シリア軍がタンフ国境通行所(ヒムス県)から撤退、ダーイシュ(イスラーム国)が同地を掌握(2015年5月22日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府がイラク国境に位置するタンフ国境通行所から撤退したのを受け、ダーイシュ(イスラーム国)が同国境通行所を制圧した。

タンフ国境通行所に面するイラク側のワリード国境通行所は、ダーイシュの攻撃を受けすでに閉鎖されていた。

これにより、シリア・イラク国境の通行所は、西クルディスタン移行期民政局が管理するヤアルビーヤ国境通行所を除いて、ダーイシュの支配下に入り、シリア政府はレバノン国境の国境通行所(6カ所)とハサカ県のカーミシュリー市の国境通行所を保持するのみとなった。

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なお、シリアと周辺諸国を結ぶ国境通行所の管理・支配状況は以下の通り。

1. 対ヨルダン国境

ナスィーブ・ジャービル国境通行所(ダルアー県):ヌスラ戦線、「自由シリア軍」南部戦線などが2015年4月に制圧。

ダルアー(旧税関局)・ラムサー国境通行所(ダルアー県):ジハード主義武装集団が2013年11月に制圧。

2. 対イラク国境

ヤアルビーヤ・ラビーア国境通行所(ハサカ県):2012年7月に「自由シリア軍」が制圧、その後シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が争奪戦を繰り広げ、2014年10月以降は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが管理。

ブーカマール・カーイム国境通行所(ハサカ県):2012年11月に「自由シリア軍」が制圧、その後2014年7月にダーイシュ(イスラーム国)が掌握。

タンフ・ワリード国境通行所(ヒムス県):ダーイシュが2015年5月22日に制圧。またイラク側のワリード国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け閉鎖。

3. 対トルコ国境

カサブ・ヤイラダーウ国境通行所(ラタキア県):シリア側のカサブ国境通行所はシリア政府が掌握しているが、トルコ側のヤイラダーウ国境通行所は閉鎖。

バーブ・ハワー・ジルヴェギョズ国境通行所(イドリブ県):シリア側のバーブ・ハワー国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

バーブ・サラーマ・オンジュプナル(アレッポ県):シリア側のバーブ・サラーマ国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

ジャラーブルス・カルカムシュ国境通行所(アレッポ県):シリア側のジャラーブルス国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

アイン・アラブ・ミュルシトプナル国境通行所(アレッポ県):シリア側のアイン・アラブ国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

タッル・アブヤド・アクチャカレ国境通行所(ラッカ県):シリア側のタッル・アブヤド国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

ラアス・アイン・ジェイランプナル国境通行所(ハサカ県):シリア側のラアス・アイン国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

カーミシュリー・ヌサイビン国境通行所(ハサカ県):シリア側のカーミシュリー国境通行所はシリア政府が管理し、国連の人道支援物資を搬入するために使用。

アイン・ディーワール・ジズレ国境通行所(ハサカ県):シリア側のアイン・ディーワール国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

4. イスラエル占領下のゴラン高原

クナイトラ通行所:2014年8月にシャームの民のヌスラ戦線が制圧。

5. 対レバノン国境

ジュダイダト・ヤーブース・マスナア国境通行所(ダマスカス郊外県):シリア政府が管理。

ジュースィーヤ・カーラ国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

タッルカラフ国境通行所(ヒムス県):反体制武装集団がタッルカラフ市一帯を制圧。

ジスル・カマール・ワーディー・ハーリド国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

ダブースィーヤ・ウブーディヤ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

タルトゥース・アリーダ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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米ホワイトハウス報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧を有志連合の「挫折」と認める(2015年5月21日)

米ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧に関して、米国が主導する有志連合の「挫折」(setback)だと認める一方、バラク・オバマ米大統領が、ダーイシュ掃討のための地上部隊投入を求める共和党議員の要求に同意することはないと述べた。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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有志連合を指揮するテリー米陸軍中将は、シリア、イラクでの爆撃で民間人が死亡していたと初めて認める(2015年5月21日)

有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦を指揮するジェームズ・テリー米陸軍中将は声明を出し、2014年11月にシリアのイドリブ県ハーリム市一帯のイスラーム過激派に対して行った空爆で子供2人が死亡していたと認め、「意図せず人命を奪ったことを遺憾に思う」と表明した。

米国が空爆による民間人殺害を認めたのはこれが初めて。

なお、この空爆がホラサンの戦闘員を標的としてたものか否かなどについて、声明では触れられていない。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動司令官が有志連合によるヌスラ戦線拠点への爆撃を「アサドとバグダーディーの悪党ども以外の誰のためにもならない」と批判(2015年5月21日)

アル=カーイダ系組織シャーム自由人イスラーム運動のアブー・ジャービル・シャイフ司令官は、アレッポ県タワーマ村とイドリブ県ザーウィヤ山地内のシャームの民のヌスラ戦線拠点に対する有志連合の空爆(20日)に関して、ツイッターで「アサドとバグダーディーの悪党ども以外の誰のためにもならない」と批判した。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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ボグダノフ外務副大臣「米国はアサド政権の代わりがないことを理解した」(2015年5月21日)

RT(5月21日付)によると、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は記者団に対し「米政権はあることを理解した。それは現時点において、アサド大統領と現シリア政府の代わりはないということだ。代わりとしているのは、過激派、テロリスト、そしてダーイシュ(イスラーム国)だ」と述べた。

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、RT, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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トルコ大統領府報道官「ダーイシュ(イスラーム国)のシリアでの攻勢はシリア政府に資する」(2015年5月21日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)のシリア国内での攻勢に関して「シリア政府の利益に資する」と述べた。

カルン報道官はまた、記者会見で「シリアの危機は新たな進展を見せている…。トルコは「穏健な反体制派」のための教練プログラムを実施するために米国とともに行動する…。プログラムは現在実施中で、その成果は近い将来に現れるだろう」と述べた。

