米軍車輌約60輌がハサカ県ルマイラーン油田に違法に設置されている基地を出発し、ワリード国教通行所を経由してイラク領内に向かう(2020年12月9日)

ハサカ県では、SANA(12月9日付)によると、米軍の大型トレーラー、タンクローリー、冷凍車など約60輌からなる車列が、ルマイラーン油田に違法に設置されている基地を出発、ワリード国教通行所を経由してイラク領内に向かった。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

占領下ゴラン高原での住民のデモに対してイスラエル軍が発砲し20人以上負傷(2020年12月9日)

イスラエルの占領下にあるゴラン高原(クナイトラ県)では、マジュダル・シャムス村とマスアダ町の間に位置する工業用地で、住民がウィンドファームの建設に反対するための抗議デモを行った。

これに対して、イスラエル軍は強制排除を試みて、ゴム弾や催涙弾を発射、20人以上が負傷した。

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イスラエル軍によるデモの強制排除を受けて、外務在外居住者省は声明を出し、これを批判、国連に対して占領下の住民によるゼネストを支援し、イスラエルによるゴラン高原併合と土地・財産の接収を拒否するよう訴えた。

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SANA(12月9日付)が伝えた。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア政府支配地内で孤立していた3カ所の監視所・拠点からの撤退を開始(2020年12月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地内に孤立していたサルマーン村の第7監視所から「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方方面に、貨物車輌で武器や装備、兵站物資などを搬出、撤退を開始した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、アレッポ県でも、トルコ軍は、アレッポ市ラーシディーン地区に設置していた拠点からの撤退作業を継続するとともに、ハーン・トゥーマーン村の拠点からも撤退を開始した(ただし、ハーン・トゥーマーン村について、シリア人権監視団は、これまで拠点が設置されていたと発表していなかった)。

ラーシディーン地区の拠点からの撤退により、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は77カ所(うち撤去済みの監視所・拠点は9カ所)となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所、撤退)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所、撤退)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所、撤退)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所、撤退完了)、シール・マガール村(第10監視所、撤退)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村(撤退)、サラーキブ市(3カ所、うち1カ所から撤退)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区(撤退)、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村、ハーン・トゥーマーン村(撤退)
ハマー県:ムガイル村

一方、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室はまた、県東部でシリア軍兵士を狙撃、1人を殺害した。

これに対して、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村、カンスフラ村、バーラ村一帯、バイニーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室もシリア政府の支配下にあるバイト・ハサヌー村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県20件、ラタキア県9件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は35件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 9, 2020、ANHA, December 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 9, 2020、Reuters, December 9, 2020、SANA, December 9, 2020、SOHR, December 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民314人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は631,292人に(2020年12月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月9日付)を公開し、12月8日に難民314人(うち女性94人、子供160人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民314人(うち女性94人、子供160人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は631,292人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者236,044人(うち女性70,961人、子ども120,114人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は860,572人(うち女性258,237人、子供438,605人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 9, 2020をもとに作成。

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ヨルダンはアラブ湾岸諸国向け産品を輸送するシリアの貨物車輌の入国を禁止(2020年12月8日)

ハバル(12月8日付)によると、ヨルダン政府は、ダルアー県のナスィーブ国境通行所に面するジャービル国境通行所で、アラブ・トランジット協定(https://www.customs.gov.sa/themes/custom/customs/files/agreements/transit/en.pdf)に準じていないシリアのアラブ湾岸諸国向けの貨物車輌のヨルダンへの入国を禁止することを決定した。

この決定に関して、シリア国際貨物輸送業者連合幹部のアイマン・ジューバーン氏は、「ヨルダンの措置には何らの法的根拠もない不機嫌な決定」と非難した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、al-Khabar, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県タフタナーズ市の拠点に駐留するトルコ軍兵士が民家の家財道具を破壊、住民らと殴り合いに(2020年12月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるタフタナーズ市で住民複数と、同市に設置されている拠点に駐留しているトルコ軍兵士複数との間で殴り合いの喧嘩が発生した。

