トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年8月7日)

アレッポ県では、ANHA(8月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村を砲撃した。

この砲撃に先立って、トルコ軍戦闘機2機が、タッル・リフアト市一帯地域(いわゆるシャフバー地区)に飛来、上空を旋回した。

一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、6日にタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、マーリキーヤ村に侵攻を試みたトルコ軍と反体制武装集団を迎撃し、戦闘員(シャーム戦線、北の嵐旅団)7人を殲滅したと発表した。

AFP, August 7, 2019、ANHA, August 7, 2019、AP, August 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2019、Reuters, August 7, 2019、SANA, August 7, 2019、SOHR, August 7, 2019、UPI, August 7, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構などとの戦闘の末、ハマー県北部のザカート村、アルバイーン村を制圧(2019年8月7日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍がシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)との停戦を破棄してから3日目、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから98日目を迎えた8月7日、シリア軍はロシア軍とともに同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦の末、ハマー県北部の2カ村を制圧した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は75回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」50発を投下、ロシア軍も44回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は700発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より45人(民間人4人、シリア軍兵士17人、反体制武装集団戦闘員24人)増えて2,977人となった。

うち、883人が民間人(女性161人、子供218人を含む)、1,001人がシリア軍兵士、1,003人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる反体制武装集団との戦闘の末、県北部のアルバイーン村、ザカート村を完全に制圧した。

同地で活動していた反体制武装集団は、カフルズィーター市、ラターミナ町方面に撤退した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ムーリク市、ラターミナ町、ザカート村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルズィーター市、ラターミナ町に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町、サフル村、ラトミーン村を爆撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、マダーヤー村、アービディーン村、フバイト村、カフルサジュナ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでヒーシュ村、ラカーヤー村、ナキール村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もアルバイーン山、バスィーダー村、マダーヤー村、ラーシャー村を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県西部の戦闘地域を砲撃した。

AFP, August 7, 2019、ANHA, August 7, 2019、AP, August 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2019、Reuters, August 7, 2019、SANA, August 7, 2019、SOHR, August 7, 2019、UPI, August 7, 2019などをもとに作成。

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米国防総省監察総監室「米軍がシリアから部分撤退したことで、イラク軍やシリア民主軍への支援が減少した。これらの部隊には長期間ダーイシュと戦う能力はない」(2019年8月6日)

米国防総省監察総監室は、2019年4月1日から6月30日までのダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の「テロとの戦い」(CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊))の進捗に関する報告書(8月2日付)を米議会に提出、公開した。

米議会に報告書が提出されるのはこれが18回目。

監察総監室の公式ホームページ(https://www.dodig.mil/)によると、報告書における主な指摘点は以下の通り:

1. ダーイシュは、支配地域を維持するだけでなく、シリアで破壊活動を行い、またイラクでの破壊能力を強化し続けている。
2. ダーイシュは、シリア、イラク両国で依然として暗殺、自爆攻撃、誘拐、焼き討ちなどを行っている。
3. ダーイシュはシリアでセルを再生し、イラクに司令拠点や支配地域を広げようとしている。
4. 米軍はシリアから部分撤退を実施したが、これにより、ダーイシュの新たな細胞に対処するための教練や装備を必要としていた協力部隊への支援が減少してしまった。
5. 米国の支援を受けるイラク軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍には、ダーイシュの戦闘員に対する長期的作戦を行う能力がない。
6. とりわけ、イラク軍にはダーイシュから解放した両地を長期間維持することはできない。一方、シリア民主軍は、戦闘員の数、装備、諜報能力といった点で、新たに発生するダーイシュのセルに対処する能力がそもそも限定されている。

AFP, August 7, 2019、ANHA, August 7, 2019、AP, August 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2019、Reuters, August 7, 2019、SANA, August 7, 2019、SOHR, August 7, 2019、UPI, August 7, 2019などをもとに作成。

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エスパー米国防長官「シリア北部へのトルコ軍の作戦は受け入れられない…。米国は一方的な侵攻を阻止する」(2019年8月6日)

マーク・エスパー米国防長官は「シリア北部へのトルコ軍の作戦は受け入れられない…。米国は一方的な侵攻を阻止する」と述べた。

ロイター通信(8月6日付)によると、エスパー国防長官はまた「米国は(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を見捨てるような決定は下さない」と付言したが、トルコ軍がユーフラテス川東岸に侵攻した場合、シリア民主軍を守るために介入するかについては明言しなかった。