ARA News(5月21日付)が伝えた。

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を含むタドムル市一帯を制圧(2015年5月21日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダドムル市全域および同市南西部に位置するUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡にダーイシュ(イスラーム国)が展開した。

これに関して、AFP(5月21日付)は、ムハンマド・ハサン・ヒムスィーを名乗るタドムル市出身の活動家の話として、シリア軍は、ダーイシュの侵入に抵抗することなく、ほとんどの拠点から撤退したと伝えた。

ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州もツイッターを通じて、「イスラーム国のムジャーヒディーンがタドムル市を完全制圧し…、ヌサイリー体制軍は崩壊し、多くの死者を残して撤退した」と発表した。

Reuters, May 21, 2015
Reuters, May 21, 2015
SANA, May 21, 2015
SANA, May 21, 2015

SANAも、5月20日に「国防隊は、住民の大多数の避難経路を確保しつつタドムル市内の複数の地区から撤退した」と伝えていた。

『ハヤート』(5月22日付)によると、ダーイシュは、20日昼にタドムル市への突入に成功したのを受け、シリア軍は、拠点としていた市内東部に位置するタドムル刑務所、タドムル航空基地、西部に位置する軍事情報局から撤退、21日夜にダーイシュは軍事情報局を掌握した。

またクッルナー・シュラカー(5月21日付)によると、ダーイシュはタドムル市に加えて、同市東部の第3石油輸送ステーション(T3)、ジャズル・ガス採掘所周辺のシリア軍検問所5カ所、フルクルス町を制圧、これに対してシリア軍はダーイシュによって制圧されたタドムル市に対して激しい空爆を行った。

シリア人権監視団によると、タドムル市一帯に駐留していたシリア軍部隊は、ヒムス市方面に撤退、また住民の一部もヒムス市に向かって避難しているという。

同監視団によると、13日に始まったタドムル市一帯での戦闘による死者数は462人に達しているという。

このうち71人が民間人で、そのなかの49人がダーイシュによって斬首され、死亡したという。

またシリア軍、国防隊の死者は241人、ダーイシュ戦闘員の死者は150人におよぶという。

ダーイシュによるタドムル市制圧により、シリア政府・軍は、S1航空基地、S2航空基地、タイフール航空基地など複数の拠点を除くダマスカス県とダイル・ザウル市を結ぶ国際幹線道路一帯の地域の大部分を喪失したことになる。

なお、ダーイシュが制圧したタドムル刑務所には、35年にわたり拘留されているレバノン人35人を含む受刑者多数が収監されていたが、『ハヤート』(5月22日付)によると、彼らの消息は不明。

しかし、タドムル情報センターを名乗る組織は、シリア当局がタドムル刑務所や軍事情報局の収監者を別の施設に移送しており、ダーイシュが突入した際に両施設には誰もいなかったと主張している。

パルミラ遺跡はシリアにある6つのUNESCO世界文化遺産の一つ。

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シリア博物館遺跡局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長は、AFP(5月21日付)に「遺憾ながら、タドムルは今日、テロ集団ダーイシュに掌握されてしまった。これは全人類、そして世界の文明にとっての損失だ…。同市は残念ながら人質になってしまった」と述べた。

アブドゥルカリーム局長はそのうえで「国際社会にこれ以上無関心を続けないよう訴えたい。無関心はもう充分だ。シリアの遺産は人類の遺産であり、国際社会はこの遺産への破壊、密売を阻止するために行動しなければならない」と主張した。

また「タドムルの戦いは世界的な戦いだ…。世界のすべての国、ダーイシュの車列や大群が同市に進軍するのを阻止しなければならなかった」と述べ、タドムル市へのダーイシュ侵攻に介入しなかった有志連合を暗に批判した。

一方、パルミラ遺跡やタドムル国立博物館所蔵の彫像など数百点を安全な場所に移したが、移設できない石柱などはそのまま残されていることを明らかにした。

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ハサカ県では、ARA News(5月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊がタッル・タムル市郊外のタッル・シャーミーラーン村、ギーブシュ村、タッル・ナスリー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地一帯を奪還した。

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アレッポ県では、ARA News(5月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アイン・アラブ市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、司令官(アミール)のアブー・ジャービル・アンサーリー氏を殺害した。

また、ARA News(5月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマンビジュ市で、56人を処刑した。

一方、SANA(5月21日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シリア政府内通者、自由シリア軍メンバー、シャームの民のヌスラ戦線メンバー併せて9人を処刑した。

一方、ユーチューブ上で、ダーイシュのメンバーがアブー・ハマーム市でシュアイタート部族の男性をRPGで処刑する映像が公開された。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の20日8時から21日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ハサカ県、アレッポ県、ラッカ県のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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米国など有志連合が、トルコ、サウジアラビアが支援するとされるアル=カーイダ系組織ヌスラ戦線の拠点を爆撃し、トルコ人戦闘員ら数十人が死亡(2015年5月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米国が主導する有志連合が20日午後、アレッポ市西部に位置するタワーマ村にあるアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線の拠点2カ所を空爆し、ヌスラ戦線の戦闘員15人を殺害した。

殺害された戦闘員のほとんどはトルコ国籍で、空爆はヌスラ戦線が拠点とする村庁舎などに対して行われたという。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)などによると、米国が主導する有志連合が20日晩、ザーウィヤ山地にあるアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を空爆し、ヌスラ戦線戦闘員を含むファトフ軍作戦司令室戦闘員数十人を殺害した。

同報道によると、有志連合はカンスフラ村にあるヌスラ戦線本拠地などを空爆し、殺害した戦闘員のうちの14人がヌスラ戦線だったという。

Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015
Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015
Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015
Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015

 

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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ロシア外務省と国連安保理はダマスカスのロシア大使館への迫撃砲弾着弾を批判(2015年5月20日)

