民主統一党とシリア・クルド国民評議会は共同声明のなかで自由シリア軍のアイン・アラブ市進入を厳しく非難、フランスがシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の唯一の正統な代表」として承認(2012年11月13日)

クルド民族主義勢力の動き

西クルディスタン人民議会(民主統一党)とシリア・クルド国民評議会は共同声明を出し、自由シリア軍のアイン・アラブ市進入を「政治的、軍事的に正当性がない」と厳しく非難し、撤退を要求した。

共同声明では、「シリアと世界の世論に対して、体制打倒のための革命が平和的であるべきだと強調する」と主張、自由シリア軍の進入により、「無実の市民の血が流されている」との惨状を訴えた。

そのうえで「すべての武装大隊の撤退の必要」を強調、また自由シリア軍掃討のために展開した「政府軍の即時撤退」を求めた。

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市で県知事の車を狙った爆弾テロが発生し、ハサン・サーリフ・ジャラーリー県知事が負傷、また女性1人と士官1人が死亡した。

このテロに関して、SANA(11月13日付)は、武装テロ集団が仕掛けた爆弾がサイイダ・ビシャーラ教会近くで爆発し、女性1人が死亡した、と報じた。県知事の負傷については報じなかった。

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アレッポ県では、SANA(11月13日付)によると、タッル・ラッハール村、ダイル・ハーフィル市、アレッポ市旧市街、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(11月13日付)によると、ジスル・シュグール市郊外のタッル・シュグール地点の検問所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またマアッラト・ヌウマーン市南部および南東部の入り口で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷したほか、ムハムバル村などで反体制武装勢力の追撃が行われた。

このほかイドリブ市では、反体制武装勢力が道路公社イドリブ支部のアブドゥッラッザーク・ユースフ技師を暗殺した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーリブー村で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍兵士7人と反体制勢力の戦闘員2人が死亡した。

一方、SANA(11月13日付)によると、ザマルカー町、スバイナ町、サイイダ・ザイナブ町、アルバイン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、「ダマスカス解放旅団」のムハンマド・アブドゥッサラーム・イドリースを含む多数の戦闘員を殺傷した。

またアイン・フィージャ町では、反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、女性、子供を含む多数の市民が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区に対して、軍・治安部隊が砲撃を加え、「同地区の制圧を試み」、戦闘員4人が死亡した。

またヤルムーク区にも迫撃砲が着弾し、アサーリー地区などに対しても砲撃が行われたという。

『ワタン』(11月14日付)によると、「早朝に重火器によって支援された軍部隊が二方向からタダームン区に突入し…、戦闘は晩まで続き、武装集団は甚大な被害を受け、撤退を余儀なくされた」という。

一方、SANA(11月13日付)によると、タダームン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

またヤルムーク区では、パレスチナ人難民からなる人民諸組織が反体制武装勢力と対峙した。

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ヒムス県では、SANA(11月13日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ラスタン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅した。

一方、ヒムス市ワアル地区では、反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、子供2人が死亡、女性を含む6人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、軍がラアス・アイン市周辺における軍備増強を開始した。

また軍がラアス・アイン市の総合情報部(反体制武装勢力が占拠)や反体制武装勢力の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がブーカマール市の軍の拠点複数カ所を襲撃した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、AFP(11月13日付)の電話取材に対して、「シリア人はバッシャールの戦闘機の空爆に直面している。彼らは高度な兵器が必要だ」と述べ、反体制武装勢力への武器供与の必要を強調した。

「高度な兵器」が何を意味するかは詳述しなかった。

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シリア国民評議会執行部メンバー兼シリア革命反体制勢力国民連立メンバーのアフマド・ラマダーンは『ハヤート』(11月14日付)に対して、「フォード(米大使)は、「我々は(シリア革命反体制勢力国民連立の)行動に期待する。我々は何が起きるかを見極めて、米国政府に報告し、措置を講じる」と述べた…。(シリア革命反体制勢力国民連立発足に対する米国の)歓迎は不充分だ」と述べた。

また「シリア革命反体制勢力国民連立に関するアラブ連盟の決定も不充分だ。声明は連立がシリア国民の「意思」を表現しているとしているが、シリア国民そのもの代表として承認していない点で十分でない」と批判した。

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シリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前最高監督者は『ハヤート』(11月14日付)に対して、反体制勢力のなかで影響力を強めようとしているとの一部の疑念に対して、「ヘゲモニーに関する問題は、根拠のない言いがかりだ。我々はすべての組織の一部をなし、シリア国民評議会、そしてすべての大会に貢献してきた」と否定した。

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国内で反体制活動を行う民主的諸勢力国民調整委員会は声明を出し、イランで18日に開催予定のシリア国民対話会合への招待状を受け取ったが、「ドーハ、テヘラン、イスタンブール、パリといった紛争当事国の首都で行われる調整のための…会合には参加しない」と述べ、不参加を表明した。

レバノンの動き

サウジアラビアで事実上の亡命生活を送るムスタクバル潮流のサアド・ハリーリー前首相は、声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を「シリア大衆の革命を続け、バッシャール・アサド大統領の体制を転覆するための正しい方向に向けたステップ」と支持を表明した。

諸外国の動き

カイロでアラブEU外相会議が開かれた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、アラブEU外相会議出席のためにカイロを訪問し、同地で記者会見を開いた。

記者会見でファビウス外務大臣は、「我々は様々な国がシリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表として承認することを希望する…。フランスの役割はこの希望を可能なものにすることだ」と述べた。

またフランス自身による承認に関しては、「幾つかの段階がある。まずシリア国民評議会の幹部、とりわけジョルジュ・サブラー事務局長がいて、次にカイロで明日のともに朝食をとる予定の新たな幹部からなるより広範な委員会(シリア革命反体制勢力国民連立)がある」と述べた。

さらに反体制勢力への武器供与に関しては、「これまでは欧州諸国の側に武器問題に関する禁止事項が合った…。(反体制勢力が)講じる措置を見て、この決定は修正されるだろう。我々はこの問題を検討するだろう」と述べた。

しかし、シリアへの軍事介入に関しては、「重要な国々」がアサド政権を支援していると述べ、リビアのケースとは「同じでない」と否定、また「こうした状況はおそらく変わるだろう。今後解決に向けて行動する」と付言した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アラブEU外相会議で、シリア革命反体制勢力国民連立の結成を「きわめて重要な礎石」と歓迎しつつ、「すべての反体制勢力が参加し、シリア国内の支援を得ることを望む。そうなれば我々は、彼らをシリア国民の正統な代表として承認するだろう」と述べ、慎重な姿勢を示した。

また反体制勢力への武器供与については、EUがシリアへの武器供与を禁止しているため、武器を送る用意はない、と否定した。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、アラブEU外相会議で、シリア革命反体制勢力国民連立の結成を歓迎するとともに、「政治、安全保障、人道面でシリア国民を支えるため必要な支援を拡充すべき」と述べるとともに、シリア国民の正統な代表として承認を得るべく、国内外のすべての反体制勢力が連立のもとに結集するよう希望する、と述べた。

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『ハヤート』(11月14日付)によると、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はアラブEU外相会議に「シリアにおける人道的ニーズに関する覚書」を提出した。

同覚書では、少なくとも250万人がシリア危機の被害を受け、その数は2012年末には400万人にのぼり、うち150万人が国内での避難生活を余儀なくされ、食糧・医療などの支援が火急に必要となるだろうとの試算されている。

また同覚書では、イラク、レバノン、ヨルダン、トルコ、北アフリカに避難したシリア人の数が39万5000人に達しており、2012年末までにその数は71万人に達すると試算されている。

さらにシリア国内の病院の67%が戦闘の被害を受け、29%が医療活動を行えない状態にある、と指摘、約2000の学校で避難民が避難生活を送り、2000の学校が破壊されたとの実態も明らかにしている。

また、パレスチナ難民についても、約50%が被害を受けたと指摘している。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、記者会見で、「私はフランスがシリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の唯一の正統な代表として承認すると宣言する」と述べた。

またシリアへの軍事介入の可能性に関して「安保理の決議がなされないかたちでの軍事介入はあり得ない…。ロシアの立場を踏まえると、それが提起されることはない。しかし、シリア革命反体制勢力国民連立の権威のもとに開放地区を保護するというかたちでそれに訴え得るという別の方法もある」と述べた。

さらにオランド大統領は反体制勢力への武器供与に関しては「シリアに正統な政府が成立すれば、フランスだけでなくシリア革命反体制勢力国民連立を承認するすべての国にとって再検討は不可欠になる」と述べた。

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フランスのジャン・イブ・ルドリアン国防大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立の結成に関して「ドーハでの出来事は大きな前進だ。国際的に承認され得る暫定政府のような存在となるには未だ不十分だとしても、我々はそれが重要だと考える。しかしすべての武装集団もこれとともに統合されるべきだ」と述べた。

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米国のマーク・トナー国務省副報道官は、「我々はシリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表(の一つ)で、シリア国民を反映していると考える…。我々はまた同組織がシリア国内のシリア人を代表する能力を示すことを望んでいる」と述べた。

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AFP(11月13日付)は、アムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチが、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を受け、同組織に対して、反体制武装勢力に対して戦時国際法を遵守するよう明確なメッセージを発すとともに、違反者を処罰するよう要求した、と報じた。

AFP, November 13, 2012、Akhbar al-Sharq, November 13, 2012, November 14, 2012、al-Hayat, November 14, 2012、Kull-na Shuraka’, November 13, 2012, November 15, 2012、al-Kurdiya
News, November 13, 2012、Naharnet, November 13, 2012、Reuters, November 13,
2012、SANA, November 13, 2012、al-Watan, November 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アラブ連盟緊急外相会議が開かれシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の意思を代表する正統な代表」とする声明を承認、人民防衛隊がマーリキーヤ市からの軍・治安部隊の撤退を受け同市を掌握(2012年11月12日)

反体制勢力をめぐる動き

カタールのドーハで11日晩から未明にかけてシリア革命反体制勢力国民連立発足記念祝賀会が開かれた。

al-Hayat, November 13, 2012
al-Hayat, November 13, 2012

祝賀会には、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣、チュニジアのラフィーク・アブドゥッサラーム外務大臣、アラブ連盟のタラール・アミーン代表、GCCのアブドゥッラティーフ・ブン・ラーシド・ズィヤーニー事務局長、UAEのファーリス・ムハンマド安全保障軍事担当副大臣、米仏英などの代表が出席した。

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祝賀会で、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、出席した各国代表に対して「アラブ連盟、GCC、欧州の友人、そして米国は、この政体(連立)がすべてのシリア人を代表する唯一の正統な組織であることを切望している。これは我々に対するあなた方の権利である。我々に対するあなた方の権利は、救援だけでない」と述べ、連立の国際承認を求めた。

また、出席したシリアの反体制活動家らに対して、「ハマド・ブン・ハリーファ首長とタミーム・ブン・ハマド皇太子は、シリア国民が望むことを我々が実行するうえで、あなた方の合意が手助けになる、ということを知っている」と述べた。

そのうえで、「出席したすべてのシリアの反対勢力」に「合意は力であるがゆえ、合意し、分裂しない」よう呼びかけ、自身がシリアの反体制勢力の指導者であるかのような傲慢な姿勢を示した。

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GCCのズィヤーニー事務局長は、「GCCはシリア革命反体制勢力国民連立を…シリア国民の正統な代表とみなし承認すると発表する」と述べた。

またシリア国民の要求と希望を実現するため、この組織を支援すると述べ、アラブ諸国、諸外国、国際社会が連立を国際承認することをGCCとして注視していると強調した。

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祝賀会で、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長は、「シリア公民の最大の望みは、安全に暮らし、恐れることなく眠ることだった。しかし、今は体制を根絶することを望んでいる」と断じた。

またシリア革命反体制勢力国民連立の活動に関しては、緊急支援、流血停止、そして体制打倒が最優先事項だと述べた。

さらに「カタール、サウジアラビア、UAE、そしてそのほかのGCC諸国、トルコ、エジプト、リビア、ヨルダン、友好諸国に感謝する」と締めくくった。

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祝賀会で、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は「我々は真の救援を必要としている…。我々は我々の子供たちを守るため、パンではなく武器が必要だ。なぜなら体制は武器を増強しているからだ」と述べた。

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『ハヤート』(11月13日付)によると、シリア国民評議会のサミール・ナッジャール財務局長は、「去年3月以降、4000万ドルの支援しか受け取っていない。月1億5000万ドルの支援を約束されたのに」と述べ、西側諸国、湾岸アラブ諸国の支援の少なさを批判した。

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シリア国民評議会は、フェイスブック(11月12日付)で、リビア在住のシリア人のパスポートの更新を開始した、と発表し、新パスポートの写真を公開した。

Akhbar al-Sharq, November 12, 2012
Akhbar al-Sharq, November 12, 2012

諸外国の動き

アラブ連盟はカイロで緊急閣僚級会合を開催し、シリアおよびパレスチナ情勢について協議した。

会合では、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が、ドーハでのシリアの反体制勢力の大会での成果を踏まえ、シリア危機解決に向けた見通しを示した。

会合には、ナビール・アラビー事務総長、アフマド・ビン・ヒッリー事務副長、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣(シリア問題閣僚委員会)、チュニジアのラフィーク・アブドゥッサラーム外務大臣、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣、そしてブラーヒーミー共同特別が出席した。

またカタールのハマド首相に連れられ、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長とシリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長が連盟本部に入り、会合に参加した。

複数の消息筋によると、会合において、ブラーヒーミー共同特別は、国連安保理常任理事国がシリア危機に関する決議を遵守する必要があると強調した、という。

また複数の消息筋によると、会合に先立って、ハマド首相は、シリア革命反体制勢力国民連立のハティーブ議長をシリアの代表として主席させることを求めたが、カタール以外の国が難色を示した、という。

また会合でも、シリア革命反体制勢力国民連立をシリア政府に代わる代表とすることを事務局に認めさせようとする動きがあったという。

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シリア革命反体制勢力国民連立の発足を受け、米国のマーク・トナー国務省副報道官は声明を出し、「血塗られたアサド体制終焉への道を開く国民連立への支援を早急に命じる」と述べた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を「反体制勢力統合のための不可欠なプロセスにおける重要なステップ」と高く評価し、「全面支援」を行うと述べるとともに、連立の「国際承認のために活動する」との意思を表明した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立の発足を「多様なシリア国民を広範に代表する」ための「重要なステップ」と高く評価するとともに、「暫定移行期間に備え、シリア社会のすべての集団とともにあることを求める」と述べた。

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ドイツ外務省報道官もシリア革命反体制勢力国民連立の発足に関して「アサド体制に代わる満足の行くオルターナティブ」と高く評価した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長、シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長と会談した。

会談で両氏の就任を祝福したダウトオール外務大臣は、「シリアの反体制勢力は分裂しており、統合されていない。我々は彼らを支援できない。そう私は話した。しかし、反体制武装勢力は国連、そしてすべての当事者から支援を受けるに値する」と述べた。

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ロシア外務省は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の発足に関して「(ロシアにとって)もっとも主要な基準は…こうした連立が、外国の介入を排除し、対話を通じたシリア人による平和的紛争解決を原則として行動する用意があるかという点である…。(ロシアは)、シリア政府と”すべての”反体制勢力との連絡を継続し、建設的な方法に従うよう求める」と発表した。

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『ハヤート』(11月13日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、イランがイスラーム諸国会議機構の第39回外相会合(ジブチ)でのシリアの加盟資格停止撤回を目指している、と報じた。

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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はプラハでの会合で「NATOは同盟国であるトルコの防衛のために必要なことを組織として行うだろう…。トルコ防衛を可能とするあらゆる計画が準備されている。我々はそれが抑止力となり、トルコが攻撃に曝されないことを希望している」と述べた。

またドーハでの反体制武装勢力の大会に関して、「分裂した反体制勢力はもちろん問題である。それゆえ、我々は反体制勢力にもっと統合して欲しい」と述べた。

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イスラエル国防軍は声明を出し、占領下のゴラン高原の基地近くの空き地にシリア領内からの迫撃砲が着弾、これを受けイスラエル国防軍が迫撃砲の発射地点に向けて戦車で反撃を行った、と発表した。

そのうえで、「シリアからの発砲にこれ以上寛容であるわけにはいかない。激しく報復するだろう」と付言した。

同声明によると、シリア領からの迫撃砲は、軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘の流れ弾で、イスラエル国防軍を狙ったものではない、という。

国連のマーティン・ネスィルキー報道官は、「国連は(紛争の)エスカレートの可能性を大いに懸念する」と述べ、シリアとイスラエルの交戦の可能性への懸念を表明した。

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EU災害危機管理課は、赤十字国際委員会と国際赤十字赤新月社連盟に対して、トルコで避難生活を送るシリア人17万人に対する3230万スイス・フラン掃討の緊急支援を行うよう呼びかけた。

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アラブ連盟緊急外相会議がカイロで開かれ、ドーハで結成されたシリア革命反体制勢力国民連立を「シリア国民の意思を代表する正統な代表」とする声明を承認した。

声明の採決には、アルジェリアとイラクが態度を留保し、国連憲章第7章に基づく介入を国連に呼びかけた。

またレバノンは、シリア危機と「距離を置く」政策に基づき、声明採決を棄権した。

声明は、シリア革命反体制勢力国民連立に参加しなかった反体制勢力に対して、連立への参加を呼びかけ、シリア国民の諸相のための組織とすることを呼びかけた。

また国際機関に対して、シリア革命反体制勢力国民連立の承認を求めた。

さらに、シリア革命反体制勢力国民連立をはじめとする反体制勢力に対して、権力移譲のための平和的解決策案出のため集中的な対話に入るよう呼びかけた。

緊急外相会議には、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長とシリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長が出席した。

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緊急外相会議後、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は記者会見を開き、「シリア革命反体制勢力国民連立は、シリアの反体制勢力の正統な代表であり、アラブ連盟の基本的交渉相手だ」と述べた。

ハマド首相によると、シリア革命反体制勢力国民連立の「承認」の形式は、リビア暫定国民評議会の承認と形式に準じている、という。

しかし、GCCが「シリア国民の正統な代表」と承認したのに対して、アラブ連盟外相会議は、「シリア国民の”意思”の正統な代表」とし、シリアにおける体制転換に慎重な周辺諸国に一定の配慮を行った。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員7人を含む12人がラアス・アイン市に対する軍の空爆で死亡した、と発表した。

空爆は、反体制武装勢力が占拠した政治治安部の施設に対して行われ、空爆では子供1人、女性1人を含む民間人5人も死亡した、という。

対トルコ国境に位置するラアス・アイン市へのシリア軍の空爆・攻撃に対して、トルコ軍は迎撃しなかった。

アナトリア通信(11月12日付)はまた、軍がラアス・アイン市の食品工場を空爆し、シリア人が少なくとも4人死亡、多数が重傷を負ったと報じた。

この工場も、反体制武装勢力が占拠していた。

シリア人権監視団によると、空爆後、戦闘ヘリコプターがラアス・アイン市に対して機銃攻撃を加え、反体制武装勢力が反撃した、という。またその後、空爆が再開されたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がマアッラト・ヌウマーン市への空爆を行う一方、ハーリム市などマアッラト・ヌウマーン市周辺の地域で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(11月12日付)によると、ジスル・シュグール市郊外のタッル・ウワイル村、タッル・ハムカ村、ミンタール村、サッラ・ズフール村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトなどを攻撃し、戦闘員を殲滅した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市が軍の空爆を受けた。

一方、『ハヤート』(11月13日付)によると、反体制武装勢力は、同市のハムダーン空港上空で軍のヘリコプターを撃墜したと証言した(未確認情報)。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がディブスィー・アフナーン村を空爆した。

同村は2日前から反体制武装勢力によって包囲されている、という。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区での砲撃で7人が死亡した。

一方、SANA(11月12日付)によると、タダームン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殲滅、米国製の武器弾薬などを押収した。

なお、『バアス』(11月13日付)は、軍・治安部隊がハラスター市の全地区を制圧した、と報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハスヤー町で反体制武装勢力が軍・治安部隊を要撃し、13人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月12日付)によると、ハラスター市および同市周辺、ザマルカー町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、SANA(11月12日付)によると、反体制武装勢力がハンダラート空軍基地を襲撃しようとしたが、軍・治安部隊が撃退した。

またアレッポ市、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、カルム・ジャズマーティー地区、ハーラト・シハーディーン地区、ライラムーン地区、カフルハムラ村、カフルナーハー村、バーブ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、シャームの民のナスラ戦線のメンバーら多数の戦闘員を殺傷した。

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『アフバール』(11月13日付)は、シリア人ジャーナリストのシャリーフ・シハーダが乗った車が「ウマイヤ末裔旅団」によって襲撃され、シハーダが負傷、ドライバーが死亡したと報じた。

クルド民族主義勢力の動き

シリア人権監視団によると、民主統一党の人民防衛隊(YPG)がマーリキーヤ市からの軍・治安部隊の撤退を受け、同市を掌握した。

al-Kurdīya News, November 12, 2012
al-Kurdiya News, November 12, 2012

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クルディーヤ・ニュース(11月12日付)によると、民主統一党の人民防衛隊(YPG)はハサカ県ダイリーク市内の治安施設・拠点を掌握した。

複数の住民によると、同市の治安施設・拠点には長らく、軍・治安要員は部分的にしか駐留しておらず、人民防衛隊は軍・治安部隊から引き継ぐかたちでこれらの施設・拠点に入ったという。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、殉教者記念日に合わせてテレビ演説を行った。

演説ではシリア情勢についても触れられ、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺(10月)をアサド政権やヒズブッラーの犯行と断じる3月14日勢力の姿勢を「それで彼らは何を成し遂げたいのか?」と批判した。

また「我々のシリアに対する姿勢は変化しない。政治的解決がシリア国民の利益になる…。しかし危険なのは、新たな反体制勢力の同盟(シリア革命反体制勢力国民連立)が対話を拒む点でコンセンサスに達した点である。彼らはさらなる破壊を望んでいる。これは米国、イスラエル、一部の性根の悪いアラブ諸国の利益になるだけだ」と述べた。

AFP, November 12, 2012、al-Akhbar, November 13, 2012、Akhbar al-Sharq, November 12, 2012, November 13, 2012、al-Ba’th, November 13, 2012、al-Hayat, November 13, 2012、Kull-na Shuraka’, November 12, 2012、al-Kurdiya News,
November 12, 2012、Naharnet, November 12, 2012、Reuters, November 12, 2012、SANA,
November 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国内の反体制組織・活動家らが「ドーハでの反体制勢力の会合の計画を拒否する」との意思を示すなか、ハサカ県では民主統一党と軍・治安部隊による交渉がもたれた末に前者が2市を掌握(2012年11月10日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(11月11日付)によると、国内の反体制組織・活動家らやシリア国民諸勢力が共同声明を発表し、「ドーハでの反体制勢力の会合の計画を拒否する」との意思を示した。

この共同声明には、12の組織が参加、それらの代表者である自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐、シリア・レジスタンス現地大隊のサアド・ウカイディー、バヒーヤ・マールティーニー(クルド人)、シャーム自由人党のイブラーヒーム・ズウビー、国民変革潮流のアンマール・カルビーらが署名している。

同声明は、ドーハでの会合に参加する反体制勢力を「革命の誠実な申し子たちを排除する者」と批判し、会合で「準備された争点そのものに疑義を呈する」としたうえで、「革命成就後に、我々国民が望まないことを誰も押しつけることはできない」と主張した。

そのうえで、「祖国のなかで、民間人と軍人の対話を始め、国内で真の国民議会を設置し、長きにわたる苦しみを終えるべく、あなたたち(国民)の望みを代弁する」と締めくくった。

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米国とリヤード・サイフ元議員の主導のもと11月8日にドーハで開会された反体制勢力の大会(「共にシリアのために」会合)に、シリア国民評議会の新執行部が参加、他の反体制組織との協議に入った。

『ハヤート』(11月11日付)によると、両陣営は、体制打倒と自由シリア軍支援において原則合意したが、リヤード・サイフ元議員が提示したシリア国民イニシアチブに代えて、反体制勢力の「連立」に向けた議論が進められ、「シリア国民評議会が連立において大きなウェイトを持つ」かたちの調整がめざされている、という。

会合には、カタールのハーリド・アティーヤ外務担当国務大臣、UAEのアブドゥッラー・ブン・ザーイド外務大臣、ロバート・フォード駐シリア米大使らも同席した。

『ハヤート』(11月11日付)によると、アティーヤ外務担当国務大臣は、カタールがシリア国民評議会の存続を支持し、シリア国民イニシアチブ委員会をその代替とみなさない、と明言した。

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シリア国民評議会のアフマド・ラマダーン執行部メンバーによると、大会で評議会は「自らのビジョン」を提示する一方、サイフ元議員によるシリア国民イニシアチブ委員会の設置の是非に向けて協議を行っている、という。

ラマダーンは、サイフ元議員の提案に基づいてシリア国民イニシアチブ委員会が設置されることを妨げないが、このことはイニシアチブそのものに同意したことを意味せず、また評議会はシリア国民イニシアチブ委員会が設置されても参加しないだろう、と述べた。

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AFP(11月10日付)によると、シリア国民評議会は、ドーハで開催中の反体制勢力の大会で、暫定政府発足などを骨子とする新提案を提示するという。

同提案は、①暫定政府、②シリアの友連絡グループの呼びかけに応え、その支援を受け入れるためのシリア国民支援基金、③国内軍事司令部合同指導部、④シリア司法委員会、という四つの組織からなる。

また、「シリア国内での反体制勢力の大会によって暫定政府が樹立されるまで」、この暫定政府が施政権を担うことが定められている、という。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー新事務局長は就任後初の記者会見で、米国の後援のもとにリヤード・サイフ前議員が提案したシリア国民イニシアチブ構想に関して、「シリア国民評議会はシリア国民イニシアチブをはじめとするいかなるイニシアチブよりも古い。我々に求められているのは、国民的な構想に向けて進むことで、別の路線の旗のもとに集うことではない」と述べた。

また「我々は同胞と開かれた対話に入り、彼らのイニシアチブを精査した。しかし、我々には我々の見方、考え方があり、それを提示するだろう」と付言した。

SANA, November 10, 2012
SANA, November 10, 2012

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊がマアッラト・ヌウマーン市周辺部での進軍を続け、付近の国際幹線道路や周辺の多くの村々を奪還した。

しかし、マアッラト・ヌウマーン市は、反体制武装勢力が占拠している、という。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市で連続爆破テロが3件発生し、少なくとも兵士20人が殺害された。

爆破テロのうち2件は爆弾を積んだ車による自爆テロで、将校クラブが標的となった。また残る1件は市内のスタジアム近くで発生した。

SANA(11月10日付)によると、反体制武装勢力によるこのテロで7人の市民が犠牲となった。

SANA, November 10, 2012
SANA, November 10, 2012

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザーヒラ地区で、車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

またタダームン区では、反体制武装勢力が軍・治安部隊の検問所を襲撃し、両者が交戦した。

一方、SANA(11月10日付)によると、反対武装勢力がダッフ・シューク地区で爆弾を車に仕掛けて爆発させ、複数の市民が負傷した。

またジョルジュ・フーリー広場に面する民家に、反体制武装勢力が迫撃砲を発射し、複女性2人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(11月10日付)によると、ハラスター市郊外などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

またナブク市で、反体制武装勢力が仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員全員が死亡した。

このほか、クッルナー・シュラカー(11月10日付)は、ジュダイダ・シャイバーニー調整の活動家の話として、反体制活動家のムハンマド・バッシャール・スンウーバル医師が数度にわたる逮捕のち、11月6日にラマール検問所で殺害された、と報じた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル占領地近くで、軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のために砲撃を行った。

また反体制武装勢力2人が、フッリーヤ村の治安部隊の検問所を襲撃した。

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アレッポ県では、SANA(11月10日付)によると、アナダーン市、バーブ市、ハンダラート・キャンプ、アレッポ市フィルドゥース地区、アグユール地区、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジト、拠点などを攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月10日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力(ターリク・ブン・ズィヤード旅団)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(11月10日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市、ラスタン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

クルド民族主義勢力の動き

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党と住民の要請により、ダルバースィーヤ市とタッル・タミル市から軍・治安部隊が退去、同党が両市を掌握した。

シリア人権監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表によると、人民防衛隊と住民が「両市の警察、軍事情報局、総合情報部などの治安施設を長時間にわたって包囲」、アイン・アラブ市と同様の戦闘を回避するための交渉を軍・治安部隊と行い、軍・治安部隊は両市から退去した、という。

なお民主統一党の人民防衛隊はこれをうけ、ダルバースィーヤ国境通行所も掌握した。

クッルナー・シュラカー(11月10日付)によると、このほかにも、アブー・ラースィーン市、タッル・バイダル村からも軍・治安部隊が退去した、という。

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『ハヤート』(11月11日付)によると、この退去を受け、ハサカ県はハサカ市、カーミシュリー市、カーミシュリー国境通行所以外が、クルド民族主義勢力と反体制武装勢力のいずれかに掌握された、という。

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『ハヤート』(11月11日付)は、クルド人活動家の話として、民主統一党人民諸委員会が、クルド人避難民に対して、軍・治安部隊が退去したハサカ県ラアス・アイン市に戻るよう呼びかけている、という。

複数のメディアによると、自由シリア軍のラアス・アイン市襲撃により、住民のほとんどは市外に避難、うち約5,000人がトルコ領内に逃れていた、という。

レバノンの動き

シリアの複数の反体制筋によると、ヒムス市サフサーファ地区で、ヒズブッラーの民兵の司令官の一人バースィル・ハマーダが反体制武装勢力との戦闘中に死亡した。

スカイニュース(11月11日付)によると、この戦闘では、ヒズブッラーの戦闘員複数が負傷した。

諸外国の動き

『クドス・アラビー』(11月10日付)は、シリアの信頼できる複数の消息筋の話として、10月10日にトルコのアンからに強制着陸させられたモスクワ発シリア・アラブ航空旅客機の積荷のなかに、ADE651(英国製爆発物探知機)などが含まれていた、と報じた。

