イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月10日)

シリア国内の動き

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市のダーイシュ(イスラーム国)をイスラーム軍が攻撃、制圧した。

この戦闘で、複数の司令官を含むダーイシュ戦闘員5人が死亡したという。

これに関して、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官はツイッターを通じて、ダーイシュのアミールの一人、アブー・マーリヤ・ウルドゥンニー氏を含むダーイシュ・メンバー4人を殺害したと綴った。

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アレッポ県で活動するシャームの鷹旅団のアブー・イーサー・シャイフ司令官は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったシャーム軍とダーウド旅団に対して、12時間以内に武器を引き渡すよう最後通告を出した。

シャイフ司令官はまた、この二つの武装集団を事実上指揮するハッサーン・アッブード氏がアレッポの武装集団を何度も裏切ってきたと批判した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ヒシャーム村名士とダーイシュ(イスラーム国)が、同市から強制退去を命じられていた住民1万5,500人以上の帰宅について合意した。

住民は10日正午から帰宅を開始するという。

イラク国内の戦況

ロイター通信(7月10日付)によると、国際原子力機関(IAEA)は、イラク政府から、ニナワ県モスル市の大学に保管されていた核物質が奪われたとの連絡を受けたと発表した。

核物質の種類や量は明らかにしていないが、「低い等級のもので安全上の問題は小さい」としている。

ロイター通信によると、奪われたのは研究用ウラン化合物約40キロ。

イラクの国連大使が8日、潘基文国連事務総長宛ての書簡で、「テロ集団に奪われた」と伝えたという。

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ニナワ県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がモスル市各所でイラク軍元士官30人を逮捕した。

逮捕の理由は明らかでないという。

一方、モスル市南部のタヤラーン地区にあるイラク軍ニナワ県作戦司令室をイラク軍戦闘機が空爆した。

同司令室はダーイシュが占拠し、本部として使っていたという。

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バービル県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、軍、警察、民兵からなる合同部隊がジュルフ・サフル地方でダーイシュ(イスラーム国)の掃討作戦を続け、ダーイシュ戦闘員22人を殺害、車輌8台を破壊した。

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ラマーディー県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、軍・警察合同部隊がラマーディー市北部のジャズィーラ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員13人を殺害した。

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マダー・プレス(7月10日付)は、信頼できる消息筋の話として、イラクの特殊諜報機関が、ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏の弟を逮捕したと伝えた。

逮捕されたバグダーディー氏の弟はバグダードなどでの「テロ活動」を統括していたという。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(7月10日付)によると、ヤアクーバ市北部のスドゥール地方で、警察部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、同地襲撃の「首謀者」1人を含むダーイシュ戦闘員7人と警官2人が死亡した。

AFP, July 10, 2014、AP, July 10, 2014、ARA News, July 10, 2014、Champress, July 10, 2014、al-Hayat, July 11, 2014、Kull-na Shuraka’, July 10, 2014、al-Mada Press, July 10, 2014、Naharnet, July 10, 2014、NNA, July 10, 2014、Reuters, July 10, 2014、SANA, July 10, 2014、UPI, July 10, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャッアール地区、カーティルジー地区、ムワーサラート地区、カーディー・アスカル地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ハラク地区に対して、軍が「樽爆弾」などで攻撃する一方、同地一帯を占拠する反体制武装集団は、シリア政府支配下のハミーディーヤ地区、サイイド・アリー地区などを迫撃砲で攻撃した。

またアレッポ市シャッアール地区、ザフラー地区(空軍情報部一帯)では、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、ムジャーヒディーン軍と交戦した。

さらにアレッポ市郊外のブライジュ村郊外、アレッポ中央刑務所近郊で、軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)が、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍の攻勢に関して、ロイター通信(7月10日付)は、シリア軍が今週、アレッポ市周辺の戦略的要衝を制圧し、反体制武装集団の兵站路を寸断、包囲を強めていると伝えた。

またヒズブッラーに近い複数の消息筋の話として、シリア軍によるアレッポ市攻略をヒズブッラー戦闘員が支援していると付言した。

同消息筋によると、ヒズブッラーの顧問がシリア軍部隊とともに最近、アレッポ市に展開、戦闘員を前線に展開させたという。

『ハヤート』(7月11日付)は、アレッポ市の反体制活動家の話として、反体制武装集団が現在、アレッポ市北部の4キロ平方メートルを制圧しているが、同地にいたる最後の幹線道路が軍によって制圧されれば、アレッポ市は完全包囲される、と報じた。

一方、SANA(7月10日付)によると、アターリブ市、クワイリス村、ハースィーン村、ダーラト・イッザ市、カブターン・ジャバル村、自由貿易区北部、タッル・スースィーン村、シャイフ・サイード村、ファーフール村、カフルハムラ村、アレッポ市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、マサール・プレス(7月10日付)によると、タルビーサ市南部から進軍を試みたシリア軍部隊を「革命家部隊」が撃退し、兵士多数を殺害、ラスタン市北部前線、ハウラ地方東部前線、ウンム・シャルシューフ村前線でも、軍と「革命家部隊」が交戦した。

一方、SANA(7月10日付)によると、ラッフーム村・マスアダ村街道、アルシューナ街道、ガジャル村・ラスタン市街道、タルビーサ市、ウンム・シャルシューフ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市郊外の果樹園で軍とジハード主義武装集団が交戦する一方、ザバダーニー市を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

またムライハ市およびその周辺では、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、クドスィーヤー市で未明、国民和解委員会メンバーの一人が武装した何者かに暗殺された。

