アサド大統領がダマスカス大学で反体制運動開始以降4度目の演説、シリア国民評議会を含む反体制諸派は「外国の陰謀」をめぐる演説内容を非難(2012年1月10日)

アサド大統領の演説

バッシャール・アサド大統領がダマスカス大学講堂で2時間にわたって演説を行った。

アサド大統領が演説するのは2011年3月の反体制運動開始以降4度目。

アサド大統領は演説で次のように述べた(アラビア語全文はhttp://www.sana.sy/ara/2/2012/01/10/393386.htmを参照)。

SANA, January 10, 2012
SANA, January 10, 2012

「外国の陰謀は誰にとってももはや隠し事ではない…。しかし現在、霧は晴れ、シリアの安定を揺るがそうとしていた(中東)地域や国際社会の当事者たちが現実や事態を欺くことなどできなくなっている」。

「もちろん彼ら(西側メディア)は一つのことを連呼している…。彼らは、国民や西側に対して、この人物(アサド大統領)は繭に閉じこもっていて、何が起きているかを知らない、と言うために、国のトップを標的にしようとしたのだ。彼らは国民、とりわけ在外居住者に対して、国のトップが責任を負っていないのなら…、収拾がつかなくなるのは当然だと言おうとしているのだ…。彼らは地位と責任を混同しているに過ぎない。2000年に、私は(大統領就任演説で)、「地位など望んでいないが、責任逃れはしない。地位に価値はない。それはツールに過ぎない、地位ばかり望む者は尊敬に値しない」と言っている」。

「彼ら(反体制分子)は当初、望まれるような革命をめざした。しかしあなたがたの彼らに対する革命、彼らの破壊行為に対する革命が彼らとそのとりまきたちの道を閉ざした。そしてあなたがたの統合力に衝撃を受けると、彼らはその統合力を解体しようと、宗派主義という武器を持ちだした…。この目的を実現する望みが絶たれると、彼らは今度は破壊・殺戮行為に出た…。彼らのこうした試みのすべてが破綻すると、外国の役割が生じた。外国の干渉以外に選択肢はなかったのだ。我々が通常、外国と言うと、(非アラブの)諸外国が思う浮かぶだろう。しかし残念なことに、この外国には、非アラブ諸国とアラブ諸国が混ざったものとなった。しかもこのアラブ諸国はしばしば非アラブ諸国以上に敵対的で邪悪であった…。アラブ諸国はその政策において統一されていない…。一部のアラブの高官は、我々を心情的に支持していても、政治的に反対してきた。なぜかと問うと、「私はあなたがたを支持していますが、外国の圧力があるのです」と彼らは言う」。

「我々が今日突如目にするようになったアラブの役割とは、これまでにアラブ諸国による関与ではなく…、外国や超大国の関与に際して目にしてきたものである。すなわち多くの場合、諸外国はアラブの国々を犠牲にして特定の国を救済したり、破壊してきた。イラクやリビアで起きたのはこうしたことである。しかし今日我々が目にしているのはアラブがシリアに対してこうした役割を果たそうとしている事態だ。安保理で自らの欺瞞で世界を満足させられなくなった彼らは、アラブという隠れ蓑が必要になった。アラブという地位が必要となった…。こうしてあの(アラブ連盟の)イニシアチブが登場した…。実際のところ、こうしたイニシアチブや監視団の問題をアラブ連盟の使節団に数ヶ月前に提案したのは私だった…。もちろんシリアのこうした提案への関心はまったくなかった。しかし数ヶ月後、突如として我々はこの問題が世界的な関心事になっていることを目にした…。なぜなら外国で監視団の名のもとに計略が始まったからである」。

