ローマで開かれたシリアの友連絡グループ会合にハティーブ議長が参加、閉幕後の記者会見で米国務長官は「シリア革命反体制勢力国民連立の努力を支援するため」6,000万米ドル相当の非軍事支援を行うと発表(2013年2月28日)

シリアの友連絡グループ会合(ローマ)

イタリアのローマで、シリアの友連絡グループ会合が開かれ、西側諸国、湾岸アラブ諸国、トルコなど11カ国外相、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相らが参加した。

Reuters, February 28, 2013
Reuters, February 28, 2013

西側諸国が2011年9月から12年11月まで積極的に支援してきたシリア国民評議会(シリア・ムスリム同胞団が主導)は会合をボイコットしたが、一部のメンバーは出席した。

会合後に発表された閉幕声明の骨子は以下の通り:

1. シリア政府は住宅地区への「無差別」砲撃を即時に停止しなければならず、これらの行為は処罰を免れ得ない人道に対する罪である。
2. シリアの友連絡グループ各国は、現地におけるパワー・バランス(シリア政府の優位)を変化させる必要を確認する。
3. シリアの友連絡グループ各国は、一部諸外国によるシリア政府への武器供与が引き続き行われていることに懸念を表明する。
4. シリアの友連絡グループ各国は、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、さらなる政治的・物的支援を行い、シリア国内に具体的な支援物資を搬入する。

しかし声明では、反体制勢力に対する支援の額、内容、そして国内での具体的な物資受入機関については明記されなかった。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブは会合後、ジョン・ケリー米国務長官と共同記者会見を開いた。

会見で、ハティーブ議長は、シリア国内への支援を行うため、ヒムス県やダマスカス郊外県ダーライヤー市への「安全保障救済回廊の設置」を求めたことを明らかにした。

また「シリア国民と革命家たちに、完全なる自衛権を与える」よう求めたとしたうえで、「反体制勢力に高度な武器を供与しない…という国際的な合意がある…。もしそうしたいのなら、過去の契約の名のもとに今日もなお続いているシリア政府への高度な兵器の兵站支援を止めよ」と述べ、ロシアやイランを非難した。

さらに国内でテロを行っている武装勢力に関して、「国内で戦っている同胞のほとんどが、武器を持つことを余儀なくされた穏健な人々だ。我々の社会にとって異質な思想を持った者が若干はいる。我々はこうした事態を明確に拒否している。タクフィール主義思想に反対している」と述べ、シャームの民のヌスラ戦線を反体制勢力の一部だとした2012年末の姿勢を撤回した。

政権との対話イニシアチブに関しては、アサド政権の退陣と抑圧的な軍・治安機関の解体が条件になると改めて述べた。

一方、ケリー国防長官は、米国が6,000万米ドル相当の支援を行うと発表、「今後数ヶ月中に、シリア革命反体制勢力国民連立の努力を支援するため、兵器以外の支援を行うだろう」としたうえで、自由シリア軍に対して「医療、食糧支援」など「直接支援が行われるだろう」と述べた。

米国がシリア国内の反体制武装勢力への直接支援を公言するのは、これが初めてだが、『ハヤート』(3月1日付)によると、米国はこれまでシリアに対して3億8500万米ドルの人道支援を行うとともに、5,400万米ドル相当の通信機器、医療物資を供与している。

なお共同記者会見終了直前、「U$A, EU, ITALY, QATAR, SAOUD, TURKEY SUPPORT TERRORISTS」と書かれたプラカードを掲げた活動家が、抗議の意思を示した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は、フェイブック(2月28日付)を通じて声明を出し、3月2日のイスタンブールでのシリア革命反体制勢力国民連立の会合で選出される予定の移行期政府の首班候補の一人として自身の名があげられていることに関して、連立メンバーがいかなるポストも得るべきでなく、若者に委ねるべきだと主張してきたと述べ、首班就任を辞退する意思を示した。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相は声明を出し、3月2日のイスタンブールでのシリア革命反体制勢力国民連立の会合で選出される予定の移行期政府の首班候補の一人として自身の名があげられていることに関して、これを辞退するとの意思を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のサミール・ナッシャールは、ザマーン・ワスル(2月28日付)に対して、ローマでのシリアの友連絡会合からの「政治的指示」により、3月2日にイスタンブールで予定されている移行期政府首班選出のためのシリア革命反体制勢力国民連立の会合が延期される見込みだと述べた。

ナッシャールによると、延期は、米国とロシアが、ジュネーブ合意に沿って、反体制勢力と現政府の双方が参加したかたちでの移行期政府の樹立を行う点で合意したためだという。

ナッシャールは、反体制武装勢力の間で移行期政府首班指名に関する意見の相違はないが、「事態は中東地域のコントロール外、反体制勢力の枠外に置かれてしまった」と批判した。

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シリアの友連絡グループ会合後にシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、3月2日にイスタンブールで予定されていた移行期政府首班選出のための会合を無期限で延期すると発表した。

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自由シリア軍国内合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー(在レバノン、写真)は、アナトリア通信(2月28日付)に対して、「シリアの主権下にあるこれらの村(ヒムス県の対レバノン国境の8村)の住民はスンナ派、シーア派、アラウィー派、キリスト教徒からなり、シーア派の村は二つしかなく、レバノン人住民はその一部に過ぎない」と述べ、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の演説(27日)内容を否定した。

Naharnet, February 28, 2013
Naharnet, February 28, 2013

そのうえで「我々はいかなる代償を払おうとも、占領された村を奪還する」と述べたうえで、「これらの村からスンナ派の住民を排除しようとしている」と断じた。

一方、ミスリーはダマスカス郊外県アクラバー村で、自由シリア軍がヒズブッラーの戦闘員1人を殺害したと発表した。

ミスリーによると、アクラバー村とサイイド・ザイナブ市のヒズブッラー戦闘員どうしの無線通信を傍受し、殺害に至ったという。

ミスリーは、「ヒズブッラーの戦闘員が、シリア領内、とりわけダマスカス郊外で、毎時殺戮を行っている」と断じた。

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クルド最高会議とシリア革命反体制勢力国民連立の代表は、2月17日の民主統一党と自由シリア軍ハサカ革命軍事評議会のラアス・アイン市での停戦合意を承認し、同合意実施に向けて全面支援することを確認した。

国内の暴力

ヒムス県では、SANA(2月28日付)によると、ヒムス市アクラマ・ジャディード地区で、反体制武装勢力が爆弾を仕掛けた車が爆発し、市民1人が死亡、24人が負傷した。

また、ラスタン市郊外、東ブワイダ市、サッルーミーヤ市、カマーム市、アービル村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスクから軍が撤退し、反体制武装勢力が同モスクを占拠した。

軍は早朝にモスクから撤退し、周辺の施設に再結集したという。

また同監視団によると、ウマイヤ・モスク周辺では依然として戦闘が続いており、反体制武装勢力は近くの裁判所などを占拠し、アレッポ城からの軍の兵站路を遮断しようとしている、という。

一方、SANA(2月28日付)によると、カフルナーハー村、アイン・ダクナ村、マンナグ村、ラスム・アッブード村、ザハビーヤ村、ナイラブ村(航空基地周辺)、タッル・アッジャール村、サフィール市、タッル・リフアト市、ハーン・アサル村(警察学校周辺)、タッル・シュガイブ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ダウワール・ジャズマーティー、ダウワール・マルジャ、サーリヒーン地区、アンサーリー地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月28日付)によると、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー市、ハラスター市、アドラー市、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、ザバダーニー市、ナブク市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団、ファールーク大隊、ラフマーン大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月28日付)によると、ダルアー市、ブスラー・シャーム市、ウンム・マヤーズィン町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月28日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、カフルワジーン市、マアッラトミスリーン市、タッル・マルディーフ市、ジスル・シュグール市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月28日付)によると、スライヒーン町で軍が反体制武装勢力と交戦、戦闘員を殲滅した。

国内の動き(シリア政府の動き)

シリア航空公社のガイダー・アブドゥッラティーフ総裁は、AFP(2月28日付)に対して、ダマスカス国際空港への街道は「安全で、旅行者の安全は保証されている」と述べ、各国の航空会社にダマスカス、ラタキア、カーミシュリーの国際空港への便を再開するよう呼びかけた。

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シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出、そのなかでイスラエルによるゴラン高原での石油採掘計画に関して、「違法であり、国連諸決議の明らか違反」と非難、国際社会に「真摯な対応」を求めた。

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Damas Post(2月28日付)は、日刊紙『サウラ』、『ティシュリーン』を発行するワフダ公社消息筋の話として、同公社の地方紙『ジャマーヒール』(アレッポ県)、『フラート』(ダイル・ザウル県)、『ウルーバ』(ヒムス県)の紙媒体での配布を停止し、インターネット版のみを発行する決定を下したと報じた。

諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領がロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談、シリア情勢などを協議した。

会談後の記者会見で、プーチン大統領は「フランス大統領は我々が示した意見の一部に同意したと思う…。シリア危機正常化をめぐって新たな提案がなされた。すべてのパートナーとこの提案を協議し、実施を試みることは可能だと思う」と述べた。

また「国際テロリストや過激派集団が自らの目的を実現するためにシリアの惨状を利用することは許されない」としたうえで、「ロシアとフランスの立場には相違があるが、我々はシリアの保全と国民統合の維持を呼びかけている」と強調した。

一方、オランド大統領は、「モスクワのこだま」ラジオに対して、「我々が政治的正常化に至らなければ、武器が輸出されるだろう。しかし、フランスからではない」と述べ、反体制武装勢力への武器供与を否定した。

しかしシリアの紛争の解決がいつ解決するかに関して、「ロシア大統領の姿勢に大きく関わっている」と述べ、ロシアの姿勢が紛争長期化をもたらしていると暗に批判した。

またアサド政権の存続の是非に関して、「我々はこの問題を議論している。権力移譲をめぐる対話が成功することを希望する…。プーチン大統領が反体制勢力承認に同意してくれればうれしい」と述べた。

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『ハヤート』(3月1日付)は、EUは、英国などの要請に基づき、シリアに対する制裁の改訂し、反体制勢力への「非戦闘的」な装甲車輌、軍事関連装備の輸出、技術支援を認める決定を下したと報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はカイロで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による対話イニシアチブに関して「長く待った末にようやっと示された」としたうえで、シリア政府と反体制武装勢力に対して、カイロ、イスタンブール、パリなど場所を問わず、無条件で対話を行うよう呼びかけた。

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インマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官は、ヨルダンのシリア人避難民の数が42万1240人に達したと発表した。

うち、ザアタリー避難民キャンプには10万8000人が収容されているという。

AFP(2月28日付)が報じた。

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クロアチア首相は、UNDOF派遣部隊の撤退を指示したと述べた。『ニューヨーク・タイムズ』(2月28日付)などが報じた。

AFP, February 28, 2013、Akhbar al-Sharq, February 28, 2013、Damas Post, February 28, 2013、al-Hayat, March 1, 2013、Kull-na Shuraka’, February 28, 2013、al-Kurdiya News, February
28, 2013、Naharnet, February 28, 2013、The New York Times, February 28, 2013、Reuters, February 28, 2013、SANA, February 28, 2013、Zaman al-Wasl, February 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務長官が仏大統領との会談のなかでシリアの反体制勢力が「さらなる支援を必要としている」と強調、民主統一党のムスリム共同党首は「革命を逸脱させ、ジハード主義者を支援した」としてトルコを非難(2013年2月27日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(2月28日付)は、ヒムス県の反体制武装集団司令官を名のる人物の話として、トルコ経由で「複数の支援国」が1月に反体制武装勢力に武器弾薬を供与した、と報じた。

この人物は「我々は、バーブ・ハワー国境検問所を経て、これらの武器を合法的、公的、通常通り受け取った…、密輸経路を通じて入手したのではない」と述べたという。

また「しかし、これらの武器は我々が勝利するには不充分だ。トルコには別の武器補給も届いているが、まだ受け取っていない」と付言した。

一方、ダマスカス郊外で活動するという反体制武装集団の司令官は、「これらの武器を入手した者は、真の戦闘員ではない。彼ら(支援国)は、戦闘を行っていない軍事評議会に武器を提供している。前線で戦闘しているのは我々だ」と述べた。

また「彼らは、ロケット弾20発、対戦車砲などを我々に与える見返りに、我々の大隊に(軍事評議会への)参加を求めてきた。彼らはすべてを自分たちの監督下に置こうとしている。だが我々は断った」と付言した。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、ムスタクバル・テレビ(2月28日付)のインタビューに応じ、そのなかで「我々の拠点へのヒズブッラーの砲撃を阻止するために介入するよう、ミシェル・スライマーン大統領に個人的に求めてきた」と述べた。

イドリース参謀長はまた「我々は、イランとロシアが支援する犯罪者体制との戦争状態にあるだけで、ヒズブッラーとは戦いたくない…。我々はクサイル近郊の戦闘員にヒズブッラーとの戦闘を行わないよう促してきた」と強調した。

しかし「ヒズブッラーがレバノンから自由シリア軍の拠点を標的にしているという証拠を示されることになろう」と断じた。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首はパリで記者会見を開き、「トルコは(シリアの)革命を逸脱させ、その軍事化に荷担した。ジハード主義者を支援してきた」と非難した。

また「トルコは自国の国益に沿って影響力を行使しようとしている。シリアの反体制勢力を支援することで、この運動からクルド人を排除しようとしてきた」と述べた。

さらに「(シャームの民の)ヌスラ戦線はトルコに訓練基地を持っている」と避難した。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立に参加する「在外の反体制勢力は…、トルコ政府と密接な関係を持っており、民主統一党が支配するクルド人地区で自治組織を設置しようとするクルド最高会議に対処する意思はない」と非難した。

ムスリム共同党首は、民主統一党が自由シリア軍の活動と調整を行うとしつつ、「紛争の軍事化」を改めて拒否し、「我々が行っていることは(自由シリア軍とは)異なっている。それは自衛だ」と強調した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(2月27日付)によると、ドゥーマー市、ダイル・アサーフィル市、シャブアー町、アーリヤ市郊外、ザマルカー町、ダーライヤー市、ナブク市、ザバダーニー市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、ハールーン・ラシード大隊メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またオートストラード・ハラスターのガソリン・スタンドに、反体制武装勢力が爆弾を仕掛け、爆破・破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月27日付)によると、ダマスカス大学文学部、アサド大学病院近くに迫撃砲が着弾した。

これに関して、シリア人権監視団は、マッザ区ダマスカス大学文学部近くの軍事裁判所裏に迫撃砲が着弾したと発表した。

またシリア人権監視団によると、ジャウバル区で、軍が砲撃を続け、反体制武装勢力と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月27日付)によると、ダイル・ザウル市内各所で、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月27日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、タッル・サラムー村、ナフラ市、カフルジャーリス市、マアッル・ダブスィー市、バザーブール村、マアッラトミスリーン市、ナイラブ村、サラーキブ市郊外、ラーミー村、ダルサ市、ダルクーシュ町、バクサルヤー村、ダリーヤ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、サラーキブ市、サルミーン市が軍の砲撃・空爆を受けた。

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ハマー県では、SANA(2月27日付)によると、ザフラ・マダーイン市で、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、マジド旅団メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月27日付)によると、イドリーン地方で、レバノンから潜入しようとした反体制武装勢力を国境警備隊が撃退した。

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アレッポ県では、SANA(2月27日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区、カルム・マイサル地区、カラム・トゥラーブ地区、カッラーサ地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、外国人を含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市アタバ地区では、軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバー12人を殺害した。

ハーン・アサル村の警察学校周辺では、軍が反体制武装勢力と戦闘を続け、アブドゥッラフマーン・ブン・アウフ大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

またザハビーヤ村、アッサーン村、アズィーザ市、タームーラ村、アルバイド市、タッル・シュガイブ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスク周辺で、軍と反体制武装勢力が交戦した。

同監視団によると、モスクの一部は反体制武装勢力が占拠している、という。

またマスカナ市、タッル・アーブール村、ハーン・アサル村などが軍の空爆を受けた。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(2月27日付)によると、タッル・タムル町で、自由シリア軍が「シャッビーハ」と国防隊(武装した民間人)を襲撃したが、戦闘で自由シリア軍兵士2人が死亡した。

このうち1人はトルコ領内に搬送され死亡した。

しかし同報道によると、自由シリア軍が県北部、北東部に向けて進軍を続け、対イラク国境に位置するヤアルビーヤ市の国際幹線道路およびタッル・アルウ村を制圧した。

また自由シリア軍はカフターニーヤ市に迫っており、住民の恐怖が高まっているという。

なおカフターニーヤ市は民主統一党人民防衛隊が周囲に検問所5カ所を設置し警護を行っている。

一方、DPA(2月28日付)は、自由シリア軍消息筋の話として、ラアス・アイン市での戦闘で、自由シリア軍が、PKKのシリア人メンバーでない外国のクルド人戦闘員とイラン人戦闘員多数を殺害したと主張している、と報じた。

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AFPは26日午後、シリア・インターネット軍を名のる集団が同通信社のツイッターのアカウントをハッキングし、同通信社とは無関係の文書、情報を発信した、と発表した。

シリア・インターネット軍(ウマル・イスマーイール司令官)は2012年7月18日に犠牲者に哀悼の意を示すため、活動停止を発表している。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説を行い、そのなかでシリアの紛争へのヒズブッラーの関与を疑う一連の報道が「嘘で根拠のない非難」だと一蹴した。

ナスルッラー書記長は、シリアの反体制勢力がシリア国内の農村で暮らすレバノン人を根絶しようと「軍事行動」を行い、一部の住民がスンナ派の住む農村地帯から追放されたと指摘、残った住民が自衛のために武器をとることは正当な権利だと述べた。

また「シリア国外からきた狙撃手たちがあらゆる和解を妨害した」と非難したうえで、「地域を維持し、不和を回避するために流血は止められねばならない」と強調した。

ナスルッラー書記長は、シリア領内の国境地帯に位置する23の村、12の農園に様々な宗派のレバノン人約30,000人が居住しているとしたうえで、「(レバノン)国家はこれら30,000人のレバノン市民のために何をしてきたのか?我々は軍の介入を求めているわけではないが、何らの政治的努力もなされていない。カタール、サウジアラビア、トルコ、米国は武装集団を通じて影響力を行使しているのにだ。国境地域で起きている宗教的・宗派的浄化を止めるためにどのような努力がなされたのか」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はパリで、フランスのフランソワ・オランド大統領と会談、シリア情勢などを協議した。

会談後、ケリー国務長官は、米国とフランスがシリアにおける政治的移行プロセスを加速させるための手段を検討していると述べるとともに、シリアの反体制勢力が「さらなる支援を必要としている」と強調した。

またケリー国務長官は、アサド大統領が退陣すべきだと改めて述べた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立については、「現地の一部の集団が支持していない」ことを認めつつ、「シリア国民のニーズに応えるため…(連立を)さらに支援する…。重要なのは解放区にさらなる支援を行うこと」と述べた。

これに関して、ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、バラク・オバマ政権が「非戦闘面での支援というかたちで、シリア国民とシリアの反体制勢力への支援を増大させるだろう」と述べた。

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『ワシントン・ポスト』(2月27日付)は、複数の米国高官の話として、米国が対シリア政策の方針転換を行い、反体制勢力への装備品、軍事教練、人道支援強化などを検討している、と報じた。

同紙は、この方針案は、ジョン・ケリー米国務長官が今週の欧州・中東諸国訪問で同盟国に対して提示されるという。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相はAP(2月27日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリアの反体制勢力が勝利すれば、レバノンとイラクの宗派対立が激化し、地域全体を不安定化させるアル=カーイダの新たな拠点が作り出されるだろうと警鐘を鳴らした。

マーリキー首相は「世界が対話を通じた平和的解決を支持しなければ…、トンネルの先にいかなる明かりも見ることはないだろう」と懸念を表明した。

またシリアの「反体制勢力も政府も互いを抹殺などできない…。もし反体制勢力が勝利すれば、レバノンで内戦が生じ、ヨルダンは分裂し、イラクで宗派戦争が起きるだろう」と述べた。

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イラクのハーディー・アーミリー運輸大臣は、トルコとカタールによるシリアの反体制武装勢力支援がイラクへの宣戦布告の域に達しているとの見方を示し、イラクがその隣国(シリア)で宗派主義的な色合いを強めている紛争の影響に苦しんでいると述べた。

バドル機構の代表でもあるアーミリー運輸大臣は、トルコとカタールが、シリアの紛争の平和的解決をめざすすべての努力を妨害していると述べた。

また、シリア政府に対する武装闘争を行う勢力を支援するアンカラとドーハが、イラクのアル=カーイダと関係のある「シャームの民のヌスラ戦線」などのジハード主義集団への武器供与を行っていると非難した。

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ヨルダンのサミーフ・マアーイタ内閣報道官は、ヨルダンがシリア危機の当事者ではなく、「犠牲者」であると述べ、諸外国を含むすべての紛争当事者に介入を拒否し、政治的解決を受け入れるよう呼びかけた。

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シリア国内のテロ活動を支援するカタールのハマド・ブン・ハリーファ首長は、国連「文明の同盟」第5回フォーラム(オーストリア)で演説し、「シリアとパレスチナで起きている暴力行為と人権侵害」に関して、国際社会が責任をもって対処すべきだと述べた。

またハリーファ首長は、「正統性を失ったシリアの体制による国民への殺戮を支援する国の姿勢」を非難する一方、「それ以外の国は言葉で非難するだけである」と指弾した。

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AFP(2月27日付)は、イスラエル軍報道官の話として、イスラエル占領下のゴラン高原にシリア側から発射された迫撃砲が着弾したと報じた。

同報道官によると、迫撃砲は、シリア軍と反体制武装勢力の交戦で「誤射」されたものだという。

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イスラエル軍は声明を出し、ゴラン高原での軍と反体制武装勢力の戦闘(17日)で負傷し、イスラエル国内の病院に搬送、治療を受けていたシリア人7人のうち6人が退院した、と発表した。

『ハヤート』(2月27日付)は、6人はシリアに送還されたと報じた。

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ロシアのミハイル・ボクダノフ外務副大臣は、ロシア国内でシリア人避難民の問題を協議するための国際会議を開催する用意があると述べた。

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国連安保理でシリア情勢に関する非公式会合が行われ、バレリー・アモス人道問題担当事務次長がシリアへの人道支援の進捗状況などを報告した。

アモス事務次長は会合後、国連による人道支援のペースがシリアでの危機の悪化のペースに追いつかない現状を吐露する一方、「費用の上昇への深刻な懸念にも襲われている」と述べた。

これに対して、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア政府が最大限の努力を行っていることを強調した。

ジャアファリー代表は「我々は人道的危機に曝されており、国連の支援を必要としている。我々は国連人道調整事務所との合意に署名した。我々は同事務所が成功することを望んでいる。しかし、我々、そしてあなた方国連は、シリアの主権を尊重するという国連総会決議46/186の諸条項を遵守しなければならない」と述べた。

AFP, February 27, 2013、Akhbar al-Sharq, February 27, 2013、AP, February 27, 2013、DPA, February 28, 2013、al-Hayat, February 27, 2013, February 28, 2013, March 1, 2013、Kull-na Shuraka’,
February 27, 2013、al-Kurdiya News, February 27, 2013、al-Mustaqbal TV, February
28, 2013、Naharnet, February 27, 2013、Reuters, February 27, 2013、SANA, February
27, 2013、UPI, February 27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装勢力がアレッポ市のウマイヤ・モスクに爆弾を仕掛け付近に甚大な被害が生じる、トルコ赤新月社、シリア赤新月社、ヒヴィ協会などの人道支援物資がラアス・アイン市に到着(2013年2月26日)

国内の動き

クッルナー・シュラカー(2月26日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍(ハサカ革命軍事評議会)の停戦合意を受け、トルコ赤新月社、シリア赤新月社、ヒヴィ協会(クルド人NGO)などの人道支援物資が同市に到着、配給されたと報じた。

また停戦合意に基づき、20人の民間人からなる自治評議会が発足した。

同評議会は、民主統一党、シリア・クルド進歩民主党、シリア・クルド左派党、自由シリア軍を支持する元バアス党員、シリア・ムスリム同胞団員などからなり、反体制デモを主導してきた若者、シリア・クルド国民評議会は排除された、という。

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SANA(2月26日付)は、ダマスカス郊外県のフサン・マフルーフ知事のイニシアチブのもと、バービッラー市とダッフ・シューフ地区の住民が、両市からの武装集団退去を求める運動を開始したと報じた。

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『ワタン』(2月26日付)は、シリアの工業省の試算として、2011年3月以降の紛争による工業施設の損害額が405億シリア・ポンド(4億2000万米ドル)相当に達している、と報じた。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はダマスカスで記者会見を開き、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がモスクワ訪問時(25日)に行った対話呼びかけを断固拒否すると発表した。

アブドゥルアズィーム代表は「我々は、政府、反体制勢力のいずれが呼びかけたとしても、政府監督下での会合や対話を支持しない」と述べた。

また「こうした呼びかけは、現政権のイメージを改善することが目的」と断じた。

そのうえで「我々は、民主的・多元的・代議制民主主義体制への転換という国際的・地域的なコンセンサスのもと、移行期、移行期政府に関する交渉を支持する」と付言した。

また記者会見では、サフワーン・アッカーシャが委員会の声明を出し、政府による対話イニシアチブを断固として拒否すると発表した。

反体制勢力の動き

ヨルダンの匿名サラフィー主義活動家は、UPI(2月26日付)に対して、シリア国内で破壊活動を行うサラフィー主義者が劣勢に立たされていることを初めて認めた。

この活動家は「シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード旅団などのムジャーヒドゥーン組織は、シリア各県、とりわけダマスカス、アレッポ、ダルアー、イドリブで政府軍の激しい治安対策に曝され、住民のなかに姿を隠さざるを得なくなっている」と証言した。

しかし、ダイル・ザウル県のメンバーの戦況は「非常に良好だ」と述べた。

この活動家によると、ヨルダンからシリアへと不法に潜入するサラフィー主義者戦闘員の数は、95%も減少した、という。

なおこの発言に先立って、ヨルダンのサラフィー主義潮流は、ダルアー県で、シャームの民のヌスラ戦線が軍の「非常に激しい」攻勢にさらされていると発表していた。

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ハサカ県で反体制活動を行っているスライマーン・ユースフ(アッシリア教徒)はAKI(2月26日付)に対して、アサド政権から危機解決政治プログラム実施のための国民対話への参加を求める招待状を受け取ったが、参加を拒否すると述べ、アサド政権の退陣を要求した。

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AFP(2月26日付)は、2月22日のトルコでのシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会会合で選出予定の移行期政府首班に関して、5人の候補者の名前が反体制勢力のなかであがっていると報じた。

シリア国民評議会のサミール・ナッシャールによると、評議会は、ブルハーン・ガルユーン、サーリム・ムスラト、ウサーマ・カーディーの3人を擁立することを決定したとしたうえで、この3人を国民連立に提示し、コンセンサスが得られるかを見極めるという。

またこの3人のほかに、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相、ハーリド・ムスタファーが首班候補として名前が挙がっている。

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クッルナー・シュラカー(2月26日付)などは、シリア・クルド民主党アブドゥルハキーム・バッシャール派の党員が、イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領宛てに公開書簡を発表、そのなかで、党幹部のムハンマド・イスマーイール、スウード・ムッラー、アブドゥルハキーム・バッシャール書記長が、イラク・クルディスタン地域のもとで党員の指導に非党員を当たらせているとの苦情を申し立て、その中止を求めた。

国内の暴力

アレッポ県では、反体制武装勢力がアレッポ市のウマイヤ・モスクの南側の壁に爆弾を仕掛けて爆破し、モスクと隣接する建物などに甚大な被害を受けたとSANA(2月26日付)が報じた。

またAFP(2月26日付)は、軍消息筋の話として、この爆破は「反体制勢力がモスクの中庭に潜入するため」だと報じた。

これに対して、シリア人権監視団は、反体制武装勢力がウマイヤ・モスクの中庭に突入し、軍と激しく交戦したと発表した。

またシリア人権監視団によると、ハーン・アサル村の警察学校周辺でも、軍と反体制武装勢力の戦闘が続いた。

一方、SANA(2月26日付)によると、ハーン・アサル村で、軍が警察学校の制圧を試みる反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またカフルナーハー村、アウラム・クブラー町、ハイヤーン町、マンスーラ村、マンナグ村、クシャイシュ市、アイン・ダクナ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、DP-News(2月27日付)は、アレッポ市での戦闘激化を受け、ロシア領事館職員の家族25人が25、26日にシリア軍のヘリコプターでラタキア市に退避した、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月26日付)によると、ダーライヤー市、ナブク市、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、アルバイン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装勢力はジャルマーナー市で爆破テロを行い、複数の市民が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍がジャウバル区に対して砲撃を行い、反体制武装勢力の戦闘員6人が死亡した。

