トルコ占領下のジャラーブルス市で国民軍所属どうしの戦闘続く(2020年5月2日)

アレッポ県では、ANHA(5月1日付)によると、トルコ占領下のジャラーブルス市で、ダイル・ザウル県出身者によって構成される東部自由人連合、東部軍、第9師団と、国民軍憲兵隊の戦闘が続いた。

この戦闘で、憲兵隊は東部自由人連合側に制圧されていたイスラーム軍などの拠点のほぼすべてを奪還した。

戦闘では、2人が死亡、5人が負傷した。

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ラッカ県では、ANHA(5月2日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市近郊のヒルバト・バカル村を砲撃した。

一方、SANA(5月2日付)によると、トルコ占領下のタッル・アブヤド市近郊のスルーク町・ハマーム・トゥルクマーン村間の街道で、東部自由人連合が地雷の爆発に巻き込まれ、3人が死亡、2人が負傷した。

AFP, May 2, 2020、ANHA, May 2, 2020、AP, May 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2020、Reuters, May 2, 2020、SANA, May 2, 2020、SOHR, May 2, 2020、UPI, May 2, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配の中心であるイドリブ市にトルコ軍装甲車が入る(2020年5月2日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから58日目となる5月2日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を3件(イドリブ県2件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ村、サルミーン市一帯で反体制武装集団どうしの戦闘が発生した。

戦闘は、トルコの後援を受ける国民解放戦線を主導するシャーム軍団の司令官が何者かに襲撃されたことをきっかけに発生した。

また、アリーハー市、カフルタハーリーム町で、シャーム解放機構による通商用の通行所設置の動きに抗議するデモが行われた。

一方、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市に、トルコ軍装甲車が国民解放戦線とともに入った。

このほか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町近郊で、ヒズブッラーや空軍情報部の協力者が自宅前で何者かに撃たれて死亡した。

AFP, May 2, 2020、ANHA, May 2, 2020、AP, May 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 2, 2020、Reuters, May 2, 2020、SANA, May 2, 2020、SOHR, May 2, 2020、UPI, May 2, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構はイドリブ県マアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県ミズナーズ村の間に開設した通行所を閉鎖すると発表(2020年5月1日)

シャーム解放機構は声明を出し、イドリブ県マアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県ミズナーズ村の間に4月30日に開設した通商用の通行所を「一部市民の声に従い」閉鎖すると発表した。

また、通行所開設に反対する抗議デモを強制排除する際に治安部隊が参加者に発砲し、1人を殺害したことについては、「民間人による集会を標的とすることを拒否する」としたうえで、発砲した者を処罰すると表明した。


AFP, May 1, 2020、ANHA, May 1, 2020、AP, May 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2020、Reuters, May 1, 2020、SANA, May 1, 2020、SOHR, May 1, 2020、UPI, May 1, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領地各所で国民軍所属組織どうしが激しく交戦(2020年5月1日)

アレッポ県では、ANHA(5月1日付)によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、ダイル・ザウル県出身者によって構成される東部自由人連合、東部軍、第9師団が、市内で活動するイスラーム軍など拠点を襲撃し、これを制圧、国民軍憲兵隊本部前などで憲兵隊と激しく交戦した。

東部自由人連合、東部軍、第9師団、イスラーム軍はいずれも国民軍に所属する武装集団。

シリア人権監視団によると、この戦闘で、憲兵隊の隊員1人が死亡、3人が負傷した。

また、シリア政府と北東シリア自治局の支配地に接するアウン・ダーダート村の通行所(バーブ市近郊)でも、ハムザ師団と東部自由人連合がシリア政府支配地域への車の密輸をめぐって対立し、交戦となった。

国民軍所属組織どうしの衝突を受けて、トルコ軍はF16戦闘機を派遣し、警戒活動にあたった。

AFP, May 1, 2020、ANHA, May 1, 2020、AP, May 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2020、Reuters, May 1, 2020、SANA, May 1, 2020、SOHR, May 1, 2020、UPI, May 1, 2020などをもとに作成。

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シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方を砲撃(2020年5月1日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから57日目となる5月1日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, May 1, 2020、ANHA, May 1, 2020、AP, May 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2020、Reuters, May 1, 2020、SANA, May 1, 2020、SOHR, May 1, 2020、UPI, May 1, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル県でシリア民主軍を襲撃(2020年4月30日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がジュダイダト・ジュダイド・アカイダート村のガス工場の近くで人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌を襲撃し、3人を負傷させた。