トルコ軍兵士らが、タフタナーズ市の民家1棟に侵入し、家財道具などを破壊したのを、家主らが目撃し、これを静止しようとして喧嘩に発展したという。

騒動を受けて、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)の戦闘員が介入し、両者を引き離し、事態を収拾した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア、シリア政府、シリア民主軍はトルコ軍の激しい砲撃が続くラッカ県アイン・イーサー市などの3カ所に合同監視所を設置することを合意(2020年12月8日)

ラッカ県では、ANHA(12月8日付)が複数の情報筋の話として伝えたところによると、ロシア軍、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、そしてシリア政府が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市に合同監視所3カ所を新たに設置することに合意した。

ロシア軍、シリア民主軍、シリア政府の各代表は、アイン・イーサー市にあるロシア軍基地で会合を開き、同市内とその近郊の3カ所に合同監視所を設置することに合意したという。

シリア人権監視団によると、合同監視所が設置されるのは、アイン・イーサー市、M4高速道路沿線、アイン・イーサー市西の3カ所。

合意は、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が同地一帯への砲撃を激化させていることを受けたもの。

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ハサカ県では、SANA(12月8日付)によると、トルコとその支援を受ける国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町一帯を砲撃した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア政府支配地内で孤立していたアレッポ市ラーシディーン地区の拠点から撤退を開始(2020年12月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地内に孤立しているアレッポ市ラーシディーン地区にある拠点から「決戦」作戦司令室の支配下にあるアターリブ市方面に、貨物車輌で武器や装備、兵站物資などを搬出した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

トルコ軍は、ラーシディーン地区に第5監視所を設置していたが、同監視所からも11月24日に撤退している。

ラーシディーン地区の拠点からの撤退により、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は76カ所(うち撤去済みの監視所・拠点は7カ所)となった。

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村(第1監視所)、サルマーン村(第7監視所)、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)(第11監視所)、タッル・トゥーカーン村(第8監視所)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第4監視所、撤退)、アナダーン山(第3監視所)、アレッポ市ラーシディーン地区(南)(第5監視所、撤退)、アイス村(アイス丘)(第6監視所)
ハマー県:ムーリク市(第9監視所、撤退完了)、シール・マガール村(第10監視所、撤退)
ラタキア県:ザイトゥーナ村(第12監視所)

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村(撤退)、サラーキブ市(3カ所、うち1カ所から撤退)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ村(バアス前衛キャンプ)、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村、クークフィーン村、ダイル・サンバル村・イフスィム町間、バーラ村、バイルーン村、マルカブ丘、バドラーン丘、バーラ村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市一帯で砲撃戦を行った。

またシリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村、バイニーン村、ルワイハ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるクルド山地方のブルカーン丘を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村iの丘陵地帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県25件、ラタキア県5件、アレッポ県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民229人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は630,978人に(2020年12月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月8日付)を公開し、12月7日に難民229人(うち女性69人、子供117人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民229人(うち女性69人、子供117人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は630,978人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者235,730人(うち女性70,867人、子ども119,954人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は860,258人(うち女性258,143人、子供438,445人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 8, 2020をもとに作成。

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米国は、中国、サウジアラビアなどを信仰の自由を侵害する懸念国(CPS)に、ダーイシュとシャーム解放機構などを懸念組織(ECP)に指定(2020年12月7日)

マイク・ポンペオ国務長官は報道声明を出し、ミャンマー、中国、エリトリア、イラン、ナイジェリア、北朝鮮、パキスタン、サウジアラビア、タジキスタン、トルクメニスタンを「信仰の自由を体系的、継続的、深刻なかたちで侵害」しているとして、国際信教の自由法(1998年)に基づく「懸念国」(countries of particular concern; CPS)に指定したと発表した。

ポンペオ国務長官はまた、コモロ、キューバ、ニカラグア、ロシアを「信仰の自由への深刻な侵害に関与する、ないしは寛容である国」として「特別監視リスト」(special watch list: SWL)に追加したと発表した。

さらに、アル・シャバブ、アル=カーイダ、ボコ・ハラム、シャーム解放機構、フーシー派、ダーイシュ(イスラーム国、ISIS)、大サハラのイスラーム国(ISGS)、西アフリカのイスラーム国、ジャマーア・ヌスラ・アル・イスラーム・ワル・ムスリミーン、ターリバーン(JNIM)をフランク・R・ウルフ国際信仰の自由法(2016年)に基づく「懸念組織」(entities of particular concern:EPC)に追記したと付言した。

