シリア軍がシャーム解放機構支配下のイドリブ県を砲撃し、女性3人が死亡、子どもを含む4人が負傷(2019年10月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るジスル・シュグール市近郊のビダーマー町を砲撃し、女性3人が死亡、子どもを含む4人が負傷した。

サルマダー市のガソリン・スタンドで6回にわたり爆発が発生した。

この配給所は、シャーム解放機構が管理していた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がフワイジャ村、ハウワーシュ村、ジスル・バイト・ラース村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はシリア政府支配下のアズィーズィーヤ村を砲撃した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月27日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が、クバイナ丘一帯でシリア軍と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、スフナ市郊外の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍部隊が激しく交戦した。

双方に複数の死傷者が出たとみられるという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、アレッポ県5件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を37件(イドリブ県12件、ラタキア県15件、アレッポ県4件、ハマー県6件)確認した。

AFP, October 25, 2019、ANHA, October 25, 2019、AP, October 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 25, 2019、Reuters, October 25, 2019、SANA, October 25, 2019、SOHR, October 25, 2019、UPI, October 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから373人、ヨルダンから463人の難民が帰国、避難民1人が帰宅(2019年10月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月25日付)を公開し、10月24日に難民836人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは373人(うち女性112人、子供190人)、ヨルダンから帰国したのは463人(うち女性139人、子供236人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は446,851人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者142,869人(うち女性43,199人、子ども73,086人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者303,982人(うち女性91,234人、子ども155,020人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 676,131人(うち女性203,091人、子供345,028人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,287人(うち女性11,217人、子供16,489人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,883人(うち女性393,776人、子供660,255人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 25, 2019をもとに作成。

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ダイル・ザウル県南東部にあるイラン/イスラーム革命防衛隊の拠点複数カ所が爆撃を受ける(2019年10月24日)

ダイル・ザウル県では、バーディヤ24(10月24日付)によると、ユーフラテス川西岸のブーカマール市一帯のイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点複数カ所が爆撃を受けた。

これに関して、ユーフラテス・ポスト(10月24日付)は、北・東シリア自治局支配下のユーフラテス川東岸を、米軍主導の有志連合の戦闘機複数機が低空で旋回、これと合わせて、有志連合と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車列がウマル油田の基地から移動を開始したと伝えた。

移動先は不明。

AFP, October 24, 2019、ANHA, October 24, 2019、AP, October 24, 2019、al-Badiya 24, October 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2019、Euphrates Post, October 24, 2019、Reuters, October 24, 2019、SANA, October 24, 2019、SOHR, October 24, 2019、UPI, October 24, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍のバーリー報道官「政治的関係が正常化した後にシリア軍に加わる用意がある」(2019年10月24日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のムスタファー・バーリー報道官は「シリア民主軍は政治的関係が正常化した後にアサドの軍(シリア軍)に加わる用意がある」と述べた。

バーリー報道官は「シリア国民とそれを構成するすべての集団が互いに和解し合うことができる政治的解決への必要が存在すると信じている。その後に、シリア民主軍はすべての決定に対応する用意がある。それは、シリア軍、第5旅団などどのような名前がつけられていても構わない…、ロシアはシリア危機を解決するためにあらゆる影響力を行使せねばならない。和解のために政治解決する必要がある」と付言した。

リア・ノーヴォスチ(10月24日付)が伝えた。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、記者会見を開き、22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意に基づき、トルコが「平和の泉」作戦の終了を宣言(23日)したことに関して、「シリア民主軍とトルコの間にはいかなる合意はない」としたうえで、「トルコ政府の支援を受けた諸派は攻撃を続けている」と非難した。

アブディー総司令官はまた「米国の制裁はトルコに停戦を強いるうえで重要な役割を果たしていた…。(シリア北東部での停戦の)保障国は、シリア北東部へのトルコの攻撃を停止させるための責任をはたす」べきだと求めた。

AFP, October 24, 2019、ANHA, October 24, 2019、AP, October 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2019、Reuters, October 24, 2019、RIA Novosti, October 24, 2019、SANA, October 24, 2019、SOHR, October 24, 2019、UPI, October 24, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市、アームーダー市の国境地帯をロシア軍と北・東シリア自治局内務治安部隊がパトロール(2019年10月24日)