他方、SANA(7月10日付)によると、ムライハ市郊外、アルバイン市、カーラ市郊外の無人地帯、マシュラファ村郊外、ラアス・マアッラ町郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーミディーヤ航空基地およびワーディー・ダイフ軍事基地周辺で、軍とジハード主義武装集団が交戦し、武装集団戦闘員16人が死亡した。

一方、SANA(7月10日付)によると、タッル・フスーン、カフルラーター村、マジュダリヤー村、ビカフルーン村、ジダール・ビカフルーン村、クマイナース村、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、軍との戦闘で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団戦闘員13人(うちヨルダン人4人)が死亡した。

一方、SANA(7月10日付)によると、ブライカ村一帯、ビイル・アジャム村一帯、タッル・アフマル、ハッジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市各所を軍が砲撃し、同地東部でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(7月10日付)によると、タッル・ハッシュ、タファス市、タッル・シハーブ町、ムザイリーブ町、アトマーン村、ガズラーン農場、タスィール町・ナワー市街道、ジュムーア丘東部、ズィムリーン村・サムリーン村交差点、タスィール町、アドワーン村、サムリーン村北部、ハッラーブ・シャハム村、ナワー市、キヒール村、ブスラー・シャーム市、ジャラーバー・インヒル市街道、ダルアー市旧税関地区、ビラール・ハバシー・モスク一帯、ヨルダン通り一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月10日付)によると、タクスィース村を反体制武装集団が襲撃し、女性3人を斬首、また女性1人を拉致・連行した。

また、ムーリク市では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(7月10日付)によると、タッル・サティーフ、アブー・カサーイブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 10, 2014、AP, July 10, 2014、ARA News, July 10, 2014、Champress, July 10, 2014、al-Hayat, July 11, 2014、Kull-na Shuraka’, July 10, 2014、al-Mada Press, July 10, 2014、Naharnet, July 10, 2014、NNA, July 10, 2014、Reuters, July 10, 2014、SANA, July 10, 2014、UPI, July 10, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月9日追記)

ラッカ県では、ARA News(7月9日付)によると、タッル・アブヤド市西部のジャーリフ・アブディー村で、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局民主統一党が交戦し、ダーイシュ戦闘員30人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市内の商店に対して強制捜査を行い、タバコを没収、まだ同市で喫煙を禁止した。

またダーイシュはブサイラ市で、麻薬・大麻常習者多数を逮捕したという。

ARA News, July 9, 2014、al-Hayat, July 11, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月9日)

シリア国内の動き

ガド・プレス(7月9日付)は、複数の活動家の情報として、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州のワーリーを名乗るアブー・ルクマーン・マグリビー氏が離反し、自らを「シャームのカリフ」に就任させるよう要求したと報じた。

同報道によると、アブー・ルクマーン氏は、ダーイシュの指導者であるアブー・バクル・バグダーディー氏よりも「自分の方がカリフにふさわしい」と主張しているという。

なおアブー・ルクマーン氏による「シャームのカリフ」宣言を受け、約3,000人のダーイシュ・メンバーが同氏に忠誠を誓ったという。

アブー・ルクマーン氏については、2014年1月7日にラッカ市での戦闘で死亡したとの情報が流れていた(https://syriaarabspring.info/wp/?p=379)。

algadpress, July 9, 2014
algadpress, July 9, 2014

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の「訓練センター」およびダーイシュが包囲を続ける第17師団基地周辺をシリア軍が空爆し、ダーイシュ戦闘員20人以上が死亡した。

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ARA News, July 9, 2014
ARA News, July 9, 2014

ARA News(7月9日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)のアレッポ州ジャラーブルス地区のアミールが、すべてのダーイシュ・メンバーに対して、「ダーイシュに敵対的な思想の持ち主」の監視を行うよう要請する布告を発したと報じ、その写真を公開した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(7月9日付)によると、ミスラーバー市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム軍が交戦し、民間人3人が戦闘に巻き込まれ負傷した。

イラク国内の戦況

バービル県では、マダー・プレス(7月9日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、イラク軍戦闘機の支援を受けた治安部隊がダーイシュ(イスラーム国)を攻撃し、ダーイシュ戦闘員15人を殲滅した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月9日付)によると、ラマーディー市西方のラーワ郡で、イラク軍戦闘機・ヘリコプターの支援を受けた治安部隊が、ダーイシュ(イスラーム国)の車列を攻撃し、ダーイシュ戦闘員14人を殲滅した。

AFP, July 9, 2014、Algadpress, July 9, 2014、AP, July 9, 2014、ARA News, July 9, 2014、Champress, July 9, 2014、al-Hayat, July 10, 2014、Kull-na Shuraka’, July 9, 2014、al-Mada Press, July 9, 2014、Naharnet, July 9, 2014、NNA, July 9, 2014、Reuters, July 9, 2014、SANA, July 9, 2014、UPI, July 9, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月9日)

ロイター通信(7月9日付)は、英ORB(Opinion Research Business)がシリア人成人1,014人を対象に行った対面式世論調査(http://www.opinion.co.uk/article.php?s=three-in-five-syrians-support-international-military-involvement)で、4人に1人がアサド政権がシリアの国益をもっとも代表していると回答したと報じた。

ORBのジョニー・ヒールド代表はこの結果に関して「シリア世論は…過激派が自分たちの見解を代表しているとは考えてない」と述べた。

ORBによる世論調査はシリアの14県中、ダイル・ザウル県とクナイトラ県を除く12県のシリア政府、反体制勢力双方の支配地域において行われ、ダーイシュ(イスラーム国)が優勢なラッカ県でも実施されたという。

