アサド大統領の就任演説(2014年7月16日追記)

クッルナー・シュラカー(7月16日付)は、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長が、16日に首都ダマスカスの人民宮殿で行われたアサド大統領の就任演説に招待された市民の最前列に着席していたとしたうえで、同議長が近くファールーク・シャルア副大統領の後任の副大統領に任命されることを示す兆候だと報じた。

マムルーク議長は、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師、ムハンマド・ナースィーフ副大統領補に挟まれるかたちで着席していた。

Kull-na Shuraka', July 16, 2014
Kull-na Shuraka’, July 16, 2014

Kull-na Shuraka’, July 16, 2014をもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月16日)

西クルディスタン移行期民政局コバネは、アイン・アラブ市(クルド語名コバネ市)を「軍事的・経済的被災地区」に設定すると発表した。

ダーイシュ(イスラーム国)の侵攻を受けた動き。

ARA News(7月17日付)が伝えた。

ARA News, July 17, 2014をもとに作成。

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アサド大統領の就任演説(2014年7月16日)

就任演説

6月3日に投票が行われた大統領選挙で当選したアサド大統領は、ダマスカス県の人民宮殿で3期目(2012年2月新憲法のもとでは1期目)の就任演説(https://www.youtube.com/watch?v=dZEmfpXspJU)を行った。

就任演説はこれまで人民議会議事堂で議員を前に行われていたが、今回は人民宮殿において一般市民が傍聴するなかで行われた。

会場にはジョルジュ・ワッスーフ氏、ドゥライド・ラッハーム氏、ラシード・アッサーフ氏、バッサーム・クーサー氏、ジルジス・ジャッバーラ氏、アッバース・ヌーリー氏、アイマン・ザイダーン氏、サラーフ・フワーヒルジー氏、ワーイル・ラマダーン氏、ディーマー・カンダルファト氏ら芸能人も招聘された。

Kull-na Shuraka', July 16, 2014
Kull-na Shuraka’, July 16, 2014

またアサド大統領は、シリア国内に現存する最古のコーラン(ダマスカス県にあるカダム・モスクのシャイフ、サーリフ・ビン・フサイン・ブン・アブドゥルカーディル・タキー・カフルスィースィーが1780年に制作した写本)に手をかざし、就任宣誓を行った。

就任演説におけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「3年と4ヶ月…。一部の人々があなた方の代表だとして「国民は…を望む」と主張した…。数年にわたり、彼らは発言し、行動し、そして幻想に埋没した。これに対して、あなた方国民は現実を作り上げた。彼らは革命を望んだが…、あなた方こそが真の革命家だ。あなた方の革命、そしてあなた方の勝利よ、おめでとう。あなた方が身を置くシリアよ、おめでとう」。

「あらゆるヘゲモニーと敵対行為に抵抗してきたシリアの人民よ、おめでとう…。信任投票と選挙に対するあらゆる恐怖とテロに抵抗し、戦火のなかで自らの権利を行使し、敵対行為を頓挫させたシリアの人民よ、おめでとう…。彼らの醜い顔は、自由や革命といった仮面が落ちたことで白日のもとに曝されたのだ」。

「あらゆる嘘、ねつ造にもかかわらず、世界はあなた方の声(投票)を耳にした。あなた方は真の声をあげ、世界に真実を見せた…。この選挙(大統領選挙)は世界の他の場所とは異なり、単なる政治的プロセスではなく、全方位的な戦いだった…。祖国の敵にとって、それは国家の正統性を奪い、シリア国民が自らを統治できない分裂した弱い存在だということを示し、そのうえでさまざまな口実で干渉を正当化するための手段だった」。

SANA, July 16, 2014
SANA, July 16, 2014

「しかし我々にとって、この選挙は、祖国への真の所属を宣言するものだった…。選挙は主権、正統性、自決、国民の尊厳を防衛するための戦いだった。また選挙に多くの国民が参加したことで、あらゆる形態のテロに対抗する主権が信任された。多くの人々にとって誰が勝つかは重要ではなかった。重要なのは誰が負けるかだった。あなた方は投票によってテロリストを敗北させたのだ。また彼らとともに、その手先となってきたシリア人を敗北させたのだ」。

「国外で行われた選挙に関して言うと…、在外居住者や避難民といった在外シリア人は…自らの言葉を述べ、世界を驚かせた…。在外シリア人は選挙を通じて、心も魂もシリア人であることを宣言したのである」。

「多くのシリア人にとって大統領選挙は銃弾のようなものであり、それはテロリストとその背後にいる者たちの胸を打ち抜いた。数百万という銃弾が放たれ…、政治、情報、石油の帝国主義は純粋で偽りのない愛国的な姿勢を前に何もできないことが明らかになった…。憲法の適用は、祖国、その統合、さらには安定を守るもっとも重要な手段である。それゆえ彼ら2人(大統領選挙に立候補した対立候補2人)には祝辞を述べたい。なぜなら、勝者が誰になるのかといったことを度外視して、この状況下で選挙に出馬することが、人民の勝利であり、祖国の勝利となるからだ。また迫撃砲、脅迫、戦火に立ち向かったすべてのシリア人に祝辞を述べたい…。この勝利は、殉教者、負傷者、そして辛抱強い遺族なくしては実現しなかった」。

「シリア国民に対して行われているこの戦争は、汚れた戦争だ…。我々は今日、未来を見据えている…。未来は国民以外の誰のものでもないという信頼をもって未来に向かって進んでいる」。

「植民地主義的西欧は、いまだ植民地主義的だ。方法が違えど、本質は一つだ。西欧とその取り巻きであるアラブ諸国政府は、自らの計略において頓挫した。ただしこれは、彼らが別の目標のために、シリアを消耗させることを止めるという意味では決してない。自らが計画した政治目標をさまざまなかたちで実現しようとしているだけだ」。

「今日のイラク、そしてシリア、レバノン、そして偽りの春を被ったすべての国において我々が目にしているものは、我々がこれまで何度も繰り返し警鐘をならしてきたことが正しかったことを具体的に示しているものではないのか? 我々は近く、テロを支援してきたアラブ諸国、地域諸国、西欧諸国が高い代償を払うことを目にするだろう。そして彼らの多くが遅きに失したと考えることだろう。シリア国民が祖国防衛のために行っている戦いが、領外へと至り、同じテロに早晩曝されることになる多くの国の国民を守るものであるということを理解するだろう…。西欧とその同盟者が、遅きに失したということ以外、誤った経験から教訓として学び取らないからといって、我々も同じようにしていてよいのか…? ことは春などではなく、また自由、民主主義とも無縁だった」。

