レバノン東部のシリア国境近くにあるPFLP-GCの拠点が無人航空機の攻撃を受ける(2019年8月26日)

NNA(8月26日付)は、26日の未明、ベカーア県中部で3回にわたり爆発が発生したと伝えた。

1度目の爆発は1:11、2度目は1:25、3度目は1:35に発生し、ベカーア県内のクーサーヤー村の住民によると、無人地帯で爆発音が複数回聞こえ、その後対空砲が発射されたという。

クーサーヤー村はシリア国境から約3キロの距離に位置し、パレスチナ解放人民戦線総司令部派(PFLP-GC)が拠点を置いている。

PFLP-GCのクーサーヤー村の幹部によると、爆発は無人航空機(ドローン)がPFLP-GCの拠点を3発の小型ミサイルで攻撃したことによるもので、PFLP-GCは対空砲で段幕を張り、応戦したという。

ドローンの所属は不明だが、イスラエル軍による攻撃だと思われる。

なお、この攻撃の数時間前、イスラエル軍と思われるドローン2機が レバノンの首都ベイルート南部のダーヒヤ地区に飛来、1機が爆発し、ヒズブッラーのメディア・センターに被害が出た。

AFP, August 26, 2019、ANHA, August 26, 2019、AP, August 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2019、NNA, August 26, 2019、Reuters, August 26, 2019、SANA, August 26, 2019、SOHR, August 26, 2019、UPI, August 26, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍報道官:24日のダマスカス郊外県アクラバー町へのミサイル攻撃は、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団によるドローンでの攻撃を防ぐために行われた(2019年8月25日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官は、24日のイスラエル軍戦闘機によるダマスカス郊外県アクラバー町一帯へのミサイル攻撃に関して、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)を通じて、無人航空機(ドローン)開発発着センターを含むイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団の拠点複数カ所を攻撃したと発表したうえで、攻撃の詳細を明らかにした。


アドライ報道官のツイートの概要は以下の通り:

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イスラエル軍は先週、ゴドス軍団が武装した無人航空機(ドローン)を使用してイスラエル国内の複数の標的に対する破壊工作を実施しようとしているのを確認した。ドローンは自爆型、ないしは爆発物搭載型が使用されると見られた。

この破壊工作を行うために選ばれたのは、シーア派民兵のメンバーで、ゴドス軍団とガーセム・ソレイマーニー司令官がシリアに送り込んだ「テロ要員」が教練にあたった。

このテロ細胞の装備が先週、イランの要員とともにダマスカス国際空港に到着し、任務遂行に選ばれたメンバーらと首都ダマスカス南のアクラバー町(ダマスカス郊外県)にあるゴドス軍団の特別施設で合流した。

イラン人とシーア派民兵からなるこの破壊工作グループが先週木曜日(22日)、ゴラン高原に近いアルナ村(ダマスカス郊外県)で目撃された。彼らは作戦を遂行しようとしており、ドローン複数機を持っているしていることが確認された。だが、彼らの試みは妨害され、作戦は実行されずに終わった。

昨晩、このグループが数時間以内にシリア領内からイスラエル国内の標的に向かって作戦を再び実効するとの結論にいたり、彼らがいるアクラバー町の拠点を攻撃することが決定された。

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また、アドライ(Avichay Adraee)報道官は先週木曜日(22日)に作戦を行おうとしていたとする画像を公開した。

AFP, August 25, 2019、ANHA, August 25, 2019、AP, August 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2019、Reuters, August 25, 2019、SANA, August 25, 2019、SOHR, August 25, 2019、UPI, August 25, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける反体制派がシーラーワー町(アレッポ県)を砲撃(2019年8月25日)

アレッポ県では、ANHA(8月25日付)によると、トルコ軍偵察機がアフリーン郡シーラーワー町に飛来した直後、トルコ占領下のキーマール村から反体制武装集団が同地に対して砲撃が行われた。