「我々は今日、アラブ連盟を非難していない。なぜなら我々はその一部だからだ…。また私は、アラブ連盟、ないしは一部のアラブ諸国がシリアの加盟資格を剥奪・凍結したから、連盟について話すのではない…。人々の強い不満を目にしているから話すのだ…。アラブ連盟からの脱退や加盟資格などは問題ではない。問題なのは誰が損をするかだ。シリアが損をするのか、アラブ連盟が損をするのか?アラブ情勢が慢性的に劣悪である限り、我々皆が敗者なのだ…。心のない体が生きることができようか?シリアが鼓動するアラブの心臓だと言ったのはシリア人ではない。ガマール・アブドゥンナースィル(エジプト元大統領)がそういったのであり、この状況は今も続いている…。シリアにとってこうした問題、そしてアラブ性(ウルーバ)は単なるスローガンではなく行為である…。もし一部の国が我々のアラブ性を凍結しようとするなら、我々はこう言おう。彼らは連盟のアラブ性を凍結するが、シリアのアラブ性を凍結することはできないだろう。シリアなき連盟は凍結されたアラブ性となるだろう、と。シリアを連盟から排除できると考えている者がいるとしても、我々からアラブ性を排除することはできない。なぜならアラブ性とは単なる政治的な決定ではなく、遺産であり歴史そのものだからだ…。彼らはシリアを連盟から脱退させることに腐心しているのではなく、連盟にシリアの名を残したまま加盟資格を凍結することに腐心している。しかしそうしたことで、アラブ連盟は連盟でも、アラブ的でもなく、アラブを志向する(ムスタアリブ)連盟に成りさがり、相応しい政策や役割を果たさなくなるだろう…」。

「我々は今日、二つの側面から内政改革に取り組んでいる。第1に政治改革、そしてもう一つが腐敗との戦いである。改革プロセスに関して、今日我々が行っていることは、現下の危機を解決すると考えている者もいる…。しかしこの言葉は正しくない。我々はこうした理由で改革を行っているのではない。改革と現下の危機との間には限定的な関係しかない。破壊目的のために改革を主唱する者と真に改革を望む者を峻別するプロセスを決定した当初は、この関係は重要だったに過ぎない。だが峻別は終わった…。では改革プロセスと外国の計略との関係とはどのようなものか?我々が今日、改革を実行できれば、外国のシリアに対する計略は止むか?私はあなたがたにこう言いたい。外国、とりわけ西側でのシリア情勢に関する話の多くにおいて、犠牲者の数や改革に関心を示す者はほとんどいない。シリアの政策について話しているだけだ…。二つ目のポイントは改革とテロの関係のありように体現されている。我々が改革を実行すれば、テロはなくなるだろうか?殺戮や破壊を行うテロリストは政党法、選挙法、地方自治砲の類を望んでいるのか?テロリストにとって改革は意味はないし、関心事でもない。改革はテロリストがテロを行うことを封じるものではない…。大部分のシリア国民は改革を望み、法に背かず、人を殺さない。我々にとって改革は日常のプロセスなのだ」。

「(戒厳令解除、政党法制定、地方自治方改正、情報法制定などに加えて)、改革のもう一つの軸が憲法だ。(シリア・アラブ共和国憲法草案準備)委員会は最終段階に入り、憲法草案は複数政党制、政治的多元性といった本質的基礎に議論を集中させていると思う。委員会メンバーは憲法第8条について審議するだろう。我々は憲法を抜本的に改正せねばならないといった…。憲法は国家の法であるだけでなく、シリア国民一人一人に関わる問題だ。それゆえ、我々は委員会が任務を完了し、憲法草案を提示した後、それを国民投票にかける。憲法に関する国民投票は3月初めには行えるだろう」。

「現在、我々には危機に対処する新たな政治的行程表がある。また新憲法、政党法とともに、新たな政治勢力が台頭し、我々はこれらの勢力を考慮せねばならない…。私はこう言おう。中道派、反体制派、新体制派などすべての政治勢力を考慮せねばならないと。政府は祖国の政府であって、一政党、一国家機関の政府ではない。政府の拡大は良い発想だ…。どのように名づければよいかは分からないが、国民和解という人もいれば、参加拡大という人もいる。重要なのは我々はすべての勢力の参加を歓迎しているということであり、実際に我々が最近になって対話を開始したということだ…。我々が反体制勢力を含むすべての勢力の参加について話す際の反体制勢力とは誰だろうか?我々は大使館前に座り込み、国家と対話するなと言う外国からの指図を受けるような野党を望んでいるのではない…。国民的な基準、人材が確保できれば…、我々は今すぐにでもそうした政府を発足するために動きだろう…。我々はこの問題をまもなく始めるだろう」。

「戦争状態ないしは対決状態において、国というものはその優先事項を再編する。現下の最優先事項は…、治安の回復である…。これはテロリストを鉄拳で打ちのめすことなしには実現しない。テロとの休戦はなく、罪深い武器を用いて混乱や分裂を助長する者との協力はない。平和な市民を脅迫するものとの妥協もない。祖国と国民に敵対する外国人と結託する者との関係正常化はない」。

