ロシア軍とシリア軍がハマー県東部、ラッカ県西部でダーイシュを爆撃(2020年10月29日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機20機強とシリア軍ヘリコプター複数機が、ダーイシュ(イスラーム国)が活動を続けるハマー家東部とラッカ県西部の各所を爆撃した。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がシリア政府支配地域内で孤立していたハマー県内のシール・マガール村の監視所からの撤退準備を開始(2020年10月29日)

シリア人権監視団は、シリア政府支配地域内で孤立していたハマー県内のシール・マガール村の監視所(第10監視所)に駐留を続けていたトルコ軍部隊が、撤退に向けて準備を始めたと発表した。

トルコ軍は2018年6月14日に同村に監視所を設置していた。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月29日付)によると、撤退する部隊は、イドリブ県のクークフィーン村に再展開する模様。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がアレッポ県北部を砲撃(2020年10月29日)

アレッポ県では、ANHA(10月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯(シャフバー地区)を砲撃した。

また、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のイスカーン(イースカー)村が国民軍の襲撃を受け、住民13人が負傷した。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領はロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使と会談し、11月に予定されている国際難民支援会議について協議(2020年10月29日)

アサド大統領は、シリアを訪問したロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使を団長とするロシア使節団と会談した。

会談では、11月に予定されている国際難民支援会議を中心に協議がなされた。

SANA(10月29日付)が伝えた。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で交戦(2020年10月29日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから238日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、カフル・ウワイド村、マウザラ村、バーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるハザーリーン村、ミラージャ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約50輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下の東ガーリヤ町で軍事治安局のメンバー1人が殺害された。

また、タファス市では、シャーム解放機構の元戦闘員が何者かに撃たれて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を44件(イドリブ県34件、ラタキア県6件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は35件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民511人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は620,296人に(2020年10月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月29日付)を公開し、10月28日に難民511人(うち女性153人、子供261人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民511人(うち女性153人、子供261人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は620,296人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者225,048人(うち女性67,658人、子ども114,506人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は849,576人(うち女性254,934人、子供432,997人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 29, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ドイツは国連安保理で来年予定されている大統領選挙が現在の状況で実施されれば、これを承認しないと主張(2020年10月28日)

国連安保理では、シリア情勢への対応を協議するための会合が開かれ、ドイツのクリストフ・ホイスゲン国連大使が、現在の状況において大統領選挙(2021年予定)が実施された場合、それを承認しないと表明するとともに、シリア政府が制憲委員会(憲法制定委員会)の進展を妨害していると非難、ロシアに対しシリア政府に圧力をかけて、民間人への攻撃を停止させ、政治的解決を受け入れさせるよう求めた。

これに対して、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、ロシアとシリア政府が民間の拠点を攻撃しているとのドイツの主張はねつ造されたもので、正しくないと反論した。

また、米国のリチャード・ミルズ次席大使も、シリア政府は国内外のすべてのシリア人が参加可能な公平な選挙を実施する用意がないと非難した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月29日付)が伝えた。

AFP, October 29, 2020、ANHA, October 29, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2020、Reuters, October 29, 2020、SANA, October 29, 2020、SOHR, October 29, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領はシャーム軍団基地へのロシア軍爆撃に関して「トルコはシリア全土からテロ組織を抹殺することができる」と述べ、クルド民族主義への敵意を示す(2020年10月28日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、10月26日のイドリブ県ドゥワイラ山のシャーム軍団基地に対するロシア軍の大規模爆撃に関して、国会で「国民軍の教練センターに対するロシア軍の攻撃は、持続的な平和と安定が望まれていない兆候だ」と述べた。

その一方で、エルドアン大統領は「シリアにおける部隊駐留が占領ではなく、シリア国民に平和をもたらすことが目的だ」としたうえで、「トルコには、こちらがすでに定めているシリア領内の地域からテロ組織を排除する権利がある…。トルコは必要とあれば、シリア全土からテロ組織を抹殺することができる」と強調し、クルド民族主義勢力の民主統一党(PYD)への敵意を露わにした。