AFP, August 25, 2019、ANHA, August 25, 2019、AP, August 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2019、Reuters, August 25, 2019、SANA, August 25, 2019、SOHR, August 25, 2019、UPI, August 25, 2019などをもとに作成。

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イスラエル人ジャーナリストは24日のイスラエル軍戦闘機によるシリアへのミサイル攻撃の映像だとして2018年の映像を拡散。SANAは作戦が失敗したことの証左だと伝える(2019年8月25日)

レバノンのMBS(8月25日付)は、24日にイスラエル軍爆撃機がダマスカス郊外県アクラバー町一帯に対して行ったミサイル攻撃に関して、イスラエル人ジャーナリストのシモン・アランがツイッターのアカウント(https://twitter.com/simonarann/)に「シリアから今配信されたビデオ」として公開した映像が、昨年の爆撃の映像だと伝えた。

https://twitter.com/simonarann/status/1165371954498588674

 

2018年8月の映像

https://www.facebook.com/100004579598508/videos/1036890249806952/

SANA(8月25日付)は、こうしたフェイクは攻撃が失敗に終わったことの証左だと伝えた。

AFP, August 25, 2019、ANHA, August 25, 2019、AP, August 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2019、MBS, August 25, 2019、Reuters, August 25, 2019、SANA, August 25, 2019、SOHR, August 25, 2019、UPI, August 25, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県を爆撃し民間人8人が死亡、シリア軍と反体制派の戦闘で兵士・戦闘員59人死亡(2019年8月25日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから116日目を迎えた8月25日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は85回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」65発を投下、ロシア軍も50回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は900発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より67人(民間人8人(うち女性2人、子供1人)、シリア軍兵士28人、反体制武装集団戦闘員31人)増えて3,855人となった。

うち、991人が民間人(女性176人、子供245人を含む)、1,322人がシリア軍兵士、1,542人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジャルジャナーズ町、カフルサジュナ村、タマーニア町、タフターヤー村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、タッル・マンス村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、ヒーシュ村、ハルバ村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、マアッルシューリーン村、スフーフン村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでジャルジャナーズ町、カフルサジュナ町、タマーニア町、タフターヤー村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、タッル・マンス村、トゥラムラー村、スフーフン村、カフル・ウワイド村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部および南東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタフターヤー村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、タッル・マンス村、フィキーア村、マアッラト・スィーン村、ハザーリーン村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月25日付)によると、タッル・マンス村に対するシリア軍の爆撃で、民間人5人が、マアッラト・ヌウマーン市近郊(ハーッス村)に対する爆撃で1人が死亡した。

一方、SANA(8月25日付)によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市、タッフ村、タッル・マンス村、マアッルシューリーン村、ジャルジャナーズ町、ダイル・シャルキー村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、SANA(8月25日付)によると、反体制武装集団が県北部のラスィーフ村を砲撃し、女性1人が死亡、1人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

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ダルアー県では、HFL(8月25日付)によると、ムザイリーブ町でアフマド・アブドゥッラー・ナーブルスィー町議会議長が何者かの銃撃を受け、即死した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(アレッポ県12件、ラタキア県15件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(ヒムス県3件、ハマー県3件、ラタキア県2件)確認した。

AFP, August 25, 2019、ANHA, August 25, 2019、AP, August 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2019、HFL, August 25, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 25, 2019、Reuters, August 25, 2019、SANA, August 25, 2019、SOHR, August 25, 2019、UPI, August 25, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから409人、ヨルダンから996人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年8月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月25日付)を公開し、8月24日に難民1,405人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは409人(うち女性123人、子供209人)、ヨルダンから帰国したのは996人(うち女性299人、子供508人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は369,903人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者117,284人(うち女性35,342人、子ども59,741人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者252,619人(うち女性75,819人、子ども128,824人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 599,183人(うち女性179,819人、子供305,487人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 25, 2019をもとに作成。

