ロシア当事者和解調整センターは、イスラエルのレバノン攻撃激化を受けて避難・帰還したシリア人住民に食料物資を配給(2024年10月31日)

ロシア当事者和解調整センターは、イスラエルのレバノン攻撃激化を受けてシリアに避難・帰還したイドリブ県のハーン・シャイフーン市の住民に、砂糖、米、穀物、缶入り牛乳などの食料物資3トンを配給した。

センターはまた、レバノンから避難・帰還し、タルトゥース県タルトゥース市に収容されているレバノン人にも食料物資3トンを配給した。



SANA(10月31日付)が伝えた。

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ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、アレッポ県、ラッカ県、イドリブ県、タルトゥース県で食料パック980個(9.7トン分)を配給したと発表した。

AFP, October 31, 2024、ANHA, October 31, 2024、‘Inab Baladi, October 31, 2024、Reuters, October 31, 2024、SANA, October 31, 2024、SOHR, October 31, 2024、TASS, October 31, 2024などをもとに作成。

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社会問題労働省はレバノンからの帰還者・避難民に対して、医療支援、救援、人道支援など30万件以上のサービスを提供していると発表(2024年10月31日)

社会問題労働省は、フェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mosal.syria/)で、NGOと連携して、レバノンからの帰還者・避難民に対して、医療支援、救援、人道支援など30万件以上のサービスを提供していると発表した。

これまでに提供したサービスの内訳は、食料パック3,200個以上、NGOやボランティアが設置しているキッチンで調理された食事94,639食、医療サービス124,000件以上、衛生サービス1,3,000件以上、応急処置約24,000件、44,000人以上への医薬品の提供、10,000人以上に対する救援サービス、そのほかメンタルケア、法律支援など。

また、社会問題労働省は、スワイダー県にある障がい者リハビリ・職業訓練学院が、同県の社会問題労働局の監督のもと、レバノンからの帰還者を大将とした、女性のヘアカット、ネイルケア、手工芸などの職業訓練コースを解説したと発表した。

AFP, October 31, 2024、ANHA, October 31, 2024、‘Inab Baladi, October 31, 2024、Reuters, October 31, 2024、SANA, October 31, 2024、SOHR, October 31, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構がアレッポ県西部のカフル・ハラブ村を砲撃し、ヌッブル市出身の「イランの民兵」の戦闘員1人が死亡、イドリブ県でもアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードがミラージャ村一帯で、シリア軍兵士1人を狙撃し、殺害(2024年10月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が県西部のカフル・ハラブ村を砲撃し、ヌッブル市出身の「イランの民兵」の戦闘員1人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室に所属するアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードがシリア政府の支配下にあるミラージャ村一帯で、シリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, October 31, 2024、ANHA, October 31, 2024、‘Inab Baladi, October 31, 2024、Reuters, October 31, 2024、SANA, October 31, 2024、SOHR, October 31, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍はヒズブッラーのラドワーン部隊の副司令官のムスタファー・アフマド・シャハーディーを殲滅したと発表(2024年10月30日)

ナハールネット(10月30日付)、NNA(10月30日付)、マナール・チャンネル(10月30日付)などによると、イスラエル軍は、バアルベック市と同市郊外、アレイ市近郊のハハーラ村を移動中のヒズブッラーのワゴン車、ナバティーヤ市などを爆撃、ワゴン車に乗っていた2人が死亡した。

30日の戦況に関して、イスラエル軍は、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、イスラエル空軍がナバティーヤ市地域への爆撃で、ヒズブッラーのラドワーン部隊の副司令官のムスタファー・アフマド・シャハーディーを殲滅したと発表した。

一方、レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)を通じて、10月30日にイスラエルおよびレバノン南部で、イスラエル軍に対して32回の攻撃を実施したと発表した。

