ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月2日付)を公開し、1月1日に難民の帰国はなかったと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 2, 2021をもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月2日付)を公開し、1月1日に難民の帰国はなかったと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 2, 2021をもとに作成。
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トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握しているイドリブ県の国境地帯を電撃訪問し、トルコによって建設されたマシュハド・ルーヒーン村の国内避難民(IDPs)キャンプなど複数のキャンプを視察訪問した。
視察したキャンプのなかには、建設されたばかりのキャンプや建設中のキャンプも含まれていた。
Ülkemizle Milletimizle Cumhurbaşkanımız Sn @RTErdogan ile ne kadar gurur duysak az
İdlib'de kısa sürede AFAD,Kızılay ve STK'larla yüzbinlerce insana briket ev,milyonlarcasına gıda,hayat eli uzatılıyor
Bir kez daha sorumluluğumuzu gördüm
Milletimiz var olsun
Allahımıza hamd olsun pic.twitter.com/aC2MlpuuJP— Süleyman Soylu (@suleymansoylu) January 1, 2021
AFP, January 2, 2021、ANHA, January 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2021、Reuters, January 2, 2021、SANA, January 2, 2021、SOHR, January 2, 2021などをもとに作成。
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ヒムス県では、SANA(1月1日付)によると、12月30日にシリア政府の支配したにあるダイル・ザウル県カバージブ村近郊で発生したバス襲撃事件で犠牲となった親政権民兵39人(うち士官8人)の葬儀が、アブドゥルカーディル・シャカファ軍事病院で執り行われた。
シリア人権監視団によると、軍関係者や住民数万人が葬儀に参列した。
事件に関しては、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信が、12月31日にダーイシュのメンバーが実行したとする声明を出している。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、国防隊、パレスチナ人民兵のクドス旅団とともに、県南部の砂漠地帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点複数カ所に対する大規模掃討作戦を開始した。
ロシア軍戦闘機も作戦を支援、同地およびアレッポ県、ラッカ県、ハマー県の県境地帯を数十回にわたって爆撃した。
AFP, January 1, 2021、ANHA, January 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 1, 2021、Reuters, January 1, 2021、SANA, January 1, 2021、SOHR, January 1, 2021などをもとに作成。
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ラッカ県では、ANHA(1月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村、M4高速道路沿線、アイン・イーサー・キャンプを砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍と国民軍の砲撃で、12月31日から1月1日にかけて人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍兵士3人が死亡した。
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アレッポ県では、ANHA(1月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。
一方、トルコ占領下のバーブ市では、トルコ軍の貨物トラックに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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ハサカ県では、SANA(1月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町一帯を砲撃した。
AFP, January 1, 2021、ANHA, January 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 1, 2021、Reuters, January 1, 2021、SANA, January 1, 2021、SOHR, January 1, 2021などをもとに作成。
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ラッカ県では、シリア人権監視団、ANHA(1月1日付)、ハベル24(1月1日付)、「ラッカは沈黙によって惨殺される」(1月1日付)などによると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・サマン村に設置されているロシア軍基地が12月31日深夜から1月1日未明にかけて襲撃を受け、爆発と銃撃戦が発生、ロシア軍兵士複数人が負傷した。
攻撃を行ったのは、新興のアル=カーイダ系組織の一つでイドリブ県で活動しているフッラース・ディーン機構で、SNSを通じて次のような声明を出し、犯行を認めた。
「現場では悲惨な状況が続いているものの、汝らの同胞であるフッラース・ディーン機構の中隊の一つがラッカ県のタッル・サマンでロシア軍部隊の巣窟を襲撃することに成功した」。

フッラース・ディーン機構が、反体制派の支配地域であるいわゆる「解放区」以外で作戦を実行したのは、これが初めて。
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シリア人権監視団によると、攻撃を行ったのはフッラース・ディーン機構のメンバー2人。
爆弾を仕掛けた車をロシア軍基地の前に停車させ、基地に向けて発砲、車を置いたまま逃走し、その直後に爆発が発生したという。
この爆発で、ロシア軍兵士数人が爆弾の破片を浴びて負傷したという。
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一方、ANHA(1月1日付)によると、攻撃は爆弾を搭載した車1台と自爆戦闘員5人によって行われた、と伝えた。