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トルコのアカル国防大臣は米国とトルコ軍がシリア北東部の「安全地帯」で発の航空偵察を実施したと発表(2019年8月24日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、トルコ軍と米軍がシリア北東部の「安全地帯」で発の航空偵察を実施したと発表した。

アカル国防大臣は「トルコ軍ヘリコプターと米軍による発の合同偵察が本日、シリア北部の安全地帯開始された…。活動は全力で行われており、第一段階にかかる措置の実施が現場で開始された…。トルコ軍はテロリストの拠点や人事の破壊を開始した」と述べた。

これに関して、アレッポ・メディア・センター(8月24日付)はフェイスブックを通じて、偵察活動をするトルコ軍ヘリコプターの映像を公開した。

https://www.facebook.com/AleppoAMC/videos/347583856149020/

TRT(8月24日付)が伝えた。

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、TRT, August 24, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市近郊で足止めを食っているトルコ軍の車列をトルコ軍・政府高官が訪問(2019年8月24日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線を主導するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団の広報サイトであるムハッラル・ネット(8月24日付)は、シリア軍による19日の爆撃でイドリブ県マアッラト・ヌウマーン市近郊のマアッル・ハッタート村に足止めを食っているトルコ軍の車列を、トルコ軍・政府高官が訪問したでと伝え、その写真を伝えた。

https://www.facebook.com/almohrarmedia3/photos/rpp.841015842958235/873104679749351/?type=3&theater

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス近郊の親政権外国民兵の拠点をミサイル攻撃(2019年8月24日)

シリア軍筋は、ダマスカス県一帯が24日午後11時半にイスラエル軍のミサイル攻撃を受けたとしたうえで、防空部隊が標的に到達する前にミサイルのほとんどを撃破したと発表した。

SANA(8月24日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃はイスラエル軍戦闘機によるもので、ダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町からダマスカス国際空港にいたる地域に展開する親政権外国人民兵の拠点複数カ所に対して行われ、ミサイル多数が着弾した。

シリア軍防空部隊も迎撃を行い、ミサイル多数を撃破したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月24日付)によると、イスラエル軍の爆撃はダマスカス県マッザ区にも及んだという。

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また、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機はゴラン高原上空からミサイルを発射し、アクラバー町近郊を攻撃、レバノンのヒズブッラーのメンバー2人、イラン人1人、身元不明者2人が死亡したという。

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、August 25, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア軍はイドリブ県への爆撃を続け、シリア軍は白リン弾を使用するも市民に死傷者なし(2019年8月24日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから115日目を迎えた8月24日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は94回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」70発を投下、ロシア軍も45回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は1,100発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より25人(民間人0人(うち女性0人、子供0人)、シリア軍兵士13人、反体制武装集団戦闘員12人)増えて3,788人となった。

うち、983人が民間人(女性174人、子供244人を含む)、1,294人がシリア軍兵士、1,511人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でイドリブ市一帯、タマーニア町およびその一帯、タッフ村、ジャルジャナーズ町、マウザラ村、カフル・ウワイド村、マアッラト・ハルマ村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、カフルサジュナ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでタマーニア町、ヒーシュ村、カフルサジュナ村、シャイフ・ダーミス村、シャイフ・ムスタファー村、タッフ村、ダイル・シャルキー村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部および南東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタマーニア町、カフルサジュナ村、タッフ村、ハルバ村、カフルナブル市、ハーミディーヤ村、バーブーリーン村を爆撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月24日付)やシリア人権監視団によると、シリア軍はビダーマー町に対する爆撃で白リン弾を使用したが、死傷者はなかった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフル・ハラブ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(アレッポ県12件、ラタキア県11件、ハマー県4件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(アレッポ県3件、イドリブ県2件)確認した。

