を表明・申請したことへの支持を表明する「ビシケク宣言」を発表した。

同宣言において、加盟国はまた、国連安保理の承認を得ないかたちで行われようとしている米国のシリア軍事攻撃に反対の意を示した。

会議に出席したイランのロウハーニー大統領は、プーチン大統領と初会談し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアのイニシアチブを「中東での新たな戦争勃発の危機から世界を救済」する動きと述べ、支持を表明した。

また習近平国家主席は、シリア情勢に関して「平和的な方法で政治的関係正常化をめざす国際社会の努力を中国は支持する」と述べた。

**

マリー・ハーフ米国務省副報道官は、北朝鮮の金正恩第一書記が9月11日のアサド大統領の誕生日に祝電を送ったことに関連して「北朝鮮政府が何をしたかについて話したくない。アサド大統領は我々から誕生日にこうしたものを一切受け取ることはない…。過去数週間、彼が目の当たりにしたのは軍事行動への脅迫だけだった」と述べた。

AFP(9月13日付)が報じた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、UAEのアブドゥッラー・ビン・ザーイド外務大臣、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

フランス大統領府の声明によると、会談では、オランド大統領は、アサド政権による化学兵器使用に対して断固たる対処することで、紛争の政治的解決に向けた交渉を開始する必要があるとの点で合意した。

またシリアの反体制勢力への支援強化の必要がある点でも意見が一致したという。

一方、フランス外務省報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して「声明だけでは不十分だ。道筋を示し、監視する仕組みが必要だ」と述べた。

また、化学兵器禁止条約へのシリアの加盟に関して「条約の手順に従うと、廃棄に着手するまでに2年を要してしまう。これでは長すぎる」と懸念を示した。

そのうえで、シリアが公約を守らなかった場合に、国際社会が制裁できるよう「拘束力のある国連安保理決議が必要だ」と主張した。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアの化学兵器使用に関する国連調査団の活動に関して「(報告書により)化学兵器が集中的に使用されたかが明らかになるだろう…。化学兵器が使用されたことを裏付ける報告になるだろう」としつつ、「(アサド大統領は)多くの人道に対する罪を犯しており、処罰がなされねばならない。しかし、現在の最優先事項は、流血停止、対話開始の支援で、外交に成功のチャンスを与えることだ…。処罰はこれが終わってからなされるべきだ」と述べた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は「国際社会は国際法を適用しなければならない…。トルコは戦争を主唱していない。国際社会は戦争を止めるよう呼びかけている。シリアと近隣諸国の国民が現下の内戦の代償を払っている。内戦を停止すべきだ。もう十分だと言っている」と述べた。

アナトリア通信(9月13日付)が報じた。

**

オーストラリア日刊紙『オーストラリアン』(9月13日付)は、テロ対策を担当する複数の高官の話として、オーストラリア人約80人が現在、シリアでの反体制武装活動に参加しているとしたうえで、「アブー・アスマー」を名乗るオーストラリア人1人がダイル・ザウル県で自爆攻撃を行い、死亡したものと思われると報じた。

**

ロイター通信(9月13日付)は、複数の外交筋の話として、米国とイスラエルが、ウィーンでのIAEAの非公式会合の席上で、2007年のキバルの核疑惑施設へのイスラエルの越境空爆に端を発するシリアの核兵器開発問題をめぐって、シリアの非協力的姿勢を批判した、と報じた。

AFP, September 13, 2013、The Australian, September 13, 2013、Elaph, September 13, 2013、al-Hayat, September 14, 2013、al-Ittihad, September 13, 2013、Kull-na Shuraka’, September 13, 2013、Kurdonline, September
13, 2013、Naharnet, September 13, 2013、Reuters, September 13, 2013、Rihab
News, September 13, 2013, September 14, 2013、SANA, September 13, 2013、UPI,
September 13, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍を名乗る反体制武装集団の代表550人がトルコのアンタキアで「革命勢力委員会」を結成を宣言するなか、米国務長官と露外相がシリアが保有する化学兵器の国際管理・廃棄の具体案に関する協議を開始(2013年9月12日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(9月12日付)などによると、アレッポ市の旧市街の「シリア革命青年連立」の本部に、地元の自治評議会や武装集団の代表が会し、米国のシリアへの軍事攻撃への対応などについて協議した。

Kull-na Shuraka', September 12, 2013
Kull-na Shuraka’, September 12, 2013

会合には、アレッポ県評議会(アブドゥッラフママーン・ダドム)、自由シリア・スポーツ連合(アルワ・カナワーティー)、自由弁護士委員会(マーズィン・ジュムア)、ブスターン・カスル・カッラーサ革命家評議会(ヤースィル・クール)、アレッポ市評議会(ヤースィーン・ヒラール)、アレッポ旧市街革命家評議会(ムハンマド・ハラブ)、地元評議会連合(アブドゥルカーディル・バッカール)、アーミリーヤ地区評議会(フマイダ・ナーシド)、自由技師(バリーター・ハーッジ・ハサン)、シリア革命青年連立(アッバース・ムーサー)、サラーフッディーン革命家評議会、シャリーア評議会、アレッポ軍事評議会、統一司法評議会などが参加した。

参加団体が発表した声明によると、会合では、「攻撃は大国の国益に利するもので、国際世論に対するその面目を保つことが目的」と非難し、反体制勢力を統合・再編することで、この攻撃に関する責任を追及することを呼びかけた。

また攻撃が行われた場合も、政府関連施設以外の攻撃を拒否するとの姿勢を明示し、アレッポ市で武装闘争を続ける勢力の作戦司令室との連携のもと、緊急対策室を設置し、対応にあたることを確認した。

**

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はビデオ声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関して「化学兵器の撤廃だけでは不十分で、犯罪者の訴追・処罰に反する」と批判、「ロシアのイニシアチブを断固拒否する」と発表した。

**

シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案を拒否すると発表した。

また、「犯罪者バッシャールと彼の犯罪集団の退任に先行したいかなる政治的解決をも改めて拒否する」と述べるとともに、国際社会に対して「現地で役割を担う革命家への高度な支援」を求めた。

**

タウヒード旅団は声明を出し、米国から殺傷兵器の供与を受けているとしたアブドゥルハキーム・サーリフ司令官の発言(11日)を否定した。

**

リハーブ・ニュース(9月12日付)によると、自由シリア軍を名乗る反体制武装集団の代表550人がトルコのアンタキアで会合を開き、「革命勢力委員会」を結成、261人の委員を選出した。

また会合では、最高軍事評議会(参謀委員会)の代表、参謀長、参謀長補佐などを改選した。

改選(再選)された最高軍事評議会(参謀委員会)幹部は以下の通り:

サリーム・イドリース少将:参謀長
ファーティフ・ハッスーン大佐:副参謀長(ヒムス戦線)
ウサーマ・サーイフ・ジュナイディー:副参謀長補(ヒムス戦線)
ムハンマド・アッブード中佐:副参謀長(東部戦線)
サッダーム・ジャマル:副参謀長補(東部戦線)
ムスタファー・ハーシム大佐:副参謀長(西部・中部戦線)
アブドゥルファッターフ・ウルーブ:副参謀長補(西部・中部戦線)
アブドゥルバースィト・タウィール:副参謀長(北部戦線)
アブドゥルカーディル・サーリフ:副参謀長補(北部戦線)
ズィヤード・ファフド准将:副参謀長(南部戦線)
アワド・ズウビー:副参謀長補(南部戦線)

なお最高評議会メンバーについてはhttp://www.rihabnews.com/?p=45333を参照のこと。

**

『ル・モンド』(9月12日付)は、欧州で活動するリフアト・アサド前副大統領(アサド大統領の伯父)がパリで所有する不動産(9億ユーロ相当)のほとんどを近く売却するだろうと、報じた。

シリア政府の動き

アサド大統領はロシア24(9月12日付)のインタビュー(http://www.vesti.ru/only_video.html?vid=536846)に応じ、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に向けたロシアのイニシアチブを受け入れたと明言、その理由などについて説明した。

Russia 24, Septemner 12, 2013
Russia 24, Septemner 12, 2013

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り。

(化学兵器の国際管理・廃棄を受け入れた理由に関して)「(第1に)シリアは10年以上前から、国連に対し、中東地域における大量破壊兵器の廃絶を提案してきた。なぜならこの地域は混乱しており、数世紀にわたって戦争が行われてきた地域だからだ。非伝統的兵器の廃絶は、この地域の安定実現に資する…。第2に、現下の情勢に関して、シリアは真剣に…国連の一部の国がやろうとしている狂った戦争を回避すべきだと考えている…。シリアに対する戦争は地域を破壊し、地域を一連の問題と不安定に陥れる戦争になると考えている…。第3に、もちろん…ロシアのイニシアチブそのものがある。ロシアのイニシアチブがなければ、シリアがこの方向に向かうのは難しかった。我々とロシアは信頼関係にある」。

「ダマスカスのグータで化学兵器が使われたことに関する米国の主張に基づいて、シリアへの攻撃に向かう動きがあったが、化学兵器廃絶を求めるような米国の脅迫など実際にはなかった…。米国はこの点に関して、G20サミット後に云々し始めただけだ。我々が実質的にこの方向に向かうようになったのは…、ロシアのイニシアチブによるものだ」。

(アサド政権が米国の圧力に屈したとの見方に関して)「米国のプロパガンダだ。なぜならケリー…、そしておそらくはオバマは、脅迫によって結果を得た勝者だと自らを見せたいと思っているからだ。だがそんなことはどうでもよい。基本は、シリアが満足しているということ、そしてこの問題においてロシアが役割を果たしたということだ」。

「数日中に、シリアは国連と化学兵器禁止機関に、(化学兵器禁止)条約署名に必要な技術的文書を添えた書簡を送るだろう。その後、化学兵器禁止条約への署名のための作業がなされるだろう。この条約にはさまざまな側面がある。化学兵器の製造禁止、保有と使用の禁止である。条約が発効したら…、シリアは化学兵器貯蔵に関する文書を(化学兵器禁止)機関に提出する」。

「しかしみなに明確にしておきたいのは、こうした措置が一当事者だけによって行われるものではないということだ。シリアが署名して終わりということではない…。この問題は双方向の問題で、まず第1に、米国がシリアへの敵対的な政策を放棄し、ロシアのイニシアチブに応えることにかかっている。米国が誠実に地域の安定に向かい、脅迫、さらにはテロリストへの武器供与を停止することを確認したうえで…、こうした措置に向けた動きが最終的に実行されると考えている…。この問題においてロシアが基本的な役割を果たすことになろう。なぜなら、我々と米国には信頼関係がないからだ」。

「我々がかつて、中東における大量破壊兵器廃絶を国連に提起したとき、米国はそれを妨害した。妨害の主因は、イスラエルにこうした兵器の保有を許していたからである。中東の安定を考える限りにおいて、イスラエルをはじめとするすべての国が条約を遵守することが不可避だ。イスラエルは核兵器、化学兵器、細菌兵器といったすべての大量破壊兵器を持っている。いかなる国もこうした兵器を保有しないようにするために、我々はこの方向に向けて行動を続ける。そうすることで、地域だけでなく世界全体を巻き込む破壊的な戦争になるかもしれない将来の戦争から我々は守られることになる」。

(アレッポ県ハーン・アサル村での化学兵器攻撃について)「こうした活動を行っているのがテロリストだということは明白だ…。それゆえ、米国は(化学兵器使用に関する国連)調査団のシリアへの派遣を妨害してきた。これに対して、我々はロシアの専門家の協力のもと、我々が得た詳細、そして証拠のすべてをロシアに提出した。こうした証拠から、この攻撃がシリア北部のテロリストによるものだということが確認された。現在必要なのは、先週までシリアに滞在していた化学兵器に関する国連調査団を帰国させ…、ハーン・アサル村など複数の地点の調査する…ことだ」。

「すべての国がテロリストとは関係がないと言っている。しかし実際のところ、我々は西側諸国が彼らに兵站支援を行っていることを知っている…。西側諸国、そしてトルコ、サウジアラビア、そしてかつてのカタールなどといった地域諸国は、テロリストと直接関わりを持っており、あらゆる兵器を供与してきた。我々は、こうした国のいずれかが、テロリストに化学兵器を供与したと考えている」。

(シリア政府が化学兵器攻撃を行ったとする証拠に関して)「米政権は議会にもメディアにも、さらには自国民にも証拠は示していない。世界のどの国にも、ロシアにも示していない。米国のプロパガンダのなかにおいて、単なる言葉が述べられているだけだ」。

「一部のテロ集団の手に化学物質が確実にわたり、シリアで我々の軍、そして民間人に使われている以上、こうした物質が十分あるということだ…。一方、我々はみな、こうしたテロ集団、そしてそれを指導する者たちが、米国に攻撃させること、そしてそれ以前にイスラエルをシリアの危機に巻き込むことをめざしてきた…。もし地域戦争が起きれば、混乱は増だろう。混乱が増せば、こうしたテロ集団がさらなる破壊を行うための場所は当然のことながら広がる」。

**

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、ニューヨークの国連本部で記者会見を開き、「我々は化学兵器禁止条約のメンバーに正式になった」と述べ、化学兵器の廃棄に向けてシリア政府が「積極的かつ責任をもって対処する」と述べた。

ジャアファリー国連代表によると、アサド大統領が、条約加盟を承認する9月12日付の政令に署名したという。

その一方、国連憲章第7章に基づく安保理決議案の提示をめざすとしたフランスのローラン・ファビウス外務大臣の姿勢に対し「ロシアのイニシアチブの中身とシリアの積極的な対応を無に帰そうとしている」と非難した。

シャームプレス(9月13日付)などが報じた。

**

マアルーラー市の聖タクラー修道院長のビーラージヤー・サイヤーフ女史は『ナハール』(9月12日付)に「マアルーラー市のほとんどの場所は今、シリア軍の支配下にあります…。彼ら(軍は、私たちが無事だったことを喜んでいました。彼ら(軍)は、私たちに親切に接し、支援をしてくれています。我々に対する彼らの対応はまったく変わりませんでした」と述べた。

また反体制武装集団に関して「武装集団は3度、修道院に入ってきました…。私が「聖堂での武器使用は許しません」と言うと…、彼らは「お前たちには何もするつもりはない」と言い…、聖堂内を調べ…、外へ出て行きました…。彼らはビデオ・カメラを持って入ってきて、私たちに彼らの対応について聞いてきました…。私たちは外で何が起きているかを知りませんでしたので、彼らから嫌がらせは受けていませんと言いました。これが真実です」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、治安筋がAFP(9月12日付)に対して、軍が「武装集団が布陣し、狙撃を続けている”小さな病巣”の摘出」を続けているとしたうえで、「地理的に入り組んだ地域」であるため、任務完了が難航していると述べた。

『ワタン』(9月12日付)によると、軍はマアルーラー市で反体制武装集団の掃討と治安・安全の回復のため、すべての街区に入るための計画を立てているという。

また、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ムライハ市郊外、ハラスター市郊外で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月12日付)によると、マアルーラー市の南西部郊外、同市北部のラアス・アイン市郊外、サルハ市郊外で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷した。

またナースィリーヤ村・ジャイルード市街道、アドラー市郊外、ミスラーバー市、ドゥーマー市郊外、ザマーニーヤ市郊外、バハーリーヤ市郊外、ダイル・サルマーン市郊外、アルバイン市、ハラスター市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月12日付)によると、ジャウバル区、バルザ地で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ市、ヌアイマ村、アドワーン村で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・ルーカス村、アイン・カーディー村の軍中隊本部、ラスム・サフラ拠点、機甲大隊拠点を反体制武装集団が制圧した。

これに先立って、マアラカ村で、軍と反体制武装集団が交戦し、同村などに軍が砲撃を加えた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市、カブタイン村、ハナースィル市・イスリヤー村街道、バーブ市を軍が空爆・砲撃し、女性、子供を含む4人が死亡した。

一方、SANA(9月12日付)によると、マンスーラ村、カフルダーイル村、アンジャーラ村、ラスム・アッブード村、ハーディル村、バーブ市・ダイル・ハーフィル市街道、フライターン市、クワイリス村、アレッポ市・アターリブ市街道、ダーラト・イッザ市、ハーン・アサル村など、軍がトルコから潜入していた反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またバーブ市のバフタリー学校近くで軍が反体制武装集団を殲滅した。

さらにアレッポ市では、アーミリーヤ地区、旧市街、カースティールー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、対イラク国境のヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町で民主統一党人民防衛隊が2日間にわたって、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、サラフィー主義戦闘員35人を殺害した。

この戦闘で、民主統一党戦闘員も13人死亡した。

また軍は、反体制武装集団が拠点としていたヤアルビーヤ町の税関局を空爆した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月12日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区で軍がユーフラテス大隊と交戦・殲滅した。

また同市ラシュディーヤ地区、ウルフィー地区などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月12日付)によると、シャーイル山(ハマー県)西のタッラト・トゥラードを軍が制圧し、反体制武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市カラービース地区、バーブ・フード地区、クスール地区、ダール・カビーラ村、ガースィビーヤ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は『ニューヨーク・タイムズ』(9月12日付)に寄稿し、シリア情勢に関するロシアの姿勢を説明した。

記事のなかで、プーチン大統領は、シリアで2年半におよぶ紛争において「民主主義を求める英雄は少なく…、(シリア)政府に対して戦闘を行うアル=カーイダや過激派が多数いる」と指摘した。

また8月21日の化学兵器攻撃について「シリア軍によってサリン・ガスが使われなかったと確信できるさまざまな理由があるが、外国の大国が介入するよう先導する反体制武装勢力にはそれがない」と主張した。

さらに、軍事攻撃を準備する米国の言動に対して「我々は武力行使を止めねばならない…。米国のシリアへの攻撃は…無実な人々の犠牲と緊張を総大させ、紛争地域をシリア国境を越えて拡大させるだけで…、新たなテロの波をもたらし、イランの化学兵器問題やパレスチナ・イスラエル紛争に向けた努力を無に帰し、中東・北アフリカにさらなる混乱を招く」と警鐘を鳴らした。

そのうえで「米国、ロシア、国際社会は、化学兵器を国際管理下に置いたうえで、廃棄したいとするシリア政府の意思を活かさねばならない」と力説、米国によるシリアへの軍事攻撃が「長期的に米国の国益になるのか?私はそれは疑わしいと思う。世界の数百万の人々が、米国を民主主義のモデルではなく、実力だけに依存している…と見るようになっている」と指摘した。

また「我々はシリア政府ではなく、国際法の規範を守る」との姿勢を明示した。

**

ロシアの『コメルサント』(9月12日付)は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して、ロシアが米国に示した計画案の内容を明らかにした。

それによると、計画案は以下4段階からなっている。

1. シリアが化学兵器禁止条約に加盟する。
2. シリアが化学兵器の保管、製造場所を(化学兵器禁止機関に)申告する。
3. シリアが関連施設に査察団を受け入れる。
4. 化学兵器の廃棄方法を決定する。

**

8日に釈放されたイタリア人記者のドメニコ・キリコ氏は、『ラ・スタンパ』(9月12日付)に寄稿し、「反体制勢力は調査を行い、私の誘拐に関与した者たちを逮捕し、私と(シリアの)「革命」の権利に対する罪にふさわしいかたちで彼らを処罰しなければならない」と訴えた。

また「もしそれが行われなければ、それはつまりは、(シリア革命反体制勢力国民連立の)指導者は、自分たちの国で活動する武装集団に対して何の権限も持っていない単なるおしゃべりで、我々の負担で豪華なホテルに暮らしているだけの寄生者だということになる」と付言した。

**

ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのジュネーブでシリアの化学兵器の国際管理・廃棄の具体案に関する協議を開始した。

協議に先立ち、両外相は共同記者会見を開いた。

会見で、ケリー国務長官は、シリアの化学兵器廃棄の手順について「包括的、検証可能で信頼性があり、時宜を得たものでなければならない」と述べた。

そのうえで、速やかな廃棄が達成されない場合、武力行使の道を開くべきだと主張した。

しかし、シリアの化学兵器保有・製造に関する検証について「内戦下で、技術的な困難は計り知れない」と述べ、課題が多いとの認識も示した。

一方、ラブロフ外務大臣は、化学兵器をめぐる「問題が解決されれば、武力攻撃は不要になる」と述べた。

**

シリア人権監視団によると、エジプトの治安当局は11日水曜日、ヨーロッパに向かって船で避難しようとしていたシリア人とパレスチナ人約200人をエジプトの領海内で身柄拘束し、アレキサンドリアの刑務所などに収監された。