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また、「ラッカは沈黙によって惨殺される」は、爆発発生直後に銃撃戦が起こり、ロシア軍兵士多数が死傷したと伝えた。
AFP, January 1, 2021、ANHA, January 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 1, 2021、Raqqa-sl, January 1, 2021、Reuters, January 1, 2021、SANA, January 1, 2021、SOHR, January 1, 2021、Xeber24, January 1, 2021などをもとに作成。
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ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(1月1日付)を公開し、2020年12月31日に難民の帰国はなかったと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 1, 2021をもとに作成。
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シリア人権監視団は、2020年の1年間での死者数が6,817人にのぼったと発表した。
死者の内訳は以下の通り:
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ロシア軍戦闘機の爆撃で死亡した民間人:235人(うち女性41人、子供58人)
トルコ軍地上部隊によって殺害された民間人:16人(うち女性3人、子供2人)
トルコ軍国境警備隊によって殺害された民間人:9人(うち子供3人)
米主導の有志連合によって殺害された民間人:13人(うち女性1人、子供1人)
イスラエル軍の攻撃によって殺害された民間人:4人
シリア軍戦闘機の爆撃で死亡した民間人:115人(うち女性21人、子供38人)
シリア軍ヘリコプターの爆撃で死亡した民間人:12人(うち女性2人、子供1人)
シリア軍地上部隊の砲撃で死亡した民間人:117人(うち女性37人、子供23人)
シリア軍によって殺害された民間人:34人(うち女性7人、子供1人)
シリア政府の刑務所での拷問で死亡した民間人83人
反体制派諸派によって殺害された民間人:53人(うち女性10人、子供7人)
シャーム解放機構によって殺害された民間人:29人
「平和の泉」部隊(国民軍)によって殺害された民間人:12人(うち女性2人、子供1人)
ダーイシュ(イスラーム国)が処刑した民間人:2人
ダーイシュ、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、シリア軍などによって暗殺された民間人:273人(うち女性23人、子供12人)
シリア民主軍によって殺害された民間人:24人(うち女性3人、子供4人)
地雷の爆発で死亡した民間人:165人(うち女性12人、子供52人)
爆弾の爆発で死亡した民間人:50人(うち女性3人、子供7人)
即席爆弾の爆発で死亡した民間人:148人(うち女性10人、子供8人)
死因不明者:134人(うち女性19人、子供12人)
AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。
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ハサカ県では、SANA(12月31日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシャッダーディー市に違法に設置されている基地に駐留する米軍の兵士たちが、同市のタワッスイーヤ地区近くで遊んでいた子供たちに向けて発砲、1人が死亡した。
撃たれたのは、12歳のムハイディー・フサイン・ファッラーフくん、バジュダリー部族の子息。
複数の住民によると、ムハイディーくんは、米軍が接収したラムユ油田近くで、ほかの子供数人と遊んでいたところを、米軍の発砲を受けたという。
米軍は、同地に近づこうとする住民に対して、連日発砲し、威嚇を続けていたという。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が、北・東シリア自治局の支配下にあるラウダ砂漠近郊の街道で、空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと思われる3人を拘束した。
3人のうち、1人はズィーバーン町出身のシリア人、残る2人はイラク人だという。
また北・東シリア自治局の支配下にあるアブリーハ村では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のテロ撲滅部隊が突入し、ダーイシュの元メンバー5人を逮捕した。
5人の中には、ハイル州(ダイル・ザウル県)のワーリーの親族1人も含まれているという。
一方、北・東シリア自治局の支配下にあるハルムーシーヤ村では、シリア国民軍に所属する自衛部隊がダーイシュと思われる武装集団の襲撃を受け、兵士2人が死亡した。
AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月31日付)を公開し、12月30日に難民の帰国はなかったと発表した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, December 31, 2020をもとに作成。
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ジョエル・レイバーン米国務省シリア問題担当特使は声明を出し、シーザー・シリア市民保護法に基づく米国の一方的な制裁の解除を求めたアレナ・ドゥハン国連人権理事会特別報告者の12月29日の声明に関して、「アサド体制がシリア国民に対して行ってる野蛮な戦争こそが、シリアの経済・人道危機をもたらしている」と非難、「米国は人権を侵害するためではなく、強化するために制裁を行っている」と強調した。
AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。
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イナブ・バラディー(12月30日付)は、国民解放戦線の司令官の話として、12月29日にトルコ軍の軍用車輌100輌以上が、イドリブ県タッル・トゥーカーン村に入り、同地に設置されていた第8監視所からの撤退を完了したと伝えた。

同サイトが複数の情報筋の話として伝えたところによると、これによりトルコ軍はシリア政府の支配地域内で孤立していたすべての監視所・拠点から撤退したという。
なお、シリア領内(緊張緩和地帯第1ゾーン)にあるトルコ軍監視所・拠点は69カ所、撤去済みとなった監視所・拠点は13カ所。
トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:
監視所
イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)
拠点
イドリブ県:サラーキブ市(2カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村、カドゥーラ村
アレッポ県:アナダーン市、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村
また撤退が完了した監視所・拠点は以下の通り:
監視所