一方、SANA(2月26日付)によると、バルザ区にある衛生教育チャンネルの施設が反体制武装勢力の砲撃を受け、一部損壊した。死傷者は出なかった。

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イドリブ県では、SANA(2月26日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、ラーミー村、バシーリーヤ市、ダルクーシュ町、ナイラブ村、アブー・ズフール市郊外、サルミーン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月26日付)によると、ダーイル町の軍の検問所を襲撃しようとした反体制武装勢力に軍が応戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(2月26日付)によると、東ブワイダ市、アクラブ町、タッルドゥー市、サアン村、タルビーサ市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装勢力は、ダマスカス県・ヒムス市間の国際幹線道路で、ガス輸送トラックを襲撃した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月26日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装勢力がキバル地方の住宅地区に仕掛けようとしていた爆弾が誤って爆発し、複数の戦闘員が死亡した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はドイツを訪問し、ジョン・ケリー米国務長官と会談した。

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官によると、会談は約45分にわたって行われ、シリア情勢などが「真剣かつ深く」協議された。

同報道官によると、会談では、移行期政府樹立を実現するためにジュネーブ合意をどのように実施するかに焦点が当てられ、ラブロフ外務大臣は、反体制勢力に対してシリア政府との対話を行う代表を指名するよう求めたという。

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ラブロフ外務大臣は、ドイツ訪問に先立って、モスクワで記者会見を開き、「シリアの問題を軍事的に解決しようとする過激派が対話開始のイニシアチブを妨害している…。彼らはシリア革命反体制勢力国民連立を含むシリアの反体制勢力を今や牛耳っている」と述べた。

また「ワシントンは、対話開始前にアサドを退陣させる必要があるとの要求をとりさげるよう反体制勢力を説得しなければならない」と述べた。

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『シャルク・アウサト』(2月26日付)は、トルコの複数の消息筋の話として、PKKのアブドゥッラ・オジャランが、シリア北部のクルド人に圧力をかけ、アサド政権から距離を置くよう説得、これを受け彼らが柔軟な姿勢を示すようになったと報じた。

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『ニューヨーク・タイムズ』(2月26日付)は、湾岸諸国がクロアチアで購入した武器をシリアの反体制武装勢力に提供したと報じた。

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ファルハーン・ハック国連報道官はUNDOF職員1人が行方不明となり、現在国連が行方を調査している、と発表した。

行方不明となっている職員は、オーストリア生まれでカナダ国籍の法律顧問カール・カンポ氏。

AFP, February 26, 2013、Akhbar al-Sharq, February 26, 2013、AKI, February 26, 2013、DP-News, February 27, 2013、al-Hayat, February 27, 2013、Kull-na Shuraka’, February 26, 2013、al-Kurdiya News,
February 26, 2013、Naharnet, February 26, 2013、Reuters, February 26, 2013、SANA,
February 26, 2013、al-Sharq al-Awsat, February 26, 2013、Syria News, February 26, 2013、UPI, February 26, 2013、The New York Times, February 26, 2013、al-Watan, February 26, 2013などをもとに作成。

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ムアッリム外相がラブロフ露外相と会談し「武装勢力とを根絶する」とのこれまでの姿勢を転換する意思を明示、アレッポ県ではハーン・アサル村での軍と反体制武装勢力の戦闘が継続し双方の死者が46名に(2013年2月25日)

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がモスクワを訪問し、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

ムアッリム外務在外居住者大臣には、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、アフマド・アルヌース次官、リヤード・ハッダード駐ロシア・シリア大使が同行した。

SANA, February 25, 2013
SANA, February 25, 2013

会談に先立って、ムアッリム外務在外居住者大臣は記者団に対して、シリアが「両手に武器を握っている者であっても、対話を望むすべての者と対話する用意がある。なぜなら、我々は流血でなく、対話によって改革が前進すると信じているからである」と述べ、武装勢力とを根絶するとのこれまでの姿勢を転換する意思を明示した。

また「シリアの現下の対立はテロとの戦いであり、我々はヌスラ戦線と戦っている。この組織はチェチェンなど28カ国の戦闘員をシリアに動員したアル=カーイダの一派である」と付言した。

一方、ロシア政府の対シリア政策に謝辞を述べ、「危機の平和的正常化の地平は近づきつつある」と述べた。

これに対し、ラブロフ外務大臣は、ロシアが「シリアとシリア国民の平和維持」をめざしており、「いかなる個人をも支援しておらず、国民の苦しみを終わらせる解決策の案出をめざしている」と述べた。

またシリア政府に対して、対話に向けた方針を強化するよう求めるとともに、「交渉開始を支持する者の数は増えている」と付言した。

さらに反体制勢力については、「流血を望む勢力がおり、そのことがシリアの国家と社会を分裂の脅威に曝している。しかし、対話を通じて危機解決を支持する者もいる」と述べた。

なお予定されていた会談後の共同記者会見は中止となった。

また会談を終えたムアッリム外務在外居住者大臣らはテヘラン経由でシリアに帰国した。

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クッルナー・シュラカー(2月25日付)は、アサド大統領が内務省に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長ら在外活動家のパスポートの期限延長を指示し、同省が23日付で決定第530号を発したと報じた。

決定第530号の骨子は以下の通り。

1. 2013年1月1日付で、6年間有効のパスポートの有効期間を10年に延長する。
2. 各県の入国管理局は、有効期限が切れるパスポートの期限を無条件で2年間延長する。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(2月25日付)によると、ヤブルード市、シャイフーニーヤ村郊外、アーリヤ市、サイイダ・ザイナブ町、フジャイラ村、バフダリーヤ村、ムウダミーヤト・シャーム市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で反体制武装勢力が軍の検問所に対して自爆攻撃を行い、兵士8人が死亡、複数が負傷した。

一方、ANA(2月25日付)によると、カーブーン区に反体制武装勢力の迫撃砲が着弾し、子供1人が負傷した。同じくカーブーン区では、反体制武装勢力が自爆テロを行い、複数の市民が死傷した。

他方、アフバール・シャルク(2月25日付)などによると、喜劇俳優のヤースィーン・バクーシュ氏がアサーリー地区で車を運転中にRPG弾を被弾し、死亡した。

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シリア人権監視団によると、ハーン・アサル村(警察学校)での軍と反体制武装勢力の戦闘での過去24時間の双方の死者数は46人に達した。

戦死者の内訳は反体制武装勢力戦闘員16人に対して、軍兵士30人。

またマンナグ航空基地周辺では、軍のヘリコプターが炎上・墜落したという。

一方、SANA(2月25日付)によると、アレッポ市カーディー・アスカル地区、マアスラーニーヤ地区、ジャズマーティー地区、ライラムーン地区、ハーン・アサル村、カフルナーハー村、サフィーラ市、マンスーラ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月25日付)によると、イドリブ中央刑務所(イドリブ・ハーリム間)、カフル・ルーヒーン市、カフル・ジャーリス市、ダーナー市、ザルダナー村、バルユーン市、ハザーヌー町、サラーキブ市、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村周辺、ジスル・シュグール市郊外、ムウタリム村、ナフラ村、ラーミー村、マガール村、シュグル村、アイン・スーダ村、マアッラトミスリーン市、タフタナーズ市、サルミーン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの鷹旅団メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月25日付)によると、タッルドゥー市、クサイル市郊外、カフル・アーヤー村、タルビーサ市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月25日付)によると、ダーイル町で軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷した。

またヨルダンからの潜入を試みるシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を撃退、殲滅した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、アラビーヤ(2月25日付)に対して、ムアッリム外務在外居住者大臣の発言(武装勢力との対話への意思表明)に関して「アサド大統領が退任し、軍と治安機関の幹部が裁かれなければ、紛争を終わらせるための交渉などあり得ない」と拒否した。

また「反体制武装勢力はこの要求が実現しない限り、対話に出向くことはない」と付言した。

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自由シリア軍合同司令部中央広報局は声明を出し、バッサーム・ダーダー報道官を解任したと発表した。

声明によると、ダーダー報道官は、2012年6月9日に、リヤード・アスアド大佐によって解任され、また2月25日に自由シリア軍参謀委員会によって再び解任された。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はエジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣と会談し、シリアの友連絡グループ会合への出席見送りの是非について協議した。

会談で、ハティーブ議長は、アレッポ市での軍によるスカッド・ミサイル使用を強く非難し、事態悪化への懸念を示したという。

一方、アムル外務大臣は、ローマでのシリアの友連絡グループ会合が、シリア情勢の変化を促すような国際社会および地域の実質的な行動のきっかけになることへの期待を表明、シリア革命反体制勢力国民連立の参加見合わせ撤回を促した。

会談には、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表も同席した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はカイロの本部での西側諸国大使との会談を受けて、声明を出し、ローマでのシリアの友連絡グループ会合への出席について「検討中」としたうえで、「会談で話し合われた約束が満たされたことが分かったら、ローマの会合に出席する機会は生じるだろう」と述べた。

同声明によると、各国大使に対して、ハティーブ議長は、シリアでの民間人への砲撃の停止を求めるとともに、アレッポ市での軍によるスカッド・ミサイル使用を非難する国連安保理声明の採択をロシアが拒否したことを強く非難した。

またアサド政権との対話に関しては、「対話は時間稼ぎでも先送りでもない。政府はもっとも人道的なこと、すなわち逮捕者釈放さえも拒否した…。政府はこの点に関して何らの措置もとっておらず、恒常的な延期を行うことで対話を拒否している」と政権側の姿勢を批判した。

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『ハヤート』(2月26日付)は、米高官の話として、シリア国民評議会の内部対立がシリア革命反体制勢力国民連立のシリアの友連絡グループ会合への参加と米露訪問の見合わせの背景にあると報じた。

同報道によると、シリア国民評議会内のシリア・ムスリム同胞団およびその支持者は、参加見送りを支持しているが、ハティーブ議長はこの問題についてさほど固執してはいない、という。

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シリア国民評議会のムハンマド・サルミーニーは、DPA(2月25日付)に、米国とトルコがシリア国内の反体制武装勢力に高度な武器を供与したが、その量は少なく、体制との戦いを決着させるには不充分だと述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長は声明を出し、西側諸国の「説得」に応え、28日にローマで開催予定のシリアの友連絡グループ会合への「参加見合わせを停止した」と発表した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は英国でデヴィッド・キャメロン首相、ウィリアム・ヘイグ外務大臣と会談し、シリア危機などについて協議した。

会談後、ケリー国務長官は、ローマでのシリアの友連絡グループ会合について、「我々はローマにただ話しに行くのではなく、次のステップについて話すために行く」と述べた。

また、シリア革命反体制勢力国民連立に対してローマでのシリアの友連絡グループ会合への参加見合わせを撤回するよう呼びかけた。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官はムアッリム外務在外居住者大臣の発言(武装勢力との対話への意思表明)に関して、「我々はシリア反体制勢力と同盟国と、シリア国民が自らの政府を発足できるような未来をシリアが持てるよう行動している…。この未来にアサドが加わることはできない」と述べた。

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ヨルダン軍は、シリア軍戦闘機が政権を離反し、ヨルダン領内に逃走したとの一部情報を否定した。

AFP, February 25, 2013、Akhbar al-Sharq, February 25, 2013, February 26, 2013、Alarabia.net, February 25, 2013、DPA, February 25, 2013、al-Hayat, February 26, 2013、Kull-na Shuraka’, February 25, 2013、al-Kurdiya News,
February 25, 2013、Naharnet, February 25, 2013、Reuters, February 25, 2013、SANA,
February 25, 2013、UPI, February 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民評議会の使節団がアラブ連盟事務総長と会談、シャームの民のヌスラ戦線は2月6日にハマー県で発生した爆破テロの犯行を主張(2013年2月24日)

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(2月24日付)は、アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣が、カイロのシリア革命反体制勢力国民連立とイスタンブールのシリア国民評議会に密使を派遣したと報じた。

同報道によると、密使は、アサド政権の危機解決政治プログラムに基づく国民対話への参加を求めることが目的だという。

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SANA(2月24日付)は、メディア筋の話として、アサド政権の使節団が在外反体制組織と秘密会談したとの報道を否定した。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月24日付)は、ハサカ県ダルバースィーヤ市にシャームの民のヌスラ戦線メンバーが乗った自動車4台が入ったと報じた。

同報道によると、4台の自動車とともに、民主統一党の旗が掲げられた自動車数台も同市に入ったという。

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シリア国民評議会の使節団がカイロでアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と会談した。

使節団は、ジョルジュ・サブラー事務局長、アブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長、アフマド・ラマダーン、サイード・ラフドゥー、スライマーン・ヒラーキー、タグリード・ハジャリーによって構成されていた。

サブラー事務局長によると、会談で使節団は、アラビー事務総長に、シリア国内でのアサド政権による「ジェノサイド」へのアラブ連盟の沈黙に抗議し、シリア国内での殺戮・破壊を停止させるために、アサド政権に圧力をかけるよう求めた。

これに対して、アラビー事務総長は、アレッポ市東部への軍による地対地ミサイルでの攻撃(22日)と、反体制武装勢力によるダマスカス県サウラ通りでの爆破テロ(21日)の双方を批判した。

そのうえで、国連安保理に対して、即時暴力停止に向けて断固たる姿勢をとるよう求めるとともに、アレッポ市など被災地への人道支援の必要を強調した。

さらに、移行期政府樹立や、合意された期間内に政権交代を実現するための政治プロセス開始に向けた努力を続ける必要があることを確認した。

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シャームの民のヌスラ戦線は、2月6日にハマー県ブラーク市の工場(防衛工場機構)近くで発生した爆破テロの犯行声明をインターネット上で発表した。

声明によると、爆破テロには2.5トンの爆発物が使用され、「ヌサイリー派(アラウィー派)とその支持者たちの犯罪に苦しむスンナ派イスラーム教徒の子供たちのための復讐」として犯行に及んだという。

このテロでは約60人の市民が死亡している。

AFP(2月24日付)が報じた。

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アラブ社会主義者運動アブドゥルガニー・アイヤーシュ派は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のシリアの友連絡グループ会合への参加見合わせ決定を「失政」と非難した。

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AFP(2月26日付)は、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市で反体制勢力の地元評議会メンバー(定数5人)を選出するための「自由選挙」が軍による砲撃が続くなかで実施されたと報じた。

同報道によると、自由シリア軍が投票には参加せず、また司令官の一人は「民間人の声を聞くチャンスだ。我々は体制と戦わねばならない」と述べたという。

国内の暴力

アレッポ県では、反体制武装勢力がハーン・アサル村の警察学校を包囲しているとシリア人権監視団が発表した。

同監視団によると、軍が駐留しているこの警察学校を制圧すれば、反体制武装勢力はアレッポ県西部全土を掌握したことになるという。

一方、SANA(2月24日付)は、ハーン・アサル村の警察学校を反体制武装勢力が襲撃したが、軍が撃退し、ムウタスィム・ビッラー旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊したと報じた。

またカフルナーハー村、カフルダーイル村、アウラム・クブラー町、アターリブ市、タッル・ハースィル村、タアーナ村、タッル・サラムー村、ズィフニーヤ村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点装備を破壊した。

アレッポ市では、カルム・マイサル地区、カラム・トゥラーブ地区、シャッアール地区、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、バーブ・アンターキヤー地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月24日付)によると、ドゥーマー市、ハラスター市、ザマルカー町、アルバイン市、ナブク市、ヤブルード市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、イスラーム旅団メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月24日付)によると、カッサーア地区のカシュラ通りにあるカトリック教会に迫撃砲が着弾した。死傷者は出なかったが建物の一部が破損した。

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ヒムス県では、SANA(2月24日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装勢力を軍が撃退した。

またディーバ村、シャムスィーン村、タルビーサ市郊外、タッル・ザハブ町、ダブア市、タッルドゥー市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月24日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、マジャーズィル村、ダイル・ザグド村、サラーキブ市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(2月24日付)は、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方で、シリア領からヒーシャ村方面に発砲・砲撃があり、レバノン人男性1人が銃弾を受けて死亡したと報じた。

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ミシェル・スライマーン大統領は声明を出し、ワーディー・ハーリド地方でシリアからの発砲により、23、24日に男性2人が死亡したことに遺憾の意を表明、「シリア側」に発砲・砲撃を自制するよう求めた。

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ナジーブ・ミーカーティー首相は声明を出し、ワーディー・ハーリド地方でシリアからの発砲により、23、24日に男性2人が死亡したことに関して、「我々は無関係なレバノン人が殺害されたことを非難する。シリア当局に適切な措置を講じ、こうした事件の再発を防ぐよう求める」と発表した。

また「外務大臣に対して、シリア当局にこうした行為を拒否するとの意思を公式に伝えるよう指示した」と付言した。

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ヒズブッラーのムハンマド・ヤズバク政治会議議長は、シリアの反体制武装勢力に殺害されたレバノン人の葬儀(ベカーア県ヘルメル郡カスル村)に参列し、「シリアの村に在住し、危害と不正に苦しむレバノン人住民を防衛するため、すべてのレバノン人が声を上げねばならない…。我々は誰も攻撃はしないが、誰にも攻撃させない。我々の民、女性、子供が攻撃されているのに怠けていることはできない」と述べた。

また「自分たちを強いと思っている者は、(パレスチナの)聖地を解放しなければならない…。なぜ彼らはパレスチナ解放のために戦闘員を送らないのか」とシリアの反体制武装勢力を非難、「シリアでの問題解決は政治と対話以外にない」と強調した。

諸外国の動き

フランス外務省は、フリーの写真家オリヴィエ・ヴォワザン氏が、21日にイドリブ県の反体制武装勢力を取材中に重傷を負い、搬送先のトルコのアンタキア国際病院で死亡した、と発表した。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、トルコの対シリア国境地帯に展開するドイツ軍(NATO軍)を視察、「中国とロシアは、シリアのアサド大統領が去らねばならないということを充分理解すべきだ」と述べた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は訪問先のUAEシャルジャで、「シリアでは多くの無実の人々が毎日命を落としている。我々は自国民に対して犯罪を行う者たちに沈黙することはない。我々は不正な独裁者、すなわちシリアの口のきけない悪魔がやっていることに沈黙できない」と述べた。

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インマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官は、AFP(2月24日付)に対して、ヨルダン国内に避難したシリア人が40万6079人に達したと述べた。

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アフバール・シャルク(2月24日付)は、米政府高官の話として、28日にローマで開催予定のシリアの友連絡グループ会合への参加見合わせを発表したシリア革命反体制勢力国民連立に対して、西側諸国が出席を説得している、と報じた。

同報道によると、カイロにある連立の本部には、米国、フランス、英国、イタリア、ノルウェーの大使が訪問し、出席を説得したという。

AFP, February 24, 2013、Akhbar al-Sharq, February 24, 2013、al-Hayat, February 25, 2013、Kull-na Shuraka’, February 24, 2013, February 26, 2013、al-Kurdiya
News, February 24, 2013、Naharnet, February 24, 2013、NNA, February 24, 2013、Reuters,
February 24, 2013、SANA, February 24, 2013、UPI, February 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県では反体制武装勢力がスカッド・ミサイルの基地となっているキバル地点を完全制圧、停戦合意に至った民主統一党とハサカ革命軍事評議会の間で対立が表面化(2013年2月23日)

国内の暴力

自由シリア軍合同司令部報道官を名のるウマル・アブー・ライラーは、ロイター通信(2月24日付)に対して、2007年にイスラエルが核(疑惑)施設破壊を口実に越境空爆を行ったダイル・ザウル県のキバル地点(キバル村)を反体制武装勢力が完全制圧したと述べた。

アブー・ライラーによると、キバルは、スカッド・ミサイルの基地となっており、政府軍が退却時にそれらを破壊したが、反体制武装勢力はミサイル1基を捕獲したという。

http://www.youtube.com/watch?v=tYHFNJcvuOY

シリア人権監視団によると、数日にわたる戦闘の末、軍が撤退したのだという。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月23日付)によると、ダーライヤー市、ウタイバ村、マンスーラ村、バフダリーヤ村、ドゥーマー市郊外、ハラスター市郊外、ザマルカー町、アルバイン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月23日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、サルミーン市郊外、ナイラブ村、ハーン・スブル村、ビンニシュ市、イフスィム町、サルジャ村、マアッラトミスリーン市、カフルルーマー村、カフルルーヒーン村、カミーサーン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月23日付)によると、ラスタン市、ザアフラーン市、タッル・ザハブ町、ハウラ地方、カフル・アーヤー村、スルターニーヤ市、ハッバート村、シューマリーヤ村、バイト・ラービア村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外のウユーン・シャアラ地点とウザイル地点で、レバノン領から潜入を試みる反体制武装勢力を軍が撃退した。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラー代表はAFP(2月23日付)に対して、軍が数週間前からアレッポ県アレッポ市東部から進軍を続け、現地にエリート部隊を派遣し、攻撃の準備を行っている、と述べ、地対地ミサイルでの攻撃(22日)が「この進軍の一環」だとの見方を示した。

同じくアレッポ県では、SANA(2月23日付)によると、ナイラブ村、タッル・ハースィル村、タッル・シュガイブ村、カフル・アントゥーン村、タッル・アッジャール村、マンナグ村、マーイル町、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ダウワール・フルワーニーヤ地区、カラム・トゥラーブ地区、旧バーブ街道、バニー・ザイド地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月23日付)によると、マリク村、バイト・ジャルディー村に潜伏していた反体制武装勢力が略奪品の配分をめぐり衝突、複数の戦闘員が死傷した。

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ハマー県では、SANA(2月23日付)によると、ハマー市のマシャーウ・アルバイーン地区で、軍が反体制武装勢力と交戦、複数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月23日付)は、ラアス・アイン市で停戦合意に至った民主統一党とハサカ革命軍事評議会(ハサン・アブドゥッラー大佐)の間で、同市の自治評議会の人選をめぐり対立が表面化している、と報じた。

民主統一党は部族の代表らの参加を求めているのに対し、革命軍事評議会は反体制運動に参加した若者らの参加を主張している、という。

国内の動き

SANA(2月23日付)は、ゴラン高原住民がクナイトラ県マジュダル・シャムス村のスルターン・バーシャー・アトラシュ広場で、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロに抗議するデモを行ったと報じた。

レバノンの動き

NNA(2月24日付)は、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方で、シリア領からザハビーヤ村、ヌーラ村方面に発砲・砲撃があり、レバノン人男性1人が銃弾を受けて死亡したと報じた。

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NNA(2月23日付)はベカーア県ザフレ郡マジュダル・アンジャル市のダマスカス・ベイルート街道を150人の活動家らが封鎖し、シリアへの燃料輸送トラックの通行を阻止しようとしたと報じた。

諸外国の動き

ヴィクトリア・ヌーランド米ホワイトハウス報道官は、アレッポ市のアルド・ハムラー地区とバーブ街道地区に対する地対地ミサイルを「蛮行」と厳しく非難、「アサド体制には正統性はなく、野蛮な力によってのみ支配を維持している」と述べた。

またヌーランド報道官は、「米国は、勇敢なシリア国民が、この体制の指導者を…暫定政府の一員として受け入れることを示す兆候はないと考える」と付言した。

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英国外務省は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して2月28日にイタリアのローマで開催予定のシリアの友連絡グループへの参加見合わせを再考するよう求めた。

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ロイター通信(2月23日付)は、ドイツとオランダの国防大臣が、両国軍が保有するNATOのパトリオット・ミサイルが配備されたトルコ領内の軍事基地2カ所を視察したと報じた。

AFP, February 23, 2013、Akhbar al-Sharq, February 23, 2013、al-Hayat, February 24, 2013、Kull-na Shuraka’, February 23, 2013、al-Kurdiya News, February 23, 2013、Naharnet, February 23, 2013、NNA, February 23, 2013, February 24, 2013、Reuters, February 23, 2013, February 24, 2013、SANA, February 23, 2013などをもとに作成。

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自由シリア軍参謀委員会がラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍の停戦合意への拒否を表明するなか、ハティーブ議長はシリア国内での殺戮への国際社会の沈黙に抗議の意を示す(2013年2月22日)

国内の暴力

アレッポ県では、アフバール・シャルク(2月22日付)によると、アレッポ市のアルド・ハムラー地区とバーブ街道地区に地対地ミサイルが少なくとも3発着弾し、子供を含む市民数十人が死亡、多数が負傷した。

https://www.youtube.com/watch?v=2xW09AZanPk

『ハヤート』(2月25日付)によると、この攻撃で、子供36人を含む58人が死亡した。

一方、SANA(2月22日付)によると、ザハビーヤ村、アズィーザ市、タッル・ハースィル村、マンナグ村、アナダーン市、マーイル町、フライターン市、タッル・シュガイブ村、マーリア市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市の旧市街、マサーキン・ハナーヌー地区、カーディー・アスカル地区、マイサル地区、ハルワーニーヤ地区、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月22日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月22日付)によると、タッルドゥー市、アクラブ町、タッル・ザハブ町、カフル・アーヤー村、スルターニーヤ市、ヒムス市ジャウバル区、カマーム市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外の対レバノン国境地帯で、レバノン側から潜入しようとした反体制武装勢力を軍が撃退した。

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イドリブ県では、SANA(2月22日付)によると、サラーキブ市で、反体制武装勢力どうしが略奪品の分配をめぐって衝突、複数の戦闘員が死傷した。

また、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、アームーダ市、ザルズール市、ハーン・スブル村、タフタナーズ市、マアッラト・ヌウマーン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き

SANA(2月22日付)は、メディア消息筋の話として、「政治体制、政府や選挙のありようはシリアの問題であり、バッシャール・アサド大統領はこうした国内問題をシリア人以外のいかなる者とも議論しない…。ブラーヒーミー共同特別代表は、何よりもまず主権を重んじるシリア的論理を理解できない」と報じた。

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SANA(2月22日付)は、シリア各地で、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロ(20日)の犠牲者を追悼するための礼拝が金曜礼拝後に行われたと報じた。

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ラッカ県では、アフバール・シャルク(2月22日付)によると、ラッカ市で「怒りのラッカは自由への途上にある」と銘打った反体制デモが発生し、治安当局の発砲によって複数名が負傷した。

また同報道によると、ダマスカス郊外県カーラ市、ヒムス県ヒムス市ワアル地区などで、ヒズブッラーの介入を批判する反体制デモが発生したという。

このほか、イドリブ県カフルナブル市で、アサド政権打倒のため「我々は過激派が必要だ」とのプラカードなどを掲げて、反体制デモが行われたという。

反体制勢力の動き

在外活動家によって構成されるシリア革命反体制勢力国民連立はカイロでの総合委員会月例会合の審議を終え、閉幕声明を発表した。

同声明では、以下8項目からなる紛争の政治解決案が発表された。

1. 公正、自由、尊厳というシリア革命の目標の実現、殺戮と破壊の停止、地理的・政治的・社会的統合の維持、市民的多元的民主体制の確立。
2. アサド大統領と軍・治安機関高官の退任。彼らを排除し、政治的解決に参加させないこと。彼らが行った犯罪への制裁・処罰。
3. シリア国民に対する犯罪に関与していない国家機関のメンバー、バアス主義者、政治・市民・社会勢力を含むすべてのシリア人による紛争の政治解決。
4. 上記の政治解決への期限と、明確で公表された目標の設定。
5. 安保理決議採択を通じた、国際社会、国連安保理、とりわけ米露による、政治解決に向けたプロセスの保護と保証。
6. 現地の力関係を変更するため、現地の革命家たちの継続的支援。
7. 上記の政治解決のため友好国、アラブ諸国からの支援獲得。
8. シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会を、連立の名のもとで政治的イニシアチブを提示し得る唯一の機関とする。

また声明では、3月2日に開催される次回総合委員会会合で、移行期政府の首班を選出することが決定されたことが発表された。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はフェイスブック(2月22日付)で声明を出し、シリア国内での殺戮への国際社会の沈黙に抗議し、イタリアで開催予定のシリアの友連絡グループ会合への参加を見合わせ、米国、ロシア訪問の招待を辞退する、と発表した。

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シリア・イスラーム解放戦線を名のる集団が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による対話イニシアチブを「体制打倒に体現されるインティファーダの目的を無視している」と拒否する姿勢を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立に対抗する反体制政治同盟のシリア国民民主同盟はダマスカスで声明を出し、「シリア国民を構成するすべての成員、革命に参加した市民運動と武装組織に対して、「サイクス・ピコ条約以来、シリアと地域に対して繰り返される危険な陰謀に対抗するため、統合、エネルギーの結集、行動調整を合意」するよう呼びかけた。

同声明はまた、イラン、ヒズブッラー、そしてアサド政権を「悪の枢軸」と位置づけ、「革命の意思」を破壊し、宗派主義を助長すると非難する一方、米国と欧州諸国の役割低下に危機感を示した。

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クルディーヤ・ニュース(2月22日付)は、トルコで活動する自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が声明を出し、ラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍の停戦合意(2月17日)を拒否したと報じた。

イドリース参謀長は声明で、この停戦合意を「無効だとみなす」としたうえで、民主統一党と合意したハサカ革命軍事評議会について「評議会の任務は現場に限られる。司令部(参謀委員会)とシリア革命反体制勢力国民連立以外の誰も合意を結ぶ権利はない」と批判した。

また一部のクルド人勢力が「革命のデリケートな時期に「政治的利益」を獲得しようとしているとしたうえで、「外国のクルド人戦闘員はイラク・クルディスタンのキンディール山地に戻るべきだ」と主張した。

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ハサカ県では、自由シリア軍が占拠したタッル・ハミース市に軍が数日前から砲撃を激化させ、子供1人を含む複数の市民が死傷したと、クッルナー・シュラカー(2月23日付)が報じた。