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから449人、ヨルダンから949人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年8月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月24日付)を公開し、8月23日に難民1,398人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは449人(うち女性135人、子供229人)、ヨルダンから帰国したのは949人(うち女性285人、子供484人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は368,498人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者116,875人(うち女性35,291人、子ども59,532人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者251,623人(うち女性75,520人、子ども128,316人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 597,778人(うち女性179,397人、子供304,770人)となった。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,239人(うち女性10,920人、子供16,188人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,835人(うち女性393,479人、子供659,954人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 24, 2019をもとに作成。

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米中央軍は、YPG主体のシリア民主軍がトルコ国境地帯に設置していた軍事要塞を撤去したと発表(2019年8月23日)

米中央軍はツイッターのアカウント(https://twitter.com/centcom)で、「米国防長官とトルコ国防大臣がシリア北東部の安全保障について協議してから24時間を経ずして、シリア民主軍(人民防衛隊(YPG)主体)は8月22日、軍事要塞複数カ所を撤去した。これは、安全保障対策の枠組みを支持するというシリア民主軍の姿勢を示している」と発表し、その写真を公開した。

AFP, August 24, 2019、ANHA, August 24, 2019、AP, August 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2019、Reuters, August 24, 2019、SANA, August 24, 2019、SOHR, August 24, 2019、UPI, August 24, 2019などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣はハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所包囲を頑なに否定、エルドアン大統領はシリア軍のイドリブ県進攻を安全保障上の脅威と警告(2019年8月23日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は訪問先のレバノンの首都ベイルートでのジュブラーン・バースィール外務大臣との共同記者会見で、ハマー県ムーリク市近郊にあるトルコ軍の監視所(第9監視所)がシリア軍に包囲されていることに関して、これを頑なに否定した。

チャヴシュオール外務大臣は「我が国の監視所は包囲されていない。誰にも我が軍を包囲することなどできない。シリア政府は我が国の検問所の北方で反体制派と戦闘している」としたうえで、監視所を撤退させるつもりがないと改めて強調した。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢について意見を交わしたと発表した。

声明によると、会談でエルドアン大統領は「シリア軍による攻撃とイドリブ県での停戦違反は、甚大な人道危機をもたらす」としたうえで、それが「問題解決への努力を阻害し、トルコの安全保障への真の脅威となっている」と警鐘を鳴らした。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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親政権系のメディアはハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所をバックに記念撮影するシリア軍兵士の画像を公開(2019年8月23日)

アキトTV(8月23日付)などトルコの複数のメディアは、ハマー県北部のムーリク市近郊に設置されているトルコ軍の監視所(第9監視所)が、シリア軍によって包囲されたと伝えた。

また、シリア・トゥルー・チューブ(8月23日付)など親政権系のメディアは、この監視所をバックに記念撮影するシリア軍兵士の画像を公開した。

AFP, August 23, 2019、Akit TV, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、Syria True Tube, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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アフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員約100人がダイル・ザウル県からアレッポ県に移動(2019年8月23日)

ジュルフ・ニュース(8月23日付)は、複数の地元筋の話として、ダイル・ザウル県内に展開していたアフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員約100人が、イラン・イスラーム革命防衛隊が用意した装甲車輌数十輌に乗って、アレッポ県に移動したと伝えた。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Jurf news, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県への爆撃を続ける(2019年8月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから114日目を迎えた8月23日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は85回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」78発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は800発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人7?人(うち女性0人、子供1人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて3,763人となった。