また、トルコのフェリドゥン・シニルリオール国連大使は、シリア情勢に関する国連安保理の会合で、ロシアではなく、シリア軍による停戦違反と軍事的挑発を停止させるよう求めた。

アナトリア通信(10月28日付)が伝えた。

AFP, October 28, 2020、Anadolu Ajansı, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵29人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で死亡する一方、300人が新たに派遣(2020年10月28日)

シリア人権監視団は、トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)29人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡する一方、約300人が新たに現地に派遣されたと発表した。

これにより、戦闘が始まった9月27日以降のシリア人傭兵の死者数は217人となり、シリアに移送された遺体数は163体となった。

なお、トルコがアゼルバイジャンに派遣したシリア人傭兵は約2,350人で、うち320人がすべてを放棄して帰国したという。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県シュハイル村でシリア民主軍兵士1人殺害(2020年10月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士1人が正体不明の武装集団に撃たれて死亡した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の車輌約50輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、県内各所に設置されている基地に向かった。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がアレッポ県バーブ市近郊、マンビジュ市近郊を砲撃、住民複数が負傷(2020年10月28日)

アレッポ県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のマンビジュ軍事評議会によると、トルコ軍の支援を受ける国民軍が、バーブ市近郊のカーウカリー村、クールフユーク村、ジャブラト・サイヤーダ村、シャイフ・ナースィル(クルト・ワイラーン)村など、トルコの占領地に面するシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域を砲撃し、住民複数が負傷した。

マンビジュ軍事評議会によると、打ち込まれた砲弾の数は70発以上に達したという。

ANHA(10月28日付)によると、トルコ軍と国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊のブーガーズ村に対して20発以上の砲弾で砲撃した。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構に近いイバー・ネットはアレッポ県ジャドラーヤー村への攻撃でエジプト人傭兵多数を殺傷したと発表(2020年10月28日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから237日目を迎えた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のジャドラーヤー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(10月28日付)は、この攻撃に関して、機甲ミサイル中隊がジャドラーヤー村一帯の占領国ロシアの民兵の本部2カ所を破壊することに成功、エジプト人傭兵多数を殺傷したと伝えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のアリーハー市、ザーウィヤ山地方各所を砲撃し、アリーハー市では住民4人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府支配下のカフルナブル市近郊でシリア軍兵士1人を殺害した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約25輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内のサビール地区で、シリア政府との和解に応じ、軍事治安局に勤務していた元反体制武装集団の戦闘員3人が、何者かの襲撃を受けて死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県21件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は29件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を14件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 28, 2020、ANHA, October 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 28, 2020、Reuters, October 28, 2020、SANA, October 28, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, October 28, 2020、SOHR, October 28, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民498人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は619,785人に(2020年10月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月28日付)を公開し、10月27日に難民498人(うち女性150人、子供253人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民498人(うち女性150人、子供253人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は619,785人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者224,534人(うち女性67,505人、子ども114,254人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は849,065人(うち女性254,781人、子供432,736人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 28, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアレッポ市マンビジュ市で、フランスのマクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことへの抗議デモ(2020年10月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを侮辱する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県、ハマー県で、シリア・ロシア軍がダーイシュに対して爆撃を実施(2020年10月27日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のブーカマール市近郊のハムダーン航空基地に配備されているシリア軍戦闘機およびヘリコプター約30機が、同市南部の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する地上部隊の掃討作戦を航空支援し、な爆撃を実施した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機25機とシリア軍ヘリコプター4機が、アレッポ県、ラッカ県に近いイスリヤー村一帯で活動を続けるダーイシュ(イスラーム国)に対する爆撃を実施した。

また、同地でシリア軍とダーイシュが激しい戦闘を続け、シリア軍兵士16人、ダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県での森林火災の消火活動にロシア軍参加(2020年10月27日)

ラタキア県では、SANA(10月27日付)によると、10月26日にシャアラ山の植林地帯で発生した火災への県農業局消火チーム、民間防衛隊、シリア軍ヘリコプターの消火活動が続くなか、ロシア軍のイリューシン76(Il-76)が消火活動に参加した。