また同報道によると、自由シリア軍によるタッル・ハミース市侵攻と住民の市外への避難を受け、民主統一党が市内外に検問所を設置する一方、市内のクルド最高委員会、アラブ国民委員会、ヤズィーディー派代表、シリア正教諸組織の代表が、合同評議会を設置することに合意したという。

同評議会は、クルド人10人、アラブ人10人、シリア正教徒5人、ヤズィーディー派5人からなり、タッル・ハミース市の自治を担う一方、民主統一党人民防衛隊の検問所運営には干渉しない、という。

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シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は、「シリアの反体制武装勢力への武器供与をジョン・ケリー米国務長官に説得する」とのイタリアのジュリオ・テルツィ・ディ・サンターガタ外務大臣の発言に関して、「(米国は)シリア危機の政治的解決を真剣に検討し始めている…。伊外相の説得が成功することはないだろう」と述べた。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月22日付)は、ハサカ県のジュワーディーヤ市を民主統一党人民防衛隊が制圧したと報じた。

レバノンの動き

UNHCRはレバノン国内に少なくとも305,753人のシリア人が避難していると発表した。

諸外国の動き

AFP(2月22日付)によると、ヨルダン北部のザアタリー避難民キャンプで、金曜午後の礼拝後に避難民約300人がデモを行い、国際社会に対して自由シリア軍への武器供与を求めた。

ザアタリー避難民キャンプには、約83,000人のシリア人が収容されている。

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ロイター通信(2月22日付)は、EU外交筋の話として、EUが反体制勢力の「解放区」への石油禁輸措置の緩和を検討していると報じた。

同報道によると、提案はドイツによって行われ、来月中に解除がなされ、EU諸国による通商が可能となり、反体制勢力の資金源が作り出される、という。

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マルコ・アントニオ・ルビオ米上院議員(フロリダ州、共和党)は、「リビアの教訓から学ぶことを希望している」としたうえで、アサド政権崩壊後に発足されるであろう新政権が、国を支配するに充分な武器を保有してしかるべきだと述べ、反体制勢力への武器供与を支持する姿勢を示した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワで中国の楊潔チ外交部長と会談した。

会談後、ラブロフ外務大臣は、国連でのダマスカス県サウラ通りでの爆破テロ(20日)を非難する安保理決議の採択を、米国が妨害したと述べた。

SANA(2月22日付)が報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は声明を出し、国連でのダマスカス県サウラ通りでの爆破テロ(20日)を「戦争犯罪」と非難した。

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カタール政府は、シリア革命反体制勢力国民連立の人道支援調整ユニット(ACU)に1億米ドルの義援金を供与したと発表した。カタール通信(2月22日付)が報じた。

AFP, February 22, 2013、Akhbar al-Sharq, February 22, 2013、AKI, February 22, 2013、al-Hayat, February 23, 2013, February 25, 2013、Kull-na Shuraka’, February 22, 2013、al-Kurdiya
News, February 22, 2013、Naharnet, February 22, 2013、Reuters, February 22,
2013、SANA, February 22, 2013などをもとに作成。

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ダマスカス県マズラア地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し53名が死亡、与野党や国内で活動する反体制組織がこれを激しく非難するなか、シリア革命反体制勢力国民連立はアサド政権の責任を糾弾(2013年2月21日)

SANA, February 21, 2013
SANA, February 21, 2013
SANA, February 21, 2013
SANA, February 21, 2013
SANA, February 21, 2013
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国内の暴力

ダマスカス県では、マズラア地区に面するサウラ通りで、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、シリア保健省が出した声明によると、この爆破テロで、子供を含む53人が死亡、235人が負傷した。

SANA, February 21, 2013
SANA, February 21, 2013

 

SANA, February 21, 2013
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SANA, February 21, 2013
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また近くのアブドゥッラ・ブン・ズバイル私立学校、ハヤート病院が爆発の被害を受けた。

ダマスカス県のバシュル・サッバーン県知事は、ロイター通信(2月21日付)に対して、爆破テロに使用された自動車には1.5トンの爆発物が搭載されていた、と語った。

SANA, February 21, 2013
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SANA, February 21, 2013
SANA, February 21, 2013

SANA(2月21日付)によると、治安当局は爆破テロに使われた自動車を押収するとともに、この自動車を運転していた「自爆テロ犯」1人を逮捕した。

一方、シリア人権監視団によると、爆発は「バアス党支部に近いマズラア地区の軍の検問所前」で発生した。

SANA, February 21, 2013
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SANA, February 21, 2013
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他方、レバノン・ディベート(2月21日付)は、パレスチナ民主解放戦線(DFLP)広報局高官の話として、ナーイフ・ハワーティム書記長がダマスカス県サウラ通りでの爆破テロに巻き込まれ、軽傷を負ったと報じた。

なお、西側の主要メディアは爆破テロが、バアス党本部との近くで起きたと報じた。

しかしテロ現場のティシュリーン16日広場に面するバアス党の施設はダマスカス支部本部で、シリア地域指導部本部はアブー・ルンマーナ地区・アッバースィーイーン広場間に位置する。

イタルタス(2月21日付)は、ロシア外交官の話として、爆発現場に面しているロシア大使館の施設の窓ガラスが割れたが、職人に負傷者は出なかった、と報じた。

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同じくダマスカス県では、サウラ通りでの爆破テロの直後、バルザ区の治安機関拠点近くで、2台の車に仕掛けられた爆弾が相次いで爆発、その後、現場で戦闘があった、とシリア人権監視団が発表した。

SANA, February 21, 2013
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さらにイフバーリーヤ(2月21日付)は、サウラ通りでの爆破テロの数時間後、ウマウィーイーン広場に近い軍武装部隊参謀本部に迫撃砲2発が打ち込まれたと報じた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月21日付)によると、ダーライヤー市、ナブク市、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ザマルカー町、アルバイン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月21日付)によると、タッル・シュガイブ村、アズィーザ市、ズィフニーヤ市、タッル・ハースィル村、ハイヤーン町、ハーン・アサル市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ジャズマーティー地区、シャッアール地区、カラム・マイサル地区、旧市街などで、軍が反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月21日付)によると、アームード村、ジャミーリーヤ市、ジャーヌーディーヤ町、アイン・ティーナ村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またイドリブ県の地の団体、和解委員会、当局の努力により、2月14日に反体制武装勢力が誘拐していた旅客バス乗客47人が無事釈放された。

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ヒムス県では、SANA(2月21日付)によると、タルビーサ市、カフルラーハー市、ラスタン市、ハイダリーヤ村、シューマリーヤ市、カマーム市、ガントゥー市、タッルダハブ市、ハウラ地方などで、軍が反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からのタッルカラフ市郊外への潜入を試みた反体制武装勢力を軍が撃退した。

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ハマー県では、SANA(2月21日付)によると、ハマー市の水利プロジェクト公社を反体制武装勢力が襲撃、器物を破壊、略奪を行った。

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ダルアー県では、今週に入ってダルアー市への侵攻を開始した南部統一旅団を名のる反体制武装勢力の司令官が、同市が少なくとも5度にわたって軍の空爆を受けたと発表した。

アブドゥッラー・ムサッラマを名のる活動家によると、この空爆は、反体制武装勢力がダルアー市の一部の解放を発表したことを受けた動きだという。

またシリア人権監視団は、ダルアー市のザイゥーン・ダム街道地区と避難民キャンプの間に位置する「野戦病院」が軍の空爆を受け、18人が死亡したと発表した。

国内の動き

シリア外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロをはじめとするシリア国内での一連のテロに関して、アル=カーイダと関係のある武装テロ集団の犯行だと指弾、またこれらのテロ集団による域内諸国の武器・兵站、政治、情報面での支援が国際法に反していると批判した。

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人民議会はダマスカス県サウラ通りでの爆破テロに対する非難声明を採択した。

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シリアの与野党、および国内で活動する反体制組織・非公認組織などが、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロへの非難声明を次々と発表した。

非難声明を発表した主な政党、組織は以下の通り。

1. 進歩国民戦線加盟政党(与党)
アラブ社会主義バアス党シリア地域指導部(進歩国民戦線)
シリア民族社会党マハーイリー派
シリア共産党ファイサル派
シリア共産党ニムル派
アラブ社会主義連合党
アラブ社会主義者運動

2. 変革解放人民戦線(与党)
人民意思党
シリア民族社会党シャーム派(インティファーダ派)

3. 野党
民主前衛党
国民青年公正成長党
人民党

4. 反体制組織・非公認組織
シリア救済国民潮流
シリアクルド人国民イニシアチブ
シリア人権監視ネットワーク

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クルディーヤ・ニュース(2月21日付)は、クルド最高委員会アフマド・ハーッジなどの話しとして、ラッカ県の対トルコ国境の町タッル・アブヤドで、クルド民族主義勢力と自由シリア軍の緊張が緩和し、共存が実現しつつあると報じた。

ハーッジによると、国境の検問所は自由シリア軍が管理する一方、クルド人、アラブ人、トルクメン人、キリスト教徒住民からなる地元評議会が自治を行っているという。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会は声明を出し、ヒムス県クサイル市郊外で「ヒズブッラーの戦闘員」の車列を迫撃砲で攻撃、またレバノン領内(ベカーア県バアルベック郡フーシュ・サイイド・アリー地方)のヒズブッラーの拠点を砲撃した、と発表した。

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また、ファールーク大隊参謀長を名乗るターリブ・ダーイフもレバノンの声ラジオに対して、ヒズブッラーの拠点2カ所を砲撃したと述べた。

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しかしスカイ・ニュース(2月21日付)は、自由シリア軍の複数の消息筋がヒズブッラーの拠点への砲撃を否定したと報じた。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は声明を出し、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長を「犯罪者」、「シャッビーハの指導者」と非難した。

イドリース参謀長はまた「我々はお前にどうやって近づくかを知っている。お前の時代は実質的に終わっている…。我らが国民に攻撃する者は、誰であっても大きな代償を払うことになろう」と脅迫した。

しかしイドリース参謀長は、イスラエル軍によるダマスカス郊外県ジャムラーヤーへの越境空爆に際しては、こうした報復予告は行っていない。

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カイロに本部を持つシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「一連の醜い爆破…の第一の責任者は、アサドのテロ体制にある」と非難、実行犯への追及を避けた。

声明では「7万人以上のシリア人が命を失ったことは、アサド体制が域内最大のテロ集団であることを明確に示している」と強調、自らが支援するヌスラ戦線などによるテロ行為については一切批判しなかった。

しかしその後、シリア革命反体制勢力国民連立はフェイスブック(2月21日付)で別の声明を出し、「ダマスカスを狙った爆破テロを強く非難する」と発表し、遺族に哀悼の意を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立はカイロで総合委員会月例会合を開催した。

会合は22日まで行われる予定で、アフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による対話イニシアチブなどが審議された。

フェイスブック(2月21日付)で公開された声明によると、国民連立は会合で、「シリアでの流血の責任があるバッシャール・アサド、軍治安機関幹部の退任を要求」することを確認した。

またメンバーの一人によると、ハティーブ議長の対話イニシアチブに期限を設定することが確認されたという。

諸外国の動き

ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビィッチ報道官はインターネットを通じて声明を出し、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロを強く非難、「すべての国と当事者に、過激派・急進派への影響力を行使し、彼らに圧力をかけ、こうしたテロ行為を即時に停止するよう求めることを呼びかける」と発表した。

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ロシア外務省のゲンナージー・ガティロフ外務次官は、2月19日に公表された国連国際調査委員会によるシリアでの人権侵害に関する報告書に関して、「明確なバイアス」が見られ、「一方的な制裁を解除すべきだと提言しないまま、シリア問題を国際刑事裁判所に付託するよう呼びかけている」と批判した。

RT(2月21日付)が伝えた。

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イラン外務省は声明を出し、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロについて、「シリアの敵は、テロ活動を通じて、政治改革を阻害し、治安と安定を揺るがそうとしている」と非難した。

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吴泽献駐レバノン中国大使は、滞在先のサイダー町で、ダマスカス県サウラ通りでの爆破テロを批判した。

AFP, February 21, 2013、Akhbar al-Sharq, February 21, 2013、al-Hayat, February 22, 2013、Kull-na Shuraka’, February 21, 2013、al-Kurdiya News,
February 21, 2013、Lebanon Debate, February 21, 2013、Naharnet, February
21, 2013、Reuters, February 21, 2013、SANA, February 21, 2013、Sky News, February
21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム旅団の創設者の一人がシリア軍の攻撃を受け負傷、自由シリア軍参謀委員会がヒズブッラーの「シリア国内での活動」を受けレバノン領内への越境攻撃を示唆(2013年2月20日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、「ダマスカス中心部で早朝、反体制武装勢力の統一司令部本部が攻撃を受け、イスラーム旅団創設者の一人、シャイフ・ザフラーン・アッルーシュが負傷した。

『ハヤート』(2月21日付)などが、反体制活動家の話として報じた。

SANA, February 20, 2013
SANA, February 20, 2013

アッルーシュの甥のイスラーム・アッルーシュは「シャイフの容態は公表できない」と述べ、詳細については明らかにしていないが、複数の活動家によると、ドゥーマー市近郊で攻撃を受けたという。

また攻撃には、スカッド・ミサイルが投入されたという。

イスラーム旅団の指導者の一人は、「シャイフ・アッルーシュが殺害されたら大きな損失だ。イスラーム旅団は現地で最強であり、シャイフ・アッルーシュはその力の背後に知性を備えている」と述べた。

一方、Elaph.com(2月20日付)によると、ハムーリーヤ市を軍が空爆し、20人が死亡した(シリア人権監視団によると、死者数は9人)。

この空爆に関連して、フェイスブック(2月20日付)では、戦闘機が炎を上げながら飛行する映像が「自由シリア軍が戦闘機を撃墜した映像」としてアップされた(http://www.youtube.com/watch?v=TlPrChRp1o4&feature=player_embedded)。

他方、SANA(2月20日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、リーハーン農場郊外、カフルバトナー町、シャイフーニーヤ村、ダーライヤー市、アルバイン市、ザマルカー町、ナブク市、ズィヤービーヤ町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、バラームカ地区のティシュリーン・スポーツ・シティーに迫撃砲2発が着弾し、ヒムス県のサッカー・チーム「ワスバ」のユースフ・スライマーン選手が死亡、複数が負傷した。

各紙が報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地、クワイリス航空基地の周辺で、軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(2月20日付)によると、ナイラブ村周辺、タッル・シュガイブ村、タッル・ハースィル村、アズィーザ市、クシャイシュ市、フライターン市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カラム・マイサル地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・ルトフィー地区、スッカリー地区、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アナトリア通信(2月20日付)は、レバノンの信頼できる複数の消息筋の話として、シャームの民のヌスラ戦線が、ヒムス県クサイル市郊外の対レバノン国境のザイター村をパトロール中のヒズブッラー・メンバー8人を襲撃し、3人を殺害したと報じた。

一方、SANA(2月20日付)によると、タッルカラフ市郊外の対レバノン国境地帯で、国境警備隊がレバノン領からの潜入を試みる武装集団を撃退した。

またヒムス市ワアル地区、東ブワイダ市、ラスタン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月20日付)によると、シュグル市、バシーリーヤ市、ディーター市、マアッラトミスリーン市、ナイラブ村、アブー・ズフール市南部などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月20日付)によると、ラターミナ町、サイジャル村、ムハルダ市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月20日付)によると、ダルアー市、ジャースィム市、ブスラー・シャーム市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ハサカ市にあるシリア正教文化協会本部に治安機関が突入し、メンバー2人を逮捕した、とクッルナー・シュラカー(2月20日付)が報じた。

同報道によると、協会は避難民への支援活動を行っていたという。

一方、クルディーヤ・ニュース(2月20日付)は、タッル・ハミース市の複数の消息筋の話として、自由シリア軍が同市を制圧したとの一部情報を否定した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、燃料不足に対処するための委員会を各地に設置する政令を発した。

SANA(2月20日付)が報じた。

反体制勢力の動き

トルコで活動するジャズィーラ・ユーフラテス解放戦線が声明を出し、17日に発表された民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍(ハサカ革命軍事評議会)のラアス・アイン市での停戦合意を「承認しない」と発表した。

同戦線は、この停戦合意が「被害者と屠殺人、シャッビーハと革命家を同一視し、離反した傭兵を革命家とみなしている」と批判した。

ジャズィーラ・ユーフラテス解放戦線はまた別の声明を発表し、2月22日に国内で大会を開き、ナウワーフ・ラーギブ・バシール(シリア革命反体制勢力国民連立メンバ-)の後任としてリヤード・ハフルを代表に選出する、と発表した。

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シリア民主フォーラム代表のミシェル・キールーはAFP(2月20日付)に対して、ラアス・アイン市を侵攻していた「自由シリア軍は、(シャームの民の)ヌスラ戦線以外のすべての武装勢力を代表して(民主統一党との)停戦合意に署名した」と述べた。

キールーによると、ヌスラ戦線はそもそもラアス・アイン市の侵攻に参加していなかったが、停戦協議には参加し、停戦に同意している、という。

またシャーム外国人大隊も、この停戦合意を支持している、と付言した。

なお『ハヤート』(2月21日付)によると、停戦交渉には、自由シリア軍のハサン・アブドゥッラー大佐、シャームの民のヌスラ戦線のファフド・ジャーイド、民主統一党人民防衛隊のジュワーン・イブラーヒーム、シリア・クルド国民評議会のムハンマド・サーリフ・アティーヤ、そしてクルド最高委員会の代表が参加していたという。

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「ハーヴィダール」を名乗るクルド人活動家は、シリア革命反体制勢力国民連立が反体制武装勢力にラアス・アイン市での停戦合意を遵守させることをクルド民族主義政党が望んでいる、と述べた。『ハヤート』(2月21日付)が報じた。

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マスウード・アックーを名乗るクルド人活動家は、「シャーム外国人大隊は、クルド人すべてが体制を支持しており、満足行くようなイスラーム主義者でないとみなしている」と述べ、ラアス・アイン市での停戦合意の遵守を疑問視した。

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自由シリア軍参謀委員会(トルコが拠点)のサリーム・イドリース参謀長は、AFP(2月20日付)に対して、「我々は、ヒズブッラーがレバノンの主権をもてあそび、シリア領内と自由シリア軍に砲撃することを受け入れられない」と非難した。

また「最後通告を発し次第、我々は発射地点への反撃を始めるだろう」と述べ、レバノン領内への越境砲撃を示唆した。

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Zamān al-Wasl, February 20, 2013
Zaman al-Wasl, February 20, 2013

ザマーン・ワスル(2月20日付)は、現地の自由シリア軍の複数消息筋の話として、反体制武装勢力が地対地ロケット「ファドル1」、「ファドル2」、「ファドル3」を開発したと報じ、その写真を公開した。

同報道によると、これらのロケットは、100~300平方メートルの破壊力がある、という。

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トルコで活動する在外活動家のラドワーン・ズィヤーダは、フェイスブック(2月20日付)で、ダマスカス郊外県アドラー市の軍が「部隊ごと」離反したと吹聴した。

レバノンの動き

NNA(2月20日付)は、レバノンの軍事裁判所イマード・ザイン判事が、自由シリア軍への武器供与や負傷者の輸送を行っていたとされるS.M.容疑者(ベカーア県バアルベック郡カーア地方出身)に逮捕状を発行したと報じた。

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NNA(2月21日付)は、シリア領内で発射された地対空ミサイルSAM-17のテイル部分が、ベカーア県ラーシャイヤー郡ダイル・アシャーイル市郊外に着弾した、と報じた。

諸外国の動き

エジプト、レバノン、クウェート、イラク各国外相とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長がロシアを訪問し、モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、シリア危機などへの対応を協議した。

会談後の共同記者会見、ラブロフ外務大臣は、ジュネーブ合意に沿った早急な停戦と対話開始の必要を確認したと述べた。

ラブロフ外務大臣は「各国外相が(ジュネーブ合意の)文言を会談で読み直し、各国の立場の違いはなかった」と述べた。

また「武力行使を通じてシリアの紛争を正常化しようとすれば、国の破壊をもたらすだろう」と警鐘を鳴らした。

しかし、『ハヤート』(2月21日付)によると、危機解決に向けた政治対話におけるアサド大統領の役割をめぐって意見の一致は見なかった。

すなわち、アラビー事務総長は副大統領への大統領権限の移譲を呼びかけたのに対し、ロシアは、対話を阻害する前提条件を課すべきでないと反対した、という。

一方、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣ら高官との会談で、「シリアへの外国の浸透は、危機を深刻化させ、際限ないものとする」と警鐘をならした。

また「シリアへの武装勢力への武器・資金供与に常に警告を発してきた」としたうえで、こうした介入が「地域の文化や歴史と無縁の武装勢力の台頭、過激化を招く」と強調した。

ナハールネット(2月20日付)などが報じた。

AFP, February 20, 2013、Akhbar al-Sharq, February 20, 2013、al-Hayat, February 21, 2013、Kull-na Shuraka’, February 20, 2013、al-Kurdiya News,
February 20, 2013、Naharnet, February 20, 2013、NNA, February 20, 2013、Reuters,
February 20, 2013、SANA, February 20, 2013、Zaman al-Wasl, February 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市バドルー山地区にシリア軍の「スカッド」が着弾し50名が死亡、「自由シリア軍司令部」を名乗る組織がレバノン国民に対しヒズブッラーの「砲撃」を48時間以内に停止させるよう呼びかけ(2013年2月19日)

国内の暴力

アレッポ県では、反体制活動家らが、アレッポ市バドルー山地区にシリア軍の「スカッド」が着弾したと発表した。

『ハヤート』(2月20日付)などによると、これにより住宅10棟が倒壊、約50人が死亡した。

al-Hayat, February 20, 2013
al-Hayat, February 20, 2013

同地区は反体制武装勢力が数ヶ月前から占拠しているが、アブー・ムジャーヒドを名乗る活動家(SNNのメンバー)によると、「戦略的に重要ではない」という。

活動家らによると、シリア軍はアレッポ県、ダイル・ザウル県の反体制武装勢力制圧地域に対する「スカッド」での攻撃を強化しているのだという。

一方、SANA(2月19日付)によると、ナイラブ村、ドゥワイリーナ市、タッル・ハースィル村、アッサーン村、ムスリミーヤ村、ヒルバ市、カフルナーハー村、アウラム・クブラー市などで、軍が反体制武装勢力への攻撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カラム・トゥラーブ地区、ナッカーリーン・バーブ街道回廊地区、カラム・ジャズマーティー地区、マアーディー地区、マサーキン・ハナーヌー地区などで、軍が反体制武装勢力への攻撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月19日付)によると、ダマスカス小児病院とムワーサー病院の近くに迫撃砲2発が着弾した。

迫撃砲は、ティシュリーン宮殿の南側の壁に向かって、発射され、病院の近くに着弾、一部に物的損害が生じたが、死傷者は出なかった、という。

ティシュリーン宮殿は、マッザ区とムハージリーン区の間に位置し、外国の要人を出迎える迎賓館として使用されている。

なおダマスカス県には、ティシュリーン宮殿のほか、人民宮殿(ダマスカス県西部の山頂)、ラウダ宮殿(大統領執務室)がある。

このテロに関して、ダマスカスおよび同郊外軍事評議会広報局はフェイスブック(2月19日付)で声明を出し、「ティシュリーン宮殿に迫撃砲を発射し、負傷者が出たことを確認した」と発表した。

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クッルナー・シュラカー(2月19日付)は、ハサカ県で自由シリア軍とシリア軍が捕虜交換を行ったと報じた。

同報道によると、自由シリア軍はタッル・ブラーク町制圧時に捕捉したシリア軍の大尉と曹長を釈放、これに対してシリア軍は自由シリア軍の戦闘員3人を釈放した、という。

戦闘員3人は、ラアス・アイン市の自由シリア軍ジャズィーラ自由人大隊本部に帰還した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月19日付)によると、ダーライヤー市、バービッラー市、アルバイン市、ザマルカー町などで、軍が反体制武装勢力への攻撃を続け、イスラーム旅団メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジュダイダト・ファドル町では、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数の市民が死傷した。

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ヒムス県では、SANA(2月19日付)によると、シャムスィーン地方、タッルカラフ地方(対レバノン国境)などで、軍が反体制武装勢力への攻撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月19日付)によると、サラーキブ市・アブー・ズフール市間街道、カフルハーヤー村などで、軍が反体制武装勢力への攻撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月19日付)によると、ザイズーン・ダム街道の検問所を襲撃しようとした反体制武装勢力を軍が撃退し、複数の戦闘員を殺傷した。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣は、人民議会で「経済封鎖によって人は死なないと誰が言ったのか?封鎖によって餓死、凍死、病死したシリア人の数をまだ算出してはいない…。我々は不当な封鎖を科し、数千というシリア人の命を奪った世界の高官らを制裁する…ことを求めるだろう」と述べた。

Kull-na Shuraka', February 19, 2013
Kull-na Shuraka’, February 19, 2013

反体制勢力の動き

「自由シリア軍司令部」を名乗る組織が声明を出し、レバノン国民、とりわけベカーア県ヘルメル郡住民に対して、シリア国内でのヒズブッラーによる「砲撃」を48時間以内に停止させるよう呼びかけ、「砲撃」停止が実現しない場合、報復を行うと脅迫した。

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自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー報道官は「レバノンの声」ラジオ(2月19日付)で、「自由シリア軍司令部」なる集団が発表した声明と自由シリア軍国内合同司令部は無関係だと述べた。

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『シャルク・アウサト』(2月19日付)は、ムハンマド・ヤフヤー・ビータール空軍准将が離反した空軍パイロットらと「第1空軍師団」を結成し、自由シリア軍の「要請のもとあらゆる任務を遂行する準備がある」と発表したと報じた。

同報道によると、「第1空軍師団」は10機の戦闘機を保有するというが、真偽は定かでない。

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アサド政権を離反したマナーフ・トゥラース准将(共和国護衛隊第105旅団司令官)が、DPA(2月19日付)のインタビューに応じ、ファールーク・シャルア副大統領に関して「彼の手は直接血で汚されていないと信じている…。彼は今後の政権移行において役割を果たすことができる」と述べた。

トゥラース准将はまた「彼(シャルア副大統領)を完全に中立だとは思わないが、それなりにコンセンサスを得ている人物であり、政権は必要とあらば、彼をカードとして利用することもあれば、中道的との理由で遠ざけたこともある」と付言した。

アサド大統領については、政権内で「孤立しており…、彼の周りで何が起きているかを評価する能力をもはや持っていない」と断じた。

一方、反体制勢力に関しては、ほとんどの勢力と連絡を取り合い、良好な関係を築いているとしつつ、「狭量な者たちが…地位や分け前に思いをめぐらせ、自分たちの利益だけを追求している」と非難した。

そのうえで、自身が「危機から脱却し、国民の痛みを軽減するための行程表を付く出すことを支援する役割を担っていると述べた。

また国際社会に対しては、「穏健と中庸のシナリオを支持し…混乱や過激化」を回避するよう求めた。

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Orient News(2月19日付)は、シリア・ムスリム同胞団が機関紙『アフド』を復刊し、「解放区」での配布を開始した、と報じた。

諸外国の動き

国連バレリー・アモス人道問題担当事務次長はジュネーブで、シリア政府がトルコ国境からの人道支援の受け入れを拒否したと発表した。

アモス事務次長は「シリア北部に我々が限定的にしか行けないことは大いに問題だ。シリア政府に何度も(対トルコ)国境からの越境を求めた。もっとも最近では一昨日も要請したが、返事は変わらず、拒否された」と述べた。

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国連人権問題調整事務所(OCHA)は、400万人以上のシリア人が支援を必要としていると発表した。

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WHOは、ダイル・ザウル県内の反体制武装勢力制圧地域で約2,500人が腸チフスに感染していると発表した。

ユーフラテス川の汚染水を飲んだことが原因だという。

ロイター通信(2月19日付)が報じた。

AFP, February 19, 2013、Akhbar al-Sharq, February 19, 2013、DPA, February 19, 2013、al-Hayat, February 20, 2013、Kull-na Shuraka’, February 19, 2013、al-Kurdiya News,
February 19, 2013、Naharnet, February 19, 2013、Orient News, February 19,
2013、Reuters, February 19, 2013、SANA, February 19, 2013、al-Sharq al-Awsat, February 19, 2013などをもとに作成。

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反体制武装勢力がアレッポ国際空港街道の検問所を占拠するなか、アリー駐レバノン・シリア大使はヒズブッラーがシリア国内で支援を行っているとの噂を否定(2013年2月18日)

シリア政府の動き

アリー・アブドゥルカリーム・アリー駐レバノン・シリア大使は、アドナーン・マンスール外務大臣と会談した。

会談後、記者団に対して、アリー大使は、ヒムス県クサイル地方での16日のレバノン人と反体制武装勢力の戦闘に関して、「レバノンのレジスタンス(ヒズブッラー)がシリア国内で支援を行っていると一部の人々が広めようとしているが、こうした噂は常に繰り返されてきたことだ」と述べた。

また「シリア、レバノン両国の国籍を持つ人々がおり、シリア領内のレバノン人は、攻撃に曝された場合、武装集団に対抗する」と付言した。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港街道の検問所1カ所を反体制武装勢力が占拠した。

