ロシア軍が自爆式ドローンで「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県のオリーブ搾油工場2カ所の攻撃し、3人を殺害(2020年10月31日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから240日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍所属と思われる無人航空機(ドローン)が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるタッルトゥーナ村(マアッラト・ヌウマーン市近郊)にあるオリーブ搾油工場を攻撃し、従業員1人が死亡した。

同じくロシア軍所属と思われるドローンが、アリーハー市近郊のナフラヤー村にあるオリーブ搾油工場を攻撃し、中にいた男性2人と女性1人が負傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)や反体制系のシリア・テレビ(10月31日付)によると、ドローンはずれも自爆式で、工場に突入して爆発した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイニーン村と周辺の森林地帯、ルハイワ村、ダイル・サンバル村一帯、カンスフラ村、カフル・ウワイド村を砲撃し、ダイル・サンバル村一帯では国民解放戦線に所属するシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員3人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市、ダーナー村、ジャッラーダ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるムザイリーブ町で男性1人が何者かによって殺害された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県22件、ラタキア県4件、アレッポ県5件、ハマー県7件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を12件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 31, 2020、ANHA, October 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 31, 2020、November 1, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 31, 2020、Reuters, October 31, 2020、SANA, October 31, 2020、SOHR, October 31, 2020、Syria TV, October 31, 2020などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の軍事部門司令官らが前司令官を推挙するも、現指導部はこれを拒否(2020年10月30日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の指導部(ジャービル・アリー・バーシャー総司令官)は声明を出し、「正統性を喪失したハサン・スーファーン前総司令官によって代表される相手方から多くの建設的な提案を受けたが、組織の活動を分断しようとしている…それらすべてを拒否した」と発表した。

シリア人権監視団によると、提案はシャーム自由人イスラーム運動の軍事部門の士官らによるもので、ハサン・スーファーン前総司令官に総司令官の職務を委ねることなどを骨子としていた。

AFP, November 1, 2020、ANHA, November 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2020、Reuters, November 1, 2020、SANA, November 1, 2020、SOHR, November 1, 2020、Zaman al-Wasl, October 30, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局、アル=カーイダ、シリア政府の支配地でフランスのマクロン大統領による預言者ムハンマド冒涜に抗議するデモ(2020年10月30日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタブカ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会が、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたへの抗議デモに乗じて、シリア民主軍への反抗を煽動したとして住民7人を逮捕した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(10月30日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市でフランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月30日付)によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するサルマダー市でフランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月30日付)によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市ダルアー・バラド地区、西ムライハ村、ナマル町、タファス市、東カラク村でフランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

AFP, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機複数機がラッカ県西部のラサーファ砂漠でダーイシュを爆撃(2020年10月30日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、ハマー県、アレッポ県との県境に位置するラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して爆撃を実施した。

AFP, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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アルツァフ共和国(アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州)国防軍はアゼルバイジャン軍とともに戦闘に参加していたシリア人傭兵1人を捕捉したと発表、その映像を公開(2020年10月30日)

アルツァフ共和国(アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州)の国防軍は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/karabakh_mod)などを通じて声明を出し、アゼルバイジャン軍とともに戦闘に参加していたシリア人傭兵1人を捕捉したと発表し、その映像を公開した。

声明は以下の通り:

アルツァフ国防軍は、シリアのハマー市出身のテロリスト1人ムフリド・ムハンマド・シャヒールを捕捉した。

トルコがシリアとリビアでFTFs(外国人テロ戦闘員)を募集し、ナゴルノカラバフで戦わせるためにアゼルバイジャンに派遣している事実は疑う余地がない。

AFP, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県を砲撃(2020年10月30日)

ラッカ県では、ANHA(10月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村、クーバルラク村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(10月30日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市近郊のバースータ村でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、複数人が死傷した。

シリア人権監視団によると、爆発が起こったのは、国民軍に所属するシャーム軍団の本部近く。

また、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市で、市内の刑務所から脱走したダーイシュ(イスラーム国)メンバーを追跡していた国民軍所属のハムザ師団が住民1人に誤って発砲、撃たれた住民は死亡した。

AFP, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県、ダイル・ザウル県でシリア民主軍への襲撃続く(2020年10月30日)

