トルコのチャヴシュオール外務大臣はハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所包囲を頑なに否定、エルドアン大統領はシリア軍のイドリブ県進攻を安全保障上の脅威と警告(2019年8月23日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は訪問先のレバノンの首都ベイルートでのジュブラーン・バースィール外務大臣との共同記者会見で、ハマー県ムーリク市近郊にあるトルコ軍の監視所(第9監視所)がシリア軍に包囲されていることに関して、これを頑なに否定した。

チャヴシュオール外務大臣は「我が国の監視所は包囲されていない。誰にも我が軍を包囲することなどできない。シリア政府は我が国の検問所の北方で反体制派と戦闘している」としたうえで、監視所を撤退させるつもりがないと改めて強調した。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢について意見を交わしたと発表した。

声明によると、会談でエルドアン大統領は「シリア軍による攻撃とイドリブ県での停戦違反は、甚大な人道危機をもたらす」としたうえで、それが「問題解決への努力を阻害し、トルコの安全保障への真の脅威となっている」と警鐘を鳴らした。

AFP, August 23, 2019、ANHA, August 23, 2019、AP, August 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2019、Reuters, August 23, 2019、SANA, August 23, 2019、SOHR, August 23, 2019、UPI, August 23, 2019などをもとに作成。

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