イドリブ県でロシア軍とトルコ軍がM4高速道路で合同パトロールを実施(2020年5月14日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから70日目となる5月14日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がM4高速道路で合同パトロールを実施した。

両軍部隊はタルナバ村からアリーハー市近郊に至る区間をパトロールしたが、アリーハー市近郊で、3月5日のロシア・トルコの停戦合意に反対する反体制派や住民から投石を受けた。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌23輌が、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入した。

他方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団は同地上空を旋回するシリア軍の無人偵察機(ドローン)2機を撃破した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

このほか、ビンニシュ市内の民家で爆発物を製造中に爆発が発生した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ウンム・マヤーズィン町でシリア軍の士官(少尉)を含む2人が何者かの襲撃を受けて、死亡した。

また、ダルアー市難民キャンプ地区で、女性が正体不明の武装集団によって殺害された。

AFP, May 14, 2020、ANHA, May 14, 2020、AP, May 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 14, 2020、Reuters, May 14, 2020、SANA, May 14, 2020、SOHR, May 14, 2020、UPI, May 14, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月14日付)を公開し、5月13日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は579,123人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,875人(うち女性55,298人、子ども93,497人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,561人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 14, 2020をもとに作成。

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フッラース・ディーン機構はシャーミーを名乗る人物によるシャーム解放機構批判を「肯定も否定もしない」と表明(2020年5月13日)

フッラース・ディーン機構はラマダーン月20日(5月13日)に声明を出し、「破壊のつるはし」と銘打たれたアブー・ハマーム・シャーミーなる人物の声明に関して、肯定も否定もしないと表明いた。


AFP, May 15, 2020、ANHA, May 15, 2020、AP, May 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 15, 2020、Reuters, May 15, 2020、SANA, May 15, 2020、SOHR, May 15, 2020、UPI, May 15, 2020などをもとに作成。

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米フォックス・ニュースはシリア北東部の「イマーム・アリー基地」(イマーム・アリー・コンパウンド)の新たな衛星写真を公開(2020年5月13日)

米フォックス・ニュース(5月13日付)は、ダイル・ザウル県南東部ユーフラテス川西岸のイラク国境地帯にあるとされる「イランの民兵」の「イマーム・アリー基地」(イマーム・アリー・コンパウンド)の衛星写真を公開した。

写真は5月12日に撮影したものだという。

AFP, May 14, 2020、ANHA, May 14, 2020、AP, May 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2020、Fox News, May 14, 2020、Reuters, May 14, 2020、SANA, May 14, 2020、SOHR, May 14, 2020、UPI, May 14, 2020などをもとに作成。

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シリア治安当局はラーミー・マフルーフ氏に近いジャブラ市長らを不正容疑で事情聴取(2020年5月13日)

イクティサード・ネット(5月13日付)は、複数の独自筋の得た情報として、治安当局が、アサド大統領の甥(おじの息子)でラーミー・マフルーフ氏の甥(おばの息子)のアンマール・ナジーブ氏とラタキア県ジャブラ市長を務めた3名、ザキー・ナジーブ氏(タルトゥース港局長)、ファーイズ・ズィヤート氏、ビラール・マスブート氏に対する事情聴取を行ったと伝えた。

当局はまた、ラタキア市、ジャブラ市の技術サービス局などの職員(シャーディー・アイユー氏、サーミル・ズユード氏)も合わせて聴取を受けたという。

聴取を受けたのはいずれも、ラーミー・マフルーフ氏に近いとされる人物。

アンマール・ナジーブ氏は軍事情報局の元准将。

ザキー・ナジーブ氏はジャブラ市長で「シャロン」のあだ名で知られる。

2人は親戚関係にあたる。

同情報筋によると、ザキー・ナジーブ市長、前市長と元市長時代から推し進められたジャブラ市拡張計画をたびたび利用して、多くの不動産を不正に接収した容疑で、聴取を受けているという。

前市長と元市長も同様の容疑で取り調べを受けているという。

ザキー・ナジーブ

 

ファーイズ・ズィヤート氏
ビラール・マスブート氏

AFP, May 14, 2020、ANHA, May 14, 2020、AP, May 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2020, Iqtisad, May 13, 2020、Reuters, May 14, 2020、SANA, May 14, 2020、SOHR, May 14, 2020、UPI, May 14, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構は息子の釈放を懇願する老婆の懇願を拒否(2020年5月13日)