AFP, August 6, 2019、ANHA, August 6, 2019、AP, August 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2019、Reuters, August 6, 2019、SANA, August 6, 2019、SOHR, August 6, 2019、UPI, August 6, 2019などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「アサド政権への外交圧力を通じてシリアからイランを完全に排除する」(2019年8月6日)

米国務省連絡チーム(アラビア語版)はツイッターのアカウント(https://twitter.com/DOTArabic/)で、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が、シリアにおける米国の政策転換に関して、「シリアからイランを排除するために政権に圧力をかけ続ける」と述べたと綴った。

ジェフリー特使は「この部隊(イランの部隊)の完全撤退を実現することは政権にとって明確な目標だ…。アサド政権、イラン政府、さらには両国の同盟国への外交圧力を通じてこの目標を実現する」と述べたという。

AFP, August 6, 2019、ANHA, August 6, 2019、AP, August 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2019、Reuters, August 6, 2019、SANA, August 6, 2019、SOHR, August 6, 2019、UPI, August 6, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県北部をトルコ軍と反体制武装集団が激しく攻撃、YPG主体のシリア民主軍と交戦(2019年8月6日)

アレッポ県では、ANHA(8月6日付)によると、トルコ占領下のシーラーワー町近郊のバースータ村に設置されている国民軍憲兵隊の検問所が攻撃を受け、トルコ軍兵士1人と反体制武装集団戦闘員2人が死亡した。

これを受け、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市に近いマーリキーヤ村、マルアナーズ村、シャワーリガ村(シャッラー村)を激しく砲撃、これに対してアフリーン解放軍団が応戦、激しい戦闘となった。

この戦闘で反体制武装集団(東部戦線、北部の嵐旅団)の戦闘員7人が死亡したという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月6日付)は、複数の現地情報筋の話として、国民軍がマーリキーヤ市を奇襲し、人民防衛隊(YPG)が主導するシリア民主軍と交戦、複数の兵士を殺傷し、市内の拠点複数カ所を制圧したと伝えた。

国民軍第3軍団のファーディル・ラフムーニー司令官によると、殺害したシリア民主軍兵士は10人にのぼり、部隊はその後、制圧した拠点から撤退したという。

国民軍はまた、マーリア市近郊に進軍したシリア民主軍を撃破、多数の兵士を殺傷したという。

このほか、アフリーン解放軍団は声明を出し、4日と5日にトルコ占領下のマーリア市近郊とシーラーワー町近郊のバラード村でシャーム戦線などの反体制武装集団の車輌と拠点を攻撃し、戦闘員13人を殺害したと発表した。

AFP, August 6, 2019、ANHA, August 6, 2019、AP, August 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2019、Reuters, August 6, 2019、SANA, August 6, 2019、SOHR, August 6, 2019、UPI, August 6, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍の爆撃で国内避難民3人が、反体制派の砲撃で女性と子供2人が死亡(2019年8月6日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍がシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)との停戦を破棄してから2日目を迎え、シリア・ロシア軍が同地を爆撃、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は45回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」52発を投下、ロシア軍も27回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は400発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より7人(民間人7人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,932人となった。

うち、879人が民間人(女性161人、子供218人を含む)、984人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ザカート村、ラターミナ町に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでラターミナ町、カフルズィーター市、アルバイーン村、ザカート村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がザカート村、アルバイーン村など県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市を爆撃した。

一方、SANA(8月6日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のアイン・スライムー村、ジャイイド村を砲撃し、女児1人と女性1人の2人が死亡、民間人6人が負傷した。

これに対して、シリア軍はクライディーン村、アンカーウィー村、ヒルバト・ナークース村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、ハスラーヤー村から反体制武装集団を掃討、同地を制圧した。
https://www.sana.sy/wp-content/uploads/2019/08/1-98-660×330.jpg

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、マダーヤー村、カフル・アイン村、ヒーシュ村一帯、タッルアース村、タフターヤー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルサジュナ村、シャイフ・ダーミス村、ラカーヤー村、ハーン・シャイフーン市、マダーヤー村、ヒーシュ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市およびその一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月6日付)によると、ロシア軍の爆撃はハーン・シャイフーン市近郊のカフルターブ農場に対するもので、民間人3人(国内避難民)が死亡した。

一方、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がマウザラ村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下、また地上部隊が同地一帯を砲撃した。