「我々は、二つの路線を並行して行うことを決定してきた。容赦ないテロの撲滅と、誤った道を正したい者との国内での和解の実施、である。我々は当初から、問題の解決策が純粋にシリア的な解決策であると理解してきた。そこにおいて部外者が果たすべき役割はないと理解してきた…。多くの人々が武器を捨て、復帰し、軍とともに戦い、祖国防衛のために犠牲となっている。騙された人たちに繰り返し呼びかけたい、武器を捨てよと…。我々を裏切って外国に出た者、手先、腐敗した者には関心はない。我々はこうしたものを国から一掃した。彼らにはもはや居場所などない…。外国で戦争を終わらせようと期待している者は夢想家だ。いわゆる概念としての「政治的解決」とは、国内の和解のうえにうち建てるものだ」。

「国民和解は国民対話と矛盾するものではないが、それにとって代わるものでもない。国家はさまざまな政治勢力、政党、社会勢力と対話を始めてきた…。それは網羅的であり、国が現在置かれている状況に関わるものではない。それは祖国の未来、あらゆる領域における国家建設をめぐるものであり、現下の危機に関わるもの、そうでないものいずれもが議論される…。しかしこの対話には、愛国心のない勢力は含まれない。彼らは当初、対話することから逃げ、(パワー・)バランスを変化させるという賭けに出た…。これらの勢力は愛国心…を主張する一方で、外国からの支援…の見返りとしてテロリストの活動を包み隠すような立場をとろうとしてきた」。

「他人を犠牲にして自分だけの利益のために行動する利己的な者たちに話を移そう。こうした人々を我々はこの危機において多く見てきた…。彼らはその危険度においてテロリストと同じだ…。制度、法律の発展について話す代わりに、道徳について話せばよいというものではなく、また国家がそうすることの責任を逃れることも正当化されない。道徳や文化が基礎をなすのであれば、国家の行政や制度の発展は建物のようなものなのだ。しっかりとした基礎がない建物は、すぐに倒れてしまう。以上のことから、我々はこの二つの問題が結びついているとみなしすことで、汚職について話をすることができるようになる。汚職とはあらゆる社会、国家にとって最大の脅威だ。財政面、行政面での汚職の根底には道徳的汚職がある。この二つの汚職はもっとも危険な腐敗、すなわち愛国面での腐敗をもたらし、これによって、祖国とその血を…売り渡すような者が現れる」。

「汚職撲滅を国家機関、社会全体における今後の我々の最優先課題としよう。高官だけでなく、我々個々人すべてにとっての優先課題としよう」。

「復興が今後の段階における経済の主題となる。我々はみながこの点において努力を集中させ、同時に復興を貫徹させ、支援することになるすべてのセクターを復興させるために活動することになろう。ここで私は、知的労働、中小規模の産業に力点を置きたい…。加えて、国政セクター、農業セクターを二大戦略セクターとして重視し続ける…。我々が復興と言うとき、それは今後の段階の経済を指している。このように言うことは、現下の問題が終わるまで待つことだというに理解されるものではなく、我々は今日、始めなければならない」。

「今日から、我々は新たな段階を迎える。そのなかでも重要なのは、祖国の防衛、道徳面、心理面、物質面での祖国の復興についてコンセンサスに達することである。またもっとも重要なのは、テロ根絶についてコンセンサスに達することである…・それには今後の段階において、我々の努力を倍増させる必要がある。そしてそれは、国民と政府が相互関係の構築を意味する…。それゆえ、「いっしょに」(サワー)という言葉を表明したのであり、それは個々人が未来に向かって進むという責任感を高めることを意味している。「いっしょに」とは我々がともにシリアを復興させることを意味する…。我々はあらゆる場所でテロ撲滅と和解の実施を続ける…。また我々は法律と道徳をもって汚職と戦う」。

「もしこの春(アラブの春)が…自由、民主主義、公正を得るためのものだったら、もっとも後進的で、抑圧と専制がもっとも深刻な国において始まっていたはずだ。しかしこうした国々は、この民族(アラブ民族)が被った大災難(ナクバ)の背後におり、民族に対する戦争の背後におり、思想、宗教の逸脱、道徳的衰退の背後にいた。これらの国の存在が、欧米にとってもっとも重要な成果であり、イスラエルが成功し、我々の地域に存続している最大の理由なのだ…。なぜ彼らは、ガザに資金や武器を供与しないのか? なぜ彼らはパレスチナの民を守るためにムジャーヒディーンを送り込まないのか…? これらの国が1970年代後半から80年代にかけて、ムスリム同胞団、すなわちシリアの悪魔同胞団を支援してきたのではないのか?」

「こうした従属的な国々が自らの役割を成功させるため、アラブの春の名のもとに混乱に資金を投じてきた…。彼らはシリアで果たしてきた役割を、今日ガザで果たしている」。

「パレスチナ問題と距離を置いて我々が安全に暮らせると考えるものは夢想家であり、この問題は中心的な問題であり続ける」。

「テロとの戦いにおけて、我々はこれまでの我々の大いなる成果を実現したが、愛おしいラッカのことは忘れることはなく、我々はアッラーのお許しのもとテロリストから同地を解放するだろう。アレッポとその英雄的な住民について、我々は安寧を取り戻すまでそのこと忘れることはない…。アレッポはすべてのシリア人にとっての心臓のような存在だ。身体が…自らの目や心臓…のことをどうして忘れられようか? シリア・アラブ軍に祝辞を述べたい。将兵に…、国防を担う人民諸集団に、武器を持ち、自らの国の尊厳を守ろうとする若者たち…に祝辞を述べたい。そして自らの子息を軍に捧げてきたすべての国民に最大の祝辞を捧げたい…。また我らの軍とともに、国境の両側で…戦いを行い、勝利のために命を捧げてきた英雄的なレバノン抵抗運動の忠実なる子息のことを忘れない…。イラン、ロシア、中国に謝意を示した。これらの国は3年間にわたり、シリア国民の決定や意思を尊重し、国連憲章における主権尊重、内政不干渉といった権利を擁護してきた」。