ロシア外務省は「現地時間の5月19日午後15時25分、ダマスカス県内のロシア大使館本舎が迫撃砲弾複数発の攻撃を受けた。迫撃砲弾は、違法な武装集団が占拠するジャウバル区から発射されたと思われる」と発表した。

ロシア外務省によると「そのうちの1発は、我々の外交代表部の正門から15メートルの場所で爆発、別の1発は外壁に命中し、大使館のオフィスに着弾した。幸い、大使館職員に負傷者はなかった」という。

ロシア外務省はそのうえで、「この事件はロシア大使館に対するテロ行為に相当すると考える。我々はこうした行為の実行犯、彼らの組織、そして彼らにこれを命じた者たちを厳しく非難し、国際社会に行動を求める」と強調した。

これを受け、国連安保理は対応を協議、参加国はロシア大使館に対する反体制武装集団の砲撃を相次いで批判した。

5月の安保理議長を務めるリトアニアの国連大使は「外交領事施設保護のため、あらゆる適切な措置を講じる」よう主唱した。

またサマンサ・パワー米国連大使もまた、ロシア大使館への攻撃を非難し、シリアにおける紛争の政治的解決を改めて呼びかけた。

AFP, May 20, 2015、AP, May 20, 2015、ARA News, May 20, 2015、Champress, May 20, 2015、al-Hayat, May 21, 2015、Iraqi News, May 20, 2015、Kull-na Shuraka’, May 20, 2015、al-Mada Press, May 20, 2015、Naharnet, May 20, 2015、NNA, May 20, 2015、Reuters, May 20, 2015、SANA, May 20, 2015、UPI, May 20, 2015などをもとに作成。

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トルコのクルチュダロールCHP党首「トルコ政府はシリアのジハード主義武装集団に武器を供与している」(2015年5月20日)

トルコの野党、共和人民党(CHP)のケマル・クルチュダロール党首は、『ヒュッリイェト』(5月20日付)とのインタビューで、トルコ政府がシリアのジハード主義武装集団に武器を供与していると批判、6月の総選挙で勝利し、政権を獲得した場合、対シリア国境の武器密輸取り締まりを徹底すると述べた。

AFP(5月20日付)が伝えた。


AFP, May 20, 2015、AP, May 20, 2015、ARA News, May 20, 2015、Champress, May 20, 2015、al-Hayat, May 21, 2015、Iraqi News, May 20, 2015、Kull-na Shuraka’, May 20, 2015、al-Mada Press, May 20, 2015、Naharnet, May 20, 2015、NNA, May 20, 2015、Reuters, May 20, 2015、SANA, May 20, 2015、UPI, May 20, 2015などをもとに作成。

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有志連合がYPGとの連携のもと、ハサカ県各所でダーイシュ(イスラーム国)に対して爆撃(2015年5月20日)

シリア人権監視団は、米国が主導する有志連合によるシリア北東部一帯への空爆により、過去48時間で170人のダーイシュ(イスラーム国)メンバーが死亡したと発表した。

有志連合の空爆は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との調整のもと、ハサカ県タッル・タムル市一帯、ジュワーディーヤ村などで集中的に行われたという。

これに関して、ARA News(5月20日付)は、有志連合がシャッダーディー市に対して空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部多数を殺害したと伝えた。

この空爆では、民間人3人も死亡したという。

また、ARA Newsによると、人民防衛隊は、ハサカ市郊外(アブドゥルアズィーズ山一帯)のタッル・タール村、カーヒラ村、サルマーサ村、ダシーシャ村、ダシーシャト・バッカーラ村、ディーバース村、タッル・ハリーファ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地を制圧した。

なお、クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、シリア軍も人民防衛隊と有志連合の攻勢に歩調を合わせるかたちで、ハサカ市南部のシューラー村、シブリー村のダーイシュを放逐、同地を制圧したという。

またSANA(5月20日付)によると、シリア軍と国防隊が、ハサカ市南西部のスーダー村、アブド村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員がハサカ県ジュワーディヤ村にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の徴兵事務所内に進入し、自爆ベルトを爆発させ、人民防衛隊戦闘員6人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシュハイル村で、「トルコの覚醒(評議会)と連携してイスラーム国に敵対」したとの罪で男性3人を処刑した。

処刑された3人は、トルコからダイル・ザウル県に戻ってきた直後に拘束、処刑されたという。

AFP, May 20, 2015、AP, May 20, 2015、ARA News, May 20, 2015、Champress, May 20, 2015、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2015、al-Hayat, May 21, 2015、Iraqi News, May 20, 2015、Kull-na Shuraka’, May 20, 2015、al-Mada Press, May 20, 2015、Naharnet, May 20, 2015、NNA, May 20, 2015、Reuters, May 20, 2015、SANA, May 20, 2015、UPI, May 20, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領がイランのヴェラーヤティー最高指導者顧問一行と会談(2015年5月19日)

アサド大統領は、レバノン・シリアを歴訪中のアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問ら一行とダマスカスで会談し、両国間関係などについて意見を交わした。

SANA(5月19日付)によると、ヴェラーヤティー顧問は「シリアに対して行われている小さな世界大戦は、シリアが抵抗枢軸を結びつける役割を果たしているため」としたうえで、イラン政府および国民によるシリアへの支持、支援とレジスタンスの強化を改めて強調した。

これに対して、アサド大統領は、「イラン・イスラーム共和国によるシリア国民への支援は、テロとの戦いにおける主柱をなしている。これに対して、サウジアラビア、トルコを筆頭とするそれ以外の地域諸国はテロリストを支援している」と答えた。

また「テロ枢軸は国際社会において確固たる地位を得ており、いかなる勢力もこれを無視することはできない。この枢軸におけるもっとも重要な成果とは、核開発問題をめぐるイランの成果である」と賞賛した。