AFP, August 6, 2019、ANHA, August 6, 2019、AP, August 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2019、Reuters, August 6, 2019、SANA, August 6, 2019、SOHR, August 6, 2019、UPI, August 6, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍がハサカ県との国境地帯に展開、米主導の有志連合のヘリコプターが曳光弾を発射し、監視強化(2019年8月5日)

ハサカ県では、ANHA(8月5日付)によると、トルコ軍部隊が国境に面するラアス・アイン市西のタッル・ヒンズィール村北部のトルコ領内に展開、米主導の有志連合ヘリコプターが上空を飛来、曳光弾を発射するなどして、監視を強化した。

また、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍も国境地帯に展開、有事に備えた。

AFP, August 5, 2019、ANHA, August 5, 2019、AP, August 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2019、Reuters, August 5, 2019、SANA, August 5, 2019、SOHR, August 5, 2019、UPI, August 5, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合が武器兵站物資を積んだ車輌数十両をイラクから北・東シリア自治局支配地域に派遣(2019年8月5日)

シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌数十両が、イラク・クルディスタン地域の支配下にあるイラク北部のドホーク県のスワイディーヤ村にあるワリード国境通行所を経由して、シリア領内の北・東シリア自治局の支配地域に入った。

車列は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への武器・兵站物資を積載しているという。

有志連合による武器・兵站支援は今回で22回目で、これまでに提供された物資は2,100台分に達したという。

AFP, August 5, 2019、ANHA, August 5, 2019、AP, August 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2019、Reuters, August 5, 2019、SANA, August 5, 2019、SOHR, August 5, 2019、UPI, August 5, 2019などをもとに作成。

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反体制派はフマイミーム航空基地を砲撃、シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県への爆撃を再開し民間人4人死亡(2019年8月5日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効してから4日目を迎えたが、シリア・ロシア軍が爆撃を再開、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団も交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は42回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」38発を投下、ロシア軍も12回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は250発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人4人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,925人となった。

うち、872人が民間人(女性161人、子供217人を含む)、984人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、サルマーニーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、アルバイーン村に「樽爆弾」を投下、ムーリク市で民間人4人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団はジューリーン村を砲撃した。

一方、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が、ラターミナ町、ザカート村、アルバイーン村、タッル・ミルフ一帯、ジャビーン村一帯にあるシャーム解放機構をはじめとする反体制武装集団の拠点に対して砲撃を行った。

砲撃は反体制武装集団の停戦違反への対抗措置だという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、タマーニア町、ヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、タッフ村、マダーヤー村、バスィーダー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がアブー・ズフール町西方一帯を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、タッルアース村、マダーヤー村、アービディーン村を爆撃した。

一方、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が反体制武装集団の停戦違反への対抗措置として、ハーン・シャイフーン市、フワイン村、ザルズール村一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、SANA(8月5日付)によると、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているフマイミーム航空基地に向けて、反体制武装集団が午前3時半頃に砲撃を行い、砲弾複数発が基地の周辺に着弾、人的・物的被害が出た。

被害の詳細は不明。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機もフドル丘一帯、タルディーン村を爆撃した。

AFP, August 5, 2019、ANHA, August 5, 2019、AP, August 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2019、Reuters, August 5, 2019、SANA, August 5, 2019、SOHR, August 5, 2019、UPI, August 5, 2019などをもとに作成。

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イラン・イスラーム革命防衛隊が支援するイラク民兵司令官はダイル・ザウル県ハトラ村への難民、国内避難民の帰宅を拒否(2019年8月4日)

ジュルフ・ニュース(8月4日付)は、複数の現地情報筋の話として、ダイル・ザウル県南東部のハトラ村で活動を続けるイラク人民動員隊の一つで、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受けるヒズブッラー大隊が同地へのシリア難民、国内避難民の帰宅を拒否していると伝えた。

同情報筋によると、ヒズブッラー大隊のターリク・ヤースィーン・マアユーフ司令官(ハーッジ・アブー・アキール)は3日の司令官や戦闘員との会合で、シリア政府に対する武装闘争や抗議運動に関与した者のいるいかなる世帯の帰宅を拒否すると述べるとともに、こうした住民が同地からのシーア派を強制退去させ、その一部を殺害したと批判したという。

AFP, August 4, 2019、ANHA, August 4, 2019、AP, August 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2019、Jurf News, August 4, 2019、Reuters, August 4, 2019、SANA, August 4, 2019、SOHR, August 4, 2019、UPI, August 4, 2019などをもとに作成。