イスラエル軍の発表によると、午後3時00分の時点で、ヒズブッラーは約50発の飛翔体をイスラエルに向けて発射した。

レバノンの保健省は29日のイスラエル軍の爆撃で330人が死亡、165人が負傷したと発表した。

これにより、9月23日以降の死者数は2,822人、負傷者数は12,937人となった。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Naharnet, October 30, 2024、NNA, October 30, 2024、Qanat al-Manar October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合による「非紛争議定書」違反を6件、55キロ地帯への侵犯を14件確認したと発表(2024年10月30日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、過去24時間にシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への米主導の有志連合所属の無人航空機(ドローン)による違反を6件確認したと発表した。

イグナシュク副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、戦闘機による領空侵犯を14件確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(10月30日付)、タス通信(10月30日付)が伝えた。

RIA Novosti, October 30, 2024、TASS, October 30, 2024をもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは過去24時間にシリア・レバノン国境の5つの国境通行所を通じて、難民3,801人がレバノンからシリアに入国したと発表(2024年10月30日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、過去24時間にシリア・レバノン国境の5つの国境通行所(アリーダ、ジュースィヤ、ダブースィーヤ、ジスル・カマル(マトリバー)、ジュダイダト・ヤーブース)を通じて、難民3,801人がレバノンからシリアに入国したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(10月30日付)、タス通信(10月30日付)が伝えた。

RIA Novosti, October 30, 2024、TASS, October 30, 2024をもとに作成。

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イラク・イスラーム抵抗はイスラエル領内と占領下ゴラン高原の重要標的2ヵ所を無人航空機で攻撃したと発表(2024年10月30日)

イラク・イスラーム抵抗は午前5時8分、テレグラムのアカウント(https://t.me/ElamAlmoqawama)を通じて声明を出し、パレスチナ市民に対するイスラエルの攻撃への報復として、「我々の占領地」北部の重要標的1ヵ所を無人航空機で攻撃したと発表した。


また、午後10時46分にも声明を出し、占領下ゴラン高原の重要標的1ヵ所を無人航空機で攻撃したと発表した。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)は10月28日にシリア領内のダーイシュのキャンプとして知られる複数ヵ所を爆撃し、メンバー35人を殺害したと主張(2024年10月30日)

米中央軍(CENTCOM)は声明(第20241030-01号)を出し、10月28日にシリア領内のダーイシュ(イスラーム国)のキャンプとして知られる複数ヵ所を爆撃し、メンバー35人を殺害したと発表した。

爆撃はシリア国内の砂漠地帯にあるダーイシュの拠点複数ヵ所にいる幹部らを狙ったものだという。

ただし、28日に米軍がシリア領内で爆撃を行ったとの記録はない。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチ:イスラエルのレバノンへの攻撃激化を受けて、レバノンからシリアに逃れたシリア人が逮捕、拷問、拘留中の死亡といった抑圧の危険に晒されていると主張(2024年10月30日)

米国のヒューマン・ライツ・ウォッチは、イスラエルのレバノンへの攻撃激化を受けて、レバノンからシリアに逃れたシリア人が逮捕、拷問、拘留中の死亡といった抑圧の危険に晒されていると主張した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが発表したレポートによると、2024年9月末以降、少なくとも4人の帰還シリア人が当局に逮捕されているという。

レポートはまた、ヒューマン・ライツ・ウォッチがレバノン在住のシリア人3人、帰還後に当局によって逮捕されたという5人の親戚を含むシリア人8人、シリア人人権研究者2人に対して行ったというインタビューの内容についても紹介している。

それによると、逮捕されたという5人のうち2人はヒムス県ダブースィーヤ国境通行所で、2人はアレッポ県とイドリブ県の県境の検問所で、軍事情報局によって逮捕されたという。

このうちの1人は、元シリア軍兵士で、13年間にわたってレバノンで暮らていたが、イスラエルの攻撃が激化するなかで、避難勧告を受け、10日、レバノン国内で路上生活をしたのち、10月7日に妻と4人の子供を連れて、ダブースィーヤ国境通行所を経由してシリアに避難した。