AFP, December 8, 2020、ANHA, December 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 8, 2020、Reuters, December 8, 2020、SANA, December 8, 2020、SOHR, December 8, 2020などをもとに作成。

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トルコはリビアやアゼルバイジャンに派遣していたシリア人傭兵のうち200人のカタールへの派遣を決定(2020年12月7日)

米アラビア語テレビ放送のフッラ・チャンネル(12月7日付)は、複数の情報筋の話として、トルコ政府が、リビアやアゼルバイジャンに派遣していたシリア人傭兵のうち約200人を、来年初めまでにカタールに派遣し、同国のスポーツ関連施設の警備に充てることを決定したと発表した。

派遣が予定されているのは、国民軍に所属するマジド軍団の戦闘員で、トルコの諜報機関は月収1,500~2,000米ドルでカタール行きを要請しているという。

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カタール日刊紙『ワタン』(12月7日付)は、カタール政府が、イドリブ県中北部を中心とするいわゆる「解放区」での初等教育を支援するため、教科書900万刷を提供し、児童約100万人に配布することを決定したと伝えた。

配布される教科書はカタール開発基金とカタール慈善協会によって印刷されるという。

カタール慈善協会によると、2020~2021年の学校教科書約400万部が既に印刷され、数日前に「解放区」で配布されたという。

「解放区」は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコが支援する国民解放戦線(シリア国民軍)の支配下にある。

AFP, December 7, 2020、Alhurra, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020、al-Watan (Qatar) , December 7, 2020などをもとに作成。

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米軍が駐留するダイル・ザウル県ウマル油田からYPGが撤退、「石油施設防衛隊」が新たに進駐(2020年12月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍が駐留するウマル油田に駐留していたシリア民主軍の人民防衛隊(YPG)が撤退、これに代わって「石油施設防衛隊」が新たに進駐した。

YPGは油田に掲げていたシリア民主軍とYPGの旗を降ろし、代わって「石油施設防衛隊」の旗が掲げられた。

「石油施設防衛隊」は、シリア民主軍に所属する組織で、米国が教練と装備を提供している。

その結成には、ダイル・ザウル県の住民(とりわけアラブ系部族)が独自の民兵組織を結成することを抑止する狙いもあるという。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がハマー県、アレッポ県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯でダーイシュへの爆撃を続行(2020年12月7日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハマー県、アレッポ県、ラッカ県の県境に位置する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して爆撃を続行した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米主導の有志連合のヘリコプターの支援を受けて、北・東シリア自治局の支配下にある県南部のファッカ村の民家に突入し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーだと思われる5人を拘束した。

シリア民主軍のテロ撲滅部隊はまた、米主導の有志連合のヘリコプターの支援を受けて、ターイフ村に突入し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと思われる4人を逮捕した。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020, December 8, 2020、SOHR, December 7, 2020, December 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍はシリア民主軍に対してトルコ軍の攻撃が続くハサカ県アイン・イーサー市の政府関連施設をシリア政府に引き渡すよう求める(2020年12月7日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市に駐留するロシア軍部隊の司令官が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の司令官と会談した。

会談は、トルコ軍による同地一帯地域への攻撃激化を受けたもので、ロシア軍側はシリア民主軍に対して、市内の政府関連施設をシリア政府に返還するよう要請した。

しかし、シリア民主軍側はこれを拒否したという。

一方、ANHA(12月7日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市の北2キロの距離に位置するサイダー村近くに基地を建設していると伝え、その写真や映像を公開した。

 

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルバースィーヤ市とアームーダー市を結ぶ街道沿線の国境地帯にトルコ軍が設置していた通行所の前に、シリア民主軍が堀を掘削するなどして封鎖した。

封鎖作業はロシア軍の立ち会いのもとに行われた。

https://www.syriahr.com/wp-content/uploads/2020/12/%D8%AE%D9%86%D8%A7%D8%AF%D9%82.mp4?_=1

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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イスラエル占領下のゴラン高原で、住民がウィンドファーム建設と土地収奪に抗議するためデモ(2020年12月7日)