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バーブ・ハワー国境通行所はトルコから追放されたシリア難民が先月だけで6,000人に達していると発表(2019年8月4日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構がほぼ全域の軍事・治安権限を掌握するイドリブ県北部に位置するバーブ・ハワー国境通行所は、トルコのイスタンブール県が無登録の難民に8月20日までに県内から退去するよう命じる措置をとった(7月22日)のを受けて、同通行所を通過してトルコからシリアに入国したシリア難民の数を発表した。

同通行所の総務関係広報局が運営する公式サイト(https://www.babalhawa.net/)によると、5~7月にかけてトルコから追放されたシリア難民の数は1万3891人。

内訳は5月が3,316人、6月が4,370人、7月が6,160人で、増加傾向にあるという。

一方、7月にバーブ・ハワー国境通行所を通過した旅行者数は4万8742人(出国2万461人、入国2万8281人)で、うち4,893人がトルコ経由でサウジアラビアに向かった巡礼者だという。

AFP, August 4, 2019、ANHA, August 4, 2019、AP, August 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2019、Reuters, August 4, 2019、SANA, August 4, 2019、SOHR, August 4, 2019、UPI, August 4, 2019などをもとに作成。

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新興のアル=カーイダ系組織はハマー県北部でロシア軍特殊部隊と交戦したと発表(2019年8月4日)

ハマー県では、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が、ヒルバト・ナークース村一帯にロシア軍特殊部隊が潜入を試みたが、これを撃退したと発表した。

この戦闘では「信者を煽れ」作戦司令室の戦闘員2人が死亡したが、ロシア軍側の被害は不明だという。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月4日付)が伝えた。

AFP, August 4, 2019、ANHA, August 4, 2019、AP, August 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2019、Reuters, August 4, 2019、SANA, August 4, 2019、SOHR, August 4, 2019、UPI, August 4, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部で爆発が発生する一方、トルコ軍と反体制派は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年8月4日)

アレッポ県では、ANHA(8月4日付)によると、トルコ占領下のアアザーズ市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、複数人が死傷した。

これに対して、トルコ軍は北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村に対して数十回の砲撃を加えた。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、2日にトルコ占領下のジンディールス町近郊のファリーリーヤ村にいたる街道でシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を要撃し、2人を殺害したと発表した。

AFP, August 4, 2019、ANHA, August 4, 2019、AP, August 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2019、Reuters, August 4, 2019、SANA, August 4, 2019、SOHR, August 4, 2019、UPI, August 4, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県での停戦発効から3日目、シリア軍の砲撃で民間人3人死亡(2019年8月4日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効してから3日目を迎え、シリア・ロシア軍の爆撃は行われなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘は続き、シリア軍が少なくとも400回にわたり砲撃を行った。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人3人、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,921人となった。

うち、868人が民間人(女性161人、子供217人を含む)、984人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がラターミナ町、ヒルバト・ナークース村、ズィヤーラ町、カフルズィーター市、ザカート村、ムーリク市一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフル・アイン村、ハーン・シャイフーン市、ビダーマー町を砲撃、ビダーマー町では女性1人を含む市民3人が死亡した。

ホワイト・ヘルメットの発表によると、民間人の犠牲者が出たのは停戦発効後初めて。

AFP, August 4, 2019、ANHA, August 4, 2019、AP, August 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 4, 2019、Reuters, August 4, 2019、SANA, August 4, 2019、SOHR, August 4, 2019、UPI, August 4, 2019などをもとに作成。

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米国務省はイドリブ県での停戦合意を歓迎、トルコとロシアの役割を高く評価(2019年8月4日)

米国務省は声明を出し、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)がロシア・トルコの仲介により停戦に合意したことに関して「米国はシリア北西部での停戦発表の知らせを歓迎する。だが、より重要なのは、民間人はインフラへの国劇を停止することだ」と発表した。

国務省の声明はまた、「我々はトルコとロシアが行っている努力、そして2018年9月にソチで両国が交わした停戦合意の復活に向けて共に行動していることを高く評価する…。シリアの紛争に軍事的解決はない。ジュネーブを含む国際会議の場で協議を継続する必要がある」と付言した。

AFP, August 4, 2019、ANHA, August 4, 2019、AP, August 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2019、Reuters, August 4, 2019、SANA, August 4, 2019、SOHR, August 4, 2019、UPI, August 4, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市近郊とアアザーズ市近郊で反体制武装集団を狙った爆発が発生し、戦闘員2人が死亡(2019年8月3日)