ヴェラーヤティー顧問ら一行はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣らとも個別に会談した。

SANA, May 19, 2015
SANA, May 19, 2015

 

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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「ジュネーブ3」開催に向けたデミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表による個別折衝続く(2015年5月19日)

クッルナー・シュラカー(5月19日付)は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が、シリア政府と反体制派の和平交渉(ジュネーブ3)開催に向けた個別協議を、シリア政府代表、反体制派代表、諸外国代表と行っていると伝え、その写真を掲載した。

写真が公開されたシリア政府および反体制活動家は以下の通り:

フサームッディーン・アーラー駐スイス・シリア大使

ハイサム・マンナーア、ワリード・ブンニー、ハーリド・マハーミード、アブドゥルカーディル・サンカリー(カイロ大会準備委員会)

ルワイユ・フサイン、ムナー・ガーニム(シリア国家建設潮流)

ランダー・カッスィース(多元社会運動)

アマル・サッラージュ(シリア政治研究戦略センター)

サミール・タキー(シャルク・センター)

ハイサム・マーリフ(シリア革命反体制勢力国民連立)

リーム・トゥルクマーニー、ミシェル・シャンマース、イブラーヒーム・ダッラージー、ファーイク・フワイジャ(無所属)

ジハード・マクディスィー(無所属)

カドリー・ジャミール(シリア変革解放人民戦線)

ハサン・アブドゥルアズィーム(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

なお『ハヤート』(5月20日付)は、パリの複数の反体制筋の話として、エジプト政府が5月末に、シリア革命反体制勢力国民連立を主導するシリア・ムスリム同胞団を除く反体制派の代表を招聘し、シリア政府との和平交渉への対応を協議するための大会の開催を準備していると伝えた。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アサド政権の存続につながるようないかなる解決策も拒否するとの姿勢を改めて示した。

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AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)は米特殊部隊の急襲作戦をめぐってメンバー25人以上を逮捕(2015年5月19日)

「ダイル・ザウルは沈黙のうちに惨殺される」(https://www.facebook.com/dierezzore5、5月19日付)は、米特殊部隊「デルタフォース」によるダイル・ザウル県ウマル油田でのダーイシュ(イスラーム国)幹部アブー・サヤーフ氏急襲作戦に関連して、ダーイシュが17日、アブー・サヤーフ氏らを見殺しにしたとの嫌疑により、ウマル油田一帯でメンバー25人以上を逮捕したと伝えた。

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)によるスワイダー県フクフ村の急襲を撃退(2015年5月19日)

スワイダー県では、シリア人権監視団、SANA(5月19日付)などによると、ダーイシュ(イスラーム国)がフクフ村を三方から包囲し、襲撃を試みたが、同村に駐留するシリア軍が周辺の村々からの増援部隊や国防隊の支援を受け、これを撃退した。

この戦闘で、シリア軍兵士・国防隊戦闘員5人、住民(女性)1人が死亡、10人以上が負傷した。

またカスル村一帯でも、シリア軍、国防隊がダーイシュと交戦し、双方に人的被害が出た。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市郊外一帯でシリア軍、国防隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、シリア軍が同地のほか、アーラーク油田一帯を空爆した。

一方、SANA(5月19日付)によると、アーラーク油田周辺、ラサーファ・スフナ市街道、アブー・ハワーディード村、ザイン・バカル村、東サラーム村、ハタムルー村、ヒブラ村、ムシャイリファ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地の包囲を続けるダーイシュ(イスラーム国)が、シリア軍、国防隊と交戦し、シリア軍が同地一帯を空爆した。

一方、SANA(5月19日付)によると、アレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊が、有志連合の空爆による援護を受け、タッル・タムル市南部郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、シャッダーディー市中心部でバイクに仕掛けられた爆弾が爆発し、住民2人が死亡した。

さらに、ARA News(5月19日付)によると、人民防衛隊は、ダーイシュとの戦闘の末、ハサカ市西部に位置するアブドゥルアズィーズ山を制圧した。

一方、SANA(5月19日付)によると、ハサカ市西部に位置するアブドゥルアズィーズ山東方のシューラ村、サフーフ村一帯、ハサカ市北部郊外のキブル・シャーミヤ村で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

このほか、マルクス・レーニン共産党がラアス・アイン市に民兵組織「殉教者サルカーン大隊」の事務所を設置した。

殉教者サルカーン大隊は、ラアス・アイン市郊外で人民防衛隊とともにダーイシュとの戦闘を続けてきた組織で、ドイツ人など多くの外国人を擁しているという。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(5月19日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブー・ウマル村を空爆し、子供6人と女性1人を含む住民8人が死亡した。

AFP, May 19, 2015、AP, May 19, 2015、ARA News, May 19, 2015、Champress, May 19, 2015、al-Hayat, May 20, 2015、Iraqi News, May 19, 2015、Kull-na Shuraka’, May 19, 2015、al-Mada Press, May 19, 2015、Naharnet, May 19, 2015、NNA, May 19, 2015、Reuters, May 19, 2015、SANA, May 19, 2015、UPI, May 19, 2015などをもとに作成。

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トルコ副首相「中東でサイクス・ピコの分割に代わる新たな分割が行われる」(2015年5月18日)

トルコのヌマン・クルトゥルムシュ副首相は、黒海沿岸のオルドゥ市でアラブ諸国など外国メディアの記者らが出席した会見で、サイクス・ピコ条約での分割に代わる新たな分割が中東で行われようとしているとの見方を示した。

クルトゥルムシュ副首相は「(列強)諸国によって画定された国境は歴史的背景に基づくものではなかった…。イラクは今や三つに分かれ、リビアは二つに分かれている。イエメンも同様だ。エジプトは政治的に二つに割れている、シリアは数十に分裂している。アルジェリア、チュニジアは比較的安定している」としたうえで、「100年前の第一次大戦後に国境を画定したサイクス・ピコの分割と同じような新たな分割が行われようとしている」と述べた。

