米国務省は、アサド政権がイドリブ県サラーキブ市で化学兵器を使用したと断定し非難(2018年2月6日)

米国務省は声明を出し、イドリブ県サラーキブ市でシリア軍が塩素ガスを使用したとの情報が流れていることに関して、「シリア政府が再び化学兵器を使用したことを確認したら、忌まわしい行為であり、そうしたことを行ってはいけないという道義的、法的な規範に違反していることになる」と懸念を表明した。

ヘザー・ナウアート報道官は「米国は、シリア政府が無垢の市民に対して塩素ガスを使用していると依然として疑われていること、そして今回はイドリブ県サラーキブ市近郊で使用されたことに重大な懸念を感じている…。この手の攻撃はこの3日で6回目になる」と述べ、シリア軍による塩素ガス使用を断定した。

そのうえで、ロシア政府に対して、アサド政権とその「支援者」に圧力をかけ、攻撃を停止させるよう呼びかけた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長(ブラジル)は声明を出し、「イドリブ県サラーキブ市、(ダマスカス郊外県)東グータ地方のドゥーマー市での攻撃で塩素ガスを装填したと思われる砲弾が使用されたことに関して…多くの報告がなされていることに懸念を表明する」と発表した。

**

ドイツ外務省は声明を出し、イドリブ県サラーキブ市やダマスカス郊外県東グータ地方で塩素ガスが使用されたとの情報に関して、詳細な調査の実施を主唱した。

AFP, February 6, 2018、ANHA, February 6, 2018、AP, February 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 6, 2018、al-Hayat, February 7, 2018、Reuters, February 6, 2018、SANA, February 6, 2018、UPI, February 6, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.