**

ヒムス県では、SANA(10月27日付)によると、カラーティーヤ村の農地で火災が発生し、地元の消防隊が、民間防衛隊、シリア軍とともに消火活動にあたり、これを鎮火した。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県ファルファラ村で学校職員、教師、生徒が座り込みデモを行い、シリア民主軍による学校閉鎖措置に抗議(2020年10月27日)

ハサカ県では、SANA(10月27日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・ハミース市近郊のファルファラ村で学校職員、教師、生徒が座り込みデモを行い、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による学校閉鎖措置に抗議した。

一方、SANA(10月27日付)によると、米軍の大型トレーラー37輌からなる車列が、北・東シリア自治局支配地域内の油田で採掘した原油を積んで、違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラク領内に向かった。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月27日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村でシリア民主軍が住民多数を拘束した。

一方、シリア人権監視団によると、米軍ヘリコプターが北・東シリア自治局の支配下にあるスブハ村で、シリア民主軍の支援を受けて空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーだと思われる住民4人を拘束した。

また、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市でシリア民主軍の兵士1人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国のジェフリー米国務省シリア問題担当特使はロシア軍のシャーム軍団基地爆撃を停戦違反と非難(2020年10月27日)

米国のジェームズ・ジェフリー国務省シリア問題担当特使は、10月26日にイドリブ県ドゥワイラ山にあるシャーム軍団の基地に対してロシア軍が実施した大規模爆撃について声明を出し、3月5日のロシアとトルコの停戦合意への違反だとして懸念を表明した。

声明のなかで、ジェフリー特使は、ロシア軍を「親体制部隊」(pro-regime forces)と呼んだうえで、「軍事的勝利を追求し続けることで、アサド体制、そしてロシアとイランの同盟者は周辺地域の安定を脅かしている…。親体制部隊の行動は紛争を長引かせ、シリア国民の苦しみを深いものとしている」と非難した。

そのうえで、国連安保理決議第2254号に基づいた停戦、和平プロセスへの指示を改めて表明し、「アサド体制とその同盟者たちは、シリア国民に対する無用で残忍な戦争を終わらせる時が来ている」と呼びかけた。

AFP, October 27, 2020、ANHA, October 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2020、Reuters, October 27, 2020、SANA, October 27, 2020、SOHR, October 27, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民579人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は619,287人に(2020年10月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月27日付)を公開し、10月26日に難民579人(うち女性174人、子供295人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民579人(うち女性174人、子供295人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は619,287人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者224,039人(うち女性67,355人、子ども113,992人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は848,567人(うち女性254,631人、子供432,483人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 27, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのANNAニュースはフッラース・ディーン機構が提供した情報に基づいてシャーム軍団の基地が爆撃されたと伝える(2020年10月26日)

ロシアのANNAニュース(10月26日付)は、ロシア軍戦闘機によるシャーム軍団の基地への爆撃に関して、シャーム解放機構と敵対する新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構のメンバーらからの情報提供に基づいて実施されたと伝えるとともに、爆撃の様子を撮影した航空写真を公開した。

同ニュースによると、フッラース・ディーン機構は、標的となった基地について、シャーム軍団ではなくシャーム解放機構の基地だの情報を提供していたという。



なお、ANNAニュースによると、爆撃では、ロシア軍戦闘機2機が500キログラムの爆弾を投下したという。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、ANNA News, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県北東部でダーイシュとシリア・ロシア軍の戦闘続く(2020年10月26日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県、ラッカ県との県境に位置するイスリヤー村一帯のシリア軍拠点を攻撃、シリア軍と交戦する一方、ロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターが同地を爆撃した。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵18人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡(2020年10月26日)

シリア人権監視団は、トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)18人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡したと発表した。

これにより、戦闘が始まった9月27日以降のシリア人傭兵の死者数は188人となり、シリアに移送された遺体数は123体となった。

なお、トルコがアゼルバイジャンに派遣したシリア人傭兵は約2,050人(うち400人以上がスルターン・ムラード師団とハムザート師団のメンバー、また約1,200人がトルコマン系)。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県、ラッカ県でトルコ軍と国民軍による砲撃続く(2020年10月26日)