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クッルナー・シュラカー(7月16日付)によると、ダマスカス県内では、就任演説会場になると思われていた人民議会議事堂に通じる道路や、大統領私邸があるムハージリーン区の交通規制が行われる一方、軍ヘリコプターがカフルスーサ区、ムハージリーン区、マッザ区などの上空を旋回し、厳戒態勢が敷かれたという。

Kull-na Shuraka', July 18, 2014
Kull-na Shuraka’, July 18, 2014
Kull-na Shuraka', July 18, 2014
Kull-na Shuraka’, July 18, 2014
Kull-na Shuraka', July 18, 2014
Kull-na Shuraka’, July 18, 2014
Kull-na Shuraka', July 18, 2014
Kull-na Shuraka’, July 18, 2014
Kull-na Shuraka', July 18, 2014
Kull-na Shuraka’, July 18, 2014
Kull-na Shuraka', July 18, 2014
Kull-na Shuraka’, July 18, 2014

レバノンの動き

Naharnet, July 16, 2014
Naharnet, July 16, 2014

レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は、アサド大統領による3期目の就任演説に関して「嘲っていいものか、泣いていいものか分からない…。ジャアジャア代表は「この人物(アサド大統領)は現実から完全に乖離しており、もはや存在しない共和国の大統領に自らを就任させ、存在しない憲法に従って宣誓を行った」と非難した。

ジャアジャア氏は、レバノン大統領選挙に立候補しているが、ヒズブッラーや自由国民潮流、さらには進歩社会主義党の反対によって、大統領に選出されずにいる。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、July 18, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月16日)

トルコのイスタンブール県知事は、推計で6万7,000人に及ぶとされる同県のシリア人避難民に対して、「近く抜本的な措置」を講じると述べ、避難民キャンプに退去させるための新法を制定する意思を示した。

AFP(7月16日付)が伝えた。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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米国による「穏健な反体制派」支援(2014年7月16日)

『ハヤート』(7月17日付)によると、米上院の歳出委員会は、国防総省によるシリアの反体制派への教練、支援などのための5億米ドルの支出を認める2015年度補正予算案を審議、了承した。

同報道によると、補正予算案は17日に委員会で採決されたのち、上院本会議で審議されるという。

これに関して『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月16日付)は、補正予算が承認されれば、シリア国外で反体制武装集団戦闘員約2,300人の教練が手始めとして行われることになる、と伝えた。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014、The Wall Street Journal, July 16, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月16日)

シリア国内の動き

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市から到着したダーイシュ(イスラーム国)の車列が未明、アフタリーン市およびその一帯を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区で、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線シャリーア法廷判事のチュニジア人を銃殺処刑した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市のイマーム・ヌーリー・モスクで説教を行ったダーイシュ(イスラーム国)のエジプト人説教師が、水、ガス、電気の不足への不満を口にした礼拝者らに対し、「現世の快楽に過ぎない水、ガス、電気のことを聞くな。カリフであるアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠に専念しろ」と述べた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は安保理に提出した報告のなかで、イラクにおけるダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して、イラ周辺国を含む加盟国に結束とイラクによる「テロとの戦い」への支援を呼びかけた。

イラク国内の戦況

アンバール県では、ARA News(7月16日付)によると、ラアス地方にある警察・覚醒評議会の合同検問所でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘が発生し、警官3人が死亡、2人が負傷、覚醒評議会メンバー2人が負傷した。

一方、ブー・フラージュ地方では、イラク軍ヘリコプターによる空爆で、ダーイシュの司令官であるハーミド・シャーキル・サブア氏、フサイン・カドリー氏と、外国人戦闘員8人が死亡した。

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キルクーク県では、ARA News(7月16日付)によると、トゥーズフールマートゥー郡アーミルリー村がダーイシュ(イスラーム国)の砲撃を受け、住民数十人が負傷した。

またキルクーク市の西方25キロの地点に位置するタッル・ワルド地方では、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガがダーイシュの攻撃を受け、ペシュメルガ隊員21人が負傷した。

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バービル県では、ARA News(7月16日付)によると、ジュルフ・サフル地方でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点などを砲撃し、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。

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ナジャフ県では、ARA News(7月16日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー6人が県内で警察・治安機関によって逮捕された。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月16日)

NNA(7月16日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ブリタール村郊外に複数のロケット弾が着弾した。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月16日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市に結集する軍、国防隊の拠点近くで、シャームの民のヌスラ戦線のモロッコ人戦闘員が自爆攻撃を行った。

この自爆攻撃は、ヌスラ戦線らジハード主義武装集団の戦闘員数百人が籠城するムライハ市に対する軍の包囲の解除を試みたもので、軍側に多数の人的被害が出たという。

またムライハ市およびその周辺、ザバディーン市街道、フタイタト・ジャラス街道で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ムライハ市の包囲解除をめざすヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、軍は同市を地対地ミサイルで攻撃した。

一方、SANA(7月16日付)によると、ナシャービーヤ農場、ムライハ市内および同郊外、シャイフーニーヤ農場、アーリヤ農場、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯、ハーン・シャイフ・キャンプ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市各所を軍が25回にわたり空爆、同市周辺で、軍がジハード主義武装集団と交戦した。