身柄拘束者のなかには、子供25人、女性24人が含まれるという。

AFP, September 12, 2013、Champress, September 13, 2013、al-Hayat, September 13, 2013, September 15, 2013、Kull-na Shuraka’, September 12,
2013、Kurdonline, September 12, 2013、La Stampa, September 12, 2013、al-Nahar, September 12, 2013、Naharnet, September 12, 2013、The New York Times, September 12, 2013、Reuters, September 12, 2013、Rihab News, September
12, 2013、Russia 24, September 12, 2013、SANA, September 12, 2013、UPI, September
12, 2013、al-Watan, September 12, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのPKKがクルド人戦闘員約3,000人をシリアに派遣することに関してアサド政権から承認を受けたと報じられるなか、ホワイトハウスはシリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの「建設的な役割」を評価(2013年9月11日)

反体制勢力の動き

タウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ司令官は訪問先の米ワシントンDCで「米国は、最高軍事評議会(自由シリア軍参謀委員会)に非殺傷兵器の支援だけでなく、殺傷兵器の支援を行っている」と述べた。

また「彼ら(米国)は最高軍事評議会に供与された装備が正しく試用されたことを確認し、武器が間違ったかたちで供与されないことを確認している」と付言した。

ロイター通信(9月11日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立メンバーでシリア民主主義者連合代表のミシェル・キールー氏はAKI(9月11日付)に、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄をめぐって「ジョン・ケリー米国務長官がシリアへの軍事攻撃停止の条件として提案したとは承知しておらず、米国世論、国際社会世論も突然のことで驚いている…。それはその場だけの提案だろう」としたうえで、「化学兵器だけでなく、シリア情勢が国際社会の監視下に置かれなければ、反体制勢力はいかなる政治的解決をも受け入れない」と述べた。

**

リハーブ・ニュース(9月11日付)は、インターネット世論調査で、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への加入に関して、回答者(18,343人)の58%(10,653人)が支持、42%(7,690人)が不支持を表明したと報じた。

**

『ナハール』(9月11日付)は、アスマー・アフラス大統領夫人の通訳だったミールハーン・ビールティズリヤーン氏がアルメニアに「家族の身の安全のために」亡命し、トルコ日刊紙『ヒュッリイェト』に対して「アサド大統領は騙されている…。自分の身の回りで起きている策略に気づいていなかった」と証言したと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案を「時間稼ぎと…政権によるシリア国民殺戮…の猶予を与えるだけの政治的陰謀」と非難し、拒否すると発表した。

また、アサド政権による化学兵器使用に対して国際社会が実質的な対応をとれなければ、「イラン、北朝鮮、ヒズブッラーなどのテロ組織は、こうした兵器の密輸、製造、使用の青信号とみなすだろう」と警鐘を鳴らした。

シリア政府の動き

オリエント・ネット(9月11日付)は、シリア国外に去ったアリー・ハビーブ元国防大臣に関して、「出国前は刑務所に収監されており、アサド政権へのロシアの圧力によって出国した…。離反による脱出ではない」と報じた。

同報道は、自由シリア軍のハーリド・ハンムード中佐からの情報として、ハビーブ元国防大臣は「シリア革命」への対応をめぐって、アサド大統領と対立、マーヒル・アサド准将の進言を受けて、刑務所に収監されていたと伝えた。

またハンムード中佐によると、ハビーブ元国防大臣が収監されていたのは総合情報部第211課の拘置所で、そこにはフサイン・ハルムーシュ大佐も収監されていたという。

**

在欧のクルド人活動家のサラーフ・バドルッディーン氏は、トルコ紙『ミッリ・ガゼテ』(9月11日付)に、トルコのPKKが、クルド人戦闘員約3,000人をシリア国内に派遣することを決定し、アサド政権の承諾を得た、と述べた。

このうち1,500人がシリア出身のクルド人、のこる1,500人がイラク、イラン、トルコ出身だという。

**

『ハヤート』(9月12日付)によると、マアルーラー市での戦闘に関して、アサド政権支持者らがフェイスブックなどで聖タクラ修道院長のビーラージヤー・サイヤーフ女史を「テロリストの共謀者」、「反逆とテロ」に荷担したと厳しく批判していると報じた。

サイヤーフ女史は、自由シリア軍がマアルーラー市で殺戮・破壊を尽くしているとのシリア政府側の主張を否定していた。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ロシアからの帰路、レバノンでアドナーン・マンスール暫定外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

NNA(9月11日付)によると、ムアッリム外務在外居住大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案、およびシリア政府の対応などをマンスール外務大臣に説明したという。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、AFP(9月11日付)によると、反体制武装集団が撤退を宣言したマアルーラー市で、軍と市民から構成される国防隊(義勇軍)が掃討作戦を継続した。

治安筋によると、マアルーラー市はまだ完全に奪還されておらず、市内の複数カ所で「病巣」の摘出を続けているという。

シリア人権監視団によると、スバイナ町、ダーライヤー市、ジャイルード市郊外、ドゥーマー市郊外、ヤブルード市郊外、ナブク市郊外を軍が砲撃し、4人が死亡した。

またムライハ市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月11日付)によると、マアルーラー市で、シャームの民のヌスラ戦線の掃討を続ける軍が大いに進軍し、中心街の広場、聖タクラー修道院に到達、数十人の戦闘員を殲滅した。

またマアルーラー市北部のラアス・アイン市、サルハー村でも、軍は反体制武装集団を追撃、戦闘員8人を殺害、20人を負傷させた。

このほか、ザマルカー町、バハーリーヤ市郊外、サイル・サルマーン市郊外、ドゥーマ-市郊外、カースィミーヤ市郊外、ズィヤービーヤ町、ザバダーニー市東方の山間部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バザーブール村、カフルラータ市、アルバイーン山、タフタナーズ市を軍が砲撃、またアルバイーン山、ハーミディーヤ航空基地周辺で反体制武装集団と交戦した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がマクサル・ヒサーン村でアラウィー派の村人12人を殺害した。

同監視団によると、これを受けて、軍が同村を空爆し、ヌスラ戦線と交戦し、戦闘員多数と軍兵士2人が死亡したという(シリア人権監視団は12日、マスカル・ヒサーン村での死者数は22人に上ったと発表した)。

一方、SANA(9月11日付)によると、軍がマスカル・ヒサーン村で反体制武装集団の掃討を完了し、の治安を回復した。

同通信社によると、マスカル・ヒサーン村は、これに先立ち、村人12人を虐殺したという。

またヒムス市カラービース地区、クスール地区、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガースィビーヤ村、タルビーサ市、バイト・ハッジュー市、ウユーン・フサイン村、シンダーヒーヤ市、アブー・キッラ・ダム西部などで、軍は反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、マトラース村を何者かが襲撃し、一家4人を殺害した。同監視団によると、マトラース村の住民はスンナ派のトルクメン人だという。

**

ダイル・ザイル県では、シリア人権監視団によると、マリーイーヤ村の軍が拠点として使用している学校で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、また軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月11日付)によると、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ユーフラテス自由人大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアトマーン村の軍高射砲大隊基地と歩兵中隊基地を制圧した。

一方、SANA(9月11日付)によると、インヒル市、東ガーリヤ町、西ガーリヤ村、ラジャート高原、ナワー市、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、リビア人、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月11日付)によると、バルザ区で軍が進軍を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月11日付)によると、バーブ市北部、カブターン・ジャバル村、フライターン市東部、ダーラ・イッザ・アレッポ街道で、トルコから大量の武器・弾薬を密輸しようとしていた反体制武装集団を殲滅、装備を破壊した。

またハーン・アサル村、ブンヤーミーン村、クッバト・シャイフ村、クワイリス村、アレッポ市アーミリーヤ地区、ジュダイダ地区、旧市街で軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(9月11日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村からフドル市に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退、殲滅した。

**

ハサカ県では、SANA(9月11日付)によると、シャッダーディー市、タッル・ハミース市、ウンム・トゥワイナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して「我々は米国大統領とG20サミットに際して議論し…、この動きを活性化させることで合意した…。それぞれの外務大臣に連絡を継続し、この問題の解決に至るよう支持した」と述べた。

そのうえで「こうした動きはある一つの状況において、実質的意義を獲得し、実施可能となる。すなわち、我々が米国、そして米国を支持するすべての国々にシリアに軍事力を行使する計画を断念すると耳にした時である」と強調した。

なおシリア政府による化学兵器保有に関して、プーチン大統領は「イスラエルの核兵器に対抗して…、シリアが化学兵器を保有していることは周知のことだ」と述べた。

**

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「2年にわたり、アサドを制裁しようとする国連の試みを凍結してきた(ロシアが)…建設的な役割を果たしているようだ」と評価しつつ、「シリアが行う誓約に関して懐疑的である…。アサド政権は、ことが誓約の尊重に関わると、あまり信用できない」と述べた。

**

米上院は、シリアへの軍事攻撃に関する決議案の審議を来週まで延期することを決定した。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「あらゆる道を探る」と述べ、外交的解決を目指すとの方針を示した。

またオランド大統領は「化学兵器を使用したアサド政権に対する制裁の準備は整っている」と付言、米国とともに軍事攻撃の可能性を維持することを明らかにした。

**

中国外交部報道官は記者会見でシリア情勢に関して「国連安保理でのいかなる措置も、すべての当事者の協議を通じて達せされるコンセンサスに基づかねばならず、シリアの緊張緩和に資さねばならないと考える。また同国、そして地域の平和と安定の実現に役立ち、政治的解決の実現を支援するものでなければならない」と述べた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は欧州議会で、シリア情勢に関して「必要なのは化学兵器の使用に関する問題に対処することだけではなく、問題そのもの正常化だ」と述べた。

**

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄をめぐる動きへの支持を表明するとともに、アサド政権に化学兵器禁止条約に加盟するよう強く求めた。

AKI(9月11日付)が報じた。

**

イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師は、バラク・オバマ米大統領がシリアへの軍事攻撃の事実上の見送りを発表しことに関して、「シリアへの米国の新たなアプローチが真摯なものとなり、政治的ゲームにならないことを希望する」と述べた。

**

イスラエルのシモン・ペレス大統領は、記者団に対して、バラク・オバマ米大統領がシリアへの軍事攻撃の事実上の見送りを発表したことに関して「外交的措置によっていかなる結果がもたらされようと、戦争よりはましだ。しかし問題の中心は今やシリア政府の信頼性にある…。シリアが誠実で…化学兵器廃棄に向けた真のステップを踏むのであれば、米国は攻撃しないだろう。もしシリアの信頼に疑わしい点があれば、間違いなく米国は軍事的行動をする。後戻りはできない」と述べた。

**

トルコ外務省報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「それ自体として前向きな進展だ」として歓迎の意を示しつつも、アサド政権がこうした合意を遵守することに「懐疑的」だと述べた。

またアブドゥッラ・ギュル大統領は「問題は化学兵器に限られない」と述べ、シリアの紛争が終息しないことに遺憾の意を示した。

**

アラブ連盟は代表者会合を開き、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「ロシアのイニシアチブブを成功させるための必要な措置を講じる」ことを希望するとの認識で一致した。

**

ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、「私は親愛なる国人に、懸念したり、恐れたりする必要はないとして安心させたい。我々の姿勢は明確である。我々は包括的な政治解決を望んでいる」と述べた。

**

イラク外務省は声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「このイニシアチブは危機の軍事的緊張と激化を軽減する」と支持を表明した。

**

シリア情勢に関する国連人権理事会の独立調査委員会は、シリア国内での人権侵害、戦争犯罪に関する最新の報告書を公表した。

同報告書は、周辺諸国での聞き取り調査・証拠など258件をもとに、2013年5月15日から7月15日にかけての被害についての調査を行った。

この時期の化学兵器使用に関して、報告書は「政府軍によるものとの主張がほとんど」だと指摘し、化学兵器攻撃に関して「化学兵器を使用した者の責任を追及し、訴追することが重要」との見解を示した。

また報告書は、反体制勢力のなかでサラフィー主義者が穏健な勢力を上回る影響力を確保していると分析、大量虐殺に関する報告のうち、軍によるとされるものが8件、反体制武装集団によるとされるものが1件あることを明らかにした。

そのうえで「この紛争に軍事的解決はなく…、ジュネーブ合意(2012年6月)の原則に基づく政治解決こそが和平に至る唯一の道である」と力説した。

**

国連人道問題調整事務所はダマスカス郊外県で60万人が人道支援を必要としていると発表した。

**

米国務省のジェン・サキ報道官は、ジュネーブで12、13日に予定されているジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の会談に関して、「(シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの)提案が真摯なものかどうかを見極め、化学兵器を特定し、検証・確保したうえで、最終的に廃棄するしくみについて協議する」と述べた。

またサキ報道官はロシア側から、シリアの化学兵器を国際管理下に置くための計画案を受け取ったことを明らかにしたうえで、「詳細な計画というよりは、アイデアと呼ぶべきものだ。詳細は(ジュネーブで)協議する」と述べた。

さらに、シリアでの化学兵器使用をめぐる問題の外交解決について「当然、それなりの時間がかかる」と述べた。

**

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「アサド政権から化学兵器を確実に奪い取れねばならない」と述べた。

**

『ワシントン・ポスト』(9月11日付)は、米国およびシリアの複数の消息筋の話として、CIAが2週間前にシリアの反体制勢力への武器供与を始めていたと報じた。

AFP, September 11, 2013、AKI, September 11, 2013、al-Hayat, September 12, 2013, September 13, 2013、Kull-na Shuraka’, September 11,
2013, September 12, 2013、Kurdonline, September 11, 2013、al-Nahar, September 11, 2013、Naharnet, September 11, 2013、NNA, September 11, 2013、Reuters,
September 11, 2013、Rihab News, September 11, 2013、SANA, September 11, 2013、UPI,
September 11, 2013、The Washington Post, September 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアが化学兵器の国際管理・廃棄に関連するロシアのイニシアチブに同意したことが明らかになるなか、オバマ大統領はこの外交的解決策を支持しつつシリアへの軍事攻撃を当面見送るとの方針を示す(2013年9月10日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏は、AKI(9月10日付)に、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案にワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が歓迎の意を示したことに関して「シリア政府と米国に取引があったのではなく、強力な軍事攻撃で背骨が折られるのを政権が回避しようとする無駄な試みに過ぎない」と述べた。

またマアルーラー市での攻防に関して、ミスリー氏は、「シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国を駆り立てて、キリスト教の町マアルーラーを襲撃させ…、シリアのマイノリティの恐怖を煽り…、シリア革命に対する西側世論の反感を高め、(シリアには)革命ではなくテロリストがいるとの念を広めようとしている」と主張した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案を「政治的陰謀…、シリア国民のさらなる死と流血を招くだろう」と非難し、「国際法違反はその規模に応じた真の国際社会の制裁を必要としている」と述べ、米国の軍事攻撃を求めた。

**

『ハヤート』(9月11日付)によると、カラムーン解放戦線と自由シリア軍の各部隊はビデオ声明を出し、「流血を避けるため、我々は政権とそのシャッビーハがマアルーラー市に入らないことを条件に、同市の中立化を宣言する」と発表し、撤退の用意があるとの意思を示した。

**

離反士官のザーヒル・サーキト准将は、クッルナー・シュラカー(9月10日付)に、アサド政権が米国の軍事攻撃に備えて、化学兵器を都市の住宅地区に隠す一方、一部をヒズブッラーの武器庫に移動させたと主張した。

**

反体制組織のアラブ社会民主主義バアス党の重鎮、イブラーヒーム・マーフース氏(88歳)が、亡命先のアルジェリアで長い闘病の末死去した。

**

反体制サイトのクッルナー・シュラカー(9月10日付)は、SNSでの書き込みの情報として、ダマスカス県のカシオン山で、キャンプを張って米国の軍事攻撃に対する抗議行動を行っていた男女24人が、「集団セックス」に興じたとの理由で、逮捕された、と報じた。

シリア政府の動き

CBSのチャーリー・ローズ記者が8日に行ったアサド大統領とのインタビューの映像が放映された。

インタビューのなかでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「米政権の高官らから過去2週間にわたって我々が耳にしてきた嘘に対して、我々は最悪の事態を予想しなければならない…我々はあらゆる可能性について準備している。しかし、備えあれば憂いなしという意味ではない。馬鹿げた空爆や馬鹿げた戦争で事態はもっと悪くなろうとしているからだ…。最初の空爆でどのような反響が生じるかなど誰も話すことはできない…。この絡み合う地域…のどこかに空爆すれば、予期していなかった別の場所で、別のかたちで反響が生じる…。反響は時として空爆そのものよりも破壊的なこともある。米国の空爆は、テロリストが破壊したほどにシリアで破壊をもたらさないだろうが、その反響は空爆の倍になるかもしれない」。

「どのような空爆であれ、アル=カーイダの分派であるいわゆるヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国を直接支援することになる」。

(化学兵器の使用に関して)「我々はいかなる大量破壊兵器にも反対だ」。

(化学兵器禁止条約への未加盟に関して)「まだ加盟していない…。なぜならイスラエルが大量破壊兵器を保有しているからだ。イスラエルは(条約に)署名しなければならない。またイスラエルは我々の領土を占領している。我々はシリアでも、イスラエルでもなく中東について話さねばならない。包括的であるべきなのだ」。

(化学兵器の保有に関して)「我々は持っていると言ったことはない。持っていないとも言ったことはない。これはシリアの問題だ。誰かに公に話すことができない軍事的な問題だ…。しかしメディアが言っていることに依拠するのはナンセンスだ。諜報機関の一部報告に依拠することもナンセンスだ。それは10年前に彼らがイラクを侵略したときに証明済みだ」。

「(シリア)政府が化学兵器を使ったと彼ら(西側)が言っている地域では、ビデオ映像があるだけだ。写真、そして(化学兵器が使用されたという)主張があるだけだ。我々の軍、警察は…そこにはいなかった。証拠もないのにどうして起こったと言えるのか?我々は米政府でも、ソーシャル・メディアとは違って…、現実に対処しなければならない政府なのだ。我々は証拠を得れば、それについて発表する」。

「彼(ジョン・ケリー米国務長官)は、自分の確信を示しただけだ…。これに対して、ロシアは(化学兵器を装填した)ミサイルが反体制集団の支配地域から撃たれたというまったく逆の証拠を持っている」。

「何よりもまず、彼ら(反体制武装集団)は、ロケット弾を持っている。彼らはロケット弾を数ヶ月にわたってダマスカスに撃ち込んでいる…。彼らには(化学兵器を装填する)手段がある…。次に、彼らが過去数週間云々しているサリン・ガスは、非常に原始的なガスだ。裏庭でも作れる。複雑なものではない…。第3に、彼らはシリア北部のアレッポ県で化学兵器を使用した。第4に、ユーチューブにはテロリストがウサギを使って実験し…「こうしてシリア人を殺しているんだ」と言っている映像がアップされている。第5に、「彼ら(反体制武装集団)は私たちにどうやって化学兵器を使うかを説明しなかった」と証言する…女性(協力者)の新しいビデオもアップされている…。これが我々の持っている証拠だ。いすれにせよ、人を非難するには、証拠を示さねばならない。米国はシリアを非難しているだけだ…。空爆でどうして(化学兵器使用の)証拠が隠蔽できるのか?技術的には、空爆は何の役にも立たない。はっきり言って馬鹿げている…。自分の軍が100メートルしか離れていないのにどうして大量破壊兵器を使うことができるのか?論理的か?そんなことは行われない。軍事について知らない人でもこのことは知っている。進軍中に化学兵器をどうして使うのか…?」。

(軍の一部ないしは第三者が化学兵器を使用したとの指摘に関して)「こうした兵器は歩兵などが取り扱うことはできない。こうした兵器は特殊部隊が取り扱うべきもので、誰の手にもわたるものではない」。

「オバマが自分でレッドラインを引いただけだ…。我々には我々のレッドラインがある…。もし世界のレッドラインについて語るのなら、米国はイラクで劣化ウランを使い、イスラエルはガザで白リン弾を使ったが、誰も何も言わなかった。どういうレッドラインだ?レッドラインなどではない。政治的なレッドラインだ」。

「我々は地域で狂った戦争が起こるのを阻止するために何でもするだろう。シリアだけではなく、シリアで始まる戦争だからだ」。

「イランはシリア国内に兵を置いていない…。(武器供与は)危機発生以前からの話で、我々はこうした協力を常に行っている…。(ヒズブッラーは)自らが自衛し、我々と協力したいと考えている対レバノン国境にいるが、シリア全土にはいない」。

