トルコはシリア北東部への侵攻作戦を再び準備(2019年9月21日)

ロイター通信(9月21日付)は、トルコの複数の治安高官筋の話として、トルコ軍がシリア北東部への侵攻作戦への準備をにかわに進めていると伝えた。

同通信社によると、トルコは、シリア国境に近いシャンルウルファ県、マルディン県に医師を派遣し、作戦に備えているという。

また、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は国連総会が開催される米ニューヨークに向かう直前に、記者団に対して「シリアとの国境地帯での準備は完了した。我が国の戦略的パートナーである米政府と我々はともにNATO加盟国で、我々には米国と対立するつもりはない」と述べた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアフリーン市内で、国防軍の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、ダマスカス郊外県東グータ地方出身の少年1人が巻き添えとなり死亡(2019年9月21日)

アレッポ県では、グータ・メディア・センター(9月22日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市内のジンディールス通りで、国防軍の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、ダマスカス郊外県東グータ地方出身の少年1人が巻き添えとなり死亡した。

一方、ANHA(9月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市およびその一帯(シャッラー村一帯)を砲撃した。

**

ダイル・ザウル県では、ジュルフ・ニュース(9月21日付)によると、スワイダーン・ジャズィーラ村で何者かが人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を襲撃、2人を殺害した。

**

ハーブール(9月21日付)は、シリア民主軍を主導する人民防衛隊(YPG)が最近になって、カーミシュリー市西のハーティミーヤ村の農地を接収、アラブ系住民に対して同地からただちに立ち退くよう要請していると伝えた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Ghuta Media Center, September 22, 2019、Jurf News, September 21, 2019、al-Khabur, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイスラエル国境近くでドローンを撃墜・捕獲、イスラエルはイラン・イスラーム革命防衛隊のドローンだと主張(2019年9月21日)

SANA(9月21日付)は、複数の関係当局からの情報として、シリア軍がクナイトラ県北部のシャイフ山(ヘルモン山)上空で無人航空機(ドローン)を撃墜・捕獲したと伝え、その写真を公開した。

イスラエル軍のものと思われるこのドローンは、シャイフ山麓のダマスカス郊外県アルナ村上空を東に向かって飛行しており、クラスター弾を装備、また機体には高性能爆弾が取りつけられ、解体しようとすると爆発するようになっていたという。

**

これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、シリア軍が撃墜・捕獲したとするドローンが、イスラエル軍ではなく、イラン・イスラーム革命防衛隊のものだと主張した。

アドライ報道官は「左手のしていることを右手が知らないというのはまともなことか?! 我々は今日、ガーセム・ソレイマーニーがシリアで好き放題し、それをアサド政権がもちろん知らないことの証拠を目にした」「ヘルモン山で撃墜したとシリア人が主張するドローンは突如としてこの地域に現れた。そこでは1ヶ月ほど前に、レバノン人を含むゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニーのメンバーがドローンで破壊作戦を実行し、失敗した場所だ」「これはイスラエル軍のドローンではない」などと綴った。

**

一方、スプートニク・ニュース(9月21日付)は、ロシア軍の航空機少なくとも2機が19日晩に、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地を離陸、イスラエル軍によるシリア領内への爆撃を阻止、またこの直後にシリア領空を侵犯したイスラエル(軍所属と思われる)無人航空機が撃墜されたと伝えた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、Sputnik News, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから403人、ヨルダンから905人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月21日付)を公開し、9月20日に難民1,308人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは403人(うち女性121人、子供205人)、ヨルダンから帰国したのは905人(うち女性272人、子供462人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は408,396人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者128,789人(うち女性39,013人、子ども65,983人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者279,607人(うち女性83,919人、子ども142,588人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 637,676人(うち女性191,590人、子供325,493人)となった。

**

一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1人(うち女性0人、子供0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,689人(うち女性11,061人、子供16,263人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,278人(うち女性393,620人、子供660,029人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 21, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米国はイドリブ県で活動するシャーム解放機構を攻撃するようトルコに呼びかけている」(2019年9月20日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は米日刊紙『ディフェンス・ポスト』(9月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで米国が、イドリブ県でトルコとシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構を交戦させようとしていると述べた。