ハサカ県では、ANHA(10月24日付)によると、ロシア軍憲兵隊の車輌2台が、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の車輌とともに、カーミシュリー市からアームーダー市にいたる国境地帯でパトロール活動を行った。

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アレッポ県では、ANHA(10月24日付)によると、シリア軍の増援部隊が、アイン・アラブ(コバネ)市に新たに到着した。

増援部隊は車輌160台、将兵1,300人からなるという。

AFP, October 24, 2019、ANHA, October 24, 2019、AP, October 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2019、Reuters, October 24, 2019、SANA, October 24, 2019、SOHR, October 24, 2019、UPI, October 24, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県タッル・タムル町近郊でシリア軍がトルコ軍・国民軍と交戦、ラアス・アイン市近郊でもYPG主体のシリア民主軍とトルコ軍・国民軍が交戦(2019年10月24日)

ハサカ県では、SANA(10月24日付)によると、ロシア仲介による人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との合意に基づき、シリア軍部隊が展開していたタッル・タムル町近郊のクーズリーヤ村、タッル・ラバン村を、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が襲撃、シリア軍がこれに応戦した。

また、トルコ軍と国民軍は、ラアス・アイン市近郊のアサディーヤ村、タッル・ズィヤーブ村、サフフ村、ジャヒーマ村を攻撃、シリア民主軍がこれに応戦した。

ザマーン・ワスル(10月24日付)によると、国民軍はシリア民主軍との戦闘の末、マナージール村などを制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある県北部のアズィーズィーヤ村でムウタスィム旅団の司令官の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、司令官を含む複数人が負傷した。

一方、マルアナーズ村に展開する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、トルコ占領下のアアザーズ市を砲撃した。

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ラッカ県では、SANA(10月24日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(10月24日付)によると、トルコの占領下に入ったタッル・アブヤド市の旧文化センター近くで車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民4人が負傷した。

AFP, October 24, 2019、ANHA, October 24, 2019、AP, October 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2019、Reuters, October 24, 2019、SANA, October 24, 2019、SOHR, October 24, 2019、UPI, October 24, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア軍はシャーム解放機構などの支配下にあるラタキア県クバイナ丘一帯を爆撃、イドリブ県へのシリア軍の砲撃で7人死亡(2019年10月24日)

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月24日付)によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるクバイナ丘一帯を爆撃した。

シリア軍ヘリコプターも同地を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊も同地を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構は、カッバーナ村一帯でシリア軍と「イランの民兵」を攻撃、戦車1輌と軍用のブルドーザー1輌を破壊した。

シャーム解放機構によると、この攻撃でヒズブッラーなど「イランの民兵」戦闘員60人以上を殺害したのだという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジスル・シュグール市近郊のジャーヌーディーヤ町のオリーブ市場を砲撃し、住民7人が死亡、7人が負傷した。

シリア軍はまたマアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、カフルサジュナ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(イドリブ県5件、ラタキア県3件、アレッポ県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を25件(イドリブ県9件、ラタキア県4件、アレッポ県2件、ハマー県8件)確認した。

AFP, October 24, 2019、ANHA, October 24, 2019、AP, October 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 24, 2019、Reuters, October 24, 2019、SANA, October 24, 2019、SOHR, October 24, 2019、UPI, October 24, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから475人、ヨルダンから554人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月24日付)を公開し、10月23日に難民1,029人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは475人(うち女性143人、子供242人)、ヨルダンから帰国したのは554人(うち女性166人、子供283人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は446,015人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者142,496人(うち女性43,132人、子ども72,972人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者303,519人(うち女性91,095人、子ども154,784人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 675,295人(うち女性202,885人、子供344,678人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 24, 2019をもとに作成。

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シリアのクルド民族主義運動の重鎮アブドゥルハミード・ダルウィーシュ氏(89歳)が死去(2019年10月24日)