AFP, November 10, 2012、Akhbar al-Sharq, November 10, 2012、al-Hayat, November 11, 2012、Kull-na Shuraka’, November 10, 2012、al-Kurdiya News, November 10, 2012、Naharnet, November 10, 2012、al-Quds al-‘Arabi, November 10, 2012、Reuters, November 10, 2012、SANA, November 10, 2012、Sky News, November 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民評議会事務局がドーハで執行部・事務局長選挙を実施する一方、人民防衛隊が軍・治安部隊不在のハサカ県アームーダー市およびダルバースィーヤ市を掌握(2012年11月9日)

国内の暴力

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ブライカ地方、ビイル・アジャム地方、ハルシュ地方で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、双方に合わせて3人の死者が出た。

軍は、同地方に潜伏する反体制武装勢力の掃討をめざしている、という。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市の市役所前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、4人が死亡した。

またダーライヤー市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

一方、SANA(11月9日付)によると、サイイダ・ザイナブ町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市への砲撃で12人が死亡した。

しかし、SANA(11月9日付)は、クーリーヤ市での砲撃を否定した。

またSANA(11月9日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カフルスーサー区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

一方、SANA(11月9日付)によると、軍・治安部隊がタダームン区で殺戮・破壊活動を行う反体制武装勢力と交戦し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、米国製の武器などを押収した。

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アレッポ県では、SANA(11月9日付)によると、カフルハムラ村・ライラムーン地区間の街道、ダイル・ハーフィル市、バーブ市・ラーイー街道、カフルハムラ村、フライターン市、ズィルバ村、アレッポ市シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、スッカリー地区、カッラーサ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、アジトなどを破壊した。

一方、ダマス・ポスト(11月9日付)は、バアス党アレッポ支部指導部のヒラール・ヒラール書記長が、バアス党員の志願者約5,000人から編成される「バアス大隊」が軍・治安部隊とともに反体制武装勢力との戦闘に参加していることを明らかにしたと報じた。

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ヒムス県では、SANA(11月9日付)によると、ハウラ地方、ヒムス市ワアル地区、アルメニア地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(11月9日付)によると、ガーブ地方のジブリーン村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

国内の動き

インターネットなどでは、「ダマスカスへの進軍の時」と銘打った反体制デモが呼びかけられた。

ロンドンを拠点とする反体制組織のシリア人権監視団などによると、デモは、ダマスカス郊外県ドゥーマー市、ダマスカス県カーブーン区、ジャウバル区、バルザ区、アサーリー地区、ハマー県カフルヌブーダ町など各地、ダルアー県、アレッポ県、ハサカ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県でデモが発生したという。

デモでは、RTでのアサド大統領の発言(「シリアで死ぬ」を受けるかたちで、「バッシャールよ、我々は今度こそ嘘をつかないことを願っている」といったシュプレヒコールをあげて、退陣と体制打倒を呼びかけた。

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『ティシュリーン』(11月9日付)は、2011年3月以来、シリア国内で12,461台の自動車が盗難に遭った、と報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会の事務局は、カタールの首都ドーハで執行部選挙および事務局長選挙を実施した。

執行部選挙に先立って、シリア革命最高評議会のワースィル・シャマーリーが事務局メンバーの地位をジョルジュ・サブラーに譲り、またサブラーがシリア革命最高評議会に加入した。

これに関して、シャマーリーは、「よりよい役割を果たすものを優先すべく、事務局におけるポストをサブラーに譲った」と述べた。

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執行部選挙での当選者および獲得票数は以下の通り。

  • ジョルジュ・サブラー(35)
  • ヒシャーム・ムルーワ(36)
  • ファールーク・タイフール(30)
  • アブドゥルバースィト・スィーダー(27)
  • サーリム・アブドゥルアズィーズ・ムスラト(31)
  • アブドゥルアハド・アスティーフー(30)
  • ハーリド・サーリフ(29)
  • ジャマール・ワルド(25)
  • フサイン・サイイド(29)
  • ナズィール・ハキーム(22)
  • アフマド・ラマダーン(21)

なお執行部選挙には20人が立候補した。落選者は以下の通り。

  • ハーリド・ナースィル
  • バッサーム・イスハーク
  • アブドゥルカリーム・アーガー
  • バドル・ジャームース
  • ウサーマ・シュルバジー
  • ハリール・ハーッジ・サーリフ
  • ズィヤーダ・アブー・ハムダーン
  • ムラッヒム・ダルービー
  • スライマーン・ヒラーキー

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執行部選出を受け、事務局長の選挙が実施された。

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事務局長選挙には、ジョルジュ・サブラーとヒシャーム・ムルーワが立候補し、投票の結果、ジョルジュ・サブラーが8票を獲得して、事務局長に選出、かくして事務局選挙人落選した活動家が一転、シリア国民評議会の第3代事務局長に就任した。

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ジョルジュ・サブラーは1947年、ダマスカス郊外県カタナー市生まれ。ギリシャ正教徒。元教師。シリア民主人民党(旧シリア共産党政治局派)の書記長を務める。2012年春に海外に逃れた。

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トルコでの避難生活を終え、対トルコ国境のシリア領内に潜伏する自由シリア軍最高軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将は、AFP(11月10日付)に対して、自由シリア軍を組織再編し、反体制武装勢力の統合を行い、近く新指導部の「選挙」を行うと述べた。

シャイフ准将によると、自由シリア軍は過去10日での再編作業により、北部旅団、南部旅団、東部旅団、西部旅団、海岸地上旅団の5旅団に再編された、という。

また近く、新指導部を「選挙」によって選び、組織的活動を行うことで、国際社会の信用を得たいとしている。

さらに、シリア国外を拠点としている非難に反論するかたちで、「司令官や士官は、前線から離れていてはならない」としたうえで、200人の士官を「解放区」の一つにトルコから派遣したと述べた。

シャイフ准将によると、国軍兵士の半数が離反したが、離反兵の半数は当局に逮捕され、自由シリア軍が約70,000人の兵士からなる、と述べたうえで、「自由シリア軍はすべてのシリア人を代表している」と豪語した。

一方、シリア国民評議会を指導するシリア・ムスリム同胞団に関して、シャイフ准将はシリア国民を代表していないと非難した。

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トルコ当局によると、少将2人を含むシリア軍士官26人が離反し、トルコに逃走した。ロイター通信(11月9日付)などが報じた。

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クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、地元調整諸委員会がシリア国民評議会からの脱会を決定したことに対して、評議会に参加する「地元調整諸委員会ブロック」代表および同ブロックの半数以上のメンバーが、脱会を拒否した、と報じた。

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ヤーラー・ナスィールは声明を出し、シリア国民評議会からの脱会を発表した。

評議会が革命を指導するすべての勢力を代表し得なかったことがその理由。

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シリア国民評議会事務局選挙に落選したアディーブ・シーシャクリーは声明を出し、評議会からの脱会を発表した。

評議会が組織改編に失敗し、国内外での信頼醸成に失敗したことが理由。

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シリア救援医療機構のタウフィーク・シャンマ報道官はジュネーブで記者会見を開き、シリア赤新月社宛に送付されている国際人道支援物資の90~95%が、シリア政府、とりわけ軍を支援するために横流しされている、と指摘・非難した。

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自由シリア軍バッラー大隊はフェイスブック(11月9日付)に、捕捉した軍・治安部隊兵士の映像を公開した。

http://www.youtube.com/watch?v=16TRP0zKeak

クルド民族主義勢力の動き

『ハヤート』(11月10日付)によると、シリア・クルド民主党(アル・パールティー)のムハンマド・イスマーイールは、ラアス・アイン市に潜入した反体制武装勢力の戦闘員のほとんどが「ジハード主義者」だったことを明らかにした。

al-Kurdiya News, November 9, 2012
al-Kurdiya News, November 9, 2012

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クルディーヤ・ニュース(11月9日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市への自由シリア軍の潜入に関して、大多数の住民が市外への避難を余儀なくされるなか、一部の住民が自由シリア軍とともに、軍・治安部隊を襲撃していた、と報じた。

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クルディーヤ・ニュース(11月9日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で、民主統一党の人民防衛隊(YPG)が、シリア・クルド国民評議会によるデモに発砲し、少なくとも5人が負傷したと報じた。

デモは平和的に行われたが、参加者は委任統治時代のシリアの国旗を掲揚するなどして、民主統一党支持者を挑発した、という。

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クルディーヤ・ニュース(11月9日付)は、ハサカ県のアームーダー市、ダルバースィーヤ市から軍・治安部隊が撤退し、民主統一党人民防衛隊(YPG)が両市を掌握したと報じた。

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クルディーヤ・ニュース(11月9日付)は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が、反体制勢力の大会に参加するためにドーハに滞在中のシリア・クルド国民評議会使節団と会談し、「クルド人テロ組織に反対の立場をとる」と述べ、民主統一党の排除を求めた、と報じた。

これに対して、使節団は、民主統一党を「テロ組織」とみなすダウトオール外務大臣の姿勢に異議を唱え、民主統一党がPKKの下部組織ではないと反論した。

諸外国の動き

アフバール・シャルク(11月9日付)は、イスラエルが占領するゴラン高原での迫撃砲着弾や非武装地帯へのシリア軍戦車の進入に関して、イスラエルの複数の消息筋の話として、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が、米国のユダヤ人を通じて、「高原内のイスラエル入植地への攻撃を許さない」とのアサド大統領の確約を得たと報じた。

アサド大統領はまた、占領地に着弾した迫撃砲が軍ではなく「破壊分子」が発射したものだと伝えた、という。

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国連難民高等弁務官によると、過去48時間で約11,000人がシリア国外に避難した。うち約9,000人がトルコへ、約1,000人がヨルダンへ、約1,000人がレバノンに入国した、という。

AFP, November 9, 2012、Akhbar al-Sharq, November 9, 2012、Damas Post, November 9, 2012、al-Hayat, November 10, 2012、Kull-na Shuraka’, November 9, 2012、al-Kurdiya News,
November 9, 2012、Naharnet, November 9, 2012、Reuters, November 9, 2012、SANA,
November 9, 2012、Tishrin, November 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がRTテレビによるインタビューのなかでシリアの敵がテロと不安定化であることを強調する一方、米国とサイフ元議員が主導する反体制武装勢力の大会が開会(2012年11月8日)

アサド大統領のインタビュー

アサド大統領はRTテレビ(11月8日付)のインタビューに英語で応じ、外国によるシリア侵略が世界が耐えることのできない惨劇をもたらし、それは大西洋から太平洋にいたる全世界に波及するだろうと述べるとともに、シリアの敵がテロと不安定化であることを強調した。

SANA, November 9, 2012
SANA, November 9, 2012

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「我々の敵はテロと不安定化であって、人ではない。問題は私が(大統領職に)とどまるか去るかではない。また国が安全かどうかというものでもない。つまり、これ(テロと不安定)が我々がシリア人として戦っているものだ」。

「当初から私が標的だったのではない。私が問題だったのではない。西側はいつも敵を作り出してきた。過去においては共産主義がそうだったし、その後はイスラーム教、そしてサッダーム・フサインが西洋の敵となった。現在、彼らは「バッシャール」という新たな敵を作りたいと思っている。だから彼らは問題が大統領があり、彼が去るべきだと言っているのだ」。

「私はそれ(紛争の解決)ができる人間でなければならないし、そうだろうと考えている。しかし、それは大統領の権限とは関係ない。社会全体に関わる問題だ。この点を厳密にしておかなければならない。大統領は組織がなければ何もできないし、国民の支持がなければ何もできない。だから、今の戦いは、大統領としての戦いなのではない。シリアとしての戦いなのだ。すべてのシリア人が今、国を守ることに関わっている」。

「もう一度、正確に言いたい。問題は私と国民の間の問題ではない。私と国民の間には何の問題もない。米国、西欧、トルコ、そして多くのアラブ諸国が私に反対しているだけだ。もしシリア国民が私に反対しているなら、なぜ私がここにいられるのか?世界、そして世界の人々の大多数が私に反対しているなら、なぜ私がここにいられるのか?私はスーパーマンではない。人間だ…。我々は内戦状態にあるのではない。それはテロに関わる問題であり、テロリストがシリアを不安定化させるため、外国が支援しているのだ」。

「(国内に)対立はあるが、それは内戦を意味しない…。内戦はエスニック・宗派問題に基づいているはずだ。むろん、エスニック・宗派対立があるかもしれないが、それが問題をもたらしているのではない」。

(国民がアサド大統領の続投を望んでいるかとの問いに対して)「人々が考えることが正しいことだ…。私は人々が何を考えているのかを言いたくはない」。

「平時において、たとえ国内にテロリズムのような敵がいようと、我々は軍、諜報機関をもって外敵に焦点を合わせている。なぜなら社会はテロの温床が作られないよう我々に協力してくれているからだ。しかし今は、プロキシを通じたテロ、という新たな戦争が行われている…。これは新たなかたちの戦争であり、我々はこのかたちに適用するのに時間を要してしまっている…。しかも、テロリストが武器、資金、政治といった面で受けている支援はこれまでにない規模だ…。つまりシリアのような小さな国が、プロキシを通じて我々に戦いを挑んでいる国々に数日、数週間で勝利できるなどと期待すべきでない」。

「テロリストは、民間人が暮らす都市のなかで戦っている。この手のテロリストと戦う場合、我々は、インフラや民間人へのダメージを最小限にとどめることに配慮しなければならない。にもかかわらず、我々は戦わねばならず、しかもテロリストの殺戮や破壊を放置してはおけない。この手の戦争で困難なのはこういた事情があるからだ」。

「彼らが世界の様々な場所から外国人戦闘員を送り込むことをいつ止めるのかを明言しなければ、そのこと(テロにいつ勝利するか)に答えることはできない…。彼らが止めれば、「数週間ですべてを終わらせることができる」と私は言うことができる。

「私はそれ(トルコとの戦争)が起きるとは考えない。なぜなら、戦争は大衆の支持を必要とするが、トルコ国民の大多数は、シリアとの戦争を望んでいないからだ…。エルドアンは、ムスリム同胞団が地域、とりわけシリアで政権を握れば自分の政治的未来が保証されると考えている…。また彼は、自分が新たなスルターンで、オスマン帝国時代のようにすべてを支配できると勘違いしている」。

「私は彼ら(アル=カーイダ)が(反体制勢力を)統制しようとしているとは考えていない。彼らは自分自身の王国、首長国を作ろうとしている。彼らは今、爆発、暗殺、自爆を通じて人々を脅迫し、そうすることで人々が絶望し、現実を受け入れるだろうと考えている」。

「我々は真にシリアを支援したいと考える人(反体制勢力)なら誰とでも対話をする。しかし、我々の危機を自分自身の利益のために利用しようとする者との対話で時間を浪費するつもりはない」。

(軍が戦争犯罪を犯しているとの人権団体などの非難に関して)「論理を欠いている主張だ。なぜならシリア軍はシリア国民からなっている。国民に対して罪を犯そうすれば、軍は解体するだろう。それゆえ国民を殺害する軍は強力であるはずない。さらにシリアの大衆に擁護されていなければ、軍が20ヶ月も困難な状況下で持ちこたえるはずない」。

(シリアを去らねばならないとしたらどこに亡命するかとの問いに対して)「私はシリアからシリアに移動する。我々が暮らすことができる唯一の場所だからだ。私は操り人形ではない。私は西側によって作り出されたものでないし、西側などの国に行くことはない。私はシリア人だ。シリアが私を作り出したのだ。私はシリアで暮らし、シリアで死なねばならない」。

映像はhttp://www.youtube.com/watch?v=pdH4JKjVRyA&feature=relmfuを参照。
全文はhttp://sana.sy/eng/21/2012/11/09/451662.htmを参照。

http://www.youtube.com/watch?v=pdH4JKjVRyA&feature=relmfu

国内の動き

アントゥーン・マクディスィー外務在外居住者省報道官は、「シリアの体制は長く続かない」とのアラブ連盟ナビール・アラビー事務総長の発言(7日)に対して、シリアを破壊しようとする国やテロ組織に荷担する発言だと非難した。

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SANA(11月8日付)は、シリアの外務在外居住者省高官の話として、「シリアは日本政府が対シリア制裁強化のための国際会議の開催を決定したことを知り、大きな遺憾の意を感じていると述べ、日本政府に対して、シリアの一般市民にダメージを与えるだけの非道徳的な制裁への姿勢を再考するよう呼びかけた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会総会で7日から8日未明にかけて、事務局選挙が実施され、41人のメンバーが確定した。

41人のうち18人が初当選。また12人がシリア国内の「革命運動」の代表者で、50歳以下は68.3%になった。

事務局選挙当選者の所属会派、氏名は以下の通り:

  • アッシリア・シリア正教ブロック/アッシリア機構:アブドゥルアハド・アスティーフー、サイード・ラフドゥー
  • アレッポ県革命暫定評議会:ムハンマド・ハーッジ・アブドゥッラー(新、アレッポ県出身)
  • クルド・ブロック:アブドゥルバースィト・スィーダー(ハサカ県カーミシュリー市出身)
  • クルド革命運動:イブラーヒーム・ミールー(ハサカ県カーミシュリー市出身)
  • シリア・クルド戦線:フサイン・アブドゥルハーディー・ムハンマド(新)
  • シリア・ムスリム同胞団:ファールーク・タイフーフ(ハマー県出身)、ムハンマド・バッサーム・ユースフ(ヒムス県出身)、アフマド・サイイド・ユースフ(イドリブ県出身)、ムラッヒム・ラーティブ・ダルービー(新、ハマー県出身)
  • シリア自由人連合:ズィヤード・シャフィーク・アブー・ハムダーン(新、スワイダー県出身)
  • ダマスカス宣言:サミール・ナッシャール(アレッポ県出身)
  • トルクメン民主運動:アブドゥルカリーム・アーガー(新、ラタキア県出身)、ハサン・アブドゥッラー(新、ラタキア県出身)
  • 自由人党:バッサーム・イスハーク(シリア正教国民評議会、ハサカ県出身)
  • 革命指導最高評議会:フサイン・サイイド(イドリブ県出身)、ワースィル・シャマーリー(新、ヒムス県出身)
  • 国民ブロック;ヒシャーム・ムルーワ(新、ダマスカス県出身)、ルワイユ・サーフィー(ダマスカス県出身)
  • 国民行動グループ:アフマド・ラマダーン(アレッポ県出身)、ウバイダ・ナッハース(アレッポ県出身)
  • 国民潮流:ハーリド・サーリフ(ダイル・ザウル県出身)、バドル・ジャームース(新、ダマスカス郊外県出身)、ウサーマ・シュルバジー(ダマスカス郊外県ダーライヤー出身)
  • 人民自由潮流:ハーリド・ナースィル(新)
  • 地元調整諸委員会:ハリール・ハーッジ・サーリフ(ラッカ県出身)
  • 部族評議会:サーリム・アブドゥルアズィーズ・ムスラト(新)
  • 民間人保護国民連立:ナズィール・ハキーム(アレッポ県出身)、ハイサム・ラフマ(新、ヒムス県クサイル市出身)
  • 民主無所属ブロック:マルワーン・ハッジュー(ヒムス県出身)、ハーリド・アブドゥッラフマーン・ザイニー(ヒムス県出身)
  • 革命運動(無所属):ムアイアド・カバラーン・ガズラーン(新、ダルアー県出身)、ムハンマド・ワリード(シリア・ムスリム同胞団、ラタキア県出身)、アンマール・アブー・ヒターブ(ダイル・ザウル県出身)、ジャマール・ワーディー(新、ダルアー県出身)、ジャマール・ワルド(ラタキア県出身)、スィナーン・ハターヒト(新、ダマスカス県出身)、アフマド・バックール(新、公正成長変革委員会、ダマスカス県出身)、スライマーン・ヒラーキー(ハマー県出身)、ムハンマド・ダギーム(新、イドリブ県出身)、ムハンマド・アフマド・ウバイド(ダイル・ザウル県出身)

事務局選挙には、総会出席者425人のなかの102人(36リスト)が立候補していた。

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なお事務局選出を受けて実施される事務局長および執行部選挙は11月9日に延期となった。

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シリア民主世俗主義諸勢力連立のフィラース・カッサース総合調整役は声明を出し、シリア革命を支援する政治的方針に関する連立の方針に準じて、シリア国民評議会からの脱会とリヤード・サイフ元議員のシリア国民イニシアチブ構想への不参加を宣言した。

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米国とリヤード・サイフ元議員が主導する反体制武装勢力の大会が開会した。

大会議長はカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣が務め、シリアの友連絡グループ各国の高官らも出席した。

出席した主な各国高官は、UAEのアブドゥッラー・ブン・ザーイド外務大臣、オマーンのユースブ・ブン・アラウィー外務大臣、サウジアラビアのニザール・ウバイド・マダニー外務担当大臣、アフメト・ダウトオール外務大臣、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、GCCのアブドゥッラティーフ・ブン・ラーイド・ズィヤーニー事務局長。

シリア国民評議会のアフマド・ラマダーンが『ハヤート』(11月9日付)に明らかにしたところによると、大会には、シリア国民評議会メンバー24人、シリア各県の自治評議会代表14人、革命諸委員会代表、「市民権と共に」運動(自由民主シリアのための「共に」運動)代表、サーディク・ジャラール・アズム(作家連盟)、ムハンマド・サーブーニー(ウラマー連盟)、アブドゥルカリーム・バッカール、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相、リヤード・サイフ、ブルハーン・ガルユーン、ハイサム・マーリフ(シリア革命評議会代表(暫定政府首班)が出席した。

ラマダーンによると、アレッポの自治評議会代表はシリア国内から参加であるが、それ以外の出席者はいずれも在外活動家であり、またシリア国内で活動しているほとんどの組織、活動家は大会には姿を現していない。

国内の暴力

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(11月8日付)によると、自由シリア軍が未明にラアス・アイン市内に潜入し、政治治安部、軍事情報局、空軍情報部、総合情報部、バアス党支局などを包囲攻撃、目撃者によると、曙の礼拝のため、市内のトゥラービー・サッカー・スタジアムに集結、その後、襲撃を再開したという。

クルディーヤ・ニュース(11月8日付)は、ラアス・アイン市住民が軍と交戦する自由シリア軍に対して市内から退去するよう要求したと報じた。

しかし、市内の民主統一党人民防衛隊(YPG)、シリア・クルド国民評議会地区委員会は、自由シリア軍とは交戦しなかった、という。

また自由シリア軍は、住民に対して身の安全のために外出しないよう呼びかけている、という。

シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市で激しい戦闘があり、反体制武装集団の戦闘員10人と軍兵士16人が死亡した。

またシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、自由シリア軍は二隊に分かれてアイン・アラブ市を襲撃、うち一隊はトルコ領から直接潜入した。

住民の多くは、自由シリア軍の襲撃によって、トルコ国内、ないしはクルド人が暮らす周辺の町に避難を余儀なくされ、アフバール・シャルク(11月8日付)によると、トルコ領内には仮設の避難移設が設営された、という。

一方、シリア・アラブ・テレビ(11月8日付)は、アイン・アラブ市に潜入したテロリストのうち数十人を軍・治安部隊が殲滅、残りの戦闘員は逃走した、と速報を流した。

またトルコの複数のメディアによると、ラアス・アイン市内での戦闘によって、同市に滞在していたトルコ人5人が負傷した。

その後、アフバール・シャルク(11月8日付)によると、自由シリア軍はアイン・アラブ市内の軍事情報局、政治治安部、空軍情報部、市内検問所、および対トルコ国境のアイン・アラブ国境通行所を制圧した。

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ダマスカス県では、複数の活動家によると、反体制武装集団がマイダーン地区の軍検問所を砲撃、これに対して軍は報復として反撃、戦闘に巻き込まれた女性1人を含む2人が死亡した。

活動家によると、「ダマスカスに潜伏する反体制勢力の細胞が、タダームン区、カダム区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市への(軍の)攻勢を軽減するため活動を開始した」という。

これに関して、シリア・アラブ・テレビ(11月8日付)は、「武装テロ集団」がマイダーン地区に砲撃し、女性1人を含む2人が死亡した、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月8日付)によると、サイイダ・ザイナブ町で、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、市民3人が死亡、数十人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地方で未明の砲撃により民間人2人を含む9人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(11月8日付)によると、アレッポ市マルジャ地区で行われたデモを襲撃し、市民2人を殺害、多数を負傷させた。

デモでは武装テロ集団の退去が求められていた。

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『ハヤート』(11月9日付)は、イスラエル国防軍報道官の話として、イスラエル占領下のゴラン高原の村に迫撃砲弾(不発弾)が着弾した、と報じた。

同報道官によると、砲撃が無差別に行われ、イスラエルを狙ったものではなかった、という。

諸外国の動き

赤十字国際委員会のピーター・マーラー理事は、シリア情勢に関して、「官僚、軍、治安面」での調整(の不備)によって人道支援活動が制限されていると指摘、「シリアの人道状況の悪化に対処するため、即座に我々の活動を展開することができない」と述べた。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は記者団に対して、トルコがシリア情勢に対処するためあらゆる自衛のための兵器を保持する権利を有する、と述べた。

トルコがNATOに対シリア国境地帯のパトリオット巡航ミサイル配備を求めたことを受けた発言。

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ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、「我々の情報によると、多くの国、とりわけ中東諸国が、アサドとその家族がシリアを去った場合に、迎え入れると申し出ている」と述べた。

AFP, November 8, 2012、Akhbar al-Sharq, November 8, 2012、al-Hayat, November 9, 2012、Kull-na Shuraka’, November 8, 2012、al-Kurdiya News,
November 8, 2012、Naharnet, November 8, 2012、Reuters, November 8, 2012、SANA,
November 8, 2012, November 9, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で軍・治安部隊がシャームの民のヌスラ戦線と激しく交戦するなか、シリア国民評議会がサイフ元議員の「シリア国民イニシアチブ」プログラムに対抗するための提案を発表(2012年11月7日)

反体制勢力の動き

カタールの首都ドーハで開催中のシリア国民評議会総会で、事務局(40人)選挙が開始され、400人以上の総会出席者が投票を行った。

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シリア国民評議会事務局選挙への立候補者リストは以下の通り。

  • ムスリム同胞団リスト:ムハンマド・ファールーク・タイフール(現職)、ムハンマド・バッサーム・ユースフ(現職)、ラムザ・バラーズィー
  • ムスリム同胞団青年リスト:ムラッヒム・ダルービー、ウマル・ムシャウウィフ、アブドゥッサラーム・ビータール
  • 無所属:ムンズィル・マーフース
  • クルド(国民)ブロック:アブドゥルバースィト・スィーダー(事務局長)、ムナー・ムスタファー、フサイン・ジャウリー
  • 国民行動リスト:アフマド・ラマダーン(現職)、ハッサーン・ハーシミー(現職)
  • ダマスカス宣言:サミール・ナッシャール(現職)、アナス・アブダ(現職)、ミー・シャイフ・アティーヤ(現職)
  • 「未来は我らのもの」リスト:ウバイダ・ナッハース(現職)、ムハンマド・ハーッジ・アブドゥッラー(現職)
  • シリア・ウラマー連盟リスト;フサイン・アブドゥルハーディー・ムハンマド、ムハンマド・ヤースィル・マサディー(現職)
  • 革命指導最高評議会:フサイン・サイイド(現職)、ワースィル・シャマーリー
  • ジョルジュ・サブラー=フサイン・アルワーニー・リスト:ジョルジュ・サブラー(現職)、フサイン・アルワーニー
  • トルクメン国民ブロック:ハサン・アブドゥッラー、アブドゥルカリーム・アーガー
  • ユーフラテス革命家:アンマール・アブー・ハッターブ、ウサーマ・シュルバジー(現職)、リヤード・ハサン、アンマール・ハダーウィー、ハラーウィー・シハーダ
  • 無所属革命運動:ジャマール・ワーディー(現職)、アッバード・カーディリー(現職)、ハーリド・ザイン・アービディーン
  • シャーム・リスト:ジャマール・ワルド(現職)、ビラール・ダーウド、イスマーイール・ハーッジ・バクリー
  • 「平和は庇護のために」リスト:ハーリド・アブドゥッラフマーン・ザイニー(現職)、マンハル・バーリーシュ(現職)
  • 無所属:ムハンマド・ワリード(現職)
  • 変化刷新リスト:スィナーン・ハターヒト、アフマド・バックーラ、ムハンマド・ヤースィル・ハイヤーと、リファーア・アクラマ、リーム・アスィール、ザカリヤー・ファールースィー、アブドゥッラー・サアドッディーン、イーナース・マフムード
  • 市民保護国民連立:ナズィール・ハキーム(現職)、ハイサム・ラフマ、アブドゥルムハイマン・スィバーイー、ナジャーティー・タイヤーラ(現職)、バースィム・ハターヒト(現職)、ムンズィル・サワース
  • 緑のイドリブ・ブロック:アフマド・サイイド・ユースフ(現職)、タリーフ・サイイド・イーサー(現職)、
  • 民主ムスタクバル・ブロック:ムハンマド・ムラウウィフ(現職)、サーミル・カイラーニー
  • 無所属民主主義者ブロック:マルワーン・ハッジュー(現職)、ジョルジュ・ティールー、ウィサーム・マッラーク、ファイサル・ユースフ
  • 部族評議会:サーリム・ムスラト、ハーリド・ダクマーク、マスアブ・ザーミル、カイサル・ドゥーシュ
  • 国民潮流:ハーリド・サーリフ(現職)、バドル・ジャームース(現職)、ムスタファー・ハーミド、ハッバ・サウワーン
  • 自由人潮流:ハーリド・ナースィル、バッサーム・イスハーク(現職)、バディーウ・ハラーワ、ムフイーッディーン・バナーナ
  • シリア自由人連合:ズィヤード・アブー・ハムダーン、マーズィン・ジャバーイー、タイスィール・ナッジャール
  • クルド運動:イブラーヒーム・ミールー、バッサーム・アブドゥッラー、ミーリヤー・ダヒール
  • シリア革命活動家リスト:ハリール・ハーッジ・サーリフ、フライザ・ジャフジャー、ムハンマド・ダルウィーシュ
  • アッシリア・シリア正教ブロック:アブドゥルアハド・イスティーフー(現職)、サイード・ラフドゥー(現職)、ジョルジュ・イスティーフー
  • ハマー革命最高評議会リスト:スライマーン・ヒラーキー、ナビール・ウスマーン(現職)、アディーブ・シーシャクリー

