「難民帰還に関する国際会議」をフォローアップするためのシリア・ロシア合同会議が開幕(2021年7月26日)

2020年11月に開催された「難民帰還に関する国際会議」をフォローアップするためのシリア・ロシア合同会議が首都ダマスカスのコンベンション・センター(ウマウィーイーン宮殿)で開幕した。

会議には、シリア側からは、フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、ファイサル・ミクダード外務大臣、イマード・アブドゥッラー・サーラ情報大臣、ムハンマド・ハーリド・ラフムーン内務大臣、ハサン・ガッバーシュ保健大臣、ムハンマド・サーミル・アブドゥッラフマーン・ハリール経済対外通商大臣、ガッサーン・ザーミル電力大臣、ダマスカス県知事、ダマスカス郊外県知事、バッシャール・ジャアファリー外務在外居住者副大臣、アイマーン・スーサーン外務在外居住者省次官ら、ロシア側からは、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使、ロシア合同連携センター議長のミハイル・ミズィンツェフ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)らが出席した。

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マフルーフ地方行政環境大臣は開会式で、シリア領内の治安状況の改善、シリア政府、およびロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会の合同の取り組みによって、市民のニーズへの対応が続けられることで、500万人におよぶ難民・IDPsの帰還が達成されたと述べた。

そのうえで、シリア政府が現在、製造業をはじめとする経済部門の活性化に関心を払っており、生産増を通じて国内の需要に対応しようとしていると強調した。

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続いて、ロシア側を代表して、ミズィンツェフ・ロシア合同連携センター議長が、帰還した難民・IDPsが必要な医療、食糧物資などの支援を受けることができているとしたうえで、西側諸国による制裁がシリアの復興を妨げていると批判した。

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次に、ミクダード外務在外居住者大臣が演説を行い、シリア難民の帰還をめぐる問題が依然ととして西側諸国によって政治利用されていると指摘した。

また、スーサーン外務在外居住者省次官は、こうした西側諸国の計画はシリア国民の意志を前にしてとん挫するだろうと述べた。

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続いて、ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使が演説を行い、現下のシリアにおける最優先事項が生活の正常化、経済復興、難民・IDPsの帰還に受けた環境の整備だとしたうえで、欧米諸国による一方的な制裁がこの動きを阻害していると非難、制裁を食い止める必要を強調した。

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このほか、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使、国連人道問題調整事務所(OCHA)シリア事務所常駐コーディネータ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)シリア事務所のシヴァンカ・ダルシャ・ダナパラ所長、国際赤十字赤新月社連盟のアンドレア・ヒース事務副長も演説を行った。

SANA(7月26日付)が伝えた。

AFP, July 26, 2021、ANHA, July 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 26, 2021、Reuters, July 26, 2021、SANA, July 26, 2021、SOHR, July 26, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるラタキア県、イドリブ県各所を爆撃(2021年7月26日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村を5回以上にわたって爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村を爆撃した。

一方、ミウラータト・シャラフ村では、シャーム解放機構の武器弾薬庫で大きな爆発が発生した。

また、イドリブ市内では、シャーム解放機構の検問所が襲撃を受け、戦闘員複数人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市でシリア政府との和解に応じていた元反体制武装集団メンバー1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

ムザイリーブ町でも、正体不明の武装集団が住民1人を銃で撃ち殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県14件、ラタキア県6件、アレッポ県3件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を11件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 26, 2021、ANHA, July 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 26, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 26, 2021、Reuters, July 26, 2021、SANA, July 26, 2021、SOHR, July 26, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民312人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は687,649人に(2021年7月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月26日付)を公開し、7月25日に難民312人(うち女性94人、子供159人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民312人(うち女性94人、子供159人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は687,649人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者292,401人(うち女性87,880人、子ども148,846人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は916,929人(うち女性275,156人、子供467,337人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は94,079人(うち女性35,595人、子供32,785人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,675人(うち女性418,154人、子供676,551人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 26, 2021をもとに作成。

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首都ダマスカスおよびその一帯で複数回にわたって爆発音が聞こえる、イスラエル軍の爆撃か?(2021年7月25日)