「シリアのすべての友人が平和的解決を探求している…。まず…テロリストが外国から潜入すること、その資金・兵站支援などを止めることから始められるべきだ…。そのうえで、次にさまざまなシリアの当事者がシリアの未来を議論するための…国民対話を行うことができる。第3に、暫定政府、ないしは移行期政府を作り、そのうえで議会選挙…、さらには大統領選挙を行う」。

(米国がシリアへの軍事攻撃に踏み切った場合)「あらゆることが起きて然るべきだ。この地域には今、様々な党派、さまざまなイデオロギーがある。だからそう予期しなければならない…。もしこの地域の反乱分子やテロリスト、ないしはそれ以外のグループが(化学兵器を)持っていれば、そうしたこと(化学兵器攻撃)は起こり得る。私には分からないが。私は何が起きるかを話せる予言者ではないので」。

「我々は、たとえば(反体制武装集団の)80%、ないしは圧倒的多数が外国人だなどとは言っていない。我々は、大多数がアル=カーイダ、ないしはその分派である組織だと言ったのだ。アル=カーイダだと言うとき、それがシリア人か、アメリカ人か、欧州出身者か、アジア・アフリカ出身者かは問題ではない…。我々は多数派がシリア人でないなどとは言っていないが、少数派がいわゆる「自由シリア軍」だと言ったのだ」。

「(シリアの紛争は)宗教戦争ではない。しかしアル=カーイダはいつも宗教、つまりはイスラームを自分たちの戦争、テロ、殺戮などのための口実として利用している」。

「(紛争長期化は)外国の干渉ゆえだ。米国、西側諸国、サウジアラビア、そしてつい最近まではカタール、そしてトルコなどに支えられた外的アジェンダがあるためだ。だから2年半も続いている」。

「もし米国政府がアル=カーイダを支援したいのなら、そうすればいい。我々が彼らに言うべきは、アル=カーイダを支援しろ、だが、反乱分子や自由シリア軍について云々するな、ということだ。戦闘員の大多数は今やアル=カーイダだからだ。戦闘員を支援したいということは、つまりはアル=カーイダを支援するということだ。この地域に大惨事をもたらすということだ。この地域が安定しなければ、世界も安定はしない」。

(どのように紛争が終わるかとの問いに対して)「非常に単純だ。西側諸国がテロリストへの支援を止め、操り人形のような国、例えばサウジアラビア、トルコなどに圧力をかければ、シリアには何の問題も生じないだろう。簡単に解決する。なぜなら、あなた方が話題にしているシリア人の戦闘員は、シリア社会にその「培養器」を失っているからだ。だから彼らは外国で「培養」されているのだ。彼らは外国からの資金を必要とし、道徳的、政治的支援を必要としている。彼らにはいかなる草の根もなく、「培養器」もない。潜入を止めれば、問題はなくなる」。

(ロシア、イランの支援に関して)「私が支援を受けているのではない。シリアすべてだ。あなたの国(米国)と世界のそれ以外の国の協力関係と同じだ…。また外国の支援は国内の支援の代わりにはならない…。2年半我々が耐えている唯一の理由は、我々が国内の支持、大衆の支持を得ているからだ」。

「ここ(国内)で(革命を)始めた人々は、反乱分子と戦う政府を支援している。革命を欲していた人々は我々に協力している」。

「テロリストが占拠している地域で我々が最近目にしているものというと、彼らは人々が学校に通うことを禁じ、若者がひげを剃ることを禁じ、女性に頭からつま先まで隠すよう強いている。アフガニスタンのターリバーンとまったく同じスタイルだ…。こうしたテロリスト、過激派、ワッハーブ・スタイルを排除しなければ、次の世代に悪影響を及ぼすだろう」。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、モスクワでロシア下院のセルゲイ・ナルイシキン議長と会談し、シリア情勢、両国関係などについて協議した。

ムアッリム外務在外居住者大臣は、9日のセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談で、米国の攻撃の口実をなくすためにロシアが示したイニシアチブ(化学兵器の国際管理・廃棄)に同意したと述べた。

また会談に先立って、ムアッリム外務在外居住者大臣は、学兵器が配備されている場所をロシアに開示する用意があると述べるとともに、化学兵器禁止条約に加盟したいと述べた。

SANA(9月10日付)が報じた。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、モスクワでのイランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン国際問題担当国務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談で、ムアッリム外務在外居住者大臣とアブドゥッラフヤーン国務大臣はともに、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案への歓迎の意を改めて示した。

**

ワーイル・ハルキー首相は閣議で、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関連して「戦争回避をめざす国際社会のさまざまな政治的イニシアチブに協力する用意がある」と述べ、歓迎の意を示した。

SANA(9月10日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市南部、ナブク市郊外を激しく砲撃し、ムウダミーヤト・シャーム市では反対武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ザバダーニー市東方の丘陵地帯タッラト・ラーキムで、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地を制圧した。

また軍はマアルーラー市周辺一帯で、シャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、ラアス・アイン市、サルハ市などで複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アルバイン市、カースィミーヤ市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市、ダイル・サルマーン市、ムウダミーヤト・シャーム市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の国立病院の検問所周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、ヤードゥーダ村、アトマーン村を砲撃した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ナワー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマスウーディーヤ村、ジュッブ・ジャラーフ村、マスカル・ヒサーン村近郊に結集し、村々を迫撃する一方、軍が応戦し、反体制武装集団を砲撃した。また同地一帯で、軍と国防隊が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月10日付)によると、タドムル市で旅客バス5台を使ってガソリンを密輸しようとしていた密輸業者を摘発、ガソリン1,700リットルを押収した。

またヒムス市ワアル地区、ワーディー・サーイフ地区、カラービース地区、サムリール市、ダール・カビーラ村、タルビーサ市および同市郊外、シーハ村、ルワイス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、タイバト・イマーム市とハラファーヤー市間の街道にあるジスル検問所で軍と反体制武装集団が交戦し、市民9人が死亡した。

戦闘は隣接するハムラー村でも発生した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市で、イラク・シャーム・イスラーム国のバフタリー学校からの退去を求める住民のデモが繰り返されるなか、市民の代表がイラク・シャーム・イスラーム国戦闘員との交渉を行った。

しかし同日午後には、軍がイラク・シャーム・イスラーム国の拠点である同学校を空爆、また夜にはイラク・シャーム・イスラーム国がシリア人の反体制武装集団と交戦し、複数が死傷した。

複数の活動家によると、イラク・シャーム・イスラーム国は、ドゥワイリーヤ村、クワイリス航空基地周辺からのシリア人反体制武装集団の撤退を条件に、バフタリー学校を含むバーブ市内の拠点を明け渡すとの姿勢を示しているという。

このほか、アレッポ市ではサラーフッディーン地区を軍が砲撃した。

またシャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区では、民主統一党人民防衛隊とクルド戦線旅団が交戦し、双方に死傷者が出た。

一方、SANA(9月10日付)によると、キンディー大学病院周辺、ナイラブ・キャンプ北部、バナーン村、バーブ市、アウラム・スグラー・アターリブ街道、アナダーン市・フライターン市街道、ラスム・アッブード村、ターディフ市、カースィールー村、クワイリス村、バヤーヌーン町、アレッポ市ジャンドゥール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山各所、サラーキブ市、バザーブール村、カフルラーター市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃、反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ジャフタルク村、ハーッジ・ハンムード村、ウンム・ジャリーン村、ラスム・アーイド村、タッル・サラムー村、タッル・カースィム村、マジャース村、カフルラーター市、バザーブール村、アルバイーン山、サルジャ村、マンタフ市、ラーム・ハムダーン市、イフスィム町、タラブ市、ハーッス村、イブリーン村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、『ハヤート』(9月11日付)が、シャリーア委員会(シャームの民のヌスラ戦線)に属する武装集団とイラク・シャーム・イスラーム国が、アレッポ県への石油の密輸をめぐって緊張を高めていると報じた。

**

ダマスカス県では、SANA(9月10日付)によると、バルザ区、ジャウバル区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月10日付)によると、アイン・アラブ市、カンダースィーヤ村、ダルーシャーン村、リーハーニーヤ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、リビア人、クウェート人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月10日付)によると、バジャーリーヤ村、カーミシュリー・タッル・ブラーク街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ジャディード・チャンネル(9月10日付)によると、北部県アッカール郡アッブーディーヤ村郊外の対シリア国境に近い高速道路、ワーディー・ハーリド地方バニー・シャクル村の民家に、シリア領から何者かが発砲した。死傷者はなかった。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する提案について「シリア側とともに、ロシアのイニシアチブを実施するための具体的な計画を準備するために動いている…。計画実施に向けた行動は国連、安保理メンバー、化学兵器禁止機関の協力のもとに行われるだろう」と述べた。

また「化学兵器を国際管理下に置くイニシアチブを実施しようとする活動は、シリアの化学兵器使用に関するすべての情報を調査する必要を排除するものではない」と付言し、国連調査団による活動継続し、その超過結果を国連安保理で回付・協議すべきだとの見解を示した。

『ハヤート』(9月11日付)が報じた。

**

バラク・オバマ米大統領はCBSなど米国のテレビ局6社との個別インタビューに応じ、シリア情勢への対応について説明した。

そのなかでオバマ大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「この外交解決策を追求する。非軍事的な方法で解決できることを切に願っている」と述べた。

ただし、ロシアの提案に応じるにあたっては「我々が検証し、実施できる合意」が必要になるとの認識を示し、「向こう数日かけて、真剣な提案かを見極めたい」と付言した。

さらにアサド政権に「圧力をかけ続ける必要がある」と述べ、シリアへの軍事攻撃の準備は続ける考えを示した。

また、ロシアの提案が実現すれば「もっとも中心にある懸案は解決される」として、軍事攻撃が「確実」に回避されると述べた。

オバマ大統領によると、シリアの化学兵器廃棄については、6日にロシアのサンクトペテルブルグでのG20サミットで、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と議論していたという。

なおオバマ大統領はPBSテレビとのインタビューでは、シリアへの軍事攻撃に関して「米国民の過半数の支持が得られるか分からない…。私の家族も、いかなる軍事行動にも慎重で疑わしく思っている」と吐露していた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案を受けて、国連憲章第7章に基づいた決議案を国連安保理に提出すると発表した。

ファビウス外務大臣によると、決議案は以下5点を骨子とする。

1. 8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃をアサド政権によるものと断じて非難。
2. アサド政権による化学兵器計画の即時開示。化学兵器の国際管理と廃棄。
3. 化学兵器禁止機関によるシリア国内の査察。
4. シリア政府による決議不履行が、「深刻な結果」を招くとの警告。
5. 化学兵器使用の責任者の国際刑事裁判所での訴追。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、フランスのローラン・ファビウス外務大臣と電話会談し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に対して、国連憲章第7章に基づいた国連安保理決議の採択をめざすとしたファビウス外務大臣の姿勢を「受け入れられない」と拒否した。

これに対して、フランス外務省報道官は、ラブロフ外務大臣が「目を通す前に決議(案)の文言を拒否したことに驚いている」としつつ、「大原則と目的を維持する限りにおいて、決議案を修正する準備がある」と述べた。

シャームプレス(9月11日付)が報じた。

**

英国政府報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関して「際限のないプロセスであってはならない」と警鐘を鳴らしつつ、「もし真剣な真の提案だとしたら、我々はそれを奨励する。「もし」という言葉を強調するが」と述べた。

**

中国外交部報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「提案がシリアの緊張状態の改善に資するのであれば、シリアと地域の平和と安定の維持に役立つものであり、政治的解決にも役立つものである。国際社会は建設的にこの提案を検討しなければならない」と述べた。

**

安部晋三総理大臣は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話で会談し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「前向きなものと評価し、支持する。シリア政権の真摯な対応の有無などを注視していく」と語ったことを明らかにした。

これに対してプーチン大統領は「シリア側に(提案受け入れを)働きかけており、一定の進展があるところだ」と答えたという。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「歓迎する」と述べた。

**

欧州委員会は、レバノンに避難したシリア人避難民に対して5,800万ユーロ相当の人道支援を行うと発表した。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に対して「連盟は当初から政治的解決を求めていた」と発表、支持を表明した。

**

イランのハサン・ロウハーニー大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関連して「イランはシリアに対する戦争回避に集中している…。戦争回避の望みは、過去数日で強まっている」と述べた。

イラン外務省報道官「ロシアの提案は地域の軍国主義を排する枠組みになる」と述べ、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案への支持を表明した。

**

『ハヤート』(9月11日付)によると、パレスチナのガザ市で、米国が準備するシリアへの軍事攻撃に反対するデモが行われ、数百人が参加した。

デモはPFLP、DFLP、バアス党などが主催、参加した。

**

AFP(9月10日付)は、8日に釈放されたイタリア人記者のドメニコ・キリコ氏とベルギー人教師のピエール・ピッチナン氏がイタリアに無事帰国し、反体制武装集団に拘束されていた間の経験をイタリア日刊紙(『ラ・スタンパ』)に語ったと報じた。

それによると、両氏は拘束中、殴打され、十分な食事も与えられず、また「模擬処刑」まで受けたという。

またキリコ氏は、ダマスカス郊外県での8月21日の化学兵器攻撃に関して、「私たちが拘束されていた部屋の半開きのドア越しに、身元不明の3人がスカイプを使って英語で話しているのを聞いた。会話のなかで3人は…(21日の)化学兵器攻撃について、反体制勢力が欧米の軍事介入を誘発するために行った、と話していた…。この会話が事実に基づいたものなのか、単なるうわさなのかは、私には分からないが」と明かした。

一方、ピッチナン氏によると、2人は「自由シリア軍」によって拘束されたのち、「アブー・アンマール旅団」を名乗る組織に引き渡され、同組織は「イスラーム主義者というよりは、盗賊に近い」ものだったという。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃疑惑に関する報告書を発表し、スカイプでの現地住民・医師らとのインタビュー、衛星画像、GPSデータ、専門家の意見などをもとに、「(シリア)政府軍によって化学兵器攻撃が行われたと強く示唆する(strongly suggest)」との見解を示した。

http://www.hrw.org/reports/2013/09/10/attacks-ghouta

**

バラク・オバマ米大統領はホワイト・ハウスで国民向けの演説を行い、ロシアとの協力を通じた外交的解決を模索し、シリアへの軍事攻撃を当面見送るとの方針を示した。

オバマ大統領はシリアへの軍事攻撃の正当性に関して、「米国や国際社会が行動しなければ、アサド政権は化学兵器を使い続け、ほかの独裁者も使用をためらわなくなる。米軍は戦場で危険にさらされ、テロリストの攻撃も容易になる。私は米国の安全保障に関わる問題だと判断し、軍事行動を決め、議会に諮ることにした」と述べた。

また「イラクやアフガニスタンでの戦争後、いかなる軍事攻撃も支持されないことは分かっている。米国が世界の警察であるべきでないという意見にも同意する。地上戦を行う気も、泥沼に陥るつもりもない。アサド政権に打撃を与え、化学兵器を抑止するために標的を絞った攻撃なのだ」と付言した。

しかし「(米国の)軍事行動の脅威とロシアのプーチン大統領との建設的な対話によって、ここ数日、前向きな動きが出た」と主張、「ロシアが化学兵器放棄を促し、アサド政権も化学兵器保有を認め、化学兵器禁止条約に加盟すると言っている…。この提案が成功するか判断するのは時期尚早だ。だが、(この提案には)軍事力を使うことなく化学兵器の脅威を取り除く可能性がある」と述べた。

そのうえで「私は外交的解決を探る間、議会指導部に軍事攻撃承認決議案の採決延期を求めた」ことを明らかにした。

また「露中とも相談しつつ、米英仏は協力して、アサド政権に国際管理下で化学兵器の放棄・破棄を求める決議案を国連安保理に提出する」との方針を示した。

一方、軍事攻撃に関しては「米軍には、アサド政権に圧力をかけるため、現在の体制を維持し、外交(努力)が失敗した際に対応できるよう支持した」と述べた。

AFP, September 10, 2013、AKI, September 10, 2013、CBS, September 10, 2013、Champress, September 10, 2013、al-Hayat, September 11, 2013、al-Jadeed, September 10, 2013、Kull-na Shuraka’, September
10, 2013、Kurdonline, September 10, 2013、Naharnet, September 10, 2013、Reuters,
September 10, 2013、SANA, September 10, 2013、UPI, September 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外相が露外相との会談後の記者会見のなかで「軍事シナリオはテロリストに資するだけ」と警鐘を鳴らすなか、米国務長官は「シリア政府への攻撃をやめる唯一の道がある」と公言(2013年9月9日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、シリアの化学兵器の国際監視・廃棄に関するロシアの提案にシリア政府が歓迎の意を示したこと(後述)に関して、ジャズィーラ・チャンネル(9月9日付)で、「我々は攻撃を求めている。国際社会に(アサド)政権が大嘘つきだと言っているのだ。プーチンが彼らに嘘を教えている。プーチンも大嘘つきだ」と述べた。

**

『ハヤート』(9月10日付)は、トルコのガズィアンテップ市で、「解放区」の自治評議会の代表らが集まり、サラフィー主義者の暗躍への対応を協議するためのワークショップを開催したと報じた。

同報道によると、ワークショップでは、サラフィー主義者の台頭に対抗するために市民意識を高める必要などが確認されたという。

**

自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐は『シャルク・アウサト』(9月9日付)に、自由シリア軍が軍・政権幹部を「逮捕」するための「コマンド師団」を結成したと述べた。

サアドッディーン大佐によると、この師団は、10人の戦闘員からなる40部隊から編成されているのだという。

**

クッルナー・シュラカー(9月9日付)は、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表が、アラブ連盟緊急外相会合に関して、米国によるシリアへの軍事攻撃に対して明確に拒否の姿勢を示さなかったと非難したと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月9日付)によると、シリア人権ネットワークは、2011年3月以降、シリア各地のキリスト教会33カ所が破壊されたと発表した。

破壊された教会は、ヒムス県が10カ所、アレッポ県が7カ所、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が5カ所、ダイル・ザウル県が5カ所、ラタキア県が3カ所、イドリブ県が2カ所、ラッカ県が1カ所だという。

同ネットワークによると、破壊は軍による無差別な砲撃が主因で、教会だけでなくモスクも1,451カ所が破壊されているという。

**

クッルナー・シュラカー(9月9日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース事務局長が国連の潘基文事務総長に宛てた書簡を掲載した。

同書簡において、ジャームース事務局長は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について、「化学兵器廃棄を支持する」としつつ、アサド政権が「それ以外のさまざまな重火器でシリア国民を殺している…。国際社会はこうした武器も無力化しなければならない」と訴えた。

シリア政府の動き

CBSのチャーリー・ローズ記者が8日に行ったアサド大統領とのインタビューの映像の一部が放映された。

http://www.cbsnews.com/8301-202_162-57601902/bashar-assad-tells-charlie-rose-u.s-should-expect-every-action-in-response-to-syria-strikes/

インタビューのなかでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

(米国が準備する軍事攻撃に対するシリアの対応について)「あらゆることを予期すべきだ。(報復は)必ずしも(シリア)政府からだけでない…。シリアはこの地域における唯一のプレーヤーではない…。さまざまな党派がおり、様々なイデオロギーがある」。

(米国の攻撃に対する報復で化学兵器を使用するかとの問いに対して)「この地域の反乱分子やテロリスト、さらにはほかのグループが持っていれば…。そういうことは起きるだろう。私には分からない。私は未来を予言できないから」。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がモスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣らと会談した。

ムアッリム外務在外居住者大臣には、ファイサル・ミクダード副大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官が同行した。

会談後の共同記者会見で、ラブロフ外務大臣は、米国が準備するシリアへの軍事攻撃をいかに回避するかを集中的に協議したとしたうえで、「軍事シナリオはテロリストに資するだけで、それが行われれば、人道状況の悪化をもたらし、さらなる避難民を発生させる」と警鐘を鳴らした。

そのうえで軍事シナリオを阻止する必要があると強調し、「ジュネーブ2会議を通じた政治的関係正常化への努力を推進」すると述べ、シリアの紛争の政治的解決をめざす意思を改めて示した。

