ロシア軍参謀本部機動総局のセルゲイ・ルドスコイ局長は、国防省で4月14日の米英仏のシリア攻撃などに関する記者会見を行った。
このなかで、ルドスコイ局長は、米英仏が攻撃したとする3カ所についての詳細な情報を開示した。
それによると、標的となったのはダマスカス県バルザ区の科学研究センター、ヒムス県のヒーム・シンシャル地区にある地下貯蔵施設(https://tools.wmflabs.org/geohack/geohack.php?pagename=Him_Shinshar_chemical_weapons_complex¶ms=34_41_42_N_36_32_13_E_
)、同地区の地上貯蔵施設(https://tools.wmflabs.org/geohack/geohack.php?pagename=Him_Shinshar_chemical_weapons_complex¶ms=34_40_53_N_36_27_58_E_)。
うち、バルザ区の科学研究センターは、2017年に化学兵器禁止条約(OPCW)の代表が査察を行い、有毒ガスの開発や生産が行われていないことが確認され、ヒムス県の二つの施設では、化学兵器の開発、貯蔵は行われていなかったと断じた。
また、ロシア軍は、攻撃に使用された米英仏のミサイルの残骸を回収、使用された爆薬や爆撃で生じたクレーターなどの分析を行った結果、米英仏が撃ったとされる105発のミサイルのうち着弾したのは、22発程度に過ぎないとの結論に至ったという。
さらに、ヒーム・シンシャル地区で、シリア軍の防空システムによって撃破されたミサイルの残骸を公開し、シリア国内の化学兵器関連施設にすべてのミサイルを命中させたとする三カ国の主張を改めて否定した。
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一方、ルドスコイ局長は、24日午後8時頃、ロシアの防空システムが、ラタキア県のフマイミーム航空基地に接近する無人航空機2機を捕捉、同基地から10キロの地点で撃墜した、と発表した。
また「シリアに近く、新たな防空システムを供与する」と付言した。
Ministry of Defence of the Russian Federation, April 25, 2018をもとに作成。
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