シリア人権監視団などは、首都ダマスカスおよびその一帯で複数回にわたって爆発音が聞こえたと発表した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(7月25日付)は、イスラエル軍戦闘機がダマスカス国際空港一帯に配置されているレバノンのヒズブッラーの拠点、武器弾薬庫に対して爆撃を実施したと伝えた。

AFP, July 25, 2021、ANHA, July 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 25, 2021、Reuters, July 25, 2021、SANA, July 25, 2021、SOHR, July 25, 2021などをもとに作成。

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シリア政府側の復旧作業チームがロシア軍とトルコ軍の護衛を受けてトルコの占領下にあるアルーク村揚水所に入る(2021年7月25日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアルーク村の揚水所への電力供給が再開されたのを受けて、復旧作業チームがロシア軍とトルコ軍の護衛を受けてシリア政府支配地域から揚水所に入った。

アルーク村揚水所は、6月26日以降、トルコ軍が閉鎖し、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市および同市一帯地域への水道水供給を停止していた。

AFP, July 25, 2021、ANHA, July 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 25, 2021、Reuters, July 25, 2021、SANA, July 25, 2021、SOHR, July 25, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市などを砲撃し住民多数負傷、これに対してトルコ占領下のアフリーン市も砲撃を受ける(2021年7月25日)

アレッポ県では、ANHA(7月25日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のアイン・ダクナ村、バイルーニーヤ村、マルアナーズ村、シャワーリガ村、イルシャーディーヤ村、カフル・アントゥーン村、タート・マラーシュ村、シャワーリガ砦、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

この砲撃により、タッル・リフアト市で、子供2人を含むアフリーン郡からの国内避難民(IDPs)4人が負傷した。

シリア人権監視団によると、負傷者は8人。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、マンビジュ市北西のウンム・アダサ村、ウンム・ジャルード村、ダンダニーヤ村、サイヤーダ村を砲撃した。

これに対して、ANHAによると、シリア軍がトルコ占領下のアフリーン市に向けて集中的な砲撃を実施し応戦した。

シリア人権監視団によると、シリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のいずれが砲撃を行ったかは明らかにしていない。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、7月24日にマリーミーン村・アフリーン市間でトルコ軍の車輌に対する特殊作戦を実施し、トルコ軍兵士5人を殺害、8人を負傷させたと発表した。

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ハサカ県では、ANHA(7月25日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市で、シリア国民軍に所属する東部軍の戦闘員どうしが交戦し、多数が死傷した。

AFP, July 25, 2021、ANHA, July 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 25, 2021、Reuters, July 25, 2021、SANA, July 25, 2021、SOHR, July 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民307人と国内避難民(IDPs)538人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は687,337人、2019年以降帰還したIDPsは94,079人に(2021年7月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月25日付)を公開し、7月24日に難民307人(うち女性92人、子供157人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は687,337人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者292,089人(うち女性87,786人、子ども148,687人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は916,617人(うち女性275,062人、子供467,178人)となった。

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一方、国内避難民538人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは538人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は94,079人(うち女性35,595人、子供32,785人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,675人(うち女性418,154人、子供676,551人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 25, 2021をもとに作成。

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米主導の有志連合の車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、シャッダーディー市に設置されている基地に向かう(2021年7月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約75輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、シャッダーディー市に設置されている基地に向かった。

AFP, July 24, 2021、ANHA, July 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2021、Reuters, July 24, 2021、SANA, July 24, 2021、SOHR, July 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、ダイル・ザウル県、ハマー県・アレッポ県・ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュを狙って爆撃(2021年7月24日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ダイル・ザウル県シューラー村近郊の砂漠地帯、ハマー県・アレッポ県・ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)を狙って爆撃を実施した。

AFP, July 24, 2021、ANHA, July 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2021、Reuters, July 24, 2021、SANA, July 24, 2021、SOHR, July 24, 2021などをもとに作成。

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シリア民主軍はトルコ占領下のアレッポ県ハズワーン村近郊でトルコ軍の車輌を攻撃、兵士3人を殺害、トルコ軍、シリア国民軍はアレッポ県北部各所を砲撃(2021年7月24日)