イドリブ県:サルマーン村(第7監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:アナダーン山(第3監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)
拠点
イドリブ県:サラーキブ市(1カ所)、マアッル・ハッタート村
アレッポ県:アレッポ市ラーシディーン地区、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村(クーラーニー工場)
AFP, December 30, 2020、ANHA, December 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2020、‘Inab Baladi, December 30, 2020、Reuters, December 30, 2020、SANA, December 30, 2020、SOHR, December 30, 2020などをもとに作成。
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SANA(12月30日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午前1時半、イスラエル北部のガリラヤ地方北の上空からダマスカス郊外県ナビー・ハービール・モスク近く(サバダーニー市南)に展開するシリア軍防空部隊に対してミサイル攻撃を行い、シリア軍兵士1人が死亡、3人が負傷したと伝えた。
シリア人権監視団によると、このミサイル攻撃で、ナビー・ハーイール・モスク近くにあるレバノンのヒズブッラーと「イランの民兵」のミサイル・弾薬倉庫複数棟が破壊され、複数の死傷者が出た。
AFP, December 30, 2020、ANHA, December 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2020、Reuters, December 30, 2020、SANA, December 30, 2020、SOHR, December 30, 2020などをもとに作成。
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ラッカ県では、ANHA(12月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のアイン・イーサー・キャンプ、M4高速道路沿線、ムシャイリファ村を砲撃した。

また、SANA(12月30日付)によると、トルコ軍と国民軍は、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市西に位置するシリア政府と北・東シリア自治局共同支配下のクール・ハサン村を砲撃した。
一方、シリア人権監視団は信頼できる複数の情報筋の話として、ロシア軍の複数の将兵がアイン・イーサー市一帯に展開するシリア軍部隊に対して、トルコからの砲撃を受けたと発表した場合、ただちに拘束し、軍事情報局に身柄を引き渡すと脅迫していると発表した。
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ハサカ県では、SANA(12月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町北のダルダーラ村を砲撃した。
AFP, December 30, 2020、ANHA, December 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2020、Reuters, December 30, 2020、SANA, December 30, 2020、SOHR, December 30, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月30日付)を公開し、12月29日に難民の帰国はなかったと発表した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, December 30, 2020をもとに作成。
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国連人権理事会の特別報告者を務めるベラルーシ人のアレナ・ドゥハン氏は、米国に対して、紛争によって破壊されたシリアの市民インフラの再建を阻害する一方的な制裁を解除するよう求めた。
ドゥハン氏は次のように述べた。
「米国の制裁は、10年近く続く紛争で国を破壊されたシリア国民の人権を侵害している。
紛争と暴力は、基本的権利を実現しようとするシリア国民の能力に深刻な影響を与え、家屋、医療施設、学校などに甚大な被害を与えている。
シーザー(・シリア市民保護)法のもとに課せられている制裁はシリアの悲惨な人権状況をさらに悪化させると考えている。とりわけ、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、シリア国民をさらなる人権侵害のリスクにさらしかねない。
2020年6月にシーザー法のもとで最初の制裁が出された時、米国はシリア国民に被害を与える意図はないと言った…。だが、この法律が施行されることで、人道危機は悪化し、シリア国民が基本インフラを再建する機会を奪われている。
AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。
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ジョエル・レイバーン米国務省シリア問題担当特使はハダス(12月29日付)のインタビューに応じ、「米国には厳しい条件があり、アサド体制は、自らの政府を承認されたいのであれば、それらを満たさねばならない」と述べた。
レイバーン特使によると、この条件とは、米国がこれまでに示してきた難民帰還にふさわしい環境の確保、イランおよびその民兵との断交、近隣諸国への攻撃停止、国連安保理決議第2254号に沿った政治解決に加えて、戦争犯罪者の(国際法廷への)引き渡し、すべての化学兵器の引き渡しも含まれるという。

AFP, December 31, 2020、ANHA, December 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2020、al-Hadath, December 29, 2020、Reuters, December 31, 2020、SANA, December 31, 2020、SOHR, December 31, 2020などをもとに作成。
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ラッカ県では、ANHA(12月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市一帯を砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、マアラク村やM4高速道路沿線などで激しく交戦した。
シリア民主軍の広報センターの発表によると、シリア民主軍は侵攻を試みた国民軍を撃退したが、戦闘の兵士5人が死亡したと発表した。
ANHAやシリア人権監視団によると、トルコ軍と国民軍はまた、占領下のタッル・アブヤド市西に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるクール・ハサン村、アウン・ダーダート村などを砲撃し、シリア民主軍に所属する所属のマンビジュ軍事評議会が応戦した。