またムーリク市南部では、ジハード主義武装集団が軍の車列を襲撃した。

このほか、タイバト・イマーム市の検問所複数カ所で軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、軍との戦闘でジハード主義武装集団の戦闘員1人が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(7月16日付)によると、ダルアー市ヤルムーク学校西部、難民キャンプ地区、旧税関地区、バジャービジャ地区など、ラジャート高原、アトマーン村、インヒル市、ヌアイマ村、ヤードゥーダ村、ダーイル町、シャイフ・サアド村、ジュバイリーヤ村、ワルダート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月16日付)によると、ジャッバー村、ウンム・バーティナ村、ヒルバト・ズバイダ村、クードナ・ダム・ブライカ村間、アイン・ダルブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(7月16日付)によると、ハーン・アサル村、ハーン・アイス村、ビイル・ジャマール村、アンジャーラ村、カフルカール村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市バーブ・ハディード地区、ハナーヌー地区北部、ジャンドゥール地区、サーフール地区、ガルナータ地区、サラーフッディーン地区、カブターン・ジャバル村、アターリブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月16日付)によると、カスタル村、アブー・サナースィル丘、スルターニーヤ村、ハブラ村、ラッフーム村・ウンク・ハワー村間、ウンム・シャルシューフ村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月16日付)によると、ハーミディーヤ航空基地周辺、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、カフルルーマー村、タッル・マンナグ村、ダイル・ガルビー村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシューリーン村、ハルジャナーズ村、マアッルシャマーリーン村、カフルナジュド村、バーラ村、バザーブール村、カフルラーター村、バラーグーティー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ハーミディーヤ航空基地周辺とワーディー・ダイフ軍事基地周辺での軍との戦闘で、ジハード主義武装集団の戦闘員8人が死亡した。

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ハサカ県では、SANA(7月16日付)によると、ハサカ市南部のカラーマ地区で軍が反体制武装集団の拠点を破壊した。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、July 18, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月16日)

イスラーム戦線シューラー評議会は声明を出し、自由シリア軍参謀委員会に対して、戦線の要請に従い組織改編を行うとともに、公金横領、私利に基づく特定の武装集団支援といった行為を行った者を処罰するよう求めた。

Kull-na Shuraka', July 16, 2014
Kull-na Shuraka’, July 16, 2014

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クッルナー・シュラカー(7月16日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線とイスラーム戦線はSNSを通じて共同声明を出し、そのなかでアレッポ県北部で「イスラーム教徒に対する不正を除去し、住民の権利を回復し、アッラーの法を解放区で適用する」ための浄化キャンペーンを開始すると発表した。

AFP, July 16, 2014、AP, July 16, 2014、ARA News, July 16, 2014、Champress, July 16, 2014、al-Hayat, July 17, 2014、Kull-na Shuraka’, July 16, 2014、al-Mada Press, July 16, 2014、Naharnet, July 16, 2014、NNA, July 16, 2014、Reuters, July 16, 2014、SANA, July 16, 2014、UPI, July 16, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月15日追記)

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県クーリーヤ市で、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官・法学者が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の司令官と会合を開き、「停戦合意」を締結、ヌスラ戦線などの武器をダーイシュに引き渡すことで合意した。

「停戦合意」の骨子は以下の通り:

1. ヌスラ戦線などの武装集団の武器の完全引き渡し。
2. ムハージルーン(外国人戦闘員)へのクーリーヤ市政の移管とアンサール(シリア人)によるその支援。
3. ダーイシュと戦闘を行っていた者のうち、改悛を望む者の免罪とダーイシュへの参加許可。
4. すべての希望者の訓練後のダーイシュへの参加解禁。
5. 引き渡された武器の一部のダーイシュによる管理と一部の前線への配給。
6. 48時間の武器引き渡し猶予期間の設定。
7. 本合意のダイル・ザウル県(ダーイシュが言うところの「ハイル州」)全土への適用。
8. イスラーム国の名をかたり、無断で武器を保有し、検問所を設置する者への処罰、⑨武器使用についての知識を有する者のみの武器携帯許可。

al-Hayat, July 17, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月15日追記)

アレッポ県では、ARA News(7月16日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがアイン・アラブ市での住民による座り込みを取材していた記者のサドルッディーン・カンヌー氏を逮捕した。

住民はダーイシュ(イスラーム国)が誘拐・拉致した学生の解放をめぐるダーイシュと人民防衛隊の交渉失敗に抗議していたという。

ARA News, July 16, 2014をもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市にあるイスラーム委員会本部を武装集団が襲撃し、同本部で拘束されていた収監者を解放した。

武装集団の襲撃により、双方に6人の死者が出たという。

al-Hayat, July 17, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月15日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が14日に制圧したダイル・ザウル市各所をシリア軍が空爆した。

一方、ダーイシュは、スワイダーン・ジャズィーラ村郊外の油田(ウマル油田に帰属)複数カ所を制圧した。

これらの油田は、部族民兵が掌握していたが、ダーイシュに引き渡したが、一部の家族は依然として引き渡しを拒否しているという。

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クッルナー・シュラカー(7月15日付)は、アレッポ県マンビジュ市で、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州が「信徒たちの長(アミール)への忠誠とカリフ制宣言強化のための第6回部族会合」と銘打った集会を開催したと報じ、ツイッターで公開された写真の一部を転載した。

集会では、ダーイシュが制圧するマンビジュ市、バーブ市の部族長ら、クルド人代表がカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明する一方、昼食会が催されたという。

Kull-na Shuraka', July 15, 2014
Kull-na Shuraka’, July 15, 2014
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Kull-na Shuraka’, July 15, 2014
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Kull-na Shuraka', July 15, 2014
Kull-na Shuraka’, July 15, 2014

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(7月15日付)によると、タッル・タムル町北部でダーイシュ(イスラーム国)のアブー・アブドゥッラー・ジャヌービーを名乗る戦闘員が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所に対して爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

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シリア人権監視団は、アレッポ市アイン・アラブ市一帯でのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻により、過去数日間で少なくも800人のクルド人住民がトルコ領内に避難した、と発表した。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、県作戦司令室のアリー・フライジー大将が声明を出し、イラク空軍がバイジ郡知事舎を空爆し、同施設内で会合を開いていたイスラーム国(ダーイシュ)のメンバー5人を殺害することに成功したと発表した。

殺害されたダーイシュ・メンバーのなかには、ダーイシュのサラーフッディーン県における無不ティーでアブー・ウサーマ・カフターニーを名乗るサウジ人も含まれているという。

またダルーイーヤ郡のハズラジュ村、ジャワーリー村をイラク軍戦闘機が空爆し、ダーイシュ戦闘員数十人を殺傷したという。

さらにイラク空軍の支援を受けた軍・警察合同部隊は、ティクリート市浄化作戦を開始し、同市シーシーン地区に突入、ダーイシュとの交戦の末、気象観測局、爆発物処理局、警察訓練局、文化芸術館などを制圧した。

マダー・プレス(7月15日付)が伝えた。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月15日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がフワイジャ郡にあるキルクーク県副知事のラーカーン・サイード氏の自宅などを接収した。

