ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ムアッリム外務在外居住者大臣と会談(2020年10月25日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相と会談した。

SANA(10月25日付)によると、会談では、シリアの経済状況などについて意見が交わされ、一部諸外国による一方的な制裁が経済を悪化させているとの見方で一致した。

制憲委員会(憲法制定委員会)については、外国の不干渉をはじめとするこれまでの合意に基づき議事を進行することが重要だとの点を確認した。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、アイマン・ラアド同特別局長が同席した。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民496人と国内避難民(IDPs)17人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は618,205人、2019年以降帰還したIDPsは66,463人に(2020年10月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月25日付)を公開し、10月24日に難民496人(うち女性148人、子供253人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民496人(うち女性148人、子供253人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は618,205人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者222,957人(うち女性67,030人、子ども113,440人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,721,603人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は846,989人(うち女性254,158人、子供431,678人)となった。

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一方、国内避難民17人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは17人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は17人(うち女性4人、子供8人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,451人(うち女性23,159人、子供27,354人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,047人(うち女性405,718人、子供671,120人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 25, 2020をもとに作成。

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マクロン大統領による預言者ムハンマドの侮辱に抗議しバーブ・ハワー国境通行所とタッル・アブヤド国境通行所がフランス製品持ち込み禁止を決定(2020年10月24日)

イドリブ県では、バーブ・ハワー国境通行所の管理局がホームページ(https://www.babalhawa.net/)などを通じて、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握り、シリア救国内閣が自治を担っているいわゆる「解放区」へのフランス製品の持ち込み禁止を決定したと発表した。

決定は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が10月21日に首都パリのソルボンヌ大学で執り行われた歴史教師のサミュエル・パティ氏の国葬で「われわれは風刺画をやめない」と宣言し、預言者ムハンマドを「再三にわたって冒涜した」ことへの対抗措置だという。

バーブ・ハワー国境通行所は、国連安保理決議第2533号(2020年7月11日)で、周辺国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援の経由地として認められている唯一の通行所。

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また、ラッカ県でも、タッル・アブヤド市の国境通行所の管理局がフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/TelAbyadBC/)を通じて、トルコ占領下の「平和の泉」地域へのフランス製品の持ち込み禁止を決定したと発表した。

決定は、トルコのガジアンテップに拠点を置く、暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立の傘下組織)の指示によるもので、同じく、マクロン大統領がイスラームとその象徴を冒涜したことへの対応措置。

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一方、イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月24日付)によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るダルクーシュ町、ザルダナー村で「寛大なる使徒ムハンマド救済(ヌスラ)」と銘打ったデモが行われ、マクロン大統領の弔辞内容に抗議の意思が示された。

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マクロン大統領はパティ氏にフランスの最高勲章であるレジオン・ドヌールを授与、弔辞では、パティ氏が、フランスの世俗主義、民主主義の価値観を体現したがゆえに、臆病者たちに狙われて殺されたとしたうえで、「彼は我々の未来を奪おうとしたイスラーム主義者によって殺害された」、「我々の未来を決して渡さない」と強調した。

パティ氏(47歳)は、10月16日にパリ近郊にある学校からの帰宅途中に、ロシア・チェチェン共和国出身のアブドゥッラ・アンゾロフ容疑者(18歳)によって首を切断されて殺害された。

パティ氏が授業で表現の自由に関する議論をした際に、預言者ムハンマドの風刺を見せたことが殺害の動機となったと思われる。

アンゾロフ容疑者はツイッターにパティ氏の頭部の画像を投稿したが、その後警察に射殺された。

また、APF(10月22日付)は、捜査に詳しい情報筋の話として、アンゾロフ容疑者が、犯行前にシリアにいるロシア語話者のイスラーム過激派と接触していたと伝えた。

同情報筋によると、この過激派の身元は判明していないが、フランス日刊紙『パリジャン』(10月22日付)によると、IPアドレスによる追跡で、この人物がイドリブ県にいると特定されたと伝えた。