シャーム解放機構の広報関係局は、4人の息子を亡くしたという老女がビデオ・メッセージを通じてアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に5番目の息子の釈放を懇願したことに関して声明を出し、この息子が道路封鎖、略奪強盗の容疑で審理中であるとしたうえで、シャーム解放機構が管理する刑務所に収監されていると発表した。

声明によると、死亡した4人の息子のうちの3人についても、窃盗団のメンバーで、道路封鎖に関与、シャーム解放機構ではなく、シャーム自由人イスラーム運動によって他の9人のメンバーとともに殺害されたと付言した。

老婆は12日にSNSを通じてビデオ・メッセージを発信し、「シリア革命」に参加した3人の息子を失い、1人がシャーム解放機構に拘束されていると述べ、ジャウラーニー指導者に恩赦するよう懇願していた。

https://youtu.be/BIyw150uucM

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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シリア北西部の反体制派支配地域での新型コロナウイルス感染検査件数は662件、結果はいずれも陰性(2020年5月13日)

シリア北西部の反体制派支配地域で新型コロナウイルス感染症対策に当たっている支援調整ユニット・感染症早期対策対応ネット(Assistance Coordination Unit – EWARN)なる組織は、同地での検査件数が662件に達しているとしたうえで、その検査結果がいずれも陰性だったと発表した。

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2020年5月13日)

アレッポ県では、SANA(5月13日付)、ANHA(5月13日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、シャフバー・ダム、スムーキーヤ村を砲撃した。

一方、トルコ占領下のアフリーン市では、市内のジーハーン病院裏で爆弾が爆発し、複数人が負傷した。

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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米軍の車輌がハサカ県南部の油田地帯で偵察活動(2020年5月13日)

ハサカ県では、SANA(5月13日付)によると、兵站物資を積んだ米軍の車輌5輌が、フール町東に違法に設置されたトゥーカジー国境通行所からシリア領内に進入し、ジャブサ油田など県南部の油田地帯で写真を撮影するなどの偵察活動を行った。

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表(2020年5月13日)

保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウィルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、5月13日現在の同地での感染者数は計48人、うち死亡したのは3人、回復したのは29人となった。

SANA(5月13日付)が伝えた。

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外務在外居住者省は声明を出し、新型コロナウイルス感染症対策に関わる国境閉鎖措置などで帰国できないでいる旅行者、留学生の帰国に関する指針を発表した。

それによると、2020年1月1日から2020年5月1日までの期間に出国した旅行者と、現在国外で就学中の学生の帰国については、5月17日から22日までの1週間、希望者を募り、帰国に向けた準備を行うとしている。

なお、この措置に伴う外国人のシリアへの入国は、帰国希望者の家族に限られる。

SANA(5月13日付)が伝えた。

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月13日付)を公開し、5月12日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は579,123人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,875人(うち女性55,298人、子ども93,497人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,561人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 13, 2020をもとに作成。

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ロシア、トルコ両国はイドリブ県での停戦違反を確認せず(2020年5月13日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから69日目となる5月13日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がハザーリーン村一帯で交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、フーア市近郊のサワーギヤ町では、シャーム軍団の拠点が正体不明の武装集団の攻撃を受け、戦闘となった。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町とバッカール村を結ぶ街道で武装集団が住民を射殺した。

AFP, May 13, 2020、ANHA, May 13, 2020、AP, May 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 13, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 13, 2020、Reuters, May 13, 2020、SANA, May 13, 2020、SOHR, May 13, 2020、UPI, May 13, 2020などをもとに作成。

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ムスタファー・トゥラース元国防大臣の次男のマナーフ氏は政治移行を目的とする軍事評議会の設置を提唱(2020年5月12日)

ムスタファー・トゥラース元国防大臣の次男で、アサド大統領の「親友」と目されつつも、政権を離反したマナーフ・トゥラース氏は、クッルナー・シュラカー(5月14日付)のインタビューに応じ、シリアでの政治移行について定めている国連安保理決議第2554号に則った活動を目的とする「軍事評議会」の結成に意欲を示した。

トゥラース氏は次のように述べた。

国外にいる士官6人と国内にいる6人によって構成される士官12人の軍事評議会を設置すべきだ…。この評議会は、シリアにおける政治以降を規定している国連安保理決議第2254号の精神が実施させることを保障する任務などを担うことになる。