アレッポ県では、ANHA(7月24日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・アブヤド市近郊のバイナ村、ザイワーン村、シャッアーラ村および同地一帯、スルージュ村、ニーラービーヤ村、タッル・リフアト市、ダイル・ジャマール村、アキーバ村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、マンビジュ市北東のフーシャリーヤ村、ヒサーン村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、トルコ占領下のハズワーン村近郊でトルコ軍の車輌を攻撃、兵士3人が死亡、2人が負傷した。

AFP, July 24, 2021、ANHA, July 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2021、Reuters, July 24, 2021、SANA, July 24, 2021、SOHR, July 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるラタキア県カッバーナ村一帯を爆撃(2021年7月24日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、バイニーン村、ビダーマー町などを砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のフマイマート村、ハミーディーヤ村、ズィヤーラ町、アンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるナワー市で空軍情報部の協力者とされる元離反兵が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県19件、ラタキア県8件、アレッポ県1件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を14件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 24, 2021、ANHA, July 24, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 24, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 24, 2021、Reuters, July 24, 2021、SANA, July 24, 2021、SOHR, July 24, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民313人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は687,030人に(2021年7月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月24日付)を公開し、7月23日に難民313人(うち女性94人、子供160人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民313人(うち女性94人、子供160人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は687,030人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者291,782人(うち女性87,694人、子ども148,530人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は916,310人(うち女性274,970人、子供467,021人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は93,541人(うち女性35,306人、子供32,727人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,137人(うち女性417,865人、子供676,493人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 24, 2021をもとに作成。

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シリア・ロシア軍の封鎖が続いていたダルアー市で元反体制武装集団メンバー50人の武装解除と社会復帰を骨子とする合意が交わされる(2021年7月23日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市で、元反体制武装集団メンバー50人の武装解除と社会復帰を骨子とする合意が交わされた。

合意は元反体制武装集団メンバーを代弁する交渉委員会とシリア政府側の治安委員会の間で交わされた。

合意は、①元反体制武装集団メンバーの武装解除、②元反体制武装集団メンバー135人の社会復帰、③治安部隊の展開、④シリア軍部隊の撤退、を骨子とする。

ダルアー市では、シリア・ロシア軍が6月23日に政府との和解に応じたダルアー市在住の反体制武装集団の元メンバーらに対して、個人で所有する軽火器(約200丁)の引き渡しを求め、ダルアー市ダルアー・バラド地区とマハッタ地区にいたる街道を封鎖し、元メンバーらに圧力をかけていた。

AFP, July 23, 2021、ANHA, July 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 23, 2021、Reuters, July 23, 2021、SANA, July 23, 2021、SOHR, July 23, 2021、July 24, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県マストゥーマ村のトルコ軍基地前などで住民がシリア軍やロシア軍の攻撃に対するトルコの沈黙に抗議するデモ(2021年7月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室支配下のマストゥーマ村にあるバアス前衛キャンプ前で、住民らがシリア軍やロシア軍の攻撃に対するトルコの沈黙に抗議するデモを行った。

バアス前衛キャンプは、トルコ軍が基地として転用しており、イドリブ県における同軍最大の拠点。

同様の抗議デモは、ムウタリム村、タフタナーズ市にあるトルコ軍の拠点前のほか、トルコの占領下にあるアレッポ県アアザーズ市でも行われた。

一方、「決戦」作戦司令室の支配下にあるフーア市では、「ダマスカス連合」を名乗る武装集団メンバーらと同地に移住した住民1人が交戦し、子供1人が巻き添えとなって死亡した。

AFP, July 23, 2021、ANHA, July 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 23, 2021、Reuters, July 23, 2021、SANA, July 23, 2021、SOHR, July 23, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍が政府支配下のイドリブ県マアッラト・ヌウマーン市などを砲撃する一方、ロシア軍はトルコ軍の拠点が設置されているバーラ村を爆撃(2021年7月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室支配地各所に基地や拠点を設置しているトルコ軍が、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市およびその一帯に対して20発の迫撃砲を発射した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

トルコ軍はまたザーウィヤ山地方各所に設置されているシリア軍の拠点に対しても砲撃を行った。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のマアッルバリート村、カンスフラ村を砲撃した。