イスラエル占領下のゴラン高原(クナイトラ県)では、住民が工業用地でのウィンドファームの建設とマジュダル・シャムス村一帯でのさらなる土地収奪に抗議するため、建設予定地近くでデモを行った。

これに対して、イスラエル軍は設置現場にいたる道路を封鎖し、住民の予定地への進入を阻止した。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣が訪問先のイランでザリーフ外務大臣、ガーリーバーフ国会議長と会談(2020年12月7日)

イランを公式訪問中のファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、首都テヘランで、モハマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣、と会談し、二国間の戦略関係の強化などについて意見を交わした。

会談で、ミクダード外務在外居住者大臣が、シリア、リビア、ナゴルノ・カラバフ自治区などへのトルコの内政干渉とテロ支援を非難する一方、シリアを支援するイランの姿勢を高く評価、「テロとの戦い」における勝利はシリアとイラン、そしてそのほかの友好諸国の勝利となると強調した。

ミクダード外務在外居住者大臣はまた、11月27日に殺害されたモフセン・ファフリーザーデ(ファクリザデ)の氏を悼み、弔意を示した。

これに対して、ザリーフ外務大臣は、難民帰還に関する国際会議の開催を歓迎、シリア危機の政治解決に向けた取り組みを継続することの重要性を強調した。

ミクダード外務在外居住者大臣はその後、イラン・イスラーム議会(国会)のモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ議長と会談し、二国間関係の強化などについて意見を交わした。

SANA(12月7日付)が伝えた。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県でトルコ軍兵士1人負傷、ロシア軍が爆撃を実施、トルキスタン・イスラーム党がシリア軍砲台を攻撃(2020年12月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にある県北部のラーム・ハムダーン村にあるトルコ軍基地が何者かによる携行式ミサイルの攻撃を受け、基地の護衛にあたっていた国民軍所属のシャーム軍団の戦闘員2人とトルコ軍兵士1人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

この攻撃と前後して、ロシア軍戦闘機複数機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるシャイフ・バフル村に対して爆撃を実施した。

またシリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村を砲撃しtら。

一方、中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党がシャフシャブー山にあるカウカバ村のシリア軍の砲台を地対地ミサイルで攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村、カフルヤディーン村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県16件、ラタキア県12件、アレッポ県5件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民201人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は630,749人に(2020年12月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月7日付)を公開し、12月6日に難民201人(うち女性60人、子供103人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民201人(うち女性60人、子供103人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は630,749人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者235,501人(うち女性70,798人、子ども119,837人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は860,029人(うち女性258,074人、子供438,328人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 7, 2020をもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県ルマイラーン町一帯で、米軍部隊がパトロールを実施(2020年12月6日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるルマイラーン町一帯で、米軍部隊がパトロールを実施した。

また、米主導の有志連合の車輌約30輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、ハサカ県内に設置されている基地に向かった。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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ベルギー使節団が北・東シリア自治局ジャズィーラ地域執行評議会本部、ワーシューカーニー・キャンプを訪問(2020年12月6日)

12月4日にイラクのクルディスタン地域からティグリス川河畔に設置されているスィーマルカー国教通行所を経由して、シリアに不法入国したベルギー連邦議員と市民社会組織の代表からなる使節団は、アームーダー市にある北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の執行評議会本部を訪問し、ナズィーラ・クーリーヤ共同議長らと会談した。

ANHA(12月6日付)によると、会談では、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」やジャズィーラ地域の自治について意見を交わし、ベルギー使節団は、「テロとの戦い」と同地域における民主的プロジェクトを支援するとの意思を示した。

ベルギー使節団はまた、ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市からの国内避難民(IDPs)が収容されているワーシューカーニー・キャンプを視察した。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県北部へのトルコ軍の砲撃が続くなか、国民軍の送電線略奪により電力供給が途絶えたアルーク村の揚水所が稼働不能に(2020年12月6日)

ハサカ県では、ANHA(12月6日付)、SANA(12月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、トルコ占領下のラアス・アイン市の東に位置し、シリア政府と北・東シリア自治局支配地の共同支配下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のウンム・ハルマラ村、ブービー村、ダーダー・アブダール村、ヌワイハート・ダーダー村、アブダーン村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍の砲撃で、住民多数が避難した。