評議会はすべてのシリア国民を代表する自由な国会選挙の実施を監視し、憲法草案の起草を推し進める。この草案がシリア国民一人一人の市民権を基礎とした社会契約の起点となる。

評議会はまた、シリア国民やそのほかの民兵の間に拡散してしまっている違法な武器を回収し、それを国家のみが保有する。

そして、シリア国民どうしの殺戮や復習を回避するために持続的な努力を払う。

https://www.facebook.com/all4syria.org/photos/a.465386180262145/1906241529509929/?type=3&theater

AFP, May 14, 2020、ANHA, May 14, 2020、AP, May 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2020、Reuters, May 14, 2020、SANA, May 14, 2020、SOHR, May 14, 2020、UPI, May 14, 2020などをもとに作成。

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ロシア民間軍事会社ワグナー・グループの傭兵やシリア人民兵を乗せたと思われる旅客機がリビアへ(2020年5月12日)

フライト・アウェアーは、シャーム・ウィング社のSAW351便が11日午後10時57分にラタキア県のバースィル・アサド国際空港(フマイミーム航空基地)を離陸、12日12時49分にリビア東部のベイダ町近郊の空港に着陸したことを明らかにした。

トルコのボスポラス監視団によると、SAW351が着陸したのは、ベンガジ市の東約78キロの距離に位置するハーディム航空基地。

SAW351は、シリア人戦闘員や、ロシアの民間軍事会社ワグナー・グループの傭兵を乗せて、ダマスカス国際空港を離陸したのち、バースィル・アサド国際空港を経由して、リビアに向かったと見られるという。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、Bosphorus Observer, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Flight Aware, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県のM4高速道路でロシア・トルコ軍の合同パトロール部隊が住民の妨害を受ける(2020年5月12日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月12日付)やシリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がアレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路で合同パトロールを実施した。

両軍合同部隊はタルナバ村を出発し、アリーハー市近郊に向かってパトロールを実施した。

しかし、アリーハー市近郊で、住民らが道路を封鎖し、パトロール部隊の通行を妨害した。

パトロール部隊に対峙した住民のなかには、白衣を来た女性の一団もおり、彼女らはロシア軍装甲車にタマゴや石を投げる一方、「ロシアは私たちの敵、バッシャール・アサドは私たちの敵」などと言って、抗議の意思を示した。

また抗議行動が行われた現場近くでは、爆発が発生した。

爆発が何によるものかは不明。

しかし、ロシア、トルコ両国の国防省ともに、部隊が妨害を受けたことについてはコメントを出していない。

https://www.facebook.com/100991374764472/videos/553404368707937/

 

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県南西部でシリア軍とダーイシュが交戦、8人死亡(2020年5月12日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ヒムス県のバシャリー山に隣接する砂漠地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員3人とシリア軍兵士5人が死亡した。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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フーア市でシャーム自由人イスラーム運動によるIDPs強制退去に抗議するデモ(2020年5月12日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月12日付)やシリア人権監視団によると、フーア市で前日に、トルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)に所属するシャーム自由人イスラーム運動が市内の住居を拠点化するため、ヒムス県から避難し、同市の民家に居を構えていた国内避難民(IDPs)の一家を強制退去させたことに抗議するデモが発生した。

退去を強いられたのは、未亡人と孤児4人からなるヒムス市出身の一家。

これに対して、シャーム自由人イスラーム運動は空に向けて実弾を発射し、デモ参加者を強制排除した。

一方、シャーム解放機構は、トルコ国境に近いサルマダー市西にあるマラーム・キャンプで避難生活を送るハマー県出身の住民3人を逮捕、携帯電話や通信機器を押収し、連行した。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のジャラーブルス市(アレッポ県)で、国民軍北部旅団の戦闘員が撃たれて死亡(2020年5月12日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のジャラーブルス市で、国民軍に所属する北部旅団の戦闘員が自宅前で何者かに撃たれて死亡した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、5日から11日にかけて、トルコ占領下のアレッポ県ジンディールス町近郊、シーラーワー町近郊、マーリア市近郊、アフリーン市で、トルコの支援を受ける国民軍の拠点やパトロール部隊を攻撃し、6人を殺害、3人を負傷させたと発表した。