これを受けて、シリア民主軍が車輌を襲撃したダーイシュ・メンバーを追跡し、CONOCOガス工場近くで拘束した。

AFP, May 1, 2020、ANHA, May 1, 2020、AP, May 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2020、Reuters, May 1, 2020、SANA, May 1, 2020、SOHR, May 1, 2020、UPI, May 1, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュのカリフ・アブー・イブラーヒーム・クラシーはシリア領内に潜伏か?(2020年4月30日)

RT(4月30日付)は、イラク治安筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・イブラヒーム・クラシー氏が現在シリア国内に潜伏しており、イラク諜報機関と米主導の有志連合がこれを追跡していると伝えた。

潜伏場所は明らかにされなかった。

AFP, May 1, 2020、ANHA, May 1, 2020、AP, May 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2020、Reuters, May 1, 2020、RT, April 30, 2020、SANA, May 1, 2020、SOHR, May 1, 2020、UPI, May 1, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構の通行所開設に抗議し、司令官・メンバーが離反(2020年4月30日)

ザマーン・ワスル(4月30日付)によると、通行路の設置に反対して、シャーム解放機構の司令官多数が離反した。

アブー・ラドワーン・ハマウィー司令官はSNSを通じて音声声明を出し、「軍事行動をとって、政権、ロシア、イランが最近占領した地域を奪還し、住民を帰還させる代わりに、政権との通商路を開通させ、経済的に衰退していた体制に力を与えようとしている」と非難し、シャーム解放機構から離反すると表明した。

シャーム解放機構に所属する「バドルの戦い」グループのアブー・ダーウード・ディマシュキー司令官も、シャーム解放機構の司令官や治安部門高官が「犯罪者アサド体制と関係を持ちし、バッシャール体制に資するような通行所を再開し、なおかつデモ参加者を意図的に殺害した」と非難、自身とグループのメンバーの離反を宣言するとともに、シャーム解放機構のすべての司令官とメンバーに対して離反を呼びかけた。

AFP, April 30, 2020、ANHA, April 30, 2020、AP, April 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2020、‘Inab Baladi, April 30, 2020、Reuters, April 30, 2020、SANA, April 30, 2020、SOHR, April 30, 2020、UPI, April 30, 2020、Zaman al-Wasl, April 30, 2020などをもとに作成。

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イドリブ市などでシャーム解放機構の通行所開設とデモ弾圧に抗議するデモ(2020年4月30日)

シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)、ザマーン・ワスル(4月30日付)、イナブ・バラーディー(4月30日付)によると、シャーム解放機構による通商用通行所の開設と抗議行動弾圧を受けて、イドリブ県のイドリブ市の時計広場近くで30日晩にデモが行われ、デモ参加者は「殉教者のため、尊厳のため…通行所開設に反対」とのスローガンを掲げ、抗議の意思を示した。

これに対して、シャーム解放機構の治安部隊が参加者に実弾を発砲するなどして、強制排除を試みた。

ザマーン・ワスルなどによると、同様の抗議デモは、カフルタハーリーム町、サルキーン市でも行われた。

https://www.facebook.com/EuphratsPost/videos/695743754571232/

 

AFP, April 30, 2020、ANHA, April 30, 2020、AP, April 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2020、‘Inab Baladi, April 30, 2020、Reuters, April 30, 2020、SANA, April 30, 2020、SOHR, April 30, 2020、UPI, April 30, 2020、Zaman al-Wasl, April 30, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構は通行所開設に反対するデモ参加者を強制排除、1人殺害(2020年4月30日)

シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)、ザマーン・ワスル(4月30日付)、イナブ・バラーディー(4月30日付)によると、シャーム解放機構が通行所を開設したのを受けて、マアーッラト・ナアサーン村と周辺農村の住民数十人が、ミズナーズ村にいたる街道を、タイヤを燃やすなどして封鎖、通行所を通過しようとする貨物車輌の進行を阻止した。

https://twitter.com/i/status/1255845895985344512

これに対して、シャーム解放機構の治安部隊は「政権がシリア革命当初に平和的デモを弾圧したようなさまざまな方法」で強制排除を試みた。

これにより、住民5人が治安部隊に撃たれて負傷、重傷を負った1人がその後死亡した。

死亡したのはサーリフ・マルイーさん。

https://twitter.com/i/status/1255954009782968324

AFP, April 30, 2020、ANHA, April 30, 2020、AP, April 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2020、‘Inab Baladi, April 30, 2020、Reuters, April 30, 2020、SANA, April 30, 2020、SOHR, April 30, 2020、UPI, April 30, 2020、Zaman al-Wasl, April 30, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍が、米主導の有志連合の航空支援を受けて、ダーイシュ・メンバーが活動を続けているとされる村に突入(2020年4月30日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、米主導の有志連合の航空支援を受けて、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが活動を続けているとされるガリーバ村(スワル町近郊)に突入した。