また調査は、2014年5月にシリア人のインタビュアーによって行われたという。

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ハマー県では、シリア人権監視団やSANA(7月9日付)によると、「住民の大多数がスンナ派からなる」ハッターブ町を反体制「武装テロ集団」が襲撃し、女性7人と子供1人を含む住民14人を「体制を支持している」として殺害した。

またSANA(7月9日付)によると、ウカイリバート町郊外で反体制武装集団が車に仕掛けた爆弾が誤爆し、多数の戦闘員が支障した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャッアール地区を軍ヘリコプターが「樽爆弾」などで空爆し、4人が死亡、これに対して反体制武装集団はシリア政府が支配する同市各所を砲撃、3人が死亡した。

また、アアザーズ市郊外のスーラーン・アアザーズ市で、シャームの民のヌスラ戦線と、北の拳大隊、ウマル・ファールーク大隊などからなる反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月9日付)によると、ダーラト・イッザ市、ラトヤーン村、ズィルバ村、シャイフ・アフマド村、クワイリス村、マンスーラ村、アターリブ市、バヤーヌーン町、ダイル・ジャマール村、ジュダイダ村、バーブ市、アナダーン市、タッル・リフアト市、フライターン市、マーリア市、アアザーズ市、ウワイジャ地区、タッル・シャイール村、マリーミーン村、ハーディル村、アレッポ市カースティールー地区、バニー・ザイド地区、サーフール地区、ハナーヌー地区、シャイフ・サイード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月9日付)によると、ミスラーバー市、アッブ農場、アシュアリー農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ジスリーン町、ムライハ市北部郊外、ダーライヤー市、ザバダーニー市西部、ラアス・マアッラ町郊外の無人地帯、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、タイバ村、アイン・バイダー農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月9日付)によると、ハッジャ村南部、ズバイダ村、クードナ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月9日付)によると、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、東サラーム村、スルターニーヤ村、ウンム・シャルシューフ村、ハヌーラ村、ラスタン市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、バーバー・アムル特殊部隊大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月9日付)によると、ハーミディーヤ航空基地周辺、タイバ村、カフルシャラーヤー村、マジュダリヤー村、タッル・ディーニート村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月9日付)によると、ダルアー市・ヤードゥーダ村街道、アトマーン村周辺、インヒル市、ムザイリーブ町、ジュッバー村、ヤードゥーダ村・ヒルバト・ガザーラ町街道、ヤードゥーダ村・マクバラ村街道、ダルアー市カラク地区、スワイダーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月9日付)によると、フジャイジャト・サクル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(7月9日付)によると、イドリブ県で、大統領当選を記念してアサド大統領が発令した恩赦(2014年政令第22号)を受けて、反体制武装集団元メンバー50人が免罪となり、釈放された。

またヒムス県では、ガントゥー市、ラスタン市、タルビーサ市、ティール・マアッラー村、ジャンダル村、フルクルス町、ハスヤー町、クサイル市の反体制武装集団元メンバー55人が当局に投降したのち、免罪となり釈放された。

AFP, July 9, 2014、AP, July 9, 2014、ARA News, July 9, 2014、Champress, July 9, 2014、al-Hayat, July 10, 2014、July 11, 2014、Kull-na Shuraka’, July 9, 2014、al-Mada Press, July 9, 2014、Naharnet, July 9, 2014、NNA, July 9, 2014、Reuters, July 9, 2014、SANA, July 9, 2014、UPI, July 9, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月8日)

シリア国内の動き

シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県西部の名士・部族長、ジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と停戦交渉を続けた。

同監視団によると、ジハード主義武装集団らは、①県西部に現状の組織を維持したまま残留し、ダーイシュに忠誠を誓う、②軽火器、重火器のいずれもダーイシュには引き渡さない、③ダーイシュの進駐は限定的なものとし、進駐する部隊はムハージリーン(外国人)のみとする、④ダーイシュはいかなる指名手配者も逮捕しない、⑤アサド政権に対する戦闘を共同で行う、⑥合同のシャリーア委員会を設置する、ことを求めているという。

しかし、ダーイシュは、交渉の前提条件としてジハード主義武装集団の武器の放棄を要求しているという。

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シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県西部での停戦交渉を尻目に、反体制武装集団17組織と、ユーフラテス河畔のスバイハーン市、ダブラーン村、ガリーバ村、キシュマ村、ドゥワイル村住民が、ダーイシュ(イスラーム国)とカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明した。

ダーイシュに忠誠を誓ったのは武装集団は以下の通り:

1. ムウタスィム・ビッラー

2. ヌール・イスラーム

3. ジュンドッラー

4. ハーリス

5. ハーリド・ブン・ワリード

6. 信徒の母アーイシャ

7. 戦線

8. ユーフラテスの鷹

9. スバイハーン殉教者

10. イスラームの盾

11. ジャッラース・アキード

12. ユーフラテス特殊部隊

13. 誇り高きスバイハーン革命家大隊

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イドリブ県で活動するシャーム軍ダーウド旅団が、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を誓った。

ARA News(7月8日付)によると、ダーウド旅団は、アレッポ市北東部へのシリア軍の攻勢を受け、同地で戦う反体制武装集団を支援するためにイドリブ県からアレッポ県に向かったが、その後、ラッカ県に進路を変更し、タッル・アブヤド市一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と戦うダーイシュに参加したという。