うち、983人が民間人(女性174人、子供244人を含む)、1,281人がシリア軍兵士、1,499人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタマーニア町、カフルナブル市、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、カフルルーマー村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、ダイル・シャルキー村、タッフ村、タッル・マンス村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでマアッラト・ヌウマーン市、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、カフルサジュナ村、バスィーダー村、マアッル・シャマーリーン村、ダイル・シャルキー村、タッフ村、ヒーシュ村、ハーミディーヤ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタマーニア町、タッフ村、タフターヤー村、ハーン・シャイフーン市一帯、ガドファ村、ジャルジャナーズ村、カフルジャジュナ村、ラッファ村を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA、バルクーム村、バウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(アレッポ県13件、ヒムス県1件、ラタキア県16件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県)確認した。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから128人、ヨルダンから1,024人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年8月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月23日付)を公開し、8月22日に難民1,451人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは427人(うち女性128人、子供218人)、ヨルダンから帰国したのは1,024人(うち女性307人、子供522人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は367,100人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者116,426人(うち女性35,084人、子ども59,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者250,674人(うち女性75,235人、子ども127,832人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
45カ国で難民登録したシリア人の数は6,634,214人(うち女性1,990,264人、子供3,383,449人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 596,380人(うち女性178,977人、子供304,057人)となった。

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一方、国内避難民の帰宅は行われず、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,237人(うち女性10,920人、子供16,188人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,833人(うち女性393,479人、子供659,954人)とままだった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2019をもとに作成。

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アル・モニター:シリア北東部でのトルコと米国による安全地帯設置は3段階からなる(2019年8月22日)

アル・モニター(8月22日付)は、トルコと米国がシリア北東部の国境地帯で設置に向けて準備を続けている「安全地帯」に関して、詳細な設置の手順を明らかにした。

同サイトによると、設置の手順は以下3段階からなるという:

1. 国境線から幅5キロの安全地帯を設置し、米・トルコ両軍が合同パトロールを実施する。同地に駐留している人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は撤退する一方、合同パトロールを行うトルコ軍部隊は、シリア民主軍に傘下で活動していた各地の軍事評議会が支配する居住地域に進入しない旨遵守する。
2. この安全地帯の南側に幅9キロの安全ベルトを設置し、シリア民主軍は同地から重火器を撤去する。トルコ軍は同地への進駐は行わない。
3. 幅9キロの安全ベルトをさらに南側に4キロ拡大する。これにより安全地帯の総幅を18キロとする。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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シリア軍は反体制派支配下のイドリブ県内に設置されているトルコ軍監視所を砲撃(2019年8月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団やANHA(8月22日付)によると、シリア軍戦闘機は、マアッラト・ヌウマーン市東のサルマーン村近郊にあるトルコ軍監視所(第8監視所)を爆撃した。

爆撃で基地に物的被害が出たという。

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ロイター通信(8月22日付)は、トルコの高官2人の話として、シリア軍が北西部に設置されているトルコ軍の監視所1カ所に向けて発砲したと伝えた。

シリア軍が発砲したとされる監視所は明らかにされなかったが、2人の高官によると、死傷者は出なかったという。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村(ダイル・ザウル県)で何者かが車を襲撃し、住民2人死亡(2019年8月22日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団がトルコ占領下のヴィーラート・カーディー村、キーマール村で20日と21日にトルコの支援を受ける反体制武装集団の拠点を爆破し、戦闘員2人を殺害したと発表した。

ANHA(8月22日付)が伝えた。

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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村で何者かが車を襲撃し、乗っていた住民2人が死亡、多数が負傷した。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県などへの爆撃を続ける(2019年8月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから113日目を迎えた8月22日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は90回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」100発を投下、ロシア軍も45回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は700発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より23人(民間人4人(うち女性1人、子供1人)、シリア軍兵士11人、反体制武装集団戦闘員8人)増えて3,758人となった。

うち、976人が民間人(女性174人、子供243人を含む)、1,281人がシリア軍兵士、1,499人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッルシューリーン村、タッル・マンス村、ダイル・シャルキー村、ジャルジャナーズ町、ハルバ村、サルマーン村一帯、カフルサジュナ村、タッフ村、タマーニア町、ハーミディーヤ村、カフルナブル市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルルーマー村、ファッティーラ村、ヒーシュ村、タッフ村、タフターヤー村、ダイル・ガルビー村、タッル・マンス村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町、サフヤーン村、カフルサジュナ村、ラッファ、ハルバ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もガドファ村、ハーミディーヤ一帯、タマーニア町、サルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を爆撃した。