またロシア軍戦闘機もバーラ村に対して6回の爆撃を実施した。

爆撃はバーラ村に設置されているトルコ軍拠点一帯に対して行われた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県17件、ラタキア県7件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を13件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 23, 2021、ANHA, July 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 23, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 23, 2021、Reuters, July 23, 2021、SANA, July 23, 2021、SOHR, July 23, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民281人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は686,716人に(2021年7月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月23日付)を公開し、7月22日に難民281人(うち女性85人、子供143人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民281人(うち女性85人、子供143人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は686,716人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者291,468人(うち女性87,600人、子ども148,370人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は915,996人(うち女性274,876人、子供466,861人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は93,541人(うち女性35,306人、子供32,727人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,137人(うち女性417,865人、子供676,493人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 23, 2021をもとに作成。

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ロシア軍がダイル・ザウル県シューラー村近郊の砂漠地帯、ラッカ県のラサーファ砂漠でダーイシュを狙って爆撃を実施(2021年7月22日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ダイル・ザウル県シューラー村近郊の砂漠地帯、ラッカ県のラサーファ砂漠でダーイシュ(イスラーム国)を狙って爆撃を実施、シリア軍と親政権民兵が同地でダーイシュの掃討作戦を実施した。

一方、ANHA(7月22日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるブサイラ市でオートバイに乗った武装グループが住民の自宅を襲撃し、女性2人を殺害、子供2人を含む3人が負傷した。

AFP, July 22, 2021、ANHA, July 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 22, 2021、Reuters, July 22, 2021、SANA, July 22, 2021、SOHR, July 22, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県北部各所を砲撃(2021年7月22日)

アレッポ県では、SANA(7月22日付)、ANHA(7月22日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のダイル・ジャマール村、スーガーニカ村、イッビーン村、アキーバ村、マルアナーズ村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、マンビジュ市近郊の小トゥーハール村を砲撃した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、7月16日から19日にかけて、トルコ占領下のアルマダール村、アフリーン市、バーブ市で、トルコ軍とシリア国民軍が続ける攻撃に対する報復作戦を実施し、シリア国民軍の戦闘員12人を殺害したと発表した。

ANHA(7月22日付)が伝えた。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市近郊に位置する大スッカリーヤ村でシリア国民軍に所属するシャーム戦線とシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員どうしが、政府支配地域との密輸ルートの管理をめぐって衝突、交戦した。

AFP, July 22, 2021、ANHA, July 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 22, 2021、Reuters, July 22, 2021、SANA, July 22, 2021、SOHR, July 22, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県ではシリア軍の砲撃で住民7人死亡、ロシア軍がトルコ軍の拠点近くを爆撃、住民はトルコの沈黙に抗議するデモ(2021年7月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のイブリーン村を砲撃し、女性1人と子供3人を含む住民7人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア軍戦闘機1機がバーラ村一帯を3回にわたって爆撃した。

ロシア軍の爆撃は、トルコ軍の拠点が設置されている一帯にも及んだ。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(7月22日付)が複数の活動家の話として伝えたところによると、ザーウィヤ山地方の住民がバイルーン村に設置されているトルコ軍の拠点近くで、シリア軍による連日の攻撃に対して沈黙を続けるトルコの姿勢に抗議するデモを行い、タイヤを燃やすなどして抗議の意思を示した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県17件、ラタキア県7件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を18件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 22, 2021、ANHA, July 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 22, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 22, 2021、Reuters, July 22, 2021、SANA, July 22, 2021、SOHR, July 22, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民306人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は686,435人に(2021年7月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月22日付)を公開し、7月21日に難民306人(うち女性92人、子供156人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民306人(うち女性92人、子供156人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は686,435人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者291,187人(うち女性87,515人、子ども148,227人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は915,715人(うち女性274,791人、子供466,718人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は93,541人(うち女性35,306人、子供32,727人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,137人(うち女性417,865人、子供676,493人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 22, 2021をもとに作成。

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イスラエル軍が再びシリアを爆撃、ヒズブッラーの拠点を狙う(2021年7月22日)

外務在外居住者省は声明を出し、7月22日午前1時13分、イスラエル軍戦闘機がレバノンの首都ベイルート北東の領空を侵犯、ヒムス県クサイル市一帯に対してミサイル攻撃を行ったと発表、これを「テロ行為」と厳しく非難した。

シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃はダブア航空基地、クサイル市一帯、県東部に配置されているレバノンのヒズブッラーの軍事拠点複数カ所を狙ったもので、武器弾薬庫複数棟が破壊され、複数の死傷者が出たという。

AFP, July 22, 2021、ANHA, July 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 22, 2021、Reuters, July 22, 2021、SANA, July 22, 2021、SOHR, July 22, 2021などをもとに作成。

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米軍のヘリコプターがハサカ県ヒルバト・ジャームース村の住居をミサイルで攻撃、住民3人が死亡、多数が負傷(2021年7月21日)

ハサカ県では、SANA(7月21日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市東のヒルバト・ジャームース村にある住居を包囲、米軍のヘリコプター1機がこれをミサイルで攻撃し、住民3人が死亡、多数が負傷した。

ANHA(7月22日付)が伝えた人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターの発表によると、攻撃はダーイシュ(イスラーム国)のセルに対するもので、2人を殺害した。

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 ダイル・ザウル県では、SANA(7月21日付)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアブー・ハマーム市で、シリア民主軍が「人民諸派」の襲撃を受け、兵士1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍兵士を殺害したのはダーイシュ(イスラーム国)だという。

AFP, July 21, 2021、ANHA, July 21, 2021、July 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 21, 2021、Reuters, July 21, 2021、SANA, July 21, 2021、SOHR, July 21, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民324人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は686,129人に(2021年7月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月21日付)を公開し、7月20日に難民324人(うち女性97人、子供165人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民324人(うち女性97人、子供165人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は686,129人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者290,881人(うち女性87,423人、子ども148,071人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は915,409人(うち女性274,699人、子供466,562人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は93,541人(うち女性35,306人、子供32,727人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,137人(うち女性417,865人、子供676,493人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 21, 2021をもとに作成。

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イスラエル軍はレバノン領内からロケット弾2発が撃ち込まれた対抗措置としてレバノン南部を砲撃したと発表(2021年7月20日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターのアカウント(https://​twitter.com/avichayadraee)で、レバノン領内からイスラエルに向けてロケット弾2発が撃ち込まれ、イスラエル側も対抗措置としてレバノン南部を砲撃したと速報として発表した。

発表の内容は以下の通り。

速報 レバノンからイスラエルに向けてロケット弾2発が発射されたのを受けて、西ガリラヤ地方で警戒発令。2発のうち1発は迎撃され、もう1発は空き地に着弾した。この間、国内戦線において何らの特別な指示はない。

速報 (イスラエル)国防軍は、レバノンからイスラエルにロケット弾2発が発射されたことへの対抗措置としてレバノン南部を砲撃した。

AFP, July 20, 2021、ANHA, July 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2021、Reuters, July 20, 2021、SANA, July 20, 2021、SOHR, July 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、ハマー県東部、ラッカ県マアダーン町一帯、ヒムス県東部、ダイル・ザウル県ビシュリー山一帯の砂漠地帯でダーイシュを狙って50回以上の爆撃を実施(2021年7月20日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ハマー県東部、ラッカ県マアダーン町一帯の砂漠地帯、ヒムス県東部の砂漠地帯、ダイル・ザウル県のビシュリー山一帯の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)を狙って50回以上の爆撃を実施した。

AFP, July 20, 2021、ANHA, July 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2021、Reuters, July 20, 2021、SANA, July 20, 2021、SOHR, July 20, 2021などをもとに作成。

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シーア派が住む政府支配下のアレッポ県ヌッブル市がトルコ占領地から砲撃を受け女性1人死亡するなか、トルコのソイル内務大臣が占領下のアフリーン市、アアザーズ市を訪問(2021年7月20日)

アレッポ県では、SANA(7月20日付)によると、「テロ組織」がシリア政府の支配下にある県北部のヌッブル市を砲撃し、女性1人が死亡、女児1人が負傷した。

ANHA(7月20日付)によると、砲撃を行ったのは、アフリーン市一帯を占領するトルコ軍とその「傭兵」(シリア国民軍)で、ヌッブル市に加えてザフラー町も標的となり、女性1人と子供2人が負傷した。

一方、トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣が、トルコが占領下に置くアレッポ県北部に不法入国し、いわゆる「オリーブの枝」地域の中心都市のアフリーン市と「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市の一つアアザーズ市にある内務治安部隊や警察の施設を訪問した。

