バスニュース:YPGと「イランの民兵」がトルコ軍の侵攻に備えて新たな作戦司令室を設置(2022年6月12日)

イラク・クルディスタン地域政府に近いバスニュース(6月12日付)は、クルド消息筋の話として、トルコが計画しているとされるアレッポ県北部に対する新たな侵攻作戦に対処するため、「クルド人部隊」(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)と「イランの民兵」が「北部の落雷」の名で新たな合同作戦司令室を結成したと伝えた。

同消息筋によると、「北部の落雷」作戦司令室は、ロシアの要請を受けて5月25日に結成され、「イランの民兵」であるアフガニスタン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の部隊、レバノンのヒズブッラーの部隊、12イマーム派が暮らすアレッポ県ヌッブル市とザフラー町の複数の民兵組織、複数のクルド人部隊、沿岸地方出身のアラウィー派宗徒からなる複数の民兵組織、アレッポ県ハイヤーン町、フライターン市、アンダーン市、ミスカーン村の民兵、バアス大隊、シリア軍の指揮官らからなり、ロシア軍士官2人、イラン人士官3人、「ザイラーン」を名乗る司令官を含むイラクのアルビール県キンディール山地方のクルド人司令官3人、バッサーム・アルサーンを含むシリア軍士官2人も加わっている。

兵力はシリア軍部隊を除くと約600人で、ヒズブッラーの部隊は赤外線誘導式の対装甲兵器を装備している。

司令部は、ハルダトニーン村にあるロシア軍基地内に設置されている。

ハルダトニーン村は、トルコ軍やシリア国民軍の砲撃が及ばない地域にあり、ロシア軍の防御がもっとも堅固だという。

司令室の結成は、現状を踏まえてシリア北部地域を軍事的に合同で統轄し、トルコ軍が侵攻した場合、クルド人部隊の補給や撤退の経路を確保するのが目的。

AFP, June 13, 2022、ANHA, June 13, 2022、Basnews, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 13, 2022、Reuters, June 13, 2022、SANA, June 13, 2022、SOHR, June 13, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

WFPの支援物資を積んだ大型トレーラー14輌が、シリア政府の支配地からシャーム解放機構が主導する反体制派の支配地に入る:境界経由(クロス・ライン)での人道支援は5回目(2022年6月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、国際連合世界食糧計画(WFP)の支援物資を積んだ大型トレーラー14輌が、シリア政府の支配地から、M4高速道路沿線のタルナバ村の通行所を通って、シャーム解放機構が主導する反体制派の支配地に入り、サルマダー市方面に向かった。

境界経由(クロス・ライン)での人道支援は今回が5回目。

AFP, June 12, 2022、ANHA, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2022、Reuters, June 12, 2022、SANA, June 12, 2022、SOHR, June 12, 2022などをもとに作成。

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フール・キャンプで国内避難民の女性1人が遺体で発見される(2022年6月12日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプで国内避難民(IDPs)の女性1人が遺体で発見された。

AFP, June 12, 2022、ANHA, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2022、Reuters, June 12, 2022、SANA, June 12, 2022、SOHR, June 12, 2022などをもとに作成。

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アレッポ市で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年6月12日)

アレッポ県では、SANA(6月12日付)によると、アレッポ市(アサド・スポーツ・サロン)で、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, June 12, 2022、ANHA, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2022、Reuters, June 12, 2022、SANA, June 12, 2022、SOHR, June 12, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍の砲撃が続くなか、シリア国民軍所属組織や民兵どうしが激しく交戦(2022年6月12日)

アレッポ県では、ANHA(6月12日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村、バイナ村を砲撃した。

一方、トルコ占領下のバーブ市では、ヒムス市(ヒムス県)からの国内避難民(IDPs)の民兵とシリア国民軍憲兵隊が激しく交戦した。

シリア国民軍のメンバーがヒムス市からのIDPsである5歳の女児を強姦したのが発端。

シリア人権監視団によると、女児を強姦したのはシャーム戦線のメンバー。

また、シリア人権監視団によると、カイーバ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するムウタスィム旅団と東部自由人連合のメンバーどうしが交戦、トルコ軍部隊が両者の兵力引き離しを行った。

戦闘は、ムウタスィム旅団が東部自由人連合のメンバーを拘束しようとしたのが発端。

このほか、アイン・アラブ(コバネ)市西郊外では、爆発が発生し、住民1人が負傷した。

爆発の原因は不明。

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ラッカ県では、SANA(6月12日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村、マアラク村、M4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, June 12, 2022、ANHA, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2022、Reuters, June 12, 2022、SANA, June 12, 2022、SOHR, June 12, 2022などをもとに作成。

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アルヌース首相は6月10日にイスラエル軍戦闘機のミサイル攻撃を受けたダマスカス国際空港の被害状況を視察(2022年6月12日)

フサイン・アルヌース首相は、ズハイル・ムスタファー・ハズィーム運輸大臣と共に、6月10日にイスラエル軍戦闘機のミサイル攻撃を受けたダマスカス国際空港を訪問し、被害状況を視察し、作業チームに迅速に復旧作業を進めるよう指示した。

SANA(6月12日付)が伝えた。



 

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シリア・アラブ航空は声明を出し、6月10日のイスラエル軍戦闘機のミサイル攻撃によってダマスカス国際空港発着の定期便、追加便の運航が中止されたことを鑑み、運航再開が発表されるのを受けて、国内外で発行された予約チケットの処理を行うと発表した。

SANA(6月12日付)が伝えた。

 

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レバノン外務省は声明を出し、6月10日のイスラエル軍戦闘機によるダマスカス国際空港へのミサイル攻撃について、「テロ行為」だ非難、レバノンは繰り返されるイスラエルの攻撃を迎撃するシリアに常に寄り添う、と発表した。

AFP, June 12, 2022、ANHA, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2022、Reuters, June 12, 2022、SANA, June 12, 2022、SOHR, June 12, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で1人(2022年6月12日)

保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者3人が完治したと発表した。

これにより、6月12日現在のシリア国内での感染者数は計55,906人、うち死亡したのは3,150人、回復したのは52,730人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/pfbid02QkY8BhGoRr2Fj9qSjUhN7CNz6SgAtHgUNWHQP9hRVXo5cA8fYL6PZwbsYvV1Z1wrl

AFP, June 12, 2022、ACU, June 12, 2022、ANHA, June 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, June 12, 2022、Reuters, June 12, 2022、SANA, June 12, 2022、SOHR, June 12, 2022などをもとに作成。

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