一方、シリア人権監視団によると、アイン・イーサー市内にあるロシア軍基地の前で、住民らが、トルコ軍の攻撃に対するロシアの沈黙に抗議するデモを行った。
https://www.facebook.com/syriahro/posts/10159671158928115
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アレッポ県では、ANHA(12月29日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市近郊のスーラーン(スーラーン・アアザーズ)町で国民軍に所属するシャーム戦線の司令官の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、司令官1人が負傷した。
また、アアザーズ市でもアリー・ブン・アビー・ターリブ・モスクの近くに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

一方、SANA(12月29日付)によると、トルコ軍と国民軍は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊のアラブ・ハサン村、トゥーハール村を砲撃した。
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ハサカ県では、ANHA(12月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、この砲撃を受けて、住民多数が避難を余儀なくされた。
AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。
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ロシア当事者和解調整センターのヴャチェスラフ・チェトニク副センター長(海軍少将)は報道声明を出し、イドリブ県南東部の緊張緩和地帯(第1ゾーン)で、ロシア軍の装甲車が、「決戦」作戦司令室の支配地域から発射された対戦車ミサイルを被弾し、乗っていた兵士3人が負傷したと発表した。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、アーフィス村一帯に侵攻しようとしたシリア軍を迎撃、装甲車を対戦車ミサイルで破壊した。
ドゥラル・シャーミーヤ(12月29日付)によると、この戦闘で、シリア軍兵士複数人がしたという。
これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるサーン村、マジュダリヤー村、アーフィス村、ザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村などを砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県12件、ラタキア県4件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。
一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。
AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月29日付)を公開し、12月28日に難民の帰国はなかったと発表した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, December 29, 2020をもとに作成。
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米財務省は声明を出し、サウジアラビアのジェッダに本社を置く国立商業銀行(アフリー、NCB)が、スーダンに対する制裁規則と、シリア政府の資産凍結と送金禁止を定めた2011年8月17日の大統領令第13582号2(b)に対する13件の違反に対する民事訴訟を回避するため65万3347ドルを支払することに同意したことを受けて、外国資産管理局(OFAC)がNCBと「和解」したと発表した。
AFP, December 29, 2020、ANHA, December 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 29, 2020、Reuters, December 29, 2020、SANA, December 29, 2020、SOHR, December 29, 2020などをもとに作成。
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アレッポ県では、マヤーディーン(12月28日付)によると、トルコ軍がシリア政府の支配地域内で孤立していたアナダーン山の監視所(第3監視所)からの撤退を完了した。
駐留していた部隊は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるダーラ・イッザ市方面に向かったという。
これにより、シリア領内(緊張緩和地帯第1ゾーン)にあるトルコ軍監視所・拠点は69カ所、撤去済みとなった監視所・拠点は13カ所となった。
トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:
監視所
イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)
拠点
イドリブ県:サラーキブ市(2カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村、カドゥーラ村
アレッポ県:アナダーン市、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村
また撤退が完了した監視所・拠点は以下の通り:
監視所
イドリブ県:サルマーン村(第7監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:アナダーン山(第3監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)
拠点
イドリブ県:サラーキブ市(1カ所)、マアッル・ハッタート村
アレッポ県:アレッポ市ラーシディーン地区、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村(クーラーニー工場)
AFP, December 30, 2020、ANHA, December 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2020、Qanat al-Mayadin, December 28, 2020、Reuters, December 30, 2020、SANA, December 30, 2020、SOHR, December 30, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
スプートニク・ニュース(12月28日付)は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市一帯に対するトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍の攻撃を受けて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がロシア側との協議の結果、同市から撤退し、ロシア・シリア両軍にこれを引き渡すことに同意したと伝えた。