ARA News(5月19日付)が伝えた。

ARA News, May 19, 2015
ARA News, May 19, 2015

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アサド大統領がイラン・シリア経済関係開発委員会使節団と会談(2015年5月18日)

アサド大統領はシリアを訪問中のイラン・シリア経済関係開発委員会のロストム・カーセミー委員長ら使節団と会談し、両国の経済関係などについて意見を交わした。

カーセミー委員長ら一行はまた、ワイール・ハルキー首相とも会談し、両国間の経済関連の合意の活性化の方途などについて協議した。

SANA(5月18日付)が伝えた。

SANA, May 18, 2015
SANA, May 18, 2015

 

AFP, May 18, 2015、AP, May 18, 2015、ARA News, May 18, 2015、Champress, May 18, 2015、al-Hayat, May 19, 2015、Iraqi News, May 18, 2015、Kull-na Shuraka’, May 18, 2015、al-Mada Press, May 18, 2015、Naharnet, May 18, 2015、NNA, May 18, 2015、Reuters, May 18, 2015、SANA, May 18, 2015、UPI, May 18, 2015などをもとに作成。

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米ロ高官がモスクワでシリア情勢への対応を協議(2015年5月18日)

米国務省のダニエル・ロビンスタイン・シリア問題担当特使がロシアを訪問し、ロシア外務省のセルゲイ・ヴェルシヒン中東北アフリカ局長と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

『ハヤート』(5月19日付)が伝えた。

AFP, May 18, 2015、AP, May 18, 2015、ARA News, May 18, 2015、Champress, May 18, 2015、al-Hayat, May 19, 2015、Iraqi News, May 18, 2015、Kull-na Shuraka’, May 18, 2015、al-Mada Press, May 18, 2015、Naharnet, May 18, 2015、NNA, May 18, 2015、Reuters, May 18, 2015、SANA, May 18, 2015、UPI, May 18, 2015などをもとに作成。

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アレッポ市北東部のシャイフ・ナッジャール市郊外の丘陵地帯にダーイシュ(イスラーム国)が進軍し制圧(2015年5月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区東部郊外にダーイシュ(イスラーム国)が進軍し、シリア軍、国防隊、外国人部隊と交戦、反体制消息筋によると、ダーイシュはマクバラ村、ラフマーニーヤ村および同地周辺の丘陵地帯を制圧した。

一方、SANA(5月18日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(5月18日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、有志連合による援護空爆を受け、ラアス・アイン市郊外のウンム・マサーミール・アラブ村、西ウンム・マサーミール村、ハッジーカドリー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

人民防衛隊はまたタッル・タムル市郊外のカーヒラ村からもダーイシュを放逐し、制圧した。

また、シリア人権監視団によると、有志連合がタッル・タムル市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを空爆する一方、タッル・タムル市・ハサカ市間一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍(シャンマル部族の民兵組織)からなる合同部隊がダーイシュと交戦、進軍を続けた。

一方、SANA(5月18日付)によると、シリア軍、国防隊がハサカ市郊外のスィッリーン村に対するダーイシュ(イスラーム国)の侵入を撃退、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内の複数カ所で、激しい戦闘が行われた。

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タドムル市周辺でダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍の交戦が続くなか、ダーイシュが同市近郊の油田を制圧(2015年5月18日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がスフナ市・タドムル市間に位置するアーラーク油田、ハイル油田を、シリア軍、国防隊との交戦の末に制圧した。

この戦闘で、シリア軍兵士・国防隊隊員56人(うち士官9人)が死亡、その一部は斬首により殺害されたという。

これにより、5月13日のダーイシュによるスフナ市、市攻撃以降のシリア軍側の死者数はこれで167人にのぼった。

これに対して、シリア軍は、タドムル市周辺各所のダーイシュ拠点に対して、少なくとも14回にわたって、「樽爆弾」などを使用して空爆を行った。

マサール・プレス(5月18日付)によると、シリア軍の空爆はタドムル市北部郊外のヴィーラート地区などに対して行われ、住民2人が死亡したという。

またダーイシュがタドムル市が撃ったと思われる迫撃砲弾複数発が、タドムル市内の国立博物館近くなどに着弾し、子供2人を含む住民5人が死亡した。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ダーイシュがタドムル市を迫撃砲で集中的に攻撃したのはこれが初めて。

これに対して、AFP(5月18日付)は、シリア治安筋の話として、シリア軍がタドムル市北東部一帯でダーイシュを駆逐、戦闘員らはスフナ市方面に敗走したと伝えた。

Kull-na Shuraka', May 18, 2015
Kull-na Shuraka’, May 18, 2015

一方、SANA(5月18日付)によると、タドムル市周辺、スフナ市・フライヒラ村回廊、アーミリーヤ村北部、サッド検問所一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタドムル市への潜入を試みたダーイシュ戦闘員を撃退、複数を殺傷した。

このほか、ラジャム・カスル村、ヒブラ村、ウンム・サフリージュ村、東サラーム村、ウンム・サフリージュ村、アブー・ハワーディード村、ガジャル・アミーン村、ムシャイリファ村東部丘陵地帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ヒムス県に隣接するマフカル村一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また、SANA(5月18日付)によると、マフカラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 18, 2015、AP, May 18, 2015、ARA News, May 18, 2015、Champress, May 18, 2015、al-Hayat, May 19, 2015、Iraqi News, May 18, 2015、Kull-na Shuraka’, May 18, 2015、al-Mada Press, May 18, 2015、Masar Press Agency, May 18, 2015、Naharnet, May 18, 2015、NNA, May 18, 2015、Reuters, May 18, 2015、SANA, May 18, 2015、UPI, May 18, 2015などをもとに作成。

