5月4日の中央委員会拡大会合で新たに選出されたバアス党中央指導部が初会合を開き、党中央指導部書記長であるアサド大統領が議長を務めた。
会合では、党の組織やその多元的な構造など組織構造にかかる問題、党内組織の発展、党に対して行われる提案や決定に党の基盤を関与させるメカニズムなど、今後の党における優先事項について議論がなされた。
会合のなかで、アサド大統領は、バアス党が個々人の集まりではなく組織だとしたうえで、支配政党としての党の存在と、政府、行政機関の間で党を正しく位置づける必要があるとの問題提起を行った。
また、政策と戦略の策定がこれまで以上に対応が求められる優先事項だと強調、対話こそが、党が思想的・文化的な営為における党の存在感を強化するのに貢献するもっとも重要な仕組みの一つであり、対話が時に、創造、参加、影響をもたらすと述べた。
アサド大統領はさらに、党が厳密な財務システムを確立することが重要だと主張、それが一方で党の資産が維持・発展をもたらし、他方で党の支出を把握し、年間財政予算が正確に確定されると述べた。
このほか、会合では、5月4日の中央委員会拡大会合での中央委員会、中央指導部、党紀委員会の選出にいたる選挙プロセス、高等選挙委員会の活動の仕組みの発展のありよう、選挙監視の役割などへの評価が行われた。
SANA(5月9日付)が伝えた。
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会合後、バアス党地域指導部(現中央指導部)はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/al.baath.party.in.syria/)を通じて、以下の通り中央指導部メンバーの分掌を発表した。
イブラーヒーム・ハディード:副書記長
ファーディル・ナッジャール:組織局長
サフワーン・アブー・サアディー:職能組合局長
マフムード・ザンブーア:経済局長
ムハンマド・イッザト・アラビー・カーティビー:教育前衛局長
ターハー・ハマーディー・ハリーファ:高等教育局長
サミール・バフジャト・フドル:出版文化広報局長
ファーディル・ムハンマド・ワルダ:青年局長
ヤースィル・ムハンナー・シャーヒーン:労働者局長
アイマン・ダッカーク:農民局長
ジュマーナ・ヌーリー:人民諸組織局長
AFP, May 8, 2024、ANHA, May 8, 2024、‘Inab Baladi, May 8, 2024、Reuters, May 8, 2024、SANA, May 8, 2024、SOHR, May 8, 2024などをもとに作成。
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