AFP, April 30, 2020、ANHA, April 30, 2020、AP, April 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2020、Reuters, April 30, 2020、SANA, April 30, 2020、SOHR, April 30, 2020、UPI, April 30, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は新型コロナウイルス感染症対策として外出禁止期間を5月11日まで延長(2020年4月30日)

北・東シリア自治局執行評議会は決定第39号を発し、新型コロナウイルス感染症対策として実施している外出禁止期間を10日延長し、5月11日までとすることを決定した。

この期間中、午後3時から翌朝6時までの外出は基本禁じられる。

AFP, April 30, 2020、ANHA, April 30, 2020、AP, April 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2020、Reuters, April 30, 2020、SANA, April 30, 2020、SOHR, April 30, 2020、UPI, April 30, 2020などをもとに作成。

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ロシア・トルコ軍がイドリブ県のM4高速道路で合同パトロールを実施、トルコ軍は住民に協力を要請(2020年4月30日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから56日目となる4月30日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、イナブ・バラディー(4月30日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施した。

パトロール部隊は、タルナバ村を出発、ナイラブ村にいたる区間を巡回した。

また、トルコ軍はアリーハー市一帯でビラを配布し、住民に協力を要請した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍は一方、兵站物資を積んだ貨物車輌など25輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、バーラ村、クークフィーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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クナイトラ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)によると、ザアルーラ村とハイラーン村を結ぶ街道でシリア軍のパトロール部隊が何者かの襲撃を受け、兵士2人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、スフナ市東のフマイマ村近郊で、シリア軍の車輌がダーイシュ(イスラーム国)によると思われる武装集団の要撃を受け、士官1人を含む6人が死亡した。

AFP, April 30, 2020、ANHA, April 30, 2020、AP, April 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2020、Reuters, April 30, 2020、SANA, April 30, 2020、SOHR, April 30, 2020、UPI, April 30, 2020などをもとに作成。

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反体制派系のシリア・ジャーナリスト連合は国民軍司令官に対してアフリーン市での爆破事件の責任をとって辞任するよう求める(2020年4月29日)

反体制メディア活動家らが組織するシリア・ジャーナリスト連合は声明を出し、国民軍のアフリーン地区司令官らに対して、28日にトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で発生し、100人あまりが死傷した爆発事件の責任をとって辞任するよう求めた。

シリア・ジャーナリスト連合は声明のなかで「こうした血塗られた爆破事件は、武装諸派の体系的汚職、「密輸」のための通行所を経由したありとあらゆる行き過ぎた行為と結びついている。これらの通行所での虐殺行為で流されているシリアの人々の血に対して無頓着だ」と非難した。

連合は「事件の背景にクルディスタン労働者党(PKK)がいるが、その責任は国民軍を構成する三個軍団の司令官ら、そしてアフリーン地区の自治を担う高官らにある」と指弾した。

そのうえで、アフリーン地区のムハンマド・ハマーディーン(アブー・リヤード)憲兵隊司令官、同地区政治治安局のムハンマド・ラージー司令官、同地区警察のムハンナド・フサイン署長およびアーミル・ムハンマド副署長、国民軍のムウタッズ・ラスラーン第1軍団司令官、マフムード・バーズ第2軍団司令官、アブー・アフマド・ヌール第3軍団司令官の辞任を要求した。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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ロバーク元米国大使が北・東シリア自治局支配地内で活動するクルド民族主義組織の代表と会談(2020年4月29日)

ANHA(4月29日付)は、ウィリアム・ロバーク元駐バーレーン米国大使を代表とする米国務省使節団が、北・東シリア自治局支配地内で活動するクルド民族主義組織の代表と会談したと伝えた。