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シリア国民評議会のアナス・アブダ事務局書記は、ドーハでの反体制勢力の大会で目標とされている亡命政府(暫定政府)樹立に関して、7項目からなる提案を発表した。

米国の支援のもと、リヤード・サイフ元議員の「シリア国民イニシアチブ」プログラムに対抗するかたちでなされた提案の7項目は以下の通り:

1. 暫定政府樹立は、すべての反体制勢力が参加する国民総会において樹立するものとし、そこでシリア国民評議会が最大の割合を占める。
2. 可能であれば、国民総会をシリア領内の解放区において開催するための活動を行う。
3. 暫定政府発足は、その任務遂行を可能とするような国際的な承認が確約されることなしに宣言されない。
4. 暫定政府は、外務、国防、避難民・難民問題、人権、保健、情報を担当する省のみから構成される小規模政権とする。
5. 暫定政府発足後も、シリア国民評議会は政権を保護、支援するため、活動と組織を維持する。
6. 国民総大会出席者を確定するための準備委員会、開催地を決定するための技術委員会を設定し、両委員会は2ヶ月以内にその任務を完了する。
7. 国民総大会は、シリア国民評議会、解放区の地元評議会、離反したテクノクラート、無所属の反体制政治勢力、自由シリア軍における愛国的武装レジスタンス勢力の代表300人によって構成する。

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クッルナー・シュラカー(11月7日付)は、ダマスカス郊外県のドゥーマー市で、地元評議会が声明を出し、住民に対して、軍、シャッビーハの「浄化」が完了した解放区での自治に協力するよう呼びかけた、と報じた。

同報道によると、ドゥーマー地元評議会は、同市を12の区画に細分し、各地区に5人からなる地区委員会のほか、医療、生活保護、公的財産・指摘財産保護、教育・文化、文書・書記などを担当する12の特別委員会(5人から構成)の設置を決定した、という。

また、これらの地区委員会、特別委員会、そして議長の25人によって最高意思決定機関の地元評議会を構成し、また11人からなる執行部(議長は選挙で選出)、広報部を設置することを決定した、という。

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(11月8日付)によると、「イスラームの獅子」大隊を名乗るサラフィー主義の反体制武装勢力が人民宮殿(迎賓館)に迫撃砲を発射したが、「失敗した」と報じた。

SANA, November 7, 2012
SANA, November 7, 2012

ダマスカスの市街地を見下ろす山頂にある人民宮殿(カスル・シャアブ)は大統領宮殿(カスル・リアースィー)を呼ばれることから、大統領の公邸だと間違えられることが多いが、実際には外国の要人などとの会談を行うための迎賓館である。

なお「イスラームの獅子」大隊は、ダマスカス県内の航空基地、ムハーバラートの施設を攻撃したとも発表したが、攻撃を受けた形跡はみられない。

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同じく、ダマスカス県では、SANA(11月7日付)によると、マッザ区(マッザ86地区)の住宅街やセルヴィスを反体制武装勢力が迫撃砲で攻撃し、女性を含む市民3人が死亡、数十人が負傷した。

またバルザ区でアバード・ナドワ弁護士が反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾の爆発に巻き込まれ死亡した。

SANA, November 7, 2012
SANA, November 7, 2012

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同じく、ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区でパレスチナ人の人民委員会と反体制武装勢力が激しく交戦した。

また未明に、カダム区で車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市などが空爆を受ける一方、ドゥーマー市、ハラスター市などが砲撃を受けた。

同監視団によると、反体制武装集団がハラスター市への突入を試みたという。

一方、SANA(11月7日付)によると、ハラスター市、フジャイラ村、スバイナ町、ザマルカー町、アルバイン市、サイイダ・ザイナブ町などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊・押収した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区に軍が空爆を加えた。

一方、SANA(11月7日付)によると、カフルナーハー村、サフィーラ市、アイス村、ICARDA近く、カフルハムラ村、アレッポ市シャイフ・サイード地区、カッラーサ地区、バーブ・アンターキヤー地区、スーク・フストゥク地区、ハール市場地区、ブスターン・バーシャー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ基地周辺で、軍・治安部隊がシャームの民のヌスラ戦線および反体制武装勢力と激しく交戦した。

一方、SANA(11月7日付)によると、イドリブ市内のパン焼き・配給所近くに反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、1人が死亡、複数が負傷した。

また、軍・治安部隊は、ムハムバル村、フライカ村で反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月7日付)によると、マヤーディーン市などで、軍・治安部隊が交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またダイル・ザウル市内のシリア正教会に自爆テロを試みた反体制武装勢力戦闘員が乗った車を軍が破壊した。

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ヒムス県では、SANA(11月7日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ディーワーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

国内の動き

ワーイル・ハルキー首相は11月5日に爆弾テロが発生したダマスカス県マッザ区(マッザ86地区)を視察した。

SANA, November 7, 2012
SANA, November 7, 2012

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クッルナー・シュラカー(11月7日付)は、11月6日、ヒムス市、ハマー市などに展開していた共和国護衛隊の各部隊がダマスカス県・ダマスカス郊外県に再結集のため移動を開始した、と報じた。

ハラスター市、ドゥーマー市などでの反体制武装勢力の攻勢を受けた動きと見られる。

諸外国の動き

英国のデビッド・キャメロン首相がヨルダンのザアタリー・シリア人避難民キャンプを視察した。

英国外務省が出した声明によると、キャメロン首相は視察に合わせて、ヨルダンのアブドゥッラー国王とシリア情勢について協議、1400万ポンドの新規人道支援を発表した。

キャメロン英首相は「(アサド大統領)を出国させ、安全な政権移譲を行うためならあらゆる手段も考慮する。英国への亡命を提案するわけではないが、もし本人が出国したいならそれに向けた調整は可能だ」と述べた。

一方、英国の首相府は、シリア国内での暴力停止に向けて、英国が反体制武装勢力との対話のイニシアチをとるだろう、と発表した。

首相府によると、政府はすでに、高官に反体制武装勢力の代表との接触を認めている、という。

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『ハヤート』(11月8日付)などは、トルコ外務省高官の話として、トルコ政府がNATOに対して、対シリア国境地域へのパトリオット巡航ミサイルの配備を要請する見込みだと報じた。

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8日に開催される反体制勢力の大会に出席するためカタールを訪問する予定のアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はカイロで記者団に対して「反体制勢力のビジョンを統一することが肝要だ。なぜならシリアの体制が長く続かないことを知っており、いつの日か、シリアに新しい状況が現出することを皆が知っているから」と述べた。

AFP, November 7, 2012、Akhbar al-Sharq, November 7, 2012、al-Hayat, November 8, 2012、Kull-na Shuraka’, November 7, 2012、al-Kurdiya News, November 7, 2012、Naharnet, November 7, 2012、Reuters, November 7, 2012、SANA, November 7, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県では過去48時間以内に反体制武装勢力の戦闘員約4000人が重点的な攻撃を行ったが撃退される、露外相がアンマンでヒジャーブ前首相と会談するも後者はモスクワへの招待を拒否(2012年11月6日)

国内の動き

アフバール・シャルク(11月6日付)は、シリア治安当局が、ダマスカス県マッザ区にあるハマースのハーリド・ミシュアル政治局長の事務所、ドゥンマル区にあるイマード・イルミー政治局員、イッザト・ラシュク政治局員の事務所を閉鎖し、立ち入りを禁止とした、と報じた。

ハマースの指導者たちの事務所は同組織がカタールに移転して以降使用されていなかった、という。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団は、ムハムバル村近くで反体制武装勢力が軍の車列を攻撃し、少なくとも兵士20人を殺害した、と発表した。

同監視団によると、ムハムバル村は3度にわたって空爆を受けた。

一方、SANA(11月6日付)によると、サルミーン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を襲撃、戦闘員を殲滅した。

クッルナー・シュラカー(11月6日付)は、信頼できる消息筋の話として、イドリブ市の人民諸委員会が、不法入国したBBCの記者2人を身柄拘束し、政治治安部に引き渡したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数が負傷した。

一方、SANA(11月6日付)によると、ハラスター市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、AFP(11月6日付)が治安筋の話として、過去48時間に、約4,000人の反体制武装勢力の戦闘員が首都への重点的な攻撃を行ったが、軍が撃退した、と報じた。

『ワタン』(11月6日付)も、南部環状線、カフルスーサ、マイダーン・ブラーニー、ヤルムーク・キャンプ、タダームン、ジャウバルからダマスカス郊外県ハラスターに至る複数地点を経由して反体制武装勢力がダマスカス県への潜入を試みたが、軍が撃退したと報じた。

一方、SANA(11月6日付)によると、ウルード地区で爆弾が仕掛けられた車2台が爆発し、市民11人が死亡、数十人が負傷した。

またバルザ区でも、反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾が爆発し、運転手とその妻が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アグヤル地区、カスタル・ハラーミー地区、マイサルーン地区、スッカリー地区、アンサーリー地区、アレッポ国際空港周辺、バーブ市などで、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(11月6日付)によると、カフルハムラ村・アフタリーン市間、カフルハムラ村・ライラムーン地区間の街道で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅、装備を破壊した。

またカフルナーハー村、 ジュッブ・アブシャ市、ダイル・ハーフィル市、バーブ市、ウンム・アームード村、アレッポ市ライラムーン地区、カッラーサ地区、シャイフ・サイード地区、旧市街などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地区に軍が空爆し、女性を含む7人が死亡した。

またヒムス市ダイル・バアルバ地区での戦闘で、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(11月6日付)によると、ハウラ地方、ヒムス市バーブ・フード地区、東ブワイダ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを襲撃、多数の戦闘員を殺傷した。

クサイル市郊外のムバーラキーヤ地方では、反体制武装勢力どうしが盗品の分配をめぐって衝突、複数の戦闘員が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月6日付)によると、ダイル・ザウル市内で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、SANA(11月6日付)によると、カナスバー地方で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を殲滅した。

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ハサカ県では、SANA(11月6日付)によると、ラアス・アイン市近くで反体制武装勢力が旅客バスを襲撃し、乗客1人を殺害、多数を負傷させた。

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ラッカ県では、SANA(11月6日付)によると、反体制武装勢力がサバーフ・ハイル・ガソリン・スタンド近くの石油パイプラインを爆破した。

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クッルナー・シュラカー(11月6日付)は、ジハード・ラッハーム人民議会議長の兄弟のムハンマド・ウサーマ・ラッハームが暗殺されたと報じた。

ムハンマド・ウサーマ・ラッハームはバアス党ダマスカス支部指導部メンバーを経て、総合情報部の研究局次長を務めていた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のアナス・アブド事務局書記(ダマスカス宣言在外事務局長)は『ハヤート』(11月7日付)に対して、8日のドーハで予定されている反体制武装勢力の大会で、評議会が「プログラム」を提出すると述べた。

アブド書記によると、このプログラムは三つの条件を満たすものになるという。

この条件とは、①暫定政府への国際社会の承認を通じた政治的支援、②暫定政府の予算を成立させるための最低5億ドルの(国際社会からの)供与、③暫定政府の活動の場としてのシリア国内での安全地帯の設置。

そのうえで、アブド書記は、「亡命」政権を発足しても、一政治勢力に成り下がることが懸念されると述べた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は訪問先のヨルダンの首都アンマンのリヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相と会談した。

前首相の報道官によると、会談において、ラブロフ外務大臣は、アサド大統領の退陣を政治的プロセス開始の条件とする反体制勢力の姿勢を非難し、アサド政権との対話のテーブルに着くよう求めるとともに、前首相をモスクワに招待した。

これに対して、ヒジャーブ前首相はロシアの対シリア政策を「非道徳的」と非難し、「現体制が存続する限り解決策はない」との立場を伝え、招待を拒否した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ラブロフ外務大臣は、ヒジャーブ前首相との会談に関して、停戦のための仕組みを構築することで合意したことを明らかにするとともに、これが一部の当事者の軍事力増強につながるかたちでなされてはならないと警鐘を鳴らした。

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イスラエル国防軍報道官は、ゴラン高原の占領地へのシリア領からの発砲で軍の車両が被害を受けた、と発表した。

同報道官によると、銃撃は流れ弾と見られ、イスラエル側はこの銃撃に対して、反撃しなかった、という。

地元メディアは、軍筋の話として「シリアの反体制派の誤射」としている。

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アナトリア通信(11月6日付)は、少将を含む軍の士官7人が離反し、トルコに避難した、と報じた。

AFP, November 6, 2012、Akhbar al-Sharq, November 6, 2012、al-Hayat, November 7, 2012、Kull-na Shuraka’, November 6, 2012、al-Kurdiya News, November 6, 2012、Naharnet, November 6, 2012、Reuters, November 6, 2012、SANA, November 6, 2012、al-Watan, November 6, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

シリア国民評議会総会が2日目の審議を行い組織改編案を原案のまま承認、ハマー県内の軍所轄の農村開発センターでは「シャームの民のヌスラ戦線に属する男が自爆」(2012年11月5日)

国内の動き

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、シリア国民評議会総会やリヤード・サイフらによる反体制勢力大会の開催に関して、「アメリカが…反体制勢力のために開催する大会を見て、笑っている。今日はある当事者を支持し、別の当事者を支持するためにこの当事者を廃そうと動いている…。シリアにおける問題解決は、アサド大統領の指導のもと長期的にはなされるものであり、こうした当事者たちは(カタールの)ホテルで座っていないで、国民対話を行うために来ることになろう」と述べた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のアブー・マフムードを名のる離反士官は、AFP(11月6日付)に対して、「この(在外の)指導者たちを尊敬している者はシリアには一人もいない。なぜなら離反した士官は戦わねばならないからだ…。あいつらはただお茶をすすり、水たばこをふかし、おしゃべりしているだけだ」と述べ、在外の反体制組織・活動家を批判した。

また「組織化なしに、バッシャール・アサドを倒すことはできない…。我々には今組織がない。なぜならあの士官どもがトルコでくつろいできたからだ」と付言した。

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シリア国民評議会総会が、アブドゥルバースィト・スィーダー事務局長を議長として2日目の審議を行い、組織改編案を原案のまま承認した。

『ハヤート』(11月6日付)によると、この改編により、16の政治組織、24の地元評議会などがシリア国民評議会に新規参加する。

新規加入する主な組織は、人民自由潮流(ナセル主義組織)、トルクメン運動、シリア自由人連合(ドゥルーズ派)、シリア部族評議会、クルド民主諸勢力連合、シリア・クルド国民行動戦線、スィルヤーニー連合党などで、その多くがシリア国民を代表するのではなく、マイノリティの一部を代表している。

また組織改編の一環として、シリア国民評議会の「スリム化」が実行された。

『ハヤート』(11月6日付)によると、この「スリム化」により、286人だった評議員メンバーを418人に拡大する一方で、46人のメンバーが解任された。

複数の消息筋によると、解任の理由は、会員資格への違反、組織内での役割に関するもので、その是非をめぐって総会では激しい論戦が繰り広げられた。

これに関連して、政治ブロックに属していない無所属のメンバーの間からは、評議会における代表権が低下させられた、と非難した、という。

総会ではまた、内規、選挙規約などの修正も審議された。

この修正により、総会メンバーは非公式の比例代表式選挙で、事務局と執行部は直接自由投票で選出されることになった。

また事務局の定数は40人を上限、執行部は11人を上限とすることが定められた。

なお総会には、カタール、トルコ、アラブ連盟、米国、フランスなどの高官が参加した。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、AFP(11月5日付)に対して、米国とリヤード・サイフ元議員が主導する反体制武装勢力の大会に関して、「木曜日(8日)だけで、結論に至ることは不可能だろう…。ここで月末まで(審議を)続けることになろう」と述べ、亡命政府発足に時間をかける必要があるとの意思を示した。

また、スィーダー事務局長は、「シリアの友連絡グループは、我々に多くを約束したが、シリアの災難の大きさからすると微々たることしかしていない…。シリア人は、自らに惨状を終わらせるためには何もしないと世界全体が合意している…と感じている」と欧米諸国を非難した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン前事務局長が『ハヤート』(11月6日付)の取材に応じた。

取材に対して、ガルユーン前事務局長は、シリア国民評議会総会に関して「多くのメンバーが刷新され、コンセンサスではなく選挙に基づいて諸委員会の再選出が行われる」と述べるとともに、事務局選出、政治決議、政治プログラムなどが審議されることを明らかにした。

また「新たなメンバーを吸収するためのスリム化を行った。一部の古いメンバーを排除せざるを得なかった」と述べ、組織再編に伴う一部メンバーの脱会を自己弁護するとともに、協議会のメンバーでなくとも、同組織内の事務局で活動できるとの見解を示した。

アメリカとリヤード・サイフ元議員が進める反体制武装勢力の大会(8日予定)に関して、「我々は指導部の組織改編のために通常の大会を開催しただけ」と述べ、亡命政府について審議する予定はないと述べた。

また「我々はほかの反体制勢力と(8日の)拡大会合で一同に会する。シリア国民評議会は自ら決定を下す。反体制勢力の統合…、亡命政府発足をめぐる協議を行ううえでの最善の形式は評議会が決定する」と強調し、暫定政府の発足が8日に実現することはなく、数ヶ月を要するだろうとの見方を示した。

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ジョルジュ・サブラー報道官らシリア国民評議会の使節団がカタールのハーリド・アティーや外務担当大臣と会談した。

会談で、サブラー報道官は、シリア国内の安全な解放地区に暫定政府を直ちに移転することを提案した。

国内の暴力

ハマー県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ガーブ平野のズィヤーラ町にある軍所轄の農村開発センターで「シャームの民のヌスラ戦線に属する男が自爆」し、軍兵士と「シャッビーハ」約50人が殺害された。

アブドゥッラフマーン代表は、このテロが「ほかの大隊との協力のもとに行われ、彼らは同センター周辺に爆弾を仕掛けた」と付言し、反体制武装勢力もテロに関与していることを認めた。

SANA(11月5日付)も、農村開発センターでテロリストが自爆したと報じた。

同報道によると爆発物は1トンに及んだという。

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ダマスカス県では、SANA(11月5日付)によると、マッザ区(マッザ・ジャバル86地区)で、しかけ爆弾が爆発し、11人が死亡、女性・子供を含む数十人が負傷した。

またタダームン区に、軍・治安部隊が砲撃を加えた、という。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月5日付)によると、サイイダ・ザイナブ町の廟の近くで反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、複数のメディアによると6人が死亡した。

またハラスター市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、武装勢力が保有する対空砲など、装備を破壊した。

さらに、ハジャル・アスワド市に、軍・治安部隊が砲撃を加えた、という。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーリム市への軍の空爆で、反体制武装勢力の戦闘員約20人が死亡した。

同監視団によると、この空爆の後、反体制武装集団が同市内の軍・治安部隊の拠点に対して砲撃を行った、という。

反体制活動家によると、ハーリム市で死亡した戦闘員のなかにはイドリブ殉教者旅団の司令官らが含まれていた。

また、シリア革命総合委員会によると、カフルニブル市に対して、軍が空爆を行い、少なくとも14人が死亡した。

同委員会によると、犠牲者はマアッラト・ヌウマーン市からの避難民ら。

SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012
SANA, November 5, 2012

 

一方、SANA(11月5日付)は、ハーリム市に対する軍の特殊作戦で、イドリブ殉教者旅団のバースィル・イーサー司令官ら複数の戦闘員を殺害した、と報じた。

またサラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市、タフタナーズ市、マアッラト・ナアサーン村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部施設近くで、軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

AFP(11月5日付)によると、この戦闘で、隣接するシリア赤新月社の倉庫が全焼し、支援物資が消失した。

このほかシャフバー地区、ライラムーン交差点などでも軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(11月5日付)によると、アレッポ市南部のICARDA近く、アウラム・クブラー町、カフルハムラ村、アレッポ市スッカリー地区、マアーディー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月5日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(11月5日付)によると、ダルアー市で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺害した。

レバノンの動き

NNA(11月5日付)は、ベカーア県ヘルメル郡ハウシュ・サイイド村に隣接するヒムス県スィフサーフ村の民家に迫撃砲が着弾し、レバノン人1人が死亡した、と報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、エジプトはムハンマド・カーミル・アムル外務大臣と会談した。

会談後の共同記者会見でラブロフ外務大臣は、「我々は反体制勢力に決定的な影響力を持っていない…。こうした影響力を持つ者はジュネーブ合意実施に向けて努力すべきであり…、反体制勢力に政府との交渉のテーブルに着かせ、移行期間のプログラム、日程を審議させるべきだ」と述べ、西側諸国を暗に批判した。

また「我々は何度も繰り返し、シリア政府の誰かに関心があるのではないと言ってきた。我々の関心はシリア国民にあり、彼らが安堵して暮らすには、両当事者の暴力停止が不可欠である」と付言した。

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AFP(11月5日付)は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が、アンマンに亡命中のリヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相と反体制勢力再編に関して協議したと報じた。

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ヨルダンのザアタリー国営避難民キャンプで避難生活を送るシリア人の数が40,000人に達した。

ヨルダン国営のペトラ通信などが伝えた。

AFP, November 5, 2012、Akhbar al-Sharq, November 5, 2012、al-Hayat, November 6, 2012, November 7, 2012、Kull-na Shuraka’, November 5, 2012、al-Kurdiya News, November 5, 2012、Naharnet, November 5, 2012、NNA, November 5, 2012、Reuters, November 5, 2012、SANA, November 5, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県で反体制武装勢力がドゥワイラ基地を「長期にわたる包囲の末」制圧、シリア国民評議会は新評議会設置の動きを「一部の当事者の時期尚早な試み」と評する(2012年11月3日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力が山岳部の基地からの撤退を進めた。

撤退は「基地および周辺地域への軍の空爆が行われた場合、その維持が困難である」ことが理由だという。

一方、反体制武装勢力はタフタナーズ航空基地への攻撃を開始した。

これに対して、SANA(11月3日付)によると、反体制武装勢力がタフタナーズ航空基地を襲撃したが、軍・治安部隊がこれを撃退した。

またハーリム市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア革命総合委員会によると、反体制武装勢力がドゥワイラ基地を「長期にわたる包囲の末」制圧し、地対空ロケット弾などの武器弾薬を確保した。

また、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市で、反体制武装集団が軍・治安部隊との戦闘の末、警察署、県庁、フライマ病院橋を制圧した。この戦闘で、軍兵士21人が殺害され、多数が拉致された。

一方、SANA(11月3日付)によると、フジャイラ村、ハラスター市、ディヤービーヤ市(サイイダ・ザイナブ町近郊)で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

Kull-na Shuraka', November 3, 2012
Kull-na Shuraka’, November 3, 2012

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地周辺で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

またアクス・サイル(11月3日付)は、アレッポ市スィルヤーン地区が砲撃を受け、ラフマーン・モスクに迫撃砲が着弾した、と報じた。

一方、SANA(11月3日付)によると、フライターン市、タッル・リフアト市、バーブ市、カフルハムラ村、アレッポ市ブスターン・カスル地区、サーリヒーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、外国人戦闘員を含む戦闘員多数を殺傷、装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のアフマド・ラマダーン広報局長はドーハで4日に予定されている評議会会合に先立って、イスタンブールで『ハヤート』(11月4日付)のインタビューに応じた。

インタビューのなかでラマダーン広報局長は、米国主導のもと、リヤード・サイフ元議員が進めている新評議会設置の動きに関して、「シリア国民の友(欧米諸国、アラブ連盟、トルコ)の同意を得ていない一部の当事者の時期尚早な試み」と批判した。

またラマダーン広報局長は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が、シリア国民評議会を批判したヒラリー・クリントン米国務長官の発言を批判、「米大統領選挙の行方と関係があるのだろう」との見方で評議会と一致した、と述べた。

さらにラマダーン広報局長は、ダウトオール外務大臣が、シリア国民評議会に対して国内の反体制勢力との接触強化などを通じてその役割を増大させるよう促した、と述べたうえで、評議会が反体制勢力の「主柱であるべき」と明言し、暫定政府発足に向けたイニシアチブを発揮するよう評議会に求めた、と述べた。

そのうえで、トルコ側と、シリア人学生のトルコへの受け入れ、「解放区」へのトルコからのディーゼルの供与などが協議された、という。

ラマダーン広報局長によると、ドーハでの会合では、420人の反体制活動家、13の組織(ブロック)が新たにシリア国民評議会に参加する予定だという。

新規参加を予定している組織は、シリア・クルド国民行動戦線、スィルヤーニー連合党、シリア自由人党、新生活党、未来建設潮流、尊厳潮流、シリア自由人連合、自由尊厳連合、クルド民主諸勢力連合、トルクメン国民ブロック、トルクメン運動、シリア部族評議会、自由人民潮流。いずれも泡沫組織で、過去の活動実績はない。

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国内で活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行委員会は声明を出し、11月8日にドーハで予定されている反体制武装勢力の大会に関して、シリア人の独立した意思を代弁しておらず、反体制勢力統合に向けた建設的なステップとみなし得ない、との理由で、欠席を表明した。

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パリで活動するシリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、米国が後押しするリヤード・サイフ元議員のシリア国民イニシアチブ構想に関して、反体制勢力統合の動きとして歓迎の意思を示しつつも、シリア国民を実質的に代表していない、と非難した。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ元首相の報道官を務めるムハンマド・アトリーは声明を出し、ヨルダンの首都アンマンで反体制勢力の指導者25人が一同に介して、「日曜日(11日)にドーハで開催される拡大会合の準備」を行ったと発表した。

声明において、アトリー報道官は、「リヤード・サイフ元議員がドーハの会合で、シリア国民イニシアチブを発表する」ことを明らかにした。

声明によると、このイニシアチブは、「シリアの反体制勢力の新たな政治的母体の生成を表明しており、そのなかには、シリア国民評議会、シリア・クルド国民評議会、地元評議会、国内の革命評議会、歴代の政治的指導者、イスラーム教徒ウラマー委員会、イスラーム教徒ウラマー連盟などすべての政治勢力からなる」という。

またアンマンの会合では、「出席者は、アサドの退任が対話を行ううえでの妥協できない前提条件であること」、また「自由シリア軍、革命運動を体制打倒のための合法的な方法」とすることで合意したという。

諸外国の動き

UNHCRは声明を出し、レバノン国内に106,280人のシリア人が避難していると発表した。

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イスラエル国防軍報道官は、11月3日にシリア軍の戦車3輌が、ゴラン高原(クナイトラ県)内の非武装地帯に侵入、国防軍は国連に抗議を行った、と発表した。

ロイター通信(11月4日付)が報じた。

AFP, November 3, 2012、Akhbar al-Sharq, November 3, 2012、‘Aks al-Sayr, November 3, 2012、al-Hayat, November 4, 2012、Kull-na Shuraka’, November 3, 2012、al-Kurdiya News,
November 3, 2012、Naharnet, November 3, 2012、Reuters, November 3, 2012,
November 4, 2012、SANA, November 3, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県内では軍・治安部隊が「最後の検問所を放棄」し反体制武装勢力がサラーキブ市を制圧、シリア国民評議会は同評議会に代わるいかなる枠組みが新設されることへの拒否を表明(2012年11月2日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が「最後の検問所を放棄」し、反体制武装勢力がサラーキブ市およびその周辺を制圧した、という。

SANA, November 2, 2012
SANA, November 2, 2012

そのうえで、シリア人権監視団は、サラーキブ市の制圧により、ダマスカス県・アレッポ市、ラタキア市・アレッポ市の街道が分断された戦果を鼓舞した。

一方、SANA(11月2日付)によると、軍・治安部隊がマアッラト・ヌウマーン市周辺のマアッル・シャマーリーン村、ダイル・シャルキー村などで反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またヤースィル・シューフィー県知事は、反体制武装勢力がハーリム市の砦を制圧したとの一部情報を否定した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ドゥーマー市、アルバイン市、ザマルカー町周辺が軍の空爆・砲撃を受けた。

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ダマスカス県では、SANA(11月2日付)によると、ザーヒラ・ジャディーダ公園近くの交差点で武装テロ集団が車に仕掛けた爆弾2発を続けて爆発させ、多数の市民を負傷させた。

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アレッポ県では、SANA(11月2日付)によると、軍・治安部隊がハーン・アサル村での反体制武装勢力の「浄化」を制圧した。

またカフルハムラ村、タッル・ナーイマ市、アフタリーン市・シャイフ・ナッジャール市間の街道、ジュッブ・ガブシャ村などで、反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

アレッポ市でもカルム・フーミド地区、サーリヒーン地区、タナーニール公園、バーブ・ハディード、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を実施した。

一方、CNN(11月2日付)は、自由シリア軍の複数の戦闘員の話として、イランの無人戦闘機がアレッポ上空で目撃された、と報じた。

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ダルアー県では、SANA(11月2日付)によると、ハーッラ市、西ガーリヤ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅した。

またサイダー町で、反体制武装勢力が高校の校舎に放火した。

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ヒムス県では、SANA(11月2日付)によると、ヒムス市バーブ・トゥルクマーン地区、ハウラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦・追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

またアフマド・ムヌール・ムハンマド県知事は、反体制武装勢力がヒムス市旧市街などへのシリア赤新月社および赤十字国際委員会による人道支援を阻止している、と非難した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月2日付)によると、ダイル・ザウル市各所で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、殲滅した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(11月3日付)は、ロンドンの複数の反体制消息筋の話として、リヤード・サイフが1日に発表したシリア国民イニシアチブ委員会プログラムが、ロバート・フォード駐シリア米大使との3ヶ月におよぶ折衝の末に作成されたものだと報じた。

フォード大使は、シリア国民評議会が反体制勢力全体を代表できない現状とサラフィー主義者の戦闘員の影響力が増大する現状に不満を持っており、プログラムは、そうした不満を踏まえ、ワシントンDCで、シリアの友連絡グループを主導する各国外相らも参加した数度にわたる折衝を経て、作成された、という。

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アラビーヤ(11月2日付)、『ハヤート』(11月3日付)などは、ヨルダンの首都アンマンのホリデイ・イン・ホテルで、リヤード・ファリード・ヒジャーブ元首相ら反体制活動家15人が3日間にわたって会合を開き、カタールで11月8日に予定されている反体制勢力の大会に向けた準備・調整を行ったと報じた。

