ベルギーのブリュッセルでEUが主催するシリア支援国会合が開幕した。
「シリアと地域の未来を支援する」(Suporting the Future of Syria and the Region)ためのブリュッセル2会議と題された会合は24、25日の2日間の予定で、欧米諸国、日本、ロシア、イラン、トルコ、アラブ諸国、国連など85カ国・国際機関が参加、60億ユーロの支援表明を目指している。
2017年4月に開催された前回の支援会合(ブリュッセル1会議)では、総額56億ユーロの人道支援を拠出することで合意している。
会合に出席するためにジュネーブ入りしている スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県での新たな人道的悲劇を回避するよう国際社会に訴えた。
デミストゥラ氏は、フェデリカ・モゲレーニEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長との共同記者会見で、「我々は依然としてイドリブ県での人道状況を懸念している。250万もの人々が新たな脅威に曝されているからだ…。もちろん、彼らすべてがテロリストだなどと考えることはできない。女性、子供、民間人もいる…。だから我々は、この会議・・。。が、イドリブ県を第2のアレッポ市、第2の東グータ地方にしないようにする機会としたい」と述べた。
一方、シリア情勢への対応を協議するため、スウェーデンで21日に催された国連安保理15カ国の非公式会合に関しては、安保理内での対立と分裂解消の試みがなされたが、「国連は最大の問題に直面している」と述べ、失敗したことを明らかにした。
AFP, April 24, 2018、ANHA, April 24, 2018、AP, April 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 24, 2018、al-Hayat, April 25, 2018、Reuters, April 24, 2018、SANA, April 24, 2018、UPI, April 24, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.