SANA, February 18, 2013
SANA, February 18, 2013

またクワイリス航空基地、マンナグ航空基地周辺で、軍と反体制武装勢力が交戦した。

アレッポ市内でも旧市街、シャイフ・サイード地区など反体制武装勢力が占拠する地区で、断続的に戦闘があった。

一方、SANA(2月18日付)によると、タッル・シュガイブ村、アズィーザ市、ザハビーヤ村、タッル・ハースィル村、ジスル・アッサーン村、サフィーラ市などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、アレッポ旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カルム・マイサル地区、カラム・トゥラーブ地区、ダウワール・ハーウーズ、カラム・ジャズマーティー地区などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町近くの国際幹線道路で爆発があり、軍の兵士4人が殺害された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、17日夜から反体制武装勢力が占拠するダイル・ザウル市内の検問所で激しい戦闘が続き、戦闘員10人と軍兵士26人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナブク市南部の検問所を反体制武装勢力が襲撃し、兵士8人が殺害された。

またダーライヤー市などに対して軍が空爆・砲撃を続けた。

一方、SANA(2月18日付)によると、ダーライヤー市、ズィヤービーヤ町などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、ヒッティーン旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月18日付)によると、アービル村、タッルドゥー市、カフルラーハー市、東ブワイダ市、ラスタン市、タルビーサ市、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

『ガーディアン』(2月18日付)は、ヒムス県タッルカラフ市でムハンマド・ハビーブ・ファンディーの仲介により、反体制武装勢力のアブー・ウダイとタッルカラフ市長が停戦に合意し、軍が砲撃を停止、反体制武装勢力が武装放棄したと報じた。

ムハンマド・ハビーブ・ファンディーは、ラッカ市のスンナ派部族の部族長で、ハティーブとしてモスクでの説教を行ってきた人物。

一方、アブー・ウダイは、サウジアラビアで不動産業に従事していたが、「革命が始まった」のを受け、シリアに帰国し、武装闘争に参加したという。

アブー・ウダイによると、タッルカラフ市での反体制武装闘争に外国人は参加しておらず、自身も「宗教的でない」という。

http://www.guardian.co.uk/world/2013/feb/18/syrian-city-truce-sheikh?INTCMP=SRCH

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イドリブ県では、SANA(2月18日付)によると、ビンニシュ市・マアッラトミスリーン市街道などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(2月18日付)によると、反体制武装勢力がカッサーア地区にあるフランス病院、私立ムアウワナ学校を迫撃砲で攻撃した。死傷者は出なかったが、建物の一部が破壊された。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「革命開始当初から…イランを支持するヒズブッラーが、シリア人に対する殺戮、犯罪行為に直接関与してきた」としたうえで、「クサイル地方への最近の軍事介入もその一環だ」と断じた。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、反体制武装勢力の戦闘員に対して、ヒズブッラーの戦闘員を捕捉した場合、「戦争捕虜」ではなく「傭兵」として処遇するよう命令した。

イドリース参謀長は「彼らは国際法が定める条件に従って処遇されることはないだろう」と述べた。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党人民防衛隊のハバード・イブラーヒーム報道官は、アラビーヤ(2月18日付)に対して、シリア・アラブ反体制勢力がクルド人の存在を尊重する限り、ラアス・アイン市での(停戦)合意を遵守する」と述べた。

そのうえで「自由シリア軍との調整のもと、抑圧的な政府の支配下にある地域を解放する計画がある」と付言した。

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ミシェル・キールーは、アラビーヤ(2月18日付)に対して、ラアス・アイン市での民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍の合意に関して「戦略的合意であり、クルド・アラブ関係を再構築し、両当事者の権利を保障する」と述べた。

また「合意は、ラアス・アイン地方に限られたものでなく、ジャズィーラ地方全体を包摂している」と付言した。

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ミシェル・キールーはトルコのアナトリア通信(2月18日付)に対して、ハサカ県ラアス・アイン市での民主統一党人民防衛隊と反体制武装勢力の対立に関して、「彼らのなかで革命が勝利すると念が強まるなか、民主統一党は困難な段階にある」との見方を示した。

またラアス・アイン市で、民主統一党が自由シリア軍との合意のもと、体制打倒のために共闘しつつあると主張した。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は声明を出し、2月1日付『サフィール』に掲載されたインタビューでのイラク・クルディスタン地域マスウード・バールザーニー大統領への非難を撤回、謝罪した。

レバノンの動き

NNA(2月18日付)は、北部県アッカール郡の対シリア国境に面するアリーダ市で、住民が道路を再び封鎖し、燃料輸送用トラックのシリア(タルトゥース県)への入国を阻止したと報じた。

道路封鎖は、シリアの反体制武装勢力と軍の戦闘での迫撃砲の流れ弾が同市に着弾したことに抗議するかたちで始められた。

諸外国の動き

EU外相会議がブリュッセルで開かれ、シリアへの武器禁輸措置解除(反体制勢力への武器・兵站支援)の是非について審議した。

会議では、禁輸措置解除を強く主張する英国とそれに慎重なドイツや北欧の意見がまとまらず、妥協案として、武器禁輸措置を3ヶ月延長する一方、防弾チョッキなど「非殺傷」型の軍事支援を強化することで合意した。

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サウジアラビア政府は、シリア危機に対処するための国際社会のヴィジョンの統一を呼びかけるとともに、政権移行と即時流血停止の必要を強調した。

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国連人権理事会が任命した国際調査委員会はシリアの人権侵害に関する報告書を公表し、アサド政権と反体制武装勢力の双方が人道に対する罪などの戦争犯罪を犯していると指摘したうえで、国連安全保障理事会に対し、国際刑事裁判所(ICC)への付託を求めた。

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ラタキア県の殉教者バースィル・アサド国際空港に、人道支援物資46トンを積んだロシアの貨物航空機2機が到着した。

AFP, February 18, 2013、Akhbar al-Sharq, February 18, 2013、Alarabia.net, February 18, 2013、The Guardian, February 18, 2013、al-Hayat, February 19, 2013、Kull-na Shuraka’, February 18, 2013、al-Kurdiya News,
February 18, 2013、Naharnet, February 18, 2013、NNA, February 18, 2013、Reuters,
February 18, 2013、SANA, February 18, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主統一党と自由シリア軍がラアス・アイン市内での合同の検問所設置などを骨子とする停戦合意を結ぶ、ブラーヒーミー共同特別代表はアラブ連盟事務総長との会談のなかでハティーブ議長による対話イニシアチブを高く評価(2013年2月17日)

国内の動き(シリア政府の動き)

ワーイル・ハルキー首相は人民議会で演説し、トルコを初めとする避難民受け入れ国が「シリア人避難民・被災者の数が60万人に達した」と述べたことを明らかにした。

「事実と異なる架空のデータベースを提示しているが、これらの国のキャンプにいる避難民・被災者の数は20万人以下だと言おう」と述べた。

そのうえでハルキー首相は「ヨルダン、レバノン、トルコで最近起きているように、近隣諸国への物的支援供与のため、避難民が物心面で取引材料となっていることは非常に遺憾だ」と付言した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(2月17日付)によると、シャイフーニーヤ村郊外、マルジュ・スルターン村、ドゥーマー市、スバイナ町、カーラ市郊外、ヤブルード市郊外、ダーライヤー市、マダーヤー町、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、アッラーの獅子大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月17日付)によると、カフルヤーヤー市、アイン・スーダー村、シュグル市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、アリーハー市、タッル・カッブー村、グルバール村などで、軍が反体制武装勢力の追撃・攻撃を続け、ファールーク大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月17日付)によると、タッル・フワーシュ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃・攻撃を続け、ファールーク大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月17日付)によると、アレッポ市ナイラブ地区、マイサル地区、トゥラーブ地区、旧市街、サーフール地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月17日付)によると、ハウラ地方、ラスタン市郊外などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き・クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(2月17日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で、民主統一党と自由シリア軍が、市内での合同の検問所設置などを骨子とする停戦合意を行った、と報じた。

停戦合意の主な内容は以下の通り:

1. ラアス・アイン市の完全武装解除
2. ラアス・アイン市の自治運営を目的とする地元評議会の設置
3. 民主統一党人民防衛隊と反体制武装勢力の合同検問所の設置
4. ハサカ県内の都市解放のための人民防衛隊と自由シリア軍の協調

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ユーフラテス通信(2月17日付)は、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)アブドゥルハキーム・バッシャール派の民兵が同通信社のジューディー・ダッハーム特派員をハサカ県ダイリーク市で拉致した、と報じ、非難した。

レバノンの動き

AFP(2月17日付)は、ヒズブッラー高官(匿名)の話として、ヒムス県クサイル地方で反体制武装勢力が16日、シリア在住のシーア派レバノン人3人を殺害、13人を負傷させたと報じた。

同高官は、殺害されたレバノン人住民が「自衛」行為を行っていたことを認めたが、ヒズブッラーのメンバーだったかどうかは言及しなかった。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官を名乗るルワイユ・ミクダードはムスタクバル・テレビ(2月17日付)に対して、ヒズブッラーがシリア領内の5つの村に展開し、戦闘を行っている、と非難した。

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自由シリア軍「最高評議会報道官」を名乗るルワイユ・ミクダードは、『ナハール』(2月18日付)に対して、ヒムス県クサイル地方でのレバノン人と反体制武装勢力の戦闘をヒズブッラーの攻撃と断じたうえで、「シリア政府の空軍との連携にもとに行われた…前例のない侵略」だと批判した。

またこの攻撃が、ヒズブッラーの「ムスタファー・バドルッディーンとワフィーク・サファー」の監督のもとに行われたと断じた。

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自由シリア軍「最高評議会報道官」を名乗るルワイユ・ミクダードは一方、LBCI(2月17日付)に対して、ヒムス県の村を攻撃したヒズブッラーの戦闘員40人以上が死亡したと述べるとともに、「ナスルッラーの演説が終わるとともに攻撃が開始された」と付言した。

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NNA(2月17日付)は、レバノン民主党のタラール・アルスラーン党首がダマスカスを訪問し、アサド大統領と会談した、と報じた。

諸外国の動き

『ハヤート』(2月17日付)は、モサドに近いイスラエルの複数の消息筋の話として、1月30日のダマスカス郊外県ジャムラーヤーの軍科学研究センターへの空爆が、イラン・イスラーム革命防衛隊メンバーのハサン・サーティリー議長の暗殺を目的としていたことを明かした、と報じた。

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イスラエル国防省のアモス・ゲラルド政治問題担当官はイスラエル軍のラジオ(2月17日付)で、[現在のところ、シリアが保有する化学兵器はアサド政権の管理下にある」としたうえで、「国際社会の圧力のもと、シリア政府はこれらの武器が反体制勢力の手に渡ることを許さなかったが、シリア政府は崩壊過程にあり、常に注意が必要だ」述べた。

また「アル=カーイダやヒズブッラーといったテロ組織がシリアで勢力を強めている」と警鐘を鳴らした。

一方、16日、ゴラン高原(シリア領内)での軍と反体制武装勢力の戦闘で負傷したシリア人7人がイスラエルの病院に搬送され治療を受けているとの報道に関して、ジェラルド担当官は、「個人として人道支援を求めてきた」と認めたもの、搬送されたシリア人が反体制武装勢力の戦闘員か軍の兵士かを明言しなかった。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長とカイロで会談した。

会談後、ブラーヒーミー共同特別代表は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による対話イニシアチブに関して「シリアの危機の政治的解決を再生した」と高く評価した。

そのうえで「反体制勢力とシリア政府の許容可能な使節団との対話が国連のどこかの本部で始まれば、トンネルから抜け出ることの始まりとなろう」と期待感を寄せた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、記者団に対してトルコ政府がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の紛争解決に向けたイニシアチブを常に支援してきたと述べる一方、「シリア政府がすべてのイニシアチブに常に消極的に対応してきた」と非難した。

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これに対して、ヨルダンのザアタリー避難民キャンプの運営を担当するインマール・ハンムードは、2011年3月以降、37万9785人のシリア人避難民がヨルダンに入国、うち8万3000人がザアタリー避難民キャンプに収容されている、と述べた。『ハヤート』(2月18日付)などが報じた。

AFP, February 17, 2013、Akhbar al-Sharq, February 17, 2013、al-Hayat, February 17, 2013, February 18, 2013、Kull-na Shuraka’, February 17, 2013、al-Kurdiya
News, February 17, 2013、LBCI, February 17, 2013、al-Mustaqbal TV, February
17, 2013、al-Nahar, February 18, 2013、Naharnet, February 17, 2013、NNA, February 17, 2013、Reuters, February 17, 2013、SANA, February 17, 2013、UPI, February 27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県では前日に発生したシーア派宗徒40人の誘拐をきっかけに反体制武装勢力と政権支持勢力の間で誘拐の応酬が激化し、被害者は計300人以上に(2013年2月16日)

国内の暴力

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・アルナバ市の検問所を反体制武装勢力が一時占拠したが、軍によって撃退され、ジャバーサー市方面へ退却した。

なおこの戦闘と時を一にするかたちで、負傷したシリア人7人がイスラエル領内に入り、イスラエルの病院に搬送された。

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シリア人権監視団は声明を出し、2月14日の反体制武装勢力によるフーア市、カファルヤー町住民40人(シーア派)の誘拐をきっかけに激化した反体制武装勢力と政府を支持する勢力双方による住民拉致によって、過去48時間で300人以上が誘拐された、と発表した。

両勢力は、サラーキブ市、ビンニシュ市、サルミーン市、キームナース市、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラトミスリーン市で住民を誘拐している、という。

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ダルアー県では、複数の反体制武装勢力が対ヨルダン国境に面したザイズーン村近くの国境監視所の一つを制圧したとシリア人権監視団が発表した。

しかし、この攻撃に先立って、軍がザイズーン村の反体制武装勢力を砲撃し、複数の戦闘員が死傷し、捕らえられたという。

一方、SANA(2月16日付)によると、サナマイン市、サフウ市の軍の拠点を反体制武装勢力が襲撃したが、撃退され、複数の戦闘員が死傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市周辺の村々が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(2月16日付)によると、ラスタン市東部、タッル・ダハブ市、ハウラ地方、タッル・シュール市、タッル・ウマリー市、ハスヤー町、ダブア市、ガントゥー市、フワイジャ市、ハワーシュ町などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シャッダーディー市郊外の村にある軍の拠点をシャームの民のヌスラ戦線が攻撃したが、同戦線の「アミール」が死亡したとシリア人権監視団が発表した。

この戦闘では、軍の兵士7人も死亡したという。

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アレッポ県では、サフィーラ市での反体制武装勢力との戦闘で、共和国護衛隊のイブラーヒーム・ハッダード准将が戦死した、とアクス・サイル(2月16日付)が報じた。

またアッシリア人権ネットワークは声明を出し、アレッポ市郊外のICARDA近くで、キリスト教のギリシャ正教とアルメニア・カトリックの神父が武装集団に誘拐された、と発表した。

一方、SANA(2月16日付)によると、タッル・ハースィル村、アッサーン村、カマーリー村、サフィーラ市、ザハビーヤ村、アズィーザ市、カフル・アントゥーン市、タッル・シュガイブ村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バーブ・ナイラブ地区、ダウワール・ジャズマーティー、カラム・マイサル地区、トゥラーブ地区、旧市街などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月16日付)によると、マルジュ・スルターン村、スバイナ町、ハッラーン・アワーミード市、ウタイバ村、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザバダーニー市郊外では、反体制武装勢力が仕掛けようとしていた爆弾が爆発し、戦闘員2人が死亡、3人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(2月16日付)によると、ジダール・ビカフルーン村、マアッラト・ニウマーン市、マルイヤーン村、ハーン・サブル市などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、アブドゥッラフマーン旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月16日付)によると、ルバイア地方カビール村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線に属する二つの武装集団を殲滅した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、ヒムス県クサイル市郊外のアブー・フーリー村、ブルハーニーヤ村、サクラジャ村をヒズブッラーの戦闘員が攻撃し、シリア人民間人の間に負傷者が出た、と発表、非難した。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高会議のメンバーはイラク・クルディスタン自治政府のマスウード・バールザーニー大統領とエルビル市で会談し、シリア情勢について協議した。クルディーヤ・ニュース(2月16日付)が報じた。

レバノンの動き

UNHCRは、レバノン国内に少なくともシリア人28万3000人が逃れ、避難生活をしている、と発表した。

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SANA(2月16日付)シリアの喜劇俳優ドゥライド・ラッハームがレバノンの北部県トリポリ市郊外のカラムーン地方で、サラフィー主義集団の襲撃を受けたと報じた。

しかし、クッルナー・シュラカー(2月16日付)は、アサド政権を支持するラッハームの退去を住民が求めたと報じた。

諸外国の動き

AFP(2月16日付)によると、トルコの首都アンカラで、約150人の活動家が、米国のパトリオット・ミサイルの対シリア国境への配備に反対するデモを行った。

同報道によると、アンカラの中国大使館前でも、アサド政権を支持する中国を非難する別のデモが行われた。

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イラン学生通信(2月16日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のアリー・シーラーズィーが、2月15日のハサン・サーティリー議長の死亡に関して、イスラエルに対抗するイランの意志を高め、早急に報復すると述べたと報じた。

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フランスのジャン・イブ・ルドリアン国防大臣は、訪問先のUAEアブダビで、シリアにおける「移行期プロセスに、アサド大統領の居場所はない」と述べた。

AFP, February 16, 2013、Akhbar al-Sharq, February 16, 2013、‘Aks al-Sayr, February 16, 2012、al-Hayat, February 17, 2013、Kull-na Shuraka’, February 16, 2013、al-Kurdiya News,
February 16, 2013、Naharnet, February 16, 2013、Reuters, February 16, 2013、SANA,
February 16, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ国際空港およびナイラブ航空基地の制圧をめざす反体制武装勢力と軍が激しく交戦、双方合わせて150人以上が死亡(2013年2月15日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港、ナイラブ航空基地周辺で、両空港の制圧をめざす反体制武装勢力が軍と激しく交戦した。

同監視団によると、軍は第80旅団基地の奪還のため、空爆・砲撃などを強めており、反体制武装勢力も砲撃で応戦、双方合わせて150人以上が死亡、軍の上級士官も戦死したという。

またサフィール市郊外のタッル・アラン市周辺でも、軍と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、ダマスカス報道ネットワーク(ストリーミング放送)によると、マンビジュ市で、シャームの民のヌスラ戦線が拠点としていた3階建てのビルに対して、軍が「強力な爆発力を有する中性能ミサイル」で攻撃した。

同放送によると、このミサイルは「100%シリア製」で、これによりビルは破壊され、「テロリスト」数十人が死亡したという。

他方、SANA(2月15日付)によると、サフィール市、タッル・ハースィル村、ムスリミーヤ村、フライターン市、ブシュカーティーン市、アレッポ・イドリブ街道沿い、アイン・ジャーラ市、アズィーズィーヤ市、ハイヤーン町、マンナグ村、クワイリス市などで、反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市のカーディー・アスカル地区、カラム・マイサル地区、シャッアール地区、バーブ街道地区、旧市街、シャイフ・サイード地区などで、反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、アレッポ市マアーディー地区では、シャームの民のヌスラ戦線とタウヒード旅団が、略奪品の分配をめぐって衝突し、双方に多数の死傷者が出た。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市に対する軍の砲撃で11人が死亡した。

またワーディー・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地周辺でも、軍と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(2月15日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ市周辺などで、軍が反体制武装勢力の攻撃に応戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシュグル市、カフルルーマー村、カフルハーヤー村、ラーミー村、サルミーン市・ビンニシュ市街道、サルジャ村、ハーン・サブル市、サルミーン市などで、反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区に軍が砲撃を加えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ダーライヤー市などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(2月15日付)によると、ウタイバ村、イバーダ市、ドゥーマー市、ザマルカー町、タッル・クルディー市などで、反体制武装勢力を攻撃、イスラーム旅団、シャーム自由人大隊のメンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月15日付)によると、東ブワイダ市、タルビーサ市郊外、アーミリーヤ市郊外、ラスタン市郊外、ハウラ地方などで、反体制武装勢力を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月15日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、ハウィーカ地区などで、反体制武装勢力を攻撃、ハドラー大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き(シリア政府の動き)

シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長および事務総長に宛てて書簡を提出、そのなかで、トルコがシリアへの敵対的姿勢をエスカレートさせ、シリアの一部の反体制組織にアサド政権の危機解決政治プログラムを拒否するよう圧力をかけ、危機の平和的解決を阻止しようとしている、と抗議した。

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国内で活動する国民潮流(旧民主国民イニシアチブ)のムハンマド・サルマーン(元情報大臣)は声明を出し、政権交代が可能な民主的文民体制を樹立するための「国民大会」の開催を呼びかけ、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表にその主催を求めるとともに、すべての政治・社会勢力に参加を呼びかけた。

同声明によると、「国民大会」において、全権を有する挙国一致移行期政府樹立、軍の統合維持、国会選挙などが決定され、国際社会とアラブ世界の保証のもとに、移行期政府樹立から1年以内の決定事項の履行が義務づけられる、という。

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SANA(2月15日付)は、アレッポ県アレッポ市イザーア地区、サイフ・ダウタ地区で、テロ集団による犯罪や外国の敵対行為を非難する抗議デモが発生したと報じた。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(2月16日付)は、反体制活動家の話として、反体制武装勢力がアレッポ県ジャッラーフ軍事空港などで捕獲した熱感知ミサイル(イフラースA18<إغلاس. إي ١٨>)を14日のアレッポ県とイドリブ県の戦闘で投入したと報じた。

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「スワイダー県宗教関係者たち」を名のる集団(ドゥルーズ派)が声明を出し、県民に軍から離反するよう呼びかけた。クッルナー・シュラカー(2月15日付)が報じた。

諸外国の動き

アナトリア通信(2月15日付)によると、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)のヤイァダー村に、イドリブ県から発射された迫撃砲が着弾した。

迫撃砲着弾による被害はなかったが、トルコ軍が迫撃砲で応戦した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はドイツのARD(2月15日付)のインタビューに応じ、シリアの「反体制勢力はいかなる政治的オルターナティブも提示していない。反体制勢力を統一させている唯一のものは現体制だ…。彼らは体制が好きでなく、飽きているだけだ。しかし反体制勢力は2年もの間、いかなる建設的なプランも導出していない」と述べた。

AFP, February 15, 2013、Akhbar al-Sharq, February 15, 2013、al-Hayat, February 16, 2013、Kull-na Shuraka’, February 15, 2013、al-Kurdiya News,
February 15, 2013、Naharnet, February 15, 2013、Reuters, February 15, 2013、SANA,
February 15, 2013、UPI, February 15, 2013などをもとに作成。

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ハサカ県タッル・タムル町で人民防衛隊と自由シリア軍が交戦し後者の戦闘員が死亡、シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会が会合を開きハティーブ議長による対話イニシアチブへの支持を確認(2013年2月14日)

国内の暴力

ハサカ県では、タッル・タムル町に自由シリア軍が侵入し、民主統一党人民防衛隊と交戦したとクルディーヤ・ニュース(2月14日付)が報じた。

同報道によると、この戦闘で自由シリア軍の戦闘員1人が死亡した。

またユーフラテス通信(2月14日付)によると、自由シリア軍は「北方」、すなわち対トルコ国境方面からタッル・タムル町の牧場を襲撃、略奪を行ったという。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月14日付)によると、アイン・タルマー村、アルバイン市などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ航空基地に軍が空爆を行った。

一方、SANA(2月14日付)によると、アズィーザ市、アターリブ市、カフルハムラ村、アウラム・クブラー市、ダーラ・イッザ市、マンナグ村、クワイリス市、バーブ市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サーフール地区、カラム・トゥラーブ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カーティルジー地区、マアスラーニーヤ地区、バーブ・ナスル地区、マイサル地区、シャッアール地区、カーディー・アスカル地区などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、『ワタン』(2月14日付)は、アレッポ国際空港を防衛する「第80旅団本部を再制圧しつつある」と報じ、同旅団本部が反体制武装勢力に制圧されたことを認めた。

同報道によると、「空軍の第80旅団の大部分に多数の武装集団が潜入したが…、これまで数百人を殲滅した」という。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、「革命家たち」がヒムス市ジャウバル区から撤退し、軍が同地区を制圧した。

一方、SANA(2月14日付)によると、フルクルス町郊外、ハウラ地方、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市ジャウバル区で、軍が大量の武器、弾薬、装備を押収した。

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ハマー県では、SANA(2月14日付)によると、ムーリク市入り口で、軍が反体制武装勢力を殲滅した。

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イドリブ県では、使徒末裔大隊がカフルサジュナ市上空でシリア軍のスホーイ戦闘機2機を撃墜したとする映像をユーチューブにアップした(ただし映像には戦闘機は1機しか映っていない)。

またシリア人権監視団によると、ハーッス村、カフルナブル市、ヒーシュ村、カフルルーマー村などに軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(2月14日付)によると、ハーリム市で、反体制武装勢力のイドリブ殉教者旅団とハーリム殉教者旅団が略奪品の分配をめぐって衝突、複数の戦闘員が死亡した。

他方、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力が、イドリブ県のフーア市とカファルヤー町の住民約40人を誘拐した。

誘拐された住民のほとんどが女性と子供で、シーア派宗徒だという。

またこの拉致に対抗するかたちで、政府を支持する武装集団が、イドリブ市に向かうバス4台に乗っていた男女70人を軍の検問所近くで誘拐した。

この武装集団は、フーア市、カファルヤー町の出身者で、誘拐されたのはサラーキブ市、サルミーン市、ビンニシュ市周辺の村々の住民(スンナ派)だという。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会がカイロ東部(第5タガンマア地区)の本部で会合を開き、以下の点を合意した。

1. 2月20日にカイロで開催予定のシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会において、国内外の反体制勢力による移行期政府樹立を提言する。
2. アフマド・マアーッズ・ハティーブ議長によるシリア政府との条件付き対話イニシアチブを支持する。
3. シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表として承認する国との連絡を強化し、大使館、移行期政府およびその代表の拠点開設を求める。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、カイロでの政治委員会会合で以下8点を確認したと発表した。

1. 公正、自由、尊厳という革命の諸目標の実現、殺戮、破壊の回避、地理的、政治的統合の維持、市民的民主主義の確立。
2. アサド大統領、軍・治安部隊高官の政治プロセスからの排除およびその犯罪に対する処罰。
3. 国民に対する犯罪に関与していないバアス主義者およびそれ以外の政治・社会・市民勢力の政治プロセスへの参加。
4. 上記の各項目を実現するイニシアチブへの期限の設定。
5. 国連安保理諸国、とりわけ米国、ロシアによる政治プロセスへの支援・保証。
6. ロシアにアサド政権支持を断念するよう呼びかける。
7. イランによるアサド政権支援を断念するよう呼びかける。
8. 政治的解決の扉を開くには、権力バランスの変化、すなわちシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会の権力伸長が不可欠だということを内外に周知。

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在ヨルダンの反体制活動家カマール・ルブワーニーは声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、アサド政権を免罪した場合、連立が政権に代わってその責任を負うことになると警告、政権との対話に異議を唱えた。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相はアラビーヤ(2月14日付)に対して、「今日、シリアはイランによって占領されており、アサド大統領ではなく、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー少将によって支配されている」と吹聴した。

諸外国の動き

イラン・イスラーム革命防衛隊は声明を出し、同防衛隊の幹部の一人でレバノン復興促進委員会のハサン・サーティリー議長(通称、フサーム・ホーシュ)がダマスカスからベイルートに帰還する途上、ザバダーニー市付近で反体制武装勢力に襲撃され、死亡したと発表した。

これに対して、自由シリア軍合同司令部広報局が声明を出し、シャーティリー議長は、1月末のイスラエル軍によるジャムラーヤーの軍科学研究センターへの越境空爆で、複数の防衛隊隊員らとともに殺害されていた、と断じた。

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ジョン・ケリー米国務長官は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣と会談し、「彼(サウード・ファイサル)は私にシリアでの犠牲者数が9万人に達しているだろうと述べた」と発言した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアが、英国をはじめとする欧州諸国で銃や爆発物の使用を学んだ過激派にとっての「第1の目的地」となっていると警鐘を鳴らし、彼らがシリアでのテロ活動から生還した場合、英国にとって脅威となるとの見方を示し、「紛争が長引けば、危険は拡大する」と述べた。

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トルコのハヤティ・ヤズジ通商税関大臣は、トルコ治安部隊が2013年1月以降、シリアに密輸されようとしていた小銃110丁、ライフル51丁、ライフル・スコープ86丁、銃弾50,375丁を5カ所で押収したと述べた。『ヒュッリイェト』(2月14日付)が伝えた。

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ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、エジプト、サウジアラビア、トルコ、イランからなる四カ国委員会に関して、レバノンやヨルダンといった近隣諸国を含めたかたちで早急に会合を開き、シリアの危機に対処するよう呼びかけた。

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国連の潘基文事務総長は、「シリアの悲劇は政治的な解決の展望が見えないままに深まっている」と述べた。

AFP, February 14, 2013、Akhbar al-Sharq, February 14, 2013、Alarabia.net, February 14, 2013、al-Hayat, February 15, 2013, February 16, 2013、Kull-na Shuraka’, February 14, 2013,
February 15, 2013、al-Kurdiya News, February 14, 2013、Naharnet, February
14, 2013、Reuters, February 14, 2013、SANA, February 14, 2013、UPI, February
14, 2013、al-Watan, February 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線を含むサラフィー主義武装集団がアレッポ県やハサカ県の複数拠点を制圧、また同戦線メンバーで「セレ・カニ・イスラーム国」のアミールを務めてきたクルド人が人民防衛隊との戦闘で死亡(2013年2月13日)