ジェフリー特使は「シリア北西部のいわゆる「過激派」を根絶しなければならず、イドリブ県で活動するシャーム解放機構を攻撃するようトルコに呼びかけている」と述べた。

一方、「アサド政権とロシアは、イドリブ県にテロリストがいることを口実に、反体制派支配地域を奪還する軍事攻撃を行っているが、これにより民間人300万人以上の命が危険に晒されている」と述べた。

また、北・東シリア自治局の処遇については「米国はシリア政府とその同盟者の侵攻を阻止してきた。今後もこれを続ける」と述べた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、The Defense Post, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍がダイル・ザウル県で空挺作戦を敢行、4人を殺害、多数を拘束・連行(2019年9月20日)

ダイル・ザウル県では、SANA(9月20日付)、ダイル・ザウル24(9月20日付)などによると、米軍ヘリコプター5機がズィーバーン町で空挺作戦を敢行し、住民4人を殺害、多数を拘束・連行した。

空挺作戦には、米軍のF-16戦闘機1機、偵察機1機、装甲車輌10台、さらに人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の部隊数十人が参加、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが潜伏していると思われる国内避難民(IDPs)の住居1件を急襲したという。

**

ハサカ県では、ANHA(9月20日付)によると、ラアス・アイン市の国境地帯で、米・トルコ両軍のヘリコプターが合同偵察活動を実施した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、Dayr al-Zawr 24, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するタッル・リフアト市を砲撃(2019年9月20日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコ占領下のシャッラー村近郊のマリーミーン村近く、マーリア市近郊、アフリーン市で反体制武装集団の拠点を攻撃し、少なくとも8人の戦闘員を殺害したと発表した。

一方、ANHA(9月20日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するタッル・リフアト市にトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから396人、ヨルダンから692人の難民が帰国、避難民8人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月20日付)を公開し、9月19日に難民1,088人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは396人(うち女性118人、子供202人)、ヨルダンから帰国したのは692人(うち女性208人、子供353人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は407,088人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者128,386人(うち女性38,892人、子ども65,778人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者278,702人(うち女性83,647人、子ども142,126人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 636,368人(うち女性191,197人、子供324,826人)となった。

**

一方、国内避難民8人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは8人(うち女性1人、子供1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した8人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,688人(うち女性11,061人、子供16,263人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,277人(うち女性393,620人、子供660,029人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 20, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

『インディペンデント・アラビーヤ』:サウジ筋はシリア領内での「イランの民兵」に対する爆撃への参加を否定(2019年9月19日)

英日刊紙『インディペンデント』のアラビア語版にあたる『インディペンデント・アラビーヤ』(9月19日付)は、サウジアラビア軍の戦闘機複数機が、シリア領内での「イランの民兵」に対する航空作戦に参加したと報道に関して、サウジアラビアの複数の情報筋がこれを否定したと伝えた。

シリア北部でのシリア・ロシア軍による軍事攻撃が激化した場合に、同地の民間人数百万人の状況がさらに悪化するとして、9月21日(土曜日)から即時戦闘停止することを求めた。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アフリーン解放軍団は、トルコ占領下のアレッポ県北部で反体制派戦闘員6人を殺害したと発表(2019年9月19日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコ占領下のバーブ市近郊のトゥワイス村、シャッラー村近郊のジャマー村・ウームラー村間で17日、ワッカース旅団、スルターン・ムラード師団を重火器・中火器、爆弾で攻撃し、戦闘員6人を殺害したと発表した。

ANHA(9月19日付)が伝えた。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合が無人航空機でダイル・ザウル県を爆撃し2人殺害(2019年9月19日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(9月19日付)によると、米主導の有志連合が無人航空機で県東部のザッル村を爆撃し、2人を殺害した。

2人の身元は不明。

死亡した2人はオートバイに乗って、ザッル村に向かっていたところを爆撃されたという。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Euphrates Post, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外に無人航空機1機が飛来、シリア軍がこれを撃墜(2019年9月19日)

ダマスカス郊外県では、SANA(9月19日付)によると、19日晩に県南部のアクラバー町上空に「敵の標的」が飛来、シリア軍防空部隊がこれを撃墜、「敵の標的」が無人航空機(ドローン)(1機)であることを確認した。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連安保理でイドリブ県での停戦と「テロとの戦い」継続を求める二つの決議が相次いで否決(2019年9月19日)