またキルクーク市南部のウジャイル油田から原油を運びだそうとしていたダーイシュの車輌が爆発し、7人が死亡した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月15日付)によると、ラマーディー市周辺で軍・警察合同部隊が掃討作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員16人を殲滅、10人を逮捕した。

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バービル県では、ジュルフ・サフル地方での軍・警察合同部隊の治安作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員10人が死亡した。

諸外国の動き

『インディア・トゥデイ』(7月15日付)は、マハーラーシュトラ州治安当局が、イラクに不法入国し、ダーイシュ(イスラーム国)による戦闘行為に参加しているとされるインド人青年3人についての捜査を行っている、と報じた。

同紙によると、ダーイシュに参加しているインド人青年はこの3人以外にも多数いるが、当局は彼らに関する情報を持っていないという。

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「ビン・ラーディンの駐欧大使」と呼ばれたヨルダン人のウマル・マフムード・ウスマーン氏(アブー・カッターダ)は自身のツイッターで、ダーイシュ(イスラーム国)に関して「イスラーム・カリフ制国家宣言は無効」だとしたうえで、カリフ制の樹立には、「シリア、イエメン、アフガニスタン、チェチェン、ソマリア、アルジェリア、リビアなどアッラーの敵と戦うムジャーヒディーン」の同意が必要だとの見解を示した。

AFP(7月15日付)が伝えた。

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イスラーム・マグレブ諸国のアル=カーイダ機構はSNSを通じて声明を出し、イスラーム国によるカリフ制樹立を拒否、アイマン・ザワーヒリー氏に忠誠を誓っていることを改めて表明した。

ロイター通信(7月15日付)が伝えた。

AFP, July 15, 2014、AP, July 15, 2014、ARA News, July 15, 2014、Champress, July 15, 2014、al-Hayat, July 16, 2014、The India Today, July 5, 2014、Kull-na Shuraka’, July 15, 2014、al-Mada Press, July 15, 2014、Naharnet, July 15, 2014、NNA, July 15, 2014、Reuters, July 15, 2014、SANA, July 15, 2014、UPI, July 15, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月15日)

『ハヤート』(7月15日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方無人地帯での、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員と、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘がベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外に波及し、シリア軍が空爆を行った。

レバノン軍発表によると、同地での戦闘により、11人が負傷した。

レバノンの声ラジオ(7月15日付)によると、レバノン人5人とシリア人2人の合わせて7人は、ワーディー・ハワーへのロケット弾2発の着弾により、負傷した。

これに関して、NNA(7月15日付)は、シリア軍による砲撃は、ワーディー・ザムラーニー地区、アジュラム地区に潜伏する武装集団を標的としていた、と報じた。

AFP, July 15, 2014、AP, July 15, 2014、ARA News, July 15, 2014、Champress, July 15, 2014、al-Hayat, July 16, 2014、Kull-na Shuraka’, July 15, 2014、al-Mada Press, July 15, 2014、Naharnet, July 15, 2014、NNA, July 15, 2014、Reuters, July 15, 2014、SANA, July 15, 2014、UPI, July 15, 2014、Voice of Lebanon, July 15, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月15日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アッサール・ワルド村郊外とレバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村間の無人地帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

同監視団によると、シリア軍は同地一帯に少なくとも8回の空爆を行い、また戦闘はレバノン領内にも及んだという。

一方、SANA(7月15日付)によると、ムライハ市周辺、ナシャービーヤ農場、シャイフーニーヤ農場、アーリヤ農場、ハラスター市郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年7月15日)

シリア人権監視団によると、アレッポ県アイン・アラブ市一帯へのダーイシュ(イスラーム国)の侵攻に対抗するため、過去数日間でクルド人戦闘員約900人がトルコとイラクからシリアに入国した。

うち100人(トルコのクルド人)は15日早朝にアイン・アラブ市に入り、住民による歓迎式典が行われたという。

ARA News(7月15日付)によると、アイン・アラブ市に入った100人はPKKの戦闘員。

また、クルド人戦闘員900人は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に参加したという。

AFP, July 15, 2014、AP, July 15, 2014、ARA News, July 15, 2014、Champress, July 15, 2014、al-Hayat, July 16, 2014、Kull-na Shuraka’, July 15, 2014、al-Mada Press, July 15, 2014、Naharnet, July 15, 2014、NNA, July 15, 2014、Reuters, July 15, 2014、SANA, July 15, 2014、UPI, July 15, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月14日)

イスラエル軍は、シリア領内からイスラエルが占領するシリア領ゴラン高原に向けてロケット弾が発射され、同地に着弾したと発表した。

イスラエル軍はロケット弾攻撃の責任がシリア軍にあると断じ、ただちにシリア軍の拠点に対して迫撃砲による報復を行ったという。

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国連安保理で、シリア国内の避難民への周辺諸国経由での人道支援物資搬入を求める安保理決議第2165号(http://unscr.com/en/resolutions/2165)が全会一致で採択された。

同決議は、国連事務総長の権限のもと、周辺諸国からの人道支援物資搬入を監視するための仕組みを構築、反体制派の支配下にあるバーブ・サラーマ国境通行所(アレッポ県)、バーブ・ハワー国境通行所(イドリブ県)、ラムサー国境通行所(ダルアー県)、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるヤアルビーヤ国境通行所(ハサカ県)を経由して、反体制派支配地域に人道支援を行うことができる旨、定められている。

物資搬入に際しては、周辺諸国の同意とシリア政府への通告を義務づけ、人道支援以外の目的での物資搬入を抑止することが目指されている。

決議案は、ヨルダン、ルクセンブルグ、オーストラリアが共同提案し、ヨルダンの国連代表によると、シリア政府がこれまでの国連決議(国連安保理決議第2139号)の人道支援に関する規定を順守していないことを受け、準備されたという。

決議案に関して、ロシアと中国は国連憲章第7章に依拠した決議の採択を拒否する一方、シリア政府の主権に配慮するよう主張してきた。

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、国連安保理決議第2165号採択に歓迎の意を表し、「自由シリア軍に物資搬入の準備」を行うよう強調した。

