国連人間居住計画(UN-Habitat)の高林博史シリア事務所長がライード・サーリフ緊急事態災害大臣と会談(2025年10月22日)

緊急事態災害省(フェイスブック)によると、国連人間居住計画(UN-Habitat)のシリア事務所の高林博史所長ら代表団がライード・サーリフ緊急事態災害大臣と会談し、持続可能な都市計画の分野における協力強化の方法、災害リスク軽減のための都市データベース開発、そして復興支援の取り組みを推進する方策について協議した。

また、過去数年間におけるシリアの都市計画分野での課題や、安全・防災基準の適用、包括的な早期警戒システムの構築、精密な地理学的研究に基づく国家リスクマトリクスの策定といった現下の課題についても意見を交わした。

ラーイド大臣は、UN-Habitatによる開発・復興計画支援の努力に謝意を示し、、より安全で持続可能な都市づくりを促進する実践的なパートナーシップの構築への期待を表明した。

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シャルア暫定大統領が首都ダマスカスのあるモスクでファジュルの礼拝を終えた直後の様子を撮影した動画がネットで拡散(2025年10月22日)

ムラースィルーンは、アフマド・シャルア暫定大統領が首都ダマスカスのあるモスクでファジュルの礼拝を終えた直後の様子を撮影した動画を転載した。

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外務在外居住者省(X)によると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、グレゴリー・ガリガン駐シリア大使を迎え、同大使から信任状を正式に受け取った。

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ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、Xで、シリアの若手士官学生による留学団が、トルコおよびサウジアラビアの軍事大学へ向けて出発したと発表した。

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世界銀行はシリアの復興に2,160億米ドルを必要とすると試算(2025年10月21日)

世界銀行は、「シリア物的損害および復興評価(2011~2024年)」を発表、13年以上に及ぶ紛争を経たシリアの復興には2,160億米ドルを費用が必要となると試算した。

報告書によれば、紛争はシリアの戦前の実質固定資本ストックのおよそ3分の1を破壊、インフラ、住宅、非住宅建築物への直接的な物的損害は1,080億ドルに上ると推定されている。

また、被害区分別では、インフラが最も甚大で全体の48%(520億ドル)を占め、次いで住宅が330億ドル、非住宅建築が230億ドルと続く。

被害総額の面で最も深刻な影響を受けたのはアレッポ県、ダマスカス郊外県、ヒムス県。

破壊された物的資産の復興コストは1,400億ドルから3,450億ドルの範囲と見積もられ、最も現実的な推計値は2,160億ドルである。

内訳は、住宅部門が750億ドル、非住宅部門が590億ドル、インフラ部門が820億ドルであり、とりわけアレッポ県とダマスカス郊外県で最大の投資が必要と見込まれている。

推定される物的復興費用は、シリアの2024年予測GDPの約10倍にあたり、その課題の規模と国際的支援の必要性の大きさを浮き彫りにしている。

紛争はシリア経済を壊滅的に打撃し、実質GDPは2010年から2022年の間に約53%減少した。

名目GDPも、2011年の675億ドルから2024年には214億ドルへと縮小した。

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英国政府はシャーム解放機構をテロ組織指定リストから削除する命令を議会に提出(2025年10月21日)

英国政府は、HPを通じて声明を出し、シャーム解放機構をテロ組織指定リストから削除する命令を議会に提出したと発表した。

声明によると、テロ組織指定解除は、アフマド・シャルア移行期政権との関与を深め、対テロ政策から移民問題、化学兵器廃棄に至るまで、英国の外交・国内政策の優先事項を支援することが目的。

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米主導の有志連合の車列がシリア民主軍の車輛を伴い、ラッカ市からラッカ県東部のサブハ町に向かい、部族長、地元の知識人や有力者らと会談(2025年10月21日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、7台の装甲車からなる米主導の有志連合の車列がシリア民主軍の車輛を伴い、ラッカ市から県東部のサブハ町に向かい、パトロールを実施した。