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ハサカ県では、ARA News(7月8日付)が地元活動家の話として、シャッダーディー市を制圧しているダーイシュ(イスラーム国)が、ラマダーン月を祝して、市内の貧困層に穀物などの食糧を配給していると報じた。

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ダーイシュ(イスラーム国)は、機関紙『ダービク』を創刊し、ウェブ(https://ia902504.us.archive.org/14/items/HMC_DBQ1/dbq01_mobile_en.pdf)上で公開する一方、シリア国内の制圧地域での配布を開始した。

創刊号は英語で書かれている。

「ダービク」という紙名は、アレッポ県北部の「マルジュ・ダービク」地方に由来しており、同地は16世紀、オスマン朝のセリム1世の軍とカーンスーフ・ガウリー率いるマムルーク軍が戦った「マルジュ・ダービクの戦い」の古戦場として知られる。

Dabiq
Dabiq

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線の拠点だったシュハイル市で、ヌスラ戦線司令官の自宅2件を爆破、破壊した。

一方、シリア軍はダーイシュが制圧するマヤーディーン市各所を空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市南西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦した。

またラッカ市北部のアイン・イーサー市にある人民防衛隊の検問所に対して、ダーイシュ戦闘員が自爆攻撃を仕掛け、クルド人隊員4人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、ARA News(7月8日付)によると、ミスラーバー市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム戦線所属のイスラーム軍が交戦し、後者の戦闘員6人が死亡した。

レバノンをめぐる動き

LBCI(7月8日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外からダーイシュ(イスラーム国)メンバー複数名が同村に侵入し、住民のムスタファー・ナジーブ・イッズッディーン氏を自宅で処刑した。

ダーイシュはイッズッディーン氏に死刑宣告をしており、同氏の息子ハーリド氏(14歳)も6月5日に同じように処刑されたという。

しかし2人の殺害に関して、レバノンの声(7月8日付)は、ダーイシュではなく、シャームの民のヌスラ戦線のメンバーの犯行だと報じ、またLBICもハーリド氏殺害はヌスラ戦線の犯行だと報じていた。

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『アフバール』(7月8日付)は、7日にイラクの首都バグダードでの自爆テロの実行犯が、北部県トリポリ市出身のムスタファー・アブドゥルハイ氏(22歳、自称アブー・ハファス)だったと報じた。

同紙によると、アブドゥルハイ氏は2年前に、シリアで武装活動を行うシャーム自由人イスラーム運動に参加、その後レバノンに帰国し、イスラーム国(ダーイシュ、当時はイラク・シャーム・イスラーム国)に忠誠を誓い、イラクに転戦していたという。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がバイジ市北部のザウィーヤ地方を制圧した。

同地方制圧に際して、ダーイシュは迫撃砲約60発を発射、住民13人が死亡、民家10棟が破壊された。

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バービル県では、マダー・プレス(7月8日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、軍・警察合同部隊が、空軍の支援のもとにダーイシュ(イスラーム国)の掃討を継続し、ダーイシュ戦闘員16人を殺害した。

また掃討作戦に参加したイラク軍戦闘機は、ダーイシュ拠点などを空爆し、戦闘員24人を殺害した。

さらに、イスカンダリーヤ地方では、警察部隊がダーイシュ(イスラーム国)戦闘員5人を逮捕した。

諸外国の動き

エリック・ハンプトン・ホルダー米法務長官は、シリアとイラクに戦闘目的で渡航した米国人約100人の調査を法務省が開始したと発表した。

AFP, July 8, 2014、al-Akhbar, July 8, 2014、AP, July 8, 2014、ARA News, July 8, 2014、Champress, July 8, 2014、al-Hayat, July 9, 2014、Kull-na Shuraka’, July 8, 2014、LBCI, July 7, 2014、al-Mada Press, July 8, 2014、Naharnet, July 8, 2014、NNA, July 8, 2014、Reuters, July 8, 2014、SANA, July 8, 2014、UPI, July 8, 2014、Voice of Lebanon, July 8, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力(2014年7月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーミディーヤ航空基地近くに位置するタッラーフ検問所をジハード主義武装集団が軍との戦闘の末に制圧した。

これに対して、軍戦闘機は同地一帯を13回にわたり空爆、同地で武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(7月7日付)によると、「イドリブの革命家」がハーリム市のムワッファク・ナッファーフ検事を暗殺した。

一方、SANA(7月8日付)によると、マルイヤーン村、カフルラーター村、カフルルーマー村、マジュダリヤー村、バーラ村、マラーナ村、ハーッジ・ハンムード農場、タイバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーフール地区、バーブ街道地区、ジャバル・バドルー地区に軍が「樽爆弾」を投下、また旧市街のウマイヤ・モスク近く、ライラムーン地区、ラームーサ地区、シャイフ・サイード地区、ザフラー地区(空軍情報部一帯)、で、軍、国防隊が、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)、シャーム軍団などからなるジハード主義武装集団が交戦した。

このほか、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区第1、2ブロック周辺、カフルサギール村周辺、ブライジュ村郊外、アレッポ中央刑務所周辺で、軍とジハード主義武装集団が交戦、ジャバル・アッザーン周辺でも、軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