シリアのクルド民族主義運動の重鎮でシリア・クルド進歩民主党書記長を務めてきたアブドゥルハミード・ダルウィーシュ氏が死去した。

シリア・クルド進歩民主党中央委員会の発表によると、生地であるハサカ県ダルバースィーヤ市近郊のルマーニー村で25日に葬儀が行われる。

ダルウィーシュ氏は1930年生まれで、シリアでのクルド民族主義運動の黎明期から活動を主導してきた。

国内で反体制活動を続け、シリア内戦前から政府とクルド民族主義勢力の交渉で主導的役割を果たしてきた。

AFP, October 24, 2019、ANHA, October 24, 2019、AP, October 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2019、Reuters, October 24, 2019、SANA, October 24, 2019、SOHR, October 24, 2019、UPI, October 24, 2019などをもとに作成。

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ヨルダン国境に面するナスィーブ国境通行所が住民の襲撃を受け、アサド大統領の写真が破られ、ヨルダンからの産品が焼かれる(2019年10月23日)

ダルアー県では、HFL(10月23日付)によると、ヨルダン国境に面するナスィーブ国境通行所をナスィーブ村の住民が襲撃し、アサド大統領の写真を破るなどの破壊行為に及んだ。


これを受けて、シリア軍のパトロール部隊が首都ダマスカス方面から破壊され、住民1人を拘束した。

住民は拘束中に暴行を受け、ほどなく釈放され、病院に搬送された。

なお、ヨルダン側のジャービル国境通行所のアッラーウィー・バシャービシャ出荷局長によると、住民の襲撃により、ヨルダン製の商品の一部が消失した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、HFL, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米国にはアサド政権を退陣させる計画はない」(2019年10月23日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は米上院の外交委員会で「米国にはアサド政権を退陣させる計画はない」と述べた。

ジェフリー特使はまた「アサドとは交渉いないが、米国は国連主催の交渉の一員である」と付言した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)対策については、「米国は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と協力を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の復活を阻止する」と述べた。

スプートニク・ニュース(10月23日付)が伝えた。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、Sputnik News, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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プーチン・エルドアン合意に基づきロシア・トルコ軍がアイン・アラブ市で合同パトロールを開始する一方、トルコ占領下のラッカ県で爆発が発生し、3人死亡(2019年10月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍憲兵隊がアイン・アラブ(コバネ)市内でパトロール活動を行った。

パトロール活動は22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意を受けたもの。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がラアス・アイン市近郊のジャーファー村を攻撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦した。

トルコ軍はまた、アアザーズ市近郊のマルアナーズ村を砲撃、バーブ市近郊のハズワーン村一帯ではシリア民主軍と国民軍が交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のスルーク町では、トルコの支援を受ける東部自由人連合の拠点近くで車に仕掛けられた爆弾し、3人が死亡、18人が負傷した。

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ハサカ県では、SANA(10月23日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の撤退が予定されているカーミシュリー市で自動車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

また北・東シリア自治局の支配が継続されるシャッダーディー市でもオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民複数人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意を受けるかたちで、ハサカ市方面に避難していたダルバースィーヤ市住民が帰還を始めた。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領はトルコの侵攻作戦終了を米国によって生み出された結果」と自賛(2019年10月23日)

ドナルド・トランプ米大統領は、ホワイト・ハウスでシリア情勢について演説し、「トルコ政府から「シリアでの攻撃を停止し、停戦を恒久的なものとする」との連絡があった」と述べ、トルコが一時的に停止してきたシリア北東部に対する侵攻作戦(「平和の泉」作戦)の終了を通知してきたと明らかにした。

トランプ大統領はこれに関して、「停戦は米国によって生み出された結果だ」と自賛、トルコへの制裁を解除すると付言した。

トランプ大統領はまた、ツイッターの公式アカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/ へのリンク)で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官と電話会談を行い、謝意を示されたとしたうえで、「アブディー総司令官の温かい言葉と勇気に感謝する。クルド人によろしく伝えて欲しい。すぐに会えることを楽しみしている」と綴った。

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AFP(10月23日付)は、米政府高官の話として、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米政府に、シリア北東部の「安全地帯」設置予定地域から撤退したことを通知してきたと伝えた。

同高官によると、シリア民主軍は、トルコと米国の合意に従って所定の地域から撤退したという。

またフッラ・チャンネル(10月23日付)は、米政府匿名高官の話として、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官が、米国に対してダーイシュ(イスラーム国)との戦いでの支援の継続を要請したと伝えた。