妻によると、この男性は予備役に服していなかったが、シリア政府の恩赦の対象となり免罪されると考えていたが、国境通行所で軍事情報局に逮捕されたという。

また、別の1人(34歳の男性)は、リビア行きのビザ取得に失敗した後、ダブースィーヤ国境通行所を経由して10月7日にシリアに帰還、その場で軍事情報局に逮捕されたという。

さらに、27歳の男性2人は、兵役忌避で逮捕されることを恐れ、密輸業者に金銭を支払い、シリアに密入国したが、アレッポ県とイドリブ県の県境の検問所で軍事情報局によって、同行していた2人とともに逮捕された。

2人の逮捕を家族に知らせたのは密輸業者。

業者は当局と釈放交渉を行っているとしたうえで、釈放するには1人につき、1,000ドルを支払うことを求められていると家族に伝えたという。

なお、シリア人権ネットワークによると、9月以降、レバノンから帰国したシリア人26人が逮捕されているという。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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首相府はイスラエルの攻撃激化を受けて急増しているレバノンからの避難民の入国を円滑化するため、入国時にシリア人に対して100米ドルの換金措置を11月15日まで停止すると発表(2024年10月30日)

首相府はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyrianPrimeMinistry)を通じて声明を出し、イスラエルの攻撃激化を受けて急増しているレバノンからの避難民の入国を円滑化するため、入国時にシリア人に対して100米ドルあるいはそれに相当する指定外貨の金額を換金することを定めて2020年の閣議決定第46号およびその修正条項の実施を11月15日まで停止すると発表した。

首相府は9月29日から1週間、同様の措置を実施し、10月15日に同月までの措置延長を決定していた。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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フランスの海運会社CMA CGMはラタキア港のコンテナ・ターミナルの管理にかかるシリア政府との契約を更新(2024年10月30日)

フランスの海運会社CMA CGMは、ラタキア港(ラタキア県)のコンテナ・ターミナルの管理にかかるシリア政府との契約を更新した。

CMA CGMが2009年にシリア政府と交わしていた管理契約は9月に満了となる予定だったが、シリア政府が契約更新の入札にCMA CGMを招致し、契約が更新された。

契約は、CMA CGMが子会社であるCMAターミナルズを通じてラタキア国際コンテナターミナル(LICT)の99%を管理することを定めている。

シリア・レポート(10月29日付)が伝えた。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024、The Syria Report, October 30, 2024などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ウマル油田に違法に設置されている米軍(有志連合)の基地がシリア政府支配下のマヤーディーン市近郊の「イランの民兵」の拠点複数ヵ所を砲撃(2024年10月30日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるウマル油田に違法に設置されている米軍(有志連合)の基地が、シリア政府の支配下にあるマヤーディーン市近郊の「イランの民兵」の拠点複数ヵ所を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているハッラーブ・ジール村の農業用空港に、輸送機1機が軍装備品や兵站物資を輸送した。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ県ラサーファ市近郊で軍用車輛1輌を含むシリア軍の車3台を襲撃し、士官3人を含む兵士7人と民間人1人を殺害(2024年10月30日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラサーファ市近郊のシュワイハーン基地(シュワイハーン村)に至る街道沿線(シャンナーン村南西)で軍用車輛1輌を含むシリア軍の車3台を襲撃し、士官3人を含む兵士7人と民間人1人を殺害した。

同監視団によると、重傷を負っていた国防隊の隊員1人が31日に死亡した。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024、October 31, 2024などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるアレッポ県タッル・リフアト市近郊のスムーカ村を砲撃(2024年10月30日)

アレッポ県では、ANHA(10月30日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスムーカ村を砲撃した。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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国防省はシリア軍部隊がアレッポ県とイドリブ県の農村地帯で、シリア軍の陣地は周辺の町村を攻撃するために「テロ組織」が発射した無人航空機10機を撃破したと発表(2024年10月30日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)で、シリア軍部隊がアレッポ県とイドリブ県の農村地帯で、シリア軍の陣地は周辺の町村を攻撃するために「テロ組織」が発射した無人航空機10機を撃破したと発表した。

https://youtu.be/R7kKuVT8gSI




SANA(10月30日付)が伝えた。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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保健省はイスラエルのレバノン攻撃激化を受けてシリアに避難・帰還したシリア人やレバノン人37,000人以上に対してこの35日間に85,000件以上の無料医療サービスを提供したと発表(2024年10月30日)