国連安保理では、シリア情勢への対応について協議するための会合が開かれ、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県を中心とする北西部の状況をめぐって、ドイツ、ベルギー、クウェートが停戦を求める決議を、ロシア、中国が「テロとの戦い」継続を求める決議を提出、いずれも否決された。

ドイツ、ベルギー、クウェートが提出した決議案は、イドリブ県での人道状況のさらなる悪化を回避するため、9月21日(土曜日)から「人道停戦」の実施を求めるもの。

これに対して、ロシアも、中国の決議案は、同地での停戦において、テロ組織とつながりのある個人、グループ、組織に対する軍事行動を停戦から除外することを定めたもの。

採決に先立って、ユーソラ・ミューラー国連人道問題担当次官補は、ロシアとシリア政府が8月31日に発効した一方的停戦によって、シリア北西部で激しい戦闘は収まったとと一定の評価を下しつつも、同地での人道状況は依然として深刻なものだと強調、戦闘が続けばさらなる状況悪化は必死だと警鐘を鳴らした。

ミューラー氏によると、トルコを経由してドリブ県に対して行われている人道支援は、160万人の人々の手に届いているとしつつも、5月以降の戦闘で40万人が避難を余儀なくされ、国境地帯に追いやられていると指摘した。

9月初めには約60万人が国内避難民(IDPs)としてキャンプなどに身を寄せているという。

そのうえで、彼らを保護するために6800万米ドルが必要となっていると訴えた。

**

採決では、米国、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、クウェート、コートジボワール、ペルー、ポーランド、ドミニク共和国、南アフリカ、インドネシアの12カ国がドイツ、ベルギー、クウェートの決議案に賛成したが、ロシアと中国が拒否権を発動、また赤道ギニアが棄権し、否決された。

また、ロシア、中国の決議案も、9カ国が反対、4カ国が棄権し、同じく否決された。

**

ロシアのワシーリー・ネヴェンジャ国連大使は、ドイツ、ベルギー、クウェートの決議案に関して、イドリブ県での民間人を含む犠牲の責任だけでなく、テロリストが最終敗北から逃れることの責任をロシアに帰せようとするものだと非難した。

また、バッシャール・ジャアファリー国連代表は、拒否権を発動したロシアと中国に対して、「国際法の諸原則、国連憲章の諸決定を遵守する」行為だと謝意を示した。

また、常任理事国を務める西側諸国が、いわゆる「署名運動」などと称して、「戦闘行為停止」を口実に偏った決議案を作成し、テロリストを救い出そうとしていると非難した。

とりわけ、決議案を提出したドイツに関しては、シリアとイラクで活動しているドイツ人テロリストが500人に達し、うち360人が今もテロ組織のメンバーとして活動を続けていると指弾した。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

『インディペンデント・アラビーヤ』:サウジアラビア軍はフーシー派によるアラムコ攻撃直後、イスラエルとともにシリア領内のイラン・イスラーム革命防衛隊施設に対する爆撃に参加?!(2019年9月18日)

英日刊紙『インディペンデント』のアラビア語版にあたる『インディペンデント・アラビーヤ』(9月18日付)は、西側消息筋の話として、サウジアラビア軍の戦闘機複数機が、シリア領内での「イランの民兵」に対する航空作戦に参加していたと伝えた。

サウジアラビア軍が参加したと思われるのは、『ハアレツ紙』などが報じた17日の所属不明の戦闘機によるダイル・ザウル県南東部への爆撃で、イスラエルによるものと見られている。

同消息筋によると、サウジアラビア軍の航空機複数機は、複数の戦闘機(所属は明らかにせず)とともに、ダイル・ザウル県ブーカマール市やイラク国境地帯にあるイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団など「イランの民兵」の施設や拠点に対して爆撃を行ったことが確認されたという。

サウジアラビア軍戦闘機は、武器弾薬庫複数棟、ミサイル発射台複数機、無人航空機(ドローン)発射基地1カ所を攻撃したという。

攻撃は、イエメンのアンサール・アッラー(いわゆるフーシー派)がサウジアラビアのアブカイクおよびクライスにある国営石油会社アラムコの施設にドローンなどで攻撃を加える(9月14日)直後に敢行され、イランはこの時、サウジアラビアに対する2度目の攻撃を計画していたのだという。