外相会談で何が行為されたかとの記者の質問に対して、ラブロフ外務大臣は「三つの点が合意された…。第1に、いまだ開催されていないジュネーブ2会議開催に向けた政治的活動の活発化。開催の遅れの理由は、シリアやロシアではなく、反体制勢力に参加するよう圧力をかけようとしない西側にある…。第2に、(化学兵器使用に関する)国連調査団がシリアに戻り再び活動できるよう働きかけること…。第3に、国際機関や国際社会の枠組みや二国間関係を通じてシリア国民に人道支援を継続的に供与すること」と答えた。

そして「シリア国民の見えないところでいかなる当事者とも取引はしない」と断言した。

これに対して、ムアッリム外務在外居住者大臣は、サンクトペテルブルグでのG20サミットにおけるロシア側の対応に対するアサド大統領の謝意を伝えるとともに、米国が準備する「ダマスカスは、軍事攻撃の口実を退けるため、モスクワと全面協力し、シリア国民、そしてシリアの国を守る備えができている」と述べた。

また「ダマスカスは、化学兵器問題に関して、国連調査団を招き、調査を継続するための用意があるが、軍事攻撃が行われれば、別の対応をとることになる」との姿勢を示した。

さらにシリアがこれまでに国連事務総長宛てに400通の書簡を送り、「テロリストによる犯罪」の詳細を報告してきたが、「テロ非難のための国連での声明採択をめざすロシアの努力は米英仏の拒否により頓挫してきた」と非難した。

また「テロリストが化学兵器を使用したグータ地方の3カ所の調査を我々が求めた。しかし調査団は、これらの場所に向かうことなく撤収した。それゆえ、我々は調査団がシリアに戻り活動を続けることを歓迎する」と付言した。

米国が準備しているシリア軍事攻撃に関して、ムアッリム外務大臣は「(バラク・オバマ米政権は)、アル=カーイダ、そしてシャームの民のヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国といったその支持者のために攻撃を行おうとしている」としたうえで、「ワシントンはシリアをアル=カーイダの基地にして、近隣諸国にテロを輸出しようとしているのか?」と非難した。

そのうえで「米国民は欧州の大多数の諸国民とともに、こうした戦争に反対する意思を持っている」と述べ、「歴史は、戦争しようとする大統領ではなく、戦争の阻止に向けて努力するプーチン大統領が正しいと判断するだろう」と締めくくった。

**

クッルナー・シュラカー(9月9日付)は、反体制女性活動家がアブドゥルファッターフ・クドスィーヤ国民安全保障会議副議長(総合情報部第2次長)との電話での接触に成功し、クドスィーヤ副議長から、アサド政権が化学兵器を保有しており、それがドイツ・カタール系企業、サウジアラビア系企業によって供与されたことを明らかにしたと報じた。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のカラム・ルーズ地区、ワーディー・ザハブ地区、アクラマ地区で未明、反体制武装集団が交通警察所などを狙ってロケット弾3発を撃ち込み、警官11人が死亡、数十人が負傷した。

また同監視団によると、軍がヒムス中央刑務所の居房施設の一部に突入し、複数人が負傷した。死者が出たかどうかは不明。ただしクッルナー・シュラカー(9月10日付)は、軍の突入によって、27人の受刑者が死亡した、と報じた。

ヤザン・ヒムスィーを名乗る活動家によると、治安当局は数日前から、ヒムス中央刑務所の受刑者の一部を別の刑務所に移動させるなどして分散収容しようとしていたと述べ、軍が受刑者を米軍の軍事攻撃に対する「人間の盾」として利用しようとしているとの見方を示した。

またヒムスィー氏は、治安部隊が受刑者を移動させるために銃や催涙弾を発射し、一部が病院に搬送されたが、死者は出なかったと証言した。

これに対して、シリア革命反体制勢力国民連立は、「シャッビーハの一団」がヒムス中央刑務所内の暴動を弾圧したと発表し、アブドゥー・ユースフ刑務所長に弾圧の責任があると非難した。

一方、SANA(9月9日付)によると、ヒムス市の交通警察施設に対して反体制武装集団が迫撃砲3発を撃ち込み、警官11人が死亡、12人が負傷した。

またタッルドゥー市、タルビーサ市、ガントゥー市、ラスタン市、シャンダーヒーヤ村、ヒムス市カラービース地区、ワアル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市とハーリム市を結ぶ街道で、反体制武装集団が、軍、国防隊と交戦し、街道上の果物缶詰工場検問所を制圧した。

戦闘に参加した反体制武装集団は、サラーキブ革命家戦線旅団、イドリブ・タウヒード旅団、シャームの鷹旅団、シャーム自由人大隊、クドス・イスラーム連隊。

この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員8人と軍兵士・国防隊民兵12人が死亡したという。

またアルバイーン山、カフルラータ市、ムウタリム村、アブー・ズフール航空基地周辺、ザーウィヤ山一帯では、軍が空爆・砲撃を加え、ビンニシュ市とヒーシュ村周辺の森林を焼き撃った。

一方、SANA(9月9日付)によると、カーディリーヤ村、ジャーヌーディーヤ町、イドリブ市郊外の果物缶詰工場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市、ザフラー町に反体制武装集団が迫撃を行った。

アレッポ市では、シャイフ・サイード地区で、反体制武装集団が軍を襲撃、複数の兵士を殺害した。

またアシュラフィーヤ地区では、軍とクルド人戦闘員が交戦、ラーシディーン地区の化学研究施設に反体制武装集団が迫撃砲を撃った。

一方、SANA(9月9日付)によると、ハーン・アサル村、カブターン・ジャバル村、ナイラブ村北部、アレッポ中央刑務所周辺、ダーラト・イッザ市、フライターン市、クワイリス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アレッポ市ではサラーフッディーン地区、スワイカ地区、ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市西方で、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦、またヤルムーク区を軍が地対地ミサイルで攻撃した。

一方、SANA(9月9日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、クナイトラ市郊外で反体制武装集団がシリア空軍の准将を拉致・殺害した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月9日付)によると、軍がマアルーラー市から撤退したシャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、同市北部のラアス・アイン農場などで、その拠点を破壊、外国人戦闘員らを殺傷した。

またハラスター市、ドゥーマー市郊外、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ルハイバ市、バトラー村、ジャイルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ハラスター市郊外の建設会社施設を反体制武装集団が迫撃し、労働者5人が死亡した。

**

ハサカ県では、SANA(9月9日付)によると、タッル・ブラーク町とタッル・ハミース市を結ぶ街道で、軍が反体制武装集団の拠点を破壊、戦闘員を殲滅した。

**

ハマー県では、SANA(9月9日付)によると、アクラバート村、アブー・フバイラート村、ハルダーナー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はロンドンでウィリアム・ヘイグ英外務大臣と会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談後の記者会見で、ケリー国務長官は「バラク大統領も私も…シリアの紛争停止が政治的解決を要するということで完全に一致している。軍事的解決はない。この点で我々はいかなる幻想も抱いていない」としつつ、「行動しないことは、行動することによって生じる危険よりも大きい」の述べ、軍事攻撃が必要だとの立場を改めて示した。

また攻撃がシリア軍の能力を弱体化させ、化学兵器の再使用を阻止することに目的が限定されると指摘した。

その後、シリアへの軍事攻撃を回避することは可能かとの記者の問いに応えて、「シリア政府への攻撃をやめる唯一の道がある。それは1週間以内に、いかなる延滞もなく、すべての化学兵器を引き渡し、また引き渡しの確認を認めることだ…。これは実現しないし、実現は困難だろうが」と述べ、攻撃回避の条件を提示してしまった。

**

ケリー国務長官のロンドンでの発言の直後、米国務省は声明を出し、「ケリー国務長官は、アサドが保有を否定している化学兵器の引き渡すというあり得ない話についてレトリックとして議論していた」とし、「真実を…もてあそぶ野蛮な独裁者が化学兵器を引き渡すはずもなく、引き渡すのであれば、とっくにそうしていたはずだというのが真意だ」と発表した。

**

アサド政権が保有する化学兵器の国際管理・廃棄が武力攻撃中止の条件だとしたジョン・ケリー米国務長官のロンドンでの発言に、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は即座に反応、「シリアの指導部にシリアの化学兵器庫を国際監視下に置き、(化学兵器を)廃棄するだけでなく、化学兵器禁止条約に全面的に加盟するよう我々は呼びかけている…。シリア側からの早急で前向きな回答を望んでいる」と述べた。

**

その1時間後、ワリード・ムアッリム外務在外居住大臣は訪問先のモスクワで「シリア・アラブ共和国は、国民の生命、我々の国の治安を守りたいとのシリア指導部の姿勢を踏まえるとともに、我々の人民に対する米国の攻撃を阻止しようとするロシア指導部の英知を信頼し、ロシアのイニシアチブを歓迎する」との声明を発表した。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアの化学兵器の国際監視・廃棄に関するロシアの提案について、国連安保理での決議を通じて保障する意思を示したうえで、シリア政府に対して化学兵器の引き渡しと破壊に「迅速」に同意するよう求めた。

**

英国のデヴィッド・キャメロン首相は、シリアの化学兵器の国際監視と廃棄に向けた動きに関して「シリアが化学兵器の使用を止め、それが国際監視下に置かれれば、大きな前進だ」としつつ、「テーブルのうえにまだ乗せられていない問題を我々が議論して…、注意がそらされてしまわないよう気をつけねばならない」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器の国際監視・廃棄に関するロシアの提案について、「きちんと検討するに値する」としつつ、アサド政権側が延滞なく監視受け入れ・破壊を遵守すること、シリア政府が遵守しなかった場合の対応に関する国連決議の採択、化学兵器使用の責任者の国際刑事裁判所での裁判の3点を同意の条件として示した。

AFP(9月9日付)が報じた。

**

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、シリアの化学兵器の国際監視・廃棄に関するロシアの提案について、ARD(9月9日付)で「興味深い」と述べた。

**

エジプトのナビール・ファフミー外務大臣は訪問先のパリのエジプト大使館で記者会見を開き、シリア情勢などについてのエジプトの姿勢を説明した。

会談でファフミー外務大臣は「我々は化学兵器使用を非難し、それを使ったいかなる当事者も…例外なく、処罰を受けねばならないと考える」としつつ、「(エジプトの)国家安全保障は、国際法、すなわち国連憲章に依拠しており、力の行使や…制裁が国際法の仕組みに沿って…なされることを望んでいる」と述べた。

また「たとえ安保理が麻痺していても、その仕組みのなかで事態が捉えられ、国際の平和と安定に基づいて問題に対処されねばならない」と強調した。

さらにアサド政権との関係については「エジプトはシリアを含むすべての国々との関係を見直すだろうと述べた。なぜなら(6月に)革命が起こり、我々はエジプトが新たな段階を迎えたとの認識のもと、友好国、非友好国との関係を見直しているからだ…。我々はシリア国民が何を望んでいるかを注視している。体制転換するかどうかを問うことはしないが、新しいシリアが見たい」と述べた。

AFP, September 9, 2013、Aljazeera.net, September 9, 2013、CBS, September 9, 2013、al-Hayat, September 10, 2013、Kull-na Shuraka’, September 9, 2013, September 10,
2013、Kurdonline, September 9, 2013、Naharnet, September 9, 2013、Reuters,
September 9, 2013、SANA, September 9, 2013、al-Sharq al-Awsat, September 9, 2013、UPI, September 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン人民議会とシリア・クルド国民評議会がシリア北東部における自治構想をめぐって合意に至る、米国務長官はシリア情勢をめぐってアラブ諸国9か国の外相やアラブ連盟事務局長と会談(2013年9月8日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月9日付)は、クルド人高官らの話として、西クルディスタン人民議会(民主統一党)とシリア・クルド国民評議会が、クルド人が多く住むシリア北部および東部での自治構想に関して合意(http://www.rihabnews.com/?cat=29)したと報じた。

この自治構想は民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首が数週間前に提案したもので、合意締結後40日以内に暫定憲法草案を作成するための委員会を設置すること、すべての勢力が選挙実施のための暫定委員会に代表を輩出すること、憲法施行と選挙法制定を経て合同移行民主自治政府を樹立すること、などが定められている。

合意はハサカ県カーミシュリー市のクルド最高委員会の本部でなされた。

**

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官はAFP(9月8日付)に「我々は臨戦態勢にある。サリーム・イドリース参謀長は各戦線を訪問し、各地域の作戦司令室を統合した。(米国の)攻撃に対応し、最大限利用するかたちで作戦を策定した」と述べた。

また「バッシャール・アサドが、2年半におよぶ人道虐殺を通じてこの攻撃をもたらしたのだ」と非難した。

さらに「策定された計画により、新たな戦線を開き、武器を捕獲し、複数の地域を解放する…。(米国の)攻撃は軍の離反と…弱体化をもたらすだろう」と強調した。

そのうえで、ミクダード広報調整官は、西側諸国が攻撃に際して自由シリア軍からの情報提供を必要としていないと述べる一方、「参謀委員会と一部外国勢力は、軍事攻撃開始直前に攻撃目標がどこかを通知することで合意している…。我々はこの情報を各地の軍事評議会代表に伝え、彼らが攻撃を最大限り利用するのを支援する」と付言した。

その一方、「ジハード主義者は米軍の攻撃によって得をすることは決してあり得ない。現状を観察していればそのことは明らかだ…。イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線は、アサド政権に対して何らの戦線も開いていない。クサイルやタッルカラフ、ダマスカスでイスラーム国の戦闘員を見たのか?こうした組織の戦闘員はアレッポ、イドリブ郊外、ラッカといった解放区に集中している。防衛線の戦闘に彼らは参加していない」と主張した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は共同声明を発表し、マアルーラー市での攻防に関して、アサド政権が「革命のイメージをゆがめるため…、マイノリティ宗派を保護すると主張することで、マイノリティ宗派というカードを利用している」と非難した。

**

反体制ニュースサイト「クッルナー・シュラカー」の管理人で、「平和のためのシリア・キリスト教徒」執行部代表であるアイマン・アブドゥンヌール氏は、米国のシリア軍事攻撃に抗議するためのミサ・断食を呼びかけるローマ法王フランシスコが「現状に基づいておらず…、大いなる(シリア)分割の計略の基礎をなすと考える」と非難した。

**

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長はDPI(9月8日付)に「西側の国益は明白で、シリアがイランの一県にならないようにすることだ…。そうなれば、シリアが西側と世界のエネルギー供給源である湾岸の安全保障を脅かすからだ」と述べた。

またガルユーン元事務局長は「西側は自らのプレゼンスを強化し、ロシアや、バッシャールのような小者の独裁者の挑戦を許さないようにしたいと考えている」と指摘、「シリア国民との将来の信頼関係も維持しようともしている」と付言した。

シリア政府の動き

アサド大統領はCBS(9月8日付)のインタビューに応じ、化学兵器使用疑惑に関して米国が示した証拠が「決定的でない」としたうえで、米国がシリアへの軍事攻撃に踏み切った場合、シリアの同盟諸国も報復を行うだろうと述べた。

インタビューを行ったチャーリー・ローズ記者によると、アサド大統領は「私が自国民に対して化学兵器を使った証拠はない」と述べたという。

またアサド大統領は米国民に対して「中東で戦争を行うことは良い試練とはならないだろう」と語りかけ、攻撃を回避するよう呼びかけたという。

http://www.cbsnews.com/video/watch/?id=50154592n

**

Damas Post(9月8日付)は、シリア学生国民連合と革命青年連合が近く、新たな民兵組織「バアス大隊」の結成を発表するだろと報じた。

同報道によると、新民兵組織は、シリア軍が制圧した地域の防衛を任務とするという。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表がAFP(9月8日付)によると、マアルーラー市では「軍が夜、市内に一時入ったが、多数の反体制武装集団が入り、同市を完全に制圧したため、再び撤退した」。

同監視団によると、マアルーラー市での戦闘により、反体制武装集団の戦闘員17人が死亡、数百人が負傷する一方、軍兵士も数十人が死傷したという。

マアルーラー市で暮らす女性はAFP(9月8日付)に対し、反体制武装集団がマアルーラー市全域に展開し、軍が撤退したとしたうえで、同市は今のところ平穏であると述べた。

このほか、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市を軍が砲撃した。

一方、SANA(9月8日付)によると、ダイル・サルマーン市、ザマーニーヤ市、アルバイン市、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ザバダーニー市東部山間地帯、サルハ市、ヤブルード市郊外、ルハイバ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマアルーラー市および同市周辺でも、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヤブルード・ファールーク大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がタブカ市の発電所近くなどに「樽爆弾」で空爆を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッルブライト市を軍が「樽爆弾」で空爆、またアリーハー市で軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団の戦闘員6人が死亡した。

一方、SANA(9月8日付)によると、ザルズール村、ズーフ村、マールティーン市、アブー・ズフール市、ハーッス村、カフルナブル市、バーッラ市、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区北部で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月8日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月8日付)によると、ブルジュ・ハヤート村、サーキヤト・カルト村、ハーン・ジャウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、リビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月8日付)によると、タッルカラフ市郊外で、軍がレバノン領から潜入しようとした武装集団を撃退した。

**

アレッポ県では、SANA(9月8日付)によると、カフルハムラ村、バービース村、マアーッラト・アルティーク村、マーイル町、ハーン・アサル村、ラスム・アッブード村、ダイル・ハーフィル市、ナイラブ村、フライターン市、ハイヤーン町、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、バーブ市、アレッポ市では旧市街、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月8日付)によると、ダイル・ザウル市ジャフラー地区の空港周辺に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退、殲滅」した。

**

ダルアー県では、SANA(9月8日付)によると、ダルアー市、ジーザ町、フラーク市、ナワー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

UNHCRは、レバノンへのシリア人避難民の数が726,000人に達したと発表した。

このうち、622,000人が難民登録を終え、104,000人が申請中だという。

地域別の避難民数は、北部県が204,000人、ベカーア県が210,000人、ベイルート県・レバノン山地県が125,000人、南部県・ナバティーヤ県が81,000人。

UPI(9月8日付)が報じた。

諸外国の動き

CNN(9月8日付)は、8月21日付のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃疑惑に関して、被害者・犠牲者を撮影したとされる新たなビデオ映像(http://www.youtube.com/watch?v=LsJMVaQsOKU&feature=player_embedded)を公開した。

同報道によると、ビデオ映像はバラク・オバマ政権が米議員らに対して示した証拠映像だという。

しかし、米上院情報委員会はこの証拠映像の信憑性を確認できず、また誰が化学攻撃を行ったかも特定できなかったと報じた。

**

ジョン・ケリー米国務長官は、アラブ和平イニシアチブ委員会を構成するカタール、サウジアラビア、エジプトなどアラブ諸国9カ国の外相やアラブ連盟事務局長とパリで会談し、パレスチナ・イスラエル情勢、シリア情勢などについて協議した。

会談後、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣と行った共同記者会見で、ケリー国務長官は、化学兵器使用に関する国連調査団による報告書提出を受けて、シリア問題への対応について国連安保理での承認を得ることを米政権は否定しないと述べ、これまでよりやや柔軟な姿勢を示した。

ただし、この点に関して、バラク・オバマ政権はまだ決定していないとも付言した。

ケリー国務長官はまた、CNNなどで公開されたアサド政権による化学兵器使用を裏付けるとされるビデオ映像に関して、米議会議員の大多数が化学兵器使用にどう対応するかを決定していないがゆえに、公開したことを明らかにした。

そのうえで「米国はその価値観に反することを許さない。1925年に禁止された化学兵器が使われたことを米国民が見ることが重要だ…。アサド政権は化学兵器を11回も使用した」と強調、「我々がシリアで何もしなければ、ヒズブッラーやイランに化学兵器を使ってもいいというメッセージを発してしまう」との危機感を示した。

さらにケリー国務長官は、CBSによるアサド大統領のインタビューに関して、「証拠が語っている」と述べ、アサド政権が化学兵器を使用したとの見方を改めて示した。

**

デニス・マクドノー米大統領主席補佐官はCBSによるアサド大統領のインタビューに関して、CBS(9月8日付)に「嘘だと思う」と述べた。

**

『ロサンジェルス・タイムズ』(9月8日付)は、米軍総則筋の話として、国防総省がシリアへの軍事攻撃に関して、当初計画よりも大規模・長期間の軍事攻撃を準備している、と報じた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアへの軍事攻撃に関して、フランス3チャンネル(9月8日付)に「すべての国から物的、軍事的(支援)の誓約を得る必要はない。ほとんどの国はそうしたことを行う手段を持たない。必要なのは政治的支援だ」と述べた。