保健省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/)で、イスラエルのレバノン攻撃激化を受けてシリアに避難・帰還したシリア人やレバノン人37,000人以上に対してこの35日間に85,000件以上の無料医療サービスを提供したと発表した。

提供場所別の内訳は以下の通り

ダマスカス県、タルトゥース県、ヒムス県の国境通行所:38,641件
収容センター:44,905件
病院:769件
救急車:914件

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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米国防総省ライダー報道官:23日のトルコの首都アンカラでの攻撃は「米国がテロ組織とみなしているPKKによるもの」(2024年10月29日)

米国防総省のパット・ライダー報道官は記者会見で、ロイド・J・オースティン米国防長官が10月23日のトルコの首都アンカラでのクルディスタン労働者党(PKK)によるとされる攻撃に関して、トルコの正当な安全保障上の懸念を認め、トルコによる最近のシリア北部に対する攻撃について議論、民間人への被害を避ける必要性を強調するとともに、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいて米軍に対するリスクを軽減するため、米国とトルコが緊密に協力することの重要性を再確認したと述べた。

また、10月23日の攻撃に関して、「米国がテロ組織とみなしているPKKによるものだと理解している」と述べた。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

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日本政府はイスラエルのレバノン攻撃激化に伴うシリアへの避難民の流入による人道状況悪化を受けて、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力を実施すると発表

日本の外務省は、イスラエルのレバノン攻撃激化に伴うシリアへの避難民の流入による人道状況悪化を受けて、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定したと発表した。

発表の内容は以下の通り:

シリアにおける人道状況の悪化を受けた緊急無償資金協力

10月29日、日本政府は、レバノン情勢の影響によるシリアにおける人道状況の悪化を受けて、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。

  1. 今般の緊急無償資金協力により、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)及び国連世界食糧計画(WFP)等を通じ、生活必需品、食料、水・衛生等の分野で人道支援を実施します。
  2. 日本政府として、引き続き、イスラエルとヒズボッラーとの間の即時停戦を求めるとともに、地域における更なるエスカレーションを回避するため、全ての当事者に対し、最大限の自制及び外交的解決に向けて真摯に取り組むことを強く求めていきます。

(参考1)実施機関、供与額及び事業分野

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR):生活必需品、一時的避難施設、保護(600万米ドル)
国連世界食糧計画(WFP):食料(200万米ドル)
国連児童基金(UNICEF):水・衛生(100万米ドル)
国連開発計画(UNDP):廃棄物管理(100万米ドル)

(参考2)シリアを巡る情勢

  1. シリアでは2011年3月以降、反政府デモの発生に端を発する内戦(シリア危機)により、全土で約40万人以上の死者、670万人以上の国内避難民が発生するなど、今世紀最悪の人道危機の一つとも言われる状況が発生。これまでレバノンにも約200万人のシリア人避難民が流入している。
  2. 上記の状況に加え、本年9月20日以降、イスラエルによるレバノンへの大規模空爆が激化し、UNHCRによれば、10月18日までに42万人を超えるシリア人・レバノン人等がシリアに流入し、シリアの人道状況は急激に悪化している。

外務省HP、2024年10月29日付。

イスラエル軍戦車部隊がヒヤーム村東部郊外に侵攻(2024年10月29日)

ナハールネット(10月29日付)、NNA(10月29日付)、マナール・チャンネル(10月29日付)などによると、イスラエル軍は、ヒヤーム村東部郊外に戦車部隊を侵攻させた。