国内の暴力

アレッポ県では、アレッポ国際空港とナイラブ航空基地を防衛する第80旅団本部を、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード旅団、ムハージリーン大隊などがほぼ完全に制圧したとシリア人権監視団が発表した。

一方、SANA(2月13日付)によると、アズィーズ村、タッル・アラン市、マンナグ村、クワイリス市、カマーリー村、マーイル町、フライターン市、ハーン・アサル市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、シリアの盾大隊メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マイスィル地区、ブスターン・カスル地区、アズィーズィーヤ地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地一帯で、シリア防衛アラブ青年戦線のアリー・イスマンディル書記長と息子2人、甥が乗った車を反体制武装勢力が要撃し、4人全員を殺害した。

シリア防衛アラブ青年戦線は、シリア憲法や国際法などに依拠して、「テロ集団」の犯罪を告発することを目的として2012年2月に発足したNGO。

フェイスブックなどの書き込みによると、ラタキア県カルダーハ市出身の集団が要撃したという(未確認情報)。

またシリア人権監視団によると、ダーライヤー市で軍と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(2月13日付)によると、ドゥーマー市および同市郊外、ザマルカー町、シャイフーニーヤ村、リーハーン農場などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、ハムザ大隊メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区が砲撃を受け、子供を含む12人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルナブル市が軍の砲撃を受け、マアッラト・ニウマーン市に近いハーミディーヤ検問所周辺では軍と反体制武装勢力が交戦し、戦闘員8人が死亡した。

一方、SANA(2月13日付)によると、イフスィム町、ナフラ村、カフルハーヤー村、ラスム・アービド村、マジャース村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャッダーディー市をシャームの民のヌスラ戦線が襲撃、軍との戦闘の末に制圧した。

この戦闘では、軍兵士20人以上、外国人戦闘員3人を含むヌスラ戦線戦闘員16人が死亡したという。

その後、シリア人権監視団は、3日間にわたるシャッダーディー市での戦闘で、シリア軍兵士が少なくとも100人、シャームの民のヌスラ戦線メンバー30人が死亡したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月13日付)によると、ダイル・ザウル市の旧空港地区、ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、ムハンマド末裔大隊、カアカーウ旅団、ズバイル・ブン・アワーム大隊メンバーなどを殲滅した。

国内の動き(シリア政府の動き)

2012年12月に「離反」したと報じられた元外務在外居住者省報道官のジハード・マクディスィーが声明を出し、私的な動機で国を去り、国民対話を通じた平和的変革プロセスを望んでいるとの意思を表明、外国の介入や武装闘争・弾圧に異議を唱えた。

声明でマクディスィーは、「個人的、そして独自の決断により国を去った」としたうえで、現在2人の兄弟のもとに一時的に身を寄せていることを明らかにするとともに、「欧州、米国には足を踏み入れたことはない」と西側諸国に保護されているとの一部情報を否定した。

またアサド政権の施政については「具体的な措置が執られたが、現地での血塗られた痛ましい出来事がシリア人の希望を奪った」と述べた。

さらに「憎しみ、過激主義、外国の軍事介入を排除し、一つの祖国の民が愛国的関係と国民対話を通じて、期待されている平和的変革プロセス」への支持を表明し、「これがシリアの危機の最適で唯一な政治的手口である」と述べた。

一方、現下の紛争に関しては「シリアでの戦いは、シリア人どうしの戦いではない。イスラーム教徒とキリスト教徒の戦いでもない。シリアを破壊し尽くそうとする戦いで、そこには勝利も関係正常化もない」と述べた。

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シリアの外務在外居住者省は声明を出し、近くモスクワを訪問するワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が、同地で反体制勢力の代表らと会談するだろうとしたロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣の発言を否定した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ニザール・ヒラーキー駐カタール代表に対してカタール政府がドーハのシリア大使館を明け渡し、ヒラーキーを含む3人に外交特権を付与する決定を下したと発表した。

同声明によると、この決定は2月12日に、シリア革命反体制勢力国民連立に通知された。

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チュニジアのエクスプレスFM(2月13日付)は、アレッポ県で外国人サラフィー主義者132人が軍との戦闘で殺害されたと報じた。

同ラジオ局が、匿名消息筋の話として得た情報によると、殺害された外国人戦闘員のほとんどがスィディブジド出身のチュニジア人で、シャームの民のヌスラ戦線が遺体の写真などを送付してきた、という。

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ザマーン・ワスル(2月13日付)は、複数の消息筋の話として、アレッポ県軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐が、アレッポ県のジャッラーフ軍事空港で捕獲した戦闘機が使用可能だと語ったと報じた。

なおユーチューブ(2月12日付)には、ジャッラーフ軍事空港で捕獲した戦闘機の映像がアップされている。

http://www.youtube.com/watch?v=03bpo10Gtww&feature=player_embedded
http://www.youtube.com/watch?v=OcCOv4foKd8&feature=player_embedded

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長はクルディーヤ・ニュース(2月13日付)に対して、バーブ・ハワー検問所でのバス爆破事件に関して「いかなる勢力が犯行に利用されたとしても、政府が唯一の筆頭容疑者だ」と断じた。

またクルド問題に関して「クルド国家を建設し得る状況があれば、それを要求するだろう。しかし今は、分権的で、地方が大幅な権限を持つ多元的民主国家建設を建設するために活動している」と述べた。

一方、シリア・クルド国民評議会については、「当初、シリア国民評議会への参加を我々は歓迎していたが、シリア・クルド国民評議会からは何の要請もない」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(2月13日付)は、シャームの民のヌスラ戦線メンバーで「セレ・カニ・イスラーム国」のアミールを務めてきたクルド人、アブー・ライス・クルディーが民主統一党人民防衛隊との戦闘で死亡した、と報じた。

同報道によると、アブー・ライスは、シャームの民のヌスラ戦線に参加した初めてのクルド人で、同戦線が2012年11月8日にラアス・アイン市(クルド語名セレ・カニ)に潜入して以降、アミールを務めてきたという。

レバノンの動き

SANA(2月13日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール市が「自由シリア軍の避難場所、兵站基地と化している」と報じた。

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MTV(2月13日付)は、ベカーア県バアルベック郡のシリア国境に近いマシャーリーウ・カーアにシリア軍が侵入し、レバノン人2人を身柄拘束しようとしたが、2人は逃走したと報じた。

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NNA(2月13日付)は、北部県アッカール郡の対シリア国境に面するアリーダ市で、住民が道路を封鎖し、燃料輸送用トラックのシリア(タルトゥース県)への入国を阻止していると報じた。

諸外国の動き

カタール政府がシリア革命反体制勢力国民連立にシリア大使館を明け渡したことに関して、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は「ヴァージャル国家によるヴァーチャル組織の承認は現状を何ら変えるものではない」と述べた。

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米国のジョン・ケリー国務長官はヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、ケリー国務長官は、「国際社会はアサド大統領とその体制がシリア国民と地域に対して行っていることへの責任を負わせることが重要」だと述べたが、その詳細には触れなかった。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、イドリブ県バーブ・ハワー検問所でのバス爆発に関して、「トルコ領内で起きていたら、(攻撃の)標的は、トルコを巻き込み、挑発することにあったのだろうが、そのような疑いはない」と述べた。

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PKKのロジュ・ヴェラート報道官は、クルド語サイトで、ラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍の戦闘に関して触れ、そのなかで、トルコがラアス・アイン市を侵攻する反体制武装勢力への支援を続けるのなら、我々は同市に戦闘員を派遣することに何ら躊躇しない、と述べた。

クルディーヤ・ニュース(2月13日付)が報じた。

AFP, February 13, 2013、Akhbar al-Sharq, February 13, 2013、al-Hayat, February 14, 2013、Kull-na Shuraka’, February 13, 2013, February 14, 2013、al-Kurdiya
News, February 13, 2013、MTV, February 13, 2013、Naharnet, February 13, 2013、NNA,
February 13, 2013、Reuters, February 13, 2013、SANA, February 13, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハイダル国務大臣が「訪問できる外国の都市でハティーブ議長と会談する用意がある」ことを明らかに、イスラーム主義者の武装集団がアレッポ・ラッカ街道沿いに位置するジャッラーフ航空基地を制圧(2013年2月12日)

SANA, February 12, 2013
SANA, February 12, 2013

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は、9日に新たに任命した閣僚の任命式を行ったのち、ワーイル・ハルキー改造内閣の閣議を召集した。

閣議において、アサド大統領は、シリアが直面する現状のなかで国民の内閣への希望がこれまで以上に高まっていると指摘、各省庁に対して自らの責任感を国民の希望を実現するための原動力とするよう指示した。

また「シリアを標的とする勢力は国のインフラを破壊するため、体系的な活動を行っている」と反体制武装活動を非難した。

SANA(2月12日付)が報じた。

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アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は『ガーディアン』(2月11日付)のインタビューに応え、そのなかで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長と「訪問できる外国の都市で会談する用意がある」と述べた。

ハイダル国務大臣はまた、国民対話に関して「国会と大統領を選ぶ自由選挙を行う仕組みを拡充する手段」と位置づけたうえで、同問題が対話における主要な議題になるとの認識を示した。

そのうえで「実質的な国民対話はシリア国内で行われねばならない。なぜならそれはシリアの尊厳に関わる問題だからだ」と述べた。

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アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、赤十字国際委員会の使節団(マリアン・ガセル団長ら)とダマスカスで会談し、シリア国内での人道支援活動の状況について協議した。

SANA, February 12, 2013
SANA, February 12, 2013

会談後、ハイダル国務大臣は、記者団に対し、「(危機解決政治プログラム)閣僚委員会が検討を行うような公式文書によるいかなるイニシアチブもまだ受け取っていない」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による条件付き対話プログラムを牽制し、アサド政権の危機解決政治プログラムに沿った対話を暗に呼びかけた。

またハイダル国務大臣は「国民対話は、シリア人のみの運営、参加のもと、シリア国内で行われるだろう」としつつ、「対話に前提条件はなく、誰も前提条件やいわゆる譲歩を求められることはない」と強調した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は『ワタン』(2月12日付)に対して、ジョン・ケリー国務長官就任に関して、「米国の新政権は自らの中東地域における国益、そしてシリア国民の国益に合致しない政策を転換することを希望する」と述べた。

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イマード・ハミース電力大臣は、シリア国内での破壊行為による停電で2180億シリア・ポンドの経済的損失が生じている、と述べた。

SANA(2月12日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(2月12日付)によると、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー郊外、ハラスター市、アドラー市などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、イスラーム主義者の武装集団がアレッポ・ラッカ街道沿いに位置するジャッラーフ航空基地(クシャイシュ航空基地)を戦闘の末に制圧したとシリア人権監視団が発表した。

同監視団によると、反体制武装勢力による飛行場制圧はこれが初めてだが、飛行場には若干の装備が残されていただけだった、という。

この戦闘で軍の兵士40人以上が死傷、捕捉され、反体制武装勢力の戦闘員も5人が死亡、2人が負傷した。

イスラーム主義者の武装集団は「アレッポ広報局」の名で声明を出し、ナイラブ航空基地、アレッポ国際空港、そして両空港を防衛する第80旅団、マナーラ検問所に対する「大規模な攻撃を早朝」開始したと発表した。

シリア人権監視団によると、この攻撃で、反体制武装勢力はマナーら検問所を制圧、一方、軍は第80旅団の基地周辺に対して空爆を行った。

アブー・ヒシャームを名乗る活動家はAFP(2月12日付)に対して、「これらの軍事拠点は、装備の入手源であるため重要だ」と述べ、攻撃の目的が制圧ではなく、武器・弾薬の略奪であることを示唆した。

しかしシリア人権監視団は、これらの空港の警備が堅固で、反体制武装勢力が戦果を得ることは困難との見方を示した。

一方、SANA(2月12日付)によると、サフィーラ市、アナダーン市、マンスーラ村、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、サーフール地区、フルワーニーヤ地区、ハーン・バカル地区、ジスル・ナイラブ地区などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA, February 12, 2013
SANA, February 12, 2013

イドリブ県では、SANA(2月12日付)によると、アブー・ズフール市郊外などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またSANA(2月12日付)は、マアッラト・ヌウマーン市にあるアブー・アアラー・マアリー(アッバース朝時代の詩人・哲学者)の銅像の首がはねられた写真を公開し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーの犯行だと報じた。

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ヒムス県では、SANA(2月12日付)によると、反体制武装勢力がヒムス市郊外の石油精製所の北側のゲートを砲撃し、職員1人が死亡、複数が負傷した

反体制勢力の動き

AFP(2月13日付)は、イドリブ県アティマ市で武装闘争を続けるアブー・マフムードを名乗る司令官の証言を掲載した。

アブー・マフムードはそのなかで「我々の美しい革命を盗人と腐敗した者どもが盗んだ…。自由シリア軍の司令官たちは私服を肥やす一方、真の革命家たちは現地で死んで行っている」と在外の活動家を痛烈に批判した。

アブー・マフムードはまた「彼らは前線に着ても、盗みや略奪しかしない。戦闘には参加しない…。彼らはトルコで密売するために持って行けるあらゆるものを盗む…ためにしか来ない」と付言した。

一方、サラフィー主義者については、「イスラーム主義者?こいつらが持ち込んだイスラームは私が知っているイスラームじゃない」と批判した。

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自由シリア軍合同司令部中央広報局を名乗る組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による条件付きの政権との対話イニシアチブに関して、「死産だったが…拒否はしていない」「殺戮を止めるあらゆるイニシアチブを支持する」としつつ、武装勢力の統合、市民の自由シリア軍への参加などを呼びかけた。

諸外国の動き

国連のナバネセム・ピレイ人権高等弁務官は、シリアでのこれまでの死者数が70,000人近くに達していると述べた。

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国連の潘基文事務総長は、安保理に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による条件付きでの対話イニシアチブを支援するよう呼びかけた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、11日のイドリブ県バーブ・ハワー検問所でのバス爆破事件に関して、「躊躇せず必要な措置を講じる」と述べた。

AFP, February 12, 2013、Akhbar al-Sharq, February 12, 2013、The Guardian, February 11, 2013、al-Hayat, February 13, 2013、Kull-na Shuraka’, February 12, 2013、al-Kurdiya News, February 12, 2013、Naharnet, February 12, 2013、Reuters, February 12, 2013、SANA, February 12, 2013、UPI, February 12, 2013、al-Watan, February 12, 2013などをもとに作成。

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イドリブ県国境付近でシリア国民評議会メンバーらを乗せた車列を狙った爆弾テロが発生するなか、ハティーブ議長はカイロでアラブ連盟事務総長、ブラーヒーミー共同特別代表とそれぞれ会談(2013年2月11日)

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(2月12日付)などによると、バーブ・ハワー国境検問所で、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長らを乗せた車列が通過する数分前に、バスに仕掛けられた爆弾が爆発した。

al-Hayat, February 12, 2013
al-Hayat, February 12, 2013

『ハヤート』(2月12日付)によると、この爆発によって、7人が死亡、アフラール・プレス(2月11日付)によると、20人が死亡、数十人が負傷した。

その後、各紙はシリア人、トルコ人の死者が14人に達したと報じた。

アフラール・プレス(2月11日付)は、アブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長の話として、爆発時に、サブラー事務局長らシリア国民評議会使節団が乗った車列は、バーブ・ハワー国境通行所に面するトルコ領内(ハタイ県レイハンル市郊外)を走行中で、反体制武装勢力の合同司令部とシリア国内で会合を行う予定だったという。

アサド政権による犯行かとの問いに対して、スィーダー前事務局長は「詳細は分からないが…、調査しなければならない問題だ」と応えたという。

一方、シリア国民評議会のアフマド・ラマダーン執行委員会メンバーは『ハヤート』(2月12日付)に対して、バーブ・ハワーでの爆発が、国民評議会指導部を狙ったものだ」としたうえで、「執行委員会のメンバーは全員無事だ」と述べた。

使節団は、自由シリア軍参謀委員会と会談を予定しており、ラマダーンらが国境通行所で出迎えようとしていた、という。

またラマダーンによると、シリア国民評議会使節団は、2月11日からシリア国内を回り、アレッポ県アアザーズ市、マンビジュ市、ジャラーブルス市などで自由シリア軍、現地の医療チームなどと会談を続けてきたという。

そのうえでラマダーンは「政府が爆破の背後にいる…。2日前にも(シリア国民評議会の)指導部を狙った未遂事件があった…。我々は今シリア国内にいる」としたうえで、「政府はこのイニシアチブ(シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による条件付きでの対話イニシアチブ)を改めて挫折させようとしたことは明白だ…。政府は力と血という言葉以外理解しない」と批判した。

『ハヤート』(2月12日付)によると、使節団は、サブラー事務局長、スィーダー前事務局長、ファールーク・タイフール(シリア・ムスリム同胞団)、アブドゥルアハド・アスティーフー、サーリム・ムトラク、ジャマール・ワルド、アフマド・ラマダーン、バッシャール・ヒラーキー、ムハンマド・シャルマニーからなっていた。

他方、トルコ外務省は、爆発がジルヴェギョズ国境通行所から40メートルしか離れていないシリア領内の駐車場で発生したことを明らかにした。

また、トルコのハタイ県レイハンル市長は、NTV(2月11日付)に対して、爆破テロに使用された車がシリアのナンバー・プレートを付けていたと述べた。

その後(11日)、シリア国民評議会は声明を出し、爆発がサブラー事務局長らの現地訪問の3日目に発生し、事務局長、同行した執行委員会メンバー全員が無事だと発表した。

SANA, February 11, 2013
SANA, February 11, 2013

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同じく、イドリブ県では、SANA(2月11日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ラーミー村、ナイラブ村、ジャーヌーディーヤ町、アブー・ズフール市、マジャース市、タッル・サラムー市などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、「シャームの民のヌスラ戦線、タブカ自由人大隊、ウワイス・カルニー大隊が、タブカ市のユーフラテス・ダムの管制室に侵入し、その後軍の攻撃を恐れ、ダムの入り口に再結集した」とシリア人権監視団が発表した。

同監視団によると、ダムは稼働中で、「ダム制圧は…シリア政府にとって革命以来最大の経済的敗北だ」という。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市の総合情報部と軍事情報局に対して自爆攻撃が行われ、治安要員14人が死亡した。

また同市では、軍と反体制武装勢力が交戦した、という。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(2月12日付)によると、ジャウバル区に反体制武装勢力が再び突入し、検問所の一つを制圧、これを受け、軍が同地区に増援部隊を派遣した。

クッルナー・シュラカー(2月11日付)によると、ティシュリーン・スポーツ・シティで、シャリーフ・シハーダ人民議会議員の車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

シハーダ人民議会議員は無事だった。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月11日付)によると、ドゥーマー市郊外、ウタイバ村、ザマルカー町、アルバイン市、ダーライヤー市、ザバダーニー市などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月11日付)によると、ハマーミーヤート村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線とハマーの盾旅団の残党を殲滅し、同市の治安を回復した。

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ヒムス県では、SANA(2月11日付)によると、タッルドゥー市、アービル村、アッシュ・ウルール村、タイバ村、ラスタン市郊外、ジューバル市、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月11日付)によると、バーブ市、マンスーラ村、カフルハムラ村、タッル・ラッハール村、ザハビーヤ村、クシャイシュ市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市バーブ・ナイラブ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は、ヨルダンのアラブ弁護士連合サミーフ・フライス書記長補を団長とするヨルダンの政治家、弁護士、医師、技師からなる使節団とダマスカスで会談した。

SANA, February 11, 2013
SANA, February 11, 2013

SANA(2月11日付)によると、使節団は、陰謀に立ち向かうシリアを孤立させないため、ヨルダン国民がシリア国民のさまざまな階層と連帯する意志を伝えた。

これに対して、アサド大統領は謝意を示し、「シリアが鼓動するアラブの心臓であり続け、いかなる圧力を受けようとも、またシリア、さらにはアラブ人への陰謀がいかなるものであろうと、この原則と基礎を譲歩することはない」と明言した。

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アサド大統領は、10日に就任したギリシャ正教アンタキア総主教区のヨハネ10世ヤーズジー総司教とダマスカスで会談した。

SANA(2月11日付)によると、アサド大統領は会談で、総司教就任への祝辞を述べるとともに、ギリシャ正教会が、シリアの現下の危機において国民統合強化に果たしている役割を賞賛した。

これに対し、ヨハネ10世ヤーズジー総司教は、シリアが危機を脱却し、国民統合が強化されることを強く信じていると応えた。

SANA, February 11, 2013
SANA, February 11, 2013

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ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長と、ウムラーン・ズウビー情報大臣は、エジプト・ナセル党のアフマド・ハサン書記長が率いるエジプト政治家の使節団とダマスカスでそれぞれ会談した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、PLO執行委員会使節団とダマスカスで会談した。

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アレッポ県では、SANA(2月11日付)によると、アレッポ市シャイフ・ナッジャール地区で、武装テロ集団退去を求めるデモを市民が行った。

反体制勢力の動き

AFP(2月11日付)は、複数の目撃者の話として、イドリブ県の対トルコ国境地域で、シャームの民のヌスラ戦線と地元住民との衝突が最近少なくとも4件発生し、外国人サラフィー主義戦闘員への市民の不満がこれまで以上に増している、と報じた。

衝突が起きたのはイドリブ県カーフ村、アティマ村、ダーナー市など。

住民らによると、カーフ村での衝突は、交通事故を起こし、宗教を冒涜するような罵倒を吐いた住民をヌスラ戦線戦闘員がアレッポ県ダール・イッザ市の「イスラーム法廷」に連行しようとして発生した、という。

2人の男を車で連行しようとしたヌスラ戦線の車に、武装集団が発砲し、タイヤをパンクさせ、ヌスラ戦線の司令官の一人を身柄拘束した、という。

この司令官は事件の2日後に釈放された。

またアティマ村では、ヌスラ戦線メンバーのヨルダン人シャイフが、モスクでの金曜礼拝時に説教を行おうとしたが、住民が阻止し、両者が衝突したのだという。

ダーナー市でも、ヌスラ戦線メンバーのクウェート人シャイフが、モスクで説教を行おうとし、住民と衝突した事件が発生したという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はカイロでアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とそれぞれ会談した。

会談後、アフマド議長は記者団に対して「国民の苦しみを解消するためすべての方法を試みる」と述べ、10日を猶予期間と設定した対話イニシアチブ継続する意思を示した。

アフマド議長は、対話イニシアチブに関して、シリア政府が「今のところ明確な回答をしていない」と批判する一方、政府との対話をめぐって反体制勢力内の対立が激化していることに関して「革命期の民主主義の一種だと考えている」と述べた。

アフマド・ベン・ヒッリー事務次長は会談後に声明を出し、アフマド議長が、自身の対話イニシアチブへの連盟の支援を要請したことを明らかにしたうえで、「シリア政府内ではなく、政府と反体制勢力の対話が行うかという点に関して、シリア政府側からの明確な反応が求められている」と付言した。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相が、カイロでアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と会談し、シリア情勢について協議した。

会談に関して、ヒジャーブ前首相は、アラビー事務総長がシリア革命反体制勢力国民連立にアラブ連盟の代表権を与えることを約束した、と述べた。

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ラアス・アイン市で民主統一党と自由シリア軍(ハサカ県革命軍事評議会)の停戦調停を行う「和解平和使節団」団長のミシェル・キールー(シリア民主フォーラム代表)はクルディーヤ・ニュース(2月11日付)に対して、両当事者が意見の相違を克服しようとしている、と述べ、停戦に向けた協議が依然続いていることを明らかにした。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、アレッポ市アシュラフィーヤ地区での軍と民主統一党人民防衛隊の戦闘に関して、「住民が…ありとあらゆる重火器の砲撃に曝されている」と政権を非難し、「同地区の人民防衛隊は住民とともに自衛を行っている」と民主統一党への支持を表明した。

諸外国の動き

カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は訪問先のクウェートで、シリアのアサド政権はアラブ世界に悪いイメージを与えている、と述べた。

カタールはシリアへの外国人テロリストの潜入を支援している。

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『ワタン』(2月11日付)は、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣が「シリア政府が倒れると賭け、そう考える者がもしいるなら、その考えは誤りだ」と述べた、と報じた。

サーレヒー外務大臣はしかし「同時に反体制勢力は現存する事実であり、それを無視することはできない」と付言、「穏健で知的な声が高まりつつある」として、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による条件付きでの対話イニシアチブを暗に評価した。

AFP, February 11, 2013、Ahrarpress.com, February 11, 2013、Akhbar al-Sharq, February 11, 2013、al-Hayat, February 12, 2013、Kull-na Shuraka’, February 11, 2013, February 12, 2013、al-Kurdiya
News, February 11, 2013、Naharnet, February 11, 2013、Reuters, February 11,
2013、SANA, February 11, 2013、al-Watan, February 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長はアサド政権への対話呼びかけの猶予期間が当日中に切れたことに関し遺憾の意を表明(2013年2月10日)

国内の動き(シリア政府の動き)

ダマスカス県カッサーア地区にある聖十字架教会で、ギリシャ正教アンタキア総主教区のヨハネ10世ヤーズジーの総司教就任式が行われ、レバノン・マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教、同じくギリシャ・カトリック教会アンタキア総大司教のグレゴリウス3世ラッハーム、シリアのキリスト教諸派の司教・司祭ら、マンスール・アッザーム大統領担当国務大臣、ムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣らが参列した。

SANA, February 10, 2013
SANA, February 10, 2013

総司教ヨハネ10世は、参列者を前に「国内での対話を通じた危機の政治的解決」を呼びかけた。

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ヒムス国民和解人民委員会が「シリアのための寛容」と題した会合をヒムス市内で開催した。

会合には、アフマド・ムニール・ムハンマド県知事、与野党、反体制組織の代表者らが出席した。

SANA(2月10日付)が報じた。

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イランで2012年11月に開催されたシリア国民対話会合に参加した与野党、反体制組織の代表がダマスカス県のダーマー・ルーズ・ホテルでフォローアップ会合を開き、包括的国民対話開催のための政治的、社会的環境作りを急ぐことで合意した。

SANA(2月10日付)が報じた。

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『ワシントン・ポスト』(2月10日付)は、米国および中東諸国の高官(匿名)の話として、ヒズブッラーとイランがシリアにおける権益を維持するため、民兵のネットワークを構築しつつある、と報じた。

http://articles.washingtonpost.com/2013-02-10/world/37026054_1_syrian-government-forces-iran-and-hezbollah-president-bashar

国内の暴力

ラッカ県では、シャームの民のヌスラ戦線、ウワイス・カルニー大隊、タブカ自由人大隊が、タブカ市の機甲連隊を制圧し、重火器や装備を奪った、とシリア人権監視団が発表した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市北部に展開する第113旅団が反体制武装勢力の砲撃を受けたとシリア人権監視団と発表した。

またダイル・ザウル市内のマタール・カディーム地区、ハウィーカ地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(2月10日付)によると、ダイル・ザウル市内各所で、軍が反体制武装勢力を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線、フザイファ・ブン・ヤマーン大隊メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ドゥワイリーナ市で、シャームの民のヌスラ戦線の軍拠点への爆破テロによって、兵士4人が死亡、20人が負傷した。

またサフィーラ市、マンナグ航空基地周辺などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装勢力と交戦した。

これに対し、SANA(2月10日付)は、ドゥワイリーナ市で軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したと報じた。

またマンスーラ村、タッル・アラン市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の外国人戦闘員を殲滅したという。

さらにアレッポ市でも、バーブ・ハディード地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カーディー・アスカル地区、バニー・ザイド地区などで、軍が反体制武装勢力を攻撃し、複数の外国人戦闘員を殲滅したと報じた。

一方、民主統一党人民防衛隊は、アレッポ市アシュラフィーヤ地区での軍との戦闘で死亡した人民防衛隊兵士7人の遺体を回収した、と発表した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ルクンッディーン区で爆発があり、市民3人が死亡した。

またアサーリー地区、カダム区に対して砲撃があった。

一方、SANA(2月10日付)によると、アルヌース広場に駐車中の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、市民2人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ダーライヤー市、ナブク市、ハジャル・アスワド市などに軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(2月10日付)によると、アルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、アドラー市、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装勢力を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月10日付)によると、ラーミー村、シャグル市、ヤアクービーヤ村、ジャーヌーディーヤ町、ジスル・シュグール市近郊、ナイラブ軍事基地周辺、マアッラト・ニウマーン市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、カフルルーマー村、ヒーシュ村、ダイル市などで、軍が反体制武装勢力と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月10日付)によると、ハマーミーヤート村で、軍が反体制武装勢力を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の外国人戦闘員を殲滅した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はフェイスブック(2月10日付)に声明を出し、「シリア政府が条件付き対話イニシアチブに応じなかったことはきわめて否定的なメッセージだ」として、対話呼びかけの猶予期間が切れたとの立場を示した。

そのうえで「連立の政治委員会にこの問題を付託することを要請するだろう」と付言した。

なおこの声明で、ハティーブ議長はシリア北部の「解放区」での対話実施を改めて呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフは、『ハヤート』(2月11日付)に対して、アフマド・マアーッズ・ハティーブ議長によるアサド政権との条件付きでの対話の意思表明に関して、「死産だった」と述べた。