アサド政権の動き

SANA, January 10, 2012
SANA, January 10, 2012

『クッルナー・シュラカー』(1月10日付)は、アサド大統領の演説が行われた11時から午後まで全国で停電は一件も発生しなかったが、演説が終わった直後の午後1時に停電した、と報じた。

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SANA(1月9日付)によると、アサド大統領の演説内容を支持し、現政権による包括的改革の推進、挙国一致、外国の干渉拒否を訴える大規模集会が、アレッポ県アレッポ市、ラッカ県ラッカ市、スワイダー県スワイダー市、ダルアー県ダルアー市など各地で開催された。

反体制勢力の動き

パリで亡命生活を送る反体制活動家のアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領はアラビーヤの単独インタビューに応え、「アサドはレバノン閣僚である私の友人の一人に、いかなる譲歩も行うつもりがないと述べ、もしそうすることを余儀なくされ、圧力が強まったら、国内で宗派間戦争を発生させ、海岸地域に国家を建設するだろうと告げた」と語った。

また国際社会、とりわけ西側諸国に対して、「シリア国民を保護するため、軍事的措置を含む真剣な措置を講じるべく安保理を通じて行動する」よう呼びかけた。

一方、シリア国民評議会に関して、「一部が政府との対話を支持し、政府への参加を狙っている。この点こそが、反体制勢力における最大の内部対立点で、彼らは二つの派閥、すなわち穏健派と、バッシャール・アサド打倒をめざす急進派に分かれてしまっている」と述べた。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長はアサド大統領の演説に関して、「危機の政治的脱却のためのアラブおよびそれ以外の国々のあらゆるイニシアチブへの道を閉ざし、シリアをさらに悪い状態に追いやる」内容と非難し、アラブ連盟に対して、シリアをめぐる問題を国連に付託するよう改めて求めた。

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民主変革諸勢力国民調理委員会在外事務局のハイサム・マンナーア代表は、『ハヤート』(1月11日付)に対して、「(アサド大統領が呼びかけている)対話と我々は何の関係もない。もし明日、彼が私に組閣を要請したとしても、私は彼に、先ず大統領職を退任するよう求めるだろう」と批判した。

Kull-na Shuraka', January 10, 2012
Kull-na Shuraka’, January 10, 2012

シリア革命支援国民連立は声明を出し、アサド大統領の演説に関して、「危機の存在を認めず、殺戮、逮捕といった罪を謝罪せず、陰謀の幻想に身を沈め、アラブ連盟を攻撃し、鉄拳による弾圧を続けることを約束した」と非難した。

国内の暴力

『クッルナー・シュラカー』(1月10日付)は、ハサカ県カーミシュリー市で、PKKに近いクルド民族主義政党の民主統一党に近いクルド人青年3人が殺害されたと報じた。

この3人は兄弟で、父親が民主統一党のメンバーだという。

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シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市で治安部隊がデモを弾圧、10人が殺害され、40人が負傷した。またヒムス県ヒムス市でも市民2人が殺害され、イドリブ県イブリーン村では士官の命令に背いた兵士が逃走しようとして殺害された、という。

さらにダマスカス郊外県ドゥーマー市では、殺害された離反兵の葬儀に数万人が参列したが、治安部隊によって強制排除された。

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シリア革命総合委員会によると、ダイル・ザウル県で反体制デモに対する治安部隊の弾圧で12人が殺害され、35人が負傷した。

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Youtube
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アラビーヤ(1月10日付)、ジャズィーラ(1月10日付)などは、ヒムス市で暮らすアッファーフ・マフムード・サラーキビーちゃん(4ヵ月)が国内の刑務所で拷問を受け、死亡したと報じ、遺体の映像・写真を公開した。

アラブ連盟監視団

クウェート軍参謀長府は、1月9日にラタキア県ラタキア市で、アラブ連盟監視団に参加しているクウェート軍士官2人が暴行を受け、軽傷を負い、病院に搬送されたと発表した。

ラタキア市を訪問した監視団は、クウェート、UAE、イラク、モロッコ、アルジェリアの士官から構成されていた。

アドナーン・ハディール作業部長は、デモ隊が監視団の車を襲ったことを明らかにしたうえで、この暴行事件によっても監視団の活動を中断することはなかったと述べた。

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、暴行事件に関して強く批判し、「ラタキアなどに展開する監視団の不充分な補語は、シリア政府による本質的・体系的な不履行とみなされる」と述べ、アサド政権の「完全なる責任」を追求した。