事件ではまた、アンゾロフ容疑者がパティ氏を特定するのを手助けしたとして、14歳と15歳の生徒2人を含む7人が、テロ関連の殺人共犯容疑で立件されている。

アンゾロフ容疑者は、パティ氏の容姿を知らなかったため、この生徒らに300~350ユーロを渡し、協力させたという。

アンゾロフ容疑者が生徒2人にパティ氏を襲撃すると語った後も、この2人は2時間以上にわたって容疑者とともにパティ氏を待ち伏せしていたという。

また立件された7人のなかには、SNS上でパティ氏への反対運動を行った保護者の男性が含まれている。

この男性の娘は、パティ氏の生徒だったが、この生徒はパティ氏が授業で風刺画を見せた時には教室内にはいなかった。

男性は事件前、WhatsAppでアンゾロフ容疑者とメッセージをやり取りしていたことも分かっているという。

4人目の容疑者は、イスラーム過激派として知られる男性で、ジェラルド・ダルマナン内務大臣は、この男性がパティ氏の襲撃を認めるファトワーを出したとの見解を示している。

残る3人は、アンゾロフ容疑者の友人で、うち1人は車でアンゾロフ容疑者を現場まで送り届けた男性、もう1人は容疑者の凶器購入に同行した人物だという。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Le Parisien, October 22, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターがハマー県北東部でダーイシュを爆撃(2020年10月24日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターが、アレッポ県、ラッカ県との県境に近いイスリヤー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して爆撃を行った。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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シリア生まれのアルメニア人記者はトルコがギリシャとの国境地帯に派遣するためのシリア人傭兵を募集していることを突き止める(2020年10月24日)

ギリシャの日刊紙『グリーク・シティー・タイム』(10月23日付)は、トルコがギリシャとの国境地帯に派遣するため、シリア人傭兵を募集しているとの話が、イドリブ県で活動する複数の「テロリスト」の間で出回っていることを、シリア生まれのアルメニア人記者のアブラーハーム・カースバールヤーン氏が突き止めたと伝えた。

カースバールヤーン氏は、トルコによるアゼルバイジャンへのシリア人傭兵派遣をいち早く伝えた記者の1人。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、The Greek City Times, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県、ハサカ県を砲撃、シリア民主軍が応戦(2020年10月24日)

ラッカ県では、ANHA(10月24日付)やSANA(10月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のハーリディーヤ村、フーシャーン村、M4高速道路沿線を砲撃した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、国民軍戦闘員多数を殺傷した。

一方、SANA(10月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ市東の農村で、シリア民主軍が住民50人以上を拘束した。

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アレッポ県では、ANHA(10月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、マンビジュ市北東のフーシャリーヤ村、トゥーハール村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(10月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町北西のライハーニーヤ村、ファイサリーヤ村を砲撃し、複数の死傷者が出た。

これに対して、シリア民主軍が反撃、トルコ軍、国民軍と交戦した。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍の装甲車など20輌からなる車列が「決戦」作戦司令室の支配下にあるハマー県ガーブ平原のカストゥーン村に偵察のため進入(2020年10月24日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから233日目を迎えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の装甲車など20輌からなる車列が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカストゥーン村に入った。

同地で偵察活動を行うのが目的だという。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、スフーフン村、ダイル・サンバル村一帯、バイニーン村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるミーズナーズ村を砲撃した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、シャフバー町で、武装した住民どうしが交戦し、男性1人が死亡、3人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県24件、ラタキア県5件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民512人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は617,709人に(2020年10月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月24日付)を公開し、10月23日に難民512人(うち女性154人、子供262人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民512人(うち女性154人、子供262人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は617,709人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者222,461人(うち女性66,882人、子ども113,187人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,350人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は846,989人(うち女性254,158人、子供431,678人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 24, 2020をもとに作成。

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ロシア軍がトルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市近郊をミサイル攻撃し3人死亡(2020年10月23日)

アレッポ県では、ANHA(10月23日付)によると、所属不明の無人航空機(ドローン)がトルコ占領下のジャラーブルス市近郊に飛来、爆撃によると思われる巨大な爆発が2度にわたって発生した。

これに関して、シリア人権監視団は、爆発がロシア軍のミサイル攻撃によるものだと発表した。

同監視団によると、ミサイルはシリア駐留ロシア軍司令部のあるラタキア県のフマイミーム航空基地から発射され、標的となったのはジャラーブルス市近郊のビイル・クーサー村で、市場や燃料販売店などが狙われ、3人が死亡、18人が負傷したという。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のアレッポ県各所を砲撃(2020年10月23日)

アレッポ県では、ANHA(10月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市北のアウン・ダーダート村、タッル・リフアト市近郊のシャフバー・ダム、タッル・マディーク村、スムーキーヤ村を砲撃した。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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米軍のタンクローリーが北・東シリア自治局支配地で盗掘した石油を積んで、イラク領内に向かう(2020年10月23日)