AFP, July 14, 2014、Akhbar al-An , July 14, 2014、AP, July 14, 2014、ARA News, July 14, 2014、Champress, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014、Kull-na Shuraka’, July 14, 2014、al-Mada Press, July 14, 2014、Naharnet, July 14, 2014、NNA, July 14, 2014、Reuters, July 14, 2014、SANA, July 14, 2014、UPI, July 14, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月14日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市からシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動が撤退したのを受け、ダーイシュ(イスラーム国)が同市に入り、両組織の本部に黒旗を掲揚、同市の一部を制圧した。

シリア人権監視団によると、ダーイシュはダイル・ザウル市の工業地区の一部、ハラービシュ地区全土、ラサーファ地区の一部、労働者住宅地区の一部、ジャウラ地区全土、クスール地区全土、ブガイリーヤ地区全土、ハウィーカ地区の一部、ラシュディーヤ地区の一部、ムワッザフィーン地区の一部を制圧し、ダイル・ザウル市の95%、約3万6,000平方キロメートルを制圧したと発表した。

ダーイシュがシリア国内の県庁所在地を制圧するのはラッカ市に次いで二カ所目。

これを受け、シリア軍はダイル・ザウル市内やダイル・ザウル航空基地など郊外の支配地域の守備を強化し、ダーイシュの攻撃に備えた。

またダイル・ザウル市西部郊外では、ダーイシュへの忠誠拒否と、西武郊外への侵入拒否を訴えるデモが住民によって行われた。

ヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動はダイル・ザウル市の本部からの撤退に先立って、ダーイシュと停戦協議を行っていたが、ダイル・ザウル・シャリーア委員会の判事を務めるヌスラ戦線のアミールが、市内のスィヤーサ橋でダーイシュによって射殺されていた。

ダーイシュがダイル・ザウル市に入るにあたり、撤退を拒否したヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の一部戦闘員と、ダーイシュを支持する武装集団との間で戦闘があったという。

なおこれに関連して、ARA News(7月14日付)は、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、カナーマート地区、ウルフィー地区、ジュバイラ地区、ラシュディーヤ地区、ムワッザフィーン地区、旧空港地区、労働者住宅地区、ヒサーラート地区を占拠していたヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団、そして自由シリア軍を名乗る武装集団が、ダーイシュに対して秘密裏に忠誠を誓い、ダーイシュによるダイル・ザウル市支配に同意した、と報じた。

なおダーイシュのダイル・ザウル市制圧を受け、ダイル・ザウル市労働者住宅地区などで活動するムハンマド大隊が声明を出し、ダーイシュとの戦闘を続けるアサーラ・ワ・タンミヤ戦線と絶縁、ダーイシュとの戦闘を行わないと宣言する一方、「我々がアッラーのお許しのもとに戦い続ける唯一の敵とは、バッシャール・アサドの軍に代表されるヌサイリー体制だ」と表明した。

シリア人権監視団はその後、ダイル・ザウル市からの撤退に先立って、ヌスラ戦線が、ダーイシュを支持するジュンド・アズィーズ旅団司令官(拘束中)を処刑したと発表した。

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同じくダイル・ザウル県では、アフバール・アーン(7月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハトラ村でシャームの民のヌスラ戦線の「ダイル・ザウルのアミール」を名乗るサフワーン・ハント氏(通称アブー・ハーズィム)を拘束、処刑した。

ハント氏はダーイシュ支配地域からダマスカス郊外県カラムーン地方、ないしはダルアー県ハウラーン地方に向かって逃走を図っていたところを拘束されたという。

ハント氏は、ダイル・ザウル市出身で、アル=カーイダとの関係を疑われ逮捕された経験を持ち、2011年の紛争発生後は、アンサール大隊を結成し、反体制武装闘争を指導、その後、ムサンナー大隊を編成し、ヌスラ戦線に忠誠を誓っていた。

また、シリア人権監視団によると、ズィーバーン町の検問所で、ダーイシュ(イスラーム国)が離反士官1人を含む男性2人を拘束、「ダーイシュに犯行し、自由シリア軍参謀委員会と関係がある」との理由で処刑した。

さらに、ブーカマール市では、ダーイシュによるタバコ販売禁止に抗議して、住民がデモを行うとともに、ムサッラブ村、ムハイティーヤ村では武装集団がデモを行い、ダーイシュとの戦闘継続、和解拒否を訴えた。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月14日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダルーイーヤ軍の約40%を制圧する一方、イラク軍ヘリコプターがシャルカート郡サディーラ村を空爆し、同県のシャリーア法学者を殺害した。

またティクリート市に展開するダーイシュの司令官の一人、ファフド・ティクリーティー氏(アブー・ジャアファル)と副官のアブー・ウマル・トゥーニスィー氏が、同市南部でのイラク軍との戦闘で死亡した。

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ヒッラ県では、マダー・プレス(7月14日付)によると、軍、民兵からなる合同部隊がジュルフ・サフル地方でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地方のワーリーを名乗るアブー・ムスアブ・イーサーウィー氏を含む戦闘員60人以上を殺害した。

またジュルフ・サフル地方各所で、治安部隊がダーイシュ戦闘員9人を逮捕した。

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ニナワ県では、マダー・プレス(7月14日付)によると、イラク軍戦闘機がモスル市内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、ダーイシュ司令官のユーヌス・ハミード・マイーリー氏と、ウマル第9軍団司令官のアブー・ムスアブ・リービー氏が死亡した。

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ディヤラ県では、国防相がヤアクーバ市東部のナダー地方でイラク軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、同地の戦闘員を殲滅したと発表した。

マダー・プレス(7月14日付)が伝えた。

AFP, July 14, 2014、Akhbar al-An , July 14, 2014、AP, July 14, 2014、ARA News, July 14, 2014、Champress, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014、July 16, 2014、Kull-na Shuraka’, July 14, 2014、al-Mada Press, July 14, 2014、Naharnet, July 14, 2014、NNA, July 14, 2014、Reuters, July 14, 2014、SANA, July 14, 2014、UPI, July 14, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月14日)