AFP, October 23, 2019、Alhurra, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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トルコ国防省は、ロシア、さらには米国との合意を受けてシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦を終了したと発表(2019年10月23日)

トルコ国防省は声明を出し、10月9日に開始したシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦を終了すると発表した。

声明において、国防省は「シリアにかかるトルコとロシアの合意に従い、新たな軍事作戦を行う必要はなくなった。両国間で協同の努力が始められることになる」と表明した。

また、「10月17日にトルコと米国はユーフラテス川東岸にかかる合意を交わし、これに従い、「平和の泉」作戦が120時間中止された…。米国は猶予期間が終わりに、クルディスタン労働者党(PKK)/人民防衛隊(YPG)のこの地域からの撤退プロセスを完了したと発表した。ソチでのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とロシアのヴラジミール・プーチン大統領の10月22日の合意を踏まえて、今日からロシアとの協同の取り組みが始められる」と付言した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省はプーチン・エルドアン合意に基づくシリアの新たな勢力地図を公開するとともに、シリア軍が国境地帯に15の監視所を設置すると発表(2019年10月23日)

ロシア国防省は、インターネットの公式サイト(http://mil.ru/index.htm)を通じて、22日のロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の合意に基づいたシリアの新たな勢力図を発表した。

地図には、トルコが「平和の泉」作戦で占領下地域(ハサカ県ラアス・アイン市からタッル・アブヤド市にいたる幅30キロの地域)、ロシア・トルコ軍が合同パトロールを行う幅10キロの地域の境界線、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が撤退し、シリア軍が代わって展開する幅30キロの地域の境界線が書かれている。

ロシア国防省はまた、シリア軍が国境地帯に15の監視所を設置することを決定したと発表、その位置も地図で示した。


プーチン大統領とエルドアン大統領の合意内容は「ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は「平和の泉」作戦地域以外からのYPGの撤退、シリア・ロシア軍の展開など10項目を合意(2019年10月22日)」を参照のこと。

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SANA(10月23日付)は、ハサカ県のユーフラテス川東岸(ジャズィーラ地方)へのシリア軍の展開が続いたと伝え、その写真、映像を公開した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるイドリブ県を爆撃(2019年10月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構などの支配下にあるカフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、ジャバーラー村を爆撃した。

シリア軍地上部隊もカフルサジュナ村、ラカーヤー村、タッル・ナール村、タッフ村、バーブーリーン村、スィフヤーン村、ウンム・ジャラール村、マアッラト・ハルマ村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構はサッバーギーヤ農場、カフルヤルドゥーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がラスィーフ村、アズィーズィーヤ村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊が同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーン・トゥーマーン村、ハラサ村、ハミーラ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を27件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認した。

AFP, October 23, 2019、ANHA, October 23, 2019、AP, October 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 23, 2019、Reuters, October 23, 2019、SANA, October 23, 2019、SOHR, October 23, 2019、UPI, October 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから412人、ヨルダンから438人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月23日付)を公開し、10月22日に難民850人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは412人(うち女性123人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは438人(うち女性131人、子供223人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は444,986人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者142,021人(うち女性42,989人、子ども72,730人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者302,965人(うち女性90,929人、子ども154,501人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 674,266人(うち女性202,576人、子供344,153人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 23, 2019をもとに作成。

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アサド大統領は、イドリブ県南部のフバイト村一帯などの前線を視察「イドリブはトルコの前哨地であるがゆえにきわめて重要だ。シリア北東部の戦闘は、軍を分断するのが狙いだ。イドリブでの戦いを決着させることがシリア全土における混乱とテロを終わらせる礎になる」(2019年10月22日)

アサド大統領は、イドリブ県南部のフバイト村一帯やハマー県北部の前線を視察し、将兵らと面談した。

視察には、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ国防大臣やシリア軍司令官が同行した。

アサド大統領は次のようにトルコを批判し、前線の将兵を鼓舞した。

「(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)は盗人だ。工場、穀物、石油をこれまでに盗み、今度は領土を盗もうとしている…。イドリブ前線は、彼ら(トルコ)にとっての前哨地であるがゆえにきわめて重要だ。一方、東部(シリア北東部)での戦闘は、軍を分断するのが狙いだ…。だから、我々はいつも、イドリブでの戦いを決着させることがシリア全土における混乱とテロを終わらせる礎になると考えている」。