アレッポ県では、ANHA(10月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊のヤーシリー村、シャイフ・ナースィル村、ジャブラト・サイヤーダ村、クールフユーク村、カーウカリー村を砲撃した。

一方、ANHAやシリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、2人が死亡、5人が負傷した。

また、バーブ市近郊ダグラバーシュ村でも、爆弾が爆発し、1人が死亡した。

**

ラッカ県では、SANA(10月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカズアリー村(タッル・アブヤド市近郊)を砲撃した。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がイドリブ県内のシャーム軍団の基地を爆撃し、戦闘員78人を殺害(2020年10月26日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから235日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるトルコ国境に近いカフルタハーリーム町近郊のドゥワイラ山にあるシャーム軍団の基地を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

爆撃を実施したのは、ラタキア県のフマイミーム航空基地に配備されているロシア軍戦闘機21機。

シャーム軍団は、国民解放戦線を主導するシリア・ムスリム同胞団系の武装集団の一つで、トルコから装甲車の供与を受けるなど、もっとも手厚い支援を受けている。

この爆撃で、基地内にいた戦闘員少なくとも78人が死亡、90人以上が負傷した。

爆撃が行われた時、基地内では戦闘員の教練の修了式が行われていたと思われる。

また、シリア軍も、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村などを砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県17件、ラタキア県16件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を9件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民503人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は618,708人に(2020年10月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月26日付)を公開し、10月25日に難民503人(うち女性151人、子供257人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民503人(うち女性151人、子供257人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は618,708人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者223,460人(うち女性67,181人、子ども113,697人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は847,988人(うち女性254,457人、子供432,188人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 26, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県で預言者ムハンマドを冒涜したフランスのマクロン大統領に対する抗議デモ、シリア民主軍がこれを強制排除(2020年10月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるガラーニージュ市でフランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

デモに参加したのは、シュアイタート部族数百人で、マクロン大統領の写真を焼くなどして抗議の意思をしめした。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が空に向けて銃を発砲しするなどして威嚇し、デモの強制排除を試み、その際にデモ参加者2人が負傷した。

デモ参加者もシリア民主軍の車輌に向けて投石を行うなどして抵抗した。

アズバ村、マイーズィーラ村でも同様のデモが発生した。

また、ブサイラ市内の学校でも、教員、職員、生徒らが抗議デモを行った。

このほか、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県のラッカ市では、抗議の意思を表す落書きが発見された。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で預言者ムハンマドを冒涜したフランスのマクロン大統領に対する抗議デモ(2020年10月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のハサカ県、ラッカ県、アレッポ県各所で預言者ムハンマドを冒涜したフランスのマクロン大統領に対する抗議デモ(2020年10月25日)

シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市、アレッポ県アフリーン市、ジンディールス町、バーブ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われ、参加者はフランスの国旗やマクロン大統領の写真を燃やすなどして、怒りを露わにした。


AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がアレッポ県、ハサカ県を砲撃(2020年10月25日)

アレッポ県では、ANHA(10月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊のトゥーハール村、ジャート村、ダンダニーヤ村、タッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

**

ハサカ県では、SANA(10月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯を砲撃した。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸のシリア民主軍拠点を砲撃、有志連合が報復として西岸のシリア軍に対して爆撃(2020年10月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がユーフラテス川西岸のクーリーヤ市から、北・東シリア自治局が支配する東岸のタヤーナ村にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属の「自衛部隊」の拠点1カ所に対して砲撃を行った。

これを受け、米主導の有志連合軍の戦闘機が複数機が、報復として砲撃が行われたシリア軍の拠点に対して爆撃を行った。

いずれの攻撃による死傷者もなかった。

一方、SANA(10月25日付)によると、北・東シリア自治局のシュハイル村で米軍ヘリコプター部隊がシリア民主軍の支援を受けて空挺作戦を実施し、3人を拘束した。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.