NNA(7月14日付)によると、13日に引き続き、南部県スール郡クライラ村郊外の平原から、何者かが深夜にイスラエル領内に向けてロケット弾2発を発射した。

これに対して、イスラエル軍は報復として、スール郡のマンスーリー村・マジュダル・ズーン村郊外、ズィブキーン村郊外を迫撃した。

AFP, July 14, 2014、AP, July 14, 2014、ARA News, July 14, 2014、Champress, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014、Kull-na Shuraka’, July 14, 2014、al-Mada Press, July 14, 2014、Naharnet, July 14, 2014、NNA, July 14, 2014、Reuters, July 14, 2014、SANA, July 14, 2014、UPI, July 14, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月14日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市フィルドゥース地区、ダイル・ハーフィル市などを軍が「樽爆弾」で空爆する一方、サーフール地区周辺で、軍、国防隊が、ジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(7月14日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ハナーヌー地区、カスタル・マシュト地区、シャッアール地区、カルアト・サッバーグ地区、ウワイジャ地区、アグユール地区、ダイル・ハーフィル市、フライターン市、アターリブ市、カフルハラブ村、アウラム・クブラー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(7月14日付)によると、タッル・タムル町・ラアス・アイン市間の街道で、西クルディスタン移行期民政局民主統一党の車列が爆弾を積んだ車の自爆攻撃を受け、複数の隊員が死傷した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月14日付)によると、サーウール農場、ミスラーバー市郊外、アドラー市ウンマーリーヤ地区、シャイフーニーヤ農場、キスワ市郊外、カラムーン地方無人地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月14日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月14日付)によると、アトマーン村、西ガーリヤ村、ヌアイマ村、マ

ズィムリーン村・サムリーン村回廊、ハッラーブ・シャフム村、インヒル市、アドワーン村、タスィール町、ジュムーア丘、ダルアー市製菓工場南部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月14日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村、トゥルナジャ村、アジュラフ村、サマーディーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月14日付)によると、ラスタン市、タッル・サナースィル村、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(7月15日付)によると、ハサカ市を巡回中のシリア軍偵察部隊が何者かの襲撃を受け、兵士複数名が負傷した。

AFP, July 14, 2014、AP, July 14, 2014、ARA News, July 14, 2014、July 15, 2014、Champress, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014、Kull-na Shuraka’, July 14, 2014、al-Mada Press, July 14, 2014、Naharnet, July 14, 2014、NNA, July 14, 2014、Reuters, July 14, 2014、SANA, July 14, 2014、UPI, July 14, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年7月14日)

クッルナー・シュラカー(7月14日付)によると、アレッポ市アターリブ市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団とハズム運動など「穏健な反体制派」がアターリブ軍事評議会を結成した。

アターリブ軍事評議会に参加した武装集団は以下の通り:

Kull-na Shuraka', July 14, 2014
Kull-na Shuraka’, July 14, 2014

1. ハズム運動

2. アムジャード・イスラーム旅団

3. シャームの民のヌスラ戦線

4. カリフ制支持者連合

5. アターリブ殉教者旅団

6. ターリク・ブン・ズィヤード旅団

軍事評議会議長には、アフマド・ファッジュ准将が就任した。

AFP, July 14, 2014、AP, July 14, 2014、ARA News, July 14, 2014、Champress, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014、Kull-na Shuraka’, July 14, 2014、al-Mada Press, July 14, 2014、Naharnet, July 14, 2014、NNA, July 14, 2014、Reuters, July 14, 2014、SANA, July 14, 2014、UPI, July 14, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月13日追記)

シリア人権監視団は、13日に発生したシリア領内からイスラエル占領下のゴラン高原への迫撃砲発射への報復としてイスラエル軍が行った報復空爆に関して、バアス市のクナイトラ県知事邸などが標的となり、4人が死亡、10人が負傷したが、犠牲者が民間人か軍人かは定かでない、と発表した。

同監視団によると、イスラエル軍による報復空爆で、第90旅団基地も標的になり、人的被害が発生したという。

またイスラエル軍による報復空爆と前後して、ジャッバー・ガルバー村近郊、西サムダーニーヤ村周辺でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦し、武装集団がシャッアール丘に終結していたシリア軍部隊を砲撃したという。

al-Hayat, July 16, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年7月13日)

ARA News(7月14日付)によると、トルコのカフラマンマラシュ市で、シリア人避難民の追放をトルコ政府に求めるデモが行われ、住民数百人が参加した。

ARA News, July 14, 2014
ARA News, July 14, 2014

同報道によると、デモ参加者はその後暴徒化、警察によって強制排除された。

これに関してガズィアンテップ市で活動するシリア記者連合メンバーのイスマーイール・ハティーブ氏はARA Newsに対し「こうしたデモや騒ぎは、一部のシリア人が自分の国にいないことを理解していないために悪化している…。彼らは法律を守らねばならない。一方、一部のトルコ人、とりわけ野党勢力も、こうした過ちを反政府運動に利用しようとしている」と述べた。

ARA News, July 14, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)の動き(2014年7月13日追記)

AFP(7月14日付)は、複数の目撃者や医療筋の話として、アンバール県カーイム市で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が、シリア人避難民4人を射殺したと報じた。

目撃者によると、戦闘員は「こいつらはシリア政府の手先でスパイだ」と声を上げて、避難民を射殺したという。

AFP, July 14, 2014をもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月13日追記)

シリア人権監視団は、13日早朝から深夜にかけて、ラアス・マアッラ町とレバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村間の無人地帯で、シリア軍を支援するヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が早朝から深夜にかけて激しく交戦、ヒズブッラー戦闘員7人が死亡、13人が負傷したと発表した。

ヌスラ戦線側も9人が死亡、23人が負傷、14人がヒズブッラー戦闘員に捕捉されたという。

al-Hayat, July 15, 2014、Naharnet, July 14, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月13日追記)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市の空港街道で、アレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区の反体制活動家2人の遺体が発見された。

ARA News(7月13日付)によると、発見されたのはANN(アレッポ・ニュース・ネットワーク)記者のウマル・バスラ氏、ハナーヌー革命評議会メンバーのワッダーフ・バクリー氏。

またアレッポ中央刑務所周辺で、軍、国防隊が、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、ARA News(7月14日付)によると、マイダーン地区の軍検問所近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、兵士5人が死亡、10人が負傷した。

ARA News, July 14, 2014、al-Hayat, July 15, 2014などをもとに作成。

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米国による「穏健な反対武装集団」支援(2014年7月13日)