**

トルコのNTV(9月8日付)は、トルコ軍がハタイ県のシリア国境に近いヤイラダーイ市近郊の山頂および、ウルファ県のジランビナル市にスティンガー・ミサイルの発射台を増強配備したと報じた。

**

ドイツ日刊紙『ビルド・アム・ゾンターグ』(9月8日付)は、ドイツ軍が傍受した通信内容から、8月21日付のダマスカス郊外県でのシリア軍によるとされる化学兵器攻撃がアサド大統領の同意を経ずして行われた可能性が高いと報じた。

同紙によると、シリア軍幹部は「約4ヶ月前からダマスカスの大統領府で化学兵器攻撃を行うことを求めたが、常に拒否されてきた」と報じた。

**

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はイラクを訪問し、ホシェリ・ゼバリ外務大臣らと会談、シリア情勢について協議した。

会談後の共同記者会見で、両外相は、「中東地域におけるいかなる国に対する攻撃も、地域すべての国に対するものとなり、すべての国に損害を与え、不安定化をもたらすがゆえ、あらゆる努力を通じて阻止せねばならない」との認識で一致したと発表した。

ザリーフ外務大臣はまた「我々が、バラク・オバマ米大統領が個人的に(攻撃を)望んでいなかったにもかかわらず、罠にかかったことを知っている…。彼がそこから抜け出すことを望んでいる。なぜならこの戦争は米国の国益にも、地域の国々の国益にもならないからだ」と述べたうえで、すべての当事者に「対話のテーブル」について紛争解決をめざすよう呼びかけた。

一方、ゼバリ外務大臣は、「シリアへの(軍事)介入は、近隣諸国に直接影響を及ぼす。なかでもイラクは安全保障、人道面で被害を受ける」と危機感を露わにした。

SANA(9月8日付)が報じた。

**

イタリア外務省は、4月9日に反体制武装集団によって拉致されたイタリア人記者ドメニコ・キリコ氏とベルギー人教師のピエール・ピッチナン氏が釈放されたと発表した。

AFP, September 8, 2013、Bild am Zonntag, September 8, 2013、CBS, September 8, 2013、CNN, September 8, 2013、Damas
Post, September 8, 2013、al-Hayat, September 9, 2013、Kull-na Shuraka’, September 8, 2013、Kurdonline, September
8, 2013、The Los Angels Times, September 8, 2013、Naharnet, September 8, 2013、Reuters, September 8, 2013、SANA,
September 8, 2013、UPI, September 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バアス党シリア地域指導部が与野党代表らとの会合のなかで軍事攻撃への対応などについて協議するなか、EU加盟28カ国はリトアニアで開かれた外相会合のなかで「国連を通じた紛争解決の必要性」を確認(2013年9月7日)

反体制勢力の動き

SANA革命通信(9月7日付)は、自由シリア軍合同司令部報道官のカースィム・サアドッディーン大佐が「西側諸国が行うであろう軍事攻撃発生に合わせて、シリアの政権の戦略拠点複数カ所に対して大規模な軍事作戦を行うための「ゼロ時」(作戦開始)を発表する」と述べたと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月7日付)は、シリア・クルド国民評議会が2日にわたる会合で、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を承認したと報じた。

参加承認の採決では、シリア・クルド左派党が棄権した。

評議会はこれと合わせて、加盟組織の参加・脱会、民主統一党が定期した自治構想、クルド最高会議の活性化などについても審議した。

このうち加盟組織の参加・脱会に関しては、シリア・クルド・アーザーディー党の脱会を確認、またシリア・クルド民主党(パールティー)ナスルッディーン・イブラーヒーム派は民主的変革諸勢力国民調整委員会への残留を理由に会合への参加が拒否された。

**

反体制活動家のアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は仏雑誌『ヌヴェル・オブザーヴァー』(9月7日付)に、「シリアに行われる軍事攻撃は大多数のシリア人によって求められているとみなすことができる」としたうえで、アサド政権が化学兵器を含むすべての武器を国民に向けようとしていると指摘、軍事攻撃が政権打倒をめざすべきだと述べた。

シリア政府の動き

バアス党シリア地域指導部は、与野党代表らとの合同会合を開き、米国が準備している軍事攻撃への対応などについて協議、政治的・イデオロギー的な対立を越えて攻撃に対応することなどを確認した。

Champress, September 7, 2013
Champress, September 7, 2013

またシリア地域指導部は閉会時に、同日から無期限で合同会合を開会状態にすると発表した。

合同会合には、野党の団結党、民主前衛党、アラブ民主団結党、祖国シリア党、国民成長党、シリア民主党、非公認組織の人民党の代表が参加した。

シリア国民青年公正成長党、シリア国民青年党の代表はシリア国外に滞在中のため欠席した。

SANA(9月7日付)が報じた。

**

ダマスカス県では、1,000人を越えるキリスト教徒住民が、ローマ法王フランシスコの呼びかけをうけるかたちで県内の教会で、シリアに対する軍事攻撃を拒否するための礼拝と断食を行った。

礼拝はギリシャ・カトリック教会アンチオキア(アンタキア)総大司教のグレゴリウス3世ラッハームによって指導された。

AFP(9月7日付)が報じた。

またSANA(9月7日付)によると、ダルアー県ダルアー市のギリシャ正教会でも同様のミサが行われた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市に対して地対地ミサイルなどで激しい攻撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

Champress, September 7, 2013
Champress, September 7, 2013

また軍はキスワ市とムカイラビーヤ市の間に位置する農園を砲撃し、民間人16人と戦闘員14人が死亡した。

このほか、ナブク市および同市北部、アルバイン市、ハラスター市なども軍の砲撃を受けた。

さらに【シリア情勢201397日国内の暴力】http://www.ac.auone-net.jp/~alsham/2013_09/07.html#03#シリア市では、反体制武装集団が集結していたサフィール・ホテルがある丘を軍が迫撃、また軍と人民諸委員会が反体制武装集団と同市周辺で激しく交戦、同市入口の検問所を奪還した。

一方、SANA(9月7日付)によると、軍がアイン・ティーナ村街道方面から、マアルーラー市に侵入したシャームの民のヌスラ戦線を掃討するため、同市に向かって進軍し、同市周辺、サフィール・ホテルなどで交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、複数の拠点を破壊した。

またアルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、ザマーニーヤ市、カースィミーヤ市、フジャイラ村、ダーライヤー市、ルハイバ市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダルーシャー村、マガッル・ミール市、クーウ・ズィヤート市、フーシュ・アラブ村、シャフター・バルター村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、キスワ市近郊のムカイラビーヤ農園では、軍が反体制武装集団の120ミリ迫撃砲を破壊、複数の戦闘員を殺害した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月7日付)によると、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカッバース地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、西ガーリヤ村、ヌアイマ村、シャイフ・マスキーン市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(9月7日付)によると、ダルアー市、ムザイリーブ町、フラーク市、タファス市、アイン・ズィクル村、ナーフィア村、シャジャラ町、サフム・ジャウラーン村、タスィール町、バサーラ市、マクラズ市で、軍が反体制武装集団と交戦し、サウジアラビア人、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ中央刑務所周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市では、アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区で、民主統一党人民防衛隊が、クルド人部隊などを含む反体制武装集団と交戦した。

さらに同市のブスターン・カスル地区に設置されている通行所で、シャリーア委員会の戦闘員と反体制武装集団が交戦、また同通行所に軍が砲撃を加え、複数の市民が負傷した。

このほか、マサーキン・ハナーヌー地区でも即席爆弾が爆発した。

一方、SANA(9月7日付)によると、カフルダーイル村、アナダーン市、ライヤーン村、ブラート村、クワイリス村、ダイル・ハーフィル市、バイス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ではアカバ地区、バニー・ザイド地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブサイラ市で武装集団が市民の住居に向けて発砲し、5人が死亡した。

一方、SANA(9月7日付)によると、反体制武装集団がムッラート村の石油パイプラインを破壊し、大量の石油がユーフラテス川に流出した。

**

ラタキア県では、SANA(9月7日付)によると、カルト村、マルジュ・フージャ村、シャフルーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月7日付)によると、タフタナーズ市、ビンニシュ市、サルミーン市、サルジャ村、バザーブール村、マールティーン市、マアッル・ブライト市、マンタフ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、サラーキブ自由人大隊、シャームの鷹旅団、シャームの民のヌスラ戦線、ダーウード旅団、北部自由人旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月7日付)によると、ラスタン市、アイン・フサイン市、ヒムス市ワルシャ地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月7日付)によると、サラミーヤ市郊外のハタムルー村、カフルヌブーダ町、ハルシュ・カサービーヤ市、スカイラビーヤ市郊外のウワイナ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月7日付)などによると、レバノン各地の教会で、アメリカが準備するシリアへの軍事攻撃に反対するためのミサと断食が行われ、レバノン山地県ハリーサー村にある聖母大聖堂では、マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教が礼拝を指導した。

Naharnet, September 7, 2013
Naharnet, September 7, 2013

参加した信徒らはまた、シリアの反体制武装集団が侵入したダマスカス郊外県のマアルーラー市の住民と歴史的遺産保護のために祈りを捧げた。

**

MTV(9月7日付)などによると、ベイルート県の米大使館前で、前日に引き続き、シリアへの軍事攻撃に反対する市民らが抗議デモを行った。

諸外国の動き

EU加盟28カ国は、リトアニアの首都ビリニュスで6~7日の2日にわたって外相会合を開き、シリア情勢への対応などについて協議し、「国連を通じた紛争解決の必要性」を確認・合意した。

米国が準備しているシリアへの軍事攻撃に関しては、国連調査団の「調査結果を待つべきだ」との認識で一致した。

会合後の記者会見で、キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、EU加盟国はアサド政権が化学兵器を使用した「有力な証拠がある」としたうえで、「強い対応が必要」との立場でまとまったと述べた。

なお会合には、ジョン・ケリー米国務長官も出席し、軍事行動への理解を求めた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、ロシア・サンクトペテルブルグでのG20サミット時に米仏など11カ国が発表した共同声明にドイツも署名する考えを示した。

**

ロイター通信(9月7日付)によると、ロシア海軍のフリゲート艦1隻が9月半ばに、また戦艦およびミサイル艦2隻が同月末にシリア沖の地中海東部海域に向かうだろうと報じた。

**

PFLP-GCは声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区およびダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町での反体制武装集団との戦闘で、パレスチナ人の人民諸委員会の戦闘員14人が死亡したと発表した。

AFP, September 7, 2013、al-Hayat, September 8, 2013、Kull-na Shuraka’, September 7, 2013、Kurdonline, September
7, 2013、MTV, September 7, 2013、Naharnet, September 7, 2013、NNA, September
7, 2013、Reuters, September 7, 2013、SANA, September 7, 2013、UPI, September
7, 2013などをもとに作成。

写真はChampress, September 7, 2013、Naharnet, September 7, 2013。

(C)青山弘之 All rights reserved.

プーチン大統領がオバマ大統領との20分にわたる会談ののち、シリアが軍事攻撃を受けた場合「(シリアを)支援する」と述べ米国に同調的な各国をけん制(2013年9月6日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダマスカス県マアルーラー市へのシャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団の襲撃に関して、「民間人の人命保護と遺跡保存」のために戦闘員が撤退したと発表した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、シリア国内の化学兵器をロシアの監視下に置いたうえで、移行期政府に移管させることを提案した。

またこれと合わせて、調整委員会は、ジュネーブ2会議の開催、戦闘停止、移行期政府への全権移譲を求めた。

シリア政府の動き

アサド大統領は、9日の北朝鮮建国記念日65周年に合わせて、金正恩第1書記に祝電を送った。

AFP(9月6日付)が報じた。

**

SANA(9月6日付)によると、ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、米上下両院に公開書簡を送り、シリアへの「無謀な(軍事)行動」を行わないよう求め、「外交手段に訴えることが米国の国益になる」と呼びかけた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マアルーラー市周辺で軍と反体制武装集団の交戦が続いた。

またムウダミーヤト・シャーム市が軍の激しい砲撃を受け、地対地ミサイル9発が着弾した。

一方、SANA(9月6日付)によると、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、ブヤーリーヤ市、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市、ザバダーニー市郊外の山間部、ラビーハ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍は、ダイル・サルマーン市での反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、マタル山があるフライマート地方で、軍と国防隊が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を拘束した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サアミーン市、ビンニシュ市、タフタナーズ市、バザーブール村、アルバイーン山、ナージヤ村を軍が砲撃・空爆、反体制武装集団を追撃した。

一方、SANA(9月6日付)によると、軍がアリーハー市で反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

同報道によると、軍はアリーハー市内にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点などを破壊し、170におよぶ即席爆弾を解除し、また市内南部で、反体制武装集団が使用していた拷問所を数カ所発見したという。

また軍は、アリーハー市および同市周辺で、シリア殉教者旅団大隊連合、アッバース旅団、タウヒード旅団、シャーム自由人大隊、アリーハー外国人旅団、ウマル・ファールーク大隊、アンサール・シャーム大隊、マルイアーン大隊、アンサール・ハック大隊、フリーカー大隊、イブリーン大隊の拠点・アジトを破壊したという。

さらに同報道によると、軍はカフルズィーバー村の治安を回復したほか、アルバイーン山の教員住宅地区、病院などを制圧し、サラーキブ市、ビンニシュ市、サルジャ村、シャンナーン市、バザーブール村、マアッル・ブライト市、カフルラーター市、ハーン・スブル村で反体制武装集団の追撃を続けた。

**

ダマスカス県では、SANA(9月6日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月6日付)によると、ヒムス市ワアル地区、カラービース地区、クスール地区、バーブ・フード地区、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、サアン村、ラスタン市、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県、SANA(9月6日付)によると、クワイリス村、アイン・ジャマージマ村、フライターン市、バーブ市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、サラーフッディーン地区、スワイカ地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月6日付)によると、ダルアー市、フラーク市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月6日付)によると、軍がダイル・ザウル市のマカービル地区一帯で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地を制圧した。

また同市の工業地区などで、軍は反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほかジュナイナ村で、トルコに灯油を密輸しようとしていた反体制武装集団と交戦し、殲滅した。

さらにスブハ村では、シャームの民のヌスラ戦線が運んでいた爆弾が爆発し、4人が死亡した。

レバノンの動き

ナハールネット(9月6日付)などによると、ベイルート県の米大使館前で、シリアへの軍事攻撃に反対する市民らが抗議デモを行った。

諸外国の動き

ロシアのサンクトペテルブルグで開かれていたG20サミットは首脳声明を採択して、閉幕した。

シリア情勢をめぐる参加各国の意見の不一致を反映し、声明にシリア問題は盛り込まれなかった。

インテルファクス通信(9月6日付)によると、ロシアのドミトリ・ペスコフ大統領補佐官は、シリアへの軍事攻撃に関するG20サミット夕食会(5日)の討議に関して、賛否が「ほぼ半々に分かれた」と述べた。

ベン・ローズ米大統領副補佐官(戦略広報担当)によると、バラク・オバマ米大統領は、アサド政権が化学兵器を使用した「高い確証がある」と主張し、「国際規範」を守るための「強硬な対応」を求めた。

米高官筋によると、米国の軍事行動には、フランスに加えて、オーストリラリア、カナダ、トルコが支持を表明、日本、英国、イタリア、韓国、サウジアラビアが「理解を示した」という。

しかし、各紙によると、多くの国の首脳がアサド政権の責任を追及したもの、軍事攻撃には国連安保理決議の採択が必要と主張し、ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカ、メキシコ、インドネシア、アルゼンチンは、安保理での議論を優先すべきだとの主張し、軍事行動を拒否、ないしは慎重な姿勢を示した。

**

ロシアのサンクトペテルブルクで開催中のG20サミットに参加中の米仏など11カ国首脳は、シリア情勢に関する共同声明を出し、「シリアのアサド政権が化学兵器を使用したことを示す根拠がある」と断言、「犯罪を行った者は責任を負わねばならない」と非難した。

声明ではまた、国連安保理がシリアでの化学兵器使用に関して「この2年半と同様、麻痺状態にある」と指摘、ロシアと中国を暗に批判した。

声明に署名したのは、米国、フランス、英国、オーストラリア、カナダ、イタリア、トルコ、日本、韓国、サウジアラビア、スペインの11カ国。

**

ロイター通信(9月6日付)によると、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はサンクトペテルブルクでバラク・オバマ米大統領と約20分にわたり会談し、シリア情勢への対応について協議した。

プーチン大統領は「内容のある建設的な会談で、雰囲気は良好だった」と述べ、シリアの紛争の平和的解決に向けて両国外相が近く協議することで合意したことを明らかにした。

なおプーチン大統領は記者会見を開き、シリアが軍事攻撃を受けた場合「(シリアを)支援する」と述べた。

**

インテルファクス通信(9月6日付)などによると、ロシア海軍の大型上陸用強襲艦ニコライ・フィルシェンコフが黒海のセバストポリ軍港(ウクライナ)を出港し、ロシアのノボロシスク港で、特別な貨物を積み込み、シリア沖の地中海東部海域に向かう予定だと報じた。

**

中国の習近平国家主席はG20サミット会場でバラク・オバマ米大統領と会談し、シリア情勢などについて協議した。

中国中央テレビによると、会談で習国家主席は「政治的解決が唯一の正しい方法で、武力行使は根本的な問題解決にはなり得ない」と述べ、米国の軍事攻撃に反対の意を示した。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃への参加に関して「(国連調査団の)調査報告を待つとともに、米国議会の採決を待つ」と述べた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は「オランド大統領の発言を強く歓迎する」と述べた。

**

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は米国が準備しているシリアへの軍事攻撃に関連して、シリア国内で活動する関連機関などが、人道状況悪化に対処するための緊急計画を策定したと発表した。

**

UNICEF報道官はジュネーブで記者会見を開き、6歳から15歳までのシリア人児童の約40%が、紛争によって初等教育を受けられない状態にあると発表した。

AFP, September 6, 2013、al-Hayat, September 7, 2013, September 8, 2013、Kull-na Shuraka’, September 6, 2013,
September 9, 2013、Kurdonline, September 6, 2013、Naharnet, September 6,
2013、Reuters, September 6, 2013、SANA, September 6, 2013、UPI, September
6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サンクトペテルブルクでG20サミットが開催され米国が準備を進める軍事介入の是非をめぐって激しい議論が交わされる、安倍首相は「(化学兵器使用が)アサド政権に責任があるのは明らか」と断言(2013年9月5日)

反体制勢力の動き

『ラアユ』(9月5日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が、アレッポ県ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用の調査を指揮していたアレッポ県法医学委員会のアブドゥッタウワーブ・シャフルール委員長を連れて、米ワシントンDCに向かったと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月5日付)は、アリー・ハビーブ元参謀長が「無事、シリア国外に到着した」と報じた。

**

シリア侵害文書センターを名乗る組織は、軍が制圧したイドリブ県アリーハー市での先週の死者数が482人にのぼり、うち67人が子供だったと発表した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイギリスを訪問し、ウィリアム・ヘイグ外務大臣らと会談した。

同連立が出した声明によると、会談でジャルバー議長は、化学兵器使用という「レッドライン」を越えたアサド政権に対して「国際社会が断固たる姿勢」を示すよう求めたという。

『ハヤート』(9月7日付)によると、これに対して、ヘイグ外務大臣は、連立を「シリア国民の唯一の正統な代表」として支持する意思を改めて示す一方、「危機解決の最善策は政治的解決だ」と応えたという。

またヘイグ外務大臣は、英国が現時点において自由シリア軍に武器を供与していないと述べた。

シリア政府の動き

ギリシャ・カトリック教会アンチオキア(アンタキア)総大司教のグレゴリウス3世ラッハームは、テレ・ルミエール・チャンネル(9月5日付)に、反体制武装集団がダマスカス郊外県のマアルーラー市で4日、「破壊、暴力、テロ」を行ったと非難した。

総大司教によると、反体制武装集団は、マアルーラー市の軍検問所を襲撃し、兵士全員を殺害、また市内の教会2カ所や住宅に迫撃砲弾が着弾し、被害を受けたという。

**

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は欧州議会議長宛に書簡を送り、議長自身ないしは使節団をシリアに派遣し、化学兵器使用に関する国連調査団による調査を検証するよう呼びかけるとともに、議会の影響力を行使して、シリアに対する軍事攻撃を阻止するよう求めた。