また、トルコ軍と国民軍の支配下にあるアルーク村の揚水場への電力供給が停止し、稼働不能となった。

シリア政府が所轄するハサカ県水道局のマフムード・アクラ局長によると、電力供給が停止したのは、「傭兵」(国民軍)が、ダルバースィーヤ市から施設に電力を供給している送電線への略奪行為(電線や設備の盗奪)を続けているため。

復旧チームが修理作業を行っているが、「傭兵」による略奪が繰り返されているため、稼働再開には至っていないという。

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ラッカ県では、ANHA(12月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線一帯を砲撃した。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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ミクダード外務在外居住者大臣は、初の公式外遊先であるイランの首都テヘランに到着(2020年12月6日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣が、初の公式外遊先であるイランの首都テヘランに到着した。

訪問はモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣の招待を受けたもので、イラン外務省高官らと会談した。

SANA(12月6日付)が伝えた。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県、ラタキア県、ハマー県で交戦(2020年12月6日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室が、シリア政府支配下のカフルナブル市近郊のマアッラト・マウハド村一帯で交戦、またシリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、ファッティーラ村、スフーフン村、ダイル・サンバル村、フライフィル村、カンスフラ村、カフル・ウワイド村、ハルーバ村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるトルコマン山一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサイダー町と東ガーリヤ町を結ぶ街道で、シリア政府との若いに応じたシャーム解放機構の元司令官が、小隊不明の武装集団の発砲を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県15件、ラタキア県10件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民193人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は630,548人に(2020年12月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月6日付)を公開し、12月5日に難民193人(うち女性58人、子供98人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民193人(うち女性58人、子供98人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は630,548人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者235,300人(うち女性70,738人、子ども119,734人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,731,515人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は859,828人(うち女性258,014人、子供438,225人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 6, 2020をもとに作成。

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ジェフリー前国務省シリア問題担当特使「米軍はダーイシュと戦うだけためだけでなく、アサド政権の支配地回復を阻止するためにシリアに部隊を駐留させている」(2020年12月5日)

ジェームズ・ジェフリー前国務省シリア問題担当特使は、イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエル(12月5日付)のインタビューに応じ、そのなかでアサド政権による全土制圧を阻止するためにシリア領内に米軍部隊を駐留させている、と述べた。

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ジェフリー前特使は、任期終了が近づくドナルド・トランプ米大統領について、「大統領、軍最高司令官になる資質はなかった」と批判、「中東における米国の友人やパートナーはみな、トランプ政権がなくなることを幸せだと言っている」と述べた。

また、トランプ政権がシリアにおける三つの主要な目的、すなわちシリアからのイランの部隊の完全撤退、イスラーム国の完全撲滅、そしてシリアの紛争の政治解決を達成できず、シリア国内で「軍事的膠着」を作り上げ、アサド政権の勢力回復を阻止してきたと主張した。

さらに、トランプ大統領が再三にわたり、シリアからの部隊撤退を決定し、その後これを撤回したことについては、「我々が部隊を撤退させているように見えたことがたびたびあった。だが、それはひどい誤りだった。だが、いずれの場合も…、トランプ大統領は正しく改め、部隊を残留させることを決定した」と振り返った。

「我々は、どのくらいの兵力がいるのかを指導部に明かさないため、いつもごまかし(shell games)をしていた」とも付言した。

その一方で、シリアへの部隊駐留の成果については、「我々はアサドが軍事的に前進するのを食い止めてきた…。軍事的膠着が基本作り出された」としたうえで、米国とその同盟国が、ダーイシュ(イスラーム国)だけでなく、アサド政権による支配地回復を阻止するために行動していると述べ、トルコによるシリア北部への進攻やイスラエル軍による爆撃もその一環をなしていると指摘した。

また、「アサドを経済的に打ち砕く」ための制裁を、国連、EU、そしてアラブ連盟諸国と続けることが、「完全な失敗国家を泥沼状態のなかでロシアとイランに引き継がせる」ことになるとし、これらの国に真摯な交渉や妥協を迫ることができるとの見方を示した。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020、Times of Israel, December 5, 2020などをもとに作成。

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パキスタン外務省はトルコがシリア人傭兵(国民軍)をカシミール地方に派遣しようとしているとの一部報道を否定(2020年12月5日)