なお、18日は、所属不明のヘリコプター複数機がブーカマール市上空に飛来した。

サウジアラビア軍も参加した爆撃の被害状況を調査、撮影するのが目的だと思われるという。

AFP, September 18, 2019、ANHA, September 18, 2019、AP, September 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 18, 2019、Independent Arabia, September 18, 2019、Reuters, September 18, 2019、SANA, September 18, 2019、SOHR, September 18, 2019、UPI, September 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃、トルコ占領下のアアザーズ市近郊で爆発が起き子供1人死亡(2019年9月18日)

アレッポ県では、ANHA(9月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊の村々(アフリーン郡シャッラー村一帯)を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(9月18日付)によると、トルコ占領下のアアザーズ市近郊のナッダ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子供1人が死亡、住民1人が負傷した。

AFP, September 18, 2019、ANHA, September 18, 2019、AP, September 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 18, 2019、Reuters, September 18, 2019、SANA, September 18, 2019、SOHR, September 18, 2019、UPI, September 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから477人、ヨルダンから732人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年9月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月18日付)を公開し、9月17日に難民1,209人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは477人(うち女性143人、子供243人)、ヨルダンから帰国したのは732人(うち女性220人、子供373人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は404,634人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者127,572人(うち女性38,649人、子ども65,363人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者277,062人(うち女性83,155人、子ども141,290人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 633,914人(うち女性190,462人、子供323,575人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 18, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはダイル・ザウル県で「イランの民兵」を捕捉(2019年9月17日)

ダイル・ザウル県では、ジスル(9月17日付)は現地特派員からの情報だとして、ダーイシュ(イスラーム国)が県南東部のアシャーラ市郊外の砂漠(アシャーラ砂漠)にあるイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点複数カ所に潜入、隊員3人を捕捉したと伝えた。

ダーイシュが捕捉した3人のうち1人は、ムーハサン市出身のシリア人でアブドゥッラフマーン・スワイニーを名乗る人物。

同サイトによると、ダーイシュはまた、パキスタン人民兵組織のザイナビーユーン旅団の戦闘員3人を15日(日曜日)にブーカマール市の工業地区で捕捉しているという。

AFP, September 17, 2019、ANHA, September 17, 2019、AP, September 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 17, 2019、Jisr Press, September 17, 2019、Reuters, September 17, 2019、SANA, September 17, 2019、SOHR, September 17, 2019、UPI, September 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ諜報機関がアフリーン市(アレッポ県)でYPGに対する「テロとの戦い」の一環として特殊作戦を敢行し、9人を拘束(2019年9月17日)

アレッポ県では、アナトリア通信(9月17日付)によると、トルコの諜報機関(国家諜報機構(MİT))が、アフリーン郡の地元の治安部隊とともに、「テロ」細胞を解体するための特殊作戦を敢行した。

特殊作戦は、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)が主導する人民防衛隊(YPG)に対する「テロとの戦い」の一環。

ハタイ県の複数の消息筋によると、この作戦により、アフリーン市での爆破テロ未遂に関与したと思われる9人が拘束されたという。

AFP, September 17, 2019、Anadolu Ajansı, September 17, 2019、ANHA, September 17, 2019、AP, September 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 17, 2019、Reuters, September 17, 2019、SANA, September 17, 2019、SOHR, September 17, 2019、UPI, September 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県で「イランの民兵」が所属不明の航空機の爆撃を受け、10人死亡(2019年9月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表がAFP(9月17日付)に明らかにしっところによると、県東部にあるイラン・イスラーム革命防衛隊とその支援を受ける勢力の拠点3カ所が爆撃を受けた。

爆撃を行った勢力の所属は不明。

この爆撃で親イランの戦闘員10人が死亡したという。

イスラエル日刊紙『ハアレツ』(9月17日付)も、所属不明の戦闘機複数機がダイル・ザウル県東部の「イランの民兵」の軍事拠点複数カ所を爆撃したと伝えた。

同紙によると「イランが支援する民兵が月曜(17日夜)、イラク・シリア国境で爆撃を受けた。損害、そして爆撃を行った当事者も不明」だという。

**

ダイル・ザウル24(9月17日付)もまた、ブーカマール市一帯とシリア・イラク国境地帯にあるイラン・イスラーム革命防衛隊とイラク人民動員隊の拠点複数カ所が、所属不明の航空機複数機の夜間爆撃を受けた、と伝えた。