アレッポ県では、ANHA(8月3日付)によると、トルコ占領下のバーブ市内北部にある学校近くで、シャーム軍団の戦闘員の車を狙った爆発が発生し、戦闘員1人が死亡、3人が負傷した。

また、トルコ占領下のアアザーズ市近郊のトゥルクマーン・バーリフ村で、トルコの支援を受ける国民軍傘下の憲兵隊幹部の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡、1人が負傷した。

一方、トルコの支援を受けるいわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令部所属組織が、トルコ占領下のウーラーシュリー村から北・東シリア自治局支配下のマンビジュ市西方のカーウカリー村に向かって発砲、女性1人が負傷した。

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ハサカ県では、ANHA(8月3日付)によると、北・東シリア自治局支配下のシャッダーディー市でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発した。

AFP, August 3, 2019、ANHA, August 3, 2019、AP, August 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2019、Reuters, August 3, 2019、SANA, August 3, 2019、SOHR, August 3, 2019、UPI, August 3, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年8月2日)

アレッポ県では、ANHA(8月2日付)によると、トルコ軍とその支援を支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバルーニーヤ村、ハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃し、住宅などが被害を受けた。

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一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、31日にシーラーワー町近郊のキーマール村でトルコ軍の拠点2カ所に対する攻撃を行い、トルコ軍兵士3人を殺害、4人を負傷させたと発表した。

ANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使「我々はクルド勢力とシリア政府の対話を支持している。この点がほかの当事者の姿勢と異なる」(2019年8月2日)

ロシア代表団の団長を務めるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、アスタナ13会議閉幕後の記者会見で、イドリブ県の大部分が「テロリスト」に掌握され、数十万の市民が人質に取られていると指摘した。

ラヴレンチエフ特使は、会議において、シリア国内での「テロとの戦い」について重大な関心が寄せられたとしたうえで、イドリブ県の大部分が「テロリスト」に掌握され、数十万の市民が人質に取られていると指摘した。

また、米国をはじめとする西側諸国に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」を口実にシリアに駐留することを止め、違法な駐留部隊を撤退させるよう求めた。

さらに、国際社会は難民と国内避難民の帰還を促すべきだと述べた。

一方、北・東シリア自治局の存在については、「我々はシリア政府と彼らの対話を支持している。この点がほかの当事者の姿勢と異なる」と述べた。

SANA(8月2日付)やANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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アスタナ13会議が閉幕し、シャーム解放機構などのテロ組織の完全根絶と、クルド民族主義勢力による分離主義的アジェンダの拒否などを確認(2019年8月2日)

カザフスタンの首都ヌルスルターンで8月2日に開幕したアスタナ13会議は2日の日程を終え、会議の保障国であるロシア、トルコ、イランが閉幕声明を発表し、閉会した。

閉幕声明の骨子は以下の通り:


1. アスタナ会議の保障国であるロシア、トルコ、イランは、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで民間人を含む犠牲者が出ていることに遺憾を表明し、民間人を保護するための実質的な措置を講じることで合意した。

2. シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)が緊張緩和地帯第1ゾーンで影響力を増大させていることに懸念を表明する。

3. シリアの主権、独立、領土の統一性と保全を遵守する。

4. 国連憲章および、イスラエルによるゴラン高原の併合を非難・拒否した国連安保理決議第497号を含む国連安保理での諸決議を遵守する。

5. ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線、アル=カーイダとダーイシュとつながりのあるすべての組織・個人などのテロ組織を完全に根絶するまで協力を続ける。

6. 2018年9月のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯などにかかる合意)を含む一連の合意を実施し、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで事態収拾を図ることの必要を強調する。

7. ユーフラテス川以東地域(ジャズィーラ地方)に関して、シリアの主権と領土保全に抵触する分離主義的アジェンダを拒否する。

8. 国連安保理決議第2254号および、2018年1月のソチでのシリア国民対話大会での決定を踏まえて、制憲委員会設置など、シリア人による政治プロセスを推進させる。