これに関して、国民和解委員会メンバーで親政権ブロガーとしても知られるウマル・ラフムーン氏も、シャームFM(12月28日付)に対して、シリア民主軍がアイン・イーサー市をロシアとシリア軍に引き渡すとの情報を得たと述べた。
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しかし、シリア民主軍に所属するギレ・スピ(タッル・アブヤド)軍事評議会のリヤード・ハラフ総司令官は報道声明を出し、撤退合意を「根拠がない」と否定した。

AFP, December 28, 2020、ANHA, December 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2020、Reuters, December 28, 2020、SANA, December 28, 2020、Sham FM, December 28, 2020、SOHR, December 28, 2020、Sputnik News, December 28, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ラッカ県では、ANHA(12月28日付)、SANA(12月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のムシャイリファ村、ジャフバル村を砲撃した。
一方、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアイン・イーサー市北のトルコ占領地域への潜入を試み、国民軍と交戦、シリア民主軍兵士4人と国民軍戦闘員6人が死亡した。
これに関して、トルコ国防省はツイッターのアカウント(https://twitter.com/tcsavunma/)を通じて声明を出し、「本日月曜日(12月28日)早朝、「平和の泉」地域に潜入を試みたYPGのテロリスト20人を無力化した」と発表した。
https://twitter.com/tcsavunma/status/1343465481085313025
シリア人権監視団によると、国民軍はさらに、アイン・イーサー市一帯に侵攻を試みたが、シリア民主軍が迎撃し、国民軍戦闘員4人を殺害、7人を捕捉した。
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ハサカ県では、SANA(12月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、占領下のラアス・アイン市東に位置するシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下のアッブーシュ村、バーブ・ハイル村、タッル・ワルド村、ヒルバト・シャイール村を砲撃した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるいわゆる「ユーフラテスの盾」地域の中心都市の一つジャラーブルス市南のハムラーン村に設置されている通行所近くで、自作の無人航空機(ドローン)が貨物トラックを攻撃、爆発が発生した。
ハムラーン村の通行所は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地域とトルコ占領地を結ぶ通商用の通行所。
一方、ANHA(12月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市の北東に位置するアラブ・ハサン村、トゥーハール村を砲撃した。
AFP, December 28, 2020、ANHA, December 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2020、Reuters, December 28, 2020、SANA, December 28, 2020、SOHR, December 28, 2020などをもとに作成。
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イドリブ県では、シリア人権監視団やドゥラル・シャーミーヤ(12月28日付)によると、トルコ軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカドゥーラ村に新たな軍事拠点を設置した。
カドゥーラ村はアルバイーン山地方の入り口に位置し、アレッポ市と首都ダマスカスを結ぶM5高速道路沿線のカフルバッティーフ村、ダーディーフ村にいたる要衝。
これにより、シリア領内(緊張緩和地帯第1ゾーン)にあるトルコ軍監視所・拠点は70カ所、撤去済みとなった監視所・拠点は12カ所となった。
トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:
監視所
イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、アナダーン山(第3監視所)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)
拠点
イドリブ県:サラーキブ市(2カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村、カドゥーラ村
アレッポ県:アナダーン市、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村
また撤退が完了した監視所・拠点は以下の通り:
監視所
イドリブ県:サルマーン村(第7監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:シャイフ・アキール山(第4監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所)、シール・マガール村(第10監視所)
拠点
イドリブ県:サラーキブ市(1カ所)、マアッル・ハッタート村
アレッポ県:アレッポ市ラーシディーン地区、ハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村(クーラーニー工場)
AFP, December 28, 2020、ANHA, December 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2020、Reuters, December 28, 2020、SANA, December 28, 2020、SOHR, December 28, 2020などをもとに作成。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を2度にわたって爆撃した。
シリア軍もカッバーナ村一帯を砲撃した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス村一帯に進攻、「決戦」作戦司令室が迎撃した。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、カンスフラ村一帯、バーラ村、フライフィル村を砲撃した。
一方、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるミラージャ村、ダール・カビーラ村を砲撃した。
このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(12月28日付)によると、親政権民兵が、ザーウィヤ山地方のバーラ村に設置されている軍事拠点に向かっていたトルコ軍の車列に向けて砲撃を行った。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を23件(イドリブ県14件、ラタキア県5件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。