会談の場所は不明。

シリア人権監視団によると、会談「クルド勢力の足並みを揃え、米国の政策への信頼を回復する」のが目的。

ロバーク元大使は、シリアのクルド勢力の足並みを揃えようとする人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官のイニシアチブに対する各組織の意見に耳を傾けた。

会談に参加したのは、クルディスタン民主平和党、クルディスタン自由連合、シリア・クルディスタン民主パールティ、クルディスタン愛国連合党、クルディスタン民主変革党、クルディスタン刷新運動、クルディスタン労働党、クルディスタン緑の党、クルディスタン・ムスタクバル潮流、クルディスタン友愛党、シリア・クルド民主ルージュ党、ロジャヴァ自由愛国連合、民主闘争党、クルディスタン共和党の代表。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局が新型コロナウイルス感染者を確認したと初めて発表(2020年4月29日)

北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の保健委員会(保健省に相当)のジュワーン・ムスタファー共同議長は声明を出し、ジャズィーラ地域で新型コロナウイルス感染者が2人確認されたと発表した。

ムスタファー共同議長によると、感染が確認されたのはハサカ県ハサカ市。

2人は夫婦で、妻はカーミシュリー市内の国立病院で隔離され、夫は自宅療養しているという。

感染者が確認されたことを受けて、北・東シリア自治局傘下のハサカ地区評議会のアブドゥルガニー・ウースー共同議長、同地区保健局のルーマンダー・イーサー共同議長、健康フォローアップ委員会メンバーのダルバース・マアミー氏は共同声明を出し、ハサカ市ウムラーン地区を完全隔離、またハサカ市を部分隔離すると発表した。

また、ハサカ市内の住民に対して、拡声器を通じて、外出を控え、予防措置を徹底、またシリア政府支配下の治安厳戒地区に入らないよう呼びかけた。

ANHA(4月29日付)が伝えた。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー総司令官は28日のアフリーン市での爆破事件への関与を否定し、トルコを非難(2020年4月29日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、28日にトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市で発生し、100人あまりが死傷した爆発事件に関して、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/MazloumAbdi/)で「罪のない命を奪う非難されるべきテロ行為」、「このテロ行為は占領国トルコとその傭兵どもが平和とオリーブの都市に対して行ってきた破壊政策がもたらした結果だ」と綴った。

トルコ国防省は28日の声明で、YPGの関与を断じている。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県、アレッポ県の反体制派支配地を砲撃(2020年4月29日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから55日目となる4月29日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、カンスフラ村、アーフィス村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村、カフルタアール村を砲撃した。

AFP, April 29, 2020、ANHA, April 29, 2020、AP, April 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 29, 2020、Reuters, April 29, 2020、SANA, April 29, 2020、SOHR, April 29, 2020、UPI, April 29, 2020などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダはイドリブ県内のドゥルーズ派の土地を接収しようと、IDPsに退去を迫る(2020年4月28日)

シリア人権監視団は、シャーム解放機構に自治を委託されているシリア救国内閣が、イドリブ県北部のキフタイン村のキャンプに身を寄せている国内避難民(IDPs)を退去させようとしていると発表した。

同監視団によると、キャンプが設置されているのは、ドゥルーズ派宗徒が所有している土地。

シリア救国内閣は、イドリブ県においてイスラーム教スンナ派以外の宗教・宗派の宗徒の財産を掌握しようとしているシャーム解放機構の意向に沿って、土地の接収を企図、IDPsに対して72時間に退去するよう警告しているという。

キャンプに滞在しているIDPsは約175世帯で、そのほとんどが県南部のサルマーン村出身者だという。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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トルコのドローンがアサーイシュ拠点を爆撃する一方、トルコ占領下のアフリーン市で大きな爆発、100人あまり死傷(2020年4月28日)

アレッポ県では、ANHA(4月28日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市で午前4時半頃、自治局の内務治安局(アサーイシュ)の拠点を爆撃、車輌などが被害を受けた。

一方、シリア人権監視団、ANHA、SANA(4月28日付)などによると、トルコ占領下のアフリーン市中心街のマフムーディーヤ地区(ラージュー街道)で、大きな爆発が発生した。

爆発が起きたのは、大衆市場にある国民軍の本部前で、タンクローリーに仕掛けられた爆弾が爆発し、シリア人権監視団によると、子供11人と戦闘員6人を含む46人が死亡、50人以上が負傷した(シリア人権監視団は29日、死者がさらに増え、子供11人と戦闘員12人を含む52人となったと発表した。)。

https://www.facebook.com/afrinnow/videos/554918711878301/

https://www.facebook.com/efrinviolations/videos/229321628325565/

 

