OPCW臨時理事会が開催:ウズムジュ事務総長は「安全上の理由」で専門家チームがドゥーマー市入りしていないと空かす一方、米英はロシアが調査を妨害し、証拠を隠蔽しようとしていると非難(2018年4月16日)

化学兵器禁止機関(OPCW)の理事会は、ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した塩素ガス使用疑惑事件の真相調査について協議するための臨時の非公式会合を開催した。

アフメット・ウズムジュ事務総長はこの会合で、シリアに入国した専門家チームが、ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市の塩素ガス使用疑惑事件の現場に入れない状態が続いていることを明らかにした。

ウズムジュ事務総長によると、「ロシアとシリアの高官が、専門家チームに対して、同地にチームが展開する前に、終わらせるべき安全上の問題が依然として残っていると通知してきた」という。

専門家チームは、米英仏のシリア攻撃の数時間後(14日午前)、シリアに到着している。

会合では、米国の代表を務めるケネス・ワード在オランダ大使が「ロシアは有毒ガスが使用されたとされるドゥーマー市の現場に入り、証拠を隠滅した」と非難した。

ワード大使は「ロシアは攻撃現場を訪れたのだろうと思う。我々が懸念しているのは、ロシアがOPCWの検証チームによる実質的調査の取り組みを反故にしかねないということだ」と付言した。

英国の代表として出席したピーター・ウィルソン在オランダ大使も「ロシアとシリアは安全上の懸念を口実にドゥーマー市への専門家チームの訪問を注視させた」と非難した。

一方、フランスのフィリプ・ラリオ(Philippe Lalliot)在オランダ大使は、シリアでの化学兵器プロジェクトを解体する手段をOPCWに付与すべきと主張した。

これに対して、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、「ロシアに対するこの手の嫌疑には根拠がない…。ロシアは中立的な調査の実施を支持する。ロシアは客観的な調査を呼びかけた」と述べた。

AFP, April 16, 2018、ANHA, April 16, 2018、AP, April 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 16, 2018、al-Hayat, April 17, 2018、Reuters, April 16, 2018、SANA, April 16, 2018、UPI, April 16, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カテゴリー: 諸外国の動き パーマリンク