ハサカ県では、SANA(10月23日付)によると、米軍のタンクローリー約40輌からなる車列が、北・東シリア自治局支配地で盗掘した石油を積んで、違法に設置されたワリード国境通行所からイラク領内に入った。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月23日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるバーグーズ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住民多数を拘束した。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民567人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は617,197人に(2020年10月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月23日付)を公開し、10月22日に難民567人(うち女性170人、子供289人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民567人(うち女性1706人、子供289人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は617,197人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者221,949人(うち女性66,728人、子ども112,925人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,350人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は846,677人(うち女性254,004人、子供431,416人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 23, 2020をもとに作成。

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北・東シリア自治局の管理下にあるハサカ県のフール・キャンプからダーイシュ・メンバーの外国人妻が脱走を試みる(2020年10月22日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプに収容されているダーイシュ(イスラーム国)メンバーの妻4人が子供とともに脱走を試みたが、内務治安部隊(アサーイシュ)によって取り抑えられた。

脱走を試みたのは、ロシア人女性3人とオーストリア国籍のチュニジア人女性1人。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県で米主導の有志連合の無人航空機(ドローン)が爆撃を実施、アル=カーイダ系戦闘員多数死傷(2020年10月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、米軍が主導する有志連合所属と思われる無人航空機(ドローン)1機が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握しているサルキーン市近郊のジャカーラ村の農場を爆撃した。

爆撃は、シャーム解放機構司令官の会合を狙ったもので、シャーム解放機構の司令官と民間人合わせて15人以上が死亡、多数が負傷した。

死亡した15人のなかには、ダーイシュ(イスラーム国)で治安責任者を務めていたシャーム解放機構のメンバーもいるという。

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ドゥラル・シャーミーヤ(10月22日付)によると、爆撃が有志連合によるものだと断定したうえで、狙われたのはジャカーラ村の農場に設営されていたテントだったと伝えた。

https://www.youtube.com/watch?v=y-3ikpT-8rs

なかには地元の名士のサーミル・スアード氏、ムハンマド・ウライウィー・シャーシュ・アブー・ハサン氏、民間人のアフマド・ジャースィム氏、イブラーヒーム・スアード氏、アーミル・スアード氏、無所属の反体制武装集団であるファトフ大隊の司令官のアブー・タルハ・ハディーディー氏、ハンムード・スィハーラ氏がいたという。

有志連合の航空機が22日晩からサルミーン市に近い国境地帯上空で旋回を強化していたという。

なお、イナブ・バラディー(2019年7月19日付)によると、ファトフ大隊は重火器を保有しない軽武装の組織で、約500人の戦闘員からなっていたという。

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一方、ニダー・スーリーヤ(10月22日付)は、爆撃を受けたのが、サーミル・スアード氏の農場のテントで、なかでは夕食がとられていたと伝えた。

同サイトは、またサーミル・スアード氏がシャーム解放機構治安関係者だとしたうえで、兄弟のアーミル・スアード氏、イブラーヒーム・スアード氏、シャーム解放機構元司令官のハンムード・スィハーラ氏、ファトフ大隊司令官のアブー・タルハ・ハディーディー氏が死亡、シャーム解放機構の治安責任者アブー・ビラール・クドス氏ら複数の司令官が負傷したと付言した。

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他方、オリエント・ニュース(10月22日付)は、シャーム解放機構に近い複数のアカウントから収集した情報として、フッラース・ディーン機構が主導していた「堅固に持せよ」作戦司令室に所属するファトフ大隊の会合が狙われたと伝えた。

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また、シャーム解放機構に近い「シリア革命の轟き」を名乗るフェイスブックのアカウント(https://twitter.com/mzmgrsyria)は、「速報」として、被害状況を遺体の写真付きで詳細にツイートした。

その内容をまとめると以下の通り:

ジャカーラ村のサーミル・スアード氏の農場に設営されていたテント内での夕食時を狙って有志連合が爆撃を行った。

サーミル・スアード氏はシャーム解放機構の治安関係者で、アブー・アフマド・フドゥード・バドラーンなる人物と活動していた。

サーミル・スアード氏、同氏の兄弟でシャーム解放機構の治安関係者だったアーミル・スアード氏、イブラーヒーム・スアード氏、民間人のハーッジ・アフマド氏、フッラース・ディーン機構司令官のウサーマ・ムハージル氏、同氏とともに、シリアからトルコに密入国しようとしていたムハージリーン(外国人戦闘員)4人、シャームの民のヌスラ戦線のアレッポ支部創設者で、その後ファトフ大隊のメンバーとなったハンムード・スィハーラ氏、同じくファトフ大隊のメンバーアブー・タルハ・ハディーディー氏、ハンムード・スィヤーラ氏のドライバーのファーティフ・スィハーラ氏、アカイダート部族のアブー・ハサン・シャーシュ氏、無所属の外国人戦闘員アブー・ハフス・ウルドゥンニー氏ら25人以上死亡。

死亡したのはいずれもシャーム解放機構と対立していた。

爆撃は、トルコに外国人戦闘員を密入国させようとしていために敢行された。

遺体はサルキーン市の病院に搬送される。

テント内では、フッラース・ディーンと無所属の戦闘員の和解に向けた協議が行われていたとの情報があった。

https://twitter.com/mzmgrsyria/status/1319358949108424704

https://twitter.com/mzmgrsyria/status/1319385506468212740

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、‘Inab Baladi, October 22, 2020、Nedaa-sy, October 22, 2020、Orient News, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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トルコによってリビアに派遣されていたシリア人傭兵550人が契約期間を終え帰国(2020年10月22日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加していたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)550人が契約期間を終え、トルコ占領下のアレッポ県北部に新たに帰還したと発表した。

これにより、トルコがリビアに派遣した国民軍戦闘員の数は18,000人(うち子供350人)、契約が終了し、帰国した戦闘員の数は9,850人となった。

なお、リビアに派遣されたジハード主義者の数は10,000人(うちチュニジア人は2,500人)だという。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍が前日に続いてラッカ県アイン・イーサー市一帯を砲撃し、1人負傷(2020年10月22日)

ラッカ県では、ANHA(10月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、前日に続いて、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市と同市近郊のサイダー村などM4高速道路沿線を砲撃した。

また国民軍がM4高速道路沿線で住民に向けて発砲し、1人が負傷した。
https://hawarnews.com/ar/uploads//2020/10/22/131603_1603372097357.jpeg

シリア人権監視団によると、砲撃は北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所を狙ったもので、負傷したのもアサーイシュ隊員だという。

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ハサカ県では、SANA(10月22日付)によると、ハサカ県電力公社が、10月21日のトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍によるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町と近郊のハドラーウィー村などへの砲撃で発生した停電の復旧作業を行い、アルーク村の揚水所への電力供給を再開させた。

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アレッポ県では、ANHA(10月22日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市西の国境地帯で、ロシア軍装甲車4輌とトルコ軍装甲車4輌が合同パトロールを実施した。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民521人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は616,630人に(2020年10月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月22日付)を公開し、10月21日に難民521人(うち女性156人、子供266人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民521人(うち女性156人、子供266人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は616,630人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者221,382人(うち女性66,558人、子ども112,636人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,350人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は845,910人(うち女性253,834人、子供431,127人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 22, 2020をもとに作成。

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ポンペオ米国務長官「シリア政府が拘束する米国人の帰国に向けた取り組みを続ける」(2020年10月21日)

マイク・ポンペオ米国務長官は、カッシュ・パテル大統領副補佐官がシリアの首都ダマスカスを秘密裏に訪問し、シリアの当局によって拘束されているとされる米国人2人、ジャーナリストのオースティン・タイス氏(2012年失踪)、セラピストのマジド・カマルマズ氏(2017年失踪)の身柄引き渡しについて協議していたとの報道に関して、釈放に向けた政策を変更しないと述べた。

ポンペオ国務長官は「我々はシリアがタイス氏を釈放し、彼らが知っていることを我々に話すよう求めた。だが、彼らはそうすることを選ばなかった…。我々はオースィンだけでなく、拘束されているすべての米国人を帰国させるために取り組みを続ける。我々はそうするための政策を変更するつもりはない」と述べた。

ロイター通信(10月21日付)などが伝えた。

AFP, October 21, 2020、ANHA, October 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2020、Reuters, October 21, 2020、SANA, October 21, 2020、SOHR, October 21, 2020などをもとに作成。

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トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵36人が新たに死亡(2020年10月21日)

シリア人権監視団は、トルコによってアゼルバイジャンに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)36人がナゴルノ・カラバフ地方一帯での戦闘で新たに死亡したと発表した。