これに関して、トルコ国防省は声明を出し、「アフリーン市で爆弾が仕掛けられたタンクローリーが爆発し、民間人40人が死亡、47人以上が負傷した」としたうえで、「無垢の市民を狙った爆発の責任は人民防衛隊(YPG)にある」と非難した。

他方、アレッポ解放軍団は声明を出し、4月25と27日にシャッラー村近郊のアナービカ村などで、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の車輌を攻撃するなどして、トルコ軍兵士2人と国民軍戦闘員3人を殺害したと発表した。

ANHA(4月28日付)が伝えた。

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ハサカ県では、SANA(4月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のダーウーディーヤ村、タッル・マンダル村、アニーク・ハワー村を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のバーブ・ファラジュ村、ルバイアート村一帯で、シリア軍、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ軍、国民軍と砲撃戦を行った。

AFP, April 28, 2020、Anadolu Ajansı, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、April 29, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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通商用通行所設置を巡ってトルコとシャーム解放機構の緊張が高まるなか、トルコ・ロシア軍はM4高速道路で合同パトロールを実施(2020年4月28日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから54日目となる4月28日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がダーラト・イッザ市近郊のカートゥーラ村の検問所に戦闘員を終結させ、同市に向かうトルコ軍の車列の進行を阻止した。

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イドリブ県では、ANHA(4月28日付)によると、シリア政府支配地域とを結ぶ通商用の通行所を設置しようとするシャーム解放機構の動きを阻止するためにトルコ軍が27日にマアーッラト・ナアサーン村一帯に設置した土塁を、シャーム解放機構が撤去した。

同地では、シャーム解放機構とトルコ軍、そしてその後援を受けるシャーム軍団(国民解放戦線所属)の緊張が高まっているという。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍の合同部隊がM4高速道路のタルナバ村からナイラブ村までの区間で合同パトロールを実施した。

合同パトロールは、トルコ軍が26日に「尊厳の座り込み」デモを強制排除して以降初めて。

このほか、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるカンスフラ村、ファッティーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, April 28, 2020、ANHA, April 28, 2020、AP, April 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2020、Reuters, April 28, 2020、SANA, April 28, 2020、SOHR, April 28, 2020、UPI, April 28, 2020などをもとに作成。

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シリア交渉委員会のハリーリー代表は新代表選出を画策するサウジアラビアを非難(2020年4月27日)

シリアの反体制政治組織の一つでジュネーブ会議、制憲委員会(憲法委員会)に反体制派の代表団を派遣しているシリア交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はメンバーに宛てた非公式の書簡のなかで、最大の支援国であるサウジアラビを批判した。

ハリーリー代表はこの書簡のなかで「サウジアラビア外務省アラブ局長のサイード・スワイイド氏は委員会の問題にあからさまに介入している。これはサウジアラビアの歴史、そして同国の外務大臣とシリア問題を担当すサーミル・スブハーンアラビア湾担当国務大臣の政策に反している」としたうえで、「スワイイド局長が(委員会内での)選挙を呼びかけようとしない一連の理由があるが、それは、シリア問題にかかる小グループ(米仏独、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン)が委員会とその決定の独立性を尊重するとした同局長の前言の本質を損ねるものである」と非難した。

ハリーリー代表はそのうえで「選挙の呼びかけはリヤド2、会議での合意に基づく基本原則に基づくもので…、サウジアラビアの介入は、投票の実施なくしてメンバーを交代しないとした委員会の内規を無視したものだ…。サウジアラビアは自らの政策に即したかたちでシリアの反体制派をめぐるガードを調整しようとしている」と付言、サウジアラビアに対して、委員会のメンバー改選のための選挙実施を呼びかけるよう求めた。

一方、シリア最高委員会の複数の情報筋によると、スワイイド局長は、ハリーリー局長に代わる新たな局長を選出する内部投票を実施するよう要請する文書を委員会に対して送ったという。

書簡は、今後の政治プロセスの進展に向けて、シリア政府との和解により前向きな指導部への交代を画策しているものと思われる。

ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)などが伝えた。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシャーム解放機構がシリア政府支配地との境界に通商路を設置する試みを阻止するため部隊を展開(2020年4月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍部隊がキトヤーン村の分岐路に展開し、マアーッラト・ナアサーン村に近いシリア政府支配地域に至る街道を封鎖した。