この意思表明は、2月10日に猶予期間切れとなっていた。

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クルド最高委員会のアフマド・スライマーン書記官が、シリア・クルド進歩民主党のHPを通じて声明を出し、ハサカ県ラアス・アイン市で民主統一党と自由シリア軍が停戦合意を行ったとの一部声明を否定した。

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『アフラーム』(2月10日付)は、ヨルダンで亡命生活を送るリヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相がエジプトに到着したと報じた。

諸外国の動き

ヨルダンのザアダリー避難民キャンプで、人道支援物資倉庫を襲おうとしたシリア人避難民200人以上を、ヨルダン治安当局が催涙ガスなどを使用して強制排除した。

AFP(2月10日付)が報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長とカイロで会談した。

AFP, February 10, 2013、al-Ahrām, February 10, 2013、Akhbar al-Sharq, February 10, 2013、al-Hayat, February 11, 2013、Kull-na Shuraka’, February 10, 2013、al-Kurdiya News, February 10, 2013、Naharnet, February 10, 2013、Reuters, February 10, 2013、SANA, February 10, 2013、The Washington Post, February 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主統一党と自由シリア軍の間で合意が生じたと報じられるなか、レバノンのマロン派総大司教が1943年の委任統治時代以来初めてダマスカスを訪問(2013年2月9日)

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は政令2013年第15号を発し、社会問題労働省を社会問題省と労働省に分割した。

SANA, February 9, 2013
SANA, February 9, 2013

またアサド大統領は政令2013年第61号を発し、ワーイル・ハルキー内閣の改造を行った。

同政令で新たに任命された閣僚は以下の通り:

フサイン・ファルザード住宅都市開発大臣(アラブ社会主義者運動)
フサイン・アルヌース公共事業大臣(バアス党)
ハサン・ヒジャーズィー労働大臣
アフマド・カーディリー農業・農業改革大臣
スライマーン・アッバース石油鉱物資源大臣
イスマーイール・イスマーイール財務大臣
キンダ・シャンマート社会問題大臣

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ワーイル・ハルキー首相は、危機解決政治プログラム実施閣僚委員会会合で、ウマル・ウースー人民議会議員(シリア・クルド人国民イニシアチブ)と会談し、クルド人がシリアの国民生活の基本的な構成要素をなしていることを強調した。

また「政府が、対話を基礎とする政治プロセスへの参加を望むすべての政治社会勢力、反体制勢力に対して門戸を開いており、外国の干渉を拒否する」と改めて述べた。

SANA(2月9日付)が報じた。

SANA, February 9, 2013
SANA, February 9, 2013

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ドゥーマー市、スバイナ町、ダーライヤー市などに軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(2月9日付)によると、ダーライヤー市、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ザマルカー町、アルバイン市、アイン・タルマー村、スバイナ町、フジャイラ村、ナブク市、ヤブルード市などで軍が反体制武装勢力の追撃を続け、イスラーム大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市で、反体制武装勢力が爆弾を爆発させ、複数の市民が死傷した(シリア人権監視団によると、市民2人が死亡、13人が負傷)。

さらにムウダミーヤト・シャーム市では、反体制武装勢力の砲撃で民間人16人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員3人を殺害した。

またルクンッディーン区では、激しい爆発音が聞こえたという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カフルナーヤー市で、軍が反体制武装勢力と交戦市、戦闘員4人を殺害した。

またヒムス市ジャウバル区、スルターニーヤ地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(2月9日付)によると、カフルナーヤー市、アービル村、ラスタン市、カルアト・ヒスン市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、反体制武装勢力がマンナグ航空基地に突入、これを受け軍が飛行場を空爆したとシリア人権監視団が発表した。

また同監視団によると、アレッポ市のアシュラフィーヤ地区で、シリア軍およびアサド政権支持者が民主統一党人民防衛隊と交戦し、兵士3人、民兵5人が死亡した。

一方、SANA(2月9日付)によると、アレッポ市ハイダリーヤ地区、フルヤーニーヤ地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサフィーラ市、マンナグ村、アイン・ダクナ村、マーイル町などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバー(外国人)を含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月9日付)によると、ウンム・ジャリーン村、ハミーディーヤ村、アブー・ズフール市などで、軍が反体制武装勢力の拠点を破壊し、複数の戦闘員を殲滅した。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月8日付)は、民主統一党に近い消息筋の話として、ミシェル・キールー(シリア民主フォーラム代表)率いる「和解平和使節団」のラアス・アイン市訪問により、民主統一党と自由シリア軍が捕虜交換、検問所の共同管理などで合意に達したと報じた。

同報道によると、両者間の主な合意内容は以下の通り:

1. 「革命旗」(委任統治領シリアの旗)と民主統一党の旗をともに掲揚する。
2. ラアス・アイン市外に検問所を設置し、民主統一党と自由シリア軍が共同管理する。
3. シャーム外国人部隊と、ラアス・アイン市で設置予定の地元評議会が、対トルコ国境の通行所を管理する。
4. ハサカ県での自由シリア軍の軍事行動は、民主統一党の人民防衛隊への慈善通達と合意を必要とする。
5. 双方による捕虜釈放。
6. 双方の武装勢力のラアス・アイン市からの撤退。
7. クルド最高委員会、地元評議会、そして自由シリア軍が設置予定の警察がラアス・アイン市の自治執行機関を設置する。

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アナトリア通信(2月9日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のヒシャーム・ムルーワ法務委員会メンバーが、2月20日に予定されている連立の会合で、アサド政権の高官らを含むかたちでの移行期政府発足に向けたイニシアチブを提示すると述べた、と報じた。

しかしムルーワは、その直後に声明を出し、アサド家が高官を含んだかたちでの移行期政府発足の意思は連立にはないと否定した。

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在外の反体制組織、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ハマー県ブラーク地方での2月8日の爆破テロに関して、「体制の手による可能性を排除し得ない」と非難し、政府による自作自演を疑った。

しかし、国内の反体制活動家らは、シャームの民のヌスラ戦線のテロだと断じている。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相が率いるシリア公務員国民自由連合が事務局会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長によるアサド政権との条件付き対話イニシアチブについて審議し、「政治的対話を含むあらゆる合法的手段を通じて、暴力停止をめざす」ことを確認した。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長らが、トルコから不法入国し、アレッポ県のアアザール市など反体制武装勢力制圧地区(解放区)を視察し、その映像がフェイスブックで公開された。

視察には、灰色の嵐旅団の戦闘員が同行した。

http://www.youtube.com/watch?v=dV_TeGX5nf8&feature=player_embedded

レバノンの動き

レバノンのマロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教がダマスカスを訪問した。

レバノンのマロン派総大司教がシリアを訪問するのは1943年の委任統治時代以来となる。

『ハヤート』(2月10日付)によると、マスナア・ヤーブース国境通行所からシリアに入国したラーイー総大司教は、アサド大統領の公用車に乗って、ダマスカス県に入り、バーブ・トゥーマー地区の聖アントニウス教会で聖マロン聖誕祭のミサを行った。

礼拝後、ラーイー総大司教は説教で「アッラーがシリア国内、中東地域、そして世界の高官の心に訴え、シリアでの暴力と戦争の継続を停止させ、相互理解と対話を通じて対立点を解消し、和平が訪れるよう、我々は礼拝する」と述べた。

また「ダマスカスから、我々は、この悲劇に関わるすべての人々に、戦い、暴力、殺戮はもう充分だと言いたい…。彼らは国家、祖国のための改革のためだという。しかし改革は外国から押しつけられてはならず、内側から生じなければならない…。(改革は)対話と協力を通じて実現する」と付言した。

AFP, February 9, 2013、Akhbar al-Sharq, February 9, 2013、al-Hayat, February 10, 2013, February 11, 2013、Kull-na Shuraka’, February 9, 2013,
February 10, 2013、al-Kurdiya News, February 9, 2013、Naharnet, February
9, 2013、Reuters, February 9, 2013、SANA, February 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でヌスラ戦線やイスラーム主義者戦闘員が市民国家建設を求めるデモ参加者らを襲撃、シリア・クルド民主党書記長はシリア北西部におけるクルド政府の発足が「時期尚早である」と述べる(2013年2月8日)

国内の動き(アサド政権の動き)

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリア・アラブ・テレビ(2月8日付)に出演し、そのなかで、周辺諸国は反体制武装勢力への武器支援を停止し、危機解決政治プログラムを成功させるために支援すべきだ、と述べた。

ズウビー情報大臣はまた、「我々のもとに来て、議論、対話したいすべてのシリア人に門戸は開かれている…。対話について言及した際、我々は誰も排除しない無条件の対話となると話した。議論ではいかなるテーマも排除されず、前提条件もない」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長がアサド政権との条件付き対話に応じる姿勢を示したことを牽制した。

国内の暴力

シリア人権監視団は声明を出し、イドリブ県サルキーヤ市で市民国家建設を求めるデモ参加者を、シャームの民のヌスラ戦線やイスラーム主義者戦闘員が襲撃した、と発表した。

ユーチューブ(2月8日付、http://www.youtube.com/watch?v=R_1xdQX33pM)にアップされた映像によると、デモでは当初、イスラーム教、シリア革命の旗の双方が掲げられていたが、イスラーム教の黒い旗を掲げた一団が「我々が永遠の指導者、サイイドナー・ムハンマド」、「それは、それは、それはイスラームのカリフ制」とシュプレヒコールを繰り返すと、別の集団が「一つ、一つ、一つ、シリア国民は一つ」、「統一、自由、市民国家」と対抗し、衝突が発生した。

http://www.youtube.com/watch?v=R_1xdQX33pM

なおハーフィズ・アサド前大統領は「我らが永遠の指導者」と呼ばれ、バアス党の基本原則は「統一、自由、社会主義」である。

またシリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村などに対して、軍が空爆を加えた。

一方、SANA(2月9日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍が反体制武装勢力を攻撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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『ハヤート』(2月9日付け)は、6日にダマスカス郊外県の軍の防衛ラインを突破し、ダマスカス県ジャウバル区などに侵入した反体制武装勢力に対して軍が空爆・砲撃を加えたと報じた。

同紙によると、軍と反体制武装勢力はダマスカス県を囲む環状線南東部で激しく行われた模様で、反体制武装勢力はダマスカス県を包囲するかたちで防衛ライン内の軍拠点や検問所の制圧を進めようとしている、という。

また活動家の一人によると、反体制武装勢力はダマスカス県内のアッバースィーイーン広場周辺にまで到達したという。(未確認情報)。

一方、アブー・フィダーを名乗る活動家はAP(2月8日付)にスカイプで、反体制武装勢力がダマスカス県とシリア北部を結ぶ高速道路の検問所の一つを制圧した、と述べた。

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県ザマルカー町、ダーライヤー市、ダマスカス県ジャウバル区、カーブーン区を軍が砲撃・空爆を加えた。

これに対し、SANA(2月9日付)は、ダマスカス郊外県のアルバイン市、ザマルカー町、タッル・クルディー町、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、フジャイラ村、スバイナ町、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反対武装勢力を攻撃し、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したと報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市郊外のブラーク地方の軍需工場で爆発があり、女性11人を含む工場労働者54人が死亡した。

『ハヤート』(2月9日付)は、シリア人活動家の多くが、過激なイスラーム主義者の犯行だと主張し、民間人を標的としたテロへの関与を否定している、と報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市などが軍の砲撃を受けた。

同市では、シャームの民のヌスラ戦線が市内の軍需施設を包囲、制圧を試みている、という。

一方、SANA(2月9日付)によると、アレッポ市のハイダリーヤ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、インザーラート地区、スッカリー地区、シャッアール地区、サーリヒーン地区、ハルワーニーヤ地区、旧市街などで、軍が反対武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアターリブ市、クワイリス市、サフィール市などでも、軍が反対武装勢力を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月9日付)によると、カフル・アーヤー村、ヒムス市ジャウバル区、スルターニーヤ地区、ラスタン市郊外、ハウラ地方タッルドゥー市などで、軍が反対武装勢力を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月9日付)によると、スーラース遺跡に侵入しようとした反体制武装勢力を軍が殲滅した。

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はクウェート日刊紙『ラアユ』(2月8日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長がアサド政権との条件付きでの交渉に応じたことを「在外の反体制勢力からの初めての重要な立場の提示」と高く評価した。

しかし「ハティーブは、ロシア、中国に接近し出した米国の姿勢の真の変化を認識した…。ハティーブの姿勢は米国の外交政策の変化と結びついている」と述べ、在外の反体制勢力が欧米諸国に追随していることを暗に批判した。

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SANA(2月8日付)が伝えたところによると、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はイスラエルの『イェディオト・アハロノト』のインタビューに応じ、「化学兵器問題においてイスラエルが心配することはない。我々は…現体制の武器のすべてを掌握するだろうが、ヒズブッラーなどにそれを渡すことはない」と述べた。

またハティーブ議長は、この問題をめぐって欧米諸国の諜報機関から情報を得ていることを認めた。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(2月8日付)によると、シリア・クルド民主党(アル・パールティ)のアブドゥルハキーム・バッシャール書記長は、シリア北西部のクルド人が居住する地域でのクルド政府の発足に関して「時期尚早」だと否定したうえで、現下の最優先課題がシリアのほかの反体制勢力との協力関係のしくみを構築することになると述べた。

諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領はブリュッセルで、「危機解決正常化のための政治対話が行われる可能性がある限り、EUはシリアの反体制勢力への武器禁輸を解除しない」と述べた。

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ジョン・ケリー米国務長官は、「我々は(シリア)情勢の評価を現在行っている。可能なステップ、とりわけ外交的ステップを考えている…きわめて複雑で危険な事態」としたうえで、「シリアの紛争を終わらせる意思」があると述べた。

また2012年夏にシリアの反体制勢力への軍事支援が提言されていたことに関して、「就任前の決定に関しては知らなかった」としたうえで、紛争解決に向けて「前進する計画がある」と述べた。

AFP(2月8日付)が報じた。

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トルコのムハンマド・シムシェク財務大臣はツイッター(2月8日付)、シリア人避難民(約17万7000人)への対処するため、過去2年間でこれまでトルコ政府が6億1050万トルコ・リラ(3億4400万ドル)を支出したと綴った。

ロイター通信(2月8日付)が報じた。

トルコは、シリアの反体制武装勢力に武器、兵站、拠点を提供し、国内の暴力を助長、こうした武装勢力と軍の戦闘によって、避難民が発生している。

AFP, February 8, 2013、Akhbar al-Sharq, February 8, 2013、AP, February 8, 2013、al-Hayat, February 9, 2013、Kull-na Shuraka’, February 8, 2013、al-Kurdiya News,
February 8, 2013、Naharnet, February 8, 2013、al-Ra’y, February 8, 2012、Reuters, February 8, 2013、SANA, February 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県では前日に引き続き軍が攻勢をかける反体制武装勢力と交戦、キール―氏「ラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍の交戦はきわめて危険」(2013年2月7日)

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(2月8日付)、AFP(2月7日付)によると、前日に引き続き、ジャウバル区、南部環状地区(ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市)で、軍が県内に攻勢をかける反体制武装勢力と交戦した。

ロイター通信(2月7日付)は、イスラーム旅団のイスラーム・アッルーシュを名乗る戦闘員の話として、ジャウバル区でもっとも戦闘が激しく行われたと報じた。

アッルーシュによると、反体制武装勢力の攻撃は、ムライハ市やアドラー市の基地・拠点が制圧されていない現下において、ダマスカス県の制圧ではなく、同県の防衛ラインに配置されている狙撃地点などの制圧が目的だという。

別の活動家によると、この攻撃は、スンナ派の離反士官によって指揮され、迫撃砲、対空砲、装甲車などが投入されている、という。

これに対し、『ワタン』(2月7日付)は、5日晩に「ダマスカスへの攻撃が行われるとの情報が流れたのを受け…、軍が先制攻撃を行い、テロリストを殺傷、アジトを破壊した」と報じた。

一方、SANA(2月7日付)によると、カーブーン区の遠距離バス発着所(カラージュ・ボールマーン)に反体制武装勢力が迫撃砲2発を発射し、女性、子供を含む市民6人が殺害された。

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ダマスカス郊外県では、AFP(2月7日付)によると、ザマルカー町で軍と反体制武装勢力が交戦した。

またSANA(2月7日付)によると、アルバイン市、ザマルカー町、アドラー市、タッル・クルディー町、ドゥーマー郊外、ハラスター市、ダーライヤー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、スバイナ町、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装勢力を攻撃・追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、軍が16日間におよぶ戦闘の末、反体制武装勢力からカルナーズ町を奪還した。

またSANA(2月7日付)によると、カルナーズ町、ハウワーシュ村などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、SANA(2月7日付)によると、マーイル地方、マンナグ村、タッルアラン市、ワディーヒー村、マンスーラ村、サフィーラ市、ハーン・トゥーマーン村などで軍が反体制武装勢力を攻撃・追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、カーディー・アスカル地区などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、ジュンド・シャーム大隊、北部解放旅団、シャームの民のヌスラ戦線、タウヒード旅団のメンバーなど複数の戦闘員、外国人を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月7日付)によると、ヒムス市ジャウバル区、スルターニーヤ地区、カフル・アーヤー村、アーミリーヤ市、ラスタン市などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月7日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、マアリー市、シャグル市、ジャーヌーディーヤ町などで軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(2月7日付)によると、サルマー町で軍が反体制武装勢力の武装車輌などを破壊した。

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ハサカ県では、SANA(2月7日付)によると、カーミシュリー市郊外の幹線道路で、軍が反体制武装勢力を逮捕、武器・弾薬を押収した。

反体制勢力の動き

ミシェル・キールーは『シャルク・アウサト』(2月7日付)に対して、ラアス・アイン市での民主統一党と自由シリア軍の交戦を「きわめて危険でシリア全土に影響をもたらしかねない」と警鐘を鳴らす一方、自身の「市民平和革命保護国民委員会」による停戦努力がシリア革命反体制勢力国民連立の活動の一環ではないことを明らかにした。

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シリア革命反体制勢力国民連立のリヤード・サイフ副議長が声明を出し、アフマド・マアーッズ・ハティーブ議長がアサド政権との条件付きでの対話に応じる意思を示したことに関して、原則支持の姿勢を表明しつつ、アサド家の排除を通じて対話を積極的に進めるべきだと主張した。

同声明でサイフ副議長は、政治的解決がアサド大統領、およびアサド家が支配を続ける限りは不可能としたうえで、シリア社会のすべての勢力にアサド家排除が必要だとのメッセージを発信することで、条件付き対話を積極的に推進すべきだと述べた。

また、ロシア、イランにアサド政権支持を断念するよう求めた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム報道官は、AKI(2月7日付)に対して、委員会が入閣をめぐってアサド政権と密約を交わしたとの一部報道を否定し、「民主的体制のもとで主導される移行期政府以外は参加しない」と述べた。

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ザマーン・ワスル(2月7日付)は、ヒムス市の活動家の話として、自由シリア軍が6日にアフマド・ムニール・ムハンマド県知事襲撃を試みたと報じた。

活動家らは、この襲撃の目的が暗殺ではなく、「ヒムスの人口構成を変えようとする体制への協力という犯罪行為」を止めさせることだったとして、暗殺が失敗したことを自己正当化した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(2月7日付)は、民主統一党人民防衛隊が、ハサカ県のイラク国境に近いカフフ村(バーニー・シャクヴァティー村)を包囲したと報じた。

村で人民防衛隊の兵士が発砲を受けたのが理由だという。

諸外国の動き

イスラーム諸国会議機構(OIC)首脳会談が閉幕声明を発表し、閉会した。

閉幕声明では、エジプト、イラン、サウジアラビア、トルコによるシリア問題四カ国連絡グループがシリアの危機解決のため具体的な努力を行うことを確認した。

また国連安保理がシリアの危機をめぐって有効策を打ち出せないことに懸念を表明しつつ、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の活動への支持を改めて表明した。

さらに反体制武装勢力の統合を呼びかけた。

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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は滞在先のカイロで記者会見を開き、エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領、トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領との三者会談で、シリアの危機解決に向けて参加国の姿勢が徐々に接近しつつあると述べた。

アフマディーネジャード大統領は「自由と選択の自由はすべての国民の権利で、侵害されてはならない基本的権利だ…。すべての政府は国民にこの権利を保障することを付託されている」としたうえで、「自由は、戦争によってではなく、政府と国民の相互理解によってもたらされる」と強調した。

そのうえで「政府と反体制勢力の立場を愛国的相互理解を通じて近づけたい…。幸運なのは、エジプト、イラン、トルコの見方が少しずつ近寄っていることだ」と述べた。

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エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領はトルコのアブドゥッラ・ギュル大統領と改めて会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、ムルスィー大統領は「我々は四カ国のイニシアチブの枠組みのなかで新たなアイデアを提示し、シリアをめぐる問題のそのほかの当事者にともにこのイニシアチブをどう完成させるかを協議した」と語った。

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レオン・パネッタ米国防長官とマーティン・デンプスィー米統合参謀本部議長は上院軍事委員会で、国防総省がシリアの反体制勢力への武器供与を支援していたことを認めた。

シリアの反体制勢力への武器供与案は、2012年夏にヒラリー・クリントン国務長官、デヴィッド・ペトレイアスCIA長官によって示されたが、バラク・オバマ大統領は、紛争激化を懸念して、この提案を却下した。

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イスラエルのテレビ局チャンネル2は、米国のデジタル・グローブ社が撮影した衛星画像にダマスカス郊外県ジャムラーヤーの軍科学研究センターが破壊されていない状態で写っていたと報じた。

この画像はイスラエル軍の越境空爆後に撮影されたという。

AFP, February 7, 2013、Akhbar al-Sharq, February 7, 2013、AKI, February 7, 2013、al-Hayat, February 8, 2013、Kull-na Shuraka’, February 7, 2013、al-Kurdiya News,
February 7, 2013、Naharnet, February 7, 2013、Reuters, February 7, 2013、SANA,
February 7, 2013、al-Sharq al-Awsat, February 7, 2013、al-Watan, February 7, 2013、Zaman al-Wasl, February 7, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民評議会は自由シリア軍がダマスカス県とイドリブ県などで重要な勝利を収めたと突如発表、自由シリア軍参加のハサカ県革命軍事評議会は声明を出し人民防衛隊との停戦継続の条件を提示(2013年2月6日)

国内の動き(シリア政府の動き)

SANA(2月6日付)は、アレッポ県アレッポ市で、「国民対話会合:憲章、救済プロジェクト」と題して、県内の宗教界、経済界、有識者、若者らによる会合が開催されたと報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は突如声明を出し、自由シリア軍がダマスカス県とイドリブ県マアッラ・ヌウマーン市の複数の戦略拠点などを攻撃し、重要な勝利を収めた、と発表し、「重要な勝利」の詳細を明らかにしないまま、シリア革命反体制勢力国民連立を含むすべての反体制勢力に自由シリア軍への支援を煽動した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長はBBC(2月6日付)に対して、アサド政権との条件付きでの対話の呼びかけが「審判の日まで続くわけではない。来週日曜日(2月10日)までの女性の釈放。シリアで(日曜日に)女性が一人でもいることが分かれば、このイニシアチブは政権に拒否されたものとみなされる」と述べた。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長がアサド政権との条件付きでの対話に応じる意思を示したことに関して「連立発足以来もっとも重要な政治的出来事」としたうえで、この意思表明によってアサド政権の危機解決政治プログラムは「致命傷を負った」と述べた。UPI(2月6日付)が報じた。

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RT(2月6日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立がニューヨークに国連代表部とワシントンに駐米代表部を開設する準備を進めていると報じた。

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ハサカ県革命軍事評議会は声明を出し、ラアス・アイン市での民主統一党人民防衛隊との停戦継続の条件として、クルド民族旗の掲揚禁止と、シリア革命反体制勢力国民連立に同市を明け渡すよう求めた。

自由シリア軍に属すると主張する同評議会の声明にいて受諾が要求されている項目は以下の通り:

1. シリア革命反体制勢力国民連立はシリアの政治、行政を運営する唯一の勢力である。
2. 民主統一党の民兵のラアス・アイン市からの撤退と、自由シリア軍の駐留。
3. ラアス・アイン市のすべての勢力からなる自治評議会の発足。
4. 自由シリア軍によるラアス・アイン市および同市周辺の住民への攻撃停止。
5. 自由シリア軍によるハサカ県の旅行者・商品の往来の保障。
6. 民主統一党の検問所撤廃。
7. 自由シリア軍が管理するラアス・アイン市の国境通行所の公認。
8. ハサカ県でのクルド民族旗の掲揚禁止。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド国民評議会のユースフ・ファイサル議長はクルド語のサイトを通じて声明を出し、そのなか「我々は、(シリア革命反体制勢力国民連立の)ハティーブ議長はイニシアチブに関心はない。なぜなら彼は我々に相談しなかったし、我々はそのことを承認しないからだ。いずれ必要な時に我々の態度を明示する」と批判した。

そのうえで「シリア・クルド国民評議会は、多元的民主国家建設をもたらし、シリアにおけるクルド人民の完全な権利を保障する政治的解決を支持する」と付言した。

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(2月8日付)によると、反体制武装勢力が県内各所を制圧するための攻撃を開始したのを受け、共和国護衛隊がジャウバル区、南部環状地区に対して砲撃を加えた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月6日付)によると、アルバイン市、ザマルカー町、ハラスター市、スバイナ町、タッル・クルディー町、ドゥーマー市郊外、フジャイラ村、ザバダーニー市、ヒッラーン・アワーミード村、カフリーン町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月6日付)によると、サフィーラ市、アターリブ市、アナダーン市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バニー・ザイド地区、カルム・マイサル地区、スッカリー地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月6日付)によると、ジャズラ市の浄水場を襲撃した反体制武装勢力を、軍が撃退した。

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ヒムス県では、SANA(2月6日付)によると、タドムル市で、反体制武装勢力が自爆テロを行い、女性1人を含む市民多数が死亡、数十人が負傷した。

シリア人権監視団によると、この自爆テロは総合情報部の支部に対して行われ、19人が死亡した、という。

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ハマー県では、SANA(2月6日付)によると、ブラーク村にある工場(防衛工場機構)近くで、反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾が爆発し、多数が死傷した。

諸外国の動き

エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領は、イスラーム諸国会議機構(OIC)首脳会談の開会の辞で、シリア革命反体制勢力国民連立以外の反体制勢力に連立との協調を呼びかけるととともに、アサド政権には「私益を国益に優先させる者は去り、国民が残ると歴史が語っている」と述べた。

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サウジアラビアのサルマーン副首相兼国防大臣はカイロで開催されたイスラーム諸国会議機構(OIC)首脳会談で、アブドゥッラー国王に代わって演説し、「アラブ・イスラエル紛争とシリア危機悪化はイスラーム世界が直面する最大の危機」と位置づけ、これらの問題にサウジアラビアが「歴史的、宗教的」な立場に基づいて対処していると述べた。

シリア情勢に関しては、シリアの人道状況の悪化がアサド政権による殺戮、拷問によるものだと一方的に非難し、「シリア国民の犯罪や暴力を抑止するための必要な決議を採択し、すべての可能な手段で体制転換を完了させるべきだ」と国連などに求めた。

しかし、サルマーン副首相兼国防大臣は、サウジアラビアが陰に陽に支援するシャームの民のヌスラ戦線などのテロの是非については触れなかったにもかかわらず、「テロは人間社会の安全と平和に対する危険な現象」だと指摘、「テロとの戦いにあらゆる手段をもって取り組んでいる」と矛盾した発言をした。

なおアブドゥッラー国王は首脳会談開催直前に「個人的な事情」(『ハヤート』2月7日付)で帰国した。

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エジプトのムハンマド・ムルスィー大統領、イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領、トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領がカイロで会談し、シリア情勢について協議した。

エジプトのヤースィル・アリー大統領報道官によると、会談では、シリアにおける殺戮やインフラ破壊を停止させる仕組みについて意見が交換された。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣はイスラーム諸国会議機構(OIC)首脳会談出席のため訪問したカイロで記者団に対して、「みなが…シリアでの危機解決の最初のステップを踏み出そうとしている…。我々、反体制勢力、ムアーッズ・アフマド・ハティーブ同志、そして関係諸国がだ」と述べた。

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北京訪問中のファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、中国の楊潔チ外交部長と会談した。

会談で楊外交部長は、シリアでの早急な危機解決と安定回復を希望すると述べる一方、中国が、客観的かつ公正な立場で政治的解決に向けた努力を続けるとの意思を示した。

SANA(2月6日付)が報じた。

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アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は東京を訪問し、岸田文雄外務大臣らと会談した。

AFP(2月7日付)によると、グレーテル高等弁務官は、シリア情勢に関して「我々が現在対処すべき最悪の災害」と述べ、人道支援を呼びかけたという。

日本政府は民主党政権以来、欧米諸国とともに、アサド政権に退陣を求める一方、在外活動家からなるシリア革命反体制勢力国民連立を支援する立場をとることで、シャームの民のヌスラ戦線などサラフィー主義者のテロを事実上後押してきた。

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クルディーヤ・ニュース(2月6日付)は、イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領の指示のもと、イラクからシリアのクルド人地域に小麦1,000トンが人道支援として提供された、と報じた。