シリア人権監視団によると、有志連合に所属する民事担当チームがサブハ町一帯を訪問し、部族長、地元の知識人や有力者らと会談を行った。

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イスラエル軍部隊はクナイトラ県で前日に拘束した若者を釈放する一方、ブライカ村に一時侵入(2025年10月21日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊が前日にジュバーター・ハシャブ村・ハーン・アルナバ市間の道路で拘束していた若者を釈放した。

しかし、シリア人権監視団によると、装甲軍用車2台からなるイスラエル軍部隊がブライカ村に一時侵入し、検問所を設置した。

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シャイバーニー外務在外居住者大臣はオランダのフリース外務貿易・開発協力大臣、アガカーン開発ネットワーク使節団と会談、オマーンのブーサイーディー外務大臣と電話会談(2025年10月21日)

外務在外居住者省(X)によると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、オランダのオクイェ・デ・フリース外務貿易・開発協力大臣およびおよび随行団と会談、シリアとオランダとの二国間関係の強化、経済・開発協力の推進方法、国際問題について意見を交わした。

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外務在外居住者省(X)によると、シャイバーニー外務在外居住者大臣は、アガカーン開発ネットワークの外交部門および機関・評議会部門を統括するシャフィーク・サシャディーナ氏を代表とする使節団と会談、持続可能な開発、社会・文化サービスの分野における共同協力の強化、シリアにおける復興と再建の取り組みを支援する方策について協議した。

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外務在外居住者省(X)によると、シャイバーニー外務在外居住者大臣は、オマーンのバドル・ビン・ハマド・ブーサイーディー外務大臣から電話を受け、会談を行い、両国の友好関係を深める方策や協力強化の方法について協議した。

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アブー・カスラ国防大臣は、在シリア・ロシア大使館のアンドレイ・バドルジーノフ国防駐在官および随行代表団と会談(2025年10月21日)

国防省(フェイスブック)によると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、在シリア・ロシア大使館のアンドレイ・バドルジーノフ国防駐在官および随行代表団と会談、両国の防衛協力に関連する共通関心事項について協議した。

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ハサカ県ハッラーブ・ジール村の航空基地に防空システムや重火器、軍需物資および後方支援装備を積んだ米軍の輸送機が着陸(2025年10月20日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハッラーブ・ジール村の航空基地に、20日夜から21日未明にかけて、防空システムや重火器、軍需物資および後方支援装備を積んだ米軍の輸送機が2機の軍用ヘリコプターを伴って着陸した。

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イスラエル軍の戦闘機がダルアー県とクナイトラ県の上空で軍事演習を実施(2025年10月20日)

シリア人権監視団スワイダー24によると、ダルアー県とクナイトラ県の上空でイスラエル軍の戦闘機が軍事演習を実施、シリア南部各地で爆発音が響いた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、軍用車輛2台からなるイスラエル軍部隊がウーファーニヤー村・ジュバーター・ハシャブ村間の道路に侵入し、検問所を設置した。

また、シリア人権監視団によると、イスラエル軍はジュバーター・ハシャブ村・ハーン・アルナバ市間の道路とカシャラート交差点付近にそれぞれ検問所を設置、女性を含む複数の民間人を乗せたセルヴィス(旅客用マイクロバス)を停止させ、乗客1名を逮捕した。

トゥルナジャ村近郊のビイル・サルブーフ地区でも、15台以上のイスラエル軍車輛と兵士が展開、アジュラフ村とウンム・バーティナ村の間にも臨時の検問所が設置された。

さらに、シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊がクナイトラ県南部のルワイヒーナ村に侵入し、2軒の民家を捜索した。

このほか、シリア人権監視団によると、イスラエル軍は夜間、西アフマル丘の陣地から照明弾を発射した。

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シャルア暫定大統領はサウジアラビア、アルメニア、イタリアの大使から信任状を受け取る(2025年10月20日)