イスラエル軍はまた、サイダー市郊外のハーラト・サイダー地区を前日に続いて爆撃、これにより少なくとも5人が死亡、複数が負傷した。

爆撃は、サイイド・シュハダーの名で知られるヒズブッラーの複合施設に隣接する住宅街を狙って行われた。

イスラエル軍はさらに、シャクラー村にあるアマル運動のイスラーム・リサーラ・スカウト協会や診療所など、レバノン南部各所に対しても爆撃を行った。

29日の戦況に関して、イスラエル軍は、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、兵士1人がレバノン南部での戦闘で戦死したとする声明を発表した。

一方、レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)を通じて、10月29日にイスラエルおよびレバノン南部で、イスラエル軍に対して36回の攻撃を実施したと発表した。

イスラエル軍の発表によると、午後11時00分の時点で、ヒズブッラーは約75発の飛翔体をイスラエルに向けて発射した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Naharnet, October 29, 2024、NNA, October 29, 2024、Qanat al-Manar October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは、過去24時間にシリア・レバノン国境の5つの国境通行所を通じて、難民3,838人がレバノンからシリアに入国したと発表(2024年10月29日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、過去24時間にシリア・レバノン国境の5つの国境通行所(アリーダ、ジュースィヤ、ダブースィーヤ、ジスル・カマル(マトリバー)、ジュダイダト・ヤーブース)を通じて、難民3,838人がレバノンからシリアに入国したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(10月29日付)、タス通信(10月29日付)が伝えた。

RIA Novosti, October 29, 2024、TASS, October 29, 2024をもとに作成。

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無人航空機2機が進路を逸れて、ヨルダン北部領空に侵入、その後墜落(2024年10月29日)

ヨルダンのマムラカ・チャンネル(10月29日付)は軍総司令部の高官筋の話として、無人航空機2機が進路を逸れて、ヨルダン北部領空に侵入、その後墜落したと発表した。

無人航空機2機が侵入したのはイルビド県ワーディー・サイドゥール。

同筋は、無人航空機2機の所属について明らかにしていないが、イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)がイスラエル南部のアシュケロン市の工業地区に無人航空機複数機を発射させたと発表していた。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、al-Mamlaka TV, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)はイスラエル南部のアシュケロン市一帯に対して多数の無人航空機による特殊軍事作戦を実施したと発表(2024年10月29日)

イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)のヤフヤー・サリーア報道官は午前11時43分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/army21ye)を通じて声明を出し、イスラエル南部のアシュケロン市一帯に対して多数の無人航空機による特殊軍事作戦を実施したと発表した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県CONOCOガス田に違法に駐留する米軍(有志連合)がシリア政府支配下の「7ヵ村」を砲撃、「イランの民兵」の現場指揮官1人を殺害(2024年10月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるCONOCOガス田に違法に駐留する米軍(有志連合)が、シリア政府の支配下にある「7ヵ村」を2度にわたって砲撃した。

このうちフシャーム町に対する砲撃で、「アッファーシュ」を名乗る「イランの民兵」の現場指揮官1人が死亡した。

米主導の有志連合はまた、シリア政府の支配下にあるマズルーム村にある中学校を戦闘機1機でミサイル攻撃した。

学校はイランの支援を受ける民兵が拠点として使用、この攻撃と前後して、米軍とロシア軍の戦闘機が同地上空に繰り返し飛来、旋回を続けていた。

一方、有志連合は増員部隊を乗せた軍用ヘリコプター1機をCONOCOガス田に派遣した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍が占領下ゴラン高原からクナイトラ県ラフィーダ村南の農地を砲撃(2024年10月29日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍所属と見られる航空機複数機がジャービヤ丘上空に飛来、爆発が発生した。

爆発の原因は不明。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が占領下ゴラン高原からラフィーダ村南のスィハーム地区の農地を砲撃した。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、今年に入って131回(うち106回が航空攻撃、25回が地上攻撃)となり、これにより207あまりの標的が破壊され、軍関係者268人が死亡、188人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:50人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):75人
「イランの民兵」の外国人メンバー:24人
シリア軍将兵:62人
身元不明人:4人

また、民間人も43人(イエメン人医師とその妻、3人の子供を含む)が死亡、53人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:50回
ダルアー県:17回
ヒムス県:36回
クナイトラ県:16回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:2回
ハマー県:4回
スワイダー県:2回
ラタキア県:2回