パキスタン外務省は声明を出し、トルコがシリア人傭兵をインドとの係争地であるカシミール地方に派遣し、パキスタン軍の支援にあたらせようとしているとの一部報道について、「誤ったニュースに基づくねつ造を完全に拒否する」と発表し、否定した。

本件をめぐっては、国民軍に所属するスライマーン・シャー旅団のアブー・アムシャを名乗る司令官が、2,000米ドルの報酬を受けて、カシミール地方に戦闘員を派遣することを約束したなどといった情報が拡散されていた。

AFP, December 7, 2020、ANHA, December 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 7, 2020、Reuters, December 7, 2020、SANA, December 7, 2020、SOHR, December 7, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍がハサカ県内のトルコ軍基地2カ所を砲撃し、兵士2人殺害(2020年12月5日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ラアス・アイン市近郊のバーブ・ハイル村とダーウーディーヤ村にあるトルコ軍の基地を砲撃し、兵士複数が負傷、バーブ・ハイル村の基地ではトルコ軍兵士2人が死亡した。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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『シャルク・アウサト』:制憲会議第4ラウンドでシリア政府代表団はダーイシュ、ヌスラだけでなく、ムスリム同胞団のテロ行為拒否などを提案(2020年12月5日)

『シャルク・アウサト』(12月5日付)は、複数のメディア筋から得た情報として、12月5日に閉幕した制憲委員会(憲法制定委員会)第4ラウンドの小委員会会合で、シリア政府代表を率いるアフマド・クズバリー人民議会議員が提示した文書の内容を明らかにした。

それによると、クズバリー人民議会議員が示した文書には、以下8項目が提案されていたという。

1. ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ(シャーム解放機構)、ムスリム同胞団、彼らとつながりがある、あるいは同盟関係にある者によるシリア領内でのすべてのテロ行為の完全拒否。
2. トルコ、イスラエル、米国による占領の非難、これを終わらせるための取り組み。
3. シリア・アラブ軍支援。
4. 分離主義計画の拒否。
5. 宗教・宗派、地域、部族、エスニシティの多様性に立脚した全シリア人のための国民アイデンティティの実現。国号をシリア・アラブ共和国、公用語をアラビア語とすること。祖国への帰属、祖国防衛。
6. シリア社会の文化的・文明的多様性の保護。
7. 難民機関の奨励と政治化の拒否。そのための国際社会の支援
8. シリアにおける人道問題への緊急の対応。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、al-Sharq al-Awsat, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020などをもとに作成。

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ヒムス県東部でダーイシュとシリア軍が交戦し、シリア軍兵士5人死亡、ロシア軍が爆撃で対応(2020年12月5日)

ヒムス県では、ラジオ・クッル(12月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、タドムル市西3キロに位置するハイヤーン山近くのシリア軍拠点複数カ所を攻撃し、兵士5人が死亡、複数が負傷した。

この攻撃を受けて、ロシア軍戦闘機が同地一帯を爆撃した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月5日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊が、ダルクーシュ町でダーイシュ(イスラーム国)のセルを摘発するための強制捜査を行い、容疑者多数を逮捕した。

AFP, December 5, 2020、ANHA, December 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 5, 2020、Radio al-Kull, December 5, 2020、Reuters, December 5, 2020、SANA, December 5, 2020、SOHR, December 5, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配地に滞在中のベルギー使節団がスィルヤーニー連合党、殉教者遺族評議会、人権擁護イニシアチブ機構を訪問(2020年12月5日)

12月4日にイラクのクルディスタン地域からティグリス川河畔に設置されているスィーマルカー国教通行所を経由して、シリアに不法入国したベルギー連邦議員と市民社会組織の代表からなる使節団は、ハサカ県カーミシュリー市でスィルヤーニー連合党、殉教者遺族評議会、人権擁護イニシアチブ機構を訪問した。

ANHA(12月5日付)が伝えた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にある東ガリーバ村で内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員1人がオートバイに乗った武装グループの襲撃を受けて、死亡した。

AFP, December 5, 2020、ANHA, December 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 5, 2020、Reuters, December 5, 2020、SANA, December 5, 2020、SOHR, December 5, 2020などをもとに作成。

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