大統領府(フェイスブック)によると、アフマド・シャルア暫定大統領は、首都ダマスカスの人民宮殿で、サウジアラビアのファイサル・ビン・サウード・マジュフル駐シリア大使から信任状を受け取った。

式典にはアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣も同席した。

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大統領府(フェイスブック)によると、シャルア暫定大統領はアルメニアのルーベン・ハラズィアン駐シリア大使から信任状を受け取った。

式典には、シャイバーニー外務在外居住者大臣が同席した。

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大統領府(フェイスブック)によると、シャルア暫定大統領はイタリアのステーファノ・ラファニアン駐シリア大使から信任状を受け取った。

式典にはシャイバーニー外務在外居住者大臣が同席した。

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ペトレイアス元CIA長官:「ペシュメルガ部隊がイラク全土に展開されたのと同様に、シリア民主軍がシリア国内の他地域に派遣される可能性がある」(2025年10月19日)

デヴィッド・ペトレイアス元CIA長官は、ルダウのインタビューに応じ、そのなかで、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊がダーイシュ(イスラーム国)とのテロとの戦いにおいて、イラク全土に展開されたのと同様に、シリア民主軍がシリア国内の他地域に派遣される可能性があると述べた。

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英国は、シャルア暫定大統領が引き続き資産凍結の対象であることを確認する財務省財務制裁実施局の金融制裁通告を発表(2025年10月19日)

英国政府は、HPで、アフマド・シャルア暫定大統領に対する金融制裁に関して、引き続き資産凍結の対象であることを確認する財務省財務制裁実施局の金融制裁通告を発表した。

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ドイツ外務省はシリア全土への渡航に安全上のリスクが伴うことと改めて警告、その理由について同国で不安定な治安状況と衝突の再燃の可能性が続いていると強調(2025年10月19日)

DWによると、ドイツ外務省報道官は声明を出し、シリア全土への渡航に安全上のリスクが伴うことと改めて警告、その理由について同国で不安定な治安状況と衝突の再燃の可能性が続いていると強調した。

報道官は声明のなかで、「現在シリアのいかなる地域も安全とはみなせない。武装勢力間の衝突、テロ攻撃、報復的暴力の発生リスクが依然として非常に高い」と述べた。

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在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使およびJICAの登坂宗太中東・欧州部中東2課長が率いる代表団がアブドゥッラッザーク公共事業住宅大臣と会談(2025年10月19日)

公共事業住宅省(フェイスブック)によると、ムスタファー・アブドゥッラッザーク公共事業住宅大臣は、在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使およびJICAの登坂宗太中東・欧州部中東2課長が率いる代表団と会談、第二次世界大戦後に培われた日本の広範な復興経験を踏まえ、日本とシリアの協力の可能性と展望について協議した。
登坂課長は、JICAとして、技術的・工学的な専門知識の提供、人材能力構築の支援、ならびに省職員への技術支援を行う意向を表明した。

これに対して、アブドゥッラッザーク公共事業住宅大臣は、同省の活動が直面している重大な課題に言及し、日本の経験を耐震安全性・災害管理、建築システムの改良、避難民の安全な帰還を確保するための適切な都市計画の分野で活かすことの重要性を強調した。

会談では、提言事項をフォローアップし実施に移すため、双方の関係者を含む専門的技術会合を開催し、今後の優先事項および業務計画を定めるための共同協力マトリクスを策定することで合意した。

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トルコのフィダン外務大臣:「シリア民主軍が、アラブ系住民が多く住む地域から撤退することが最優先事項であると強調、それが実施されなければ重大な衝突が勃発する可能性がある」(2025年10月19日)

トルコのハカン・フィダン外務大臣は、ウルケTVのインタビューに応じ、人民防衛部隊(YPG)を主体とするシリア民主軍が、アラブ系住民が多く住む地域から撤退することが最優先事項であると強調、それが実施されなければ重大な衝突が勃発する可能性があると警告した。