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がヒムス県とラッカ県でダーイシュの拠点を狙って重点的な爆撃(2024年10月29日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がスフナ市とタドムル市近郊の山岳地帯、トゥワイナーン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を狙って重点的な爆撃を実施した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がラサーファ市一帯の砂漠地帯でダーイシュの拠点を狙って重点的な爆撃を実施した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるアレッポ県イルハーブ村を砲撃、女性1人が死亡(2024年10月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイルハーブ村を砲撃、女性1人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカブターン・ジャバル村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の自爆型無人航空機4機がシャーム解放機構の支配下にあるアーフィス村で車2台を狙って攻撃した。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のマンタフ村で民生用の自動車1台を地対地ミサイルで攻撃した。

シリア軍はさらに、マアーッラト・ナアサーン村に設置されているトルコ軍の拠点一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、国民解放戦線に所属するナスル軍が、ガーブ平原にあるシリア軍の拠点複数ヵ所を砲撃した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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シリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会は、トルコ軍による攻撃に警戒するかたちで9月26日に閉鎖していたアウン・ダーダート村とウンム・ジャッルード村の通行所を再開(2024年10月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会は、トルコ軍による攻撃に警戒するかたちで9月26日に閉鎖していたアウン・ダーダート村とウンム・ジャッルード村の通行所を再開した。

両通行所は、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域と、北・東シリア地域民主自治局の支配地を結ぶ通行所。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ブサイラ市でのシリア民主軍との戦闘で、イランの支援を受ける「ジャズィーラ殉教者旅団」の司令官1人が死亡(2024年10月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるブサイラ市で、イランの支援を受ける地元武装集団と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が激しく交戦した。

また、ブサイラ市から、シリア政府の支配下にあるザバーリー村に向けてロケット弾複数発が発射された。

前日夜から激化していたこの戦闘で、イランの支援を受ける「ジャズィーラ殉教者旅団」の司令官1人が死亡した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で政治改革、体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴える(2024年10月29日)

スワイダー県では、スワイダー24(10月29日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で政治改革、体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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UNRWA:パレスチナ難民4,500人がレバノンからシリアに避難、アンケート調査によると、その半数がシリア内戦でレバノンに避難していた難民(2024年10月28日)

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエルのレバノン攻撃激化に伴うシリアへの避難民にかかる報告書(Report #8)を発表した。

報告書は、10月24日から10月27日の情報に基づくもので、レバノンからシリアへの避難者の推計は44万人(UNHCR)で、うち10月27日までに、レバノンで暮らしていたパレスチナ難民904世帯(約4,500人)がUNRWAのシリア事務所に支援を求めてきた。

実際にはこれよりも多いパレスチナ難民が避難を余儀なくされていることが予想される。

UNRWAは、シリア国内の各地にある避難施設で暮らすパレスチナ難民のニーズを把握し、これに対応するため、シリア政府の監督のもと、当局と引き続き連携を図っているとしている。

そのうえで、UNRWAは、詳細なデータを収集し、新規避難者の緊急ニーズを評価するためのアンケートを実施したことを明らかにした。

それによると、10月27日現在で、733世帯(2,197人)がこのアンケートに回答、うち、77%以上が女性と子供で、1%が障がい者で、その大半は人口密集地に避難、親戚や友人の元に身を寄せているという。

また、回答者のうち56%が、シリア内戦に際してレバノンに避難していた元シリア在住者で、94%が、レバノンでの治安状況の悪化をシリアへの帰還の主な理由としてあげていたという。

また約90%が家族とともに、約80%がレバノンに避難する前に住んでいたシリア国内の居住地に帰還、ほとんどの回答者が現在、友人や親族に住まいや基本的な生活支援を頼っているため、シリアへの持続可能な帰還を実現するためには物質的な支援の提供が不可欠だという。

さらに、多くの回答者がシリアで損傷を受けた自宅の修繕支援も求めているという。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

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