9. 国連および人道機関に人道支援の増加、インフラ復旧などへの支援強化を求める。

なお、アスタナ13会議には、イラクとレバノンが初めてオブザーバーを参加させ、閉幕声明では、両国の参加に歓迎の意が表された。

アスタナ14会議は10月開催をめざすという。

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『シャルク・アウサト』(8月3日付)は、複数の外交筋の話として、会議では、トルコがシャーム解放機構、ダーイシュ(イスラーム国)、そしてアル=カーイダやダーイシュとつながりがある組織の殲滅に向けた協力の強化をロシアに確約、これに対してロシアは緊張緩和地帯境界地帯に配置されているトルコ軍の12の監視所の安全を保証したと伝えた。

AFP, August 2, 2019、ANHA, August 2, 2019、AP, August 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2019、Reuters, August 2, 2019、SANA, August 2, 2019、al-Sharq al-Awsat, August 3, 2019、SOHR, August 2, 2019、UPI, August 2, 2019などをもとに作成。

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停戦合意の発効を受け、シリア・ロシア軍は爆撃を停止するも、ハマー県、イドリブ県で散発的戦闘が発生(2019年8月2日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから93日目となる8月2日、シリア軍とシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)の停戦がロシア・トルコの仲介により発効したことを受け、シリア・ロシア軍は爆撃を停止したが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘は続き、双方が撃った砲撃は410発におよんだ。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人1人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,196人となった。

うち、856人が民間人(女性160人、子供215人を含む)、982人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルズィーター市、ザカート村、ラハーヤー村、アルバイーン村、ラターミナ町、ラトミーン村、シャリカ村を砲撃した。

これに対して反体制武装集団はジューリーン村、タッル・フワーシュ村、フワイズ村、カルカート村を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)は、シリア軍が停戦合意に違反し、ラトミーン村、ザカート村、アルバイーン村、ザイズーン村、カフルズィーター市を砲撃し、市民1人が負傷したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がシャッアーラ村、ムシャイリファ村、ハーン・シャイフーン市、カッサービーヤ村、フバイト村を砲撃、イウジャーズ村、ムシャイリファ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月2日付)は、シリア軍が停戦合意に違反し、ビダーマー町を砲撃したが、これに対してシャーム解放機構は応戦しなかったと伝えた。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2019をもとに作成。

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シリア政府代表団がアスタナ13会議に出席するためにカザフスタン入り(2019年8月1日)

8月2、3日にカザフスタンの首都ヌルスルターンで開催されるアスタナ13会議に出席するため、シリア政府代表団が現地入りした。

バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表が率いるシリア政府代表団は、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が代表を務めるロシアの代表団と、アスガル・ハージー外務大臣補(政務担当)率いるのイランの代表団と個別に会談した。

シリア代表団はまた、今回からアスタナ会議に参加することがきまった、イラクの代表団(ハイダル・マンスール駐ロシア・イラン大使が代表)とも会談した。

SANA(8月1日付)が伝えた。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

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SANAはシリア軍筋の情報としてイドリブ県、ハマー県北部および北西部、アレッポ県西部、ラタキア県北東部からなる緊張緩和地帯第1ゾーンで停戦が「条件付き」で合意されたと伝える(2019年8月1日)

SANA(8月1日付)は、軍情報筋の話として、イドリブ県、ハマー県北部および北西部、アレッポ県西部、ラタキア県北東部からなる緊張緩和地帯第1ゾーンで停戦が合意されたと伝えた。

停戦合意は、2018年9月17日のソチでのロシア・トルコ首脳会談での合意(非武装地帯設置にかかる合意)を条件とする。

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ソチでの合意は以下10項目からなる:

1. イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)を維持するとともに、トルコの監視所を強化、その活動を継続させる。
2. ロシアは、イドリブ県に対する軍事作戦と攻撃の実施を回避し、現状を維持するために必要なあらゆる措置を講じる。
3. 幅15〜20キロからなる非武装地帯(地図1を参照)を設置する。
4. 非武装地帯の境界線については、継続協議をもって画定する。
5. 10月15日までに非武装地帯内からすべての過激なテロ集団を排除する。
6. 10月10日までに非武装地帯から当事者が保有するすべての戦車、多連装ロケット砲、大砲、迫撃砲を撤去する。
7. トルコ軍部隊とロシア軍憲兵隊は、無人航空機を使用して非武装地帯で連携パトロールを実施し、監視活動に取り組む。合わせて、両部隊は、地元住民や物資の自由な移動を保障し、通商経済活動再開のために活動する。
8. 2018年末までにM4高速道路(アレッポ市・ラタキア市間)とM5高速道路(アレッポ市・ハマー市間)の輸送ルートを再開する。
9. イドリブ県の緊張緩和地帯内での停戦を持続させるための措置を講じる。そのために、イラン・ロシア・トルコの合同調整センターの任務を強化する。
10. ロシアとトルコは改めて、シリア国内であらゆるかたちでテロと戦う決意を確認する。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