AFP, September 17, 2019、ANHA, September 17, 2019、AP, September 17, 2019、Dayr al-Zawr 24, September 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 17, 2019、Haaretz, September 17, 2019、Reuters, September 17, 2019、SANA, September 17, 2019、SOHR, September 17, 2019、UPI, September 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから382人、ヨルダンから1,049人の難民が帰国、避難民9人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月17日付)を公開し、9月16日に難民1,431人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは382人(うち女性115人、子供195人)、ヨルダンから帰国したのは1,049人(うち女性315人、子供535人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は403,425人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者127,095人(うち女性38,506人、子ども65,120人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者276,330人(うち女性82,935人、子ども140,917人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 632,705人(うち女性190,099人、子供322,959人)となった。

**

一方、国内避難民9人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは9人(うち女性1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した9人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,416人(うち女性10,955人、子供16,239人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,012人(うち女性393,514人、子供660,005人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 17, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国のバグダーディー指導者が音声声明を出し「イスラーム国はまだ存在し続けている」と鼓舞(2019年9月16日)

イスラーム国のアブー・バクル・バグダーディー指導者によると思われる音声声明が、同組織の広報部門の一つフルカーン広報制作機構を通じて配信された。

コーランの第9章(改悛の章)第105節の一節から引用して「言ってやるがいい、「行え」と」と題された30分に及ぶ音声声明のなかで、バグダーディー氏と思われる男性は、以下の通り述べた。

「イスラーム国が建設した国家は、まだ存在し続けており、結成から5年を経てもなおその目的を実現しようとしている」。

「イスラーム国は今この瞬間も、隊列に加わりたいというメンバーやバイア(忠誠)を誓う者たちを受け入れている。彼らは敵と戦い続けるだろう」。

「マリ、ニジェール、イエメン、チュニジア、リビア、アジア諸地域における米軍部隊とその同盟者どもは、イラク、アフガニスタン、シリアが辿ったのと同じ運命を辿るだろう」。

「民間人に不義を行っていた者でも…、悔い改め、組織への忠誠を誓った者たちの改悛は受け入れてやろう」。

「イスラーム教徒たちを暴君の牢獄から解放しよう…。牢獄、牢獄なのだ、カリフ制の兵士たちよ」。

「あなたがたの兄弟姉妹は、真剣に自らを救い出そうと、そしてまた自らを閉じ込めている壁を打ち破ろうとしてきた…。だが、捜査官や捜査判事を称する殺戮者ども、そして彼らに危害を与える者たちによって自由を奪われてきた」。

「強制収容所と屈辱に満ちた牢獄につながれたイスラーム教徒、そしてその女性たちがどのように良い暮らしができるというのだ」。

「アッラーはあなたがた同胞を忘れなかったし、これからも忘れない。復讐するがよい」。

「行動に訴えよ…。負担はより重いものとなろう」。

**

この音声声明に関して、CNN(9月17日付)は、米国防総省高官の話として、バグダーディー氏本人の肉声だとしたうえで、米政府はこれに関してコメントしていないと伝えた。

AFP, September 17, 2019、ANHA, September 17, 2019、AP, September 17, 2019、CNN, September 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 17, 2019、Reuters, September 17, 2019、SANA, September 17, 2019、SOHR, September 17, 2019、UPI, September 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル24:米・ロシア両軍の会合でシリア政府支配下のユーフラテス川東岸からのシリア軍撤退が合意か?!(2019年9月16日)

ダイル・ザウル24(9月16日付)は、米軍とロシア軍の司令官が会合を開き、シリア政府支配下にあるユーフラテス川東岸のハトラ村、サーリヒーヤ村(サーリヒーヤト・ジャズィーラ村)、マズルーム村、ムッラート村、フシャーム町、タービヤト・ジャズィーラ村を米主導の有志連合に引き渡すための協議が行われたと伝えた。

会合が行われた場所は明らかにされていないが、同サイトによると、この会合ではこれらの地域を人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と有志連合に引き渡すことが合意されたという。

シリア政府とロシアはこの割譲について合意済みだが、政府を支持する「民兵」はこれらの地域から撤退することを断固拒否しているという。

撤退を拒否しているのは、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受けるイマーム・ムハンマド・バーキル旅団のファーディー・アフィース司令官、レバノンのヒズブッラーの民兵を率いるターリク・ヤースィーン・マイユーフ司令官ら。