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米主導の有志連合の部隊がダマスカス郊外県で初となる空挺作戦を実施、ダーイシュ元幹部のアフマド・アブドゥッラー・マスウード・バドリーを逮捕(2025年10月19日)

シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の部隊が、ドゥマイル市とムウダミーヤト・カラムーン町の間に位置する地域で、同県初となる空挺作戦を実施した。

作戦は数時間にわたり行われ、アフマド・シャルア移行期政権の国防省所属の治安部隊が現場を包囲、上空にはヘリや偵察機が飛来し、旋回を繰り返し、ダーイシュ(イスラーム国)元幹部のアフマド・アブドゥッラー・マスウード・バドリーが逮捕された。

また、作戦に際して、ダーイシュのメンバー1人が死亡、1人が負傷した。

これに関して、内務省(フェイスブック)は、総合諜報機関が同地でダーイシュのスリーパーセルを摘発するための治安作戦を実施したと発表した。

発表によると、この作戦で、セルのメンバー1人が逮捕され、もう1人は自爆を試みて死亡、別の1人も交戦中に負傷し死亡、現場では、武器や弾薬、爆発用に準備された自爆ベルトが押収された。

また、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、Xで「シリアは我々の側に戻った」と綴った。

アラビー21シリア人権監視団が20日に伝えたところによると、米国側は当初、アフマド・アブドゥッラー・バドリーとされたハーリド・マスウード氏はダーイシュの幹部であると発表していたが、その後、同名の別人を指していたことが判明した。

誤りに気づいた有志連合は、マスウード氏を釈放したものの、彼は拘束時に腹部を銃撃されており、ダマスカス郊外県のハラスター国立病院で死亡した。

死亡したマスウード氏は、従兄弟の証言によれば、シリアの情報機関に所属する職員。

バドリー部族の出身で、2011年に「アラブの春」がシリアに波及した際、前政権への反旗を翻し、ダマスカス郊外県で決起したで最初期の1人だった。

その後、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム解放機構に所属し、現在に至ったが、ダーイシュとは無関係だったとされる。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合の部隊が、ハサカ県からラッカ県に10台の装甲車輛からなる車列を移動させた。

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イスラエル軍部隊がクナイトラ県のサイダー・ハーヌート村、東サムダーニーヤ村に侵入(2025年10月19日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、10台の軍用車輛からなるイスラエル軍部隊がサイダー・ハーヌート村に侵入、臨時の検問所を設置し、通行人を尋問、その後撤退した。

また、シリア人権監視団によると、車輛3台からなるイスラエル軍部隊が東サムダーニーヤ村に侵入した。

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イスラエル軍はクナイトラ県ジュバーター・ハシャブ村近郊で100ドゥーナムを超える森林地帯の樹木を伐採(2025年10月18日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍は2日前からジュバーター・ハシャブ村近郊で広範囲な掘削作業を続け、100ドゥーナムを超える森林地帯の樹木を伐採した。

また、イスラエル軍部隊は、東サムダーニーヤ村とハーン・アルナバ市を結ぶ道路沿いに侵入し、臨時の検問所を設置、通行人と車輛の検査を実施した。

さらに、シリア人権監視団によると、戦車2両と車輛5台からなるイスラエル軍部隊が、ジュバーター・ハシャブ村とウーファーニヤー村を結ぶ道路に進入し、臨時の検問所を設置し、通行人を検問・通行を制限した。

イスラエル軍は、ハーン・アルナバ市とジュバーター・ハシャブ村を結ぶ道路沿いの国連軍検問所付近にも戦車を一時侵入させた。

このほか、シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、ジュバーター・ハシャブ村の採石場南方で照明弾を投下、同時にイスラエル軍の偵察機が上空に飛来した。

