ロシア外務省・国防省は米主導の有志連合による親政権部隊爆撃を非難する一方、ロシア軍兵士が死亡したとの情報を否定(2018年2月8日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ダイル・ザウル県での米主導の有志連合によるシリア軍部隊への爆撃に関して、「国防省の専門家が事件に関する情報を調査している」としたうえで、「シリア領内での米国による違法な軍駐留は、シリアの治安と安定、そして領土の一体性維持に重大な脅威となっている」と批判した。

報道官はまた、「米国はシリアでの化学兵器の使用を口実に、危機の政治的解決を阻止しようとしている」と指弾した。

SANA, February 8, 2018

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ロシア国防省は声明を出し、ダイル・ザウル県で米主導の有志連合による親政権部隊への爆撃に関して「米国の攻撃は、テロ集団ダーイシュ(イスラーム国)と戦うためではなく、シリア領内に米軍を違法に駐留させ続け、シリア・アラブ共和国に所有権が帰属する経済資源を掌握するという真の目的を改めて暴露した」と批判した。

また、「シリアの「人民諸部隊」の偵察作戦はダイル・ザウル県サーリヒーヤト・ジャズィーラ村のロシア軍作戦司令部との連携のもとに行われていない」、「ダイル・ザウル県の一部地域で最近になってシリア軍部隊の拠点に対する砲撃が多発していた」と付言、「ダイル・ザウル県内のこの地域にロシア軍は進駐していない」と強調した。

AFP, February 8, 2018、ANHA, February 8, 2018、AP, February 8, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 8, 2018、al-Hayat, February 9, 2018、Reuters, February 8, 2018、SANA, February 8, 2018、UPI, February 8, 2018などをもとに作成。

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