AFP, September 16, 2019、ANHA, September 16, 2019、AP, September 16, 2019、Dayr al-Zawr 24, September 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 16, 2019、Reuters, September 16, 2019、SANA, September 16, 2019、SOHR, September 16, 2019、UPI, September 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・イラン・トルコ首脳会談はシリアの統一、主権、独立、領土保全、「テロとの戦い」、分離主義的アジェンダの拒否、人道支援、難民帰還支援を確認するだけで具体的進展なし(2019年9月16日)

ロシアのヴィラジミール・プーチン大統領、イランのハサン・ロウハーニー大統領、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がトルコの首都アンカラで会談し、シリア情勢への対応について協議した。

会談終了時に発表された閉幕声明において、三カ国の首脳は、シリアの統一、主権、独立、領土保全、「テロとの戦い」、分離主義的アジェンダの拒否を確認した。

また、イスラエルによるゴラン高原併合を拒否した国連安保理決議第497号、シリア危機の平和的解決と「テロとの戦い」を定めた国連安保理決議第2254号を含む国連諸決議の尊重、そこからの逸脱の拒否を確認した。

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北西部、ラタキア県北東部、アレッポ県西部の反体制派支配地域(緊張緩和地帯)の処遇については、シャーム解放機構の勢力拡大への懸念、ダーイシュ(イスラーム国)を含むアル=カーイダ系組織撲滅に向けた協力継続を確認しつつ、2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳合意での非武装地帯設置にかかる合意実施の必要を強調した。

2018年1月のソチでのシリア国民対話大会で設置が決定された制憲委員会については、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表による設置に向けた取り組みを支援し、委員会活動開始に貢献する意思を表明した。

そのうえで、国連、国際機関に対して、復興プロジェクトの実施やインフラ復旧を通じたシリアへの人道支援、難民帰還支援を改めて呼びかけた。

**

会談後の共同記者会見で、プーチン大統領は緊張緩和地帯第1ゾーンのほとんどが、シャーム解放機構によって掌握されていると指摘、引き続きシリア軍の「テロとの戦い」を支援すると強調した。

また、北東部の北・東シリア自治局支配地域やヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)への米軍の駐留を違法と非難するとともに、その内政干渉を危険だと指摘、シリア人自身に危機を解決する余地を与え、米軍が中流する北東部をシリア政府の支配下に復帰させるよう強調した。

**

ロウハーニー大統領は、米軍をはじめとする外国軍の駐留がシリアの主権を侵害し、国土統一を阻害する違法なものだと批判するとともに、ロシア、イランとともに、シャーム解放機構などのテロ組織を根絶するための戦いを継続すると強調した。

AFP, September 16, 2019、ANHA, September 16, 2019、AP, September 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 16, 2019、Reuters, September 16, 2019、SANA, September 16, 2019、SOHR, September 16, 2019、UPI, September 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける反体制派はアレッポ県北部を砲撃、YPGと交戦(2019年9月16日)

アレッポ県では、ANHA(9月16日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がシーラーワー町近郊のアキーバ村を砲撃した。


また、ドゥラル・シャーミーヤ(9月16日付)によると、トルコの支援を受ける国民軍が、マーリア市近郊に潜入しようとした人民防衛隊(YPG)を撃破し、戦闘員多数を殺傷した。

AFP, September 16, 2019、ANHA, September 16, 2019、AP, September 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 16, 2019、Reuters, September 16, 2019、SANA, September 16, 2019、SOHR, September 16, 2019、UPI, September 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はトルコ軍部隊が留め置かれているイドリブ県マアッル・ハッタート村を砲撃(2019年9月16日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから16日目(爆撃を激化させてから137日目)を迎えた9月16日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日と同じ4,142人だった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,406人、反体制武装集団戦闘員1,672人。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマルアンド村、バルナース村およびその一帯、クファイル村、トゥラムラー村、ウンム・スィール村、マアッルハッタート村、シャイフ・ダーミス村、カフルサジュナ村一帯、ハッサーナ村、マアッラト・スィーン村、マアッラト・ハルマ村を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯、フドル丘一帯を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がサルマーニーヤ村、シャフシャブー山(イドリブ県)山麓地帯を砲撃した。