会合に参加したのは、ヒジャーブ元首相、亡命政府首班候補のリヤード・サイフ、アフマド・アースィー・ジャルバ(シリア国民評議会)、カマール・ルブワーニー、ミシェル・キールー(シリア民主フォーラム)、リーマー・フライハーン、スハイル・アタースィー、アカール・ルブワーニー、ワリード・ブンニー、アリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー(シリア・ムスリム同胞団前最高監督者)など。

ルブワーニーによると、会合ではアサド政権打倒前の政治的対話を拒否すること、また亡命政府の本拠地をアンマンに置くことで合意した、という。

フライハーンは会合に関して、カタールでの大会の準備会合と位置づけたうえで、「私たちは自由シリア軍の新指導部を設置するとともに、新評議会とは別に暫定政府を発足するために活動することになるだろう」と述べた。

また会合に出席した複数の消息筋によると、反体制勢力各派の代表50人を新評議会の評議員に選出すること、そしてそのうちシリア国民評議会のメンバーを15人、クルド人の代表を4人とすることで合意した、という。

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シリア人権監視団は、「国際社会の公正を求めて」と銘打ったデモが発生した金曜日の暴力行為によって、23人が死亡した」と発表したが、死者はいずれも反体制武装勢力と軍・治安部隊の戦闘によるもので、デモとは無関係である。

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『ハヤート』(11月3日付)は、ハイサム・マーリフ弁護士((シリア革命評議会代表(暫定政府首班)らカイロで活動するシリアの反体制勢力が11月8日にカタールで予定されている反体制勢力大会への招待状を受け取ったと報じた。

招待状は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣が署名している、という。

カタールでの反体制勢力の大会(11月8日)に関して、ハイサム・マーリフ弁護士((シリア革命評議会代表(暫定政府首班)は、シリア国民評議会に対話会合を開き、新執行部と新事務局を選出するよう呼びかけるとともに、「革命に何も提供していないだけでなく、革命を代表することもできない…。現執行部はすべてを独占しようとし、忠誠を買うために資金を浪費している」と非難した。

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シリア国民評議会渉外局のムハンマド・ヤースィーン・ナッジャール(シリアのための国民行動グループ)は、『ハヤート』(11月3日付)に対して、カタールのドーハで11月8日に開催予定の反体制勢力の大会に、23政治組織、420人が参加を予定しており、うち13組織がこうした会合に初参加だと述べ、「シリアの反体制勢力史上最大の会合」になると強調した。

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シリア国民評議会は、カタールでの反体制勢力の大会で、米国の後押しのもとに結成準備が進められている新評議会と亡命政府に関して、声明を出し、シリア国民評議会に代わるいかなる新たな枠組みが構築されることをも拒否するとの姿勢を示し、強く反発した。

声明において、シリア国民評議会は、「移行期間やすべての勢力を代弁する権威の設置に関する対話に真摯に対応する」としつつ、「シリア国民評議会を超越した会談や代替的枠組みの創出はシリア革命を傷つける試みだ」と断じた。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー報道官は、「国内で結成されたすべての政治勢力はシリア国民評議会によって代表されている。でなければ誰が、評議会に正統性を付与したのか?」とカタールでの反体制勢力大会をめぐる動きを批判した。

サブラー報道官は、「反体制勢力の統合の目的が自由シリア軍への武器供与やシリア国民の支援救済であるなら、それは正しい。しかし、バッシャール・アサドとの交渉をめざすのなら、統合は生じないし、シリア国民はそれを受け入れない」と付言した。

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アンマンでの反体制勢力指導者の会合に出席したシリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前最高監督者は声明を出し、会合で「シリアの反体制勢力を統合する政治指導部の設置に関して「原則」合意した」と述べた。

バヤーヌーニー前最高監督者はそのうえで「シリア国民評議会の存在を維持し、新設される政治的母体がその代わりになるべきではない」との姿勢を明示した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月1日付)は、アレッポ県アイン・アラブ市(コーバーニー市)で、シリア・クルド国民評議会が「内乱に反対…統合に賛成」と銘打ったデモを午後の礼拝後に呼びかけ、支持者が参加した、と報じた。

またこれに対抗し、西クルディスタン人民議会は「我々はあらゆる場所でレジスタンスを行う」と銘打ったデモを午後5時に呼びかけ、実施した。

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シリア・クルド青年調整連合は声明を出し、ハサカ県カーミシュリー市で民主統一党の要員が同連合メンバー2人を身柄拘束した、と発表した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領はシリアの反体制武装勢力によるアルサール地方の検問所襲撃を「いかなる理由によるものであれ、決して正当化され得ない」と厳しく非難した。

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『ナハール』(11月2日付)は、ヒズブッラーの戦闘員がシリアの反体制武装勢力との戦闘で戦死し、ナバティーヤ県ナバティーヤ市に埋葬されたと報じた。

戦死したのはハイダル・マフムード・ザインッディーン。

諸外国の動き

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、カタールでの反体制勢力大会で新評議会と暫定政府の設置をめざす米国などの動きに関して、「シリアの反体制勢力のパトロンが、未来のシリアにおける指導部のリストを外から課そうとすることは、(6月のシリア作業グループ会合での)ジュネーブ合意に反している」と批判した。

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北朝鮮の金正恩第一書記は、平壌でのシリア・北朝鮮経済科学技術合同委員会出席のために派遣されたシリアの使節団と会談し、シリア政府が現下の危機において勝利することを全面的に信用している、と述べた。

SANA(11月2日付)が報じた。

AFP, November 2, 2012、Akhbar al-Sharq, November 2, 2012, November 3, 2012、Alarabia.net, November 11, 2012、CNN, November 2, 2012、al-Hayat, November 3, 2012, November 4, 2012、Kull-na Shuraka’, November 2, 2012、al-Kurdiya
News, November 2, 2012、al-Nahar, November 2, 2012、Naharnet, November 2, 2012、Reuters, November 2, 2012、SANA,
November 2, 2012などをもとに作成。

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サイフ元人民議会議員が「シリア国民イニシアチブ委員会」プロジェクトと題した声明のなかで暫定政府構想を示す、米国務長官「シリア国民評議会はもはや反体制勢力の明らかなリーダーとは言えない」(2012年11月1日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タッルミンス村、マアッル・シャマーリーン村が軍の空爆を受け、ワスターニー村も砲撃に曝された。

またワーディ・ダイーフ基地周辺では、シャームの民のヌスラ戦線と自由シリア軍が合同で砲撃を行った。

一方、サラーキブ市北西部の軍・治安部隊の検問所3カ所を反体制武装勢力が襲撃し、28人の兵士を殺害した。

殺された28人の多くが反体制勢力に捕捉されたのち、処刑され、その映像はユーチューブなどに公開された。

なお、シリア人権監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(11月1日付)に対して、軍・治安部隊がサラーキブ市を掌握しておらず、5つの反体制武装集団が駐留していると述べた。

これに対し、SANA(11月1日付)は、ムハムバル村、タルナバ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した、と報じた。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハジャル・アスワド市、ハラスター市などが空爆を受け、複数が負傷した。

一方、SANA(11月1日付)によると、ダマスカス郊外県のザマルカー町、サイイダ・ザイナブ町、ダイル・アサーフィール市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦・追撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月1日付)によると、ティーム地方で反体制武装勢力が石油パイプラインを破壊した。

またダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市スッカリー地区、ダイル・ハーフィル市、サフィーラ市、タッル・ハドヤー村に軍・治安部隊が砲撃を加え、複数が負傷した。

またアレッポ市内各所で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(11月1日付)によると、アレッポ市ライラムーン交差点、スッカリー地区、ブスターン・カスル地区、サーリヒーン地区、カルム・ジャバル地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力への特殊作戦を行い、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市郊外のアウラム・クブラー町、ハーン・アサル村・アターリブ市間、アターリブ市、カフルハムラ村、マーリア市、カスィーバ村、アナダーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃するなどして交戦、多数の戦闘員を殺害した。

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ラタキア県では、SANA(11月1日付)によると、バッカース村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、戦闘員を殲滅した。

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ハマー県では、SANA(11月1日付)によると、ガーブ地方のジャイイド村、アズィーズィーヤ村、ジスル・ジスル・バイト・ラースなどで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害、逮捕した。

反体制勢力の動き

11月8日にカタールのドーハで開催予定の反体制勢力の大会で発足予定の亡命政府の首班候補であるリヤード・サイフ元人民議会議員は、「シリア国民イニシアチブ委員会」プロジェクトと題した声明を発表し、暫定政府構想を示した。

同プロジェクトの骨子は以下の通り。

1. 「強力な指導部の発足という祖国の火急の必要」に応えるべく、シリア国民イニシアチブ委員会の名で亡命政府を発足する国民的義務を果たす。
2. 同委員会は民主主義を基礎とし、カイロでの7月の反体制勢力大会での合意に従う。
3. 国内との連絡、国際社会、地域各国との連絡。
4. 主権、自決権、国民統合の維持、および領土保全をめざす。
5. アサド大統領および政権を象徴する幹部の退任をもってのみ政治的解決を始動する。
6. 市民的、多元的、民主的なシリアを建設する。
7. シリア国民支援基金の創設。
8. 自由シリア軍の支援。
9. 解放区の自治。
10. 暫定政府構想の案出。
11. 国際社会における(新政権の)承認

そのうえで、自由シリア軍、軍事評議会、革命運動、地元評議会、各県の代表にプロジェクトへの参加を求めた。

またプロジェクトをもとに以下4つの機関を設置するとのビジョンを示した。

1. イニシアチブ委員会および、政治諸勢力の代表
2. 最高軍事評議会
3. 司法委員会
4. テクノクラートからなる暫定政府

最後にこのプログラムをドーハでの大会で審議することを求めた。

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反体制活動家のファーイク・ミールはフェイスブック(11月1日付)で、リヤード・サイフが発表したプログラムに基づき11月8日にカタールで結成予定のシリア国民イニシアチブ委員会の構成の内訳をリークした。

同リークによると、委員会のメンバーは以下の通り:

シリア国民評議会(アブドゥルバースィト・スィーダー事務局長ほか14人)
地元行政諸評議会(14人)
シリア・クルド国民評議会(3人)
ビラード・シャーム・ウラマー連盟(ウサーマ・リファーイー)
アラブ社会主義連合民主党(ハサン・アブドゥルアズィーム)
共産主義行動等(アブドゥルアズィーズ・ハイイル)
シリア民主フォーラム(ミシェル・キールー)
市民権運動(ハーリス・ナッバハーン)
自由民主シリアのための「ともに」潮流(バッサーム・ユースフ)
シリア革命評議会(ハイサム・マーリフ)
離反政治家(リヤード・ファリード・ヒジャーブ)
革命作家連合連盟(サーディク・ジャラール・アズム)
シリア革命総合委員会(スハイル・アタースィー)
シリア・ビジネス・フォーラム(ムスタファー・サッバーグ)
シリア部族革命評議会(アフマド・アースィー・ジャルバー)
愛国主義者(カマール・ルブワーニー)
愛国主義者(ワリード・ブンニー)
愛国主義者(ハーリド・アブー・サラーフ)
愛国主義者2名(ラッザーナ・ザイトゥーナ、フィダー・ハウラーニー、アーリフ・ダリーラ、アブドゥルマジード・マンジューナ、ムンタハー・アトラシュのうちの2名)

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自由シリア軍国内合同司令部は声明(ファフド・ミスリー)を出し、アレッポ県でのクルド人ヤズィーディー派への襲撃に関して、「組織に属さない」としたうえで、「革命と自由シリア軍の敵」と批判した。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、滞在先のベイルートで、シリア国民評議会の見限り、サラフィー主義者の外国人戦闘員への反体制勢力の対応を批判したクリントン米国務長官の発言(後述)に対して、「国際社会は、自己批判し、シリア国民に何を提供したかを問い直すべきだ。国際社会は、シリアでの狂気の殺戮を止めるため、シリア人にどう支援したというのか?」と反論した。

スィーダー事務局長はまた「解放区」がアサド政権による攻撃にさらされ続け、混乱状態にあるなかで、「一部の勢力が…過激化することは当然だ」と述べ、「過激化は国際社会が働きかけを行わないことが理由だ…。シリア国民評議会は国際社会からの物的支援が不足している」と窮状を訴えた。

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ウマル・シャウワーフが声明を出し、シリア国民評議会からの脱会を宣言した。

努力にふさわしい成果が得られなかった、のが脱会の理由。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月1日付)は、匿名クルド筋の話として、アレッポ県アイン・アラブ市での民主統一党による加盟政党事務所突入を受け、シリア・クルド国民評議会が緊急会合を開き、民主統一党に謝罪とアサド政権支持停止を求めることを決定したと報じた。

レバノンの動き

ベカーア県バアルベック郡アルサール地方フマイド渓谷検問所で、シリア領から潜入しようとした武装集団とレバノンの内務治安軍総局が交戦し、NNA(11月1日付)によると、シリア人1人が死亡、10人が負傷した。

戦闘は、負傷者をレバノン領内に搬送しようとした武装集団がレバノン警察の入国許可を得るように求めたフマイド渓谷検問所の内務治安軍総局の指示を無視して入国しようとしたために発生した。

内務治安軍総局が2日に出した声明によると、戦闘発生を受け、70人以上の戦闘員が検問所を襲撃し、内務治安軍総局の12人が負傷した。

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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、「私たちが必要としているのは、シリア革命を乗っ取ろうとする過激派に強行に抵抗した経歴を持つ反体制勢力だ」と述べ、既存の反体制勢力の対応を不十分だと非難したヒラリー・クリントン米国務長官の発言に対して、反体制勢力への全面支援を国際社会が躊躇したことがシリア情勢悪化の主な理由だと批判した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、クロアチアの首都ザグレブで記者会見し、シリア国民評議会について、もはや反体制勢力の「明らかなリーダー」とは言えないと述べた。

クリントン長官は、同評議会がシリア国内に活動拠点を持たない亡命活動家の寄り合い所帯であることを踏まえ、「求められているのは今現在、(シリア国内の)前線で戦い、死に瀕している人々の代表だ」と述べた。

また「米政府は、新たな政治体制に入るべき人や組織を推挙した。我々はシリア国民評議会を反体制勢力の明白なリーダーと見なすことはできない」との考え方を示した。

さらに「反体制派の一部にはなり得るが、反体制派にはシリア国内にいる人や、耳を傾けるべき正当な意見を持つ人々も含まれるべきだ」と付言した。

一方、サラフィー主義者の外国人戦闘員の台頭に関しては、懸念を表明しつつ、「私たちが必要としているのは、シリア革命を乗っ取ろうとする過激派に強行に抵抗した経歴を持つ反体制勢力だ」と述べ、既存の反体制勢力の対応を不十分だと非難し、「アサド政権に断固として対抗するための反体制勢力の統合を支援する」との意思を示した。

クリントン長官の発言は、11月8日にカタールのドーハで予定されている反体制勢力の大会準備を踏まえたもの。

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在エジプト中国大使館が声明を出し、10月31日のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と楊潔チ外相の北京での会談に関して、中国側が4項目からなる提案を行ったと発表した。

同声明によると、4項目とは以下の通り:

1. シリアの関係当事者による停戦努力とブラーヒーミー共同特別特使のミッションへの協力。
2. 関係手当事者による早急な交渉代表者の任命を通じたブラーヒーミー共同特別特使と国際社会の活動を支援と、対話を通じた政治的転換のための行程表作成。広範は基盤を持つ暫定統治機構の発足。早急な危機収拾のための政治的転換の実施。
3. 国際社会によるブラーヒーミー共同特別特使の仲介努力への協力。
4. 関係当事者による人道危機軽減のための具体的な措置の実施。

この提案において、中国は、アサド政権の退任の是非を明言しなかったが、「政治的転換」、「暫定統治機構の発足」という言葉でその可能性に含みを持たせた。

AFP, November 1, 2012、Akhbar al-Sharq, November 1, 2012, November 2, 2012、Facebook, November 1, 2012、al-Hayat, November 1, 2012、Kull-na Shuraka’, November 1, 2012、al-Kurdiya News,
November 1, 2012、Naharnet, November 1, 2012, November 2, 2012、Reuters,
November 1, 2012、SANA, November 1, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

「シリアにおける移行期間運営、未来のためのビジョン構築」大会が閉幕、アレッポ県では民主統一党民兵がクルド人離反兵からなるユースフ・アズマ大隊と交戦(2012年10月31日)

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(10月31日付)によると、サイイダ・ザイナブ町で、ゴミ袋に入れられた爆弾が爆発し、11人が死亡、数十人が負傷した。

またムウダミーヤト・シャーム市では、車に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数の市民が負傷した。

一方、ハラスター市、ザマルカー町などでは、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追跡活動を継続し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区でシリア軍大佐の自動車に仕掛けられた爆弾が爆発した。死傷者は出なかった。

また、SANA(10月31日付)によると、マッザ区で「武装テロ集団」が仕掛けた爆弾3発が爆発し、1人が死亡、複数が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(10月31日付)によると、マアーッラト・アルティーク村、アレッポ市・ダイル・ハーフィル市間の街道、カーフィース村、フライターン市、カフルナーハー村、アレッポ市・バーブ市間の街道などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市でも、カルム・マイサル地区、ブスターン・カスル地区、ダウワール・バーブ・ハディード、ブスターン・バーシャー地区、カルム・ジャバル地区、カフルハムラ地区・ザフラー地区間、ライラムーン地区などで、軍・治安部隊と反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月31日付)によると、ガーブ平野のジャイイド市、アズィーズィーヤ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(10月31日付)によると、アービル村、ムバーラキーヤ市、カフル・アーヤー村、サルーミーヤ市、ジャウバル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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アクス・サイル(10月31日付)は、イドリブ県ハーリム市で、軍が反体制武装勢力の拠点に「誤って」補給物資を投下した、と報じた。

反体制勢力の動き

10月29日からトルコのイスタンブールで開かれていたシリア政治戦略研究センター主催の「シリアにおける移行期間運営、未来のためのビジョン構築」大会が閉幕した。

Kull-na Shuraka', October 31, 2012
Kull-na Shuraka’, October 31, 2012

大会には、シリア・クルド国民評議会、シリア・クルド国民評議会、アッシリア民主機構、ダマスカス宣言、シリア・ムスリム同胞団、シリア革命総合委員会、地元調整諸委員会、シャーム・ウラマー委員会、自由シリア軍の代表らが出席していた。

閉幕声明において、大会参加者は「我々のイデオロギー的な意見の相違を保留し、亡命政府を樹立する必要がある点で合意した。暫定政府発足によって、アラブ諸国や国際社会による我々の革命へのさらなる政治的支援が得られるだろう」と表明した。

大会に出席したシリア政治戦略研究センターのラドワーン・ズィヤーダは記者団に関して、「亡命政府を選出するための総会を開くことで出席者は合意した」ことを明らかにした。

また「フランス、アラブ諸国、そして(大会に参加しなかった)ほかの反体制勢力に亡命政府を発足後ただちに承認するよう呼びかけた」と付言した。

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シリア人権監視団は、ハマー航空基地が反体制活動家を収監するための空軍情報部の拘置所・刑務所として使用されていると発表した。

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ハマー革命評議会のアブー・カースィム・ハマウィー報道官を名乗る活動家は、AFP(10月31日付)に対して、「自由シリア軍は、軍事力の不均衡ゆえに、ハマー市から撤退した。国の中心に位置する同市は軍事拠点と化し、そこから各県に戦闘機が送られている」と述べた。

また「体制は同市を制圧するため、逮捕活動を実行し…、6ヶ月で数千人が逮捕され、拷問を受けた。逮捕と拷問は死よりも過酷だ。想像を絶する…。私は毎日転々と逃げ回り、逮捕を免れている」と付言した。

クルド民族主義勢力の動き

シリアの反体制武装勢力を支援するジャズィーラ衛星テレビ(10月31日付)は、アレッポ県アフリーン市郊外で、反体制武装勢力と民主統一党の民兵が交戦したと報じた。

同報道によると、反体制武装勢力(自由シリア軍)には、クルド人離反兵からなるユースフ・アズマ大隊が参加し、アフリーン市郊外のシリア軍第137大隊本部を制圧した、という。

またユースフ・アズマ大隊は、民主統一党に対して、アサド政権への協力を止めるよう警告を発した。

アフリーン市一帯は民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会およびクルド最高委員会が実効支配している。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム・ムハンマド書記長は『サフィール』(10月31日付)のインタビューに答え、そのなかでサラーフ・バドルッディーン一派を「トルコの手先」で「自由シリア軍」への武器供与を支援している、と批判した。

サラーフ・バドルッディーンはクルド民族主義活動家の重鎮で、西欧を活動拠点としており、2006年末にはアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領、シリア・ムスリム同胞団とともにシリア国民救済戦線を結成、また2011年9月にはシリア国民評議会に参加した。

レバノンの動き

マルワーン・シルビル法務大臣は、シリアの反体制武装勢力に拉致されていたジャーナリストのフィダー・イーターニーが釈放され、トルコに到着した、と発表した。

パレスチナ人の動き

ロイター通信(10月31日付)は、ゴランの鷹大隊(自由シリア軍)の司令官の話として、パレスチナ人のみから構成される反体制武装組織「嵐(アースィファ)大隊」が結成された、と報じた。

同司令官によると、「嵐大隊」は、ダマスカス県ヤルムーク区(難民キャンプ)でアサド政権を支援するPFLP-GCなどの戦闘員との戦いに投入される、という。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は中国を訪問し、楊潔チ外交部長(外務大臣)らと会談した。

会談後の記者会見でブラーヒーミー共同特別代表は、シリアの危機解消に向け中国に「活発な役割」を期待すると述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣がパリでフランスのローラン・ファビウス外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ファビウス外務大臣は、シリア問題の解決はアサド大統領が退任する以外にないとのこれまで通りの立場を示した。

一方、ラブロフ外務大臣は、ジュネーブでのシリア作業グループの合意が、シリア政府と反体制勢力が移行期間について合意することを求めていると反論し、アサド大統領の退任問題がフランスではなく、シリア国民が決すべき問題だと主張した。

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ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、10月10日にトルコがシリア航空旅客機をアンカラ国際空港に強制着陸させ、積み荷を押収した問題で、積み荷の変換をめぐる交渉を行っている、と述べた。

両国間で具体的な合意には達していないという。

AFP, October 31, 2012、Akhbar al-Sharq, October 31, 2012、‘Aks al-Sayr, October 31, 2012、Aljazeera.net, October 31, 2012、al-Hayat, November 1, 2012、Kull-na Shuraka’, October 31, 2012、al-Kurdiya News,
October 31, 2012、Naharnet, October 31, 2012、Reuters, October 31, 2012、SANA,
October 31, 2012、al-Safir, October 31, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍がダマスカス県内での初の空爆を実施するなか、アレッポ県アイン・アラブ市ではシリア・クルド国民評議会支持者らが民主統一党の実効支配に対する抗議デモを行う(2012年10月30日)

国内の動き

アントゥーン・マクディスィー外務在外居住者省報道官は、トルコのダウトオール外務大臣の発言に関して、トルコおよび湾岸諸国がシリア国内での暴力停止をめざす国連の決議に反して、シリアの安定と治安を乱し、トルコ国民を破壊的な政策に巻き込んでいる、と厳しく非難した。

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(10月30日付)によると、ルクンッディーン区でアブドゥッラー・ハーリディー空軍少将が反体制武装勢力に銃で暗殺された。

AFP(10月30日付)によると、ハーリド少将は空軍参謀本部のメンバー。

アブドゥッラー・ハーリディー空軍少将暗殺に関して、自由シリア軍ルクンッディーン殉教者大隊を名乗る勢力が犯行声明を出した。

一方、シリア人権監視団によると、軍がジャウバル区を空爆した。

同監視団によると、ダマスカス県内への空爆はこれが初めてだという。

さらに、ヤルムーク区で未明、反体制武装勢力とパレスチナ組織の民兵が激しく交戦した。

戦闘に関して、PFLP-GC幹部のアンワル・ラジャーはAFP(10月30日付)に、「武装テロ集団が午前2:30頃、難民キャンプへの潜入を試み…、我々が結成した人民諸委員会が侵入を防いだ…。戦闘は約1時間続いたが、死傷者は出なかった」と述べた。

シリア人権監視団によると、戦闘はまず、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で反体制武装勢力と軍・治安部隊の間で発生、ヤルムーク区に戦火が拡大するなかで、PFLP-GCの民兵が軍・治安部隊とともに戦闘に参加した、という。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦するザマルカー町、ドゥーマー市、アルバイン市などを軍が空爆し、少なくとも5人が死亡した。

一方、SANA(10月30日付)によると、ハラスター市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、クルディーヤ・ニュース(10月30日付)などによると、アアザーズ市、アフリーン市、カスタル・ジンドゥー村などで、反体制武装勢力がヤズィーディー派のクルド人に対して脅迫、強盗、誘拐を行っていると報じた。

また、AFP(10月30日付)によると、クルド国境に近いクルド・ダー地方のヤーズィー・バーグ村周辺で、反体制武装勢力と民主統一党の人民防衛隊が交戦し、前者の戦闘員4人が死亡した。

一方、シリア人権監視団は、ハイヤーン町で反体制武装勢力に身柄構想されていたクルド人市民が拷問を受け、死亡したと発表した。

また同監視団によると、アレッポ市国立病院近くに空爆が集中するなか、反体制武装勢力が同市サビール地区のターリク・ブン・ズィヤード兵舎に再び攻勢をかけた。

他方、SANA(10月30日付)によると、アレッポ市のライラムーン交差点、ダウワール・トゥルカーウィー地区、マフラジャ・ラサーファ、シャイフ・ナッジャールなど、およびカフルナーハー村、タッル・リフアト市、フライターン市、アターリブ市、バーブ街道などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点、アジトなどを攻撃・交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、SANA(10月30日付)によると、サラミーヤ市郊外のタッル・ダッラ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またミスヤーフ市郊外で身元不明の遺体8体が発見された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダイル・バアルバ地区などで、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、同地区、ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区が砲撃を受けたほか、同市周辺が空爆を受けた。

ムバーラキーヤ村に対して、軍が空爆を行い、反体制武装勢力の戦闘員2人が死亡した。

一方、SANA(10月30日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ダイル・バアルバ地区、東ブワイダ村、アービル村、クタイナ市、カフルアーヤー農場などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月30日付)によると、フラーク市・ナーミル村を結ぶ街道に反体制武装勢力が仕掛けた爆弾2発が爆発し、近くを走行していた救急車の運転手1人、乗っていた看護師1人を含む3人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市などにも軍が空爆を行った。

またワーディー・ダイイフ軍基地周辺では、軍・治安部隊と反体制武装勢力、シャームの民のヌスラ戦線が戦闘を続けた。

一方、アナトリア通信(10月30日付)などが、対トルコ国境に位置するアッラーニー村、ダウワーリー村の住民の話として、軍が自らの保有する対空兵器を、反体制武装勢力に奪われないよう破壊した、と報じた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍国内合同司令部は声明を出し、アレッポ県アアザーズ市、アフリーン市、カスタル・ジンドゥー村などで暮らすヤズィーディー派のクルド人の安全を脅かすいかなる行為に対しても「鉄拳を下す」と発表した。

そのうえで自由シリア軍がこれらの地域でのマイノリティに対する犯罪に関与していないと断言した。

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クッルナー・シュラカー(10月30日付)は、反体制活動家のフアード・ハミーラが「シリア国民革命自由アラウィー派」と銘打ったHP上で「アラウィー派貧困層」に向けて公開書簡を発表、そのなかでダマスカス県マッザ86地区、アッシュ・ウルール地区、ダマスカス郊外県クドスィーヤー地区を砲撃するよう呼びかけ、宗派内対立を煽った、と報じた。

これらの地区は政権を支持するアラウィー派が多く住んでいる。

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ザマーン・ワスル(10月30日付)は、信頼できる治安筋の話として、アサド政権が崩壊した場合、離反した軍士官・兵士250人と4,000人の警察官が治安維持にあたるだろう、と述べた。

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AKI(10月30日付)によると、シリア国民評議会の「ダマスカス宣言」ブロックは、11月8日にカタールで予定されている大会で発足が予定されている最高意志決定機関の国民イニシアチブ委員会に関して、「国際社会、中東地域の当事者たちは、シリア国民評議会の役割を終わらせ、新たな政体を作りだそうとしている…。革命の終焉に位置する政治勢力に国を委ね、シリア人の要求を表現する真の勢力を遠ざけるというイラク・モデルを適用しようとしている」と批判した。

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『フォーリン・ポリスィー』(Cable版、10月30日付)は、米国務省高官やシリアの反体制活動家の話として、米国がシリア国内の反体制勢力との関係を強化し、武装組織や地元自治評議会のメンバーなどを包摂したかたちで新たな評議会の結成を後押ししていると報じた。

同報道によると、新評議会は、カタールのドーハで11月8日に予定されている反体制勢力の大会での結成がめざされており、バラク・オバマ政権はこれを暫定政府として位置づけようとしている、という。

欧米諸国が支援してきたシリア国民評議会は、この新評議会において一少数派として参加することになる、という。

米高官や反体制活動家らはこの動きを「リヤード・サイフ・プラン」と呼んでおり、サイフがこの新評議会の中心をなしている、という。

カタールの大会には、ロバート・フォード駐シリア米大使(現在米国内で勤務)が出席を予定しており、同大使は、新評議会の代表の配分に関して、国内の活動家を20人、シリア国民評議会メンバーを15人、そのほかの反体制勢力の代表を15人とすべきとの姿勢を強く示した、という。

また新評議会とは別に8人から10人のテクノクラートからなる執行機関が結成され、それが外国諸国政府との折衝を担当する、という案も提示されている、という。

http://thecable.foreignpolicy.com/posts/2012/10/30/obama_administration_works_to_launch_new_syrian_opposition_council

クルド民族主義勢力の動き

アフバール・シャルク(10月31日付)によると、アレッポ県アイン・アラブ市(コーバーニー市)で、シリア・クルド国民評議会支持者らが抗議デモを行い、民主統一党の実効支配への異議を表明した。