ANHA(5月12日付)が伝えた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプ一帯の農村地帯を砲撃、農地で火災が発生した。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県住民が米軍パトロール部隊の前に立ちはだかり、進行を阻止(2020年5月12日)

ハサカ県では、SANA(5月12日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のダシーシャ村とカーヒラ村の住民が、農具を片手に街道に立ちふさがり、米軍装甲車からなるパトロール部隊の進行を阻止し、これを退却させた。

シリア人権監視団によると、米軍のパトロール部隊に対峙したのは、親政権の農夫と国防隊隊員。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県、イドリブ県などを砲撃(2020年5月12日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから68日目となる5月12日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガーブ平原のアンカーウィー村、カーヒラ村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザーウィヤ山地方のハルーバ村、カフル・ウワイド村、スフーフン村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌35輌からなる車列を、カフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, May 12, 2020、ANHA, May 12, 2020、AP, May 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 12, 2020、Reuters, May 12, 2020、SANA, May 12, 2020、SOHR, May 12, 2020、UPI, May 12, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民・国内避難民(IDPs)の帰還なし(2020年5月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月12日付)を公開し、5月11日に帰還した難民はいなかったと発表した。

2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は579,123人。

内訳は、レバノンからの帰還者183,875人(うち女性55,298人、子ども93,497人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,770,561人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は808,053人(うち女性242,474人、子供411,938人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 12, 2020をもとに作成。

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アサド大統領のいとこリーバール・アサド氏は大統領とマフルーフ氏の対立解消のため、父であるリフアト・アサド元副大統領の帰国を求める(2020年5月11日)

アサド大統領のおじのリフアト・アサド元副大統領の子息の一人で反体制活動家のリーバール・アサド氏はフェイスブック(5月11日付)のアカウントで、アサド大統領に向けてラーミー・マフルーフ氏との不仲に代表される政権内部の危機を回避するための策を提言した。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1615404181950112&set=a.510205305803344&type=3&theater

リーバール氏は「あらゆるレベルでこの惨憺たる危機から脱却するための策は、リフアトが提起した和平イニシアチブを政権指導者が受け入れる以外にない…。手遅れになる前にリフアト・アサドがフランスからシリアに帰国することで、この泥沼からの脱出は保障され、平和と安全に満ちた明るい未来を創ることができる」と述べた。

リフアト・アサド元副大統領のイニシアチブとは、2018年に国連、米国、ロシア、中国、サウジアラビアの監督の下にシリア危機を解決するための国際会議を呼びかけたことを指している。

AFP, May 14, 2020、ANHA, May 14, 2020、AP, May 14, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 14, 2020、Reuters, May 14, 2020、SANA, May 14, 2020、SOHR, May 14, 2020、UPI, May 14, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構がイドリブ県で「勧善懲悪委員会」の活動を再開(2020年5月11日)

シャーム・ネット(5月11日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に所属する宗教警察の「サワーイド・ハイル」(善なる腕)のメンバーが、イドリブ市内で活動を本格的に再開したと伝えた。

活動を再開したメンバーは「ファラーフ(繁栄)・センター」を名乗り、シャーム解放機構の治安部隊の全面支援を受けて、市場、市街地、理髪店、水タバコ屋、婦人服店などで監視・取り締まり活動を行っているという。

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シリア人権監視団が入手した活動項目にかかる文書のコピーには、ファッラーフ・センターが以下のような行為の監視にあたることが列記されているという。

1. レストラン、オフィスなどでの男女の同席を阻止する。
2. 不浄な女性が店舗内で店主との一緒にいることを阻止する。
3. 男性による婦人服の販売を阻止する。
4. 式場や遊技場を監視し、禁止行為を阻止する。
5. 街、店舗、レストラン内で水タバコを吸い歓談するこを阻止する。
6. 猥褻な刈り上げの禁止と理髪師への厳罰。
7. ハラスメント、軽率な嫌がらせ、学校やオフィス前での待ち伏せを禁止する。
8. 店舗などでの禁止行為や写真・絵を禁止する。
9. 教育機関での男女生徒の同席を禁止する。

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なお、「勧善懲悪委員会」とも称されたサワーイド・ハイルは、サウジアラビア人やシリア人の男女から構成され、2017年半ば頃から活動を開始した。