シリア軍はまた、トルコ軍部隊が留め置かれているマアッル・ハッタート村(マアッラト・ヌウマーン市南)を砲撃した。

この部隊は、ハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所(第9監視所)に支援物資を届けるはずだったが、シリア軍により進行を阻止されている。

**

クナイトラ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月16日付)によると、ハーン・アルナバ市の国防隊が隣接するジュバーター・ハシャブ村の村長(ムフタール)を殴打したのをきっかけに、シリア政府との和解に応じた元反体制派と撃ち合いになった。

国防隊は、その司令官がジュバーター・ハシャブ村で攻撃を受けたとして村長を殴打したという。

死傷者はなかった。

AFP, September 16, 2019、ANHA, September 16, 2019、AP, September 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 16, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 16, 2019、Reuters, September 16, 2019、SANA, September 16, 2019、SOHR, September 16, 2019、UPI, September 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:イドリブ県アブー・ズフール町の回廊を通じて54人がシリア政府支配地域に帰還(2019年9月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月16日付)を公開し、9月15日に難民1,421人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは354人(うち女性107人、子供180人)、ヨルダンから帰国したのは1,067人(うち女性320人、子供544人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は401,994人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者126,713人(うち女性38,291人、子ども64,925人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者275,281人(うち女性82,620人、子ども140,382人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 631,274人(うち女性187,669人、子供322,229人)となった。

**

一方、国内避難民59人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは54人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した5人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,407人(うち女性10,954人、子供16,239人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,003人(うち女性393,513人、子供660,005人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 16, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使はシリアを訪問しアサド大統領と会談(2019年9月15日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、シリアを訪問し、首都ダマスカスでアサド大統領と会談した。

ラヴレンチエフ特使のシリア訪問は、16日にトルコの首都アンカラで開催されるロシア・イラン・トルコ首脳会談に向けたもの。

SANA(9月15日付)によると、会談では、ラヴレンチエフ特使がアサド大統領に、三カ国首脳会談の議事概要を説明した。

ラヴレンチエフ大統領特使には、セルゲイ・ヴェルシニン外務副大臣がが同行した。

AFP, September 15, 2019、ANHA, September 15, 2019、AP, September 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2019、Reuters, September 15, 2019、SANA, September 15, 2019、SOHR, September 15, 2019、UPI, September 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍車輌150台がイラクからYPG主体のシリア民主軍への武器・兵站物資を搬入(2019年9月15日)

ハサカ県では、SANA(9月15日付)によると、米軍の車輌約150台が、イラク国境に位置するスィーマルカー国境通行所を経由しシリア領内に進入、北・東シリア自治区とシリア政府の共同支配下にあるカーミシュリー市に入った。

車輌は人民防衛部隊(YPG)主体のシリア民主軍への武器・兵站物資を輸送しているものと思われる。

AFP, September 15, 2019、ANHA, September 15, 2019、AP, September 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2019、Reuters, September 15, 2019、SANA, September 15, 2019、SOHR, September 15, 2019、UPI, September 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシリア軍と反体制派の散発的戦闘続く(2019年9月15日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから15日目(爆撃を激化させてから136日目)を迎えた9月15日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より2人(民間人2人(うち女性1人、子供0人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員1人)増えて4,142人となった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,406人、反体制武装集団戦闘員1,672人。

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市、タッル・マンス村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、ハーッス村、カフルルーマー村を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

**

スワイダー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月15日付)によると、スワイダー市にあるバアス党支部が何者かの発砲を受けた。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県12件、アレッポ県19件、ラタキア県8件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県6件、アレッポ県5件、ラタキア県4件、ハマー県2件)確認した。

AFP, September 15, 2019、ANHA, September 15, 2019、AP, September 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 15, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 15, 2019、Reuters, September 15, 2019、SANA, September 15, 2019、SOHR, September 15, 2019、UPI, September 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから421人、ヨルダンから903人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月15日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月15日付)を公開し、9月14日に難民1,324人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは421人(うち女性126人、子供215人)、ヨルダンから帰国したのは903人(うち女性271人、子供461人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は400,573人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者126,359人(うち女性38,284人、子ども64,745人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者274,214人(うち女性82,300人、子ども139,838人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 629,853人(うち女性188,242人、子供321,505人)となった。

**

一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,348人(うち女性10,937人、子供16,214人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,944人(うち女性393,496人、子供659,980人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 15, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.