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シリア外務省のジハード・マクディスィー報道官は声明を出し、ワリード・ムアッリム外務大臣がアラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー氏と会談し、「監視団の安全と保護に対する責任を引き続き負い、その任務遂行を妨害するいかなる行動も許さない」ことを確認したと述べた。

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UAEのシャイフ・アブドゥッラー・ブン・ザーイド外務大臣は、アラブ連盟監視団の派遣後も「殺戮行為が減少しているとは思えず、監視団の行動に関してシリア側がコミットしているとも思えない。反体制勢力ではない一部の勢力によって残念ながら監視団は攻撃を受けている」と述べ、GCC諸国も参加している監視団への暴行について審議するよう、アラブ連盟事務総長に呼びかけた。

レバノンの動き

サウジアラビアで実質避難生活を送るレバノンのサアド・ハリーリー前首相はツイッターでアサド大統領の演説を「自分の国で起きていることを陰謀だとみなすことで現実から目を反らしている」と批判し、その姿勢を「滑稽」だとつぶやいた。

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レバノン軍団代表のサミール・ジャアジャア氏はアサド大統領の演説に関して記者団に「アサドは現地で実際に起きていることとは無縁の状態について語った…。陰謀だとしたらなぜ数十万の人々を動員できるのか理解できない…」と非難し、「シリアの事態が本当に陰謀によるものだとするなら、国連のもとで国民投票を行うだけで事は解決する…。そうすれば、アサドの陰謀説は検証される」と述べた。

諸外国の動き

イスラエル国防軍参謀長は、アサド政権が崩壊した場合、ゴラン高原のアラウィー派を難民として受け入れる用意があると述べた。

クネセト外務国防委員会報道官が発表した。

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SANA(1月10日付)は、日本(NHK)、イタリア、スペインの取材チームがダルアー県を訪問し、現地を視察・取材したと報じた。

AFP, January 10, 2012、Akhbar al-Sharq, January 10, 2012、Alarabia.com, January 10, 2012、Aljazeera.net, January 10, 2012、al-Hayat, January 11, 2012、Kull-na Shuraka’, January 10, 2012、Naharnet.com, January
10, 2012、Reuters, January 10, 2012、SANA, January 10, 2012、Twitter、Youtubeなどをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アラブ連盟事務総長が対シリア経済制裁を審議するための経済社会会合を正式に召集、会合にはトルコ経済相も参加(2011年11月25日)

親体制デモ

シリア・アラブ・テレビ(11月25日付)、SANA(11月25日付)は、ダマスカス県のサブウ・バハラート広場、バーブ・トゥーマー広場、ヒジャーズ駅前、ラタキア市、タルトゥース市、バーニヤース市、スワイダー市、カーミシュリー市などで、アサド政権の改革支持、アラブ連盟の決議拒否を訴える集会が開催されたと報じた。

しかしバッサーム・バグダーディー氏(一般市民)はフェイスブック(11月25日付)で、サブウ・バハラート広場でのアサド政権の改革支持の集会の参加者が限定的だったことを示す写真を公開した。

SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011

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SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011

反体制デモ

ヒムス県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県などの複数の都市で、離反兵と軍・治安部隊が交戦する一方、金曜礼拝後に反体制デモが発生した。

シリア人権監視団によると、ヒムス県で3人、ダイル・ザウル県で1人、ダルアー県で1人、ダマスカス郊外県で1人、合計で6人の民間人が治安当局によって殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、サルミーン新、ハザーヌー町、タッフ市、タフタナーズ市で反体制デモが発生した。

またヒムスとの連帯を求めるザーウィヤ山、ハザーヌー町などでの夜間デモ(11月24日)の映像がYoutubeなどを通じて配信された。

しかしSANA(11月25日付)は、タフタナーズ市で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、サーイル・アドナーン・イッズくん(13歳)が巻き添えとなり死亡したと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各地に治安部隊が展開し、デモ発生の阻止を試みたが、数千人がデモを行った。