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ブルームバーグ:トルコはアダナ合意を適用範囲を拡大する試みの一貫として、数週間以内に、装甲車、無人機、砲、ミサイル、防空システムなどの軍事装備をシリアに供与する計画(2025年10月17日)

ブルームバーグは、トルコ政府関係者の話として、トルコが今後数週間以内に、装甲車、無人機、砲、ミサイル、防空システムなどの軍事装備をシリアに供与する計画であると伝えた。

これらの関係者によると、供与される装備は、イスラエルとの緊張を避けるためシリア北部に配備される予定だという。

今回の動きは、トルコとダマスカスが1998年にクルディスタン労働者党(PKK)の処遇をめぐって交わしたアダナ合意を適用範囲を拡大する試みの一環とされる。

同合意において、トルコはシリア領内でPKKを最大5kmまで追跡・攻撃できる権利を認められているが、両国は現在、この範囲を30kmに拡大することを協議しているという。

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アフマド・シャーミー・タルトゥース県知事はシャルア移行期政権とロシアとの間で沿岸地域からの撤退にかかる合意が結ばれたとの声明について、「根拠のない幻想に過ぎない」と否定(2025年10月17日)

アフマド・シャーミー・タルトゥース県知事は、Xを通じて、アフマド・シャルア移行期政権とロシアとの間で沿岸地域からの撤退にかかる合意が結ばれたとの声明について、「根拠のない幻想に過ぎない」と否定した。

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外務在外居住者省のアシュハド・スライビー・ロシア東欧局副局長は、イフバーリーヤ・チャンネル(HP)のインタビューに応じ、15日のアフマド・シャルア暫定大統領とロシアのヴラジーミル・プーチン大統領との会談で、アサド前大統領の身柄引き渡しの問題が明確に提起されたことを明らかにした。

インタビューの中で、スライビー副局長は、ロシア側はシリアにおける移行期正義の実現に対して明確な理解を示したと述べたうえで、シャルア暫定大統領のロシア訪問は、ロシアを含む全ての国々との調整と協力の再構築を確認することを目的としたものであると強調した。

また、シリアが今後、国益に即した外交政策の再構築を進めていく段階にあると指摘、シリアはすべての国々および国際社会との関係を強化するために取り組んでいると付言した。

さらに、新しい政治指導部がロシアとの関係において透明性の原則を採用し、すべての進展を国民に公表する方針であると説明、ダマスカスとモスクワの間で締結されたすべての協定が、シリア国民の最高の利益を保証する形で再構築される予定であると明らかにした。

そのうえで、両国の協議では、指名手配者や未解決案件に関する新たな法的協力の仕組みについても議論、国際社会におけるシリアの立場を支援することが確認された。

スライビー副局長は、シリアが国連、そして安保理においてロシアとの調整を継続しており、これによりシリアの存在感と戦略的利益が強化されていると述べた。

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米主導の有志連合がハサカ県カスラク村の基地に、対空兵器、ミサイル、高性能レーダー・システム、後方支援用機材を搬入(2025年10月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合がイラク・クルディスタン地域から輸送機でカスラク村の基地に、対空兵器、ミサイル、高性能レーダー・システム、後方支援用機材を搬入した。

輸送機には護衛として2機のヘリコプターと1機の戦闘機が同行した。

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前政権に近い実業家のアイマン・ジャービル:ロシアとの間で、沿岸地域、ガーブ平原、ヒムス県西部からのシャルア移行期政権の部隊の撤退とロシア軍の再展開が合意された(2025年10月16日)

前政権に近い実業家のアイマン・ジャービル氏は、フェイスブックを通じて声明を発表した。

声明の内容は以下の通り:

自由なシリア国民の皆さんへ、
誇り高き沿岸の人々へ、
そして揺るぎなきガーブ平原と忠誠深きヒムス農村地帯の人々へ。
我々が長く待ち望んだ時がついに訪れた。
これまで秘密裏に進められていたことが、今や忠義の血と男たちの意志によって現実となった。
我々は今、歴史的な瞬間を迎えている。
沿岸地域、ガーブ平原、ヒムス県西部の門が、新たな「安全・主権・尊厳の夜明け」に向かって開かれようとしている。
私はアッラーと祖国を前に、完全なる責任のもとで、ロシアの指導部と移行期政権の指導部の間で合意が成立したことを確認し、その詳細を以下の通り述べる。

1. 沿岸地域、ガーブ平原、ヒムス県西部農村地帯から全ての武装勢力を撤退させる。土地はその本来の所有者である住民に返還される。
2. 旧アラブ軍の将校および下士官を復職させ、これら地域の安全を守る防波堤・忠実な守護者とする。
3. 治安維持の任務は、地域住民自身に限定する。すなわち、沿岸、バーブ平原、ヒムス県西部農村地帯の名誉ある人々が、自らの家と土地を守る。
4. ロシア軍が以前の拠点(アブ・クバイス村、ヒヤーリーン町、ミスヤーフ市(いずれも(ハマー県))に再展開し、さらにサラミーヤ市郊外(ハマー県)、ヒムス市西部農村地帯、シュアイラート村(いずれもヒムス県))に新たな拠点を設置して、完全な安定を確保する。
5. 拘束者の釈放および刑務所の解放を実施し、国民の和解と再統合への道を開く国家的措置とする。
6. ロシアがこの合意の履行を45日以内に保証する国家として行動し、明確かつ拘束力をもつ行程表に沿ってこれを進める。
7. 合意の完全履行後、ヒムス市および東部農村地帯、シュアイラート航空基地にでも同様の第2段階に移行し、安定を定着させ、日常生活の回復を促す。
8. 撤退命令の不履行を行ういかなる武装勢力も、合意から除外され、ロシア空軍によって断固たる対応を受ける。
9. 前記8項がすべて完了次第、国連安保理決議第2254号の全面的実施段階に移行し、シリア国民が国際的保証の下で、自らの手で未来を築く移行期を迎える。

シリア国民の皆さん、
我々は今、祖国の運命を左右する岐路に立っている。
そこには妥協も分裂も許されない。
今こそ決断の時であり、尊厳と主権を取り戻す時だ。
今日掲げられる旗は新しい旗だ。それは、恐怖の後の安全、屈辱の後の尊厳、混乱の後の祖国を象徴している。
この場を借りて、シリアの安定を支え、シリア国民の意志と統一・主権回復を真摯に支持してくれたロシア、そしてウラジーミル・プーチン大統領に、深い感謝と敬意を表する。
この揺るぎないロシアの立場こそ、両国民の間に築かれた真の友好と協力関係の証である。
我々は、これらの措置を正確かつ責任をもって実行していくことを約束する。
シリアよ、あなたの民によって永遠に栄えよ。
そして、決して尊厳や土地を手放さなかったあなたの息子たちの意志が生き続けますように。
工学博士アイマン・ジャービル

 

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スプートニク・アラビア版によると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とシリアのアフマド・シャルア暫定大統領が、15日のモスクワでの会談中にロシア軍基地の問題を含むあらゆる事項について協議したと発表した。

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イスラエル軍部隊がクナイトラ県のクルーム丘方面へ侵入し、東サムダーニーヤ村とアジュラフ村を結ぶ道路上に一時的な検問所を設置(2025年10月16日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団が17日に発表したところによると、5台の軍用車輛からなるイスラエル軍部隊が夕方、県中部のクルーム丘方面へ侵入し、東サムダーニーヤ村とアジュラフ村を結ぶ道路上に一時的な検問所を設置、通行人を検査、その後撤収した。

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アブー・カスラ国防大臣は、トルコ国防省の防衛・安全保障総局長であるイルカイ・アルティンダーグ大将率いる高官代表団と会談(2025年10月16日)