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アスタナ13会議を翌日に控え、シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県への砲撃を続ける一方、シリア軍と反体制派が激しく交戦、市民9人を含む55人が死亡(2019年8月1日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから92日目となる8月1日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より55人(民間人9人(うち女性2人、子供4人)、シリア軍兵士25人減少!、反体制武装集団戦闘員31人)増えて2,195人となった。

うち、864人が民間人(女性160人、子供215人を含む)、982人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は72回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」53発を投下、ロシア軍も25回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は620発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、カフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がジルス・シュグール市を砲撃し、女児2人が死亡した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、バスィーダー村を爆撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月1日付)によると、ロシア軍特殊部隊がマアッラト・ヌウマーン市近郊のスィンジャール町一帯に潜入しようとしたが、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がこれを撃破した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、ラトミーン村、ザカート村、アルバイーン村、ハスラーヤー村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、アルバイーン村、ラトミーン村、ハスラーヤー村一帯に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部と北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町を爆撃した。

この戦闘により、シリア軍はハスラーヤー村を制圧した。

クッルナー・シュラカー(8月1日付)によると、ラトミーン村に対するシリア軍の爆撃で市民1人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(8月1日付)によると、シャーム解放機構がクバイナ丘一帯でシリア軍の進軍を阻止し、兵士18人を殺害した。

AFP, August 1, 2019、ANHA, August 1, 2019、AP, August 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 1, 2019、Reuters, August 1, 2019、SANA, August 1, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, August 1, 2019、SOHR, August 1, 2019、UPI, August 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから385人、ヨルダンから1,197人の難民が帰国、避難民261人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者261人)が帰宅(2019年8月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月1日付)を公開し、7月31日に難民1,582人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは385人(うち女性109人、子供185人)、ヨルダンから帰国したのは1,197人(うち女性357人、子供607人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は333,733人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者107,945人(うち女性20,409人、子ども34,371人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者225,788人(うち女性39,481人、子ども67,059人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 563,013人(うち女性155,711人、子供264,502人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,637,757人(うち女性1,991,327人、子供3,385,256人)。

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一方、国内避難民261人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは261人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,736人(うち女性14,413人、子供20,398人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,554人(うち女性388,939人、子供652,319人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した261人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は261人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 1, 2019をもとに作成。

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米軍ヘリコプターがハサカ県カーミシュリー市近郊のシリア軍拠点をミサイル攻撃し、1人負傷(2019年7月31日)

ハサカ県では、ルダウ・チャンネル(7月31日付)によると、米軍ヘリコプター1機が、シリア政府と北・東クルド自治局が共同支配するカーミシュリー市近郊のラシーディーヤ村にあるシリア軍第54中隊の拠点に対してミサイル攻撃を行った。

この攻撃で、国防隊の隊員1人が死亡した。

AFP, July 31, 2019、ANHA, July 31, 2019、AP, July 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2019、Reuters, July 31, 2019、SANA, July 31, 2019、SOHR, July 31, 2019、UPI, July 31, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年7月31日)

アレッポ県では、ANHA(7月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のキーマール村、スーガーニカ村を砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、ハルバル村およびその一帯に対しても砲撃を加えた。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、28日と29日にジンディールス町近郊とマーリア市近郊でシャーム自由人イスラーム運動の車輌と拠点を攻撃し、戦闘員3人を殺害したと発表した。

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ハサカ県では、ANHA(7月31日付)によると、北・東シリア自治局の支配下したにあるマルカダ町でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

AFP, July 31, 2019、ANHA, July 31, 2019、AP, July 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2019、Reuters, July 31, 2019、SANA, July 31, 2019、SOHR, July 31, 2019、UPI, July 31, 2019などをもとに作成。

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ロシアとトルコの仲介によりシリア政府と反体制派が捕虜交換(2019年7月31日)

アレッポ県では、SANA(7月31日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(7月31日付)によると、バーブ市に近いダイル・カーク村で、ロシアとトルコの仲介により、トルコの後援を受ける国民軍とシリア政府が捕虜交換を行った。