Youtube, October 30, 2012
Youtube, October 30, 2012

デモはシリア・クルド国民評議会参加政党の事務所に掲揚されていた委任統治時代のシリア国旗を、民主統一党の当局が撤去したことを受けたもの。

これに対して、民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会のシールザード・ヤズィーディー報道官は、「我々はシリアの新国旗(委任統治時代の国旗)を独立旗とみなし反対はしていない。事件は、我々の一部のメンバーによる反発に過ぎず、事を大げさにする必要はない」と述べた。

また「アフリーン市への(自由シリア軍による)大規模攻撃が準備されており、一部の勢力が内乱を引き起こそうとしている…。クルド民族主義諸政党はこうしたこうした試みを阻止せねばならず、旗などを問題にしてはならない」と付言した。

諸外国の動き

カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、シリアの紛争を「内戦」と評するアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の姿勢を拒否、「国際社会の許可」のもとに「シリアの体制がその国民を殲滅するために行っている戦争」と述べ、自国のテロ支援を正当化した。

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サウジアラビアのイスラーム覚醒潮流のシャイフ、サルマーン・アウダは、自身のHPでイスラーム教徒らに対して、「リビア、イエメン、サウジ、イラク、エジプトから若者が(シリアに)渡り、体制と戦うことは、危機を増幅させ、アフガニスタンの危機を繰り返すことになる…。兵士が必要なのではない。資金と武器の支援が必要なのだ」と述べた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は記者団に対して、「シリア政府が国民を殺し続ける限り、決して政府と対話を行わない」と述べた。

対話を拒否する理由としてダウトオール外務大臣はまた「現体制に正統性」を与えることになるからだと述べた。

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ヨルダン・ペトラ通信(10月30日付)は、対シリア国境のマアーンの砂漠地帯で総合治安局のパトロール隊が3台のトラックに分乗するシリア人61人を発見、身柄拘束したと発表した。

同報道によると、先週も、ヨルダン治安当局は「ハイテク」通信機器を携帯したシリア人7人を領内で逮捕している、という。

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イラン外務省報道官は記者会見で、シリア行きのイラン航空機のイラク当局による検査に関して、「イラク政府は米国の圧力に抵抗し、こうした行為を将来繰り返さないようにしなければならない」と警鐘を鳴らした。

AFP, October 30, 2012、Akhbar al-Sharq, October 30, 2012, October 31, 2012、AKI, October 30, 2012、thecable.foreignpolicy.com, October 30, 2012、al-Hayat, October 31, 2012、Kull-na Shuraka’, October 30, 2012、al-Kurdiya News,
October 30, 2012、Naharnet, October 30, 2012、Reuters, October 30, 2012、SANA,
October 30, 2012、Zaman al-Wasl, October 30, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・クルド国民評議会のアレッポ支部およびアフリーン支部は声明を出し、西クルディスタン人民議会との協力活動を停止すると発表(2012年10月29日)

SANA, October 29, 2012
SANA, October 29, 2012
SANA, October 29, 2012
SANA, October 29, 2012
SANA, October 29, 2012
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国内の動き

シリア外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に書簡を提出、そのなかでイード・アル=アドハーの休戦下でダマスカス県ダッフ・シューク地区などで発生したテロ事件への非難決議の採択を求めるとともに、シリア国内への「武装テロ集団」の流入と支援を行う諸外国への非難の意思を表明した。

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、武装テロ集団が停戦違反を続けていると発表した。

同声明によると、反体制武装勢力は、ダマスカス郊外県の軍南部地区司令部、ハラスター市、ドゥーマー市、アルバイン市などの治安維持軍拠点、カタナー市、ザマルカー町、ダマスカス県カーブーン区の検問所、ヒムス県ヒムス市各所、タルビーサ市、タッルカラフ市の検問所、ハマー県ハマー市、カルアト・マディーク町の検問所、アレッポ県アレッポ市、アレッポ・アアザーズ街道、アレッポ市・アターリブ市・ハーン・アサル村街道、イドリブ県ハーリム市の検問所、ワーディー・ダイフ地点、タルナバ検問所、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市の検問所などを襲撃・迫撃した。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(10月29日付)に対して、シリア軍戦闘機が「4時間にわたって48回空爆」を行ったと述べた。

アブドゥッラフマーン代表によると、空爆は2012年7月以降で「もっとも激しい」もので、自由シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線とともに攻略を試みているイドリブ県マアッラト・ヌウマーン市周辺(ワーディー・ダイフ基地)で集中的に行われた、という。

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ダマスカス郊外県では、SANA(10月29日付)によると、ジャルマーナー市ラウダ地区(住宅地区)で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、11人市民が死亡、数十人が負傷した。

また、シリア・アラブ・テレビ(10月29日付)は、ハジャル・アスワド市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、女性や子供を含む多数が死傷した、と報じた。

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同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地域で活動する反体制武装集団の拠点であるランクース市に、軍が3度にわたって空爆を行った。

またハラスター市、アルバイーン市、ザマルカー町などに対しても空爆が行われた。

AFP(10月29日付)は、シリア治安筋の話として、「テロリストが集結し、拠点強化を試みている」ダマスカス郊外の農園などに対して「武装テロ集団への報復」として空爆を行ったと報じた。

しかし複数の住民によると、この空爆は、軍の地上部隊の同地域への進軍が失敗したことを受けて激化した、という。

一方、SANA(10月29日付)によると、ハラスター市、アルバイン市、ザマルカー町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に応戦、多数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、SANA(10月29日付)によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区、ハーン・アサル村、カフルハムラ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に応戦、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(10月29日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、ダイル・バアルバ地区、ザアフラーナ村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に応戦、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月29日付)によると、ダイル・ザウル市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に応戦、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、自由シリア軍とシャームの民のヌスラ戦線がマアッラト・ヌウマーン市周辺(ワーディー・ダイフ基地)で攻略を継続し、軍が空爆を加えた。

また、アナトリア通信(10月29日付)などによると、対トルコ国境に位置するハーリム市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦し、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)のビシャスラン村に迫撃砲が着弾した。

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団が運営するシリア政治戦略研究センターがイスタンブールで「シリアにおける移行期間運営、未来のためのビジョン構築」大会を開催した。

クルディーヤ・ニュース(10月29日付)によると、大会には、シリア・クルド国民評議会、アッシリア民主機構、ダマスカス宣言、シリア・ムスリム同胞団、シリア革命総合委員会、地元調整諸委員会、シャーム・ウラマー委員会、自由シリア軍の代表らが出席した。

クルディーヤ・ニュース(10月29日付)によると、シリア・クルド国民評議会は、バッシャール・アミーン事務局長、アブドゥルカリーム・ウマル、ワリード・シャイフーのほか、シリア・クルド・アーザーディー党、シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)、クルド民主諸勢力連合などの代表が出席した。

シリア・クルド・イェキーティー党のワリード・シャイフーはクルディーヤ・ニュース(10月29日付)に対して「広範なクルド諸勢力が大会に参加し、他の勢力とともに、シリア全般、そしてとりわけクルド人民をめぐる明確なビジョン構築に向けて努力する」と述べた。

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自由シリア軍南部地区司令官を名乗るヤースィル・アッブード大佐が『ハヤート』(10月30日付)の電話取材に応じた。

取材のなかでアッブード大佐は、ヨルダン当局と接触し、「我々(自由シリア軍)の意向を伝えるととともに、ヨルダン領内に避難民として入国する容疑者のリストを提示した」と述べた。

アッブード大佐によると、この容疑者とは、アサド政権が避難民、反体制活動家、そしてヨルダンを標的として「大規模」且つ「組織的」送り込んでいる工作員。

アッブード大佐はまた、こうした工作員の通行を阻止するため、自由シリア軍がヨルダン・シリア国境のすべての通行所を制圧する必要があると主張した。

アッブード大佐は、アサド政権が国土の30%しか「保有」しておらず、約70%は自由シリア軍が制圧していると豪語した。

一方、自由シリア軍の組織に関して、アッブード大佐は約13の軍事評議会が合同司令部を組織しており、作戦は地区ごとに展開されていることを明らかにした。

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シリア人権監視団は、イード・アル=アドハーにおける死者数が350人以上に達したと発表した。

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ダマスカス郊外県ジャルマーナー市で活動するという国民民主行動諸委員会は、声明を出し、10月29日のジャルマーナー市での爆破テロに関して、「シャッビーハと体制が背後にいる」と指摘し、政権の自作自演だと断じた。

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アクス・サイル(10月29日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で、反体制武装勢力が軍の武器庫を襲撃し、カラシニコフ銃1000丁以上など大量の武器、弾薬を奪った、と報じた。

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アクス・サイル(10月29日付)は、空軍のムハンマド・ラスラーン・ラスラーン大佐と2人の息子(マルワーン・ラスラーン少尉、アドナーン・ラスラーン大尉)がユーチューブにビデオ映像をアップし、軍からの離反と自由シリア軍への参加を宣言した。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド国民評議会アレッポ支部、アフリーン支部は声明を出し、西クルディスタン人民議会との協力活動を停止すると発表した。

協力停止の理由は、西クルディスタン人民議会が2012年7月のエルビルでの合意に反して、デモや動員を続けていること。

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アフバール・シャルク(10月31日付)は、アレッポ県アイン・アラブ市(コーバーニー市)で、民主統一党の民兵100人以上がシリア・クルド国民評議会の参加政党の事務所を襲撃し、これらの事務所に掲揚されていた委任統治時代のシリア国旗を下ろさせた、と報じた。

襲撃されたのは、シリア・クルド・イェキーティー党、シリア・クルド進歩民主党、シリア・クルド民主党(アル・パールティー)、シリア・クルド・アーザーディー党の事務所。

国際社会の動き

国連の潘基文事務総長は、シリア情勢に関して、「当事者らが停戦の呼びかけを尊重しないことに深い失望の念を感じる」と遺憾の意を示すとともに、国連安保理、中東諸国、およびシリア国内の当事者に「停戦のための責任を果たす」よう求めた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とモスクワで会談した。

会談でラブロフ外務大臣は、「シリア政府との対話なくして何ももたらされない。これこそが政治的プロセスに向けた唯一の問題だ」と述べた。

AFP, October 29, 2012、Akhbar al-Sharq, October 29, 2012, October 31, 2012、’Aks al-Sayr, October 29, 2012、al-Hayat, October 30, 2012、Kull-na Shuraka’, October 29, 2012, October 30, 2012、al-Kurdiya
News, October 29, 2012、Naharnet, October 29, 2012、Reuters, October 29,
2012、SANA, October 29, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県アフリーン市で「自由シリア軍北の嵐旅団」が民主統一党の検問所を制圧、しかし同軍サラーフッディーン・アイユービー大隊は声明のなかで「自由シリア軍と民主統一党の関係が良好」と明かす(2012年10月28日)

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、武装テロ集団が休戦違反を続けている、と発表した。

Kull-na Shuraka', October 29, 2012
Kull-na Shuraka’, October 29, 2012

声明によると、反体制武装勢力は、ダマスカス郊外県カラムーン山地一帯、アルトゥーズ町、ジャブアディーン町、ハラスター市、シャブアー町、ダイル・アティーヤ市、ヒムス県タッルカラフ市、ハマー県ガーブ地方、アレッポ県アレッポ市旧市街、イドリブ県ハーミディーヤ市、マアッラ市、ハーリム市、サルキーン市、アッラーニー村、ダイル・ザウル県ブーカマール市などで検問所襲撃、即席爆弾爆破、砲撃などを行った。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月28日付)によると、ダイル・ザウル市の複数カ所で軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に対して応戦し、アル=カーイダの戦闘員ら多数を殺害した。

一方、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がシャームの民のヌスラ戦線と共闘し、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊と交戦した。

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Kull-na Shuraka', October 29, 2012
Kull-na Shuraka’, October 29, 2012

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、27日晩から28日にかけて、スバイナ町、ムウダミーヤト・シャーム市などに対して軍が空爆を行った。

またハジャル・アスワド市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

このほか、アイン・タルマー村の検問所を反体制武装勢力が襲撃し、軍・治安部隊の兵士4人を殺害した。

複数の活動家によると、ザマルカー町、アルバイン市、ハラスター市などで大きな爆発があり、ハラスター市ではライフラインが一時不通になったほか、ドゥーマー市郊外で反体制武装勢力が軍の検問所を襲撃した、という。

一方、SANA(10月28日付)によると、ザマルカー町で軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に対して応戦し、複数の戦闘員を殺害した。

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アレッポ県では、SANA(10月28日付)によると、ハーン・アサル村で軍・治安部隊が反体制武装勢力の攻撃に対して応戦し、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺害した。

クルディーヤ・ニュース(10月28日付)は、自由シリア軍北の嵐旅団がアフリーン市の民主統一党の検問所を制圧した、と報じた。

一方、シリア人権監視団によると、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区で、砲撃により1人が死亡した。

またアレッポ市マイダーン地区、ハナーヌー地区などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

アクス・サイル(10月29日付)は、反体制武装勢力筋の話として、空軍情報部アレッポ支部長のズハイル・ビータール大佐が自由シリア軍に狙撃され、死亡したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がシャームの民のヌスラ戦線とともに、ワーディー・ダイフ軍基地への攻撃を継続した。

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シリア人権擁護連盟は声明を出し、2011年6月に逮捕されたハーリド・サアド女史が獄中での拷問が原因で死亡した、と発表した。

国内の動き

シリア外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、イード・アル=アドハーの休戦の反体制武装勢力による停戦違反への抗議文を国連安保理に提出した、と述べた。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、ダマスカス県ダッフ・シューク地区での爆破テロ(26日)を含む一連の爆破テロへの関与を否定し、「大多数の人々は爆破を行ったのが政府だと考えている」と政権の自作自演だと非難した。

また同声明において、戦線は「停戦を拒否することは、必ずしもイード中に作戦を実行することを意味しないし、作戦を実行しないことも意味しない」と付言した。

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シリア人権監視団は、28日の戦闘で114人が死亡、うち47人が民間人、36人が軍・治安部隊兵士、31人が反体制武装勢力戦闘員だったと発表した。

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自由シリア軍のサラーフッディーン・アイユービー大隊は声明を出し、自由シリア軍と民主統一党の関係が良好だと述べ、アレッポ市アシュラフィーヤ地区をめぐり両者が対立しているとの見方を否定し、自由シリア軍内の対立を暴露した。

この声明は、自由シリア軍副司令官を名のるマーリク・クルディーのクルディーヤ・ニュース(10月27日付)への反論として発表され、クルディーの発言が民主統一党の良好な関係を築いている大隊をイデオロギー的に貶めようとするものだと批判した。

レバノンの動き

アレッポ県アアザーズ市で拉致されたレバノン人記者のフィダー・イーターニーの映像がユーチューブ(10月28日付)にアップされた。
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同映像によると、イーターニーは自由シリア軍「アーザーズ北の嵐旅団」によって拉致され、自宅軟禁状態にある、という。

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NNA(10月28日付)は、北部県アッカール郡タッル・アンダ村住民が、シリア当局による村人の身柄拘束に抗議して、国際幹線道路を封鎖した、と報じた。

道路封鎖は軍の介入によって強制排除された。

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AFP(10月28日付)は、北部県ミンヤ郡ミンヤ市で、シリアの反体制武装勢力に武器を密輸していたマルワーン・カッサーブの武器製造工場が爆発し、カッサーブが死亡した、と報じた。

諸外国の動き

ロシア議会下院(国家会議)国際問題委員会アレクセイ・プシコフ委員長はRT(10月28日付)に対して、「ロシア・中国と「シリアの友」を名のる国々が、紛争の一方の当事者のみを支援するだけでは解決し得ないことを認識することだ…。ロシア・中国は欧米諸国よりもこの立場に近い…。シリア政府と戦う反体制組織への資金・武器支援を通じて問題解決は不可能だということを皆が理解しなければならない…。反体制勢力は大統領を退陣させる力を持っておらず、アサド大統領も反体制武装勢力を殲滅するに充分な力を持たない…。それゆえ事態は暗礁に乗り上げている。我々は対話を始められる両当事者の代表を作り出さねばならない」と述べた。

AFP, October 28, 2012、Akhbar al-Sharq, October 28, 2012、‘Aks al-Sayr, October 29, 2012、al-Hayat, October 29, 2012、Kull-na Shuraka’, October 28, 2012, October 29, 2012、al-Kurdiya
News, October 28, 2012, October 29, 2012、Naharnet, October 28, 2012、NNA,
October 28, 2012、Reuters, October 28, 2012、SANA, October 28, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市で自由シリア軍と人民防衛隊の間で戦闘が発生、ハサカ県ではクルド人約300人が自由シリア軍によって拉致されるもその後解放(2012年10月27日)

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、武装テロ集団が26日に続き、27日も休戦違反を続けている、と発表した。

同声明によると、反体制武装勢力は、ダマスカス郊外県のドゥーマー市、ハラスター市、フーシュ・アラブ村、カタナー市、ヤブルード市、ダルアー県ターミル市、ヒムス県ヒムス市(バーブ・フード地区)、マフラム地方、ハマー県ハマー市、アレッポ県アレッポ市旧市街、カフルハムラ村、ハーン・アサル村、イドリブ県ワーディー・ダイフ地点、ハーミディーヤ市、ハーリム市、サルキーン市、アッラーニー村、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市などで検問所襲撃、即席爆弾爆破などを26日晩以降行った。

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アレッポ県では、『ハヤート』(10月28日付)によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区で、反体制武装勢力(自由シリア軍)と民主統一党の民兵(人民防衛隊(YPG)が交戦し、双方に合わせて8人の死者が出た。

アシュラフィーヤ地区は、クルド人が多く住んでいるが、アレッポ市内では比較的戦闘が少なく、避難民が押し寄せていた。

戦闘は26日晩/27日未明に始まった。

AFP(10月28日付)は、住民などの話として、反体制武装勢力の戦闘員約200人がアレッポ市アシュラフィーヤ地区に潜入し、人民防衛隊と交戦した、と報じた。

これに関して、ユーフラテス通信(10月27日付)は、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区の制圧を試みようとする自由シリア軍と、両地区のクルド人住民を保護する民主統一党の人民防衛隊(YPG)との間で戦闘が発生したと報じた。

この戦闘は、アシュラフィーヤ地区でのデモに自由シリア軍が発砲することで発生した、という。

また自由シリア軍の発砲により、民間人10人が死亡、女性3人を含む25人が負傷、またYPGの兵士1人も重傷を負ってその後死亡した。

シリア人権監視団によると、この戦闘で、双方の戦闘員22人を含む30人が死亡した。

一方、SANA(10月27日付)もアレッポ市アシュラフィーヤ地区、マルジャ地区での市民のデモに反体制武装勢力が発砲し、2人が死亡したと報じた。

デモでは、反体制武装勢力の退去が求められていたという。

このほか、シリア人権監視団によると、アレッポ市サイイド・アリー地区などで激しい砲撃と交戦があった。

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クルディーヤ・ニュース(10月27日付)は、自由シリア軍がハサカ県ハイヤーン町で約300人の身柄を拘束した、と報じた。

身柄拘束は、アレッポ市アシュラフィーヤ地区での人民防衛隊(YPG)の応戦を停止させることが目的だという。

これに関して、自由シリア軍副司令官を名乗るマーリク・クルディーは、クルディーヤ・ニュース(10月27日付)に、アレッポ市アシュラフィーヤ地区での人民防衛隊(YPG)との戦闘激化を回避するために民主統一党と交渉している、としたうえで、ハイヤーン町で身柄拘束したクルド人をただちに釈放する、と述べた。

クルディーはまた、アレッポ市アシュラフィーヤ地区への自由シリア軍の侵攻が、「民主統一党の実効支配を終わらせようとするサラーフッディーン・アイユービー大隊ら一部の政治勢力によって」行われたと述べた。

その後、クルド友愛調整は声明を出し、自由シリア軍がハイヤーン町で身柄拘束したクルド人全員を釈放したと発表した。

声明によると、自由シリア軍はフライターン市・ハイヤーン町間の検問所で公共交通機関を使って移動していた一般市民多数を身柄拘束していた。

またシリア人権監視団も、クルド人120人以上が釈放された、と発表したが、民主統一党も反体制武装勢力の戦闘員20人を捕捉していた、と付言し、自由シリア軍による市民の拉致を正当化しようとした。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がシャームの民のヌスラ戦線とともに攻略を続けるワーディー・ダイフ基地近くのマアッラト・ターミル村が軍の空爆を受けた。

また『ハヤート』(10月28日付)によると、対トルコ国境に近いハーリム市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、トルコ赤新月社の車輌が領内に入り、負傷者の搬出を行った。

戦闘は、同市近くで反体制武装勢力戦闘員が逮捕されたことをきっかけに発生した、という。

その後、自由シリア軍はハーリム市を制圧したと発表した。

一方、SANA(10月27日付)によると、イドリブ市で反体制武装勢力が軍・治安部隊に発砲、軍・治安部隊がこれに応戦した。

また同市内にカールトン・ホテルのゴミ集積所で反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発し、子供2人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市に軍が空爆し、8人が死亡した。

この空爆に関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は「休戦宣言後初の空爆だ…。この空爆で休戦は葬り去られた。もはや我々は休戦などと言っていられない」と述べ、「人権組織」であるにもかかわらず殺戮再開を容認し、武力紛争を煽る反体制組織としての実態を露わにした。

また、同監視団によると、ドゥーマー市などが砲撃を受け、2人が死亡、複数が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のレストラン近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

しかしシリア人権監視団は、反体制武装勢力によるこうしたテロに対しては非難の意を示さなかった。

一方、シリア・アラブ・テレビ(10月27日付)は、このテロに関してシリア正教会前で自動車爆弾が爆発したと報じ、「武装テロ集団が休戦に違反した」と報じた。

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ダマスカス県では、SANA(10月27日付)によると、ジャルマーナー市で反体制武装勢力が通行人に発砲し、1人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(10月27日付)によると、アーティフィーヤ村、タッルカラフ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

国内の動き

ムハンマド・アブドゥッスィタール・サイイド宗教関係大臣がタルトゥース県タルトゥース市シャイフ・バドル地区での殉教者慰霊祭に出席し、反体制武装勢力との戦闘での戦死者の遺族を慰問した。

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サアド・ナーイフ保健大臣は、26日のダマスカス県ダッフ・シューク地区での爆破テロで負傷した市民を慰問した。

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アリー・アブドゥッラー・アイユーブ副参謀長がダマスカス県ティシュリーン軍事病院を訪れ、反体制武装勢力との戦闘での負傷兵を慰問した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍アレッポ軍事評議会のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐は、イード・アル=アドハーの休戦に関して「どの休戦のことか?休戦など嘘だ。体制は犯罪者なのに、どのように休戦を尊重できるのか?これはブラーヒーミーにとって失敗だ。彼のイニシアチブは死産だった…。軍は砲撃を止めていない」と非難した。

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シリア人権監視団は、休戦発効後の死者数(27日正午時点)が、民間人50人、兵士16人、反体制武装勢力6人にのぼると発表した。

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地元調整諸委員会は、26、27日両日で死者数が151人に達したと発表した。

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シリア国民評議会は声明を出し、10月26日に軍・治安部隊が各地で292件の停戦違反を犯したと発表した。

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シリア記者連盟は声明を出し、反体制武装勢力が拉致しているレバノン人記者フィダー・イーターニーの釈放を求めた。

クルド民族主義勢力の動き

民主統一党のスィーバーン・ハムウ人民防衛隊(YPG)報道官は、クルディーヤ・ニュース(10月27日付)に対して、アレッポ県アイン・アラブ市(コバネ市)のクルド民族主義政党7党に対して、反体制武装勢力などが使用するフランス委任統治時代のシリア国旗を掲揚しないよう要請した。

またハムウ報道官は、シリアの反体制勢力がクルド民族の生存権を認めようとせず、自由シリア軍がクルド人市民を殺害している、と非難した。

レバノンの動き

NNA(10月27日付)は、レバノン人ジャーナリストのフィダー・イーターニーがアレッポ県アアザーズ市の反体制武装勢力に拉致された、と報じた。

イーターニーは『アフバール』、LBCIなどの記者を務める。

アアザーズ調整はフェイスブック(10月27日付)で、拉致の理由に関して、「彼の活動はシリア革命の路線に一致しない…。イーターニーが反革命勢力に関与していることは証明されていないが、革命勢力が制圧した地域で彼の記者としての滞在はもやは認められない」と綴った。

ジャディード・チャンネル(10月27日付)は、ムスタクバル潮流のウカーブ・サクル議員がイーターニー記者の釈放の仲介を行っている、と報じた。

諸外国の動き

トルコ軍参謀長は、米軍が対シリア国境地域に軍を派遣したとの一部トルコ紙の情報を否定した。

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ハマースのイスマーイール・ハニーヤ首相は、イード・アル=アドハー礼拝後に演説を行い、シリア情勢に関して、「自由、尊厳、安心できる国家を求めるシリア国民から不正の手を引くべき」と述べ、アサド政権を批判した。

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イラク・イスラーム教ウラマー委員会のハーリー・ダーリー事務局長は、シリア情勢に関して、「(アサド政権は)アラブ諸国と国際社会のあらゆるイニシアチブを利用すべきだ…。なぜならそこに危機の出口があるからだ」と述べた。

AFP, October 27, 2012、Akhbar al-Sharq, October 27, 2012、al-Hayat, October 28, 2012、al-Jadid, October 27, 2012、Kull-na Shuraka’, October
27, 2012, October 29, 2012、al-Kurdiya News, October 27, 2012, October 29,
2012、Naharnet, October 27, 2012、NNA, October 27, 2012、Reuters, October
27, 2012、SANA, October 27, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各地で「武装テロ集団」が前日に発表された軍の休戦宣言に違反するかたちで攻撃を実施、アサド大統領がダマスカス県のアクラム・モスクでイード・アル=アドハーの礼拝を行う(2012年10月26日)

国内の暴力

シリア軍・武装部隊総司令部は声明を出し、25日の軍による休戦宣言に明確に違反するかたちで、「武装テロ集団」が各地の軍拠点への攻撃を敢行した、と発表した。

同声明によると、「武装テロ集団」(自由シリア軍)は午前7時頃から、ダイル・ザウル県(ダイル・ザウル市)、ダルアー県(ダルアー市)、イドリブ県(ハーリム、サルキーン、ワーディー・ダイフ、アッラーニー村)、ヒムス県(ヒムス市、タッルカラフ)、ダマスカス郊外県(ハラスター、アルバイン、ドゥーマー)の軍検問所、拠点などに対して発砲を行っている。

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ダマスカス郊外県では、AFP(10月26日付)によると、ハラスター市、アルバイン市、ドゥーマー市で、市民を襲撃する反体制武装勢力に軍・治安部隊が発砲した。

一方、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町で戦闘があった。

またハラスター市でも戦闘があり、3人が死亡した。

SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012

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ダマスカス県では、SANA(10月26日付)によると、ダッフ・シューク地区で反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾が爆発し、20人以上の市民が死亡、30人以上が負傷した。

AFP(10月26日付)によると、爆破テロは警察署を狙ったものだという。

また、AFPによると、タダームン区の建設中のビル内で反体制武装勢力が爆弾を仕掛けた車が爆発、またマッザ航空基地周辺に迫撃砲が着弾した。死傷者はなかった。

シリア人権監視団によると、アサーリー地区で戦闘があった。

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ダルアー県では、SANA(10月26日付)によると、ダルアー市内の治安維持部隊の検問所近くで反体制武装勢力が車に仕掛けた爆弾が爆発し、11人が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(10月26日付)によると、アレッポ市内で3件、カフルナーハー村で1件、ハーン・アサル村で1件の合わせて5件の停戦違反があり、軍・治安部隊が反体制武装勢力に応戦した。

al-Hayat, October 27, 2012
al-Hayat, October 27, 2012

またアレッポ市スィルヤーン地区にある反体制武装勢力のアジトを制圧し、武器弾薬を押収した。

一方、AFP(10月26日付)によると、アレッポ市スィルヤーン地区の兵舎に反体制武装勢力が迫撃を試みたが、軍・治安部隊が撃退した。

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イドリブ県では、『ハヤート』(10月27日付)によると、反体制武装勢力がワーディー・ダイフ基地への攻撃を継続した。

シリア人権監視団によると、この戦闘で反体制武装勢力の戦闘員4人が死亡した。

また同基地周辺の、ダイル・シャルキー村、マアッルシューリーン村、カフルサジュナ村が空爆を受けたという。

さらに対トルコ国境地域でも、シリア人権監視団によると、1人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、タッルカラフ市が砲撃を受けた。

国内の動き

アサド大統領はダマスカス県ムハージリーン区にあるアクラム・モスクでイード・アル=アドハーの礼拝を行った。

礼拝には、内閣、人民議会、バアス党、イスラーム教宗教関係者らが列席した。

SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
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SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012
SANA, October 26, 2012

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イード・アル=アドハーの休戦が発効し、暴力のレベルが低下するなか、『ハヤート』(10月27日付)によると、多くの人々がイードを祝う一方、礼拝後に複数の都市・村で反体制抗議デモが発生した。

al-Hayat, October 27, 2012
al-Hayat, October 27, 2012

ロンドンを拠点とする反体制組織のシリア人権監視団によると、デモはダルアー県各地、アレッポ県アレッポ市ハナーヌー地区など県内各所、ダマスカス県カーブーン区、ジャウバル区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市など各地、イドリブ県各地、ハマー県各地、ダイル・ザウル県各地、ラッカ県各地で行われた、という。

『ハヤート』(10月27日付)によると、抗議デモはいずれも内務省の許可を得ておらず、治安維持部隊が介入、強制排除を行った。

シリア人権監視団によると、ダルアー県インヒル市で治安維持部隊がデモ参加者に発砲し、3人が負傷した、という。

自由シリア軍最高軍事評議会のムスタファー・シャイフ議長も、ダマスカス郊外県カタナー市、ダマスカス県カーブーン区でのデモ参加者に軍・治安部隊が発砲したと主張し、「停戦違反」だと非難した。