AFP, February 6, 2013、Akhbar al-Sharq, February6 , 2013、BBC, February 6, 2013、al-Hayat, February 7, 2013, February 8, 2013、Kull-na Shuraka’, February 6, 2013、al-Kurdiya
News, February 6, 2013、Naharnet, February 6, 2013、Reuters, February 6,
2013、RT, February 6, 2013、SANA, February 6, 2013、UPI, February 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラアス・アイン市でクルド最高委員会とキール―氏含む「市民平和革命保護国民委員会」が会合を開き、民主統一党と自由シリア軍の間の戦闘を停止させる手段について協議(2013年2月5日)

国内の動き(シリア政府の動き)

『ワタン』(2月5日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との対話に応じる意思を示したことに関して、「ハティーブの発言には欠けているものがあり、国民に最低限受け入れられる対話、協議をもたらすには不充分だ」と報じた。

また「この声明はヌスラ戦線を擁護した過ち…を正そうとする政治的計略と評価し得る…。政治的には重要な発言だが、2年近く、機を逸したものである」と付言した。

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クッルナー・シュラカー(2月5日付)は、複数の消息筋の話として、ラーミー・マフルーフがベラルーシでのシリアテルの支店開設の認可を得た、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(2月5日付)は、アサド政権と民主的変革諸勢力国民調整委員会の間で、次期内閣において後者が6閣僚に配分されるとの秘密合意がなされている、と報じた(未確認情報)。

6閣僚とは、教育大臣ないしは高等教育大臣、環境大臣、経済大臣、農業大臣、国務大臣の5閣僚と、もう1閣僚はハイサム・マンナーアに与えられるポストだが任所は未定だという。

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Syria News(2月6日付)は、シリア・ポンドの米ドルに対する買為替レートが1ドル=80.20ポンドに、売為替レートが80.50ポンドに改訂された、と報じた。

これまではそれぞれ79.27、79.99ポンドだった。

なお闇レートは、平均で92.75、93.50ポンド程度で推移しているという。

反体制勢力の動き(在外)

シリア国民評議会執行部は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との交渉の意思を示したことを「革命の目的と義務に反している」と断じたうえで、「連立の制度のもとで諮られておらず、また協議もされていない個人的決定で…連立の結成合意に矛盾している」と拒否した。

またイランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣との会談については、「イランが現体制を支持する限り、シリア国民評議会が拒否している措置」と非難した。

そのうえで、こうした独断行動が反対勢力の亀裂を助長すると警鐘を鳴らした。

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シリア革命総合委員会メンバーでヒムス県の活動家だというハーディー・アブドゥッラーは、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との対話に応じる意思を示したことに関して、「残念ながら、体制による破壊と殺戮の…時間を与えた…アラブ諸国や国連のこれまでのイニシアチブ以下」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立メンバーでシリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長は、イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領に対して謝意を示した。

スィーダー事務局長は、バールザーニー大統領が、かつてシリア革命への支持を表明したこと、クルド人どうしの対立を解消すべくクルド最高委員会の設立を支援したこと、シリアへの人道支援を支援していることに謝意を示した。

反体制勢力の動き(国内)

ドゥーマー市で反体制活動をしているというアブー・ナディームなる活動家はフェイスブック(2月5日付)で、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との対話に応じる意思を示したことに関して、「親愛なるダウトオールよ、我々がアサドの占領を終わらせるために交渉するのが気に入らないなら、兵站を送るか、黙ってろ」と綴り、支持を表明した。

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クッルナー・シュラカー(2月5日付)は、シリア報道と表現の自由センターのマーズィン・ダルウィーシュ代表、フサイン・ガリール、ハーニー・ズィーターニーが釈放されたと報じた。

また収監中のアブドゥッラフマーン・ハマーダ、マンスール・ウマリーの2人も近く釈放される、という。

5人は2012年2月にダマスカスで空軍情報部に人のメンバーとともに逮捕されていた。うち8人は5月に釈放されていた。

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ユーチューブ(2月5日付)で、反体制武装勢力(ファトフ旅団メンバー)が軍に協力したとの理由で市民4人を処刑するビデオがアップされた。

シリア人権監視団によると、このビデオは2012年1月にアレッポで撮影されたものだという。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(2月5日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市でクルド最高委員会と「市民平和革命保護国民委員会」が会合を開き、民主統一党保護部隊と自由シリア軍の間の戦闘停止の方途をめぐって協議した。

「市民平和革命保護国民委員会」はシリア民主フォーラムのミシェル・キールー代表、アブドゥルバーリー・ウスマーン、タミーム・ザーヒド、ヤースィル・イヤードからなり、両者の停戦を実現するために5日にトルコからシリアに入国した。

一方、クルド最高委員会側からは、イルハーム・アフマド、アブドゥッサラーム・アフマド、イスマーイール・ハムユ、アフマド・スライマーン、アールダール・ハリールが協議に参加した。

民主統一党によると、この会合で、クルド最高委員会は、自由シリア軍との対話開始を提案するとともに、委員会によるラアス・アイン市の自治、すべての武装勢力の撤退、被災者への物資提供の自由の保障などを提案した。

なお民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍の戦闘は1月30日以降小康状態にある、という。

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シリア・クルド国民評議会は、ハサカ県ダイリーク市(マーリキーヤ市)郊外のスィーマールカーとティグリス川対岸のイラク(イラク・クルディスタン地域政府実効支配地域)のフィーシュハーブールの間の国境通行所を開設し、通商関係強化を図ると発表した。

数日中に、ティグリス川に軍事用橋梁を架けるという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サビール地区のマルハブ兵舎周辺で軍と反体制武装勢力が激しく交戦し、多数の死者が出た。

また軍は、ハナースィル市を制圧し、サフィール市およびアレッポ市南西部に向かって進軍した。この進軍は、反体制武装勢力によるワーハ市とサフィーラ市の科学研究センターの包囲を解除することが目的だという。

なおハナースィル市制圧では、子供6人を含む市民9人が死亡したという。

一方、SANA(2月5日付)によると、タッル・ハースィル村・タッルアラン市間の交差点、ハナースィル市、サフィーラ市、カフルナーハー村、マーイル町、ジャブール市などで、軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を実施し、複数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

またアレッポ市では、シャッアール地区、バニー・ザイド地区、マサーキン・ハナーヌー地区、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

他方、アレッポ市ではアフマド・ハムザ人民議会議員の兄弟のハーリド・ハムザが反体制武装勢力に拉致され、殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルナーズ町が軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(2月5日付)によると、ムガイル村で軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殲滅、拠点・装備を破壊、同村を制圧した。

またハルファーヤー市での戦闘で、軍はファールーク大隊の複数の戦闘員を殲滅した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市、ダーライヤー市などが軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(2月5日付)によると、ダーライヤー市、ザバダーニー市、タッル・クルディー町、ドゥーマー市郊外、ハラスター市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、武器・拠点を破壊した。

またハーン・シャイフ(パレスチナ難民キャンプ)地方の住宅地で、反体制武装勢力が車に仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員2人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(2月5日付)によると、ガントゥー市、ヒムス市ジャウバル区、スィブガ地区、タルビーサ市、タッルドゥー市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、SANA(2月5日付)によると、アブー・ズフール航空基地の襲撃を試みた反体制武装勢力を軍が要撃し、戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

またジスル・シュグール市郊外のヤアクービーヤ村、シャグル村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装勢力と交戦、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月5日付)によると、ダイル・ザウル市内各所、サーリヒーヤ市、ヒサーン村、アザーウィー村で、軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殲滅した。

諸外国の動き

『ハヤート』(2月6日付)は、フランスのジェラール・オロ国連代表大使がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が「シリアの危機解決の鍵を米国とロシアが握っていると考える過ちを犯した」と述べた、と報じた。

オロ国連代表大使はまた「米国とロシアが明日合意したとしても、シリアを救済することなどできない…。なぜなら現地で戦っている者がシリアの運命を決めるからだ」と付言した。

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ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との対話に応じる意思を示したことに関して、「シリア政府が和平に少しでも関心があるなら、今席につき、連立と話をしなければならない。そうすれば我々はハティーブの呼びかけを強く支援するだろう」と述べた。

しかし「ハティーブは…アサド政権に安住の地がなければならないと考えているとは思わない」と付言した。

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イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領は、マヤーディーン(2月5日付)に対して、「戦争は解決策ではない…。戦争をもって支配する政府にとって、その執政はきわめて難しい。同じ方法で権力に付く集団にとっても、執政はきわめて困難だ…。シリアで宗派戦争が行うべきでない」と述べ、「国民どうしの愛国的相互理解を実現」を呼びかけた。

一方、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆については「弱さゆえの行動」と非難した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との対話に応じる意思を示したことに関して、「このような対話の開催を促すのに必要なあらゆる支援を行う」と歓迎の意を示した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は中国を訪問し、北京の外交部で翟雋外交副部長と会談した。

SANA(2月5日付)によると、会談で、ミクダード副大臣は危機解決政治プログラムについて説明、支持を求めた。

これに対して、翟外交副部長は、中国が2012年6月のジュネーブ合意、国際法、国連憲章に基づき、シリアの危機への外国の干渉を認めないとの姿勢を改めて示した。

AFP, February 5, 2013、Akhbar al-Sharq, February 5, 2013、Facebook, February 5, 2013、al-Hayat, February 6, 2013、Kull-na Shuraka’, February 5, 2013、al-Kurdiya News,
February 5, 2013、al-Mayadin, February 5, 2013、Naharnet, February 5, 2013、Reuters,
February 5, 2013、SANA, February 5, 2013、Syria News, February 6, 2013、Youtube,
February 5, 2013、al-Watan, February 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハティーブ議長が政権退陣を前提に「シャルア副大統領」と対話を行う用意があると述べ、アサド大統領には危機解決に向けた対話に対する「明確な姿勢」を呼びかけ(2013年2月4日)

国内の動き(シリア政府の動き)

『イクティサーディー』(2月4日付)は、財務省が128人の資産を「テロ活動に関与した」容疑で凍結した、と報じた。

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カルディア教会アレッポ副司教区のアントワーン・オードー司祭はAFP(2月5日付)に対して、アレッポ市内のキリスト教徒の惨状を訴える一方、「西欧は(シリアの)キリスト教徒に何ら関心を払っていない。誰も我々に耳を傾けていないかのようだ。彼らにとって我々が生きようが死のうが関係ないのだ。西欧にとっての最優先は経済力と消費社会だけなのだ」と批判した。

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ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣はシリア・アラブ・テレビ(2月4日付)のインタビューに応じ、そのなかでイスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆について「成果を出さない反体制武装集団を我々が追撃していることへの報復として空爆した」との見方を示した。

フライジュ国防大臣によると、イスラエル軍戦闘機が破壊したダマスカス郊外県ジャムラーヤーの軍科学研究センターは、反体制武装勢力がたびたび制圧を試み襲撃していた、という。

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市北部に展開する第17師団司令部の北東部で軍と反体制武装勢力が激しく交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マイダーン地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、車を運転していた男性1人が負傷した。

またカーブーン区で軍が砲撃を行い、子供1人を含む3人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カフルバトナー町、ハラスター市、ザマルカー町、ドゥーマー市、ハジャル・アスワド市などが空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(2月4日付)によると、タッル・クルディー町、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ダーライヤー市、アドラー市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(2月4日付)によると、カフルナーヤー市、フライビル村、ハナースィル市、クシャイシュ市、ICARDA周辺などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市のカーディー・アスカル地区、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、シャイフ・サイード地区などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月4日付)によると、アブーズフール航空基地を熱ミサイルで攻撃しようとしていた反体制武装勢力を軍が攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

またナイラブ村、シャビーバ軍事基地周辺などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

一方、自由シリア軍自由大隊の副司令官を名乗るナキブ・ハサンなる活動家は、AFP(2月4日付)に対して、反体制武装勢力がジスル・シュグール市を包囲し、同市攻略を進めているが「3~4のアラウィー派の村が同市への我々の突入を阻んでいる」と述べた。

ジスル・シュグール市郊外の農村住民によると、これらの村から攻撃があった場合、軍が村を破壊すると警告しているため、反体制武装勢力は同市への進軍ができないという。

AFP(2月4日付)によると、ジスル・シュグール市、イドリブ市はイドリブ県において反体制武装勢力の手に落ちていない二大都市で、ジスル・シュグール市周辺にシャームの民のヌスラ戦線はいないが、シリア人サラフィー主義者からなるシャーム自由人大隊が展開しているという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月4日付)によると、ダイル・ザウル市内各所で軍が反体制武装勢力と交戦し、ファルカーン旅団、カーディスィーヤ大隊メンバーを含む複数の戦闘員を殺傷した。

またジャズラ市でも軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(2月4日付)によると、ダルアー市、ハルバ・カイス村、タスィール町、ワーディー・ヤルムーク市、サフム・ジャウラーン村、シャイフ・マスキーン市、イズラア市、ヒルバト・ガザーラ町、タイバ町などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーを含む多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(2月4日付)によると、タッルカラフ地方に潜入しようとした反体制武装勢力を国境警備隊が撃退し、多数の戦闘員を殺傷した。

またラスタン市郊外、カフル・アーヤー村、ヒムス市ジャウバル区、スルターニーヤ地区で軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ロシア外務省は、声明を出し、シリアの「過激派」が2月3日にロシア人2人とイタリア人1人を釈放したと報じた。

この3人は2012年12月12日にヒムス県ハスヤー市一帯の街道で拉致され、釈放にあたってシリア当局が反体制武装勢力の戦闘員複数名を釈放した。

これに関して、SANA(2月4日付)は、シリア当局が外国人質3人の「解放作戦」を実行したと報じた。

同報道によると、釈放されたロシア人の1人はアレッポ県の鉄鋼所で働く技師、もう1人は通訳だという。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、アラビーヤ(2月4日付)のインタビューに応え、そのなかでファールーク・シャルア副大統領と政権退陣を前提に対話を行う用意があると述べた。

インタビューのなかで、ハティーブ議長は「重要なのは、体制が退陣のための対話という原則を受け入れることだ…。個人的には、体制がこれを受け入れれば、我々が扉を閉ざすことはあってはならないと考えている」と述べた。

ハティーブ議長は外国の圧力を受けて、政権との条件付きでの対話に応じる意思を示したのではないと断じたうえで、政権内の具体的交渉相手を誰にするかについて「例えば、副大統領だ。彼は危機開始当初から、事態が正しい方向に向かっていないと考えていた」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はジャズィーラ(2月4日付)を通じて、アサド大統領に危機解決のための対話に対する「明確な姿勢」を示すよう呼びかけた。

ハティーブ議長は「体制は明確な姿勢をとらねばならない。我々は国益のために手を差し伸べている。我々が平和的に退陣するよう支援しようとしている。現下の体制におけるイニシアチブとは是非を述べることだ」と続けた。

また「事態を解決したいと思うなら、体制は参加してもよい…。真剣で誠実であれば放り出されることはなく、反体制勢力によって歓迎されるだろう」と述べた。

さらに「体制がこの危機から国民を脱出させたいなら、我々はみな、人命喪失や破壊を最小限に食い止めるかたちで国益と政権退陣のために助け合うだろう」と付言した。

そのうえで「私は体制に、国民へ傲慢で上から目線の考え方を止めよと、言いたい。バッシャール博士よ、この国は深刻な危機に曝されていると私はお前に言いたい。少しでもいいから蛮行を止めよ。眠る前にお前の子供の目を見れば、少しは人間性が戻るはずだ。解決策が分かるだろう」と述べた。

一方、ミュンヘンでのロシア外相、米副大統領との会談の内容に関して、「すべての反体制勢力の間で合意されていることがある。我々はさらなる流血と破壊を望んでいない。それゆえ危機解決のため政治的イニシアチブをとっている…。このイニシアチブによって体制は去らねばならない…。これが会談の基軸をなしていた」と述べた。

また「アメリカ人、ロシア人、イラン人、欧州人のなかに解決策をイメージできるものなどいない。シリア国民のみが解決策を決する。それゆえ我々は、シリアの体制指導部に、さらなる破壊が生じるまえに出口を探させよ、と言いたい」と強調した。

さらに「国民にさらなる流血を避けたいという明確なメッセージを伝えたいなら、私が要求した通り、まずは逮捕者を釈放することから始めよ…。私は冗談を言っているのではない。政治的ジョークではない…。一度でもいいから真剣に対処するよう体制に求めているのだ」と付言した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム広報局長はフェイスブック(2月4日付)で声明を出し、そのなかでシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長がアサド政権との条件付きでの対話を行う意思を示したことに関して「歓迎の意」を示した。

声明でハッダーム局長は「ハティーブ議長の発言は、国民調整委員会をはじめとする民主的勢力、人民大衆から歓迎されている」と述べた。

そのうえで「国民調整委員会、連立、シリア民主フォーラム、シリア国民救済大会参加組織、ジュネーブでのシリア反体制勢力大会参加組織をはじめとする様々な反体制勢力が連絡を強化し、交渉の基礎と原則に関して合意形成するための会合を開く」ことを呼びかけた。

レバノンの動き

進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、党機関紙『アンバー』(2月4日付)で、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権との対話に応じる意思を示したことを「大胆な決断」と支持した。

諸外国の動き

クルディーヤ・ニュース(2月4日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で戦闘を続ける民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍・サラフィー主義者の調停を行うため、トルコから入国しようとしているミシェル・キールー(シリア民主フォーラム代表)ら「市民平和革命保護国民委員会」をトルコ当局が妨害している、と報じた。

同報道によると、「市民平和革命保護国民委員会」は対シリア国境の国境通行所で3時間待たされた末、翌日の訪問を伝えられたという。

国境通行所のシリア両側では、クルド最高委員会の使節団が4時間にわたって「市民平和革命保護国民委員会」の入国を待っていたという。

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『ハヤート』(2月5日付)は、2月6日にカイロで予定されているイスラーム諸国会議機構(OIC)首脳会談の準備会合で、閉幕声明のシリア情勢に関する文言の内容をめぐって、イランを含む各国が、サウジアラビア、トルコと対立していると報じた。

同報道によると、イランを含む各国は、アサド政権による弾圧を一方的に批判するのでなく、すべての当事者に暴力停止を呼びかけることを主張したのに対し、トルコとサウジアラビアはアサド政権を非難することに固執したという。

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イランのサイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記長は滞在先のダマスカスで記者団に対して、「シオニスト政体は、33日戦争、22日戦争、8日戦争(レバノン紛争、2008年と2012年のガザ侵攻)のときと同じようにシリアに対して最近行った空爆を後悔するだろう」と述べた。

またジャリーリー書記は「シリアの国民と政府はこの問題を深刻に捉えており、イスラーム世界はシリアを支援する…。アサド大統領はシオニスト政体との戦闘においてイスラーム世界の最前線に位置している」と付言した。

一方、シリア国内の混乱については、「当初から、我々はすべての当事者に対話のテーブルにつき、国民対話を実現させるよう求めてきた…。アサド大統領のイニシアチブはこの対話の基礎となるだろう」と述べた。

また「善意を示した者(シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長)は、これまでに自分たちが依拠してきた誤った方法から目を背けねばならない。解決策は国民の権威のもとに結実せねばならず、国民が自らの運命を決めねばならない」と付言した。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は訪問先のベルリンで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長との会談について触れ、「対話を継続することで合意した」と述べた。

また「シリア軍は強大で、充分な能力を持っている。外国からの戦闘員など必要ない…。我々は(アサド政権に)経済支援を行っている。ガソリンや小麦を送っている。またイラク経由で電力を供給しようとしたが、この試みはいまだ成功していない」と述べた。

AFP, February 4, 2013、Akhbar al-Sharq, February 4, 2013、Alarabia.net, February 4, 2013、Aljazeera.net, February 4, 2013、DP-News, February 5, 2013、Facebook, February 4, 2013、al-Hayat, February 5, 2013、al-Iqtisadi, February 4, 2013、Kull-na Shuraka’, February 4, 2013、al-Kurdiya News, February 4, 2013、Naharnet, February 4, 2013、Reuters, February 4, 2013、SANA, February 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア、イラン、ロシアはともにハティーブ議長によるアサド政権との対話の意思について歓迎の意を示す、一方トルコやカタールなどは不快感をあらわに(2013年2月3日)

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領はシリアを訪問中のイランのサイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記と会談し、イスラエル軍によるシリアへの越境空爆などについて協議した。

SANA, February 3, 2013
SANA, February 3, 2013

SANA(2月3日付)によると、アサド大統領は会談で、越境空爆によって、イスラエルが敵対的な外国勢力とともにシリアに対して行っていることの真の役割が、シリアの不安定化と弱体化にあることが暴露された、と述べた。

一方、ジャリーリー国家安全保障最高会議書記は、越境空爆に対して、シリア政府が英知をもって対処すると信頼していると応えるとともに、イランがシオニストという敵に対してレジスタンスを続けるシリア国民を全面支援し、外国の陰謀や計略に立ち向かうために引き続きシリアと調整を行うと述べた。

またシリア国内の混乱に関しては、アサド大統領が提示した危機解決政治プログラムを高く評価し、国民対話実施に向けてイランが全面支援を行う用意があることを改めて伝えた。

なおジャリーリー国家安全保障最高会議書記はアサド大統領との会談に先立ち、記者団に対して「イランはシリアに対して、イスラエルの攻撃に対する応えを期待している」と述べた。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住大臣は、イランのサイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記と会談し、「イスラエルのシリアに対する残忍な攻撃は、シリアのインフラ、開発施設を破壊するために武装テロ集団と直接関係を持っていることを示すもので、イスラエルと武装テロ組織の役割は調和している」と述べた。

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アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のムアーッズ・アフマド・ハティーブ議長が条件付きで政府との対話の意思を示したことに関して、「対話の扉は、それを望むすべての者に例外なく開かれている…。対話には暴力を拒否するという基礎があるが、これは条件ではなく、対話を成功させる要素だ」と述べた。

またハティーブ議長が条件として提示した、在外シリア人のパスポート延長については、ハルキー内閣の危機解決政治プログラム実施閣僚委員会が法的追求の停止、在外活動家受け入れのための文書発行の保証を進めていると述べた。

さらに、逮捕者16万人の釈放については、シリア革命反体制勢力国民連立に逮捕者リストの提示を求めたいとの意向を示した。

ダマス・ポスト(2月3日付)が報じた。

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AFP(2月3日付)は、非欧米諸国のNGOがイラクからトルコ経由でシリア北西部の4つの避難民キャンプに、人道支援の一環として燃料ストーブ2,000台を提供したと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、アレッポ市アンサーリー地区で軍の空爆により女性1人、子供5人を含む11人が死亡したとシリア人権監視団が発表した。

活動家によるとアンサーリー地区は反体制勢力の制圧下にはない、という。

また同監視団などは、アレッポ市で、イブラーヒーム・アッズーズ元人民議会議員が、妻と娘2人とともに「反体制武装勢力の手で殺された」と発表した。

一方、SANA(2月3日付)によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区で、大量の武器を持ち込もうとした反体制武装勢力を軍が攻撃し、戦闘員を殲滅、武器弾薬を押収した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル市でイスラーム主義の反体制武装勢力が「結球し、大きく前進した」とシリア人権監視団が発表した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月3日付)によると、タッル・クルディー町、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ザバダーニー市で、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、ハムザ大隊、アカバ・ブン・ナーフィウ大隊、イスラーム旅団、殉教大隊メンバーを含む多数の戦闘員を殺傷、装備・拠点を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月3日付)によると、アリーハー市、アブー・ズフール市、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、ハミーディーヤ村、ブサンクール村、ラーミー村などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(2月3日付)によると、タッルカラフ市郊外のザーラ市、カルアト・ヒスン市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊した。

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ラッカ県では、シャームの民のヌスラ戦線とタブカ自由人大隊が、軍との戦闘の末、ラッカ市とタブカ市の間に位置するバアス・ダムと周辺の農村を制圧したとシリア人権監視団が発表した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のムアーッズ・アフマド・ハティーブ議長は、フェイスブック(2月3日付)でミュンヘンでの各国外相らとの会談での自身の発言の要旨を発表した。

それによると発言の主な内容は以下の通り:

1. 国際社会はシリア国内でのアサド政権による虐殺に充分対処していない。
2. 化学兵器をめぐる言説は、イラクの大量破壊兵器問題のウソに似た奇異な問題ではあるが、アサド政権はすでにあらゆる兵器を用いて国民を虐殺している。
3. 革命家たちの銃は、シリア国民が自由を得るまで下ろされることはない。
4. 「我々の軍」は現地で大きな成功と成果を収めているが、善意として政府との対話の意思を表明し、平和的な政権退陣もめざす。

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シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会メンバーの一人は、ムアーッズ・アフマド・ハティーブ議長とイランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣と会談に関して、「政治的な嵐を巻き起こした。イラン外相との会談はまったく不必要だ。なぜなら無駄だからだ。イランはアサドを全面支援している。このままだと彼はシリア外相とも会談してしまうだろう」と厳しく非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のワリード・ブンニー報道官は、「ボールはロシア・サイドにある…。ロシアは国民への殺戮を行う者ではなくシリア国民の公正な要求を支持しなければならない…」と述べ、ロシアがアサド政権に圧力をかけることへの期待を寄せた。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド民主党(アル・パールティ)のアブドゥルハキーム・バッシャール書記長は、『サフィール』で民主統一党サーリフ・ムスリム共同党首がイラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領を批判したことを受け、フェイスブック(2月3日付)で「ムスリムはシリア政府と関係がある。それは純粋に治安に関わるもので、中級士官から情報発信というかたちをとっている」と述べた。

また「民主統一党がクルド人地域を支配しているというのは正しくない。シリアの治安機関が依然として決定を行い、支配を続けている」と暴露した。

そのうえで「ムスリムと彼の党は、シリアのクルド人の民族的権利を獲得したいとは考えておらず、現体制の地方自治…に関する自治を得たいと考えているだけだ」と非難した。

レバノンの動き

NNA(2月3日付)は、イスラエル軍戦闘機がナバティーヤ県上空のレバノン領空を侵犯したと報じた。

諸外国の動き

イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長との会談に関して、「とても光栄だ」と述べ、「引き続き連絡を取り合うことを決めた」ことを明らかにした。

また「反体制勢力と政府が対話のテーブルを囲んで座る余地を与えねばならない…。ハティーブ氏に私はこう言った。集って、国際社会の監視下での大統領選挙の実施を調整しなさい…。流血を止めたいのなら、非難の応酬を続けていてはならない」と述べ、ハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話を行う意思を表明したことに歓迎の意を示した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話を行う意思を表明したことに関して、「非常に重要なステップだ。なぜなら連立は政権とのいかなる対話も全否定していたからだ」と高く評価した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は滞在先のミュンヘンで、「シリア政府と反体制勢力の間で対話が行われねばならないと言う者がいる。しかしそれは間違った道だ。それは解決策でない」と述べた。

また「もし明日、アサド政権下で選挙が行われたら、反体制勢力の指導者たちは立候補できるのか?」と自問し、アサド大統領が「シリアでの虐殺の責任をまずとるべきだ」と付言した。

トルコ政府は、シャームの民のヌスラ戦線など外国人サラフィー主義者のシリアへの潜入・テロ活動、自由シリア軍によるクルド人地域への侵攻を支援している。

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『ハヤート』(2月4日付)は、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣が滞在先のミュンヘンで、シリア革命反体制勢力国民連立のムアーッズ・アフマド・ハティーブ議長とロシア・イラン外相とミュンヘンでの会談に関して、国際社会がシリアの紛争に介入することを躊躇していると不快感を示し、国連安保理に対してシリアでの虐殺に対して責任ある行動を求めたと報じた。

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イスラエルのエフド・バラク国防大臣は滞在先のミュンヘンで、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆に関して、「数日前の事件に関してあなた方が新聞で読んだことに、私は何も言うことはできない…。しかし率直に言うと…、レバノンに高度な武器システムが持ち込まれることが許されてよいとは考えていないと述べてきた」と述べ、越境空爆を事実上認めた。

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『ニューヨーク・タイムズ』(2月3日付)は、匿名高官の話として、2012年夏にヒラリー・クリントン国務長官(当時)とデヴィッド・ペトレイアスCIA長官が、シリアの紛争に米国が巻き込まれることを懸念し、シリアの反体制武装勢力への武器供与、軍事教練計画を却下していたと報じた。

同計画は、武装勢力の評価と、一部近隣諸国の支援のもとでの武器供与を求めており、米大統領選挙後に再検討されるかに思われたが、ペトレイアスCIA長官の辞任によってお蔵入りとなったという。

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『サンデー・タイムズ』(2月3日付)は、イスラエルが、シリアからの原理主義過激派の攻撃を抑止するために、シリア領内の対イスラエル国境沿いに幅10キロの緩衝地帯を設置することを検討していると報じた。

この計画はイスラエル軍によって作成され、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に提出されたという。

AFP, February 3, 2013、Akhbar al-Sharq, February 3, 2013、DamasPost, February 3, 2013、Facebook, February 3, 2013、al-Hayat, February 4, 2013, February 5, 2013、Kull-na Shuraka’, February 3, 2013、al-Kurdiya
News, February 3, 2013、Naharnet, February 3, 2013、The New York Times, February 3, 2013、NNA, February 3, 2013、Reuters, February 3, 2013、SANA, February 3, 2013、The Sunday Times, February 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装勢力がアレッポ市シャイフ・サイード地区を制圧するなか、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長がミュンヘンを訪問し露外相、米副大統領、イラン外相らと相次いで会談(2013年2月2日)