だが、たびたび住民の反発に遭っていた。

2017年6月には、イドリブ市内の市場でサワーイド・ハイルの女性説教師が行っていた「説教」を少女たちが拒むと、シャーム解放機構が少女たちを戦闘員として徴用するとしたうえで、彼女らを侮辱、逮捕、また説教師らを救済すると銘打って、彼女らにシャリーア法廷で処罰を与えることを求めるデモを組織した。

2018年2月には、サワーイド・ハイルのメンバーがイドリブ市内にあるピタゴラス専門学校に、男女が同席していたとして強制的に立ち入り、教員の1人に暴行を加え、経営者にシャリーアへの違反があったことを認める文書に署名を強要した。

サワーイド・ハイルはまた、市内のウルーバ女子学校にも同様の理由で強制的に立ち入り、学校を封鎖した。

これに対して、閉鎖を不服とする教員や女子生徒が、学校前で拒否する抗議デモを行ったが、シャーム解放機構が実弾を使用してこれを強制排除、その際に住民1人が負傷した。

また、病院や医療機関への行き過ぎた介入に対しても反発が高まり、医師、薬剤師、医療機関従事者が、イドリブ市以内の医療機関へのサワーイド・ハイルの立ち入りを拒否する声明を出していた。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SNN, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領のおじでビジネスマンのムハンマド・マフルーフ氏が息子と大統領を仲裁するためにモスクワから帰国(2020年5月11日)

サウジアラビア日刊紙『ウカーズ』(5月11日付)は、アサド大統領のおじでビジネスマンのムハンマド・マフルーフ氏が滞在先のモスクワから特別機でシリアに帰国したと伝えた。

息子のラーミー・マフルーフ氏とアサド大統領の対立を仲裁し、不仲を解消するのが目的だという。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、‘Ukaz, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)11人が戦闘で新たに死亡(2020年5月11日)

シリア人権監視団は、トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍戦闘員)11人が、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍との戦闘で新たに死亡したと発表した。

これにより、リビアでの戦闘で死亡したシリア人傭兵(ムウタスィム旅団、スルターン・ムラード師団、北の鷹旅団、ハムザート師団、スライマーン・シャー師団)の数は279人となった。

なお、リビアに派遣されたシリア人傭兵の数は約8,510人、トルコがシリア領内に設置しているキャンプで、派遣に向けて教練を受けている傭兵は約3,450人に達しているという。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュがダイル・ザウル県にあるシリア軍の拠点複数カ所を攻撃(2020年5月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシューラー村、カバージブ村にあるシリア軍の拠点複数カ所を攻撃した。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動はフーア市の民家を拠点化するためIDPsを強制退去させる(2020年5月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民解放軍(国民軍)に所属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、フーア市内の民家を軍事拠点化するため、ヒムス県から避難し、同市の民家に居を構えていた国内避難民(IDPs)の一家を強制退去させた。

フーア市は、隣接するカファルヤー町とともに、政府を支持する12イマーム派信徒が多く暮らしていたが、長年にわたり反体制派の包囲を受け、2018年までに全住民が政府支配地域に避難していた。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のアアザーズ市でIDPsがシリア軍撤退と帰還を求めてデモ(2020年5月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアアザーズ市で、イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市および同市周辺地域からの国内避難民(IDPs)数十人が、シリア軍の同市一帯地域からの撤退と帰還を訴えるデモを行った。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局は外出禁止措置をイード・アル=フィトルの祝日が終了するまで延長(2020年5月11日)

北・東シリア自治局(ビーリーファーン・ハーリド、アブドゥルハーミド・マフバーシュ執行評議会共同議長)は決定第42号を発出し、新型コロナウイルス感染症対策として継続している部分的な外出禁止措置を5月12日からイード・アル=フィトルの祝日が終了するまで延長することを決定した。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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アサド大統領はタラール・バラーズィー・ヒムス県知事を国内通商消費者保護大臣に任命(2020年5月11日)

アサド大統領は2020年政令第122号を施行し、アーティフ・ナッダーフ国内通商消費者保護大臣(人民議会議員)を解任し、政令第123号を施行し、タラール・バラーズィー氏を国内通商消費者保護大臣に任命、同氏ヒムス県知事職を解いた。

SANA(5月11日付)が伝えた。

AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。

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