ハサカ県では、SANA(10月30日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマルカダ町で、オートバイに乗った正体不明の武装集団が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の検問所に向けて発砲し、兵士1人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月30日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるハジーン市でシリア民主軍が正体不明の武装集団の発砲を受け、兵士1人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市では、シリア民主軍が、マヤーディーン市出身の国内避難民(IDPs)3人を窃盗容疑で逮捕した。

AFP, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で39人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で307人(2020年10月30日)

保健省は政府支配地域で新たに50人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者39人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、10月30日現在の同地での感染者数は計5,683人、うち死亡したのは285人、回復したのは1,937人となった。

SANA(10月30日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月30日に新たに307人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、133人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡3人、イドリブ郡140人、ハーリム郡55人、アリーハー郡9人、アレッポ県スィムアーン山郡6人、ジャラーブルス郡5人、バーブ郡13人、アフリーン郡17人、アアザーズ郡59人。

これにより、同地での感染者数は計5,382人、うち回復したのは2,275人、死亡したのは42人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1427704770767743/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1428574367347450/

AFP, October 30, 2020、ACU, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下のイドリブ県アリーハー市を砲撃(2020年10月30日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから239日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、M4高速道路沿線に位置し、「決戦」作戦司令室の支配下にあるアリーハー市の住宅街、ザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村、カフル・ウワイド村、バイニーン村、ファッティーラ村を砲撃し、複数の住民が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるミラージャ村、ハザーリーン村を砲撃、バイニーン村の森林地帯でシリア軍と交戦し、兵士2人を殺害した。

また、シリア軍の砲撃を受けて、シャーム解放機構によって自治を依託されているシリア救国内閣傘下の教育局は、アリーハー市とバーラ村の学校を休校とした。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタカード村、カフル・アンマ村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市の治安厳戒地区内で、シリア軍第4師団の兵士1人が何者かの発砲を受けて死亡した。

また県北部のサイダー町では、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団の兵士と、軍事情報局のメンバーが口論をきっかけに双方の家族どうしが撃ち合いとなり、双方に死傷者が出た。

一方、サフワ村では、「イランの犬は倒れる、密告者がお前たちのところにやって来る、バッシャールは出て行け、バアス党は裏切り者」と書かれた落書きが発見された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県17件、ラタキア県12件、アレッポ県1件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 30, 2020、ANHA, October 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 30, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 30, 2020、Reuters, October 30, 2020、SANA, October 30, 2020、SOHR, October 30, 2020などをもとに作成。

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反体制系のシリア・テレビはロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団第8師団が、「イランの民兵」排除に向けた話し合いのためヨルダンに入ったと伝える(2020年10月29日)

反体制系チャンネルのシリア・テレビ(10月29日付)は、複数の情報筋の話として、シリア政府との和解に応じ、ロシアの支援を受けて編成されたシリア軍第5軍団に所属する第8師団の将兵多数が、ダルアー県からナスィーブ国境通行所(ジャービル国境通行所)を通ってヨルダン領内に入国したと伝えた。

ヨルダンに入国したのは、第8師団司令官を務め「ダルアーのカエル」の異名で知られていたアフマド・アウダ氏(元スンナ青年旅団司令官)、空軍大佐でラタキア県フマイミーム航空基地に設置されているシリア駐留ロシア軍司令部との連絡担当責任者のナスィーム・アブー・アッラ氏を含む将兵約20人で、重火器が装備された四輪駆動車の車列に分乗していたという。

第8師団将兵のヨルダン入国は、シリア南部の各司令部との連携を目的とした会合に出席するためで、親政権民兵やレバノンのヒズブッラーといった「イランの民兵」の検問所排除に向けた話し合いがなされる模様だという。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020、Syria TV, October 29, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍とシリア軍がハマー県東部、ラッカ県西部でダーイシュを爆撃(2020年10月29日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機20機強とシリア軍ヘリコプター複数機が、ダーイシュ(イスラーム国)が活動を続けるハマー家東部とラッカ県西部の各所を爆撃した。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がアレッポ県北部を砲撃(2020年10月29日)

アレッポ県では、ANHA(10月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯(シャフバー地区)を砲撃した。

また、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のイスカーン(イースカー)村が国民軍の襲撃を受け、住民13人が負傷した。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、ハサカ県でシリア民主軍が住民多数を拘束(2020年10月29日)