クッルナー・シュラカー(7月7日付)によると、ジャバル・アッザーン周辺での戦闘では、シリア軍のアクル・アリー大佐が戦死した

一方、SANA(7月8日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区、シャッアール地区、旧市街、アンサーリー地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、ジャンドゥール地区、カースティールー地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・サイード地区、ナアナーイー広場、シャイフ・ルトフィー村、ズィルバ村、ハーン・アサル村、カシーシュ村、フライターン市、マーリア市、ジュバイラ村、カフルダーイル村、マンスーラ村、ハンダラート・キャンプ、ダーラト・イッザ市、ウワイジャ地区、バヤーヌーン町、アターリブ市、タッル・リフアト市、シャイフ・アフマド村、クワイリス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ムザイリーブ町、ジーザ町、東ガーリヤ村、サイダー町、ナスィーブ村、ナワー市、ダーイル町、ヤードゥーダ村を軍が「樽爆弾」などで空爆、またシャイフ・マスキーン市、東カラク村、ヤードゥーダ村、ジャムリーン村で軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月8日付)によると、東カラク村・ムサイフラ町街道、ダルアー市マンシヤ地区、バジャービジャ地区など、アトマーン村、アトマーン村・ヤードゥーダ村街道、ヤードゥーダ村・ヒルバト・シャフム村街道、ヤードゥーダ村、インヒル市、東カラク村、ブスラー・シャーム市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市各所、カーラ市郊外の無人地帯に軍が「樽爆弾」を投下した。

またサクバー市でイスラーム軍の司令官の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、同司令官が死亡、またドゥーマー市でも東グータ統一司法評議会メンバーでイスラーム・フダー機関代表の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、同代表が負傷した。

一方、SANA(7月8日付)によると、マイダアー町郊外、ナシャービーヤ農場、マルジュ・スルターン農場、アーリヤ農場、アイン・タルマー渓谷、ムライハ市郊外、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、イスラーム軍の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月8日付)によると、軍はウンム・シャルシューフ村のバドゥウ地区と南部の建物郡を制圧した。

また軍は、ガントゥー市、アブー・ハワーディース村、西サラーム村、ハブラ村、ウンク・ハワー村、ラスタン市、サムアリール村などで、反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月8日付)によると、ラスム・フール村、西バイダ村、ビイル・アジャム村、ウーファーニヤー村、カフターニーヤ町などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月8日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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SANA(7月8日付)によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ラタキア県、ハマー県、ハサカ県カーミシュリー市で、反体制武装集団メンバー278人が当局に投降した。

AFP, July 8, 2014、AP, July 8, 2014、ARA News, July 8, 2014、Champress, July 8, 2014、al-Hayat, July 9, 2014、Kull-na Shuraka’, July 8, 2014、al-Mada Press, July 8, 2014、Naharnet, July 8, 2014、NNA, July 8, 2014、Reuters, July 8, 2014、SANA, July 8, 2014、UPI, July 8, 2014などをもとに作成。

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最新論考「イラクとシャームのイスラーム国」は何に挑戦しているのか」(『世界』)

髙岡豊「イラクとシャームのイスラーム国」は何に挑戦しているのか」
『世界』第859号、2014年8月、 pp. 20-24

中東が大きく揺れている。内戦の続くシリアから国境を越えてイラクへ進撃し、首都バグダッドに迫る勢いのイスラーム過激派武装勢力ISIS。どういう組織なのか。そしてその登場の歴史的意味とは?・・・

 

シリア国内の暴力(2014年7月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表やアブー・ハサンを名乗る反体制活動家によると、共和国護衛隊、ヒズブッラー戦闘員などからなる軍の増援部隊が、反体制武装集団が2年前に制圧したアレッポ市歩兵学校一帯に集結した。

アブドゥッラフマーン代表らによると、軍は、カフルサギール村、マクバラ村制圧後、ハンダラート・キャンプ郊外(シャイフ・ナッジャール市工業団地地区およびアレッポ中央刑務所の西方に位置)を制圧することで、アレッポ市北東部の兵站線を遮断し、同市への包囲強化を狙っているという。

これに関してシリア軍士官はシリア・アラブ・テレビ(7月7日付)に、軍がアレッポ市北部にいたる幹線道路を制圧するとともに、アレッポ北部のベルト地帯の約80%を閉鎖することに成功していると証言した。

一方、シリア人権監視団によると、軍はアレッポ市バーブ街道地区、カーディー・アスカル地区を「樽爆弾」などで空爆、女性1人とその娘1人が死亡した。

また軍はズィーターン村、ダーラト・イッザ市各所、タッル・リフアト市各所を空爆、これに対してジハード主義武装集団はアフタリーン市各所を迫撃砲で攻撃した。

他方、SANA(7月7日付)によると、シュカイフ村、タッル・シャイール村、バービース村、シャイフ・サイード村、フライターン市、カフルダーイル村、マンスーラ村、タッル・リフアト市、ダーラト・イッザ市、ダイル・ジャマール村、アブティーン村、マーイル町、カフルハムラ村、ハーン・アサル村、カフルナ%E

最新論考「悪化するシリア情勢に難民たちはいま」(Synodos)

井上慶子「悪化するシリア情勢に難民たちはいま」
Synodos、2014年7月7日
http://synodos.jp/international/9370

2014年3月15日、シリアで最初のデモが起こってから3年が経った。国連難民高等弁務官(以下UNHCR)の統計[*1]によれば、6月16日時点で、シリアの紛争による避難民は287万人、うち正式に難民登録をしているのは280万人。難民登録数は2013年4月半ば過ぎから急激に増え、今もなお増え続けている。・・・

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月6日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線の一大拠点シュハイル市を制圧したダーイシュ(イスラーム国)は、住民約3万人以上を市外に強制移住させた。