そのうえで、反体制武装勢力は「政府軍より平静を保っている。なぜなら我々は停戦に機会を与えたいからだ」と述べた。

反体制勢力の動き

「民主主義のためのシリア・キリスト教徒」は声明を出し、反体制武装勢力によるジャミール・ハッダード司祭誘拐殺人を「アサドの悪党による犯行」と断じ、非難した。

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シリア国民評議会のアフマド・ラマワーン広報局長がアレッポ市に潜入し、『ハヤート』(10月27日付)に市内の状況を伝えるとともに、現地で反体制武装闘争を行う組織にシリア国民評議会が資金援助を行う意思があると述べた。

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ユーチューブ(10月26日付)上に、シリア軍が市街地にTNTクラスター爆弾を投下する映像がアップされた。

http://www.youtube.com/watch?v=rj1WJWcke4s&feature=share

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月26日付)などによると、民主統一党の軍事部門高官は、シリア・クルド民主党(パールティー)政治局メンバーのバフザード・ドゥールスィンの失踪への関与を否定した。

レバノンの動き

NNA(10月26日付)は、ベカーア県ヘルメル郡で、拉致されていたシリア人ビジネスマンのユーズフ・トゥルクマーニーを治安部隊が解放した、と報じた。

諸外国の動き

サウジアラビア外務省は、ジェッダのシリア領事館の外交官3人を「領事活動と関係ない行為を行っていた」との理由で国外追放した、と発表した。

AFP, October 26, 2012、Akhbar al-Sharq, October 26, 2012、al-Hayat, October 27, 2012、Kull-na Shuraka’, October 26, 2012、al-Kurdiya News,
October 26, 2012、Naharnet, October 26, 2012、NNA, October 26, 2012、Reuters,
October 26, 2012、SANA, October 26, 2012などをもとに作成。

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軍武装部隊総司令部がイード・アル=アドハーにあたる10月26日朝から29日まで軍事作戦を停止すると発表、アレッポ市では反体制武装勢力が進軍し「アシュラフィーヤ地区の北部を制圧」(2012年10月25日)

イード・アル=アドハーの休戦をめぐる動き

軍武装部隊総司令部は声明を出し、ブラーヒーミー共同特別代表の休戦案するかたちで、イード・アル=アドハーにあたる10月26日朝から29日まで軍事作戦を停止すると発表した。

SANA, October 25, 2012
SANA, October 25, 2012

同声明によると、イード期間中は以下の反体制活動・破壊活動への「反撃が留保される」。

1. 武装テロ集団による民間人、軍兵士への発砲、公共財産、私有財産への破壊、爆弾が搭載された車による爆破攻撃、しかけ爆弾による爆破攻撃。
2. 武装テロ集団による拠点強化。
3. テロ撲滅に関する国際的な決定を侵害するかたちでの、近隣諸国からシリアへのテロリストの潜入奨励。

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『ハヤート』(10月26日付)は、自由シリア軍の司令官の一人が、ブラーヒーミー共同特別代表の休戦案に従い、休戦を遵守するだろうと述べるとともに、逮捕者の釈放を要求した、と報じた。

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『ハヤート』(10月26日付)は、シリア国内でテロ活動を行うアンサール・シャリーアが、シリア軍が休戦を尊重しないと非難、自らが休戦を遵守することはないだろうとの意思を示した、と報じた。

国内の動き

ハルフ・アッサーウィー選挙最高委員会は、12月1日が投票日の第10期人民議会補欠選挙(アレッポ県、ハサカ県、ハマー県、イドリブ県)の立候補者が109人に達したと発表した。

各選挙区の内訳は、109人のうちA部門からの立候補者は84人、B部門は25人。

アレッポ県諸地域選挙区は44人(A部門が19人、B部門が25人)、イドリブ県が12人(A部門)、ハマー県が19人(A部門)、そしてハサカ県が34人(A部門)。

SANA(10月25日付)によると、立候補受付期間は10月24日に終了した。

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表はシリア・アラブ・テレビ(10月25日付)に対して、イード・アル=アドハーの休戦を求める国連のプレス向け声明は、諸外国が武装テロ集団を支援しているとのシリアの主張を初めて受け入れた声明だと述べ、高く評価した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、複数の活動家らによると、カタナー市でギリシャ正教のファーディー・ハッダード司祭が誘拐され、殺害された。AFP(10月25日付)が報じた。

al-Hayat, October 26, 2012
al-Hayat, October 26, 2012

遺体はカタナー市・ダルーシャー村間で発見された。

ハッダード司祭は43歳でカタナー市のマール・イリヤース教会の司祭。

ハッダード司祭の誘拐殺人に関して、反体制組織のアッシリア人権ネットワークは声明を出し、「政府に属する犯罪集団」によって暗殺されたと発表した。

しかしAFP(10月25日付)によると、ハッダード司祭は、10日前にカタナー市で誘拐された医師の釈放と身代金支払いの交渉を行っており、身代金を支払うために誘拐犯らのもとに訪れた際、拉致・殺害された。

誘拐犯は医師釈放に5000万ポンド(70万ドル)を要求、ハッダード司祭はこれを半額にまで減額させたが、ハッダード司祭を拉致した誘拐犯は、司祭釈放の条件として2500万ポンドを新たに要求した、という。

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同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カタナー市の検問所で爆弾が爆発し、兵士4人が殺害された。またダーライヤー市、ハラスター市、ドゥーマー市が砲撃を受けた。

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アレッポ県では、AFP(10月25日付)によると、反体制武装勢力がアレッポ市のアシュラフィーヤ地区に進軍、「同地区の北部を制圧した」。

住民によると、武装勢力は黒い服をまとい、「アッラーの他に神なし」と書かれた黒い鉢巻きを巻いていたという。

彼らはまた狙撃兵を屋上に配置、また機関銃が積まれた車などが地区内に展開、戦闘員の一人は「おまえたちとともにイードを過ごすためにやって来た」と言っていた、という。

シリア人権監視団によると、アシュラフィーヤ地区への軍・治安部隊の砲撃で、7人が死亡した。

同地区はクルド人住民が多く住んでいたが、7月以降の争乱のなかで多くの避難民が押し寄せていた。

こうした状況を踏まえるかたちで、クッルナー・シュラカー(10月25日付)は、アレッポ市アシュラフィーヤ地区のクルド系住民が、自由シリア軍の存在を支持している、と報じた。

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同じくアレッポ県では、AFP(10月25日付)によると、アレッポ市のスィルヤーン地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると同地区での戦闘は刑事保安局近くでもっとも激しかったという。

一方、SANA(10月25日付)によると、軍・治安部隊がアレッポ市のズフール通りフランス病院、旧市街のスィルヤーン地区、ジュダイダ地区の浄化を完了した。

また軍・治安部隊はアレッポ市のアシュラフィーヤ地区、ハーン・アサル村などで浄化を継続し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区、カダム区で砲撃があった。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がサルーク市近くのラニーン軍事検問所を襲撃し、兵士3人を殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(10月25日付)によると、軍・治安部隊がレバノンからタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装勢力戦闘員と対峙、撃退した。

またマヒーン町などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月25日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。また同地区では爆弾が仕掛けられた車が爆発、戦闘員複数が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(10月25日付)によると、サムリーン村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追撃を行った。

またダマスカス・ダルアー街道で軍・治安部隊が反体制武装勢力と衝突、多数の戦闘員を殺傷した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月24日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市で民主統一党の民兵が軍事パレードを行った。

このパレードは同市の南西35キロに位置するマブルーカ地方の自由シリア軍が進軍したことを受けた動き。

自由シリア軍は約30台の車を連ね、武装して、マブルーカ地方に進軍した、という。

諸外国の動き

ロシア外務省報道官は、記者会見で、米国が「シリアの戦闘員に直接武器供与してはいないが…、こうした供与が行われていることを知っており、調整を行っている」と批判した。

AFP, October 25, 2012、Akhbar al-Sharq, October 25, 2012、al-Hayat, October 26, 2012、Kull-na Shuraka’, October 25, 2012、al-Kurdiya News,
October 25, 2012、Naharnet, October 25, 2012、Reuters, October 25, 2012、SANA,
October 25, 2012などをもとに作成。

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アサド大統領が2012年10月23日以前の重犯罪者への恩赦を決定、米大統領選挙の第3回討論会ではオバマ大統領とロムニー共和党候補がシリア情勢をめぐって意見を戦わせる(2012年10月23日)

国内の動き

アサド大統領は政令第71号を発令し、2012年10月23日以前の重犯罪者への恩赦を決定した。

同政令は、死刑を無期懲役刑に、無期懲役刑および無期刑を懲役20年に減刑することを定めている。

ただし、武器麻薬密輸犯などテロ撲滅諸法が定めるテロ犯罪者、国外逃亡者などは恩赦の対象外としている。

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進歩国民戦線加盟政党以外の与党および野党からなる国民民主ブロックの代表が、ダマスカスでアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣は、ダマスカス県でアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が宿泊するホテルを見送りのため訪問し、共同特別代表の訪問が「成功」したと述べた。

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シリアの外務在外居住者省は声明を出し、フランスが反体制武装勢力を招聘するなどしてテロ活動を支援し、シリア国内の平和と安定を脅かしていると非難、国際社会、とりわけ国連安保理に真摯な対応を求めた。

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は国連の潘基文事務総長宛に文書を提出し、そのなかでEUおよび米国などによる対シリア経済が、シリアの子供に害を与え、「非道徳的で非合法」と非難した。

国内の暴力

アレッポ県では、複数の活動家・目撃者によると、アレッポ市のハナーヌー地区のパン配給所が砲撃を受け、並んでいた市民ら約20人が死亡した。

死者のなかには、配給所の警備を行っていた反体制武装勢力戦闘員複数も含まれていた。

またシリア人権監視団によると、反体制武装勢力が潜伏するアレッポ市カタールジー地区を軍が空爆した。

一方、SANA(10月23日付)によると、タームーラ村、カフルハムラ村、カブダーン・ジャバル市、アターリブ市、カフルハラブ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトなどを攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市でも、ダウワール・サーリヒーン、ダウワール・ジャズマーティー、ブスターン・ハナーヌー、スッカリー地区、旧市街(アンタキア門など)などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザーヒラ地区に軍・治安部隊が突入した。

またドゥワイラア地区で爆弾が爆発し、1人が死亡、ルクンッディーン区で、治安機関の退役士官を狙った爆破テロが発生し、1人が負傷、ティジャーラ地区東部の空軍情報部近くで爆発が発生した、という。

これらの爆破テロに関して、SANA(10月23日付)は、ルクン・ディーン区でテロリストが車に仕掛けた爆弾が爆発した、とだけ報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ジュダイダト・アルトゥーズ町、ハラスター市などで、軍・治安部隊が反体制活動家の逮捕・摘発を行った。

また『ハヤート』(10月24日付)が、複数の活動家の話として、ムウダミーヤト・シャーム市で第4機甲師団の拠点で爆発が発生した、と報じた。

一方、SANA(10月23日付)によると、ハラスター市、アルバイン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を殲滅した。

また反体制武装勢力は警察病院にRPGロケット弾を打ち込んだという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイリーヤ地区の政治治安部近くで爆発が発生した。

またブーカマール市の政治治安部近くでも爆弾が爆発した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がクサイル市を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(10月23日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、東ブワイダ村、タッル・ヒンシュ市、クサイル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、甚大な被害を与えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市が軍の空爆を受けた。

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ハマー県では、SANA(10月23日付)によると、スィージャル村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを攻撃し、戦闘員を逮捕した。

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ダルアー県では、SANA(10月23日付)によると、同県の国民和解プロセスを主導するシャイフ、ルバイウ・アフマド・アブスィーを反体制武装勢力が襲撃した。

アブスィーは負傷し、ダマスカス県の病院に搬送された。

反体制勢力の動き

民主的諸勢力国民調整委員会は声明を出し、「アサド大統領はキリスト教徒を含むマイノリティの安全を保障する人格を備えている」とのロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の発言を「体制側の論理」と非難、拒否すると発表した。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長はストックホルムで、反体制勢力による政権掌握後もバアス党を解体する意思はないと述べた。

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『クッルナー・シュラカー』(10月23日付)は、ハサカ県ラアス・アイン市のマブルーク地区を自由シリア軍が制圧したと報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

北部県トリポリ市では、レバノン国軍がジャバル・ムフスィン地区とバーブ・タッバーナ地区を隔てるシリア街道に展開し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に伴う武力衝突を収束させた、と発表した。

AFP(10月23日付)によると、この衝突で、11人が死亡、39人が負傷した。

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レバノン国軍は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺後のベイルート県や北部県トリポリ市などでの暴動で、シリア人34人、パレスチナ人4人を含む約100人の狙撃主を拘束した、と発表した。

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UNHCRは声明を出し、レバノン国内に避難したシリア人避難民の数が101,283人に達したと発表した。

同声明によると、国外に避難したシリア人の数は358,000人に及び、10万人以上のシリア人が避難した国はトルコ、ヨルダンに続いて3カ国目。

この数値に一時避難(出国)後に帰国したシリア人の数が含まれているか否かは不明。

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ムスタクバル潮流のアンマール・フーリー国民議会議員は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺直後に、アサド政権と対立する複数のレバノン人指導者が脅迫のSMSを受けた、と述べた。

脅迫を受けたのは、アンマール・フーリー、アフマド・ファトファト、ハーディー・フナイシュ、ハーリド・ダーヒル、ヌハード・マンシューク。

このSMSは、シリア国内の電話番号から送信されていたという。

諸外国の動き

米大統領選挙の第3回討論会が行われ、バラク・オバマ大統領とミット・ロムニー共和党候補が外交政策について意見を戦わせた。

シリア情勢に関して、オバマ大統領は、「アサドにとって日数は限られていると確信する」としつつ、軍事介入、安全地帯の設置については否定した。

ロムニー候補は、「アサドが去ると信じている」としつつ、軍事介入、安全地帯の設置については否定した。

一方、反体制勢力の支援に関して、「我々のパートナー、とりわけイスラエルとともに調整」を行い、アサド政権崩壊後の政権受け皿への支援を行うべきとの見解を示しつつ、「サウジアラビア、カタール、トルコがこの点に関与している」と述べた。

「アフバール・シャルク」(10月23日付)などが報じた。

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トルコのシンクタンク経済外交研究センター(EDEM)はトルコ国内の1,500人を対象にシリア情勢に関する世論調査を行った。

それによると、51%の回答者が「トルコが中立的であるべき」と答え、18%が「紛争当事者の仲介を行うべき」と答えた。

AFP, October 23, 2012、Akhbar al-Sharq, October 23, 2012、al-Hayat, October 24, 2012、Kull-na Shuraka’, October 23, 2012、al-Kurdiya News,
October 23, 2012、Naharnet, October 23, 2012、Reuters, October 23, 2012、SANA,
October 23, 2012、Syria News, October 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で軍・治安部隊がヌスラ戦線・反体制武装勢力と激しく交戦、民主統一党がトルコのアレヴィー派戦闘員から有事の際に対トルコ戦に参加するとの合意を取り付ける(2012年10月22日)

国内の動き

『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、大統領府筋の話として、アスマー・アフラス大統領夫人が先週、特別機でUAEのアブダビを訪問、ダマスカスに戻ったと報じた(未確認情報)。

Shukumaku.com, January 11, 2012
Shukumaku.com, January 11, 2012

同消息筋によると、この訪問は、モンテスィーリー学校を自主退学した子供たちの転入手続きのためと思われる。

なおアサド大統領の姉ブシュラー・アサドも9月に子供の養育のため、UAEに移っている。

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カナダでの列国議会同盟(IPU)年次大会に出席を予定していたシリア人民議会使節団は、カナダ当局がビザ発給を拒否したことに抗議した。

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『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、イッザト・カンジュ労働総連合副総裁が連合臨時総会で、労働者からなる武装集団を結成し、反体制武装勢力と交戦を続ける軍・治安部隊を支援することを決議すべきだと主張した、と報じた。

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シリア共産党ウィサール・ファルハ・バクダーシュ派のウィサール・ファルハ書記長が死去、葬儀が行われた。

ファルハ書記長は、シリア共産党の重鎮ハーリド・バクダーシュ前書記長の妻。

ファルハ書記長の後任には、息子のアンマール・バクダーシュが就任した。

SANA(10月22日付)などが報じた。

国内の暴力

シリア記者連盟によると、シリア革命総合委員会の活動家のウマル・アブドゥッラッザーク・ラトゥーフ(通称ウマル・ヒムスィー)、ムハンマド・ジュムア・アブドゥルカリーム・ラトゥーフ、およびヒムス県タルビーサ市出身の6人(うち3人がラトゥーフ家)が、避難先のトルコからヒムスに戻る途中、アレッポ市近くのICARDAの検問所で拘束され、殺害された。

Akhbar al-Sharq, October 22, 2012
Akhbar al-Sharq, October 22, 2012

ウマル・アブドゥッラッザーク・ラトゥーフはシリア革命総合委員会創設メンバーの一人で、広報局長。またタルビーサ調整、ヒムス自由人連合、ヒムス・ニュース・センターを創設した。

またムハンマド・ジュムア・アブドゥルカリーム・ラトゥーフはタルビーサ市の映像・情報を配信してきた。

 

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市周辺で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

またジュダイダト・アルトゥーズ町、ドゥーマー市、ダーライヤー市が砲撃を受け、反体制武装勢力の戦闘員1人を含む4人が死亡した。

このほか、ザマルカー町、アイン・タルマー村も砲撃を受けたという。

一方、SANA(10月22日付)によると、アルバイン市、ハラスター市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃・放逐を継続した。

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ダマスカス県では、SANA(10月22日付)によると、ルクンッディーン区で車に仕掛けられた爆弾が爆発した。死傷者は出なかった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市フィルドゥース地区などが砲撃を受け、マイダーン地区、サラーフッディーン地区、イザーア地区、バーブ・ジュナイン地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数が死亡した。

一方、SANA(10月22日付)によると、カフルタアール村、アターリブ市、フライターン市、マーリア市、カフルフーム市、カブターン・ジャバル村、アレッポ市旧市街、カーディー・アスカル地区、シャイフ・ヒドル地区、イシャーラート地区、バーブ・ナイラブ地区、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、アンタキア門地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍・治安部隊がヌスラ戦線および反体制武装勢力と激しく交戦した。

一方、SANA(10月22日付)によると、ハーリム市、サルキーン市、ジスル・シュグール市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市、タルビーサ市、ムザイリーブ町などが砲撃を受けた。

一方、SANA(10月22日付)によると、ヒムス市スルターニーヤ地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を掃討し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月22日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月22日付)によると、反体制武装し勢力がダルアー市初審裁判所のタイスィール・サマーディー第一検事を誘拐した。

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ユーチューブ(10月22日付)上に、シリア・アラブ航空の旅客機から降りる集団の映像が公開された。

映像によると、これらの集団は、イラン・イスラーム革命防衛隊の兵士だという。

http://www.youtube.com/watch?v=CnH4aijhbj0

反体制勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月22日付)は、イドリブ県で自由シリア軍が拘束したクルド人兵士19人に対して、同軍の法廷が無罪判決を下した、と報じた。

逮捕された兵士の家族によると、自由シリア軍は6,800ドルの「保釈金」(身代金)の支払いを要求している、という。

19人は10月13日に拘束されていた。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、『ジュムフーリーヤ』(10月22日付)に対して、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺の背後にアサド政権がいる、と断じた。

そのうえで「シリアの政府は、レバノンでさらなる暗殺を行い、不安定を醸成し、シリア国内での犯罪を隠蔽しようとするだろう」と述べた。

一方、サアド・ハリーリー前首相がウカーブ・サクル国民議会議員をシリアの反体制勢力との連絡調整役に任命したことに関して、「我々と3月14日勢力の間で調整は行われており…、両国の国益を尊重することを基礎としている」と述べた。

さらに、ヒズブッラーに対しては、「シリア政府がヒズブッラーを犠牲にして取引を行うことを理解せねばならない」と述べ、アサド政権との決別を促した。

最後に「我々(シリア人とレバノン人)は運命共同体だ。あなたたちはシリア政府の抑圧に苦しみ、その犠牲となってきた…。シリア国民は今日、同じ抑圧を受けている」と述べた。

クルド民族主義勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、ハサカ県カーミシュリー空港で、シリア・クルド民主党(アル・パールティー)ナスルッディーン・イブラーヒーム派幹部のアフマド・スィーヌーが逮捕された、と報じた。

スィーヌーは、ファイサル・ユースフ、アブドゥルカリーム・ウマル、ジャマール・シャイフ・バーキー、アフマド・スライマーンとともにシリア・クルド国民評議会の使節団として、ダマスカスに向かい、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とイード・アル=アドハーの休戦について協議する予定だった。

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『クッルナー・シュラカー』(10月22日付)は、PKK筋の話として、民主統一党がトルコのアレヴィー派戦闘員を有事の場合に対トルコ戦に参加させることを同派と合意し、その第一弾としてアレヴィー派戦闘員3,000人のシリア北東部への派遣と、国境での緩衝地帯設置阻止を民主統一党がシリア政府に提案した、と報じた(未確認情報)。

レバノンの動き

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を受けるかたちで、21日晩から北部県トリポリ市のジャバル・ムフスィン地区とバーブ・タッバーナ地区で銃撃戦が発生し、少なくとも4人が死亡、シリア人を含む多数の住民が負傷した。

諸外国の動き

AKI(10月22日付)などによると、ユーロサット社(ホットバード)は、EUの制裁の一環として、シリア・アラブ・テレビ衛星放送、シリア・ドラマ・チャンネルの配信を停止した。

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アラブ連盟のアフマド・ベン・フッリー事務副長は、イード・アル=アドハーの休戦に関して「望みは薄い」と述べた。

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イラク・クルディスタン地域政府は、ドホーク県ドマイズ避難民キャンプのシリア人避難民が35,000人に達したと発表した。

またイラク中央政府の移民難民省も、アンバール県のカーイム避難民キャンプのシリア避難民の数が7,638人に達したと発表した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はロシア紙に対して、「アサド大統領はキリスト教徒を含むマイノリティの安全を保障する人格を備えている」と述べた。

また欧米諸国が「彼(アサド大統領)をかかしに仕立て上げている…。しかし実際のところ、向けられる嫌疑はいずれも断片的である…。現在、中東の地政学の書き換えが行われており、多くのプレーヤーが地政学的な地位を確保しようとしている…。多くのプレーヤーは基本的にシリアではなく、イランに対処しようとしている」と述べた。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はヨルダンを訪問し、アブドゥッラー国王らと会談、シリア情勢について協議した。

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ヨルダンのシリア人避難民の支援活動を行っている聖典スンナ協会によると、ザアタリー国営避難民キャンプで、多数の避難民がテント約20台に放火し、処遇改善を求めた。

AFP, October 22, 2012、Akhbar al-Sharq, October 22, 2012、AKI, October 22, 2012、al-Hayat, October 23, 2012, October 24, 2012、Kull-na Shuraka’, October 22, 2012、al-Kurdiya
News, October 22, 2012、al-Jumhuriya, October 22, 2012、Naharnet, October 22, 2012、Reuters, October 22, 2012、SANA,
October 22, 2012、Youtube, October 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外相がブラーヒーミー共同特別代表と会談、レバノンではミーカーティー首相がハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を防げなかった責任から辞意を表するも慰留される(2012年10月20日)

国内の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とダマスカスで会談した。

SANA, October 20, 2012
SANA, October 20, 2012

会談後に外務在外居住者省が発表した声明によると、両者の会談は「建設的」で、地域情勢や国連の人道活動などについて協議された。

しかし声明では、イード・アル=アドハーの休戦案について言及はなかった。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はまた、民主的変革諸勢力国民調整委員会の使節団とも会談した。

委員会の声明によると、会談では、地域情勢、国際情勢、両者の提案が協議された。

ハサン・アブドゥルアズィーム代表は、ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの休戦に関して「政治プロセスを促すだろう」と述べ、歓迎の意を表明した。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、マアッル・シャムシャ市が軍の空爆を受け、マアッラト・ニウマーン市南部の国際高速道路で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、南部環状線(ドゥワイリア)などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サクバー市でがれきの下から市民の遺体14体が発見された。

一方、SANA(10月20日付)によると、スバイナ町近郊のアドナーン・モスクで反体制武装勢力が仕掛けた爆弾が爆発した。

この爆発で、反体制武装勢力の戦闘員複数名が死傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、シリア国民評議会などによると、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区(軍・治安部隊が制圧する地区)で拷問を受けるなどして死亡した市民の遺体37体が発見された、と発表した。

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アレッポ県では、SANA(10月20日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ハナーヌー地区、ハーン・アサル村、ターディフ市、フライターン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力への掃討作戦を継続し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月20日付)によると、反体制武装勢力がダルアー国立病院の医師を暗殺した。

クルド民族主義勢力の動き

サウジ日刊紙『アッカーズ』(10月20日付)は、シリア・クルド国民評議会の信頼できる複数の消息筋の話として、米国がシリア分割への懸念を示しつつも、クルド人の自治を認めた連邦制を樹立することに同意した、と報じた(未確認情報)。

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クルディーヤ・ニュース(10月20日付)は、人民議会議員を務めるシリア・クルド人国民イニシアチブ代表のウマル・ウースー議員が滞在先のイランで、アサド政権崩壊後に連邦制の樹立を主唱すべきだとのシリア・クルド国民評議会などの主張に異議を拒否すると述べた、と報じた。


レバノンの動き

3月14日勢力を支持する若者グループ(ムスタクバル潮流、レバノン軍団の支持者ら)は、ベイルート県中心に位置する殉教者広場でテントを設営し座り込みを開始し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺への抗議の意思を示すとともに、ナジーブ・ミーカーティー内閣の総辞職を訴えた。

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3月14日勢力は、10月21日を「怒りの日」と名づけ、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の葬儀への参列を国民に呼びかけた。

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前日に引き続き、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に抗議する若者が、ベイルート県、北部県、南部県などで道路を封鎖した。

また北部県トリポリ市アビー・サムラ地区では、住民どうしが衝突し、1人が死亡した。

NNA(10月20日付)が報じた。

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ナジーブ・ミーカーティー首相は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺への対応を協議するための緊急閣議で辞意を表明した。

しかし、ミシェル・スライマーン大統領が慰留し、首相はこれを受け入れた。

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『ハヤート』(10月21日付)によると、ミーカーティー首相の辞意に対して、進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首および国民党争ブロックの閣僚も、政治的真空の発生を懸念しつつ反対した。

Naharnet, October 20, 2012
Naharnet, October 20, 2012
Naharnet, October 20, 2012
Naharnet, October 20, 2012

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『アフバール』(10月20日付)は、ナジーブ・ミーカーティー首相が、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺事件発生の責任をとって辞表するとの意思をナビーフ・ビッリー国民議会議長に伝えていた、と報じた。

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3月14日勢力は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、事件発生を防げなかったナジーブ・ミーカーティー内閣を追及、総辞職を求めた。

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レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、アリー・アブドゥルカリーム・アリー駐レバノン・シリア大使を追放すべきだと述べた。

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レバノン・カターイブ党のサーミー・ジュマイイル国民議会議員は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「シリアの紛争に我々の国が巻き込まれないようにしなければならない」と述べた。

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マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教は声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を強く非難、「悪に対抗するための統合」を国民に呼びかけた。

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ムハンマド・ラシード・カッバーニー大ムフティーはテレビ演説で、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を「それによって誰が得をするのかは周知の通りだ」と非難した。

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イラン外務省報道官は外務省HPで、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を「シオニスト」の犯行と断じた。

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サウジ国営通信(SPA)は、同国高官がウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を非難した、と報じた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、ミシェル・スライマーン大統領とナジーブ・ミーカーティー首相に対して、政治的真空の発生を避けるべきだと伝えた。

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潘基文国連事務総長は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、ナジーブ・ミーカーティー首相に「レバノン国民との連帯」の意思を伝えた。

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ローマ法皇ベネディクト16世は、声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺を非難した。

諸外国の動き

『ミッリイェト』(10月20日付)は、トルコ軍がこれまでシリア領内に87回迫撃砲を発射し、兵士12人を殺害、複数の戦車を破壊したと報じた。

トルコは、シリア領へのサラフィー主義外国人戦闘員の潜入を事実上黙認しつつ、からの迫撃砲着弾への報復として軍にシリア領内を迫撃させている。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、記者会見で、ファールーク・シャルア副大統領への大統領権限の移譲などを骨子ととする持論(「イエメン型解決策」)を撤回した。

ダウトオール外務大臣はこの案を今月8日に公表したが、「イエメン型解決策は9ヶ月前には適切だった」と述べて、撤回した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリアのすべての紛争当事者にイード・アル=アドハー(10月26~28日)の暴力停止を呼びかけた。

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ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハー(10月26~28日)の休戦案への支持を表明した。

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カタール外務省は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハー(10月26~28日)の休戦案への支持を表明した。

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国連の潘基本文事務総長とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は共同声明を出し、イード・アル=アドハー(10月26~28日)の暴力停止を呼びかけた。

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ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣はアンマンで反体制運動指導者の一人リヤード・サイフ元人民議会議員と会談し、シリア情勢について協議した。

AFP, October 20, 2012、al-Akhbar, October 20, 2012、Akhbar al-Sharq, October 20, 2012、‘Akkaz, October 20, 2012、al-Hayat, October 21, 2012、Kull-na Shuraka’, October 20, 2012、al-Kurdiya News,
October 20, 2012、Naharnet, October 20, 2012、NNA, October 20, 2012、Reuters,
October 20, 2012、SANA, October 20, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャームの民のヌスラ戦線が9月から10月にかけてシリア北部で発生した3件のテロの犯行を主張、レバノンでは内務治安軍総局情報課長のウィサーム・ハサン大佐を含む8人が爆弾テロによって死亡(2012年10月19日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がワーディー・ダイフ地点に近いタッルミンス村、マアッル・シャムサ村に展開する反体制武装勢力を空爆した。

またワーディー・ダイフ地点攻略で、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。

同地点の攻略には2500人の戦闘員が参加しており、対する軍は250人の兵で対抗している、という。

このほかジスル・シュグール市近郊のアアワル高地も砲撃を受けた。

一方、SANA(10月19日付)によると、ハーン・シャイフーン市郊外のバスィーダー村、アームーディーヤ村、カフルヤースィーム村、バーブーリーン村、スィージャル村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