国防省(フェイスブック)によると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、トルコ国防省の防衛・安全保障総局長であるイルカイ・アルティンダーグ大将率いる高官代表団を迎え、両国の共通の関心事項に関する複数の問題について協議を行った。

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米軍の装甲車輛と無人航空機がシャルア移行期政権の部隊を伴わず単独でヒムス県タドムル市一帯を巡回(2025年10月16日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に駐留する有志連合を主導する米軍の装甲車輛が過去2日間にわたって、無人航空機の護衛を伴い、タドムル市およびその周辺を巡回した。

巡回は米軍単独で行われ、アフマド・シャルア移行期政権の部隊は同行していなかった。

部隊はその後、タンフ国境通行所の基地に撤退したが、米軍は同地域に新たな軍事基地を設置する計画があるとの情報も伝えられている。

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イスラエルの入植者グループが占領下のゴラン高原からシリア領内(クナイトラ県)に越境を試み、イスラエル軍がこれを阻止(2025年10月16日)

シリア人権監視団によると、イスラエルの入植者グループが、占領下のゴラン高原からシリア領内(クナイトラ県)に越境を試み、イスラエル軍がこれを阻止した。

越境を試みたのは、「ルーワード・バシャン」(バシャンの先駆者たち)と呼ばれるグループに所属する3家族で、チェルケス人が住むブライカ村の近くに新しい入植地を建設しようとしていた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊がクナイトラ県中部のルワイヒーナ村に侵入し、検問所を設置して通行人を検査した。

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UNHCRの「自主帰還プログラム」に基づき、シリア難民406人がレバノンから帰国、マフムードリー・キャンプの国内避難民133人が帰宅(2025年10月15日)

SANAによると、ダマスカス郊外県のジュダイダト・ヤーブース国境通行所(レバノン側はマスナア国境通行所)に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)主導による「自主帰還プログラム」に基づき、レバノンから406人のシリア難民が到着した。

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ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力し、ラッカ県にあるマフムードリー・キャンプに収容されている国内避難民(IDPs)を出身地域へ帰還させる「自主帰還プログラム」の第3弾を開始した。

第1弾は8月26日、第2弾は9月16日に行われており、今回は、133人(28世帯)が帰郷を希望、24台のトラックに生活用品を積み、12台のバスに乗ってダイル・ザウル県、ヒムス県、ハマー県、アレッポ県、ダルアー県の故郷へ向かった。

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イスラエル軍部隊がクナイトラ県の東サムダーニーヤ村とウーファーニヤー村に侵入(2025年10月15日)

クナイトラ県では、SANAシリア人権監視団によると、軍用車両8台、戦車2台、重機(ブルドーザー)1台からなるイスラエル軍部隊が、東サムダーニーヤ村方面に向かい、クルーム丘一帯兵士を展開させるとともに、ムシャイリファ村で臨時の検問所を設置、農場の一つに侵入した。

また、別の部隊が、ウーファーニヤー村にも侵入し、2軒の家屋を捜索、その後撤退した。

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シャルア暫定大統領はロシアを初訪問し、プーチン大統領(2025年10月15日)


SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、ロシアの首都モスクワを訪れ、クレムリン宮殿でウラジーミル・プーチン大統領と会談し、二国間関係およびさまざまな分野での戦略的協力の強化について協議した。

シャルア暫定大統領には、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣、フサイン・サラーマ総合情報機関長官、大統領の兄のマーヒル・シャルア大統領府事務総長が同行した。

今回の訪露は、シャルア暫定大統領にとって初めての公式訪問で、これに先立ち、シャイバーニー外務在外居住者大臣が7月にモスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談していた。