街道の封鎖は、シャーム解放機構がシリア政府支配地とを結ぶ通商用の通行所を設置するのを阻止するため。

シャーム解放機構は27日、マアーッラト・ナアサーン村とアレッポ県西部のミーズナーズ村の間の地域で、土塁や地雷を撤去し、通行所の設置を準備していた。

トルコ軍はまた、マアーッラト・ナアサーン村、シャラフ村にも展開し、大型車輌の通行を禁止した。

現地では、マアーッラト・ナアサーン村の住民らが、新型コロナウイルス感染拡大に繋がるなどとして、通行所の設置に反対するデモを行っていた。

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なお、シャーム解放機構のサイード・アフマド通行所局長は、ドゥラル・シャーミーヤ(4月27日付)の取材に応じ、「解放区に輸入される商品の割合は3年前には、シリア政府支配地域からが65%、トルコからが35%だった…。だが、新たな政治状況、そして解放区の通行所(の運営)が統合されたことで、政府支配地域からが5%、トルコからが95%になった。解放区はその一方で輸入よりも50%も多く余剰の生産物を輸出している。輸出の90%は政府支配地域で、5%がトルコだ」と述べ、通行所の設置がシリア政府支配地域との輸出入のバランスを是正し、輸出に見合った輸入を実現することを目的としていると述べた。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県、アレッポ県を砲撃(2020年4月27日)

ラッカ県では、ANHA(4月27日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、ディブス村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(4月27日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村を砲撃した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県で反体制派どうしが戦闘、アレッポ県でダーイシュのメンバー脱走(2020年4月27日)

ハサカ県では、SANA(4月27日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のハルービー村で国民軍に所属する第20師団が東部自由人連合の拠点を接収しようとして戦闘となった。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市にある国民軍所属部隊のハムザ師団の拘置所からダーイシュ(イスラーム国)のメンバー8人が脱走した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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所属不明のドローンがハマー県北部でトルコの支援を受ける国民解放戦線と新興のアル=カーイダ系組織を爆撃(2020年4月27日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから53日目となる4月27日、所属不明の無人航空機(ドローン)がハマー県北部を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ガーブ平原のアンカーウィー村近郊で、無人航空機(ドローン)が、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するナスル軍の車輌を爆撃し、戦闘員3人が死亡、5人が負傷した。

ドローンはまた、新興のアル=カーイダ系組織の一つのフッラース・ディーン機構の車輌に対しても爆撃を加え、人的被害が出た。

爆撃を行ったドローンの所属は不明だが、ロシア軍、レバノンのヒズブッラー、あるいは「イランの民兵」に所属していると思われる。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と国民解放戦線などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、HFL(4月27日付)によると、スワイダー県の武装集団がブスラー・シャーム市を襲撃、シリア軍第5軍団に所属する地元部隊が応戦した。

この戦闘で、スワイダー県の反体制武装集団戦闘員1人が死亡、第5軍団の兵士2人が負傷した。

AFP, April 27, 2020、ANHA, April 27, 2020、AP, April 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 27, 2020、HFL, April 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 27, 2020、Reuters, April 27, 2020、SANA, April 27, 2020、SOHR, April 27, 2020、UPI, April 27, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がM4高速道路でロシア・トルコ軍の合同パトロールに反対して行われていた座り込みデモを強制排除、シャーム解放機構と交戦(2020年4月26日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)、イナブ・バラディー(4月26日付)、ザマーン・ワスル(4月26日付)、ANHA(4月26日付)、シリア人権監視団などによると、トルコ軍が早朝、ナイラブ村近郊のM4高速道路で続けられていた「尊厳の座り込み」デモを強制排除した。

デモは、ロシア・トルコ軍によるM4高速道路の合同パトロールに反対するため、3月13日に開始されていた。

トルコ軍と警察からなる大規模部隊は、装甲車、重機を伴い、ナイラブ村近郊の座り込み現場に入り、路上に積まれていた土嚢を撤去、催涙弾や放水でデモ参加者を排除しようとしたが、デモ参加者が投石を行うなどして抵抗したため、トルコ軍が実弾で応戦した。

トルコ軍の発砲により、シャーム解放機構のメンバー2人と同組織に自治を委託されている救国戦線の職員2人の合わせて4人が死亡した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍は、デモ参加者が設営していたテントのほとんどを撤去した。