一方、SANA(8月22日付)によると、シリア軍はハーン・シャイフーン市東のタルイー丘一帯で制圧地域を拡大した。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、この2日間のロシア軍の爆撃で、ジャルジャナーズ町のラフマーン・モスクとアリー・ブン・アビー・ターリブ・モスク、タッフ村のナスル・モスク、ダイル・シャルキー村の大モスク、ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ・モスクが破壊され、シリア軍の「樽爆弾」投下により、タッル・マンス村の大モスクとガドファ村の大モスクが被害を受けた。

このほか、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(8月22日付)によると、シャーム解放機構の治安機関が、アーフィス村近郊での爆発物敷設に関与していた諜報機関の工作員グループを摘発した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、国民解放戦線はハーン・シャイフーン市内の民家から家財道具などを略奪し、持ち出そうとしていたシリア軍の車輌1台を重火器で攻撃し、兵士多数を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が同地を砲撃した。

ロシア軍も同地を爆撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月22日付)によると、シリア軍とロシアの支援を受けた親政権民兵がクバイナ丘一帯に進軍を試みたが、シャーム解放機構がこれを撃退した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でバウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部および西部の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(ラタキア県14件、アレッポ県12件、イドリブ県4件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県)確認した。

AFP, August 22, 2019、ANHA, August 22, 2019、AP, August 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 22, 2019、Reuters, August 22, 2019、SANA, August 22, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 22, 2019、SOHR, August 22, 2019、UPI, August 22, 2019などをもとに作成。

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ロシアとトルコは緊急会合で停戦とハーン・シャイフーン市の処遇を協議(2019年8月21日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線のアブー・スブヒー・ナッハース政治局長は、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がイドリブ県ハーン・シャイフーン市、ハマー県北部を放棄したことを受け、トルコ・ロシア両国の高官が緊急会合を開いたことを明らかにした。

ナッハース政治局長によると、会合はイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンでの停戦、ハーン・シャイフーン市の処遇を協議するのが目的で、反体制派は会合の結果を待っている状態だという。

イナブ・バラディー(8月21日付)が伝えた。

これに関して、ラタキア県フマイミーム航空基地の駐留ロシア軍のアレクサンドル・イヴァノフ報道官は、会合の目的が停戦とハーン・シャイフーン市の処遇を協議することにあることを認めた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、‘Inab Baladi, April 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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米国防総省報道官「シリアで化学兵器が使用される、あるいは使用を裏づける何らかの証拠があれば、我々は報復する」(2019年8月21日)

米国防総省のショーン・ロバートソン報道官は、シリア情勢に関して「化学兵器が使用される、あるいは使用を裏づける何らかの証拠があれば、我々による報復が行われることになる」と述べた。

ロバートソン報道官はまた、イドリブ県に対するシリア・ロシア軍の攻撃に関して「無謀な行為、この地域に深刻な人道的危機をもたらしかねない」としたうえで「シリア政府とロシアが、人道活動家を標的とすること止め、イドリブ県に人道支援が届くことを許さねばならないと見ている」を非難した。

フッラ・チャンネル(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Alhurra, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアアザーズ市近郊で反体制武装集団の戦闘員3人を殺害したと発表(2019年8月21日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコの占領下にあるアアザーズ市近郊のカフルハーシル村で18日に反体制武装集団と交戦し、戦闘員3人を殺害したと発表した。

ANHA(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はM5高速道路上の拠点都市マアッラト・ヌウマーン市一帯を激しく攻撃、ロシア軍の爆撃で病院が利用不能に(2019年8月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから112日目を迎えた8月21日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は100回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」75発を投下、ロシア軍も55回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は850発以上におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より61人(民間人22人(うち女性1人、子供2人)、シリア軍兵士16人、反体制武装集団戦闘員31人)増えて3,735人となった。