国内の動き(シリア政府の動き)

ハルキー内閣の危機解決政治プログラム実施閣僚委員会は各県知事と会談し、各県での国民対話開始の準備方法をめぐって協議した。SANA(2月2日付)が報じた。

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進歩国民戦線は声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるダマスカス郊外県ジャムラーヤーの軍科学研究センターへの越境空爆を厳しく非難した。

国内の暴力

アレッポ県では、反体制武装勢力がアレッポ市シャイフ・サイード地区を制圧した、とシリア人権監視団が発表した。

同監視団によると、反体制武装勢力は12日にわたる戦闘で同地区を制圧、この戦闘で戦闘員26人、軍兵士数十人が死亡し、同地区長が制圧後に反体制武装勢力によって射殺されたという。

またこの制圧と前後して、シャイフ・サイード地区のほとんどの住民は避難を余儀なくされ、同地区に展開していた軍部隊も撤退、その後軍が同地区を複数回にわたって空爆した。

なおシリア人権監視団によると、シャイフ・サイード地区は、ナイラブ航空基地やアレッポ国際空港を攻撃するうえでの要衝だという。

このほかシリア人権監視団によると、サフィーラ市、ダイル・ハーフィル市、タッル・リフアト市、タルアルン市周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(2月2日付)によると、カラースィー村、ダイル・ハーフィル市、ワディーヒー村、サフィーラ市、マンナグ村などで軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市では、スッカリー地区、カルム・マイサル地区、シャイフ・サイード地区、ブスターン・カスル地区、カッラーサ地区、旧市街、アシュラフィーヤ地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、アルバイン市、ハラスター市などが軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(2月2日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、アルバイン市、バイト・サフム市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装勢力がサフナーヤー市の変電所を襲撃し、同市が停電となった。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャーグール区イブン・アスカルで車に仕掛けられた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

一方、SANA(2月2日付)によると、カダム区で警察が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷した。この戦闘で警官1人が死亡、2人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ市、タフタナーズ航空基地などに軍が空爆を行った。またヒーシュ村近くの国際幹線道路で軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(2月2日付)によると、サラーキブ市で反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が誤爆し、戦闘員15人が死亡、また爆発に巻き込まれて子供1人が死亡、市民22人が負傷した。

またワーディー・ダイフ周辺などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、アーミリーヤ市での軍と反体制武装勢力の戦闘で、「政府を支持する民間人10人」が死亡した。

一方、SANA(2月2日付)によると、タルビーサ市、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装勢力の拠点を攻撃、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月2日付)によると、ダイル・ザウル市各所で軍が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はドイツを訪問し、ミュンヘンでの安全保障会議に出席するため同地に滞在中のロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

西側諸国が支援する在外の反体制組織の指導者がロシアの外務大臣と会談するのは今回が初めて。

会談内容については明らかにされなかったが、ロイター通信(2月2日付)は、セルゲイ外務大臣がハティーブ議長をモスクワに招待したと報じた。

ハティーブ議長は会談後に「ロシアには明確なビジョンがあるが、我々は危機軽減のための対話を歓迎しており、詳細についてより多くの議論をしなければならない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、ミュンヘンでの安全保障会議に出席するため同地に滞在中のジョー・バイデン米副大統領と会談した。

シリアの反体制組織の指導者が米副大統領と会談するのは今回が初めて。

ハティーブ議長はバイデン米副大統領との会談に関して、ロイター通信(2月2日付)に対して、「流血と人名損失を最小限に抑えつつ、いかに体制を排除するかを議論する」ことが会談の主な目的だったと述べた。

その一方で「私はカイロであれ、チュニジアであれ、イスタンブールであれ、シリア政府の代表と直接席をともにする用意があると宣言する」と述べ、条件付きでの対話に応じる意思を改めて示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長はイランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣と滞在中のミュンヘンで会談した。

45分間にわたる会談を終えたハティーブ議長は記者団にロイター通信(2月2日付)に「我々はシリア国民の苦しみを終わらせるための解決策を案出しなければならない点で合意した」と語った。

クルド民族主義勢力の動き

al-Kurdīya News, February 1, 2013
al-Kurdiya News, February 1, 2013

クルド最高委員会のアフマド・スライマーン報道官は声明を出し、同委員会に暫定政府発足の意思があるとしたフェイスブックなどでの書き込みを否定した。

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クルディーヤ・ニュース(2月2日付)は、クルド最高委員会がハサカ県ダイリーク市(アラビア語名マーリキーヤ市)郊外のスィーマルカー国境通行所を経由してシリア領内に持ち込まれる灯油およびガソリン1リットルに対して0.03米ドルの関税を、また入国税として1,000シリア・ポンドを課すことを決定した、と報じた。

諸外国の動き

ドイツ南部のミュンヘンでの安全保障会議に出席するため同地に滞在中のジョー・バイデン米副大統領とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談した。

会談には、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表も参加し、シリア情勢をめぐって協議が行われた。

会談後、バイデン副大統領は、ロシアとの間に依然として「大きな意見の隔たりがある」と述べた。

また「我々は、シリアの反体制勢力がさらに統合、団結するため、関係国と協力している…。我々はアサドが権力にとどまることを企む暴君だと考えている。だが彼にはもはや国民を指導することなどできない」と付言し、反体制勢力をさらに支援するよう国際社会に求めた。

これに対し、ラブロフ外務大臣は、関係当事国がブラーヒーミー共同特別代表の指導のもとに結集し、「進展が実現した」とみなし得るような暫定的な解決策を案出すべきだと米国に伝えたことを明らかにした。

また「アサド大統領退任を交渉の前提条件とする固執した姿勢こそが、シリアの悲劇継続の最大の原因だ」と述べた。

さらに「我々のパートナー(西側諸国)は、これらの武器(化学兵器)を反体制武装集団が入手する可能性に最大の脅威を抱いている点で一致している」と付言した。

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イランのサイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記がシリアを訪問し、ワーイル・ハルキー首相と会談し、二国間関係、シリアでの紛争、イスラエルによる越境攻撃などについて協議した。

SANA(2月2日付)によると、ジャリーリー書記は、アサド政権による危機解決政治プログラムの実施と危機の政治的解決への支持を改めて表明した。

また1月30日のイスラエルによるダマスカス郊外県への越境空爆については、「地域の治安と安全を脅かす行為」と非難する一方で「シリアに対する陰謀の失敗」を確信しているとの意思を示した。

会談に先だって、ジャリーリー書記は記者団に対して、イスラエルの越境空爆が「レジスタンスを打ち砕こうとする絶望的な試みを通じて、シリア国民に復讐しようとしている」と非難していた。

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レオン・パネッタ米国務長官は、AFP(2月2日付)に対して、「シリアでの混乱は、これらの武器(化学兵器)が国境を越えてヒズブッラーの手にわたる可能性を一大関心事とする環境を作り出した」と述べた。

またイスラエル軍によるシリアへの越境空爆に関しては、「SA-17のような洗練された兵器や生物科学兵器がテロリストの手に渡らないようにするために、あらゆることをしなければならないと(イスラエルに)表明してきた…。米国はこれらの兵器がテロリストの手に渡らないようにするためのあらゆる措置を支持する」と述べた。

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AFP(2月2日付)は、米高官からの情報として、イスラエル軍が1月30日に越境空爆したのが、レバノンに武器を輸送していると思われる車列ではなく、ダマスカス郊外県に配備されていたロシア製のSA-17地対空ミサイル・システムと化学兵器を貯蔵していると思われる施設だったと報じた。

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ハマースのハーリド・ミシュアル政治局長は、ヨルダン国営テレビ(2月2日付)とのインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢を「陰謀ではなく(アラブの)春」だとしたうえで、「国民に対する軍事的オプションをとるシリア政府を支持することはできない」と述べた。

AFP, February 2, 2013、Akhbar al-Sharq, February 2, 2013、al-Hayat, February 3, 2013, February 4, 2013、Kull-na Shuraka’, February 2, 2013、al-Kurdiya News, February 2, 2013、Naharnet, February 2, 2013、Reuters, February 2, 2013、SANA, February 2, 2013、UPI, February 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主統一党のムスリム党首が人民防衛隊と自由シリア軍・サラフィー主義者の戦闘に関して、「西クルディスタンを占領しようとする戦略的枠組み」を非難(2013年2月1日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(2月1日付)によると、ハラスター市郊外、ドゥーマー市、シャイフーニーヤ村、アルバイン市、ヒッラーン・アワーミード村、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷した。

一方、クッルナー・シュラカー(2月1日付)は、ハーン・シャイフーンのパレスチナ人難民キャンプを軍が数日前から包囲・砲撃している、と報じた。

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アレッポ県では、SANA(2月1日付)によると、アズィーザ市、ハーディル村、カラースィー村、マンスーラ村、マーイル町、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市バニー・ザイド地区、カルム・マイサル地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、SANA(2月1日付)によると、ナイラブ村、アリーハー市などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(2月1日付)によると、ハウラ地方、ラスタン市、アイン・フサイン村、アーミリーヤ村などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ハサカ県では、クルディーヤ・ニュース(2月1日付)によると、カーミシュリー市で激しい戦闘があり、市内全域が一時停電となった。

反体制勢力の動き

シリア民主フォーラムが声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話に応じる意思を示したことに関して「祖国、自由、公正、平等、市民権といった概念への近視眼によるもので、体制ではなく反体制勢力を追い込む」と非難し、議長に改めて発言の真意を説明するよう求めた。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『サフィール』(2月1日付)のインタビューに応じ、そのなかでイラン・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領のトルコとの同盟関係がクルディスタンの弱体化を目的としていると批判した。

トルコからラアス・アイン市への自由シリア軍・サラフィー主義者と民主統一党人民防衛隊との戦闘に関して、ムスリム共同党首は、西クルディスタン(シリア)を占領しようとする戦略的枠組みのなかでの軍事行動だと指弾した。

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ユーフラテス通信(2月1日付)がクルド最高委員会のイルハーム・アフマドの話として伝えたところによると、同委員会福祉治安税関委員会がハサカ県ダイリーク市で会合を開き、イラク・クルディスタン地域・シリア・クルド地域間のスィーマールカーに通商用の国境通行所を常設し、近く設置することを決定したと報じた。

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クルド最高委員会のアフマド・スライマーンは、クルディーヤ・ニュース(2月1日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍に対して、ラアス・アイン市への攻撃に対して断固たる姿勢で拒否すべきだと述べた。

レバノンの動き

ナハールネット(2月1日付)が軍の発表として伝えたところによると、ベカーア県バアルベック郡の対シリア国境に位置するアルサール市郊外で、パトロール中のレバノン軍部隊が要撃され、兵士2人が死亡、多数が負傷した。

また軍部隊を要撃した武装集団の戦闘員も複数が負傷したという。

ジャディード・チャンネル(2月1日付)などは、この要撃の背景に、アルサール市でのハーリド・フマイイド誘拐・発砲事件があると報じた。

OTV(2月1日付)によると、フマイイドは、2011年のレバノンでのエストニア人拉致事件の容疑者の一人で、最近自由シリア軍に加入した、という。

またLBCI(2月1日付)は、レバノンの治安当局が、フマイイドを「テロ集団」メンバーとして監視していたと報じた。

一方、SANA(2月1日付)は、ムスタクバル潮流および自由シリア軍との交戦でレバノン軍兵士多数が死亡したと報じた。

諸外国の動き

退任を翌日に控えたヒラリー・クリントン米国務長官は、自らの任期を振り返り、そのなかで米国が「イランとヒズブッラーのシリアでの活動によって邪魔されてきた」、「ロシアはアサド支持に関して受け身の傍観者などではなく、かなり積極的だった」と述べる一方、「出来ることはやった」と自賛した。

AFP, February 1, 2013、Akhbar al-Sharq, February 1, 2013、al-Hayat, February 2, 2013、al-Jadid, February 1, 2013、Kull-na Shuraka’, February
1, 2013、al-Kurdiya News, February 1, 2013、Naharnet, February 1, 2013、OTV,
February 1, 2013、Reuters, February 1, 2013、al-Safir, February 1, 2013、SANA, February 1, 2013などをもとに作成。

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軍がアレッポ市アシュラフィーヤ地区に対して実施した空爆によりシリア・クルド民主統一党の幹部1名が死亡する一方、与野党含む党連合がイスラエル軍戦闘機によるシリア領空侵犯・空爆を非難する声明を発表(2013年1月31日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(1月31日付)によると、ダーライヤー市、ドゥーマー市、ハラスター市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ナブク市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、クルディーヤ・ニュース(1月31日付)によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区を軍が空爆し、14人が死亡、42人が負傷した。

複数の目撃者によると、空爆はアシュラフィーヤ公園近くの第1交差点に対して集中的に行われ、空爆と前後して自由シリア軍の戦闘員が軍の戦車を攻撃・破壊した、という。

一方、SANA(1月31日付)によると、アレッポ市カルム・マイサル地区、カースティールー地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、アンダーン自由人旅団の指導者を含む多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)は声明(2月1日付)を出し、1月31日のアレッポ市アシュラフィーヤ地区での空爆・戦闘によって、党幹部の一人カマール・ムスタファー・ハナーンが死亡したと発表した。

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イドリブ県では、SANA(1月31日付)によると、アルバイーン山、ダフビーヤ地方、ブワイダ地方などで、軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月31日付)によると、ラスタン市東部の反体制武装勢力拠点、またヒムス市スルターニーヤ地区、クサイル市郊外などを軍が攻撃・破壊、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会はカイロで会合を開いた。

『ハヤート』(2月1日付)などによると、会合では、アフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長がアサド政権との条件付きで対話に応じる意思を示したことに議論が集中した。

同報道によると、この会合で、ハティーブ議長は自身の発言が「個人的な意見に過ぎず、(和解)イニシアチブではない」と述べ、連立もこの見解を組織の方針として作用せず、現体制が崩壊するまで対話を行わないとの基本姿勢を確認しなかったという。

また会合に参加したシリア革命評議会のジブル・シューフィーによると、ハティーブ議長は、アサド政権との対話に関して「条件付きであっても対話を提案することが、体制にプレゼントを与えることに等しい」との見解を示したという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のムンズィル・マーフース駐フランス代表(大使)は、EURO1(1月31日付)で、「我々はバッシャールの代表と対話の用意がある。可能であれば、政治的解決に至るため、体制内の誰かに権限を移譲してもよい」と述べた。

しかし、アサド大統領自身を含む現政権の首脳については、「戦争犯罪者」であるために対話への参加を認められない、と条件を示した。

また1月31日にアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件つきでアサド政権との対話に応じるとの姿勢を示したことについては、「事態打開への特別な責任を感じているのだろう」と理解を示した。

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トルコのイスタンブールで活動する反体制活動家66人が共同声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話に応じる意思を示したことを「正しい方針」と評価し、支持を表明した。

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シリア国民変革潮流は声明を出し、クウェートでの国連主催のシリア支援国会議参加国への人道資金援助に謝意を示した。

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ロイター通信(1月31日付)は、ダイル・ザウル県マヤーディーン市(人口54,000人)を占拠する武装勢力のなかで、シャームの民のヌスラ戦線が影響力を増している、と報じた。

同報道によると、ヌスラ戦線は、女性のズボン着用禁止、酒類販売禁止、子供への宗教教育、シリアでのカリフ制樹立の主唱、民主化を求める人々への脅迫などを行っている、という。

なお同報道によると、シリア国内で反体制武装活動を行う戦闘員の数は約8,000人いるのだという。

諸外国の動き

サウジアラビア日刊紙『ワタン』(1月31日付)は、シリア反体制勢力の信頼できる複数の消息筋の話として、アサド政権がヒズブッラーに化学兵器を供与した、と報じた。

イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆へのシリア国内の対応

シリアの外務在外居住者省は、イスラエルによるシリアへの越境空爆に関して、イクバル・サンガUNDOF司令官を呼び出し、イスラエルとの停戦合意(1974年)への違反への抗議の意を正式に伝え、再発防止のために必要な措置を講じるよう求めた。SANA(1月31日付)が報じた。

また国連安保理議長、事務総長宛てに書簡を提出し、そのなかでイスラエルによるシリアへの越境空爆を「中東地域の安定と安定、国際の平和に深刻な危険となるイスラエルの攻撃を防ぐという責任を果たすことに安保理は失敗した」と非難したうえで、「自衛権、領土と主権を防衛する義務をシリアは有する」と表明した。

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ワーイル・ハルキー首相は緊急閣議を開き、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆への対応を協議した。SANA(1月31日付)が報じた。

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シリア人民議会は声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆を強く非難した。SANA(1月31日付)が報じた。

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SANA(1月31日付)によると、シリア国内では、与党のバアス党シリア地域指導部、アラブ社会主義連合党、アラブ社会主義者運動、変革解放人民戦線、人民意思党、シリア民族社会党インティファーダ派、野党のシリア祖国党、シリア民主党が、イスラエル軍戦闘機によるシリア領空侵犯・空爆を非難する声明を発表した。

イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆への在外反体制勢力の対応

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆を「今回が初めてでない」としつつ、シリア軍が各地で空爆を続けるなかで「アサドの戦闘機とシオニストの戦闘機を区別…できるのか」と述べ、アサド政権も同様に非難されるべきだとの姿勢を示した。

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シリア国民評議会は声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆を「自由な自己にとって主権侵害を見ることはもっとも困難」だとイスラエルを非難したうえで、イスラエルの攻撃を防げないアサド政権を「祖国防衛に関心がなく、自衛の責任を果たそうともしていない」と糾弾した。

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元軍憲兵隊長で2012年12月に政権を離反したアブドゥルアズィーズ・ジャースィム・シャッラールは、AP(1月31日付)に対して、イスラエル軍戦闘機が空爆したダマスカス郊外県ジャムラーヤー地方の軍科学研究センターに関して、「武器開発で知られているが、化学兵器や非伝統的兵器はない…。しかしイラン人やロシア人が常駐している」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(1月31日付)は、住民の証言をもとに、ダマスカス郊外県ジャムラーヤー地方への空爆は、イスラエル軍戦闘機によるものでなく、シリア軍戦闘機による誤爆だと断じた。

同報道によると、シリア軍戦闘機は、軍科学センターを自由シリア軍の拠点と誤認し空爆、その直後、迫撃砲9発が突如としてセンターおよびその周辺に着弾、周辺の軍部隊は何もなかったかのように攻撃を見ていたという。

イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆へのレバノン国内の対応

ヒズブッラーは声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆を「シリアで過去2年起きているが何であるのか、そしてこの国を破壊し、軍を弱体化させることの犯罪的目的を完全に暴露」する行為と非難した。

また国際社会とアラブ諸国に対して、イスラエルの「醜悪な攻撃」を非難するよう呼びかけつつ、「我々は(国際社会やアラブ諸国が)非難と断固たる対応に失敗してきたことに慣れっこだ」と暗に批判した。

イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆への諸外国の対応

ロシア外務省は声明を出し、イスラエルによるシリア領内への越境空爆に関して「重大な懸念」を表明したうえで、情報が正しいということが分かれば非難する、との姿勢を示した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、イスラエルによるシリアへの越境空爆に関して、「アラブ諸国へのイスラエルの攻撃を抑止することに国際社会は責任を負うべき」と主張し、「イスラエルはこの犯罪行為を断行するため、シリアの政治・治安状況の混乱を利用した」と非難した。

また「この攻撃がもたらす結果のすべてにイスラエルは責任を負うべきであり…、シリアには国土、主権を防衛する権利がある」と付言した。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、イスラエルによるシリアへの越境空爆に関して、「西洋とシオニストの政策と合致し、安定と治安を回復しようとするシリア国民・政府の成功を妨げるべく行われた…。テロ組織のシオニストの目的は合致している」と非難した。

またホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は「シリア郊外へのシオニスト政体の攻撃は、テルアビブに深刻な影響をもたらすだろう」と述べた。

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ベン・ロードス米国家安全保障担当補佐官は、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆に関連して、「シリアはヒズブッラーに武器を供与することで地域をこれ以上不安定化させるべきでない」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆に関して、「深い懸念」の意を示し、すべての当事者に自制を求めた。

AFP, January 31, 2013、Akhbar al-Sharq, January 31, 2013、AP, January 31, 2013、al-Hayat, February 1, 2013、Kull-na Shuraka’, January 31, 2013, February 1, 2013、al-Kurdiya
News, January 31, 2013、Naharnet, January 31, 2013、Reuters, January 31,
2013、SANA, January 31, 2013、al-Watan (Riyadh), January 31, 2013などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機がゴラン高原シャイフ山北部の高原地域を侵犯し複数施設を空爆する一方、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話に応じる意思を示す(2013年1月30日)

イスラエルによる越境空爆

AFP(10月30日付)は、イスラエルの複数の治安筋の話として、シリアからレバノンに入国した車列を(レバノン領内で)イスラエル軍戦闘機が攻撃した、と報じた。

またイスラエルの匿名治安筋によると、イスラエル軍戦闘機は、レバノンに武器を輸送していると思われる車列をシリア領内でグリニッジ標準時23時30分(現地時間30日2時30分)に攻撃したという。

この報道に関して、イスラエル軍報道官はコメントを控えている。

なおこの攻撃に先立ち、イスラエル軍は28日にアイアンドーム防空システム2基を北部(占領下のゴラン高原方面)に配備していたほか、イスラエル政府・軍高官らが、シリアからヒズブッラーへの大量破壊兵器供与の可能性への危機感を表明していた。

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シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、イスラエル軍戦闘機がゴラン高原シャイフ山(ヘルモン山)北部の高原地域を低空で侵犯し、ダマスカス郊外県ジャムラーヤー地方にある軍の科学研究センターを空爆、同センター施設と隣接する民生の機器開発センター施設、駐車場を破壊、センター職員2人が死亡、5人が負傷したと発表した。

同声明は、この攻撃をシリアの主権と領空へのあからさまな侵犯と非難したうえで、イスラエル軍戦闘機がシリア・レバノン国境地帯での車列を攻撃したとの一部報道が誤りだと指摘した。

また同声明は、イスラエルの攻撃をレジスタンス支持やアラブの大義を堅持するシリアへの挑戦だとしつつ、報復権を行使する可能性については明言しなかった。

SANA(1月30日付)が報じた。

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AFP(1月30日付)は、ジャムラーヤー地方住民の話として、6発のロケット弾(ないしはミサイル)が施設に命中し、施設は半壊、2人が死亡したと伝えた。

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レバノンのNNA(1月30日付)は、レバノン領内でイスラエル軍戦闘機による空爆が起きた事実はない、と報じた。

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米匿名高官はAP(1月30日付)に対して、ヒズブッラーに供与される武器を積んだ車列を攻撃するための越境空爆が数日前からイスラエル軍によって準備されていたとしたうえで、武器のなかにはロシア製のSA-17地対空ミサイルなどが含まれていたと述べた。

なおジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、イスラエル軍の空爆に関して、「これらの報告に関してコメントすることはない」と述べた。

国内の動き(シリア政府の動き)

シリア外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送付、そのなかでアレッポ市ブスターン・カスル地区クワイク川岸で60体以上の遺体が発見された事件に関して、シャームの民のヌスラ戦線の犯行と断じ、国際社会に断固たる姿勢で対応するよう求めた。

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クッルナー・シュラカー(1月30日付)は反体制運動に協力的な大統領府消息筋の話として、アサド大統領がファールーク・シャルア副大統領を解任する意向を持っていたが、イランより、バアス党シリア地域大会を開催し、党内の人事改編の一環として副大統領の退任を進めるよう進言を受け、解任を思いとどまったと報じた(未確認情報)。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(1月30日付)によると、ドゥーマー市、ダーライヤー市、スバイナ町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(1月30日付)によると、サフィーラ市、マンナグ村、ナッカーリーン村、ハーン・トゥーマーン村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、ズィー・ヌーライン旅団のメンバーなど多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、バーブ街道、アーミリーヤ地区、タッル・ザラーズィール地区、カルム・マイサル地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月30日付)によると、バスル・ハリーラ市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(1月30日付)によると、シャッダーディー市で軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、撃退した。

またクルディーヤ・ニュース(1月30日付)は、ラアス・アイン市で反対武装勢力に誘拐された市民が遺体で発見されたと報じた。

遺体は両手を後ろでに縛られ、拷問の跡が残っていたという。

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ヒムス県では、SANA(1月30日付)によると、ラスタン市、アイン・フサイン村、タルビーサ市郊外などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領内からタッルカラフ地方に潜入しようとした反体制武装勢力を国境警備隊が撃退した。

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ハマー県では、SANA(1月30日付)によると、カルナーズ町、ハウワーシュ村、ハマーミーヤート村、カフルヌブーダ町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月30日付)によると、イドリブ・サルミーン街道沿い、ラーミー村、カフルズィーター市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、アブー・バクル大隊メンバーを含む多数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(1月30日付)は、ジスル・シュグール市郊外の対トルコ国境に位置するジャーヌーディーヤ町に展開していた軍が突如として撤退した、と報じた(未確認報道)。

反体制勢力の動き

シリア国民革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は声明を出し、ワーイル・ハルキー首相による反体制勢力に対話参加を呼びかけるための各県分科委員会の設置(1月29日)を批判し、①160,000人に達する逮捕者の釈放、②在外シリア人が保有する期限切れのパスポートの更新と2年以上の有効期間延長、をシリア政府に求め、この2点を対話の条件とすると発表した。

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シリア国民評議会は声明を出し、シリア政府との対話に二つの条件を提示したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長の声明を「連立の立場を表現しておらず、現体制との対話の一切を拒否するとした内規に矛盾する」と厳しく批判した。

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カフルナブル市(イドリブ県)地元評議会は、シリア革命反体制勢力国民連立に宛て公開書簡を発表し、そのなかで同市への人道支援配給が遅れていると批判した。

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クルディーヤ・ニュース(1月30日付)は、クルド語サイトからの報道として、ハーリド・ミシュアル大隊のウサーマ・ヒラール司令官が、ラアス・アイン市の「解放」のため同市に進入したが、民主統一党人民防衛隊によって阻止されたと語ったと報じた。

ヒラール司令官によると、ミシュアル大隊は425人の戦闘員からなり、ハサカ革命軍事評議会(ハサン・アブドゥッラー大佐)の傘下で戦闘を行っている。

またラアス・アイン市侵攻には、シャーム外国人大隊、ジャズィーラ自由人大隊、グワイラーン自由人大隊、使徒末裔大隊などが参加したという。

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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領が声明を出し、アラブ諸国首脳に対して、シリア国民を救済するための軍事的連立組織の結成、シリア人への武器供与を呼びかけた。

また一部のアラブ諸国が、シリア革命反体制勢力国民連立、自由シリア軍参謀委員会の結成を通じて、実行力のある政治・軍事組織を排除したことが、反体制勢力の対立を助長している、と批判した。

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市民権潮流(欧州)は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長が条件付きでアサド政権と対話に応じる意思を示したことに関して、「内戦や社会的構成への破壊的影響を回避するあらゆる政治的解決のプロジェクトに共鳴する」と支持を表明した。

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シリア国家建設潮流は声明を出し、イスラエル軍戦闘機によるシリアへの越境空爆を、シリア国内のいかなる政治勢力にも受け入れられない敵対行為を非難、アサド政権に対して、軍を民衆に向けるのではなく、「主権の番人」とするよう求めた。

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地元調整諸委員会は声明を出し、ラアス・アイン市への自由シリア軍・サラフィー主義者の侵攻(と民主統一党人民防衛隊との戦闘)を「革命の敵以外の何者にも奉仕しないアジェンダ…が入り込んていることの明白な兆候」と非難した。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(1月30日付)は、クルド最高委員会が特別委員会を設置し、シリア革命反体制勢力国民連立との連絡態勢を整えようとしていると報じた。

特別委員会の設置は、ラアス・アイン市への侵入を続ける自由シリア軍・サラフィー主義者と民主統一党人民防衛隊の戦闘を受けたものだという。

諸外国の動き

国連主催のもと、クウェートでシリア支援国会議が開催され、59カ国の代表、国連潘基文事務総長ら13の国際機関の代表が出席した。

会議では、クウェート、サウジアラビア、UAEがそれぞれ3億ドル、米国が1億5500万ドルの供与を発表し、参加国による援助額の総計は10億ドル以上となった。

しかし国連は、国外避難民100万人と国内被災者400万人の救援に15億ドルが必要だとしており、各国の支援はこれに達しなかったことになる。

なおシリア政府、シリア革命反体制勢力国民連立の代表はいずれも招待されなかった。

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国連バレリー・アモス人道問題担当事務次長は、支援国会議出席のため訪れたクウェートで、「我々は現地で多くのパートナーとともに活動しており、政府に直接資金が行っているなどということはない」と述べ、シリア国内の人道支援の配給で政府支持者が優遇されているとの見方(国境なき医師団)を否定した。

AFP, January 30, 2013、Akhbar al-Sharq, January 30, 2013、AP, January 30, 2013、al-Hayat, January 30, 2012, January 31, 2013、Kull-na Shuraka’, January 30, 2013,
January 31, 2013、al-Kurdiya News, January 30, 2013、Naharnet, January 30,
2013、NNA, January 30, 2013、Reuters, January 30, 2013、SANA, January 30,
2013などをもとに作成。

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