また、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍や北・東シリア自治局を主導する民主統一党(PYD)については次のように述べて非難した。

「攻撃や盗みに直面したら、互いに支え合い、連携し合わなければならない。だが、一部のシリア人は、とくに戦争勃発後最初の数年間、そうしなかった。我々は彼ら(クルド民族主義勢力)に「外国ではなく、軍、人民、そして祖国に賭けろ」と言ってきた。だが、呼びかけへの応えはなく、彼らは米国に賭けるようになった…。彼らは反逆し、領土を手渡した…。彼らが戦い、防衛にあたっているという美談を長年にわたって耳にしてきたが、我々が最近になって目にしているのは、彼らが支配しているとされる地域の大部分を、トルコが米国の計画に沿って数日で制圧しているという事態だ」。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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ロイター通信:シリア・トルコ政府が秘密裏に直接・間接の接触を続ける(2019年10月22日)

ロイター通信(10月22日付)は、トルコ治安当局高官の話として、シリア政府とトルコ政府が秘密裏に直接・間接の接触をとっていることを明らかにした。

この高官は「我々は戦場で問題が生じるのを避けるため、以前から軍事・諜報関連の問題にかかる連絡をアサド政権ととっている」と述べた。

この高官によると、両国政府の最初の接触は、シリア・ロシア軍がイドリブ県への攻撃を激化させた数ヶ月前に行われ、シリア北東部での情勢について意見が交わされたという。

ただし、この接触はトルコによる「平和の泉」作戦とは無関係だったという。

両国政府の接触は多くの場合、ロシアを経由して行われているが、両軍の対立を回避するために直接連絡をとり合うこともあるという。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は「平和の泉」作戦地域以外からのYPGの撤退、シリア・ロシア軍の展開など10項目を合意(2019年10月22日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアの避暑地ソチで首脳会談を行い、シリア情勢、とりわけトルコが侵攻中のシリア北東部への対応について協議した。

会談は、両国の外務大臣、国防大臣らも交えたかたちで6時間にわたり行われた。

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会談後、両首脳は共同記者会見を開き、以下10点を合意したと発表した。

1. 両国は、シリアの地理的・政治的統合の保持とトルコの国家安全保障の防衛を遵守する。
2. 両国は、シリア領内であらゆるテロと戦い、分離主義計画を阻止する。
3. 「平和の泉」作戦が実施されているラッカ県タッル・アブヤド市からハサカ県ラアス・アイン市にいたる幅32キロの地域の現状を維持する。
4. 両国は、アダナ合意の重要性を確認し、ロシアは現状を踏まえたかたちでの同合意の実施をめざす。
5. 10月23日12:00から、ロシア軍憲兵隊とシリア軍国境警備隊がシリア・トルコ国境のシリア領側に展開し、トルコ国境から30キロ以内の地域からの人民防衛隊(YPG)の撤退を促す。展開地域からは「平和の泉」作戦が実施されている上記地域は除く。YPGの撤退は150時間以内に完了する。合わせて、「平和の泉」作戦が実施されている上記地域の東西地域のうち、ハサカ県カーミシュリー市を除く幅10キロの地域で、トルコとロシアが合同パトロールを開始する。
6. YPGは部隊と武器をアレッポ県マンビジュ市、タッル・リフアト市から完全に撤退させる。
7. 両国は、テロリスト潜入を阻止するために必要な措置を講じる。
8. 難民の自発的且つ安全な帰還を促すための合同の努力を行う。
9. この文書の実施を監視・検証するための合同の仕組みを構築する。
10. 両国は、アスタナ合意の枠組みのなかで、シリア紛争の持続的な政治解決に向けて協業し、憲法委員会の設置を支持する。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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シリア北東部へのシリア軍の展開と米英仏軍の撤退は続く、YPGのドイツ人戦闘員が死亡(2019年10月22日)

トルコ軍が反体制武装集団の国民軍とともに開始したシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦は13日目に入り、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ県タッル・アブヤド市からハサカ県ラアス・アイン市にいたる地域からの撤退を続ける一方、シリア軍が北・東シリア自治局支配地域への展開を続けた。