うち、972人が民間人(女性173人、子供242人を含む)、1,270人がシリア軍兵士、1,491人が反体制武装集団戦闘員。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シリア・ロシア軍の攻撃は20日夜から断続的に続いたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でM5高速道路上の拠点都市マアッラト・ヌウマーン市、タマーニア町、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッルシューリーン村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、タッル・マンス村、マアッラト・スィーン村、バシーリーヤ村、ハザーリーン村、ブサンクール村灌木地帯、サラーキブ市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、スィフヤーン村、ラカーヤー村、マアッルシューリーン村、タマーニア町、タフターヤー村、バスィーダー村、カフルサジュナ村、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、タッフ村に「樽爆弾」を投下し、タッル・マンス村で女児1人を含む3人が、マアッルシューリーン村で市民1人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県内の戦闘地域を砲撃し、バシーリーヤ村で子供1人を含む3人が死亡した。

ロシア軍もタマーニア町、タッル・タルイー村、マアッラト・ハルマ村、タッフ村、ダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村、マアッルシューリーン村、ガドファ村、ジャルジャナーズ町を爆撃し、ダイル・ガルビー村で市民3人が死亡した。

ホワイト・ヘルメットによると、タッル・マンス村に対するロシア軍の爆撃では、ラフマ病院が標的となり、利用不能となったという。

一方、SANA(8月21日付)によると、シリア軍がタマーニア町とハマー県ムーリク市の間に位置するタッル・タルイー村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室はハーン・シャイフーン市東に位置する戦略的要衝のタルイー丘一帯でシリア軍と激しく交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフル・ハラブ村一帯を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北東部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

シャーム解放機構に近いイバー通信(8月21日付)によると、シリア軍とヒズブッラーがクバイナ丘に進軍、シャーム解放機構がこれを迎撃した。

同通信によると、この戦闘でシリア軍とヒズブッラー側は25人が死亡、60人あまりが負傷したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)もまた、クバイナ丘一帯で、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室の軍事筋の話として、同作戦司令室がシリア軍と激しく交戦したと伝えた。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月21日付)によると、シリア軍が、ムーリク市に近いトルコ軍の監視所(第9監視所)一帯に対して爆撃・砲撃を行った。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(ラタキア県14件、アレッポ県11件、イドリブ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(イドリブ県5件、ハマー県3件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, August 21, 2019、ANHA, August 21, 2019、AP, August 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 21, 2019、Reuters, August 21, 2019、SANA, August 21, 2019、SOHR, August 21, 2019、UPI, August 21, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 21, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアアザーズ市近郊(アレッポ県)でトルコ軍兵士1人を殺害したと発表(2019年8月20日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、18日にトルコ占領下のアアザーズ市近郊でトルコ軍の拠点複数カ所を2度にわたり攻撃し、トルコ軍兵士1人を殺害、3人を負傷させたと発表した。

一方、ANHA(8月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ城跡、マルアナーズ村を砲撃した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍はイドリブ県への爆撃を続け、子供3人を含む市民5人が死亡(2019年8月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから111日目を迎えた8月20日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は95回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」70発を投下、ロシア軍も40回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は980発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より11人(民間人5人(うち女性0人、子供3人)、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて3,674人となった。

うち、950人が民間人(女性172人、子供240人を含む)、1,254人がシリア軍兵士、1,460人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルルーマー村、ハザーリーン村、ラカーヤー村、ヒーシュ村、タッル・タルイー村、マアッラト・ハルマ村、タッル・ジャアファル村、タッフ村、タマーニア町、バスィーダー村、ジャルジャナーズ町、タッル・マンス村、カフルサジュナ村、タフターヤー村、クファイル村、ジスル・シュグール市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでタマーニア町、ヒーシュ村、ラカーヤー村およびその一帯、ダイル・シャルキー村、ジャルジャナーズ町、ガドファ村、タッル・タルイー村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もガドファ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、タマーニア町、ヒーシュ村、カフルナブル市、スィフヤーン村、タッフ村、ブナイン村、アルマナーヤー村一帯、バスィーダー村を爆撃した。