ダイル・ザウル県では、SANA(10月29日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるハワーイジュ村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住宅複数棟に押し入り、住民多数を拘束、連行した。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍はまた、アズバ村でも住民多数を拘束、連行した。

一方、スブハ村では、ムシャッラフ部族の名士1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

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ハサカ県では、SANA(10月29日付)によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプ内の複数地区で、シリア民主軍が収容されている住民多数を拘束した。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で53人、北・東シリア自治局支配地域で186人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で337人(2020年10月29日)

保健省は政府支配地域で新たに53人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者37人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月29日現在の同地での感染者数は計5,633人、うち死亡したのは281人、回復したのは1,898人となった。

SANA(10月29日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに186人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者11人が完治したと発表した。

これにより、10月29日現在の同地での感染者数は計4,350人、うち死亡したのは119人、回復したのは704人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市36人、カーミシュリー市41人、マーリキーヤ(ダイリーク)市72人、マアバダ(カルキールキー)町10人、アームーダー市9人、ルマイラーン町6人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村1人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市1人、フール・キャンプ1人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)3人。

ANHA(10月29日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月29日に新たに337人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、46人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡2人、イドリブ郡140人、ハーリム郡76人、アリーハー郡13人、アレッポ県スィムアーン山郡8人、ジャラーブルス郡12人、バーブ郡27人、アフリーン郡32人、アアザーズ郡27人。

これにより、同地での感染者数は計5,075人、うち回復したのは2,142人、死亡したのは42人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1426713114200242/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1427618794109674/

AFP, October 29, 2020、ACU, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で交戦(2020年10月29日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから238日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、カフル・ウワイド村、マウザラ村、バーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるハザーリーン村、ミラージャ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約50輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下の東ガーリヤ町で軍事治安局のメンバー1人が殺害された。

また、タファス市では、シャーム解放機構の元戦闘員が何者かに撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県34件、ラタキア県6件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は35件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

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トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵29人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で死亡する一方、300人が新たに派遣(2020年10月28日)

シリア人権監視団は、トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)29人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡する一方、約300人が新たに現地に派遣されたと発表した。

これにより、戦闘が始まった9月27日以降のシリア人傭兵の死者数は217人となり、シリアに移送された遺体数は163体となった。

なお、トルコがアゼルバイジャンに派遣したシリア人傭兵は約2,350人で、うち320人がすべてを放棄して帰国したという。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県シュハイル村でシリア民主軍兵士1人殺害(2020年10月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士1人が正体不明の武装集団に撃たれて死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約50輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、県内各所に設置されている基地に向かった。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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フール・キャンプに収容されていた国内避難民(IDPs)35世帯が、地元の部族長の身元保証を受けてラッカ県に帰還(2020年10月28日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプに収容されていたラッカ県からの国内避難民(IDPs)35世帯が、地元の部族長の身元保証を受けて帰還した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県東部のスフナ市近郊の砂漠地帯にあるシリア軍第5軍団の検問所を襲撃し、兵士4人を殺害した。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ市内でフッラース・ディーン機構の司令官4人を逮捕、うち3人がチュニジア人(2020年10月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の治安部隊がイドリブ市内でフッラース・ディーン機構の司令官4人を逮捕した。

逮捕された4人のうち、3人はチュニジア人、1人はダルアー県出身。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がアレッポ県バーブ市近郊、マンビジュ市近郊を砲撃、住民複数が負傷(2020年10月28日)

アレッポ県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会によると、トルコ軍の支援を受ける国民軍が、バーブ市近郊のカーウカリー村、クールフユーク村、ジャブラト・サイヤーダ村、シャイフ・ナースィル(クルト・ワイラーン)村など、トルコの占領地に面するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域を砲撃し、住民複数が負傷した。

マンビジュ軍事評議会によると、打ち込まれた砲弾の数は70発以上に達したという。

ANHA(10月28日付)によると、トルコ軍と国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊のブーガーズ村に対して20発以上の砲弾で砲撃した。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で52人、北・東シリア自治局支配地域で216人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で301人(2020年10月28日)

保健省は政府支配地域で新たに52人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者40人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月28日現在の同地での感染者数は計5,580人、うち死亡したのは278人、回復したのは1,861人となった。