反体制武装集団は男性14人を釈放、シリア政府側も国民軍戦闘員15人を釈放、身柄引き渡しにはロシアとトルコの代表も立ち合った。

AFP, July 31, 2019、ANHA, July 31, 2019、AP, July 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2019、Reuters, July 31, 2019、SANA, July 31, 2019、SOHR, July 31, 2019、UPI, July 31, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放戦線がシリア政府支配下のアレッポ市ザバディーヤ地区を砲撃し、子供2人が死亡(2019年7月31日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから91日目となる7月31日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より10人(民間人2人(うち女性0人、子供2人)、シリア軍兵士4人、反体制武装集団戦闘員4人)増えて2,860人となった。

うち、855人が民間人(女性158人、子供211人を含む)、1,007人がシリア軍兵士、1,038人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は60回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」34発を投下、ロシア軍も44回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は300発以上におよんだ。

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アレッポ県では、SANA(7月31日付)によると、アレッポ市ラーシディーン地区で活動を続けるシャーム解放機構がアレッポ市ザバディーヤ地区を砲撃し、子供2人が死亡、市民8人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県西部一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナー村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が同地を砲撃した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、ラトミーン村、ドゥワイル・アクラード村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、ラターミナ町、カフルズィーター市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部と北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラトミーン村、アルバイーン村、ザカート村、サルマーニーヤ村を爆撃した。

一方、SANA(7月31日付)によると、シリア軍がアブー・ライーダ村一帯で反体制武装集団を追撃、戦闘員17人を殲滅した。

シリア軍はまた、ハスラーヤー村一帯、アルバイーン村一帯、ラターミナ町一帯、カフルズィーター市、ラトミーン村にあるシャーム解放機構などの拠点を砲撃した。

これに対して、ドゥラル・シャーミーヤ(7月31日付)によると、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は、自作の大型ロケット弾ハミームおよびブルカーンでシャイルート村一帯のシリア軍、ロシア軍の拠点を攻撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市およびその一帯、タフターヤー村、ラカーヤー村、マウカ村一帯、ヒーシュ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部一帯を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村一帯、ジャバーラー村、アーミリーヤ村、タフターヤー村、タッフ村一帯を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(アレッポ県4件、ラタキア県9件、ハマー県7件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を18件(イドリブ県1件、ハマー県14件、アレッポ県2件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, July 31, 2019、ANHA, July 31, 2019、AP, July 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2019、Reuters, July 31, 2019、SANA, July 31, 2019、SOHR, July 31, 2019、UPI, July 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

欧州地中海人権モニターは、YPG主体のシリア民主軍がシリア東部で市民の処刑など、数々の人権侵害を行っていると非難(2019年7月30日)

スイスのジュネーブで活動するNGOの欧州地中海人権モニターは、米主導の有志連合の支援を受ける人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、シリア東部で市民の処刑など、数々の人権侵害を行っているとする報告書を発表した。

「宙に浮いた犯罪:シリア民主軍は有志連合の傘下でシリア人に対する恐るべき罪を犯している」(Crimes in limbo: SDF commits horrific crimes against Syrians under the cover of the international coalition)と題された報告書のなかで、同組織は、シリア民主軍が「アラブ人、クルド人、シリア正教徒などすべてのシリア人からなる」組織だと謳っているにもかかわらず、実際にはクルド人が70%を占めているとしたうえで、ラッカ市、ダイル・ザウル市といった都市で苦難に苛まれてきた数千人のシリア人は、ダーイシュが殲滅され、シリア民主軍がシリア東部の自治を担うようになってからむしろ倍増したと指摘した。

具体的には、シリア民主軍は18歳未満の児童を含む市民を徴兵し、戦闘に参加させているほか、市民に対する拷問、殺害を繰り返していると非難した。

欧州地中海人権モニターは、こうした犯罪は、米国が主導する有志連合の支援、連携のもとに現在も行われ続けていると指弾、国連に介入するよう呼びかけている。

また、シリア民主軍は、ダーイシュに従っていたとして市民多数を処刑しているという。

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なお、27日には、シリア民主軍の隊員がアレッポ県東部で女性1人と若者2人に殴る蹴るなどの暴行を加えている映像がSNSにアップされ、活動家らによって拡散されていた。

 

AFP, July 30, 2019、ANHA, July 30, 2019、AP, July 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2019、Reuters, July 30, 2019、SANA, July 30, 2019、SOHR, July 30, 2019、UPI, July 30, 2019などをもとに作成。

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