これにより、ガドファ村で市民1人、ヒーシュ村で子供1人を含む2人、カフルナブル市で男性2人、マアッラト・ヌウマーン市で男性2人、ブナイン村で子供1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルハムラ村を砲撃し、子供1人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(ラタキア県16件、アレッポ県15件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県1件、ハマー県5件)確認した。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県ムーリク市のトルコ軍監視所を包囲、トルコ外相は「撤退の意思はない」と表明(2019年8月20日)

ステップ・ニュース(8月20日付)、シリア人権監視団などによると、シリア軍がハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市を制圧したことを受け、緊張緩和地帯設置合意に基づいて同県ムーリク市近郊に設置されていたトルコ軍の監視所(第9監視所)はシリア軍によって完全に包囲された。

その処遇は不明だが、同地には反体制武装集団が依然として残留しているという。

なお、TRT(8月20日付)は、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が、包囲を受けている監視所に関して、「トルコはハマー県の第9監視所をどこにも撤退させる意思はない」と述べたと伝えた。

チャヴシュオール外務大臣はまた、シリア政府に対して「火遊びをすべきではない」、「我々は我が軍の安全を守るため必要なあらゆることをする」と警告した。

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(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構、国民解放戦線などからなる反体制派はハマー県北部とイドリブ県ハーン・シャイフーン市から撤退、シリア軍は400平方キロメートルの地域を1日で制圧(2019年8月20日)

ステップ・ニュース(8月20日付)、シリア人権監視団などによると、シリア軍とロシアの支援を受ける民兵が、19日深夜から20日未明にかけてイドリブ県ハーン・シャイフーン市で反体制武装集団と激しく交戦、早朝までに同市を完全制圧した。

ハーン・シャイフーン市はM5高速道路沿いに位置する反体制武装集団の拠点都市。

シリア軍は19日、同市に進攻、北部と北東部の複数の街区を制圧していた。

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、バラク・オバマ前米政権の支援を受けていた「穏健な反体制派」のイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は、シリア軍による砲撃、シリア・ロシア両軍による爆撃を受けて、ハーン・シャイフーン市の放棄を決断、これを受けてシリア軍が同地を完全制圧した。

「必勝」作戦司令室はまた、ハーン・シャイフーン市以南に位置するカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、ラハーヤー村、ラトミーン村、マアルカバ村など県北部一帯からも撤退した。

これにより、シリア政府は、緊張緩和地帯第1ゾーン内のハマー県北部の反体制派支配地域全域約400平方キロメートルを掌握した。

シリア政府が1日にこれだけの広大な地域を奪還するのは異例。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領は統一ロシアの使節団と会談(2019年8月20日)

アサド大統領はシリアを訪問中の統一ロシアの使節団と会談した。

会談では、ドミトリー・サーブリン連邦議会下院(ドゥーマ)議員を団長とする使節団が、イドリブ県での最近のシリア軍の勝利に祝意を示すとともに、こうした勝利を通じてシリア全土で治安と安定が回復することを確信していると表明した。

これに対して、アサド大統領は、トルコなど諸外国によるテロ支援にもかかわらず、国民と軍の不屈の精神によって勝利が実現していると答えた。

会談ではまた、社会、化学、文化といった分野での両国間関係の深化について意見を交わした。

SANA(8月20日付)が伝えた。

AFP, August 20, 2019、ANHA, August 20, 2019、AP, August 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 20, 2019、Reuters, August 20, 2019、SANA, August 20, 2019、SOHR, August 20, 2019、UPI, August 20, 2019などをもとに作成。

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