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ラッカ県では、ANHA(7月20日付)によると、トルコ軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるM5高速道路のアイン・イーサー市・フーシャーン村間一帯を砲撃した。

シリア人権監視団によると、この砲撃で、住民1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, July 20, 2021、ANHA, July 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2021、Reuters, July 20, 2021、SANA, July 20, 2021、SOHR, July 20, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室、トルキスタン・イスラーム党が交戦、住民1人、シリア軍兵士5人、反体制派戦闘員6人死亡、ロシア軍も爆撃を実施(2021年7月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のビダーマー町一帯を砲撃し、住民1人が死亡、8人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のバイニーン村、マンタフ村、フライフィル村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室が県西部などで交戦し、シリア軍兵士5人(うち少尉1人)が死亡、「決戦」作戦司令室側の戦闘員2人が死亡した。

一方、中国新疆ウイグル自治区出身者からなるアル=カーイダ系組織のトルキスタン・イスラーム党の部隊が、道を間違ってシリア政府支配下のミーズナーズ村一帯に進入、シリア軍部隊の攻撃を受け、戦闘員4人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を6回にわたって爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県13件、ラタキア県16件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 20, 2021、ANHA, July 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2021、Reuters, July 20, 2021、SANA, July 20, 2021、SOHR, July 20, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民305人と国内避難民(IDPs)264人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は685,805人、2019年以降帰還したIDPsは93,541人に(2021年7月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月19日付)を公開し、7月18日に難民305人(うち女性92人、子供155人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民305人(うち女性92人、子供155人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は685,805人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者290,557人(うち女性87,326人、子ども147,906人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,773,175人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は915,085人(うち女性274,602人、子供466,397人)となった。

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一方、国内避難民264人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは264人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は93,541人(うち女性35,306人、子供32,727人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,362,137人(うち女性417,865人、子供676,493人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2021をもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機がアレッポ県東部をミサイル攻撃、シリア軍防空部隊が迎撃(2021年7月19日)

シリア軍筋は、アレッポ県南東部のサフィーラ市一帯が7月19日深夜(23時37分)、イスラエル軍戦闘機のミサイル攻撃を受けたが、シリア軍防空部隊が迎撃し、ミサイルのほとんどを撃破、被害は物的被害に限定されたと発表した。

SANA(7月20日付)が伝えた。


シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃はサフィーラ市近郊の防衛工場機構に近いワーハ山にある「イランの民兵」の軍事拠点や基地を狙ったもので、シーア派(12イマーム派)が住むアレッポ県ヌッブル市とザフラー町出身のシリア人2人、外国人3人の合わせて5人が死亡した。

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これに関して、外務在外居住者省は声明を出し、「イスラエルのテロ攻撃は、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)、ダーイシュ(イスラーム国)、ホワイト・ヘルメットといったクライアントであるテロ組織を守ることも、テロリストとその支援者らとの戦いからシリア・アラブ軍を逸脱させることもない」と発表し非難した。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3042125586074548

AFP, July 20, 2021、ANHA, July 20, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2021、Reuters, July 20, 2021、SANA, July 20, 2021、SOHR, July 20, 2021などをもとに作成。

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マロット有志連合報道官は18日のダイル・ザウル県でのイラク人民動員隊ヒズブッラー大隊車輌に対するドローンでの攻撃への関与を否定(2021年7月19日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)のウェイン・マロット報道官は、シリア政府支配下のダイル・ザウル県ブーカマール市近郊のスワイイーヤ村近くでイラク人民動員隊所属のヒズブッラー大隊の車輌に対して7月18日に無人航空機(ドローン)に行った攻撃に関して、「今日も昨日も合同作戦地域で爆撃は実施してない」と述べ、関与を否定した。

フッラ・チャンネル(7月18日付)が伝えた。

同チャンネルによると、マロット報道官はまた「有志連合の作戦に関する虚偽の情報が最近になって増えている」と付言した。

AFP, July 19, 2021、Alhurra, July 19, 2021、ANHA, July 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2021、Reuters, July 19, 2021、SANA, July 19, 2021、SOHR, July 19, 2021などをもとに作成。

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