イラクのハキーム外務大臣「我々はシリア政府との連携のもとに限定的な航空・地上作戦を行っている」(2019年1月30日)

イラクのムハンマド・アリー・ハキーム外務大臣は、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ハキーム外務大臣は「政治プロセスから軍事プロセス、とりわけテロ組織からのイドリブ県の解放など、シリア問題について詳しく検討した」としたうえで、シリア領内でイラク軍が実施している地上・航空作戦において、シリア政府と連携していることを認めた。

ハキーム外務大臣は「もちろん、シリアと軍事・治安協力を行っている。我々はシリア政府との連携のもとに限定的な航空・地上作戦を行っている」と述べた。

ハキーム外務大臣はまた「我々はユーフラテス川以東に部隊を進入させる計画はないが、ダーイシュ(イスラーム国)の残党を壊滅するため…に行動を続ける。繰り返すが、我々はシリアのパートナーを驚かせるような地上作戦、それ以外の作戦を実施することはない」と付言した。

イドリブ県の情勢については「イドリブ県の問題についても検討し、同地をどのようにテロリストから解放するべきかについて意見を交わした」と述べた。

一方、ラブロフ外務大臣は「シリアとイラクにおけるテロ集団残党の撲滅など、シリアに関する国連安保理決議第2254号の実施方法に関する両国の見方は一致している…。シリアからの部隊撤退に関する米政府の主張を踏まえつつ、シリア・イラク国境の安全保障を拡充する任務について検討した」と述べた。

スプートニク・ニュース(1月30日付)、『ハヤート』(1月29日付)などが伝えた。

AFP, January 30, 2019、ANHA, January 30, 2019、AP, January 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2019、al-Hayat, January 31, 2019、Reuters, January 30, 2019、SANA, January 30, 2019、Sputnik News, January 30, 2019、UPI, January 30, 2019などをもとに作成。

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