複数の活動家によると、軍・治安部隊は県内各地で離反兵と交戦しているが、被害・犠牲は明らかでないという。

ヒムス市では24日晩から、バイヤーダ地区、バーブ・アムル地区、ハーリディーヤ地区、グータ地区などで夜間デモが行われていたという。

また離反兵と軍・治安部隊の激しい戦闘が発生していたラスタン市との連帯を求めるダイル・バアルバ市での夜間デモ(11月24日)の映像がYoutubeなどで配信された。

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ハマー県では、SANA(11月25日付)によると、ハマー市マルアブ地区で武装テロ集団が仕掛けた爆弾を撤去しようとした工科部隊の兵士2人が爆発に巻き込まれて死亡した。

また市内のマルアブ地区、クスール地区、アラマイン通りで武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発したが、死傷者はなかったという。

また、SANA(11月25日付)によると、ハマー市のアルバイーン地区で武装テロ集団の襲撃で治安維持部隊兵士多数が負傷した。

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海外の複数のメディアは反体制勢力筋の話として、ダマスカス県バルザ区で戦闘があったと報じたが、SANA(11月25日付)はこの報道を「根拠がない」と否定した。

しかしヒムスとの連帯を求めるジャウバル区での夜間デモ(11月24日)の映像がYoutubeなどで配信された。

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ハサカ県ではクルド民族主義政党、青年活動家らの呼びかけにより、ラアス・アイン、ダルバースィーヤ、アームーダーなどで反体制デモが行われた。

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なおフェイスブックでは反体制勢力が「自由軍が我々を保護する金曜日」と銘打って、反体制デモを呼びかけていた。

SNN, November 25, 2011
SNN, November 25, 2011
SNN, November 25, 2011
SNN, November 25, 2011
Kull-na Shurakā, November 25, 2011
Kull-na Shuraka, November 25, 2011

アサド政権の動き

アラビーヤ(11月25日付)は、シリアの警察治安当局による反体制活動家の摘発において「アワーイリー」と呼ばれる密告者が大きな役割を果たしていると報じた。image14

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『ミッリイェト』(11月25日付)は、シリア政府がイドリブ県のラスーリヤー村近くPKKの武装活動家のキャンプを建設している、と報じた。

同報道によると、この動きは、トルコ政府がシリア国民評議会の事務所をイスタンブールに開設することを認めたことへの報復だという。

反体制勢力の動き

反体制組織のアラブ社会民主主義バアス党(シリア国民民主連合加盟組織)は声明を出し、ヒムス県での反体制活動家への弾圧や軍・治安部隊と離反兵の交戦を受けるかたちで、宗派主義的内戦発生への懸念を表明した。

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シリア国民評議会のジャブル・シューフィー氏は『ハヤート』(11月25日付)に対して、アラブ連盟が即時に経済制裁を科すことを望んでいると述べた。

諸外国の動き

アラブ監視団派遣に関する議定書受諾の猶予期間が11月25日正午に終わったのを受け、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は対シリア経済制裁を審議するための経済社会会合を正式に召集した。

11月26日に開催される同会議にはトルコの経済大臣も出席する。また11月27日開催予定の外相会議にもトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が出席し、対シリア経済制裁の協調をめざす。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、イスタンブールでのイタリア外相との会談後の記者会見で、シリアへの対応に関して、「我々には、アラブ連盟と合意に達した行程表」があると述べた。しかし行程表の内容には言及しなかった。

またヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣はとの記者会見後の会見では、「我々の優先事項はアラブ連盟のイニシアチブを成功させること」と述べ、シリアでの問題解決に向けた連盟のイニシアチブを「最後に示された新たなチャンス」だったと述べた。

一方、トルコの副首相は、CNN-Turk(11月25日付)に対して、「我々はシリアへの介入を強く拒否する」と述べた。

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ロシア外務省報道官は、「現段階において、必要なのは、決議、制裁、圧力ではなく、シリア人どうしの対話だ」とのコメントを発表した。

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国連拷問禁止委員会のクラウディオ・グロスマン委員長は声明を出し、シリアで幼児逮捕や暴行など大規模な人権侵害がなされているとの複数の報告書を受け取ったと非難した。

AFP, November 25, 2011、Akhbar al-Sharq, November 25, 2011, November 28, 2011、Alarabia.net, November 25, 2011、Facebook、al-Hayat, November 26, 2011、Kull-na Shuraka, November 25, 2011、November 26, 2011、Reuters, November 25, 2011、SANA, November 25, 2011などをもとに作成。

 

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