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トルコとヨルダンでのシリアの「穏健な反体制派」への軍事教練に英軍が85人を派遣(2015年5月17日)

『サンデー・テレグラフ』(5月17日付)は、英国防省の話として、英国がトルコとヨルダンにあるシリアの「穏健な反体制派」を教練するための軍事キャンプに兵士85人を派遣する見込みだと伝えた。

AFP, May 18, 2015、AP, May 18, 2015、ARA News, May 18, 2015、Champress, May 18, 2015、al-Hayat, May 19, 2015、Iraqi News, May 18, 2015、Kull-na Shuraka’, May 18, 2015、al-Mada Press, May 18, 2015、Naharnet, May 18, 2015、NNA, May 18, 2015、Reuters, May 18, 2015、SANA, May 18, 2015、Sunday Telegraph, May 17, 2015、UPI, May 18, 2015などをもとに作成。

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イスラエル元副大臣「イスラエルはシリア領内で活動するジハード主義集団に先制爆撃を行うべきだ」(2015年5月16日)

イスラエルのアイユーブ・カラー元ネゲブ・ガリラヤ地方開発担当副大臣(ドゥルーズ派)は、「イスラエルはシリア領内で活動するジハード主義集団に先制空爆を行うべきだ…。こうした措置がイスラエルの国家安全保障を守るために必要となっている」と述べた。

カラー元大臣は「イスラエルは国境地帯にジハード主義集団が存在することを受け入れられない…。ジハード主義者は今のところイスラエルを標的とはしていない。なぜなら、彼らはアサド政権打倒に専念しているからだ。しかし、(シリアの)政権打倒後の彼らの目標は、イスラエルを標的とすることだ」と付言、「イスラエル軍はシリアのジハード主義者に対して、数日から数週間にわたる先制空爆を実施すべきだ」と力説した。

ARA News(5月17日付)が伝えた。

AFP, May 17, 2015、AP, May 17, 2015、ARA News, May 17, 2015、Champress, May 17, 2015、al-Hayat, May 18, 2015、Iraqi News, May 17, 2015、Kull-na Shuraka’, May 17, 2015、al-Mada Press, May 17, 2015、Naharnet, May 17, 2015、NNA, May 17, 2015、Reuters, May 17, 2015、SANA, May 17, 2015、UPI, May 17, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県でアル=カーイダ系組織と戦うシリア軍にフランス人が従軍か?(2015年5月16日)

スーリーヤート(5月16日付)は、ジスル・シュグール国立病院を包囲する戦闘員の話として、フランス語による無線での会話を傍受、シリア軍にフランス人が参加している可能性があると報じた。

この戦闘員によると、傍受した会話を翻訳した結果、フランス語の話者たちがトポグラフィー(地形学)関連の任務に従事していることが判明したが、彼らが民間人か軍人かは不明だという。

AFP, May 16, 2015、AP, May 16, 2015、ARA News, May 16, 2015、Champress, May 16, 2015、al-Hayat, May 17, 2015、Iraqi News, May 16, 2015、Kull-na Shuraka’, May 16, 2015、al-Mada Press, May 16, 2015、Naharnet, May 16, 2015、NNA, May 16, 2015、Reuters, May 16, 2015、SANA, May 16, 2015、Suriyat, May 16, 2015、UPI, May 16, 2015などをもとに作成。

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トルコ軍戦闘機がシリア軍ヘリコプターを撃墜、トルコがアル=カーイダ系組織を動員しタッル・アブヤド市(ラッカ県)制圧を画策(2015年5月16日)

トルコのイスメト・ユルマズ国防大臣は、トルコ領空に侵入したシリア軍ヘリコプター1機を撃墜したと発表した。

ユルマズ国防大臣によると、このヘリコプターはトルコ領内11キロの地点に約5分間にわたって侵入を続けたため、インジルリク空軍基地所属のトルコ軍のF-16戦闘機がこれを撃墜したという。

一方、複数の活動家は、F-16戦闘機の攻撃を受けたシリア軍ヘリコプターは、トルコ領内ではなくシリア領内、イドリブ県ザルズール村・ハマーマ村間に墜落したとして、その写真をインターネット上で公開した。

これに関して、SANA(5月16日付)は、シリア軍の「無人小型機」が墜落したと伝えた。image0011

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クルド戦線旅団(自由シリア軍)のアフマド・ハッスー報道官はARA News(5月16日付)に対して、トルコがアル=カーイダ系組織戦闘員などを動員して、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるラッカ県タッル・アブヤド市を制圧しようとしたが、失敗に終わったと暴露した。

ハッスー報道官によると、トルコ政府は今年2月、シャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員1,700人からなる「第10師団」を後援し、タッル・アブヤド市からダーイシュの放逐を試み、その後は直接介入を画策し、「トルクメン民政評議会」にタッル・アブヤド市の自治を委任しようとしたが、いずれの計画も頓挫したという。

AFP, May 16, 2015、AP, May 16, 2015、ARA News, May 16, 2015、Champress, May 16, 2015、al-Hayat, May 17, 2015、Iraqi News, May 16, 2015、Kull-na Shuraka’, May 16, 2015、al-Mada Press, May 16, 2015、Naharnet, May 16, 2015、NNA, May 16, 2015、Reuters, May 16, 2015、SANA, May 16, 2015、UPI, May 16, 2015などをもとに作成。

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米特殊部隊がダイル・ザウル県ウマル油田でダーイシュ(イスラーム国)幹部を殺害(2015年5月16日)

米国家安全保障会議(NSC)のベルナディット・メーハン報道官は、イラクに駐留する米特殊部隊「デルタ・フォース」が、ダイル・ザウル県のウマル油田で特殊作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部の一人で、石油の密売などを統括するとされるアブー・サヤーフ氏を含む複数名を殺害し、妻を拘束したと発表した。