なお、トルコ軍は13日にも強制排除を試みていた。

https://www.youtube.com/watch?v=c1JGJOvUArQ

https://www.youtube.com/watch?v=N3wMZGSfcDs

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イナブ・バラディーが現地の複数の軍事筋の話として伝えたところによると、強制排除を受けて、武装集団がナイラブ村近郊でトルコ軍部隊を襲撃、対戦車ミサイルで重機、戦車、装甲車を狙い、被害を与えた。

ザマーン・ワスルによると、狙われたのはトルコ軍の戦車2輌。

イナブ・バラディーとザマーン・ワスルは攻撃を行った武装集団を特定せずに報じたが、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が主導する反体制武装集団が、ナイラブ村近郊に設置されているトルコ軍の拠点複数カ所を攻撃したと発表した。

なお、トルコ軍はヘリコプターを現地に派遣し、負傷した兵士を本国に移送した。

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トルコ軍部隊が襲撃されたのを受けて、トルコ軍はバイラクタルTB2無人航空機(ドローン)を投入し、対戦車ミサイルが発射された地点を爆撃、また地上部隊が砲撃を行い、シャーム解放機構と交戦した。

シリア人権監視団によると、バイラクタルTB2の爆撃はナイラブ村に対して行われ、シャーム解放機構の車輌が被弾、メンバー2人が殺害、3人が負傷した。
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一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(4月26日付)によると、ハザーヌー町近郊で、住民数十人が、トルコ軍による「尊厳の座り込み」強制排除で犠牲者が出たことへの対抗措置として、バーブ・ハワー国境通行所に至る道路を封鎖し、トルコ軍車輌の通行を妨害した。

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シリア人権監視団によると、その後、トルコの支援を受ける反体制武装集団がシャーム解放機構と会合を開き、トルコ軍との戦闘を収拾、座り込みデモを中止させた。

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しかし、シャーム解放機構のタキー・ディーン・ウマル広報関係局長はドゥラル・シャーミーヤ(4月26日付)に対して、トルコ軍の無人航空機(ドローン)による爆撃と事態収拾についての情報を否定した。

ウマル広報関係局長は、「我らがムジャーヒディーンがトルコ軍の無人航空機に狙われたというニュースが流れているが、このニュースは正しくない。また我々とトルコがマストゥーマ村で会合したとの情報も流れているが、これも正しくない」と述べた。

AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、‘Inab Baladi, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, April 26, 2010、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020、Zaman al-Wasl, April 26, 2020などをもとに作成。

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反体制派系NGOのシリア人権ネットワークはイドリブ県でのタラーウィーフの礼拝を新型コロナウイルス予防対策ができていないと非難(2020年4月26日)

シリア・ロシア軍の攻撃の被害を発表し続ける反体制派系NGOのシリア人権ネットワークはツイッターのアカウント(https://twitter.com/SN4HR/)を通じて、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市内の複数のモスクでタラーウィーフの礼拝が行われたことを批判した。

シリア人権ネットワークは「イドリブ市のモスクで行われたタラーウィーフの礼拝で礼拝者が密集している状況は、新型コロナウイルス感染症COVID-19の脅威に対する配慮と社会的取り組みを欠いている…。これはCOVID-19の感染拡大と予防のために行われるべきもっとも単純な予防策に反している」と批判し、24日に行われた礼拝の写真を転載した。

 

AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のラアス・アイン市近郊で国民軍に所属する武装集団どうしが交戦(2020年4月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市西のハルービー村で国民軍に所属する第20師団が東部自由人連合の車輌(食糧配給車)を攻撃し、戦闘となった。

AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020などをもとに作成。

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シリア軍が反体制派の支配下にあるイドリブ県、アレッポ県を砲撃(2020年4月26日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから52日目となる4月26日、トルコ軍の無人航空機(ドローン)がM4高速道路沿線のナイラブ村でシャーム解放機構の車輌を爆撃した。

シリア・ロシア軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村、ハザーリーン村、スフーフン村、バーラ村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・アンマ村、カフルタアール村、第46連隊基地一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市でズウビー家とカヤワーン家の民兵が交戦となり、女性1人を含む5人が死亡した。

AFP, April 26, 2020、ANHA, April 26, 2020、AP, April 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 26, 2020、Reuters, April 26, 2020、SANA, April 26, 2020、SOHR, April 26, 2020、UPI, April 26, 2020などをもとに作成。

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