ダーイシュはまたシュハイル市に先立って制圧したヒシャーム村の住民約1万5,500人と、タービヤ村の住民約1万5,000人も追放し、帰宅を認めていない。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているシャッダーディー市一帯を空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市のマルトゥー広場で、ダーイシュ(イスラーム国)が、「ヌサイリー体制(アサド政権のこと)と協力」した罪で男性2人を公開処刑した。

またジャラーブルス市郊外のズール・マガール村、バイヤーダ村、ズィヤーラ村の奪還をめざす西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュと交戦した。

一方、ARA News(7月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュが占拠していたジュッブ・ファルジュ村、ハッラーブ・アトゥー村を奪還した。

このほか、シリア人権監視団によると、アフタリーン市郊外では、ジハード主義武装集団がダーイシュ戦闘員2人を拘束した。

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シリア人権監視団によると、ワルド油田を除くダイル・ザウル県内の油田を掌握したダーイシュ(イスラーム国)は、原油の販売を開始した。

ダーイシュは業者に1バレルあたり12ドル(2,000シリア・ポンド)で原油を販売するとともに、業者に対しては「シリア国民の人道的危機を考慮」し、ダーイシュ制圧地区で1バレルあたり18ドル(3,000ポンド)で流通させるよう求めているという

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シリア・ムスリム同胞団のイスラーム法源解釈委員会は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言に関して、「無効であり、シャリーアに則したものとはみなし得ない」と批判した。

同胞団はまた、ダーイシュについては、「イスラーム教徒、民革命家さらには自由シリア軍の英雄への背教宣告」によって、無実の人々を殺害したと断罪し、「これらの者に忠誠」を誓うことはないと強調した。

そのうえで「カリフとは、弱肉強食でも流血でもなく、至高なるアッラーの法に根ざした政治・宗教職」だと主張、イスラーム国のカリフ制が「独裁者を別の独裁者にとりかえること」だと非難した。

イラク国内の戦況

キルクーク市に駐留するイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ第1旅団司令官のシールクー・ファーティフ・シャワーニー准将は、ダーイシュ(イスラーム国)の侵入を防ぐため、キルクーク県南部に全長50キロの土塁を建設すると発表した。

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イラク軍総司令部報道官のカースィム・アター大将は記者会見で、サラーフッディーン県バイジ製油所一帯、アンバール県、バービル県ジュルフ・サフル地方、ニナワ県タッルアファル郡などでのイラク軍による掃討作戦で、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員82人を殺害、車輌18台を破壊したと発表した。

AFP, July 6, 2014、AP, July 6, 2014、ARA News, July 6, 2014、Champress, July 6, 2014、al-Hayat, July 7, 2014、Kull-na Shuraka’, July 6, 2014、al-Mada Press, July 6, 2014、Naharnet, July 6, 2014、NNA, July 6, 2014、Reuters, July 6, 2014、SANA, July 6, 2014、UPI, July 6, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区の孤児院に隣接する技術サービス局、電力関連施設を空爆、また旧市街では郡、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)、バアス大隊がジハード主義武装集団と交戦した。

さらにアレッポ市ハイダリーヤ地区を軍が砲撃、ジャンドゥール交差点、ハラク地区、ハンダラート・キャンプ近郊、フライターン市、タッル・シャイール村、バービース村、ファーフィーン村、アレッポ砲兵学校周辺を「樽爆弾」などで空爆した。

このほか、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区の第1、第2ブロック周辺では、軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線、ムジャーヒディーン軍、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)と交戦した。

SANA, July 6, 2014
SANA, July 6, 2014

一方、SANA(7月6日付)によると、シャイフ・ナッジャール市北部のカフルサギール村で、軍が「テロ集団」を殲滅し、同地の治安と安定を回復した。

またアレッポ市サーフール地区、ザバディーヤ地区、ラーシディーン地区、ブスターン・カスル地区、シャイフ・サイード地区、ジャンドゥール地区、マーリア市、バービース村、アブティーン村、アルド・マッラーフ地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、タッル・リフアト市、カフルハムラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村周辺で軍がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(7月6日付)によると、ガントゥー市・ファルハーニー村間、ウンム・シャルシューフ村周辺、タッルドゥー市、ヒルバト・ヒーラーン村、ヒルバト・ダーウード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市、ラターミナ町を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(7月6日付)によると、アトシャーナ村西部、カフルズィーター市西部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、スカイク村、マアッルシャムシャ村、スィンジャール町 を軍が空爆した。

一方、SANA(7月6日付)によると、アブー・ダーリー村、ティーバート村、アイン・スーダ村、ジュッブ・アフマル村、カフルラーター村、クマイナース村、ジスル・バイト・ラアス、ワーディー・ダイフ村周辺、ラーミー村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・ジン村、ドゥーマー市、カラムーン地方の対レバノン国境無人地帯、フライラ村郊外の無人自体を軍が「樽爆弾」などで空爆、砲撃した。

またドゥマイル市で活動する反体制武装集団の司令官が武装した何者かに殺害された。

一方、SANA(7月6日付)によると、ナシャービーヤ農場、マイダアー町郊外、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ドゥーマー市郊外、ムライハ市北部郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、アイン・タルマー渓谷、ランクース平原で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、ジャウバル区を軍が空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市各所で、軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

またインヒル市、ジャースィム市、イズラア市、ダーイル町、ナワー市、サフム・ジャウラーン村を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(7月6日付)によると、ムサイフラ町・ウンム・ワラド村間、ウンム・マヤーズィン町、インヒル市、キヒール村、ダルアー市旧税関地区北西部、ダム街道地区、西ガーリヤ村、タスィール町、アドワーン村、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市内のインティラーク通りを砲撃した。