これにより、戦闘が始まった9月27日以降のシリア人傭兵の死者数は170人となり、シリアに移送された遺体数は118体となった。

なお、トルコがアゼルバイジャンに派遣したシリア人傭兵は約2,050人(うち400人以上がスルターン・ムラード師団とハムザート師団のメンバー、また約1,200人がトルコマン系)。

AFP, October 21, 2020、ANHA, October 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2020、Reuters, October 21, 2020、SANA, October 21, 2020、SOHR, October 21, 2020などをもとに作成。

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エジプト、ギリシャ、キプロス首脳はトルコの介入政策を非難、シリアの主権と国土統一の維持、違法な外国の駐留の撤退を求める(2020年10月21日)

エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相、キプロスのニコス・アナスタシアディス大統領が、キプロスの首都ニコシアで首脳会談を行い、リビア、アルメニア、アゼルバイジャンなどに対するトルコの介入政策を非難、シリアについては主権と国土統一の維持の必要を強調し、違法な外国の駐留に異議を唱えた。

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会談後の共同記者会見で、アナスタシアディス大統領は、トルコが多くの違法行為によって、地域の情勢を混乱させ、緊張を高め、安定を揺るがしているとしたうえで、トルコによるシリアへの侵略と介入、リビアへの傭兵派遣、ナゴルノ・カラバフへの介入、黒海・エーゲ海での了解侵犯を非難、その停止を求めた。

スィースィー大統領は、トルコによる紛争地域への傭兵の派遣、移民・難民問題を通じた欧州への圧力を非難するとともに、シリアについては、外国の違法な駐留を拒否し、テロ支援を行う諸外国に対して、国連安保理決議第2554号などの原則に立ち返るよう求めた。

ミツォタキス首相は、トルコの拡張主義的な政策が地域に脅威を与えていると批判、リビア情勢について外国の介入を排除した問題解決を主唱した。

AFP, October 21, 2020、ANHA, October 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2020、Reuters, October 21, 2020、SANA, October 21, 2020、SOHR, October 21, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県北部、ハサカ県北部を激しく砲撃(2020年10月21日)

ラッカ県では、SANA(10月21日付)やANHA(10月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市、同市に近いスライブ村、フッリーヤ村、ビール・アラブ村、ジャラン村、スィフヤーン村、ヒルバト・バカル村、クール・ハサン村、アブー・サッラ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍もクーマーズダー村にあるトルコ軍の基地を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍の戦闘員8人が離反し、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のアサディーヤ村にあるシリア民主軍の拠点に向かって逃走した。

これを受けて、トルコ軍はアサディーヤ村、ハドラーウィー村一帯を砲撃した。

一方、SANA(10月21日付)によると、トルコ軍と国民軍が、アブー・ラースィーン町とその近郊のハドラーウィー村などを砲撃し停電が発生、揚水所があるアルーク村への電力供給が停止した。

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アレッポ県では、ANHA(10月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のブルジュ・カース村、シャフバー・ダム、スムーキーヤ村を砲撃した。

AFP, October 21, 2020、ANHA, October 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2020、Reuters, October 21, 2020、SANA, October 21, 2020、SOHR, October 21, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県ラーミー村を爆撃し、住民6人負傷(2020年10月21日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから230日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のラーミー村を爆撃し、子供2人を含む住民6人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
シリア軍がザーウィヤ山地方のバーラ村を砲撃し、住民多数が負傷した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるダール・カビーラ村を砲撃するとともに、同地近郊でシリア軍兵士を狙撃、1人を殺害した。

また、フライフィル村ではシリア軍とシャーム解放機構が激しく交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とシリア軍がアレッポ県とラッカ県との県境に位置するイスリヤー村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して爆撃を実施、シリア軍地上部隊が同地でダーイシュと交戦した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県13件、ラタキア県3件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 21, 2020、ANHA, October 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 21, 2020、Reuters, October 21, 2020、SANA, October 21, 2020、SOHR, October 21, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民415人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は616,109人に(2020年10月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月21日付)を公開し、10月20日に難民415人(うち女性125人、子供212人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民415人(うち女性125人、子供212人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は616,109人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者220,861人(うち女性66,402人、子ども112,370人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,350人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は845,389人(うち女性253,678人、子供430,861人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 21, 2020をもとに作成。