『ハヤート』(5月17日付)などによると、デルタ・フォースは、アブー・サヤーフ氏を拘束するため、ウマル油田にヘリコプター複数機で降下しようとしたが、アブー・サヤーフ氏らがヘリコプターに対して発砲したため、殺害、また拘束した妻はイラク領内の刑務所に収監されたという。

メーハン報道官によると、作戦はバラク・オバマ大統領の司令のもと、イラク政府の「完全な同意」を得て実施されたが、シリア政府には事前通告はしなかったという。

しかし、シリアの複数のメディアは、ダイル・ザウル県のウマル油田近くでシリア軍が特殊作戦を行い、石油部門を統括するダーイシュの幹部1人を殺害したと伝えた。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍が行ったとされる空爆により、外国人戦闘員12人とシリア人戦闘員7人が死亡したと発表した。

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アシュトン・カーター米国防長官は16日、米特殊部隊「デルタフォース」がシリア領内でダーイシュ(イスラーム国)の幹部に対する急襲作戦を成功させ、彼らに「手痛い打撃を与えた」ことを明らかにした。

この急襲作戦は、ダイル・ザウル県ウマル油田で行われ、『ウォール・ストリート』がダーイシュの「最高財務責任者」(CFO)と位置づけていたアブー・サヤーフ氏を殺害した。

『ニューヨーク・タイムズ』(5月17日付)によると、作戦は「デルタフォース」隊員約20人が実施。

戦闘ヘリ・ブラックホークや輸送機オスプレイに分乗し、アブー・サヤーフ氏らが潜伏するビル近くに着陸、銃撃線となるなかで、アブー・サヤーフ氏が「女性や子供を人間の盾」にしようとしたが、米軍は銃撃で戦闘員10数人を殺害し、アブー・サヤーフ氏夫妻の一緒にいた部屋に到達したという。

米軍はアブー・サヤーフ氏を拘束しようとしたが、応戦してきたために射殺、妻を拘束するとともに、「奴隷」として扱われていたヤズィード教徒の女性を救出した。

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シリア人権監視団は17日、米特殊部隊「デルタフォース」がダイル・ザウル県ウマル油田で実施した特殊作戦によってダーイシュ(イスラーム国)メンバー32人が殺害されたとしたうえで、アブーサヤーフ氏以外にも、「戦争大臣」と称されるウマル・シーシャーニー氏、通信部門責任者ら幹部3人が死亡したと発表した。

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一方、地元調整諸委員会によると、デルタフォースによる特殊作戦は16日深夜に開始され、有志連合の航空機が約2時間にわたって偵察飛行を繰り返した後、降下部隊が降下、約20分にわたって戦闘が行われたという。

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『ハヤート』(5月17日付)によると、有志連合はハサカ県内のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して6回の空爆を行った。

AFP, May 16, 2015、May 17, 2015、AP, May 16, 2015、May 17, 2015、ARA News, May 16, 2015、May 17, 2015、Champress, May 16, 2015、May 17, 2015、al-Hayat, May 17, 2015、May 18, 2015、Iraqi News, May 16, 2015、May 17, 2015、Kull-na Shuraka’, May 16, 2015、May 17, 2015、al-Mada Press, May 16, 2015、May 17, 2015、Naharnet, May 16, 2015、May 17, 2015、The New York Times, May 17, 2015、NNA, May 16, 2015、May 17, 2015、Reuters, May 16, 2015、May 17, 2015、SANA, May 16, 2015、May 17, 2015、UPI, May 16, 2015、May 17, 2015などをもとに作成。

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UNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するタドムル市周辺でダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍の戦闘続く(2015年5月16日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、UNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するタドムル市周辺(東部郊外および南部郊外)で、シリア軍、国防隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、シリア軍兵士・国防隊隊員12人とダーイシュ戦闘員16人が死亡した。

またラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ダーイシュはアーミリーヤ村で子供9人を含む住民23人を銃殺処刑した。

処刑された住民のなかには、公務員の家族が含まれているという。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州広報局は声明を出し、アーラーク油田、ハイル油田に近いアーラーク村を制圧したと発表した。

Kull-na Shuraka', March 16, 2015
Kull-na Shuraka’, March 16, 2015

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他方、SANA(5月16日付)によると、タドムル市一帯、アーラーク油田一帯、ハイル油田一帯、ジャズル・ガス採掘所東部、エブラー・ガス・パイプライン(ウンム・タバーリール村北東部)などで、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 16, 2015、AP, May 16, 2015、ARA News, May 16, 2015、Champress, May 16, 2015、al-Hayat, May 17, 2015、Iraqi News, May 16, 2015、Kull-na Shuraka’, May 16, 2015、al-Mada Press, May 16, 2015、Naharnet, May 16, 2015、NNA, May 16, 2015、Reuters, May 16, 2015、SANA, May 16, 2015、UPI, May 16, 2015などをもとに作成。

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有志連合の誤爆によりYPG戦闘員20人が死亡(2015年5月15日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月16日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を行う有志連合がハサカ県マナージール村一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の拠点を誤爆し、人民防衛隊戦闘員20人が死亡した。

AFP, May 16, 2015、AP, May 16, 2015、ARA News, May 16, 2015、Champress, May 16, 2015、al-Durar al-Shamiya, May 16, 2015、al-Hayat, May 17, 2015、Iraqi News, May 16, 2015、Kull-na Shuraka’, May 16, 2015、al-Mada Press, May 16, 2015、Naharnet, May 16, 2015、NNA, May 16, 2015、Reuters, May 16, 2015、SANA, May 16, 2015、UPI, May 16, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県各地で、シリア軍、有志連合がダーイシュ(イスラーム国)拠点を爆撃(2015年5月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するタッル・マーリド村一帯(マーリア市近郊)を有志連合が空爆し、ダーイシュ戦闘員12人が死亡した。

