ロシアとイスラエルはシリアからの外国部隊撤退を検討するための合同作業チームを設置することを決定(2019年2月28日)

タス通信(2月28日付)は、イスラエル政府筋の話として、ロシアとイスラエルが、シリア国内で活動する外国の部隊の撤退を検討するための合同作業チームを設置することを決定したと伝えた。

このチームには、ロシア、イスラエルのほかに複数の国が参加するという。

しかし、具体的な三カ国については明らかにされなかった。

決定に先立ち、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が27日にモスクワを訪問し、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と会談していた。

会談は、イスラエル軍のラタキア市に対する攻撃を迎撃しようとしたシリア軍がロシア空軍IL-20を誤って撃墜した事件が2017年9月に起きて以降初めてで、ロシア大統領府によると、シリア情勢、中東和平問題などについて意見が交わされた。

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『ハヤート』(3月1日付)によると、この報道に関して、プーチン大統領も、シリアにおけるテロ根絶後のシリア政府と反体制派、諸外国との最終的な関係正常化の一環として作業チームを設置することが検討されたことを明らかにした。

プーチン大統領は「このアイデアは、テロの温床を根絶した後、事態を最終的に収束させるための取り組みを行う作業枠組みを構築することのなかに要約されている…。すべての関係当時者…、とりわけシリア・アラブ共和国の指導部、反体制派、地域諸国、この紛争に参加しているすべての当事者が参加する」と述べた。

また「作業グループ設置は、シリア国内からすべての(外国の)武装部隊を撤退させることに関わる」と付言した。

AFP, February 28, 2019、ANHA, February 28, 2019、AP, February 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2019、al-Hayat, February 28, 2019、Reuters, February 28, 2019、Orient News, February 28, 2019、SANA, February 28, 2019、TASS, February 28, 2019、UPI, February 28, 2019などをもとに作成。

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