**

クッルナー・シュラカー(9月5日付)は、アサド政権を支持するイスラーム教のウラマーらが、9月9日に予定されているとされる米議会でのシリア軍事攻撃決議案採決に合わせて、断食と礼拝を行い、攻撃反対の意思を示すよう呼びかけていると報じた。

**

シリア共産党ニムル派(旧ファイサル派)のワリード・ズウビー人民議会議員はスカイ・ニュース(9月5日付)に、米国がシリアに軍事攻撃したらどのように報復するかとの問いに、「アンマン、リヤド、アンカラ、アタテュルク・ダム、テルアビブが最後の日となり、中東は火獄と化し、世界が最後の日になるだろう」と答えた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、西部郊外に位置するスーマリーヤ地区の工業研究センターで、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数名が死傷した。

同監視団によると、このセンターが軍によって使用されていたかどうかは不明だという。

またカーブーン区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、LBCI(9月5日付)は、4日に「シャームの民のヌスラ戦線」の襲撃を受けたマアルーラー市周辺で、軍と反体制武装集団が交戦を続けたと報じた。

他方、SANA(9月5日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またティジャーラ地区、ドゥワイラア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、サイイダ・ザイナブ町、ムウダミーヤト・シャーム市、スバイナ町などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月5日付)によると、ムライハ市、ハルマラ市、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、シャイフーニーヤ村、ダイル・サルマーン市、ダーライヤー市、ダルバ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハッラーブ・スィヒム村が軍の砲撃を受ける一方、ウンム・マヤーズィン町で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月5日付)によると、ダルアー市、ナワー市、ダーイル町、東ムライハ町、西ムライハ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、山間部(反体制勢力によるとクルド山)で軍と反体制武装集団が交戦、またサルマー町が軍に、スィッラ村の軍の拠点が反体制武装集団によって砲撃された。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ市、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、サラーキブ市、カフルナブル市を、軍が砲撃・空爆した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマアーッラト・アルティーク山の軍拠点、ヌッブル市、ザフラー町を手製の迫撃砲で砲撃する一方、クワイリス航空基地周辺、バヤーヌーン町を軍が空爆・砲撃した。

またナイラブ航空基地近くで、軍と反体制武装集団が交戦した。

さらにドゥワイリーナ村、ジブリーン村をイラク・シャーム・イスラーム国が手製のロケット弾などで砲撃し、軍と交戦した。

このほか、アフリーン市で爆発が発生した。

一方、SANA(9月5日付)によると、マーイル町、ズィヤーラ村、ブンヤーミーン村、ハーン・アサル村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ナスルッラー村、ハターバート村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ムシャイリファ村、ユースフィーヤ村、カルフーク村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

またクッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線が3日、ラアス・アイン市で身柄拘束していたクルド人男性10人、女性2人を、民主統一党人民防衛隊との「捕虜交換」の一環として釈放した。

**

ヒムス県では、SANA(9月5日付)によると、フーシュ・ハッジュー村、タルビーサ市、ヒムス市各所、アイン・フサイン村、アーミリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

BRICs諸国が、ロシアのサンクトペテルブルクでのG20に先だって首脳会議を行い、シリア情勢などへの対応について協議した。

『ハヤート』(9月6日付)は、首脳会議でロシアが、米国の軍事攻撃に強く反対の意思を表明することを求めたが、ブラジルとインドが慎重な姿勢を示し、共同声明にロシアの主張が盛り込まれることはなかったと報じた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、8月21日のダマスカス郊外での化学兵器使用疑惑に関して、国際刑事裁判所での追求をめざすと述べ、国連安保理に働きかけを続ける意思を示した。

ヴェスターヴェレ外務大臣は、ロシアのサンクトペテルブルクでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア情勢を協議し、シリア情勢の正常化と政治的解決をめざすことを確認した。

**

イギリスのデヴィッド・キャメロン首相は、BBC(9月5日付)で、シリアのダマスカス郊外県グータ地方で採取したサンプルを国防省において検査した結果、サリン・ガスの反応が検出されたことを明らかにした。

**

『ハヤート』(9月6日付)によると、国連安保理諸国の非公式会合がニューヨークで開かれ、米国が常任・非常任理事国の代表に対して、ダマスカス郊外県でのアサド政権の化学兵器使用を裏付ける証拠を提出・回付した。

**

AFP(9月5日付)は、米高官の話として、バラク・オバマ政権が、シリアの反体制勢力への武器供与にかかる任務を、これまで「極秘に」担当してきたCIAから国防総省に移管することを検討している、と報じた。

**

中国財務省の朱光耀次官は、G20に関する記者会見で、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃が石油価格の高騰など世界経済に悪影響を及ぼすとし、反対の意を示した。

**

G20出席のためロシアのサンクトペテルブルクを訪問中の安部晋三内閣総理大臣は、バラク・オバマ米大統領と会談し、シリア情勢などについて協議した。

安部首相は会談のなかで、シリアへの軍事攻撃を準備しているオバマ大統領に「重い決意と受け止めている。化学兵器使用は断じて許されない。アサド政権に責任があるのは明らかだ」と伝えた。

また「大統領の考えは理解している。非人道的行為を食い止める米国の強い責任感に敬意を表したい」とも述べた。

安倍首相はまた、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領との会談し、同じくシリア情勢などについて協議した。

安倍首相は会談のなかで、シリアにおいて化学兵器が使用された可能性が極めて高く、その使用は許されないとの立場を伝えたのに対して、プーチン大統領は21日の化学兵器攻撃がアサド政権によるものではないとの認識を示した。

**

ロシアのサンクトペテルブルクで主要20カ国地域首脳会議(G20サミット)が開催された。

議長国ロシアのヴラジミール・プーチン大統領の提案により、夕食会でシリア情勢が取り上げられ、各紙によると、米国が準備を進める軍事介入の是非をめぐって激しい議論が交わされた。

夕食会は深夜2時まで4時間にわたって行われた。

議論に参加したイタリアのエンリコ・レッタ首相はツイッターへの書き込みで「シリア問題について(各国の)亀裂が証明された」と明かした。

**

ヘルマン・ファン・ロンパイ欧州理事会常任議長(大統領)はG20出席のために訪問中のロシアのサクトペテルグルグで記者会見を開き、シリア情勢に関して「武力では問題は解決しない」と明言し、軍事攻撃を進める米仏を批判した。

**

サマンサ・ポワー米国連大使は記者団に対し、シリアでの紛争をめぐって国連安保理が機能不全に陥っているとし、ロシアが「安保理を人質に取り、国際的な責任を回避し続けている」と批判した。

また「アサド大統領が化学兵器の備蓄のほんの一部しか使っていない」と指摘し、再使用阻止のための軍事攻撃の正当性を主張した。

**

AFP(9月5日付)によると、ロシア海軍の偵察艦など軍艦艇3隻がトルコのボスポラス海峡を通過し、シリア沖の地中海東部海域に向かった。

インテルファクス通信は、1日にロシア国海艦隊に所属する3隻がセバストポリ軍港(ウクライナ)を出港したと報じていた。

**

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月5日付)は、複数の米政府当局者の話として、イラン・イスラーム革命防衛隊のクドス軍団が、イラクの民兵組織に対して、米国のシリアへの軍事攻撃に備えて、バグダードで米関連施設などへの報復を準備するよう指示したと報じた。

**

『ニューヨーク・タイムズ』(9月5日付)は、反体制武装集団が兵士7人を処刑・生き埋めにする2012年3月の映像を公開した。

http://www.nytimes.com/2013/09/05/world/middleeast/brutality-of-syrian-rebels-pose-dilemma-in-west.html?ref=todayspaper&_r=1&

AFP, September 5, 2013、Elaph, September 5, 2013、al-Hayat, September 6, 2013, September 7, 2013、Kull-na Shuraka’, September 5, 2013、Kurdonline,
September 5, 2013、LBCI, September 5, 2013、Naharnet, September 5, 2013、The New York Times, September 5, 2013、al-Ra’y, September 5, 2013、Reuters, September 5, 2013、SANA, September 5, 2013、Sky News, September 5, 2013、UPI, September 5, 2013、The Wall Street Journal, September 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米上院外交委員会がシリアへの軍事攻撃に関する決議案を承認するなか、ミクダード外相が米紙によるインタビューのなかでイスラエル、ヨルダン、トルコが米国の軍事攻撃に同調した場合、シリア軍が反撃する可能性があることを示唆(2013年9月4日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(9月4日付)は、ザマルカー町地元評議会が記者会見を開き、21日の化学兵器攻撃の被害について説明、同市と隣接するアイン・タルマー村に化学兵器を装填したロケット弾11発が着弾したと発表したと報じた。

同報道によると、記者会見に出席したアブー・サラーフを名のる弁護士は、軍の砲撃を受けた地区、着弾したロケット弾の数を発表した。

またムラードを名のる地元評議会広報官は、カシオン山から迫撃を受けたことを明らかにした。

さらにウンム・サイードを名のるボランティア活動家によると、化学兵器の被害を受けた患者約500人が病院に運び込まれたと証言した。

**

Elaph(9月4日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、アレッポ県ハーン・アサル村での反体制武装集団による化学兵器使用の調査を指揮していたアレッポ県法医学委員会のアブドゥッタウワーブ・シャフルール委員長が離反し、トルコに逃走したと報じた。

同報道によると、シャフルール委員長はアサド政権が化学兵器使用に関与してきた証拠を握っている人物だと思われるという。

**

クッルナー・シュラカー(9月4日付)によると、シリア国内外の有識者が「シリアのための声明」を発表し、アサド大統領の退任と、国連監視下での権力移譲を求めた。

声明には、リーマー・フライハーン女史、サーディク・ジャラール・アズム氏、フィダー・ハウラーニー女史、ワリード・ブンニー氏らが名を連ねている。

シリア政府の動き

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月4日付)に「我々は米国民が好きだ。数百万のアラブ系住民がおり、そのなかにはシリア出身者もいる。我々は米国との戦争を望んでいない」と述べ、米議会に「挑発行為ではなく…英知を用いて、正義の声に耳を傾ける」ことで、バラク・オバマ米大統領によるシリアへの軍事行動を思いとどまらせるよう訴えた。

しかし「もし戦争が起きれば、誰も事態を掌握できなくなるだろう…。シリアへの攻撃は必然的に地域全体の混乱をもたらすだろう」と述べ、イスラエル、ヨルダン、トルコが米国の軍事攻撃に同調した場合、シリア軍が反撃する可能性があることを暗示した。

また軍事攻撃によって、アル=カーイダと関係がある過激派が増長すると警鐘をならした。

**

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はスカイ・ニュース(9月4日付)に出演し、21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃に関して「アル=カーイダおよびそれとつながりがある組織がラタキアの村々から子供たちを誘拐し、ダマスカスのグータに連れ去り、そこでサリン・ガスを発射し、子供たちを殺し、その様子を撮影した」と興奮気味に述べた。

http://news.sky.com/story/1136853/syria-us-using-lies-to-justify-strikes

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとするサラフィー主義武装集団が、キリスト教徒の町マアルーラー市の入り口の軍検問所を制圧し、軍兵士8人を殺害した。

これを受け、軍は3度にわたり制圧された検問所を空爆した。

クッルナー・シュラカー(9月5日付)によると、検問所を破壊した武装集団はその後、マアルーラー市内中心部に入りったが、軍による砲撃を避けるため撤退した。

同報道によると、武装集団は、市内での破壊行為、市民に対する暴行などは一切はたらかなったという。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=7SPJkJBrVKM

しかしマアルーラー市住民(女性)は、AFP(9月4日付)に対し、ヌスラ戦線が迫撃砲で同市を攻撃していると証言した。

このほか、ドゥーマー市を軍が砲撃した。

一方、SANA(9月4日付)によると、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ダーライヤー市、ザバダーニー市郊外、ルハイバ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がアリーハー市に近いアルバイーン山一帯を空爆、奪還作戦を本格化させた。

またサラーキブ市、ザーウィヤ山一帯に対しても軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃を行った。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国との交戦の末、対イラク国境のヤアルビーヤ町近郊のフワイティラ村、ジャドアーン村、ムシャイリファ村を制圧した。

また人民防衛隊は、カルフーク村、カリー・ファーティー村、ユースフィーヤ村、タッル・ハジャル村のサラフィー主義戦闘員の拠点に対して砲撃を行った。

一方、SANA(9月4日付)によると、ハサカ市とタッル・タムル町を結ぶ街道、ハッラーブ・アスカル村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がドゥワイリーナ病院の軍の拠点複数カ所を砲撃した。

ザマーン・ワスル(9月4日付)によると、反体制武装集団はマアーッラ・アルティーク村の大部分を制圧、またこれに先だって3日にダフラ・アブドゥラッフフ村に侵攻した。

このほか、ハーン・アサル村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月4日付)によると、ハーン・アサル村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ダイル・ハーフィル市、ナイラブ村郊外、アレッポ中央刑務所周辺、タッル・リフアト市、マンナグ村、ダーラト・イッザ市、アルカミーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区、カーディー・アスカル地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町、アーラー街道を軍が砲撃する一方、反体制武装集団はドゥーリーン高地一帯の軍の拠点を砲撃した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ファイハー・スポーツ・サロン周辺に迫撃砲弾2発が着弾し、テコンドーのシリア代表選手1人が死亡した。

一方、SANA(9月4日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月4日付)によると、タルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線のシャリーア法廷本部を軍が破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

またラスタン市、クバイバート・アースィー村、カルザリー村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、タッルカラフ市郊外、タドムル市南部農場などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、マシュラファ村で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が負傷した。

**

ダルアー県では、SANA(9月4日付)によると、ダルアー市、ナワー市、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダルアー市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

諸外国の動き

米上院外交委員会は、ロバート・メネンデス委員長(民主党)とロバート・コーカー筆頭理事(共和党)が共同作成したシリアへの軍事攻撃に関する決議案を審議の末に、賛成10、反対7、棄権1で承認した。

同決議案は軍事攻撃の「期間を60日とし、1度だけ30日延長できる」と限定し、「戦闘目的での地上部隊派遣を禁止」としているほか、「反体制勢力への支援強化」を定めている。

**

米上院に続いて、下院外交委員会でも公聴会が開かれ、ジョン・ケリー国務長官らが証言を行った。

公聴会のなかで、ケリー国務長官は「100カ国以上に(シリアへの軍事攻撃について)話をし、31カ国がアサド政権が化学兵器を使用したと判断した、軍事作戦への参加を申し出た国は、作戦に必要とされる以上に多い」と述べた。

ケリー国務長官によると、軍事攻撃への参加・協力を申し出たのは、サウジアラビア、UAE、カタール、トルコ、フランス、デンマーク、ポーランドなど。

公聴会に同席したマーティン・デンプスィー米陸軍参謀長は「化学兵器の管理に直接関わる標的を対象にしつつ、化学兵器の保管が損なわれないようにする」と説明し、化学兵器の装填が可能なロケット弾、ミサイルなどを攻撃対象として想定していることを明らかにした。

**

バラク・オバマ米大統領は訪問先のストックホルムでのフレドリック・ラインフェルト首相との共同記者会見で、アサド政権が化学兵器を使用したと改めて断定したうえで、「国際社会は沈黙するわけにはいかない…。化学兵器使用というレッド・ラインは世界が設定したものだ」とシリアへの軍事攻撃の正当性を主張した。

**

フランス上下両院は、シリア情勢への対応を審議するための臨時会を開いた。

ジャンマルク・エロー首相は下院でアサド政権による化学兵器使用を断定したうえで、「行動しなければ、地域全体を危機に曝すことになる」と述べ、シリアへの軍事攻撃の必要性を力説した。

その一方、軍事攻撃の規模に関しては「政治的解決によるアサド大統領の退任を望む」と述べ、限定的なものにとどめる姿勢を示した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣はシリアへの軍事攻撃に関して、France Infoラジオ(9月4日付)に「シリアへの介入は…アサド政権に責任がある…8月21日の化学兵器による虐殺を理由になされるべきである」としつつ、「我々が政治的解決を望んでいるのであれば事態を動かす必要がある」と主張、紛争の政治的解決を前進させることが軍事攻撃の目的であるとの立場を示した。

また議会が軍事攻撃を否決した場合「他の方法で対処されるべきだ。なぜなら(化学兵器を使用したアサド政権に)懲罰を加えねばならないからだ」と付言した。

一方、アサド政権が化学兵器を使用したと断定したことに関して「2003年のイラク情勢とシリアを比較することはできない。米国の諜報機関は(イラクの)大量破壊兵器貯蔵の証拠をねつ造したが、シリアでは、ダマスカス(郊外)で化学兵器が使用されたことは疑いの余地がない」と述べた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はロシアの国営テレビ第1チャンネルとのインタビューで、シリア情勢に関して「現行の国際法では、化学兵器の使用に対する制裁は国連安保理のみが行える」と述べ、米国による単独の軍事攻撃を牽制した。

また、アサド政権による化学兵器使用を断定した米英仏などの姿勢に関しては「客観的で正確な証拠が出れば、ロシアはこれに対して行動する」と述べた。

**

ロシア・トゥデイ(9月4日付)によると、ロシア外務省は声明を出し、「ハーン・アサル村で(2013年3月に)発射された(化学兵器を装填した)迫撃砲は、シリア軍のものではなく手製で、その仕様は「勝利の約束旅団」を名のる組織によって製造されている迫撃砲と類似している」と発表したと報じた。

外務省によると、この情報に関する報告書は7月に国連の潘事務総長に提出済みだという。

**

ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相はCNN(9月4日付)に、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃によって、紛争が解決できなくなることへの懸念を示すとともに、「シリアはアフガニスタンに次いで「過激派の保育器」になった」と危機感を露わにした。

**

ヨルダンの医療消息筋によると、マフラク県にあるルワイシド病院が、シリア国内で銃弾を受け負傷したシリア人負傷者12人を受け入れ、手当を行った。

**

国連の潘基文事務総長は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とともに、ジュネーブ2会議開催を各国首脳に呼びかけるべく、ロシアのサンクトペテルブルク入りした。

タス通信(9月4日付)は、潘基文事務総長がロシアのサクトペテルブルクの大学で講演し、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃に関して「(シリアでの紛争の)打開策は一つしかない。それは政治的な解決であり、軍事的措置でない」と述べ、反対の意思を明示したと報じた。

**

国連難民高等弁務官事務所は、シリア人避難民への対応を協議するため、ジュネーブで周辺諸国会合を開催した。

会合にはイラクのホシェリ・ゼバリ外務大臣、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣、レバノンのワーイル・アブー・ファーウール暫定社会問題大臣、そしてアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官が出席した。

グテーレス国連難民高等弁務官は会合後に共同声明を読み上げ、シリアの紛争をめぐる各国の対立を解消し、国際社会が一致して殺戮停止に向けて取り組む呼びかけた。

また「この恐怖の悪循環をおわらせるための政治的解決が急務である。シリアの危機に人道的な解決はない。人道的危機を終わらせるための政治的解決が必要である」と強調した。

さらにシリア人避難民を受け入れているトルコ、レバノン、ヨルダン、イラクが「多大な代償を払っている」と指摘、これらの国の経済、社会、安全保障への紛争のインパクトを国際社会が考慮すべきだと述べた。

**

90カ国以上の市民団体350団体から構成されるクラスター兵器連合(Cluster Munition s Coalition)は年次報告書(http://www.the-monitor.org/index.php/publications/display?url=cmm/2013/)を発表し、2012年夏以降、シリア政府がクラスター兵器を多用していると指摘、厳しく非難した。

同報告書によると、クラスター兵器による軍の攻撃で、少なくとも190人あまりが死亡したという。

AFP, September 4, 2013、Elaph, September 4, 2013、al-Hayat, September 5, 2013, September 6, 2013、Kull-na Shuraka’, September 4, 2013,
September 5, 2013、Kurdonline, September 4, 2013、Naharnet, September 4,
2013、Reuters, September 4, 2013、SANA, September 4, 2013、Sky News, September
4, 2013、UPI, September 4, 2013、The Wall Street Journal, September 4, 2013、Zaman al-Wasl, September 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍と国防隊がイドリブ県アリーハー市内のシャーム自由人大隊とシャームの民のヌスラ戦線を掃討するなか、国連事務総長は紛争の政治的解決に向けたジュネーブ2会議を早急に開催するよう呼びかけ(2013年9月3日)

反体制勢力の動き

反体制サイトのクッルナー・シュラカー(9月3日付)は、米国が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃の是非をめぐって、ダマスカス県およびダマスカス郊外県住民や活動家の意見が分かれていると報じた。