シリア政府によると、停戦違反は17件。
一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
AFP, December 28, 2020、ANHA, December 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 28, 2020、Reuters, December 28, 2020、SANA, December 28, 2020、SOHR, December 28, 2020などをもとに作成。
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ロシア大統領府(クレムリン)は声明を出し、ヴラジミール・プーチン大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が電話会談を行い、二国間関係強化をめぐり意見を交わしたと発表した。
会談ではまた、新型コロナウイルス感染症対策、シリア情勢の進捗についても話し合われた。

AFP, December 28, 2020、ANHA, December 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2020、Reuters, December 28, 2020、SANA, December 28, 2020、SOHR, December 28, 2020などをもとに作成。
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フサイン・マフルーフ地方行政環境大臣、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、シリア軍政治局長のハサン・スライマーン少将、ロシア当事者和解調整センター副センター長のヴャチェスラフ・チェトニク海軍少将、共同記者会見を開き、難民、国内避難民(IDPs)の帰還状況などについての成果を発表した。

SANA(12月28日付)が伝えた。
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会談ではマフルーフ地方行政環境大臣が、2012年以降の国内での「テロとの戦い」、被災者の救済や社会人道支援の実績を発表した。
それによると、政府は93のIDPs収容センターの建設と140のIDPs収容センターの確保、住宅19,736棟の修復、住居1,903棟の建設した。
また、2012年に設置されたインフラ復興復旧委員会は、200億シリア・ポンドを拠出し、被害を受けたインフラの復旧にあたるとともに、ダマスカス郊外県ハルジャラ村、アドラー市、ヒムス県ハスヤー町に国外から帰還した難民を受け入れるための住居を建設した。
さらに、避難民帰還調整委員会が設置され、ロシア合同調整センター所轄の難民受入移送居住センター、シリア・アラブ赤新月社などと連携して、国外から難民数十万人の帰国とIDPS約400万人の帰還を実現した。
しかし、マフルーフ地方行政環境大臣は、「テロ支援国」による一方的な制裁が、難民とIDPsの帰還、そして安定実現の障害となっており、シリアの経済・社会状況、さらには衛生状況に悪影響を及ぼしていると指摘した。
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スーサーン外務在外居住者省次官は、シリア・ロシアの協力関係の強化の進捗、シリア軍による「テロとの戦い」の成果を高く評価し、シリア国内でのテロリスト根絶、米国とトルコによる占領地の解放、国内での和解の強化、国家機関の復興、治安と安定の回復への意思を示した。
また、トルコがイドリブ県でのロシアとの停戦合意に違反していると非難し、エルドアン体制とテロ組織の協力関係が改めて明らかになったと指摘した。
一方、米国については、その占領が治安と安定の回復を阻害し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への米国の支援がシリアの領土、国民の統合に打撃を与えているとしたうえで、石油の盗奪が国際法違反、シリアの主権侵害にあたると非難した。
さらに、米国による「経済テロ」がシリア人の苦悩の主因をなしていると指弾、シリア領内へのイスラエルによる度重なる攻撃が、シリア国内でのテロ組織の敗北を取り繕うため、米国との連携のもとに行われていると指摘した。
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チェトニク副センター長は、2020年4月から11月にかけて、シリア各県で2,666の人道プロジェクトを実施し、インフラ復旧などの監督を行ったと述べた。
具体的には、シリア国外難民帰還帰還調整委員会との連携の結果、200万人以上の市民が紛争前に居住していた地域への帰還を実現したとしたうえで、ロシア当事者和解調整センターの作業グループが、新たにシリア政府の支配下に復帰した地域の8つのIDPs収容センターから500人を、ハマー県内の6つのIDPs収容センターから355人を移送し、帰還させたとの成果を発表した。
また、米国が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)によってシリア政府支配地域と隔てられているヨルダン国境のルクバーン・キャンプからIDPsを帰還させることを計画していると付言した。
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スライマーン少将は、10年間におよぶ「テロとの戦い」の末、もっとも困難な時期を乗り越えたとしつつ、依然として米国やトルコの直接支援を受ける「テロの温床」、さらには米国の占領地でもダーイシュ(イスラーム国)の細胞が残存していると指摘した。
そのうえで、全土解放と住民の帰還の実現に向けて、任務を遂行するとの意思を示した。
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ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月28日付)を公開し、12月27日に難民の帰国はなかったと発表した。
2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は636,970人で、内訳は、レバノンからの帰還者242,160人(うち女性72,796人、子ども123,232人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。
また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は866,250人(うち女性259,940人、子供441,500人)。
一方、43カ国で難民登録したシリア人の数は6,734,693人。
2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,668人(うち女性23,221人、子供27,457人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,264人(うち女性405,780人、子供671,223人)。
Ministry of Defence of the Russian Federation, December 28, 2020をもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.