2014年3月13日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、安保理での会合後、シリア国内で大統領選挙に向けた準備が進められていることに関して、「準備がなされていることを示す多くの動きがある…。しかし今のところ選挙を実施するとの公式発表はない」と述べた。

また、大統領選挙実施がジュネーブ2会議にもたらす影響に関して、「大統領選挙が実施されれば、どの反体制勢力も選挙には参加しないだろうと、安保理で述べた」と応えた。

なお『ハヤート』(3月14日付)によると、ブラーヒーミー共同特別代表の活動への全面支持を訴えるためにフランスが示した安保理決議案は、「テロとの戦い」と移行期統治機関設置を並行議論する」との文言を削除した代案をロシアが提出し、廃案に追い込んだという。

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サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣は13~16日までの滞在予定で、中国を訪問した。

サルマーン副首相は北京で、習近平国家主席と会談、二国間関係や中東地域情勢について意見を交わした。

『ハヤート』(3月14日付)によると、会談でサルマーン副首相は、シリア情勢に関して、紛争の平和的解決に向け、移行期統治機関の設置や、人道支援受入に向けてアサド政権に圧力をかけている欧米諸国への協力を求めたという。

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フランス外務省報道官は「フランスは、シリア政府と同政府に影響力を持つすべての者に対して、迅速且つ信頼のもとで交渉を再開するにふさわしい条件を案出することを呼びかける」としたうえで、「これにはダマスカスの政権が移行期プロセスから逸脱した大統領選挙を実施することを断念することが必要だ」と述べた。

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PFLP-GCのアフマド・ジブリール書記長は、ダマスカス県ヤルムーク区の危機がPFLPーGCの責任だとしたマフムード・アッバース大統領の発言(12日)を「事実に反する喧伝」と非難した。

アッバース大統領はファタハ革命評議会で、アムネスティ・インターナショナルの報告書を受けるかたちで、ヤルムーク・キャンプの惨状の責任はPFLP-GCにあると発言していた。

これに対してジブリー書記長は「PFLP-GCはヤルムークの危機の原因ではなく、危機解決に向けて積極的な役割を果たしている」と反論し、アッバース大統領の発言が「シリアへの陰謀にパレスチナ政府がどっぷりつかっている」ことを示すと非難した。

AFP, March 13, 2014、AP, March 13, 2014、ARA News, March 13, 2014、Champress, March 13, 2014、al-Hayat, March 14, 2014、Iraqinews.com, March 13, 2014、Kull-na Shuraka’, March 13, 2014、Naharnet, March 13, 2014、NNA, March 13, 2014、Reuters, March 13, 2014、SANA, March 13, 2014、UPI, March 13, 2014などをもとに作成。

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