またジャルズィー村では、イブン・カイイム旅団、ハムザ大隊、シュアイタートの部族民兵が、同村を占拠するダーイシュと交戦した。

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クナイトラ県では、SANA(7月6日付)によると、カフターニーヤ町、ウンム・バーティナ村、ラスムブルグル村、ハルシュ・ムムティナ村、ビイル・アジャム村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 6, 2014、AP, July 6, 2014、ARA News, July 6, 2014、Champress, July 6, 2014、al-Hayat, July 7, 2014、Kull-na Shuraka’, July 6, 2014、al-Mada Press, July 6, 2014、Naharnet, July 6, 2014、NNA, July 6, 2014、Reuters, July 6, 2014、SANA, July 6, 2014、UPI, July 6, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月5日)

イラクの戦況

イスラーム国のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏がモスル市のモスクで説教を行う映像(https://www.youtube.com/watch?v=0PjTSKOMpGk)がインターネットを通じて公開された。

バグダーディー氏が姿を現したのは、モスル市内のヌーリー大モスクで、ラマダーン月に合わせて説教を行った。

Youtube
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説教のなかでバグダーディー氏は「アッラーは、我々にアッラーの敵と戦い、アッラーのためにジハードを行い、そうすることで宗教を確立するよう命じられた…。アッラーは、あなた方の同胞であるムジャーヒディーンの勝利と制服を祝福された。彼らが長年にわたりジハードを行い耐える力を与え、彼らが目的を実現できるようになさった。それゆえ、彼らは迅速にカリフ制を宣言し、イマームを指名できた。これは数世紀にわたって失われてきたイスラーム教徒にとっての義務なのだ」と述べた。

なおイラクの複数のメディアは、バグダーディー氏がアンバール県での空爆によって負傷したと報じていた。 

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アンバール県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、サクラーウィーヤ地方ファッルージャ郡で、ラマーディー市と首都バグダードを結ぶ国際幹線道路に架かる橋を爆破、破壊した。

また同地ではイラク軍とダーイシュが交戦し、ダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

このほか、ラマーディー市では、ダーイシュが警察と覚醒評議会の検問所を襲撃し、警官と覚醒評議会メンバー7人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、イラク軍がバイジ製油所に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を撃退、12人を殲滅した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、ジュルフ・サフル地方で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を続け、ダーイシュの南部州司令官ムハンマド・ジャナービー氏を含むダーイシュ戦闘員5人が死亡した。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月5日付)によると、ラシャード地区近郊で、部族民兵がダーイシュ(イスラーム国)の司令官の一人サッターム・ジャッブーリー氏が乗った車を攻撃、同氏を殺害した。

またダーイシュはウバイド部族のシャイフ1人をスース村近くで拉致、連行した。

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するラッカ市北部のサッカ地区をシリア軍戦闘機が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するカスラ村各所、ジュダイダ・アカイダート村をシリア軍戦闘機が空爆、またダイル・ザウル市各所をシリア軍が砲撃した。

またアブー・ハマーム市では、ハムザ大隊、イブン・カイイム旅団が、ダーイシュと交戦した。

一方、同監視団によると、ガラーニージュ市、アブー・ハマーム市、カシュキーヤ村で、停戦とダーイシュへの忠誠の宣誓のための交渉が続けられた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が展開するアフタリーン市郊外のバフーリタ村の丘陵地、バルアーン村、ワーシュ山に対して、ジハード主義武装集団が手製の迫撃砲で攻撃、ダーイシュ戦闘員2人が死亡した。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アンサーリー地区を軍が「樽爆弾」などで空爆し、子供1人が死亡した。

またアシュラフィーヤ地区、ハーリディーヤ地区の軍拠点に対して、ジハード主義武装集団が手製の迫撃砲で攻撃した。

このほか、軍が制圧したシャイフ・ナッジャール市工業団地地区の第1、2ブロック周辺で、軍、国防隊がムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)やシャームの民のヌスラ戦線と交戦、軍が同地一帯を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(7月5日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、インザーラート地区、マーリア市、カフルハムラ村、ズィルバ村、タッル・リフアト市、ジュバイラ村、シャーミル村、ファーフィーン村、バービース村、ムスリミーヤ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、クワイリス村、ハーディル村、アブティーン村、アルド・マッラーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また軍はシャイフ・ナッジャール市工業団地地区で反体制武装集団の武器を発見、大量の武器弾薬を押収した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、スィンジャール町を軍が空爆、またハーミディーヤ航空基地周辺、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺での軍との戦闘でジハード主義武装集団戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(7月5日付)によると、クーリーン村、タフタナーズ市、ウンム・ジャリーン村、アブー・ズフール町北東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シリア革命家戦線が声明を出し、アブー・ダーリー村で戦線の車列が「シャッビーハ」(SANA(7月5日付)によると「国防隊」)の要撃を受け、戦闘員9人が死亡したと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町に軍が突入し、女性2人を含む5人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジッリーン村、ムザイリーブ町を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(7月5日付)によると、インヒル市、ヌアイマ村、ウンム・マヤーズィン町、ダルアー市ビラール・ハバシー・モスク周辺など、タッル・アフマル周辺、フラーク市、カスル・ハリール村、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方の対レバノン国境無人地帯を軍が砲撃、またアッバーサ農場を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(7月5日付)によると、ムライハ氏北部および東部郊外、ハラスター市、サクバー市、アルバイン市、アイン・タルマー渓谷、マイダアー町郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月5日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、ウンク・ハワー村、シャンダーヒーヤ村、アブー・タッラーハ村、ウンム・リーシュ村、マスアダ村、シーハ村、ファースィダ村、カディーム村、ラスタン市、サアン村、ガントゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月5日付)によると、カフターニーヤ町、アジュラフ村、ウーファーニヤー村、ザイディーヤ村、ビイル・アジャム村、フーシュ・ムムティナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 5, 2014、AP, July 5, 2014、ARA News, July 5, 2014、Champress, July 5, 2014、al-Hayat, July 6, 2014、Kull-na Shuraka’, July 5, 2014、al-Mada Press, July 5, 2014、Naharnet, July 5, 2014、NNA, July 5, 2014、Reuters, July 5, 2014、SANA, July 5, 2014、UPI, July 5, 2014などをもとに作成。