トルコ軍、国民軍とシリア民主軍、シリア軍の戦闘は小康状態が続いた。

SANA(10月22日付)によると、シリア軍部隊は、ハサカ県北西部のクーズリーヤ・シュワイシュ村、ヌーファリーヤ村、マハッル村、バドラーン村、フザーム村、カフファ・マラーティー村、ドゥバイブ村、シュワイシュ村、アルカーナ村、ウンム・ラバン村、ワースィタ村に新たに展開した。

https://youtu.be/4OZh_tpjbho

シリア人権監視団によると、「平和の泉」作戦が開始されて以降の死者数は、シリア民主軍戦闘員が275人、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員が196人、トルコ軍兵士が10人。

また、民間人120人が死亡、30万人が戦闘地域から避難したという。

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ハサカ県では、SANA(10月22日付)によると、ダイリーク(マーリキーヤ)市近郊のルハイバ村の航空基地に駐留していた米軍、英軍、フランス軍がスィーマルカー国境通行所を経由してイラク領内に撤退した。

また、ヒルバト・アンダーン村に駐留していた米軍とフランス軍の兵士約30人もこれに先立ち、イラク領内に撤退した。

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ユーフラテス・ポスト(10月22日付)によると、人民防衛隊(YPG)に参加していた「ヘヴァル・アンドーク」(Heval Andok)を名乗るドイツ人戦闘員が、ハサカ県ラアス・アイン市一帯でのトルコ軍との戦闘で死亡した。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Euphrates Post, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県などでシリア軍と反体制派の散発的戦闘続く(2019年10月22日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがシャーム解放機構などの支配下にあるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊が同地を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラカーヤー・サジュナ村、ハーン・シャイフーン市、サッバーギーヤ農場、ウライニバ村、ウンム・スィール村、ナキール村、トゥラムラー村、ハッサーナ村、バアルブー村、ストゥーフ・ダイル村、シャイフ・ムスタファー村、ラカーヤー村、マアッルズィーター村、ジャバーラー村、マアッラト・スィーン村、ハザーリーン村、カフルナブル市、ヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、マウカ村、アーミリーヤ村、タッフ村、ウンム・ジャラール村、サーリヒーヤ村、マアッラト・ハルマ村などを砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフワイズ村、ハウワーシュ村、フワイジャ村、ヒルバト・ナークース村、サルマーニーヤ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアウラム・クブラー町を砲撃した。

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ダルアー県では、ダルアー24(10月22日付)によると、サナマイン市で「サナマイン革命家」を名乗る武装集団がシリア軍兵士を襲撃、1人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を17件(イドリブ県6件、ラタキア県5件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県2件、ハマー県7件)確認した。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、Dar’a 24, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領は「平和の泉」作戦を非難したイランに反論(2019年10月22日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシアの避暑地ソチに向かう前に首都アンカラで記者会見を開き、そのなかで「平和の泉」作戦を批判したイランに反論した。

エルドアン大統領は「イラン政府内に「平和の泉」作戦を不愉快なかたちで批判し、トルコ首脳を不快にさせている者がいる。ハサン・ロウハーニー大統領はこうした者が話しをするのを阻止すべきだ」と述べた。

AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから399人、ヨルダンから427人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月22日付)を公開し、10月21日に難民826人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは399人(うち女性120人、子供204人)、ヨルダンから帰国したのは427人(うち女性128人、子供218人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は444,136人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者141,609人(うち女性42,745人、子ども72,316人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者302,527人(うち女性90,798人、子ども154,278人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 673,416人(うち女性146,056人、子供248,090人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 22, 2019をもとに作成。

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シリア北東部から撤退する米軍部隊に住民、子供たちが投石し不満を露わに(2019年10月21日)

シリア・テレビ(10月21日付)は、シリア北東部から撤退する米軍の車列に住民が石を投げて不快感を示す映像を放映し、活動家らがSNSを通じてこれを拡散した。

映像はシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県カーミシュリー市で21日に撮影されたと思われるもので、活動家らによると、投石を行ったのは、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を支持する市民だという。

別の映像では、子供たちが車に投げている。

投石を受けた部隊は、スィーマルカー国境通行所に向かって移動を続けた。

https://www.facebook.com/alwatan.sy/videos/544014573030170/

 