SANA(10月28日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに216人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者6人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、10月28日現在の同地での感染者数は計4,164人、うち死亡したのは119人、回復したのは693人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市21人、カーミシュリー市25人、マーリキーヤ(ダイリーク)市34人、マアバダ(カルキールキー)町13人、ダルバースィーヤ市8人、アームーダー市5人、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市4人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村1人、ルマイラーン町1人、フール・キャンプ1人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市18人、マンビジュ市24人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、ラッカ県のラッカ市24人、タブカ市32人、ダイル・ザウル県3人。

ANHA(10月28日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月28日に新たに301人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、126人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡184人、ハーリム郡44人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡7人、ジャラーブルス郡11人、バーブ郡14人、アフリーン郡35人、アアザーズ郡3人。

これにより、同地での感染者数は計4,738人、うち回復したのは2,096人、死亡したのは42人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1425696060968614/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1426560240882196/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者301人が確認される一方、感染者18人が死亡したと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計4,738人、うち死亡したのは42人、完治したのは2,096人となった。

AFP, October 28, 2020、ACU, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構に近いイバー・ネットはアレッポ県ジャドラーヤー村への攻撃でエジプト人傭兵多数を殺傷したと発表(2020年10月28日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから237日目を迎えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のジャドラーヤー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(10月28日付)は、この攻撃に関して、機甲ミサイル中隊がジャドラーヤー村一帯の占領国ロシアの民兵の本部2カ所を破壊することに成功、エジプト人傭兵多数を殺傷したと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のアリーハー市、ザーウィヤ山地方各所を砲撃し、アリーハー市では住民4人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府支配下のカフルナブル市近郊でシリア軍兵士1人を殺害した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約25輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内のサビール地区で、シリア政府との和解に応じ、軍事治安局に勤務していた元反体制武装集団の戦闘員3人が、何者かの襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県21件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を14件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県ラアス・アイン市で国民軍所属のスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしが交戦、戦闘員7人と住民5人死亡(2020年10月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市内の検問所で国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしが交戦し、戦闘員7人が死亡、また女性1人と子供1人を含む住民5人が巻き添えとなって死亡、多数が負傷した。

戦闘は、検問所での物資の配分をめぐる対立が発端だったという。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

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シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ市マンビジュ市で、フランスのマクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことへの抗議デモ(2020年10月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを侮辱する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、ハマー県で、シリア・ロシア軍がダーイシュに対して爆撃を実施(2020年10月27日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のブーカマール市近郊のハムダーン航空基地に配備されているシリア軍戦闘機およびヘリコプター約30機が、同市南部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する地上部隊の掃討作戦を航空支援し、な爆撃を実施した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機25機とシリア軍ヘリコプター4機が、アレッポ県、ラッカ県に近いイスリヤー村一帯で活動を続けるダーイシュ(イスラーム国)に対する爆撃を実施した。

また、同地でシリア軍とダーイシュが激しい戦闘を続け、シリア軍兵士16人、ダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

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シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県ファルファラ村で学校職員、教師、生徒が座り込みデモを行い、シリア民主軍による学校閉鎖措置に抗議(2020年10月27日)

ハサカ県では、SANA(10月27日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・ハミース市近郊のファルファラ村で学校職員、教師、生徒が座り込みデモを行い、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による学校閉鎖措置に抗議した。

一方、SANA(10月27日付)によると、米軍の大型トレーラー37輌からなる車列が、北・東シリア自治局支配地域内の油田で採掘した原油を積んで、違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラク領内に向かった。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月27日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村でシリア民主軍が住民多数を拘束した。

一方、シリア人権監視団によると、米軍ヘリコプターが北・東シリア自治局の支配下にあるスブハ村で、シリア民主軍の支援を受けて空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーだと思われる住民4人を拘束した。

また、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市でシリア民主軍の兵士1人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で67人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で156人、北・東シリア自治局支配地域は感染者増大を受けて10日間の部分外出禁止措置を発出(2020年10月27日)

保健省は政府支配地域で新たに67人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者33人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月27日現在の同地での感染者数は計5,528人、うち死亡したのは275人、回復したのは1,821人となった。

SANA(10月27日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の執行評議会は決定第173号を発出し、新型コロナウイルス感染症の新規感染者の増加を受け、10月30日から11月8日までの10日間、食品店、学校などを除く商店・機関の午後3時以降の閉鎖を決定したと発表した。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月27日に新たに156人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、115人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡90人、ハーリム郡13人、アリーハー郡2人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡4人、バーブ郡12人、アフリーン郡20人、アアザーズ郡15人。