また、9月にはアレクサンドル・ノヴァク副首相率いるロシアの上級代表団がシリアを訪れ、シャルア暫定大統領と会談していた。

冒頭、シャルア暫定大統領は、両国を結ぶ歴史的な関係の深さを強調し、シリアは現在、新たな段階にあり、地域および国際社会の国々、とりわけロシアとの政治的・戦略的関係の再構築を目指しているとしたうえで、次の通り述べた。

シリアとロシアは長い歴史的関係にあり、また複数の分野で共通の利益を有する二国間関係を築いている。その中には、シリアのエネルギー分野があり、その一部はロシアの専門知識に大きく依存している。
これまで締結されたすべての協定を尊重しつつ、シリアの独自性と国家主権を保ちながら、この関係の性質を新しい形で再定義しようとしている。
シリアの安全の安定と領土の一体性は、地域および国際的な安定と密接に結びついている。

一方、タス通信によると、プーチン大統領は次の通り述べた。

ロシアとシリアは、何十年にもわたって特別で強固な関係を築いてきた。両国の外交関係は80年以上に及び、最も困難な時期──すなわち1944年のソ連時代──に樹立された。それ以来、両国の関係は常に非常に友好的であった。
ロシアは政治情勢や特殊な利害関係によってシリアとの関係を左右させたことはない。これまでの数十年、我々が拠ってきたのは常にシリア国民の利益である。
現在、ロシアの高等教育機関で学ぶシリアの若者は4,000人を超える。彼らが将来、シリア国家の発展と強化に大きく貢献してくれることを心から期待している。
ロシアとシリアの国民のつながりは非常に深い。結婚や友情で結ばれた人々は数百、あるいは数千人にのぼる。
シリアは困難な時期を迎えているが、最近行われた人民議会選挙は国内の政治勢力間の協力を強化するだろう…。与党勢力の勝利は大きな成果であり、社会統合への重要な一歩だ。

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RIAノーヴォスチ(テレグラム)によると、セルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、ロシア外務省がアフマド・シャルア移行期政権との協力関係を確立するために多大な努力を払ってきたと述べた。

 

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タス通信によると、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は記者会見で次の通り述べた。

ロシアとシリアの二国間議題には、さまざまな分野の協力が含まれている。とりわけ、ロシア軍のシリア領内での駐留問題については、軍事施設の機能再編の可能性を含め、現在も協議が続けられている。
こうした議論や接触は当然ながら非公開で行われている…。本件に関しては国防省が関与しており、両国の軍当局間での対話は継続する。公表可能になれば改めて報告する。

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タス通信によると、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク副首相は、記者団に対して次の通り述べた。

ロシアはシリアの油田開発に再び参加する用意がある…。もちろん、それは協力の一分野だ。ロシア企業は長年、シリア国内の油田で操業してきた。現在、開発を要する油田や、封鎖・放棄された油田、また新規の油田も存在している。我々はこれらのプロジェクトに参加する用意がある。
ロシアとシリアは政府間委員会の会合を開催する予定だ。

RIAノーヴォスチ(テレグラム)によると、ノヴァク副首相はまた次のように述べた:

・シリアはインフラの再建を必要としており、ロシアはその支援を提供できる。
・ロシアとシリアは、近い将来に政府間合同委員会の会合を開催することで合意した。
・シリアへの人道物資供給の問題が、クレムリンでのプーチン大統領とシャルア大統領の会談で議論された。
・ロシアとシリアは観光を含むさまざまな分野での協力を協議し、ダマスカス側はロシア産の小麦や医薬品の供給に関心を示した。
・ロシアはシリア国内の油田での作業を継続する用意がある。

 

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SANAによると、シャルア暫定大統領はまた、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣とともに、モスクワでロシア在住のシリア人コミュニティ代表団と会談した。

会談の中で、シャルア暫定大統領は、在外シリア人が果たす役割の重要性を強調し、彼らが「シリアの真実の姿」を世界に伝える架け橋となるとともに、祖国の再建と発展の歩みにおいて不可欠な貢献者であると述べた。

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