他方、AFP(10月20日付)は、空軍がクラスター爆弾をマアッラト・ヌウマーン市東部での掃討作戦で使用した、と複数の反体制活動家が疑っていると報じた。

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アレッポ県では、複数の反体制活動家が、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区などに攻撃をかけ、同地区を完全に制圧した、と述べた。またマイダーン地区も一部制圧した、という(未確認情報)。

シリア人権監視団によると、アレッポ市のサーフール地区、マイダーン地区などで軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦したという。

一方、SANA(10月19日付)によると、アレッポ市旧市街、ブスターン・カスル地区、スーク・フストゥク地区、バーブ・ナスル地区、ブスターン・バーシャー地区、アターリブ市、アンジャーラ村、カッバースィーン村、ダイル・ジャマール村・マーリア市間、ダイル・ハーフィル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続し、外国人戦闘員を含む複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家によると、サイイダ・ザイナブ町で軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

またシリア情報センターによると、サクバー市などが軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、地元調整諸委員会によると、アルトゥーズ町で軍・治安部隊に拷問の末、処刑されたと思われる複数の遺体が発見された。

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ヒムス県では、複数の活動家によると、ラスタン市、クサイル市が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

一方、SANA(10月19日付)によると、ジュースィーヤ村、東ブワイダ村、ガントゥー市、ハウラ地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月19日付)によると、ダイル・ザウル市各所で軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月19日付)によると、マアルバ町、ブスラー・シャーム市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月19日付)によると、ナビー・ユースフ地点近くで、トルコからの潜入を試みる反体制武装勢力を軍・治安部隊が撃退した。

一方、『クッルナー・シュラカー』(10月19日付)は、アラウィー派の村ワーディー・ウユーンで、住民と軍・治安部隊が交戦したと報じた(未確認情報)。

反体制勢力の動き

シャームの民のヌスラ戦線は、米国のイスラーム主義系のサイトに声明を送り、9月30日のカーミシュリー市の政治治安部を狙ったテロ、10月3日のダイル・ザウル市での政治治安部を狙った連続自爆攻撃、10月11日のイドリブ市での兵舎への攻撃を実行したと発表した。

またヌスラ戦線は、10月12日に、アレッポ市近郊の第606ミサイル大隊、同市ハナーヌー地区の兵舎、ラッカ県各所の兵舎を攻撃し、32人の兵士を殺害した、と発表した。

このうち第606ミサイル大隊の攻撃には、チェチェン戦闘員からなる「イスラーム・ファジュル運動」が参加した、という。

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レバノンを拠点とするファフド・ミスリー(自由シリア軍行動司令部広報局長)は声明を出し、ヒムス県の対レバノン国境に位置するジュースィーヤ村を奪還したと発表した(未確認情報)。

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シリア国民評議会の執行部メンバーのタウフィーク・ドゥンヤーが声明を出し、自身の参加が「何らの価値も与えることができない」として、脱会を宣言した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月20日付)は、ハサカ県のハサカ市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市、カーミシュリー市、ダイリーク市で民主統一党が「青年こそ未来を保障する」と銘打ったデモを行った、と報じた。

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クルディーヤ・ニュース(10月19日付)によると、17~18日にかけてカーミシュリー市で軍の士官複数名が離反し、トルコに逃走した。

ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺(レバノン)

ベイルート県アシュラフィーヤ地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、内務治安軍総局情報課長のウィサーム・ハサン大佐を含む8人が死亡、78人が負傷した。

Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012
Naharnet, October 19, 2012

ハサン大佐は、ムスタクバル潮流のサアド・ハリーリー前首相の顧問で、ミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ容疑の調査などを主導していた。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺を受け、北部県、ベカーア県、ベイルート県、南部県の高速道路、広場など各所で、3月14日勢力の支持者が道路封鎖などを行い、抗議の意思を示した。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、サウジで暮らすサアド・ハリーリー前首相は声明を出し、「バッシャール・ハーフィズ・アサドによる暗殺を非難する」とアサド政権の関与を断じた。

ハリーリー前首相は父親のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺をシリアの犯行と断じていたが、その後、この断定が「過ち」だったと訂正した経緯がある。

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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、ジャズィーラ(10月19日付)に対して「バッシャール・アサドと彼の体制が殺したと公然と非難したい」とシリアの関与を断じた。

ジュンブラート党首は2005年のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺をシリアの犯行と断じていたが、その後、この断定が「誹謗中傷が過ぎた」と訂正した経緯がある。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は「なぜ、ウィサーム・ハサンなのか?彼がミシェル・サマーハを逮捕したからか?」と自問し、シリアの関与を示唆した。

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ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、ヒズブッラーは声明を出し、「邪悪な犯罪」、「安定と国民統合を見出そうとする邪悪な試み」と非難した。

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自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長暗殺に関して、「レバノンの安定を脅かそうとする犯罪」と非難しつつも、調査を待って非難すべきだと述べ、シリアの犯行を断じるハリーリー前首相、ジュンブラート党首を暗に批判した。

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ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「こうした暴力を正当化するものはない」と非難した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、「レバノンの治安、安定、独立、主権を狙った…テロ行為」を非難した。

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バチカンのフェデリコ・ロムバルディ報道官は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、強い非難の意を示した。

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ベイルート県アシュラフィーヤ地区での爆破テロに関して、シリアのウムラーン・ズウビー情報大臣は、「この手のテロはどこで起きようとも正当化され得ない」と非難した。

この非難声明は、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の死亡が確認される前に出された。

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シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、ウィサーム・ハサン内務治安軍総局情報課長の暗殺に関して、アサド政権の存在がシリア国民だけでなく、地域全体を危険にさらすと批判した。

レバノンの動き(そのほか)

『リワー』(10月19日付)によると、レバノンを拠点とするファフド・ミスリー(自由シリア軍行動司令部広報局長)は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の使節と会談したことを明らかにしたうえで、イード・アル=アドハーの停戦案が「いかなる結果も実現せず、現場に変化をもたらさない」と述べた。

またヒズブッラーの戦闘員がヒムス県のジュースィーヤ村、クサイル市を攻撃している、と述べた。

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レバノンの声(10月19日付)によると、ヒムス県ジュースィーヤ村からベカーア県バアルベック郡カーア地方に非難しようとしたレバノン人12人が、軍の要撃を受け殺害された。

諸外国の動き

ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、記者会見で、自由シリア軍がスティンガー・ミサイルを入手したとの情報に関して、「我々は世界じゅうの政府とともに、こうした兵器の根絶をめざしている…。我々は、シリアが脅威の源泉となるのではなく、地域に安定や平和をもたらす勢力になるよう…シリアを支援している…。真の暫定構想を準備し…新たな指導者がシリアを…過激派に抵抗させるため…シリア人を支援している」と述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がシリアに到着した。

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エジプトの大統領府は声明を出し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの停戦を全面支持すると表明した。

AFP, October 19, 2012、Akhbar al-Sharq, October 19, 2012、al-Hayat, October 20, 2012、Kull-na Shuraka’, October 19, 2012, October 20, 2012、al-Kurdiya
News, October 19, 2012、al-Liwa’, October 19, 2012、Naharnet, October 19, 2012, October 20, 2012、Reuters,
October 19, 2012、SANA, October 19, 2012などをもとに作成。

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アレッポ県では軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続、一方イドリブ県では反体制武装勢力とシャームの民のヌスラ戦線が共闘しワーディー・ダイフ基地を迫撃(2012年10月18日)

国内の暴力

アレッポ県では、SANA(10月18日付)によると、アターリブ市、サフィーラ市、マンスーラ村、カフル・ハラブ村、バヤーヌーン町、シャイフ・サルマーン市、マーリア市、アレッポ市旧市街各所などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

al-Hayat, October 19, 2012
al-Hayat, October 19, 2012

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ヒムス県では、SANA(10月18日付)によると、ヒムス市ワアル地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを襲撃するなどして、掃討作戦を継続、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

また『バアス』(10月18日付)が、対レバノン国境のジュースィーヤ村の「浄化」を完了したと報じた。

一方、『ハヤート』(10月19日付)などによると、軍・治安部隊はヒムス市のハーリディーヤ地区などの制圧のための掃討作戦を継続した。

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ハマー県では、SANA(10月18日付)によると、カルアト・マディーク町などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

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ラタキア県では、SANA(10月18日付)によると、軍・治安部隊がナビー・ユースフ山の山頂を経由してトルコからシリア領内に潜入しようとした反体制武装勢力を撃退し、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、ラーイド・ミンディールなる反体制武装勢力の戦闘員が、AFP(10月18日付)に対して、反体制武装勢力がワーディー・ダイフ基地に対して「総攻撃を加えている。我々は同基地を制圧するだろう」と述べた。

シリア人権監視団によると、反体制武装勢力とシャームの民のヌスラ戦線が共闘し、基地を迫撃している、という。

一方、マアッラト・ヌウマーン市では、現地の救急隊員によると、軍の空爆によって子供多数を含む44人ががれきの下敷きになって死亡した。

また現地の野戦病院で医療活動を行う医師らによると、空爆で20人が死亡、30人以上が行方不明だという。

シリア人権監視団によると、軍はこのほかにも、マアッラト・ヌウマーン市郊外のダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村を空爆した。

これに対して、SANA(10月18日付)は、マアッラト・ヌウマーン市郊外の村々で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、甚大な被害を与えた、と報じた。

「浄化」作戦が継続されたのは、マアッル・シャマーリーン市、マアッル・ハッタート村、カフルサジュナ村、バスィーダー村など。

またイドリブ市内で、爆弾が爆発し、市民1人が死亡した、という。

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クナイトラ県では、SANA(10月18日付)によると、マスハラ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を完了した。

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ダマスカス県では、シリアの治安筋によると、カフルスーサ区の内務省施設の近く(300メートル)で、オートバイに乗った男が自爆した、と報じた。

SANA, October 18, 2012
SANA, October 18, 2012

同治安筋によると、爆発によって犠牲者は出なかった。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月18日付)によると、反体制武装勢力がダイル・ザウル市・タドムル市間の石油パイプラインと、ウマル油田とティーム油田を繋ぐパイプラインを爆破した。

シリア政府の動き

シリアの外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長宛に書簡を提出し、サウジアラビア、カタール、トルコがシリアへの武装テロ集団の潜入に関与し、国内の対話や危機の平和的解決を阻害している、と非難、対応を求めた。

SANA(10月18日付)が報じた。

反体制勢力の動き

『タイムズ』(10月18日付)は、英国治安当局が、英国人イスラーム教徒のシリアへの潜入手引きを行っていたとされる英国人の取り調べを行っていると報じた。

同報道によると、この英国人はこれまでに約50人の英国人イスラーム教徒のリクルートを行った、という。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表のシリア訪問に先立って、シリア国家建設潮流は声明を出し、同共同代表特使付のムフタール・ラマーニー代表とダマスカスで会談し、イード・アル=アドハーの休戦に関する意見を交換したと発表した。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月18日付)は、クルド最高委員会が最高司法委員会の設置を決定した、と報じた。

同委員会は、シリア・クルド国民評議会の代表者8人、西クルディスタン人民議会の代表者7人から構成される。

レバノンの動き

AFP(10月18日付)は、レバノンの北部県アッカール郡アブーディーヤ市近くから何者かがシリア領に発砲したのを受け、シリア軍がレバノン領内に砲撃を加えた、と報じた。

死傷者は出なかった。

国際社会の動き

ロシアの外務省報道官は、米国が反体制勢力への対空兵器の供与を決定したとの「シリアの信頼できる消息筋」の情報に関して、「国際テロ組織の武器供与」をもたらすと懸念を表明した。

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国連のナバネセム・ピレイ人権高等弁務官は、シリアの紛争をボスニア内戦にたとえ、国際社会に暴力ための一致団結を呼びかけた。

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国際人権団体Avaazは、2011年3月以降の失踪したシリア人が28,000人にのぼると発表した。

AFP, October 18, 2012、Akhbar al-Sharq, October 18, 2012、al-Hayat, October 19, 2012、Kull-na Shuraka’, October 18, 2012、al-Kurdiya News,
October 18, 2012、Naharnet, October 18, 2012、Reuters, October 18, 2012、SANA,
October 18, 2012、The Times, October 18, 2012などをもとに作成。

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クルド民族主義政党および調整17団体はシリア国民評議会組織改編のイニシアチブに与せず、英紙ではイラク人戦闘員が反体制武装勢力掃討のために戦闘に参加していると報じられる(2012年10月17日)

国内の動き

シリアの外務在外居住者省は声明を出し、EUによる追加制裁発動に関して、国民とその糧を標的たもので、法的、道徳的根拠を欠く、と批判した。

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SANA(10月17日付)は、ダマスカス郊外県とアレッポ県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない市民それぞれ16人、109人を釈放したと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、SANA(10月17日付)によると、アレッポ県のサーフール地区、シャッアール地区、ナイラブ地区、バーブ街道地区、ハイダラート市、シャッアーラ村、タッル・ラッハール村、マーリア市、ターディフ市、ダイル・ハーフィル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトを襲撃するなどして、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊し、「浄化」を進めた。

SANA, October 17, 2012
SANA, October 17, 2012

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ダマスカス郊外県では、SANA(10月17日付)によると、シャイフーニーヤ村、ジスリーン町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の浄化を継続し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、SANA(10月17日付)によると、マスウード村、タッル・ムザイラア村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、逮捕した。

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ヒムス県では、SANA(10月17日付)によると、クサイル市郊外のジュースィーヤ村の浄化が完了し、街は治安と安定を回復した。

一方、クサイル市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

地元調整諸委員会によると、ジュースィーヤ村に軍・治安部隊が突入した。

『クッルナー・シュラカー』(10月17日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区、タルビーサ市で、軍警察が90人を逮捕した、と報じた。

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ダルアー県では、SANA(10月17日付)によると、マアルバ町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月17日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力への特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、SANA(10月17日付)によると、ワーディー・ダイフに対して、軍・治安部隊が特殊作戦を行い、反体制武装勢力に甚大な被害を与えた。

またマアッラト・ヌウマーン市郊外のカフルナブル市、バスィーダー村、ジスル・シュグール市郊外のビダーマー町、シュグル市でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦市、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、各紙によると、治安当局が市内各所でテロに警戒して、道路を封鎖するなどして厳戒態勢を敷いた。

クルド民族主義勢力の動き

クルド最高委員会は声明を出し、クルド民族主義政党および調整17団体は、イスタンブールで現在行われて、近くその成果がカタールで明らかになる予定のシリア国民評議会組織改編の努力をボイコットする、と発表した。

アフマド・スライマーン報道官は、「クルド最高委員会を構成する主要な二つのブロック(シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会)は、シリア国民評議会再編の交渉や努力とは関係ない。交渉は我々への連絡がないままに行われている」と述べた。

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PKKの事実上の党首であるムラード・カライラーンは党本部があるイラク北部で、「PKKはすべてのシリア人の要求を保護し、シリアのクルド人の支援を拡充させる。もしトルコ軍が彼らを攻撃すれば、もっとも激しい報復行動をもってトルコ領に反撃する」と述べた。

反体制勢力の動き

フランスで暮らす離反士官マナーフ・トゥラース准将は、『シャルク・アウサト』(10月17日付)に対して、「私にはシリア国民の救済を支援するため、常にシリアに戻る計画がある…。しかしその時期はさまざまな要素と関係している」と述べ、逃亡生活を続ける意思を暗に示した。

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ロンドンで活動するシリア人権委員会は、軍・治安部隊が乳幼児を家族の前で拷問にかけ、反体制運動に関する情報を聞き出そうとする事件が多発している、との報告書を発表した。

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アラウィー派の有識者約30人が共同声明を出し、軍・治安部隊、シャッビーハによる蛮行を批判した。

共同声明に署名した有識者は、アーファーフ・アフマド、ハーティル・ダワーらいずれも無名。

レバノンの動き

AFP(10月17日付)は、シリア・レバノン国境地帯でシリアの反体制武装勢力とヒズブッラーの戦闘員の戦闘が連日のように発生するようになっている、と報じた。

同報道によると、戦闘はレバノン人が暮らすシリア領内に位置するとみなされている村(ただし両国は国境画定をしていない)で発生しており、村人によると、反体制武装勢力の侵入を防ぐため、ヒズブッラーの戦闘員約5,000人が展開している、という。

この村人によると、戦闘ですでにレバノン側の戦闘員16人が死亡している、という。

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『デイリー・テレグラフ』(10月19日付)は、ヒズブッラーがベカーア県ヘルメル郡からシリア領内の反体制武装勢力の拠点に砲撃を加えた、と報じた。

イラクの動き

ロイター通信(10月17日付)は、イラク人戦闘員(シーア派)が軍・治安部隊とともに、反体制武装勢力掃討のために戦闘に参加していると報じた。

戦闘に参加しているイラク人は、マフディー軍やバドル機構の元戦闘員や離反者、アサーイブ・アフル・ハック、ヒズブッラー大隊の戦闘員など。

その多くはレバノンのヒズブッラーの傘下で任務にあたっているという。

マフディー軍の離反戦闘員のアブー・ハージルはロイター通信の電話取材に対して、「我々はアブー・ファドル・アッバース大隊を結成し、同隊にはイラク人、シリア人、そのほかの外国人戦闘員500人からなる」と語った。

アブー・ハージルによると、これらの部隊の主な任務はダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブなどシーア派の聖地の防衛だが、自由シリア軍のこれらの聖地への攻撃を行おうとしているとの情報が入った場合は、反体制武装勢力との戦闘を行っている、という。

諸外国の動き

シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長は、外国人戦闘員に関して、「彼らの存在は過激化をもたらすだけだ…。彼らはシリアでの民主的国家建設において必ずしも必要な存在ではないにもかかわらず、彼らだけの特別な動機で活動している」と批判した。

ピネイロ委員長によると、外国人戦闘員は「数百人」いる、という。

また同委員会のカーリン・アブー・ザーイドや、外国人戦闘員とシリアの反体制武装勢力が「ほとんどの場合、別々に行動している」としながらも「彼らは自由シリア軍の一部を過激化させている」と指摘した。

AFP(10月17日付)が報じた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、「(シリア)政府は、ミグ(戦闘機)、TNT樽爆弾を用いることで暴力の新たな段階を越えた。最近では、クラスター爆弾使用の危険が高まっている…。政府がたとえこうした情報を否定しようと、我々には証拠がある」と述べた。

シリア革命諸評議会なる団体の使節団との会談後で述べた。

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AFP(10月17日付)、ロイター通信(10月17日付)によると、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)に、シリア領から発射された迫撃砲が着弾し、トルコ軍が応戦した。

AFP, October 17, 2012、Akhbar al-Sharq, October 17, 2012、The Daily Telegraph, October 19, 2012、al-Hayat, October 18, 2012、Kull-na Shuraka’, October 17, 2012、al-Kurdiya News,
October 17, 2012、Naharnet, October 17, 2012、Reuters, October 17, 2012、SANA,
October 17, 2012、al-Sharq al-Awsat, October 17, 2012などをもとに作成。

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シリア国内の反体制武装組織「数十団体」が「合同軍事司令部」を発足することで合意したと報じられる(2012年10月16日)

国内の動き

アサド大統領は2012年政令第379号を発し、第10期人民議会議員補欠選挙の投票を12月1日に実施することを決定した。

補欠選挙が実施される選挙区、定数は以下の通り。

1. ハマー県A部門(労働者・農民代表)1議席:ニザール・イスマーイール・ムーサー議員のタルトゥース県知事就任による欠員
2. イドリブ県A部門(労働者・農民代表)1議席:ガッサーン・アフマド・ルトフィー・カナーティリー議員のダイル・ザウル県知事就任による欠員
3. アレッポ県諸地域A部門(労働者・農民代表)1議席:ムハンマド・アナス・ムハンマド・シャーミー議員の離反による欠員
4. アレッポ県諸地域B部門(その他の人民諸組織代表代表)1議席:イフラース・アフマド・バダウィー議員の離反による欠員
5. ハサカ県A部門(労働者・農民代表)1議席:サッターム・ジャドアーン・ダンダフ議員の駐イラク大使就任による欠員

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アサド大統領は、ラーイフ・ラーティブ・ヤースィーンを保健省次官、アドナーン・ハーシム・ウスマーンを農業省次官、サイード・ダーウード・ハルサーニーとアブドゥルハキーム・ムスタファー・ハマードを教育省次官、イリヤース・トゥーマーを電力省次官、スライマーン・カールーを環境省次官に任命した。

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ジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官は、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表によるイード・アル=アドハーの休戦案に関して、「いかなるイニシアチブも、両当事者の対応があって初めて成功する。シリア政府はこの提案を検討する準備はある」と述べた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャッアール地区、アーミリーヤ地区、ハムダーニーヤ地区、マイダーン地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

またAFP(10月16日付)によると、反体制武装勢力は、アレッポ市旧市街のアブドゥッラー・ジャービリー広場、バーブ・ジュナインへの潜入を試みたが、軍によって撃退された。

アレッポ市内のカビール・モスク近くの建物に集結していた狙撃手が、シリア遺跡修復委員会のマルワーン・ジャッラーダ氏を射殺した。

同氏は、委員会のメンバーとともにウマイヤ・モスクの修復状況を検査していた。

一方、SANA(10月17日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー、ナーディー・ヤルムーク、バーブ・ファラジュ、マイダーン、旧市街などの地区、ハフサ村、ダーラ・イッザ市、アンジャーラ村、バルクーム市、アターリブ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を継続し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月17日付)によると、クサイル地方近郊のドゥマイナ村、ヒムス市バーブ・フード地区、ワアル地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

一方、ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方やハーマ町が軍・治安部隊の砲撃を受けた。

またアイン・タルマー村、ザマルカー町、ザバダーニー市で軍・治安部隊が反体制武装勢力が交戦した。

シリア人権監視団によると、軍によるこれらの攻撃は、反体制武装勢力が占拠する地域の奪還が目的だという。

またラーミー・アブドゥッラフマーン所長は、14日にダマスカス県南西部の病院の遺体安置所で発見された遺体28体のほとんどが軍の兵士だったと発表した。

一方、SANA(10月17日付)によると、シャイフーニーヤ村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

さらにDamas Post(10月16日付)は、ダマスカス県執行局のムハンマド・アイマン・タージャー氏がダマスカス県内の自宅前で武装集団に暗殺された、と報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒーシュ村、マアッル・シャムシャ市、マアッル・シャマーリーン市、タッルマンス市、ダイル・ガルビー村、バスィーダ市などマアッラト・ニウマーン市郊外の都市に軍が戦闘機で空爆を加え、反体制武装勢力が対空砲で応戦した。

空爆は反体制武装勢力がマアッラト・ニウマーン市制圧後もっとも激しかったという。

さらに、同監視団は、シャームの民のヌスラ戦線と反体制武装集団が合同でヒーシュ村周辺の軍検問所や拠点を攻撃したことを明らかにし、サラフィー主義者と反体制勢力の共闘を認めた。

このほか、同監視団によると、カフルナブル市への砲撃で子供2人が死亡した、という。

これに対し、SANA(10月17日付)は、ウンム・ガール村、アーリヤ村、ガッサーニーヤ村、ビンニシュ市、マアッルシャムシャ市、ジャーヌーディーヤ町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊したと報じた。

一方、『クッルナー・シュラカー』(10月16日付)は、イドリブ県マアッラトフルマ市での軍・治安部隊の攻撃で「風船爆弾」が使用された、と報じた。

同報道によると、この爆弾は爆発せず、地上に落下し、異臭を放ち、神経を麻痺させた、というが、事実かどうかは定かでない。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市の軍事情報局施設近くへの砲撃で子供7人を含む9人が死亡、数十人が負傷した。

一方、SANA(10月17日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力の武器庫を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月17日付)によると、ハマー市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、2人が負傷した。

一方、軍・治安部隊はジュッブ・スライマーン村、マスウード村の反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、逮捕した。

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AFP(10月17日付)によると、ウクライナ人女性ジャーナリスト、アレクサンドル・ディコサロフ氏が反体制武装勢力によって誘拐された。

ディコサロフ氏はアサド政権への支持を表明していた、という。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(10月17日付)は、シリア国内で武装闘争を行う反体制武装組織「数十団体」が14日に「国内」で会合を開き、「合同軍事司令部」を発足することで合意したと報じた。

同報道によると、会合に出席した団体は「戦闘員間の軍事的調整の改善、外国勢力が武器供与増大を準備することを期待して統一司令部の創設」をめざした、という。

反体制筋によると、「合意に到達し、あとは署名が必要なだけ」だという。

出席者のなかには、最近シリア国内への潜入を宣言した自由シリア軍のリヤード・アスアド司令官、ムスタファー・シャイフ最高軍事評議会議長、ムハンマド・ハーッジ・アリー少将、そして現地の軍事評議会の指導者たちが含まれ、合同司令部は現地で武装闘争を行う組織の代表60人から構成されるという。

また合同司令部には、イスラーム主義組織の「シリア解放戦線」なども参加する、という。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は訪問先のカタールのドーハで『ハヤート』(10月17日付)の取材に応じ、そのなかで、「我々は彼(ブラーヒーミー共同特別代表)に、アサドの一味を含む挙国一致政権は意味がない」と述べ、イランの提案を拒否した。

またカタールによるアラブ合同軍の派遣案(国連総会で提唱)についても、「シリア人殺戮停止のための真摯な努力は良いことだ」と述べ支持を表明した。

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パリを拠点とするシリア国民変革潮流は声明を出し、EUによる追加制裁を歓迎した。

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『クッルナー・シュラカー』(10月16日付)は、ダマスカス郊外の複数の調整筋の話として、自由シリア軍が「シャッビーハ」の誘拐・処刑を「自由シリア軍の名を借りて一部の犯罪者が行った過ち」であり、再発防止に努めている、と報じた。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はエジプトを訪問し、ムハンマド・アムル外務大臣と会談した。

エジプト外務省報道官によると、会談でエジプト側は、シリアの国土保全の必要を強調するとともに、反体制勢力糾合に向けた自国の努力をアピールした。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表との会談(17日)に先立って、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、イード・アル=アドハー休戦案への賛同の意を示した。

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ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、カタールの首相が吹聴するシリアへの平和維持軍の派遣に関して、シリア政府の合意と安保理での決議が必要だとの立場を示した。

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イラクの複数の消息筋によると、アサド政権は、イラクのヌーリー・マーリキー内閣に、サッダーム・フサイン政権時代のバアス党員数千人に関するファイルを手渡した、と報じた。

「アフバール・シャルク」(10月16日付)が報じた。

同消息筋によると、シリアのムハーバラートはダマスカスのイラク大使館にファイルを提出した、という。

フセイン政権崩壊後シリアに逃走したイラクのバアス党員の多くは、シリアを経由して、イエメン、レバノン、トルコ、イラク・クルディスタン地域など第三国に逃走した、という。

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EUは16日に外相会議で決定した追加制裁の対象となる28人、2法人を官報で発表した。

うち26人はワーイル・ナーディル・ハルキー内閣閣僚、残る2人はスライマーン・マアルーフ(英国籍のビジネスマン)とリダー・ウスマーン(ラーミー・マフルーフに近い)。

また追加制裁の対象となった法人2社はダマスカスに本社を構える軍事科学研究関連会社2社。

一方、サリーム・アルトゥーンとアルトゥーン・グループは制裁対象から削除された。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、ドイツ紙に対して、シリア人避難民の受け入れに関して、国際社会の計画のもと原則的に用意があると述べた。

AFP, October 16, 2012、Akhbar al-Sharq, October 16, 2012、Damas Post, October 16, 2012、al-Hayat, October 17, 2012、Kull-na Shuraka’, October 16, 2012、al-Kurdiya News,
October 16, 2012、Naharnet, October 16, 2012、Reuters, October 16, 2012、SANA,
October 16, 2012などをもとに作成。

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アレッポ市北部のダウワール・シーハーン検問所で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦するなか、シリア軍が反体制武装勢力弾圧にクラスター爆弾を使用したとの一部報道を否定(2012年10月15日)

国内の動き

アサド大統領は2012年大統領決定第18号を発し、反体制武装勢力から奪還したアレッポ市の修復を目的とするウマイヤ・モスク保存修復委員会を設置、ムハンマド・ワヒード・アッカード・アレッポ県知事を委員長に任命した。

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シリア軍武装部隊は声明を出し、反体制武装勢力弾圧にクラスター爆弾を使用したとのヒューマン・ライツ・ウォッチの発表に対して、「我々はそのような爆弾を保有していない」と反論した。

SANA(10月16日付)が報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のダウワール・シーハーンの検問所で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍の兵士8人が死亡した。

Youtube, October 16, 2012
Youtube, October 16, 2012

ラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、この検問所はアレッポ市とアアザーズ市を結ぶ街道に位置し、アレッポ市への主要な入り口の一つだという。

一方、治安筋は、AFP(10月15日付)に対して、ダウワール・シーハーンで、3トンの爆発物を積んだ車を運転する「自爆テロリスト」を殺害したのち、爆弾の解除に成功した、と述べた。

アブドゥッラフマーン所長は、シーハーン国立病院近くの検問所で軍兵士が爆弾がしかけられた車を爆破した、と認めた。

AFP(10月15日付)によると、アレッポ市北東部のターリク・ブン・ズィヤード兵舎(アシュラフィーヤ地区バニー・ザイド)を反体制武装勢力が襲撃したが、軍・治安部隊が撃退し、多数の戦闘員を殺傷した。

このほかシリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ・ナスル地区、ジュダイダ地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、サーフール地区では軍・治安部隊が砲撃を行った。

他方、SANA(10月15日付)によると、アレッポ市旧市街、スッカリー地区、アウラム・スグラー村、第2ムハンディスィーン地区、ウワイジャ地区、フライターン市、アンジャーラ村、カフルナーハー村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点などを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備(車輌)を破壊した。

またアレッポ市マルジャ地区で、反体制武装勢力による迫撃砲の攻撃で家族4人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ基地近くで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月15日付)によると、ワーディー・ダイフ村、ハーミディーヤ市、マアッラト・ニウマーン市郊外、イフスィム町、バーラ村、サルジャ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