同報道によると、シリア民主フォーラムや民主的変革調整国民委員会のメンバーであるバドル・マンスール氏は、米国の軍攻撃が、現在の紛争を宗派・民族紛争に変化させると警鐘を鳴らすとともに、「これが米国がめざしていること」と批判した。

またアフマドを名のるダマスカスの住民は、米軍の軍事攻撃が民間人の被害を免れないと不安を露わにした。

さらにドゥーマー市の大モスクのイマーム、アブー・ジャウド・バドリー師は、米軍の軍事攻撃がアサド政権だけでなく、反体制サラフィー主義集団をも標的とするべきだと主張したという。

一方、ラブナーを名のるハラスター市の女性活動家は、米国の軍事攻撃を支持し、「体制の背骨を折る」との見方を示したという。

**

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、Elaph(9月3日付)にジョン・ケリー米国務長官と2日に電話会談を行ったことを明らかにした。

イドリース参謀長によると、電話会談で、米国のシリアへの軍事行動に関する両者の見解の一致を確認したという。

またイドリース参謀長は、反体制勢力がアサド政権打倒をめざすため、バラク・オバマ米大統領の決定を支持しなければならないと強調したことを明らかにした。

**

『ハヤート』(9月4日付)は、複数の反体制筋の話として、シリア革命反体制勢力国民連立のメンバーらが軍の士官・兵士に離反を唱導と「暫定軍事評議会」の結成を唱導し、アサド大統領の退陣と、移行期政府樹立をめざしていると報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の前議長で連立を脱会したアフマド・ムアーッズ・ハティーブ氏は訪問先のブリュッセルでシリア情勢に関して「いかなる軍事攻撃が行われようと政治的イニシアチブがなければならない…。政権が(軍事攻撃への対応に)初めて追われるなかでこそ、政治的解決は可能だ」と述べた。

AFP(9月3日付)が伝えた。

**

シリア・クルド人ビジネスマン執行委員会を名のる団体が声明を出し、8月29日から31日のカイロでの集中協議を経て、クルド人地域に2億米ドルを援助することを決定したと発表、またアサド政権打倒のための革命を支持するとの意思を示した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・サーリフ報道官はイスタンブールで記者会見を開き、化学兵器を搭載したシリア軍の車輌3台がダルアー県、ダマスカス郊外県ドゥマイル航空基地に移動・配備されたとの情報を得たと主張した。

シリア政府の動き

ジハード・ラッハーム人民議会議長は、フランスの上下両院に対して書簡を送り、「シリアに対する無謀な犯罪行為」を拒否し、化学兵器疑惑を根拠とするシリアへの軍事攻撃を承認しないよう呼びかけた。

SANA(9月3日付)が報じた。

**

SANA(9月3日付)によると、クナイトラ県ゴラン高原のマジュダル・シャムス村内のイスラエル占領地にあるスルターン・アトラシュ広場で、住民がデモを行い、米国が準備する軍事攻撃に反対の意思を示した。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍と国防隊がアリーハー市および同市周辺に対する10日にわたる砲撃の末、シャーム自由人大隊とシャームの民のヌスラ戦線を掃討し、同市を制圧した。

またアリーハー市制圧を受け、軍はアリーハー市に近いアルバイーン山への攻撃を激化させるとともに、サルジャ村、マンタフ市、カフルラータ市、バザブール市などを空爆・砲撃した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月3日付)も、アリーハー市およびその周辺一帯をほぼ制圧した軍が、アルバイーン山奪還をめざしていると報じた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジャラーブルス市で、イラク・シャーム・イスラーム集団が、離反士官のユースフ・ジャーディル大佐(アブー・フラート)の一族からなる民兵と激しく交戦し、同民兵を放逐した。

また軍はアレッポ市カーディー・アスカル地区を砲撃・空爆、これに対して反体制武装集団は空軍情報部施設を手製の迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(9月3日付)によると、マーイル町、マンスーラ村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ズィルバ村、クワイリス村、ナイラブ村、ナッカーリーン・バーブ街道、ダイル・ハーフィル市、ナスルッラー村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市マイダーン地区、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・マクスード地区、ジュダイダ地区などに潜入を試みた反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市とタッル・ハラフ村を結ぶ街道で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

また民主統一党人民防衛隊は、カシュトゥー村および同村周辺にあるイラク・シャーム・イスラーム国の拠点を制圧した。

一方、クッルナー・シュラカー(9月4日付)は、複数の活動家の話として、軍が対イラク国境のヤアルビーヤ町を激しく砲撃を行い、イラク領内のラビーア町にも迫撃砲弾が着弾したと報じた。

しかし別の活動家によると、砲撃は民主統一党人民防衛隊によるもので、これにより子供2人を含む3人が死亡したという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、サフィール市のジャブサ・ガス・パイプラインで火災が発生した。

一方、SANA(9月3日付)によると、サフィーラ地方のガス・パイプラインを反体制武装集団が破壊し、ガスの輸送が一時中断された。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーマ町一帯、クドスィーヤー市郊外、ルハイバ市を軍が砲撃する一方、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月3日付)によると、ザマルカー町、ハルマラ市、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、ルハイバ市、ザバダーニー市郊外、ヤブルード市郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、ランクース市周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月3日付)によると、ドゥッラ村、ラビーア町、バイト・アーラブ村、カンダースィーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、サウジ人、インドネシア人、ソマリア人ら外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月3日付)によると、タドムル市南部の農場を軍が制圧した。

またスフナ市でトルコからの穀物を密輸していた貨物車を取り押さえ、運転手を逮捕、積荷を押収した。

このほかアーミリーヤ市、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ザーラ村、ガントゥー市、ヒムス市バーブ・フード地区、ワルシャ地区、クスール地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月3日付)によると、ダルアー市各所、ヌアイマ村、ナワー市、インヒル市で、軍が反体制武装集団と交戦し、ヨルダン人、サウジアラビア人ら外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ギリシャ・カトリック教会アンチオキア(アンタキア)総大司教のグレゴリウス3世ラッハームは、2011年3月以降、シリアの紛争を逃れるため約450万人のキリスト教徒が家を離れ、国内外で避難生活を送っていると発表した。

AFP(9月3日付)が報じた。

レバノンの動き

イランのアラーッディーン・ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長を団長とするイランの使節団がシリアに次いでレバノンを訪問し、ナビーフ・ビッリー国民議会議長、タマーム・サラーム首相、ミシェル・スライマーン大統領、ナジーブ・ミーカーティー暫定首相、アドナーン・マンスール暫定外務大臣、そしてヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長と会談し、シリア情勢などについて協議した。

NNA(9月3日付)によると、これら首脳らとの会談で、ボルージェルディー委員長は、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃が「地域の安定と安全を脅かす」とみなし、「バラク・オバマ米大統領に賢く振る舞い、軍事行動に突き進むべきでない…。米議会が自制を働かせ、地位の安定を脅かそうとする行為を抑止すべきだ」と述べたという。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は記者会見で、「武力行使は国連憲章第51条に基づく自衛権の行使か、安保理が認めた場合にのみ合法だ」、「いかなる懲罰的な措置も、流血拡大の阻止と紛争の政治的解決を目指す努力への影響を考慮しなければならない」と訴え、紛争の政治的解決に向けたジュネーブ2会議を早急に開催するよう呼びかけた。

一方、化学兵器使用に関する国連調査団の活動に関して、調査によって化学兵器の使用が確認された場合、「重大な国際法違反で、非道な戦争犯罪となる」と述べ、安保理が一致して適切な措置を講じるべきだと主張した。

**

『シュピーゲル』(9月3日付)は、ドイツ連邦情報局(BND)がヒズブッラー幹部とベイルートのイラン大使館外交官の電話を盗聴し、ヒズブッラー幹部がアサド政権による化学兵器攻撃を認めるかような発言を傍受したと報じた。

同報道によると、この幹部は「アサド大統領が正気を失い、化学兵器攻撃を命じるという大きな間違いを犯した」と話したという。

この情報は、2日のゲルハルド・シンドラーBND局長がドイツ議会の議員への非公式のブリーフィングで明らかにしたものだという。

**

『ハヤート』(9月4日付)は、ヨルダン内務省が、シリアからの避難民に関する報告書を入手したと報じた。

同報告書によると、これまでにヨルダンに入国したシリア人避難民の数は54万6,000人に達し、うち87,000人が自発的にシリアに帰国する一方、紛争勃発以前に比べて在ヨルダン・シリア人の数は29万6,000人増加したという。

また避難民のうち12万2,000人がザアタリー避難民キャンプに収容されている一方、54,000人が同キャンプから逃走したという。

さらにシリア軍を離反した兵士3,742人が当局の目を逃れてヨルダン国内に潜伏しているという。

**أيادٍ مصبوغة بلون الدماء.. خلف كيري .. اعتصامات ووقفات تضامنية مع سورية احتجاجا على التهديدات الأمريكية ورفضا لأي عدوان .. لا فرق بين السياسة الأمريكية وسياسة هتلر الفاشية

米国のジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官は、シリアへの軍事攻撃に関する上院外交委員会の公聴会に証人として出席し、バラク・オバマ大統領が準備する攻撃を承認するよう求めた。

ヘーゲル国防長官は、軍事攻撃が「シリア軍の化学兵器攻撃能力を低下させること」を目的とした限定的な攻撃だと指摘した。

また北朝鮮が大量の化学兵器を保有しているとしたうえで、「(大量破壊兵器使用・拡散禁止の)規範が緩めば、他の政権(イラン、北朝鮮など)に化学兵器使用を促すことになりかねない」と述べた。

さらに「我々が行動を拒否すれば、我々が提供する安全保障への信頼が揺らぐ」と強調した。

ケリー国務長官は、化学兵器の使用を容認するかどうかは「世界のレッド・ライン、人間のレッド・ラインの問題だ」と主張。さらにイランや北朝鮮を名指しし、議会が軍事攻撃を支持しなければ「独裁者が核兵器を含む大量破壊兵器を追求する機会を生み出すことになる」と明言した。

また「(軍事攻撃は)単なる(アサド政権への警告の)メッセージではなく、打撃と効果を伴うものだ」と述べ、

限定的な軍事攻撃によって結果的にシリア軍が弱体化する事態も想定され、シリアの紛争におけるパワー・バランスを変え得るとの認識を示した。

公聴会にはマーティン・デンプシー米陸軍参謀長も出席し、「任務は化学兵器関連の活動と、その運搬手段の双方の能力を低下させることにより、アサド政権の化学兵器使用を考えさせないようにすること」と述べた。

こうした証言に対して、マルオ・ルビオ議員(共和党)は「限定的な攻撃で化学兵器攻撃能力を抹殺できるのか」と質問した。

またランド・ポール議員(共和党)も「介入によって中東地域が安定するとどうして言えるのか」と、攻撃の成果へに疑義を呈した。

さらにトム・ウダル議員(民主党)は、反体制勢力と直接・間接的に連携する「アル=カーイダを勢いづける結果にならないか」と発言、エドワード・マーキー議員(民主党)も「米国民は再び他国の内戦に引きずり込まれる事態を望んでいない」と反対の意思を示した。

**

米上院外交委員会のロバート・メネンデス委員長(民主党)とロバート・コーカー筆頭理事(共和党)は、バラク・オバマ大統領が求めるシリアへの軍事攻撃を「軍事攻撃の期間を60日とし、1度だけ30日延長できる」に制限し、「戦闘目的での地上部隊派遣を禁止」するとした独自の決議案を共同で作成し、4日に同決議案を審議すると発表した。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領はドイツのヨアヒム・ガウク大統領との会談後の共同記者会見で、『ル・フィガロ』(9月2日付)のアサド大統領のインタビューに関して「独裁者は…プロパガンダを通じて化学兵器を保有していないと嘘をつき、フランス国民を脅迫できる…。こうした脅迫は彼の体制が続く限りはなくならないだろう」と批判、アサド政権への懲罰が必要だとの意志が高まったと述べた。

しかし、フランスによる単独での軍事行動については否定した。

AFP, September 3, 2013、Elaph, September 3, 2013、al-Hayat, September 4, 2013、Kull-na Shuraka’, September 3, 2013, September 4, 2013、Kurdonline,
September 3, 2013、Naharnet, September 3, 2013、NNA, September 3, 2013、Reuters,
September 3, 2013、SANA, September 3, 2013、Der Spiegel, September 3, 2013、UPI, September 3, 2013などをもとに作成。

写真はChampress, September 4, 2013。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

仏政府が「アサド政権による大規模で組織的な化学兵器攻撃が行われた」と断じる報告書を公開するなか、NATO事務局長は米国が準備するシリアへの軍事攻撃に参加しない意向を改めて示す(2013年9月2日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部はダマスカスで声明を出し、21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃がアサド政権によるものだとの考えられるとしつつ、米国が準備するシリアへの軍事攻撃が、米国とシオニスト政体の国益に資するだけでシリア国民のためにならないと非難・拒否した。

そのうえでジュネーブ2会議開催を通じて紛争の政治的解決を改めて主張した。

なお化学兵器をアサド政権によるものだと見ている点に関して、声明は、攻撃が反体制武装集団の制圧地域で行われたこと、そして軍による集中的な攻撃のなかで化学兵器が使用されたとの二つの根拠を示している。

シリア政府の動き

アサド大統領は『フィガロ』(9月2日付)のインタビューに応じた。

インタビューのなかでアサド大統領は、米仏がシリアを軍事攻撃すれば「地域戦争に発展する危険がある」と警鐘をならした。

また「中東は火薬庫だ。爆発すれば誰にも制御できない。混乱を招き、過激主義が台頭する」と付言した。

さらにシリア政府が化学兵器を使用したと断じる米仏の姿勢については「オバマ大統領とオランド大統領はそれぞれの国民に対してさえ、証拠を示すことはできていない」と反論した。

http://www.lefigaro.fr/international/2013/09/02/01003-20130902ARTFIG00532-la-mise-en-garde-d-el-assad-a-la-france.php

**

クッルナー・シュラカー(9月2日付)によると、軍事情報局パレスチナ課と第215課が米国の軍事攻撃に備えてバラームカ地区のダール・タウリード病院内に施設・スタッフを移転した。

また軍事情報強地域課もマッザ区の大学寮内に施設・スタッフを移転した。

**

AFP(9月2日付)は、アサド政権を支持するハッカーが、米海兵隊のウェブサイトにサイバー攻撃をかけたと報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が1日から攻撃を激化させていたルハイバ市を軍が砲撃、また両者が交戦し、反体制武装集団の戦闘員20人、子供4人、女性5人を含む42人が死亡した。

またアドラー市北方のドゥマイル街道で、軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員約30人が死亡した。

このほか、バイト・サフム市、ダーライヤー市、キスワ市および郊外、ザバダーニー市郊外、ランクース市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月2日付)によると、ハーマ町郊外、ザバダーニー市郊外、マダーヤー町、ザマーニーヤ市、カースィミーヤ市、ズィヤービーヤ町、ルハイバ市、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ブワイダ市、ドゥマイル・アドラー街道で、軍が反体制武装集団と交戦・要撃し、シャームの民のヌスラ戦線の外国人(リビア人、ヨルダン人)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区、ヤルムーク区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またマーリキー地区に迫撃砲弾が着弾した。

クッルナー・シュラカー(9月2日付)によると、治安当局がハリーカ地区の両替商(ジャージャ両替社)に立ち入り捜査を行い、社長、従業員、その場に居合わせていた顧客らを逮捕した。

一方、SANA(9月2日付)によると、マーリキー地区にあるジャーヒズ公園近くに迫撃砲弾が着弾した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月2日付)によると、ヒムス市カラービース地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、ラスタン市、カルアト・ヒスン市、ザーラ村、タドムル市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、レバノン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山、カンスフラ村を軍が砲撃・空爆、2日にわたる反体制武装集団との交戦の末、軍がカフルズィーター市を制圧した。

一方、SANA(9月2日付)によると、アブー・ズフール航空基地に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またラーミー村、カフルズィーター市、ナフラ市、アルバイーン山、マジュダリヤー村、バザーブール村、カフルルーマー村、ヒーシュ村、カフルサジュナ市、マアッラト・ヌウマーン市、シュグル市、ミシュミシャーン市、ブワイディル村、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ハーフィル市を軍が砲撃した。

また反体制武装集団はクワイリス航空基地への突入を準備、駐留するシリア軍将兵に24時間に離反・投降するよう最後通告を出した。

アレッポ市マイダーン地区、シャイフ・マクスード地区で軍とクルド戦線旅団が交戦し、軍に複数の死傷者が出た。

またアシュラフィーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆した。

一方、SANA(9月2日付)によると、ハーン・アサル村、ズィヤーラ村、アレッポ中央刑務所周辺、ダイル・ハーフィル市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・バーシャー地区、サラーフッディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、反体制勢力によると、軍の戦闘機が墜落したという。

**

ハマー県では、SANA(9月2日付)によると、ハウラート・アムーリーヤ村を反体制武装集団が迫撃砲で攻撃、これに対して軍が反撃し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殲滅した。

また軍はカッサービーン村などで、反体制武装集団の拠点を攻撃、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、シリア軍事攻撃決議案への支持を求めるため、共和党のジョン・マケイン上院議員、リンゼー・グラハム上院議員をホワイトハウスに招いて会談した。

マケイン上院議員は会談後、「決議案が否決されれば、大統領だけでなく、米国の信用にも大打撃になる」と述べ、攻撃を基本的に支持する姿勢を示した。

しかし「同僚を説得する前に、大統領が私を納得させる必要がある」とし、「より具体的な(作戦の)詳細を見る必要がある」と付言した。

**

米ホワイトハウスは、シリア軍事攻撃の承認を得るため、上下両院の議員を対象に、アサド政権が化学兵器を使用したと断定した根拠などについての説明会を開催した。

説明会は非公開で行われ、約70人の議員が出席した。

**

ロイター通信(9月2日付)は、米国防総省当局者が、米海軍の原子力潜水艦ニミッツおよび駆逐艦3隻、巡洋艦1隻をアラビア海から紅海に向けて移動させたことを明らかにしたと報じた。

**

フランス政府は、8月21日の化学兵器使用疑惑に関する諜報機関の調査報告書と資料となったビデオを公開し、アサド政権による「大規模で組織的な化学兵器攻撃が行われた」と断じた。

報告書は全9ページで、機密部分は削除されている。

報告書の主な内容は以下の通り:

1. 47本のビデオを分析した結果、ダマスカス郊外県東西グータ地区での化学兵器攻撃による死者数は281人にのぼった。
2. 異なる8カ所の地点で、致死性の高い化学兵器攻撃による激しい症状を示し、短期間に大勢の患者が病院に運び込まれた。
3. 反体制勢力が政権による化学兵器使用を演出・操作したとは考えられない。
4. 諜報機関は、ダマスカス郊外県以外(イドリブ県サラーキブ市、ダマスカス県ジャウバル区)で、土、弾薬、被害者の血液や尿のサンプルを入手・検査し、サリン・ガスが使用されたことが判明した。
5. シリアの化学兵器開発は1970年代に始まり、現在1,000トン以上の化学兵器(未完成のものを含む)を保有している。
6. 数百トンのイペリット・ガス、数十トンのVXガス、数百トンのサリン・ガスを保有している。

**

フランスのジャンマルク・エロー首相は、調査報告書公開に先立ち、報告書を上下両院の与野党議員団長に提示した。

またその後の演説で、アサド政権に「罰を与えるべき」だと主張したが、シリアへの軍事攻撃そのものについては「フランス単独では行わない」と述べ、米国の動きに従う意向を示した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワの大学での講演で、アサド政権が8月21日に化学兵器を使用したとの証拠を米国などから提示されたことを明らかにしたうえで、「米英仏から見せられた証拠はまったく納得できない。裏付けとなるものを求めると秘密だから明かさないと言われた」と批判した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は定例記者会見でシリア情勢に関して「NATOは加盟国間の協議やトルコの防衛を通じて役割を果たしている。現段階でそれ以上の役割は想定していない」と述べ、米国が準備するシリアへの軍事攻撃に参加しない意向を改めて示した。

**

『ハアレツ』(9月2日付)は、イスラエル軍戦闘機(F15)が8月31日にシリア(ラタキア)とレバノンの上空を低空で領空侵犯していたと報じた。

**

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シリアから周辺諸国への避難民の数が、200万人に達したと発表した。