これにより、同地での感染者数は計4,437人、うち回復したのは1,970人、死亡したのは42人となった。

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https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1425268311011389/

AFP, October 27, 2020、ACU, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

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「決戦」作戦司令室がロシア軍の爆撃への報復としてシリア軍拠点に対して大規模砲撃、兵士多数を殺害(2020年10月27日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから236日目を迎えた。

「決戦」作戦司令室は、前日(10月26日)のロシア軍戦闘機によるイドリブ県ドゥワイラ山のシャーム戦線の基地に対する大規模爆撃への報復として、反体制派の支配下にある「解放区」に近いシリア政府支配地各所に対して激しい砲撃を加えた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シャーム軍団は国民解放戦線に所属している。

シリア人権監視団によると、発射された砲弾の数は900発余りに及んだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室は、シリア政府支配下のカフル・ウワイド村、ハザーリーン村、ミラージャ村、シャンシャラーフ村、マアッラト・ヌウマーン市、ハーミディーヤ村、マアッルシューリーン村、ジャバーラー村、ハッサーナ村、マアッラト・マーティル町、タッル・マンス村、トゥラムラー村、カフルナブル市、ハントゥーティーン村、ムアスラーン村、サラーキブ市、ハーン・スブル村、ダーディーフ村、ジャウバース村、カフルバッティーフ村、タッル・ディブス村、ジャッラーダ村、カウカバ村を砲撃し、サラーキブ市でシリア軍兵士3人を、ハーッス村で3人を殺害した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるアリーハー市、バーラ村、バルユーン村、シリア政府下のサラーキブ市近郊を砲撃し、サラーキブ市近郊での戦闘で戦闘員1人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のカフル・ハラブ村、バスラトゥーン村、第46中隊基地、ミーズナーズ村を攻撃し、シリア軍兵士2人を殺害した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にある県西部のタディール村を砲撃し、男性1人と女性1人が死亡、3人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のハークーラ村、マナーラ村(タンジャラ村)、ジューリーン村を砲撃し、シリア軍兵士3人を殺害した。

これに対して、シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカストゥーン村、ズィヤーラ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるアイン・カンタラ村、ムライジュ村、サルマー町、シャラク村、アブー・アスアド丘を砲撃し、アイン・カンタラ村ではシリア軍の武器弾薬庫を破壊し、シリア軍兵士4人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県15件、ラタキア県8件、アレッポ県3件、ハマー県13件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

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シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー軍事報道官は、「決戦」作戦司令室が、居住地に対して繰り返される攻撃、とりわけドゥワイラ山での痛ましい虐殺への報復として、各戦線で「ロシア占領者民兵」の拠点に対して砲撃を行い、イドリブ県のザーウィヤ山地方、サラーキブ市、ラタキア県のクバイナ丘で、ロシア軍士官8人、イラン人士官2人を含む46人以上を殺害、数十人を負傷させたと発表した。

イバー・ネット(10月27日付)が伝えた。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

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ロシアのANNAニュースはフッラース・ディーン機構が提供した情報に基づいてシャーム軍団の基地が爆撃されたと伝える(2020年10月26日)

ロシアのANNAニュース(10月26日付)は、ロシア軍戦闘機によるシャーム軍団の基地への爆撃に関して、シャーム解放機構と敵対する新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構のメンバーらからの情報提供に基づいて実施されたと伝えるとともに、爆撃の様子を撮影した航空写真を公開した。

同ニュースによると、フッラース・ディーン機構は、標的となった基地について、シャーム軍団ではなくシャーム解放機構の基地だの情報を提供していたという。



なお、ANNAニュースによると、爆撃では、ロシア軍戦闘機2機が500キログラムの爆弾を投下したという。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、ANNA News, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はロシア軍戦闘機によるシャーム軍団の基地爆撃を非難、「シリア革命」の継続を主唱、ロシアへの復讐を約束(2020年10月26日)

シャーム解放機構は声明を出し、ロシア軍戦闘機の爆撃によるシャーム軍団の犠牲者に弔意を示すとともに、「忍耐と努力の継続なくしては革命に勝利はない…。敵による卑劣な犯罪行為によっても、我々は、アッラーの力と意志のもとに描き出された革命の道を進み、自由と尊厳を実現する」と主唱、ロシアへの報復を約束した。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

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