マアッラト・ニウマーン市郊外で、反体制武装勢力が軍のヘリコプターを撃墜し、乗組員1人を捕捉する映像が、ユーチューブ(10月15日付)で公開された。

「アフバール・シャルク」(10月17日付)などによると、このヘリコプターはマアッル・ハッタート村の空爆を行っていた。

複数の反体制活動家はAFP(10月17日付)に対して、ヘリコプターは上空1500メートルを飛行中に14.5ミリ対空砲の砲弾を浴びた、という。

http://www.youtube.com/watch?v=SUbudh7RnG8

http://www.youtube.com/watch?v=ceePdEI2zks

http://www.youtube.com/watch?v=OXPYS1VR8y0

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市での軍・治安部隊の砲撃で子供3人が死亡した。

一方、SANA(10月15日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市で子供1人が射殺された。

一方、SANA(10月15日付)によると、ダルアー県西部、北部で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、外国人戦闘員を含む数十人の戦闘員を抹殺した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アサーリー地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方のカーラ市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のための砲撃を行った。

一方、SANA(10月15日付)によると、東グータ地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力の掃討を継続し、シャイフーニーヤ村などで戦闘員数十人を殺傷、装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市が、軍の砲撃・空爆を受けた。

一方、『ワタン』(10月15日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・トゥルクマーン地区、バーブ・タドムル地区など旧市街で、軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のための大規模な軍事作戦を継続した。

またクサイル市郊外のフサイビーヤ村で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を実行した。

さらに、SANA(10月15日付)によると、タッルドゥー市、ヒムス市スルターニーヤ地区、ハーリディーヤ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月15日付)によると、ムハルダ市郊外で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のタウヒード旅団は、アレッポ県シャイフ・ナッジャール地方で軍の戦闘機を撃墜したと発表した。

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『ニューヨーク・タイムズ』(10月15日付)は、複数の米国高官の話として、シリアの反体制勢力のために供与されている武器のほとんどが、過激なイスラーム主義者の手に渡っており、そのことが米国の不快感を高めている、と報じた。

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民主的諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表はフェイスブック(10月15日付)で、自身がシリア政府との対話を行うことに執着し、シリア国民評議会を外国の手先とみなしていると述べたとする『ワタン』(10月14日付)の記事は事実に反すると発表した。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月15日付)は、クルド最高委員会がハサカ県各地の避難民らに支援物資800パッケージを配給した、と報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、反体制武装勢力弾圧にクラスター爆弾を使用したとのヒューマン・ライツ・ウォッチの発表に対して、「そうした確証はない…。この地域には違法に持ち込まれた大量の武器がある」と述べ、シリア軍が使用したことは確証できないと述べた。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、レバノンのナジーブ・ミーカーティー首相との会談後の記者会見で、シリア情勢に関して、カタールが提案したアラブ平和維持軍派遣構想がアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の国連軍派遣案に合致している、と述べ、ブラーヒーミー共同特別代表が国連軍派遣を検討していると主張した。

またアラブ監視団であれ、国連監視団であれ、充分な武装が必要との見解を示した。

一方、シリア国内の反体制武装勢力やサラフィー主義者への支援に関しては、「我々は国家として、世界のどの場所でも過激な集団を支援していない。我々が行っていることは、アラブ連盟の指示を受けており、シリアに関する連盟特別委員会の枠内でのことだ」と支離滅裂なことを述べた。

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イラクのバグダードを訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者会見で、平和維持軍派遣の意思を示したとのカタール首相の虚言を否定した。

またブラーヒーミー共同特別代表は、イラン訪問時に、イード・アル=アドハー期間中の停戦を提案し、イラン側に協力を求めた、という。

アフマド・ファウズィー報道官が声明で明らかにした。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、ブラーヒーミー共同特別代表との会談で「文書化された詳細な、しかし非公式の提案」を行ったと述べた。しかしこの提案の詳細には触れなかった。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、アーラム・チャンネル(10月15日付)に、ブラーヒーミー共同特別代表の訪問時に、「我々は暴力停止、武器供与・テロ集団支援停止、反体制勢力と政府の国民対話の実施を提案した」と述べた。

アブドゥッラフヤーン外務副大臣はまた「大統領選挙と国会選挙が行われる移行期間を…アサド大統領の監督のもとに行う」ことを提案し、シリア側が「この提案に同意している」と付言した。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は、ブラーヒーミー共同特別代表と会談し、「危機の平和的解決の方法について協議した」。

首相府の声明によると、この会談で、マーリキー首相は、「シリア国民の人命の保護、シリアの将来、統合の維持、地域の安定維持に向けた早急な行動」をブラーヒーミー共同特別代表に求めた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣によると、14日のルクセンブルグでのEU外相会合の晩餐の席でロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「アサドは決して去らないだろう」と述べるとともに、西側諸国による制裁を厳しく非難した。

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EU諸国外相は、アサド政権を支持する28人と2法人への追加制裁を決定した。

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『クッルナー・シュラカー』(10月15日付)はシリアの治安当局がシリア国内のハマースの複数の事務所を閉鎖したと報じた。

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トルコの非常事態局は、シリア人避難身の数が10万363人に達したと発表し、EU諸国に避難民の受け入れを呼びかけた。

AFP, October 15, 2012, October 17, 2012、Akhbar al-Sharq, October 15, 2012, October 17, 2012、‘Aks al-Sayr, October 15, 2012、al-Hayat, October 16, 2012、Kull-na Shuraka’, October 15, 2012、al-Kurdiya News,
October 15, 2012、Naharnet, October 15, 2012、The New York Times, October 15, 2012、Reuters, October 15, 2012、SANA, October 15, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ市のウマイヤ・モスクをタウヒード旅団から奪還、ブラーヒーミー共同特別代表がイランを訪問しアフマディーネジャード大統領を含む同国政府高官らと会談(2012年10月14日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア軍が声明を出し、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスクをタウヒード旅団(自由シリア軍)から奪還したと発表した。

奪還作戦では、火災(13日)が発生し、モスクが部分損壊した。

http://www.youtube.com/watch?v=y04q-CVH7H8&feature=player_embedded

al-Hayat, October 15, 2012
al-Hayat, October 15, 2012

これに関して、軍は「テロ集団がモスクを攻撃し、内部を破壊した…。タウヒード旅団は午後4時に、破壊の跡を残して、モスクからの撤退を決定した」と発表した。

しかし、タウヒード旅団は声明を出し、「軍がモスクから撤退したことを受け、タウヒード旅団はモスク周辺に結集している諸大隊に進軍しないよう支持した」と反論した。

一方、SANA(10月14日付)によると、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区、マルジャ地区、旧市街(バーブ・アンターキヤーなど)アラブ・ストゥーマ市、ハーン・アサル村、アウラム・クブラー町、ダイル・ハーフィル市、アンジャーラ村、カフルナーハー村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア情報センターによると、カダム区で20人が治安部隊によって処刑された、という。

『ハヤート』(10月15日付)は、複数の活動家の話として、マッザ区のヴィーラート地区などで連続して3発の爆弾が爆発した、と報じた。

これに対して、シリア・アラブ・テレビ(10月14日付)は、マッザ区の路上で爆弾が仕掛けられた車が爆発したと報じた。

またSANA(10月14日付)は、ファトフ・モスク近くでの爆発で2人が負傷した、と報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がマアッラト・ヌウマーン市に近いワーディー・ダイフ基地への攻撃を続け、2度目となる突入を試みた。

しかし戦闘により、戦闘員1人が負傷、18人が負傷したという。

シリア軍はマアッラト・ヌウマーン市奪還のため、同市および近郊のマアッラト・シューリーン村などを空爆した。

一方、SANA(10月14日付)によると、軍・治安部隊がサラーキブ市、ザーウィヤ山、ジスル・シュグール市西部、ヒーシュ村で、道路閉鎖などを試みた反体制武装勢力戦闘員と交戦、殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市ハーリディーヤ地区、ラスタン市、フーラ地方、タッルカラフ市を砲撃した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ヒムス市東部で反体制武装勢力がマイクロバスに爆弾を仕掛けて爆破し、乗っていた女性労働者4人が死亡、20人が負傷した。

またラスタン市、タッルカラフ市では、軍・治安部隊が反体制武装勢力を攻撃し、外国人戦闘員を含む数十人の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア情報センターによると、ダーライヤー市とムウダミーヤト・シャーム市間で、後ろでに縛られた遺体100体が発見された。

一方、SANA(10月14日付)によると、東グータ地方のザバディーン市、ダイル・アサーフィール市、シャブアー町、ムハンマディーヤ町で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の浄化を完了した。

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ダルアー県では、シリア情報センターによると、ガサム村、マアルバ町に対して軍が砲撃を加えた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市、ブーカマール市、ムーハサン市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ダイル・ザウル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殺傷、逮捕した。

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ハマー県では、SANA(10月14日付)によると、ハマー市で反体制武装勢力が市民1人を襲撃、殺害した。

一方、軍・治安部隊はハマー市郊外で特殊作戦を行い、反体制武装勢力を殲滅した。

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ラッカ県では、SANA(10月14日付)によると、カンタリー村のハサカ市・ラッカ市を結ぶ街道で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

国内の動き

ワーイル・ハルキー首相は国家公務員の給与と退職者の年金を引き上げることを決定した。

レバノンの動き

ベイルート県で、ロシアと中国によるシリア支援への謝辞を表明するデモ行進がアサド政権を支持するレバノン人市民数百人によって行われた。

AFP(10月14日付)が報じた。

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サラフィー主義者のシャイフアフマド・アスィールは、ベイルート県での「シリア革命」を支持するデモ集会で演説し、バッシャール・アサド大統領と弟のマーヒル・アサド大佐を「イスラエルの安全の守護者」と批判した。

またイランを「シリア国民を殺戮するために大金をつぎ込んでいる」と非難、ヒズブッラーに対しては「国家の武装、ジハード主義者の義務のための武装を拒否する」と述べ、アサド政権への支援を批判した。

デモ集会の直後、ベイルート県ズカーク・ブラート地区でアマル運動とヒズブッラーの支持者が、アスィールの支持者と衝突した。死者は出なかった。

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NNA(10月14日付)は、ヒムス県の対レバノン国境に位置するラブラ町での軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘に巻き込まれて、レバノン人2人が死亡した、と報じた。

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は最近の演説で、シリア領内の対レバノン国境の村々に約30,000人のレバノン人が暮らしていると述べていた。

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レバノンの複数のメディアは、シリア軍の戦闘機がベカーア県バアルベック郡アルサール地方上空に侵入した、と報じた。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、記者団に対して、「シリア政府はまず国民と対話すべきだ」と述べ、シリア・トルコの直接対話のしくみを構築すべきとのロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の提案を一蹴した。

またシリア政府がトルコ旅客機のシリア領空の通過を禁止したことに関しては「我々にとって価値がない」と述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はイランを訪問し、マフムード・アフマディーネジャード大統領、サイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記、アリー・アクバル・サーレヒー外務大臣らと会談した。

SANA(10月14日付)によると、会談では平和的解決によるシリア危機の解決が必要だとの見解で一致した、という。

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『ハヤート』(10月15日付)は、複数のヨルダン軍・治安筋の話として、ヨルダンに逃亡したシリア軍離反兵の数が約3,800人に上っていると報じた。うち1,120人が士官だという。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア軍がアレッポ県やイドリブ県で反体制武装勢力が制圧する地域を奪還するため、市街地などにクラスター爆弾を投下した、と発表した。

http://www.hrw.org/news/2012/10/14/syria-new-evidence-military-dropped-cluster-bombs

シリアは、米中、ロシア、イスラエルなどとともに、クラスター爆弾の使用・製造・保有を禁じるオスロ条約(2010年8月)に参加していない。

Akhbar al-Sharq, October 14, 2012、AFP, October 14, 2012、al-Hayat, October 15, 2012、Kull-na Shuraka’, October 14, 2012、al-Kurdiya News,
October 14, 2012、Naharnet, October 14, 2012、NNA, October 14, 2012、Reuters,
October 14, 2012、SANA, October 14, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装勢力がマアッラト・ヌウマーン市付近で進軍する軍・治安部隊の車列を迎撃、エルドアン首相が「拒否権の悪しき行使がシリアでの問題解決を妨げている」としてロシアおよび中国を批判(2012年10月13日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市の南約12キロに位置するヒーシュ村で反体制武装勢力が、ハマー方面から進軍する軍・治安部隊の車列を未明に迎撃した。

この迎撃に際して、反体制武装勢力の戦闘員12人(ハマー出身)が死亡した、という。

車列は2日前にハマー県を発ち、約40輌の戦車や車輌からなる、という。

また反体制武装勢力が制圧をめざすワーディー・ダイフ基地に対して、シリア軍戦闘機が爆撃を行い、反体制武装勢力の戦闘員22人が負傷した。

このほか、基地に近いマアッル・シャムサ村も砲撃に遭い、3人が負傷し、また軍・治安部隊は、ハーン・シャイフーン市、ヒーシュ村、サルミーン市に対して地上および空から砲撃を加えた。

一方、SANA(10月13日付)によるとファールーキーヤ村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

またマアッラト・ニウマーン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を続け、サウジ人、トルコ人を含む数十人の戦闘員を殺害した。

シリア人権監視団は、ハーン・アサル村を空爆していたシリア軍の戦闘機が自由シリア軍の戦闘員によって撃墜された、と発表した。

またユーチューブ(10月13日付)に墜落したと思われる戦闘機の残骸の映像が公開された。

http://www.youtube.com/watch?v=rTavf_ZDGsc

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アーミリーヤ地区、イザーア地区、サラーフッディーン地区、アアザミーヤ地区、ザフラー地区、旧市街で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員4人が死亡した。

またアレッポ市のシャッアール地方に対して、軍・治安部隊は砲撃を加えた。

一方、SANA(10月13日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー、アターリブ街道、ハーン・アサル村、ウマイヤ・モスク、フザイファ・モスク、ハール市場、スーク・フストゥク、バーブ・アンターキヤー、バーブ・ハディード、バーブ・ナイラブ、カッラーサ、カーディー・アスカル、ザバディーヤ、バーブ・ナスルといった地区、カフルダーイル村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷、車などの装備を破壊した。

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AFP(10月13日付)は、反体制武装勢力が制圧したアレッポ県マンビジュ市で犯罪が増加、離反した警官や判事が資金不足のなかで治安維持にあたっていると報じた。

同市は7月に反体制武装勢力によって制圧され、現在は軍・治安部隊による攻撃はないが、事態沈静化を受けて犯罪者が流入したという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・トゥルクマーン地区、クサイル市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月13日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、タッルドゥー市などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

他方、『ハヤート』(10月15日付)によると、反体制武装勢力がラスタン市近郊のダイル・フール村の防空大隊の拠点を制圧した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、マアルバ町に軍・治安部隊が突入し、兵士5人が死亡した。

一方、SANA(10月13日付)によると、サフワ村、ヒルバト・ガザーラ町とダルアー市を結ぶ街道で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃、殲滅した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月13日付)によると、ダイル・ザウル市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ラッカ県では、SANA(10月13日付)によると、タッル・アブヤド市郊外で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦、殲滅した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(10月13日付)によると、軍・治安部隊が東グータ地方での反体制武装勢力の「浄化」を継続した。

一方、『ハヤート』(10月15日付)によると、反体制武装勢力がウタイバ村近郊の防空大隊の拠点を制圧した。

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ラタキア県では、SANA(10月13日付)によると、ナビー・ユースフ山を越えてトルコから潜入を試みた反体制武装勢力を軍・治安部隊が撃退した。

国内の動き

シリア外務在外居住省は声明を出し、シリア・トルコ両国間で安全保障問題を直接協議するための連絡の仕組みを構築する必要があると述べたロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣の発言への支持を表明した。

同声明によると、この支持表明はアズマトゥッラー・クルモハンマドヴ駐シリア・ロシア大使とシリア側の協議を通じて示された、という。

またトルコ旅客機のシリア領空の通過を禁止したと発表した。

SANA(10月13日付)が報じた。

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アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、ヒムス県ヒムス市での国民対話会合に出席した。

SANA(10月13日付)が報じた。

反体制勢力の動き

レバノン日刊紙『アフバール』(10月13日付)は、信頼できる消息筋の話として、反体制武装勢力がシリア国内唯一の塩素ガス製造工場を占拠した、とシリア政府が国連などに対して通達した、と報じた(事実確認はとれていない)。

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ロイター通信(10月13日付)は、シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長の任期終了を受け、ブルハーン・ガルユーンが事務局長に返り咲く可能性が高いと報じた。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は『スィヤーサ』(10月13日付)に対して、ヒズブッラーとイランに「ポスト・アサド段階に備える」よう求め、アサド政権への支援を行わないよう訴えた。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニュース(10月13日付)は、トルコに収監中のアブドゥッラ・オジャランを支持するクルド人がハサカ県ダイリーク市に「アサーイシュ」(クルド治安軍)を教練するためのセンターを開設している、と報じた。

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ハサカ県ダイリーク市でクルド語の授業を開始した12の学校が当局によって閉鎖された。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、イスタンブールでの国際会議で「我々みなの努力にもかかわらず、国連安保理はシリアで続く人道的悲劇に20ヶ月も介入しないままだ」と述べるとともに、「拒否権の悪しき行使がシリアでの問題解決を妨げている」とロシア、中国を暗に批判した。

またアフメト・ダウトオール外務大臣は、「シリアによるいかなる国境侵犯に対しても何らの躊躇なく報復するだろう」と述べた。

このほか、両名は、国連の潘基文事務総長、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表、ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣、シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長と会談した。

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ヴィクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸をめぐって、(押収された積荷が)「重要な軍装備品であることは疑う余地がない」と断じるとともに、ロシアの対シリア政策を「道徳的に破綻している」と非難した。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、アリー・アクバル・サーレヒー外務大臣が先週、カタールを訪問し、反体制武装勢力が拉致するイラン人質48人の問題を協議したと発表した。

しかしサーレヒー外務大臣がカタールで誰と会談したのかは発表しなかった。

al-Akhbar, October 13, 2012、Akhbar al-Sharq, October 13, 2012、AFP, October 13, 2012、al-Hayat, October 14, 2012, October 15, 2012、Kull-na Shuraka’, October 13, 2012、al-Kurdiya
News, October 13, 2012、Naharnet, October 13, 2012、Reuters, October 13,
2012、SANA, October 13, 2012、al-Siyasa, October 13, 2012などをもとに作成。

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イドリブ県内のワーディー・ダイフ基地周辺で軍・治安部隊が反体制武装勢力が激しく交戦、またシリア軍がヒムス県の対レバノン国境地帯に地対空ミサイルを配備(2012年10月12日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(10月12日付)は、イスラーム情報監視団(ロンドン)からの情報として、エジプトのスエズ県の「人民抵抗」の指導者として知られるジハード主義者の一人ハーフィズ・サラーマがトルコ経由で10日晩にシリア領内に潜入した、と報じた。

同報道によると、この潜入は、「シリアの革命家たちの支援」が目的だという。

サラーマはムアンマル・カッザーフィー政権打倒をめざす反体制運動支援のために2011年にはリビアに潜入していた。

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シリア国民評議会のアナス・アブダ事務局書記長は、AFP(10月11日付)に対して、10月15~16日にカタールで予定されていた組織拡大のための大会を11月初めに延期すると述べた。

「評議会参加にあたって、革命運動体、市民社会運動体、政治組織から予想以上に多くの要求が示されたこと」が主な理由だという。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ基地周辺で軍・治安部隊が反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(10月12日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市に近いワーディー・ダイフ地点、イフスィム町、サラーキブ市、ハーン・シャイフーン市、ヒーシュ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバー村で反体制武装勢力が軍・治安部隊を襲撃し、兵士14人を殺害した。

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アレッポ県では、SANA(10月12日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区、ダウワール・バーブ・ハディード地区、ブスターン・バーシャー地区、アターリブ市、ハルシュー市、カフルダーイル村、ハーン・アサル村、カブターン・ジャバル村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月12日付)によると、ラスタン市近郊のダイル・フール村、シャルク・ジャンダル地方、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ハサカ県では、クルディーヤ・ニュース(10月12日付)によると、アレッポ街道沿いのタッル・バイダル村、タッル・タムル町上空を軍のヘリコプター2機が飛来した、と報じた。

飛来の理由は定かでないが、自由シリア軍の拠点を砲撃したとの情報や、ヘリコプターどうしが交戦したといった情報が錯綜している、という。

国内の動き

トルコの『エデンリク』(10月12日付)は、アサド大統領が「シリアはPKKを支持していない…。トルコと我々の関係が良好だったとき、この政党を支援しているとの疑惑は向けられなかった…。アンカラはPKKへのダマスカスの支援を疑うことで、シリア国内の武装集団の支援を正当化しようとしている」と述べたと報じた。

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『アフバール』(10月12日付)は、シリア民族社会党のアスアド・ハルダーン党首(レバノン)が、シリア政治局(イサーム・マハーイリー派)を解散し、シャーム問題担当副党首のナズィール・ウズマに新政治局の発足を要請した、と報じた。

シリア民族社会党マハーイリー派は進歩国民戦線加盟政党。

レバノンの動き

『ディヤール』(10月12日付)は、シリア軍がヒムス県内の対レバノン国境地帯に地対空ミサイルを配備したと報じた。

この配備は、トルコがレバノン経由で軍事行動を行うことへの予防的措置だという。

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ミシェル・スライマーン大統領は、「シリア軍は自制し、レバノン領内への砲撃を控えねばならない」と述べた。

一方、ヒズブッラーによるイスラエルへの無人飛行機潜入に関して「国防戦略上必要」と述べた。

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レバノンの軍事裁判所のサクル・サクル長官は、ミシェル・サマーハ元情報大臣のテロ容疑に関して、リヤード・アブー・ギーダー検事に、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官への聴取を要請した。

諸外国の動き

『イェディオト・アハロノト』(10月11日付)は、2010年秋にシリアとイスラエルが米国の仲介のもとに間接和平交渉を行い、ゴラン高原からのイスラエルの完全撤退、大使館交換などで合意したが、シリアへの「アラブの春」波及で実現しなかった、と報じた。

同報道によると、撤退の期間に関して、シリア側は半年から1年、イスラエル側はより長期間を主張し、意見の一致は見られなかったという。

交渉はベンヤミン・ネタニヤフ首相、エフード・バラク国防大臣のみが関与し、他の閣僚には知らされていなかった、という。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、サウジアラビアのジェッダでアブドゥッラー国王と会談し、シリア情勢について協議した。

al-Akhbar, October 12, 2012、Akhbar al-Sharq, October 12, 2012、AFP, October 12, 2012、al-Hayat, October 13, 2012、Kull-na Shuraka’, October 12, 2012、al-Kurdiya News,
October 12, 2012、Naharnet, October 12, 2012、Reuters, October 12, 2012、SANA,
October 12, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制武装勢力がダマスカス・アレッポ街道を約5キロにわたって制圧するなか、ヒズブッラーのナスルッラー書記長が「シリア国内で戦闘員を派遣している」との一部情報を否定(2012年10月11日)

国内の暴力

イドリブ県では、『ハヤート』(10月12日付)など各紙が、複数の活動家・目撃者の話として、反体制武装勢力がマアッラト・ヌウマーン市に近いダマスカス・アレッポ街道を約5キロにわたって制圧した、と報じた。

また反体制武装勢力のアクラム・サーリフ大佐はAFP(10月11日付)に対して、「軍は(マアッラト・ヌウマーン市の)奪還を試みたが、反体制活動家はこれを阻止した」と述べた。

さらに反体制活動家のムハンマド・カナアーンは、マアッラト・ヌウマーン市に近いワーディー・ダイフ基地を反体制武装勢力が戦車1台で攻撃、制圧した、と述べた。

このほか、シリア人権委員会によると、スィフヤーン村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区のダマスカス・ダルアー街道の検問所で、軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、軍の兵士2人が死亡した。

またシリア人権委員会なる組織によると、カーブーン区、マイダーン地区で治安当局による逮捕・捜索活動が行われた。

一方、シリア人権監視団はマッザ区の高等教育省に近い軍事裁判所前で「激しい爆発」があったと発表した。被害の詳細は明らかでないという。

これに関して、シリア・アラブ・テレビ(10月11日付)は、高等教育省に近いバラームケ・税関地区で爆破テロが発生したと報じた。

また使徒末裔大隊とアンサール・イスラーム旅団が共同声明を出し、高等教育省に近い総合情報部のコンプレックスに爆弾を仕掛けたと発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権委員会によると、アルトゥーズ町などが軍・治安部隊の砲撃を受けた。

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ヒムス県では、地元調整諸委員会によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区で軍・治安部隊に対する掃討作戦を続けた。

一方、SANA(10月11日付)によるとダイル・フール村、シャルク・ジャンダル地方、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権委員会によると、シャイフ・マスキーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(10月11日付)によると、マアルバ町・ブスラー・シャーム市間の街道で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

『クッルナー・シュラカー』(10月11日付)によると、統一社会主義者党のハーリド・アッブード人民議会議員(事務局長)の弟のアブドゥルムンイム・ムーサー・アッブードがダルアー県ヌアイマ村で暗殺された。

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タルトゥース県では、SANA(10月11日付)によると、反体制武装勢力がアリーダ国境通行所でレバノンからの旅客バスを襲撃し、乗っていたシリア人労働者8人が死亡、8人が負傷した。

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アレッポ県では、SANA(10月11日付)によると、アレッポ市カルム・ジャバル地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「浄化」を完了した。

またブスターン・カスル地区などで軍・治安部隊は反体制武装勢力の追撃を継続し、多数の戦闘員を殺害した。

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ハマー県では、SANA(10月11日付)によると、アシャーリナ村などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺害した。

反体制勢力の動き

反体制勢力の動きシリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー事務局長は、ローラン・ファビウス外務大臣と会談、またフランス議会の外交委員会で証言した。

証言後、スィーダー事務局長は、評議会の指導部を「近いうちに」シリア国内に移転させる意思を示した。

また来週、カタールで予定されている会合で、評議会の組織再編(拡大)が行われるだろうと述べた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長がテレビ演説し、シリア国内で戦闘員を派遣しているとの一部情報を否定した。

ナスルッラー書記長は「シリアでの危機発生当初から、一部のアラブ衛星放送は、ヒズブッラーがシリアに3000人の戦闘員を派遣していると報じてきたが、この報道は間違いで偽りだと言ってきた…。殉教者が出れば、我々は遺族に真実を伝える。いつ、どこで、どのように同胞が殉教したかを」と述べた。

また「今の今まで、我々はシリア政府とともに(シリア国内で)戦ったことはない。シリア政府は我々にそうするよう要請していない。我々がそうすることに関心を持っていると誰がいったのか?」と付言した。

一方、対シリア国境での武装集団による殺人、誘拐、強姦などの増加を受け、住民が自衛のため武装を強化していると指摘、「私は、ヒズブッラーに属していようといまいと、国境地域にとどまる人を妨げることはできない」としつつも、「我々は新たな戦線を開くことはない」と述べ、同地域の防衛に直接介入しない意思を明示した。

さらにシリアで死亡したとされるアリー・フサイン・ナースィーフ(アブー・アッバース)については、「アブー・アッバースの殉教に関して言われていることはすべて偽りだ…。ベカーアの住民に聞けば、彼がベカーアの歩兵旅団の司令官だったことが分かる…。(国境の)村々は連日砲撃を受けており、アブー・アッバースを含む多くの殉教者が出ている」と述べた。

自由シリア軍によるナスルッラー暗殺の脅迫に関しては、「シリアの一部の反体制勢力に、我々を脅迫しないようアドバイスする。無駄だからだ…。誤った非難は君たちのためにならずそのことで、私に謝罪を求めることはできない」と一蹴した。

なおこの演説では、10月6日にイスラエル領内で撃墜された無人飛行機を、ヒズブッラーが派遣したこと、また同飛行機がイラン製であることを認めた。

シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して、ロシア製の軍装備品が積まれていたと述べた。

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アフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して、「通報」に基づき同機を強制着陸させ、「違法な積荷」を押収したことを明らかにしたが、「通報」元については明言しなかった。

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NTV(10月11日付)、TRT(10月11日付)によると、押収された積荷のなかには、ロケット弾の部品、通信機器などが含まれていた、という。

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シリア外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、トルコ空軍によるシリア・アラブ航空旅客機の強制着陸(10日)に関して、「いかなる武器、禁止された物資も輸送していなかった」と述べた。

マクディスィー報道官によると、同機(14時26分モスクワ発便)は、17時20分にトルコ領内に入るや、トルコ空軍によってアンカラ国際空港に強制着陸され、約2時間待機させられ後、トルコ当局が乗客らを空港内の待合室に移動させ、機内を検査、一部の積荷を調査のためとして押収した、という。

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ロシア外務省報道官は、トルコ空軍によるシリア・アラブ航空旅客機の強制着陸に関して、「ロシア人を含む乗客の安全への脅威」と非難した。

同報道官はまた、「アンカラはロシア人乗客の有無をロシア大使館に通知せず、大使館代表による乗客への医療支援の提供の申し出を拒否した…。明確な説明のないまま二国間の慣習に違反した」と非難した。

諸外国の動き

トルコのタネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源大臣は、「1週間前からシリアがトルコからの電力の購入を停止している」と6日の前言と矛盾する発言をした。

「内戦で電力送電ネットワークが損害を受けた」のがその理由だという。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は滞在先のプラハで記者団に「イラク経由でシリアに武器が流れることはないと強調する…。我々はシリアへの武器流入を抑止するため国境に軍を展開した」と述べた。

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シリア人避難民問題支援担当調整官にパノス・ムムトズィス(Panos Moumtzis)氏は、AFP(10月11日付)に対して、シリア人避難民支援のための資金が不足していると述べ、資金援助を改めて求めた。

Akhbar al-Sharq, October 11, 2012、AFP, October 11, 2012、al-Hayat, October 12, 2012、Kull-na Shuraka’, October 11, 2012、al-Kurdiya News,
October 11, 2012、Naharnet, October 12, 2012、Reuters, October 11, 2012、SANA,
October 11, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.