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クナイトラ県でイスラエル軍の砲撃により大きな爆発(2020年10月20日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある県北部のフッリーヤ村をイスラエル軍が砲撃し、大きな爆発が発生した。

この砲撃で、フッリーヤ村にある学校が標的となり、ヒズブッラーのメンバー3人(うちシリア人1人、2人の国籍は不明)が死亡した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県を所属不明の戦闘機が爆撃し、ファーティミーユーン旅団の戦闘員少なくとも7人死亡(2020年10月19日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月19日付)によると、18日深夜から19日未明にかけて、シリア政府の支配下にあるブーカマール市近郊にあるファーティミーユーン旅団の拠点複数カ所が、所属不明の戦闘機の爆撃を受けて、戦闘員少なくとも7人が死亡した。

AFP, October 19, 2020、ANHA, October 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 19, 2020、Reuters, October 19, 2020、SANA, October 19, 2020、SOHR, October 19, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がハマー県ムーリク市近郊の第9監視所から撤退(2020年10月20日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配地域内で孤立していたムーリク市近郊の第9監視所からの撤収作業を継続、民間トレーラー数十輌が装備や物資を積んで同地を退去した。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)などによると、撤退したトルコ軍部隊は、シリア政府の支配地域と「決戦」作戦司令室の支配地が接するイドリブ県ザーウィヤ山地方に再展開すると見られる。

https://www.youtube.com/watch?v=JWrWGQxn5w0

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた撤収作業と並行して、兵站物資を積んだ車輌約15輌をイドリブ県カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月20日付)によると、トルコ軍はアレッポ市とラタキア市を結ぶイドリブ県内のM4高速道路で単独パトロールを実施した。

ロシア軍が行動パトロールの実施を拒否したため、トルコ軍のみによる巡回が行われたものと見られる。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

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スウェーデン外務省使節団が北・東シリア自治局ジャズィーラ地方執行評議会本舎を訪問、人道・政治面での支援を約束(2020年10月20日)

ハサカ県では、ANHA(10月20日付)によると、北・東シリア自治局支配地を訪問中のスウェーデン外務省使節団が、アームーダー市にある北・東シリア自治局ジャズィーラ地方執行評議会本舎で会談した。

スウェーデン外務省のビル・オルニウス特使を団長とする使節団は会談で、人道面、政治面での支援を約束した。

ANHA(10月20日付)が伝えた。

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一方、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の傘下にあるダイル・ザウル民政評議会のスポーツ連合代表が離反し、トルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市に家族とともに逃亡した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍ドローンがハサカ県北東部を爆撃、シリア民主軍自衛部隊の隊員2人が死亡(2020年10月20日)

ハサカ県では、ANHA(10月20日付)によると、トルコ軍の偵察用の無人航空機(ドローン)が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のマズリー村、ダイルカー・バラーフィー村を爆撃した。

シリア人権監視団によると、爆撃は車を狙ったもので、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属する「自衛部隊」の隊員2人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHA(10月20日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民5人が負傷した。

また、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフリーン市とジンディールス町を結ぶ街道で、トルコ軍装甲車が子供2人が乗っていたオートバイと衝突、乗っていた子供1人が死亡、1人が負傷した。

一方、トルコの占領下にあるバーブ市近郊のシャイフ・ナースィル村(クルト・ワイラーン村)に展開するトルコ軍部隊は、カーウカリー村にあるシリア民主軍バーブ軍事評議会の拠点複数カ所を砲撃した。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方のマガーラ村を2度にわたって爆撃(2020年10月20日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから227日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のマガーラ村を2度にわたって爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、スフーフン村、ファッティーラ浦、カンスフラ村などを砲撃し、フライフィル村で戦闘員1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のタッル・ワースィト村、ズィヤーラ町、カルクール村を砲撃し、カルクール村で女性1人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県21件、ラタキア県10件、アレッポ県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民343人と国内避難民(IDPs)2人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は615,694人、2019年以降帰還したIDPsは66,432人に(2020年10月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月20日付)を公開し、10月19日に難民343人(うち女性103人、子供175人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民343人(うち女性103人、子供175人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は615,694人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者220,446人(うち女性66,277人、子ども112,158人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,722,350人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は844,974人(うち女性253,553人、子供430,649人)となった。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は2人(うち女性1人、子供1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,434人(うち女性23,155人、子供27,346人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,335,030人(うち女性405,714人、子供671,112人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2020をもとに作成。

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