ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は『シャルク・アウサト』(5月10日付)のインタビューに応じ、そのなかでアサド大統領の処遇に関して「アサドに関して、我々には体制転換をめざす政策はない。あるのは、国際社会の決定、そしてロシアとの合意によって採択された国連安保理決議第2254号の文言だ」と述べた。
ジェフリー特使は「米国は憲法改正、国連監視下での選挙、政権交代を求めている。「政権」という言葉を使っているが、それは今の「政権」が受け入れられず、犯罪者であり、野蛮だからだ。我々は変革を求めている」と付言した。
そのうえで「圧力に基づく我々の政策は、シリアという国家がその国民や隣国に対して異なった方法で接するまでは変わることはない」と強調した。
一方、ジュネーブ会議を主催するゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表については全面支援すると述べる一方、シリア政府が協力を拒否したため、国連は安保理決議第2254号の実施に失敗したと指摘、「これは決して受け入れられない」と非難した。
そのうえで「米国は引き続き、ダマスカスとその同盟者に対して、経済制裁、シリア北東部への駐留、アラブ諸国・西側諸国との関係正常化阻止を通じて圧力をかける」と述べた。
AFP, May 10, 2019、ANHA, May 10, 2019、AP, May 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2019、al-Hayat, May 11, 2019、Reuters, May 10, 2019、SANA, May 10, 2019、al-Sharq al-Awsat, May 10, 2019、UPI, May 10, 2019などをもとに作成。
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