ヨルダンのムハンマド・ムーマニー情報通信担当国務大臣(内閣報道官)はプレス向け声明で「アンマンはシリア情勢への不干渉を順守し、これまでも、そしてこれからもヨルダン領内でシリア人反体制活動家の教練は行わない」と発表した。

この発表は、ロイター通信(7月12日付)が、複数の米高官筋の話として、ヨルダンが1年以上前から、シリアの反体制武装集団に属する戦闘員の秘密教練を誘致してきたと報じたことを受けたもの。

これらの高官によると、ヨルダンは、米国の監督下でシリアの反体制武装集団戦闘員の教練プログラムを拡大することを拒否しているが、1年以上前から、CIAによる秘密教練を誘致してきたという。

また自由シリア軍の司令官の一人アリー・リファーイー氏は『ハヤート』(7月14日付)に対して、米国による教練の目的が、シリア南部で台頭するジハード主義勢力に変わる武装集団を育成することにある、としたうえで、「ヨルダンは自国領内で小規模の秘密教練プログラムが行われることに合意していた。昨年には、約3,000人のシリア人戦闘員が簡単な教練を受けたが、それは軽火器の使用などに限られていた…。教練機関は、8~12日程度だった」と証言した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 12, 2014、July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月13日)

シリア国内の動き

イドリブ県では、スマート・ニュース(7月13日付)によると、ビンニシュ市を拠点とするシャーム自由人イスラーム運動がイスラーム戦線各部隊とともに、同市でダーイシュ(イスラーム国)と、ダーイシュに忠誠を誓ったダーウド旅団、シャーム軍などの掃討を開始した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったダーウド旅団がマンビジュ市方面に進軍し、アイン・アラブ市郊外でのダーイシュと西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との戦闘に参加した。

この戦闘で、人民防衛隊の戦闘員12人とダーイシュ戦闘員11人が死亡するとともに、ダーイシュの司令官(エジプトのスエズ市出身の薬剤師)が負傷し、人民防衛隊に捕捉されたとう。

一方、アフタリーン市周辺のハルダーナー村などでは、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュと交戦した。

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ARA News, July 13, 2014
ARA News, July 13, 2014

ダイル・ザウル県では、ARA News(7月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマヤーディーン市ダウワール・ナーディー地区のダーイシュの検問所近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発、市民数十人とダーイシュ戦闘員複数が死傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム戦線(イスラーム軍など)が交戦した。

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ハサカ県では、ARA News(7月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャッダーディー市郊外のジャブサ油田が再稼働させた。

イラク国内の戦況

イラク・バアス党のイッザト・イブラーヒーム・ドゥーリー書記長はインターネットを通じて音声声明を出し、現下のイラクの混乱を「サファビー朝植民地主義に対する革命」を形容するとともに、ダーイシュ(イスラーム国)など、モスル市、ティクリート市制圧に参加した武装集団を「慈愛と誇り」をもって祝福、また「バグダード解放はすぐそこだ」と唱導した。

マダー・プレス(7月13日付)が伝えた。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月13日付)によると、ティクリート市南部のダルーイーヤ郡とバラド市を結ぶ橋で爆弾を仕掛けた車を爆破させ、橋を破壊した。

またダルーイーヤ郡の警察部隊と住民がダーイシュの襲撃に応戦し、ダーイシュ戦闘員10人が死傷した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月13日付)によると、ハディーサ郡で、治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員13人が死亡、治安部隊隊員6人が死傷した。

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イラク軍総司令部報道官のカースィム・アター大将は記者会見で、サラーフッディーン県、アンバール県、ニナワ県などでのイラク軍による掃討作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員41人を殺害、車輌250台を破壊したと発表した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、SMART News, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月13日)

AFP(7月13日付)によると、シリアのダマスカス郊外県カラムーン地方の無人地帯とレバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外の国境未確定地域で、シリア人武装集団とヒズブッラー戦闘員が交戦し、ヒズブッラー戦闘員1人が死亡、12人が負傷、シリア人戦闘員3人が死亡、10人が負傷した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ街道地区、シャッアール地区、アナダーン市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃する一方、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団はシャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カフルサギール村、ブライジュ村に対して戦車などで砲撃を行った。

一方、SANA(7月13日付)によると、アレッポ市マシュハド地区、ハラク地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、タッラト・サウダー村、アイン・ダクナ村、バービース村、ハンダラート・キャンプ、タッル・リフアト市、フライターン市、マーリア市、ダイル・ハーフィル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市西部で、軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月13日付)によると、ラッフーム村、マスアダ村、東サラーム村、カルヤタイン市南部、ワーディ・アイン、ウンム・シャルシューフ村郊外、クサイル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ルーズ・ヒーサ村、ムーリク市各所を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバディーン市・ムライハ市間で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、軍兵士6人が死亡した。

また、ARA News(7月13日付)によると、タッル市で武装集団が住民を襲撃し、2人が死亡、2人が負傷した。

一方、SANA(7月13日付)によると、ザバディーン農場、ジスライン農場、ナシャービーヤ農場、ザマルカー町、アッブ農場、イフラ村・バラダ渓谷街道、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月13日付)によると、サムリーン村、インヒル市、アトマーン村、タファス市、アドワーン村、ジュムーア丘、タッル・アシーラ、タスィール、ダルアー市マンシヤ地区、バジャービジャ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月13日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺、イドリブ市・ビンニシュ市街道、マアッルバリート村、マアッルタバイー村、カフルルーマー村、タッルマナス村、タイバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月13日付)によると、ムガイリーヤ村、ラビーア町、カサブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月13日付)によると、クードナ・ダム近く、アイン・ダルブ村周辺、ウーファーニヤー村、ヤルザン村、ズバイダ村、ラスム・アクラア村、アジュラフ村、カフターニーヤ町、で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 13, 2014、AP, July 13, 2014、ARA News, July 13, 2014、Champress, July 13, 2014、al-Hayat, July 14, 2014、Kull-na Shuraka’, July 13, 2014、al-Mada Press, July 13, 2014、Naharnet, July 13, 2014、NNA, July 13, 2014、Reuters, July 13, 2014、SANA, July 13, 2014、UPI, July 13, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.