一方、ハスィーヤ村近郊では、ダーイシュが仕掛けた地雷に触れたジハード主義武装集団戦闘員13人が死亡した。

他方、SANA(5月15日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ARA News(5月15日付)によると、シリア軍戦闘機と思われる国籍・所属不明の戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点の一つマンビジュ市を空爆し、住民15人が死亡した。

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ハサカ県では、SANA(5月15日付)によると、タニーニール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア人権監視団は、ダイル・ザウル県にダーイシュ(イスラーム国)が設置した教練キャンプに、児童、老人、障害者などを含むシリア人160人以上と、ドイツ人1人を含む外国人8人が参加し、軍事教練を受けていると発表した。

AFP, May 15, 2015、AP, May 15, 2015、ARA News, May 15, 2015、Champress, May 15, 2015、al-Hayat, May 16, 2015、Iraqi News, May 15, 2015、Kull-na Shuraka’, May 15, 2015、al-Mada Press, May 15, 2015、Naharnet, May 15, 2015、NNA, May 15, 2015、Reuters, May 15, 2015、SANA, May 15, 2015、UPI, May 15, 2015などをもとに作成。

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UNESCO世界文化遺産パルミラ遺跡を擁するタドムル市に迫るダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が交戦(2015年5月15日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、パルミラ遺跡(UNESCO世界文化遺産)を擁するタドムル市周辺で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦、シリア軍が同地およびスフナ市一帯を空爆した。

この戦闘で、シリア軍兵士・国防隊隊員3人とダーイシュ戦闘員10人が死亡した。

12日深夜以降の同地一帯での戦闘での死者数はシリア軍兵士73人、ダーイシュ戦闘員65人にのぼっているという。

ARA News, March 15, 2015
ARA News, March 15, 2015

一方、SANA(5月15日付)によると、タドムル市郊外一帯(カバブ村、タフハ村、ジャウラト・マズマル村、ビイル・カッタール村)、タフハ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(5月15日付)に対して、ダーイシュがタドムル市の東部1キロの地点まで近づいているとしたうえで、シリア軍が増援部隊を派遣し、同市北部、東部、南部で激しく交戦していることを明らかにした。

これに関して、タラール・バラーズィー・ヒムス県知事はAFPに、タドムル市がシリア政府によって掌握されているとしたうえで、「増援部隊が同市に向かっている」と述べた。

タドムル市は人口約3万5,000人で、うち9,000人が2011年の紛争以降、同市に流入した避難民だという。

一方、シリア軍とダーイシュの戦闘の隙をつくかたちで、ジハード主義武装集団がタイフール航空基地周辺に展開するシリア軍拠点に対して砲撃を行った。

なおダーイシュによるタドムル市方面への進軍に関して、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「アサド政権の犯罪(的行為)の代償をシリアの文明的遺産が払わされようとしている…。政権の行動は、彼らが依然として支配している都市の軍・治安拠点を守ることにあることを示しており…、ダーイシュがタドムル市で犯すであろう文明的悲劇に安堵している」と批判した。

そのうえでシリア革命反体制勢力国民連立は、UNESCOに対してタドムル市を保護するための緊急行動を行うよう呼びかけた。

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UNECSOのイリナ・ゲオルギエヴァ・ボコヴァ事務局長は、AFP(5月15日付)の電話取材に応じ、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市方面への進軍に関して、「ダーイシュがタドムルに侵入するということは、タドムルが破壊されることを意味する。もしタドムル市が陥落すれば、国際的な悲劇だ」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(5月15日付)は、複数の消息筋の話として、ダーイシュのスフナ市、アーミリーヤ村制圧とタドムル市方面への進軍の約1週間前に、タドムル市博物館に所蔵されていた展示品を持ち去り、士官らの家族も同市北部の居住地区から避難していた、と伝えた。

展示品の持ち出し先は不明だという。

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フルカーン広報機構はダーイシュ(イスラーム国)の指導者アブー・バクル・バグダーディー氏の肉声とされる声明をインターネットを通じて配信した。

AFP, May 15, 2015、AP, May 15, 2015、ARA News, May 15, 2015、Champress, May 15, 2015、al-Hayat, May 16, 2015、Iraqi News, May 15, 2015、Kull-na Shuraka’, May 15, 2015、al-Mada Press, May 15, 2015、Naharnet, May 15, 2015、NNA, May 15, 2015、Reuters, May 15, 2015、SANA, May 15, 2015、UPI, May 15, 2015などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団に近いシャーム軍団がサウジアラビアの対イエメン政策を全面支持(2015年5月15日)

シリア・ムスリム同胞団に近いとされ、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線がイドリブ県一帯で主導するファトフ軍作戦司令室に参加するシャーム軍団は声明を出し、サウジアラビアの対イエメン政策に全面支持の姿勢を表明した。

声明のなかで、シャーム軍団は「シリア国民、シリア革命とサウジアラビア王国の政府国民の間にある誠実なる同胞関係に基づき、アラブ人やイスラーム教徒の大義を支援することに一日たりとも躊躇したことのないサウジアラビア王国を支持するというアラブ・イスラームの義務に応えるとともに、イラン政府が主導する宗派主義的分断計画に対抗するというウンマの福利を実現する…べく、シャーム軍団は…幸福のイエメンを蹂躙する…邪悪な勢力に対抗する二聖地の守護者指導下のサウジアラビアを全面的に支え、断固たる決意と力をもって同国を支持すると宣言する」と述べている。

AFP, May 15, 2015、AP, May 15, 2015、ARA News, May 15, 2015、Champress, May 15, 2015、al-Hayat, May 16, 2015、Iraqi News, May 15, 2015、Kull-na Shuraka’, May 15, 2015、al-Mada Press, May 15, 2015、Naharnet, May 15, 2015、NNA, May 15, 2015、Reuters, May 15, 2015、SANA, May 15, 2015、UPI, May 15, 2015などをもとに作成。

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