AFP, October 21, 2019、ANHA, October 21, 2019、AP, October 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2019、Reuters, October 21, 2019、SANA, October 21, 2019、SOHR, October 21, 2019、UPI, October 21, 2019などをもとに作成。

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イラン外務省報道官はシリア北東部にトルコが監視所を設置することを拒否(2019年10月21日)

イラン外務省のアッバース・ムーサヴィー報道官は記者会見で、トルコによるシリア北東部への侵攻作戦(「平和の泉」作戦)を拒否すると述べた。

ムーサヴィー報道官は「我々はトルコ政府がシリア領内に軍事拠点を設置することに反対している…。外交手段によって問題を解決しなければならない。シリアの領土保全を尊重しなければならない」と述べた。

そのうえで「我々はトルコが軍事作戦に際して人道上の問題を擁護することを願っている。我あれはすでに署名された合意を遵守することのなかに解決策があると考えている」と付言した。

AFP, October 21, 2019、ANHA, October 21, 2019、AP, October 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2019、Reuters, October 21, 2019、SANA, October 21, 2019、SOHR, October 21, 2019、UPI, October 21, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領「ヨルダンやイスラエルの国境近くに米軍展開させる。また別の部隊が石油を守る」(2019年10月21日)

ドナルド・トランプ米大統領は、シリア領内に一定数の米軍部隊を駐留させ続けると述べた。

AFP(10月21日付)によると、トランプ大統領は「一定数の米軍部隊を、これまでとはまったく異なった場所、ヨルダンやイスラエルの国境近くに展開させることになる…。また、これは別の部隊も駐留させ、石油の防衛にあたる」と述べた。

トランプ大統領はまた「私はいつもこう言ってきた。我々が撤退する場合でも、石油は守ろうと…。米国は有数の石油企業の一つを派遣し、これを正しく行う」と付言した。

AFP, October 21, 2019、ANHA, October 21, 2019、AP, October 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2019、Reuters, October 21, 2019、SANA, October 21, 2019、SOHR, October 21, 2019、UPI, October 21, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍顧問団がYPG主体のシリア民主軍との協議のためハサカ県カーミシュリー市に到着(2019年10月21日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍顧問団がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県カーミシュリー市の国際空港(シリア政府管理)に到着した。

顧問団は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の幹部との会合を予定している。

AFP, October 21, 2019、ANHA, October 21, 2019、AP, October 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2019、Reuters, October 21, 2019、SANA, October 21, 2019、SOHR, October 21, 2019、UPI, October 21, 2019などをもとに作成。

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シリア軍とYPG主体のシリア民主軍がカーミシュリー市北辺の対トルコ国境地帯、ダルバースィーヤ市一帯で合同パトロール(2019年10月21日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がカーミシュリー市北辺の対トルコ国境地帯、ダルバースィーヤ市一帯で合同パトロールを行った。

一方、ダルバースィーヤ市では住民多数がハサカ市方面に向けて避難を開始した。

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SANA(10月22日付)は、シリア軍地上部隊が、ロシア仲介によるシリア政府と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の合意に従い、アレッポ県マンビジュ市郊外、ラッカ県、ハサカ県各所への展開を続けたと伝え、写真や映像を公開した。

https://youtu.be/vN6NRP2YrVw

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がシュハイル村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の検問所を襲撃した。

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トルコ軍はラアス・アイン市南に位置するサーリハ村に監視所を設置(2019年10月21日)

トルコ軍が反体制武装集団の国民軍とともに開始したシリア北東部への侵攻作戦「平和の泉」作戦は12日目に入り、トルコ軍はハサカ県タッル・タムル町一帯、ラアス・アイン市一帯、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯、アイン・イーサー市一帯、アレッポ県アイン・アラブ市一帯などへの爆撃・砲撃を続け、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

トルコ軍はラアス・アイン市(20日に人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が完全撤退)の南に位置するサーリハ村に監視所を設置した。


シリア人権監視団によると、「平和の泉」作戦が開始されて以降の死者数は、シリア民主軍戦闘員が266人、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員が196人、トルコ軍兵士が10人。

また、民間人120人が死亡、30万人が戦闘地域から避難したという。

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