同事務所によると、8月末の時点で、避難民の数はレバノンが約71万6,000人、ヨルダンが約51万5,000人、トルコが約46万人など。

毎日約5,000人のペースで増えていたが、バラク・オバマ米政権がシリアに軍事攻撃を行う方針を示したことで、避難民流出に拍車がかかっているという。

また国内避難民の数は425万人に及ぶという。

アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は声明を出し、シリア情勢に関して「この悲惨な状況は最近の歴史で並ぶものがない」と深刻さを指摘した。

AFP, September 2, 2013、Le Figaro, September 2, 2013、al-Hayat, September 3, 2013、Kull-na Shuraka’, September 2, 2013, September 4, 2013、Kurdonline,
September 2, 2013、Naharnet, September 2, 2013、Reuters, September 2, 2013、SANA,
September 2, 2013、UPI, September 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がイラン使節団と面会し米国が準備している軍事攻撃などについて協議するなか、カイロでのアラブ連盟定例外相会議が「化学兵器使用の責任がアサド政権にある」と断じつつ閉幕(2013年9月1日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長はスカイニュース(9月1日付)に、「アサド政権による化学兵器使用への適切な対応は政治対話だ」と述べ、米国が準備するシリアへの軍事攻撃を拒否する姿勢を示すとともに、「政治的解決が無理なら、シリアは死ぬだろう」と警鐘を鳴らした。

一方、自由シリア軍などによる武装闘争に関して「シリアの人とインフラがその代価を支払う奇襲」と非難した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、米議会に対して「シリア国民に対する歴史的責任を果たし、犯罪者体制による殺戮装置停止に向けた米政府の動きを支援するための正しい決議を行う」よう呼びかけた。

また「イランと北朝鮮が、ダマスカスの独裁体制に自由主義諸国が何をするかを注視している」と述べる一方、「アサド政権打倒をめざす自由シリア軍の武力強化に合致しないいかなる軍事行動も、政権に殺戮継続の新たな猶予を与える」と警鐘を鳴らした。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、軍が保有するスカッド・ミサイルおよびミサイル発射台が、学校や大学寮、都市部の政府施設に移動されるとともに、「アサドは逮捕者を軍事攻撃目標に移動させ、西側の空爆に対する人間の盾として利用しようとしている」との報告が国内からなされていると発表した。

これに関して、ロイター通信(9月1日付)は、事実確認がとれていないと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月1日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立に対して最近、湾岸のある国から2,000万ドルの資金援助があったと報じた。

同報道によると、この援助は長らく滞っていたもので、連立の再三にわたる要請を受けて支給されたという。

**

地元調整諸委員会は声明を出し、米国が準備しているシリアへの限定的な軍事攻撃に関して「アサドに対する一時だけの懲罰攻撃は、その暴力を増長させるだけだ…こうした一時だけの攻撃は、化学兵器以外のあらゆる重火器使用をむしろ国際的に認めることになる」としたうえで「(シリア)政府へのいかなる攻撃も、民間居住地区に対して用いられる…その空軍力、砲撃・ミサイルの能力を無力化するための断固たる正確なものでなければならない」と主張した。

シリア政府の動き

アサド大統領はシリアを訪問中のアラーッディーン・ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長らイラン使節団と会談、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃などシリア情勢などについて協議した。

SANA(9月1日付)によると、アサド大統領は会談で「(米国の)脅迫は…、米国を筆頭とする一部の地域諸国、西側諸国が支援するテロと戦おうとする確固たるとの原則や姿勢をシリアから排除するものではない」と強調するとともに、「テロ集団に代表される国内の敵に日々立ち向かっているのと同様、いかなる外国の敵と対決でき…、勝利を実現し、治安と安定を全土に回復する」と述べた。

これに対して、ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長は、シリアの指導部、国民への支持の姿勢を示すとともに、「シリアに対するいかなる外国の攻撃も失敗する運命にある」と伝えたという。

ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長ら一行はまた、ワーイル・ハルキー首相、ムハンマド・トゥルキー・サイイド人民議会担当国務大臣、タイスィール・ズウビー人民議会書記、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ファイサル・ミクダード同副大臣、アフマド・アルヌース同顧問とも会談した。

**

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、バラク・オバマ米大統領がシリア攻撃の承認を米議会から得られるかとの記者団の質問に対し「米議会がシリア情勢への対処に関して英知をもって対応することを望んでいる」と述べた。

SANA(9月1日付)が報じた。

またミクダード外務在外居住者大臣は、米国が準備しているシリアへの軍事行動に関して、ロシア・トゥデイ(9月1日付)に、米国が「シリアにおけるテロリストの同盟者」だと批判した。

**

バッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、シリア政府が国連の潘基文事務総長に対して「シリアへのあらゆる敵対行為を阻止するための努力を責任をもって遂行し、シリア危機の平和的解決に向けて前進させるよう呼びかけている」と述べ、「国際法の枠外での武力の行使」を国連として阻止するよう求めた。

SANA(9月1日付)が報じた。

**

バアス党シリア地域指導部は声明を出し、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃に関して「国際法の還俗と人道規範への非礼な侵害で…最悪の国家テロ」だと厳しく批判した。

国内の暴力

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月1日付)によると、ラアス・アイン市郊外のタッル・ハラフ村、トゥワイミーヤ村、ダルバースィーヤ街道で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

また同報道によると、カーミシュリー市アッシリア地区で、クルド人反体制活動家のアフマド・ファルマーン・ブーナジャク氏が「黒い車」に乗った武装集団に襲撃され、暗殺された。

これに関して、民主統一党在欧機構は声明を出し、暗殺を非難した。

一方、SANA(9月1日付)によると、ハサカ市内各所、シャルムーフ村、マグルージャ村、ハッラーブ・アスカル村、ムジャイビラ村、マハッタ・アブヤド村、ヤアルビーヤ町、バジャーリーヤ村、シャッダーディー市、アブー・ハズフ村、タッル・マアルーフ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またSANA(9月3日付)によると、反体制武装集団の再三にわたる攻撃により、ルマイラーン地方の油田1カ所で火災が発生した。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(9月2日付)によると、イスラーム旅団がカラムーン山地一帯郊外の第81旅団本部を襲撃し、重火器を捕獲した。

またシリア人権監視団によると、ハーマ町、クドスィーヤー市郊外で、軍と反体制武装集団が交戦する一方、軍はズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町郊外、ラビーハ市を砲撃・空爆した。

このほか、ジャムラーヤー山で大規模な火災が発生したという。

一方、SANA(9月1日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、カースィミーヤ市、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ザバダーニー市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、リビア人、ヨルダン人、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月1日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内各所、サナマイン市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月1日付)によると、サナマイン市で、反体制武装集団がしかけようとしていた爆弾が誤爆し、複数の戦闘員が死傷した。

またブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市郊外のマドムーマ村で何者かが、女性・子供を含む住民16人を虐殺した。

これに関して、『ハヤート』(9月2日付)は、シャーム自由人大隊が関与を否定したと報じた。

このほか、サラーキブ市を軍が砲撃する一方、反体制武装集団が占拠していたアリーハー市複数地区を軍が空爆・砲撃し、奪還した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、アレッポ中央刑務所周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月1日付)によると、クワイリス村、アイン・ジャマージマ村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、マルジャ地区、アズィーザ地区、アーミリーヤ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー町一帯を軍が空爆した。

**

ヒムス県では、SANA(9月1日付)によると、サリーム村、タッル・ハズナ村、クズハル村、ウンム・カサブ村、キースィーン村、タッルカラフ市郊外、サアン村、ヒムス市ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、アーミリーヤ市、アイン・フサイン村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月1日付)によると、ガーブ地方のカフルヌブーダ町、フワイジャ村、カルアト・マディーク町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハウラート村・サルハブ市間の街道で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が負傷した。

諸外国の動き

フランスのエマニュエル・ヴァルス内務大臣は「ヨーロッパ1」ラジオ(9月1日付)に、シリアへの軍事攻撃に関して「フランス単独では実施できない」と述べ、フランスが米国の決定を待って、参戦を判断する方針であることを明らかにした。

またヴァルス内務大臣は声明で、「現在シリアに数百人の欧州出身者がおり…、約113人のフランス人が現在、シリアにおり、約10人が殺害された」と発表し、フランス人がサラフィー主義武装集団に参加してシリアで活動していることを認めた。

AFP(9月1日付)が報じた。

**

『ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ』(9月1日付)は、フランスの諜報機関が、アサド政権が数百トンのマスタード・ガスとサリン・ガスを保有しているとの報告書をまとめ、政府が近く、シリアの化学開発計画に関するフランスの機密情報を公開するだろうと報じた。

**

アラブ連盟定例外相会議がカイロで開催され、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃など、シリア情勢への対応について協議した。

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、アラブ連盟外相会議の開会セッションで、シリアへの軍事介入を求めるシリア革命反体制勢力国民連立や自由シリア軍参謀委員会などへの支持を表明するとともに、「シリア国民を助けることために行動(軍事行動)することは、外国の内政干渉とはみなされない」と主張した。

サウード・ファイサル外務大臣は、エジプトのナビール・ファフミー外務大臣との共同記者会見でも、「シリア国民へのこの(アサド政権の)攻撃を停止させるため、国際社会が努力することを求める」と述べた。

また会議に出席したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、「イランとヒズブッラーの民兵がシリア国民への殺戮を行っている」と主張、「シリアでの戦いを、イランの介入を防ぐための糸口としよう」と述べ、アラブ諸国にシリアへの(米国などの)軍事攻撃を支持するよう求めた。

さらにナビール・アラビー事務総長は、「シリア政府によるダマスカスのグータでの卑劣な犯罪を厳しく非難する」と述べ、21日の化学兵器攻撃をアサド政権によるものだと断じた。

しかし、エジプトのナビール・ファフミー外務大臣は、現下のシリアの紛争状態の責任がアサド政権にあると非難する一方、「シリアが崩壊、分割の危機に近づいている…。危機を終わらせるための唯一の手立ては政治的解決だ」と強調し、軍事介入に改めて消極姿勢を示した。

またアフマド・ベン・フッリー事務次長も、シリア危機に関する協議が「国連決議や国際法の遵守が…いかなる決議採択においても考慮される」と述べ、国連の承認を得ないかたちでのシリアへの軍事介入に消極的な姿勢を示した。

さらにナースィーフ・ヒッティー報道官も、「アラブ連盟はシリアに対して行われるかもしれない米国の軍事攻撃をアラブが覆い隠すことを否定する」と述べた。

**

アラブ連盟定例外相会議は同日中に閉幕声明を採択して、閉幕した。

閉幕声明は、シリアでの化学兵器使用を「卑劣な犯罪…道徳、人間性、国際法、規範へのあからさまな挑戦・軽視」と非難する一方、化学兵器使用の責任がアサド政権にあると断じ、関係者の国際法廷での裁判を求めた。

また声明は、シリア国民による自衛に必要な支援、アラブ諸国、国際社会によるシリア国民への支援の必要を確認するとともに、国連と国際社会に対して、アサド政権による化学兵器使用を抑止するの必要な措置を責任をもって講じるよう呼びかけた。

しかし、アルジェリアは、化学兵器使用に関する国連調査団の調査結果が出るまで、国連に対する呼びかけを行うべきでないと主張し、この決議の採決を棄権した。

また、イラクは、化学兵器の使用をアサド政権の犯行と断じ、非難する文言に異議を唱え、決議を拒否した。

レバノンは、シリアの紛争への不関与という立場から、決議の採決を棄権した。

『ハヤート』(9月3日付)が報じた。

**

ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は、国防最高評議会会合を開き、米国が準備しているシリアへの軍事攻撃への対応などについて協議した。

会合後、ナスール首相は、対シリア国境の厳戒態勢強化に関して「ヨルダン人と領内で生活するすべての人々の安全を確保することが義務である」と述べる一方、「我々は紛争当事者でない…。過去3年にわたるヨルダンの政策はシリアの問題に対していかなる干渉もしないというものだ」と述べた。

これに関して、ヨルダンのムハンマド・ムーマニー内閣報道官は『ハヤート』(9月2日付)に対して、シリア人避難民問題に関する閣僚最高委員会が、対シリア国境地帯の治安措置の強化を決定するとともに、国境地帯の住民へのガスマスクの配布などについて検討したことを明らかにした。

『ハヤート』(9月2日付)はこうしたヨルダン政府の姿勢に関して、米国の軍事攻撃に際して、ヨルダン領内の兵站支援などを行うことに同意したことの兆候だと報じた。

**

パレスチナのガザ地区で活動する国民イスラーム諸勢力はイスラーム聖戦の本部で会合を開き声明を発表、「シリアへの敵対行為を行うとの米国の脅迫激化」を非難し、「シリアへのあらゆる外国の干渉」を拒否するとの意思を示すとともに、アラブ諸国の外相、国際機関に対して、政治的な危機解決のために尽力するよう呼びかけた。

『ハヤート』(9月2日付)が報じた。

**

アズハル機構は声明を出し、「米国大統領がシリアへの軍事攻撃を決定することを激しく拒否・反対する…。(シリアへの軍事攻撃は)アラブ民族、イスラーム共同体への敵対行為、脅迫であり、国際社会の平和と安全を危険に曝す」との姿勢を示した。

**

ローマ法王フランシスコは、9月7日にシリアと中東の和平のための断食の祈りの日とすると発表し、化学兵器使用に非難の意を示すとともに、外国の軍事介入を拒否する姿勢を示した。

『ハヤート』(9月2日付)が報じた。

AFP, September 1, 2013、al-Hayat, September 2, 2013, September 3, 2013、Le Journal du Dimanche, September 1, 2013、Kull-na Shuraka’, September 1, 2013、Kurdonline, September
1, 2013、Naharnet, September 1, 2013、Reuters, September 1, 2013、Russia Today,
September 1, 2013、SANA, September 1, 2013, September 3, 2013、Sky News Arabic,
September 1, 2013、UPI, September 1, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

オバマ米大統領がシリアへの軍事攻撃に関して米議会の承認を得る意向を発表するも、プーチン露大統領は化学兵器使用の責任をめぐる米政府の報告書を「愚かで、ナンセンス」と酷評(2013年8月31日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍ダルアー軍事最高評議会議長のアフマド・ファフマ・ニウマ大佐はElaph(8月31日付)に「軍事攻撃は西側が始めるが、戦いを終わらせ、勝利するのは自由シリア軍だ。我々の戦いの基本は、体制打倒であり、それは首都ダマスカスでなされるだろう」と述べ、米国が準備しているとされる軍事攻撃に合わせて地上攻撃を激化させる決意を示した。

**

自由シリア軍合同司令部報道官のカースィム・サアドッディーン大佐はロイター通信(8月31日付)に、米軍がシリアへの軍事攻撃を行った場合の軍事行動計画を、一部の反体制組織に伝えたと述べた。

サアドッディーン大佐によると、この軍事行動計画では、米軍の空爆が予想される標的への地上攻撃などを骨子とするが、外国の支援を受けずに独自に策定されたという。

サアドッディーン大佐はまた、米国が軍事攻撃に関して、シリア革命反体制勢力国民連立をはじめとする一部の反体制組織としか連絡をとり合っていないと不満を表明した。

**

『ハヤート』(9月1日付)は、複数の反体制筋の話として、自由シリア軍(参謀委員会)が、米国に、24カ所の軍事拠点を含む約50の標的を示した攻撃目標リストを提出した、と報じた。

**

『ハヤート』(9月1日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで緊急会合を開き、米国がシリアへの軍事攻撃を行った場合の対応などを協議し、「挙国一致政府」(移行期政府)樹立の試みを再開することなどを確認した。

**

シリア国民民主ブロック(リフアト・アサド前副大統領)のファールーク・ムサーリウ在欧総合調整局長は、キャリマ・オンライン(8月31日付)に、米国が準備しているとされるシリアへの軍事行動を「シリアへの新たな津波」と評し、「シリアだけでなく、中東の将来にとって大惨事となり、シリアは大国の交渉の部隊となるだろう。もはや決定は、シリア政府と反体制武装集団の間でなされなくなってしまった」と事態を憂慮した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、アイン・タルマー村で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またザバダーニー市郊外、ワーディー・バラダー地方、サイイド・ザイナブ市郊外、バイト・サフム市、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、アルバイン市を軍が砲撃・空爆する一方、バハーリーヤ市の鉄道駅を反体制武装集団が占拠、同市とジャブラー市で軍と交戦した。

一方、SANA(8月31日付)によると、ドゥーマー市、カースィミーヤ市、バハーリーヤ市、ズィヤーイーヤ市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月31日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(8月31日付)によると、マンスーラ村、ハーン・アサル村、クワイリス村、ナイラブ航空基地周辺で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ラーシディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(8月31日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ワアル地区、カズアル村、ラスタン・ガジャル街道で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(8月31日付)によると、ダルアー市、東ガーリヤ・ヒルバト・ガザーラ街道で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(8月31日付)によると、ラビーア町、アックー村、トゥッファーヒーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線、ジャブラ自由人大隊、ビンニシュ自由人大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(8月31日付)によると、北部県アッカール郡ヒクル・ジャニーン村、カシュラク村の郊外にシリア領から発射された迫撃砲弾が3発着弾、また銃撃戦が発生した。

**

『ナハール』(8月31日付)は、北部県トリポリ市での同時爆弾テロに関して、身柄拘束中のサラフィー主義者アフマド・ガリーブ氏、ムスタファー・フーリー氏、シリア軍士官2人(ムハンマド・アリー氏、アリー・フドル・アルバーン氏)などに対する取り調べなどから、事件が7ヶ月前から準備され、シリア軍士官が関与していた可能性があると報じた。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団13人が、ダマスカスからベイルートへの移動を完了した。

調査団はイスタンブール経由でニューヨークへ帰任し、潘基文事務総長に調査報告を行う。

**

バラク・オバマ米大統領は、ホワイトハウスで声明を発表し、シリアへの軍事攻撃に関して米議会の承認を得る意向を発表し、化学兵器の使用阻止などを目的とした限定的な武力行使の承認を求める決議案を上下両院に提出した。

決議案は「シリア国内外での生物・化学兵器を含むすべての大量破壊兵器の使用や拡散を予防・阻止し…米国と同盟国、友好国を脅威から守る」ことを目的とし、「大統領が必要且つ適切と判断する軍事力の行使」への承認を求めている。

オバマ大統領はまた「21世紀最悪の化学兵器攻撃」とアサド政権を非難、「独裁者が数百人の子供を毒ガスで殺害し、何も問われなければ、どんなメッセージを送ることになるか?化学兵器使用を禁じた国際規範に、どんな目的があるのか?議員一人一人と、国際社会に問いたい」と強調した。

さらに「我々の力は軍事力だけでなく、「人民の、人民による、人民のための政府」の模範であることに根ざしている」と付言、軍事行動の必要を力説した。

**

ロシアのウラジミール・プーチン大統領はウラジオストクで、アサド政権が21日に化学兵器を使用したとする米政府の報告を「愚かで、ナンセンス。意味がない」と批判した。

プーチン大統領はまた、アサド政権が化学兵器を使用した証拠を持っているなら、米国は国連調査団に提出すべきだとしたうえで、「もし提示されないなら、証拠はないということだ」と述べた。

また国連安保理の承認を得ずにシリアへの軍事攻撃が行われれば「世界システム、国連への深刻な打撃」、「国際法違反になる」、「攻撃は犠牲者を生む。国際世論に逆らう決定を下す前によく考えるよう呼びかけたい」と、バラク・オバマ米政権の姿勢を批判、「米大統領ではなくノーベル平和賞受賞者としてのオバマ氏に話しかけたい」と述べ、米国との協議に前向きの姿勢を示した。

**

フランス大統領府は声明を出し、フランソワ・オランド大統領がバラク・オバマ米大統領と電話会談し、「化学兵器使用に国際社会が寛容であってはならず、シリア政府の責任を追及し、その使用を非難するために強いメッセージを伝えるべきとの点で合意した」ことを明らかにした。

両国はまた「緊密で友好的な同盟国」として、シリア情勢への協議を続けると付言した。

**

イランのアラーッディーン・ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長を団長とするイランの使節団が、シリア情勢を協議するため、ダマスカスを訪問した。

使節団はシリアでアサド大統領ら首脳と会談したのち、レバノンを訪問する予定。

**

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は独日刊紙とのインタビューでシリア紛争をめぐって拒否の姿勢をとり続けるロシアと中国を批判する一方、米国が準備するシリアへの軍事攻撃に「ドイツ軍の参加は提起さ