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最新論考「カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来」(Synodos)

髙岡豊「カリフ制樹立を宣言した「イラクとシャームのイスラーム国」の過去・現在・将来」
Synodos、2014年7月4日
http://synodos.jp/international/9659

2014年6月、「イラクとシャームのイスラーム国」[*1]の攻勢を前にイラク軍が脆くも敗走、イラク中部の諸都市や、西部のシリアやヨルダンとの国境通過地点が「イスラーム国」などの武装勢力の手に落ちた。・・・

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月4日)

シリア国内の戦況

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線のシャリーア委員会が占拠していたタナク油田(シュアイタート砂漠)をダーイシュ(イスラーム国)が制圧した。

またマヤーディーン市西部にあるブクルス遺跡からヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団が撤退し、ダーイシュが同地を制圧した。

同地制圧に際して戦闘はなかったという。

一方、ダイル・ザウル県で活動するジュンド・ラフマーン旅団総司令部が声明を出し、イスラーム国のカリフの支配を受け入れると発表した。

他方、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するジュダイド・アカイダート村をシリア軍が砲撃した。

またダイル・ザウル市郊外の航空基地周辺で、シリア軍の狙撃によりジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡した。

このほか、シリア人権監視団によると、シュハイル市に隣接するハワーイジュ村にヌスラ戦線が設置していた拘置所から、ダーイシュ戦闘員約30人が脱走した。

ダーイシュ戦闘員らは、ヌスラ戦線の撤退を受け、拘置所の壁を破壊し、脱走したという。

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シリア人権監視団は、インターネットにアップされた映像や複数の消息筋からの情報を総合し、7月3日にダイル・ザウル県シュハイル市で交わされたダーイシュ(イスラーム国)と市内を占拠していた反体制武装集団の停戦合意の詳細を明らかにした。

それによると、ダーイシュは、シャームの民のヌスラ戦線の拠点とされる同市を掌握するにあたって、①住民の改悛、②戦闘員および住民の武器引き渡し、③同市の安全をダーイシュが確認するまで、住民は10日間市外に退去、④ダーイシュの安全が確保されたのち住民の帰宅、を条件としたという。

これに対して、シュアイタート砂漠、とりわけガラーニージュ市で、住民がダーイシュへの忠誠拒否を訴えるデモを呼びかけたという。

しかし、シュハイル市では、シュハイル市、ハリージー村、ナムリーヤ村の各住民、イスラーム軍、イスラーム・ムウタ軍、イフラース旅団、イスラーム・ターリバーン運動が共同声明を出し、ダーイシュへの忠誠を誓ったという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団、ARA News(7月4日付)によると、ジャラーブルス市東部の対トルコ国境沿いズール・マガール村で、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、クルド人戦線旅団、ラッカ革命家旅団との3日間の戦闘のすえ、同村およびバイヤーダ村、ズィヤーラ村を制圧した。

両者の戦闘で、民主統一党隊員11人とダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

またアフタリーン市郊外のヤールーザ村、ズィヤーディーヤ村一帯で、ダーイシュがシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲する第17師団基地周辺でシリア軍とダーイシュが交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ミスラーバー市近郊のダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所をシリア軍が空爆する一方、イスラーム軍などならなるジハード主義武装集団がバーターヤー村でダーイシュと交戦した。

イラク国内の戦況

トルコのイェニ・シャファク・サイト(7月4日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がイラクのモスル市で独自のパスポートを発効し、同市およびシリア・イラク国境地帯の制圧地域住民役1万1,000人に配布したと報じた。

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キルクーク県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、イラク軍戦闘機がフワイジャ郡のダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して空爆を行った。

また同郡のアッバースィー地区、タッル・アリー地区で、部族民兵がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員17人が死傷した。

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アンバール県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、ラブタ郡周辺、カダー郡入口一帯、ハディー砂漠でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を行い、ダーイシュ戦闘員8人を殺害、9人を逮捕した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、ジュルフ・サフル地方でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を行い、ダーイシュ戦闘員17人が死亡した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(7月4日付)によると、ダリー・アッバース地方ダワーリーブ地区で、イラク警察部隊とアフガン服に身を包んだダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が交戦し、ダーイシュ戦闘員6人が死亡した。

諸外国の動き

AFP(7月4日付)は、フランスのニース市で、数ヶ月前にシリアから帰国した17歳の青年が、シリア国内で「テロ集団」に参加し、犯罪を犯した容疑で取り調べを受けていると報じた。

AFP, July 4, 2014、AP, July 4, 2014、ARA News, July 4, 2014、Champress, July 4, 2014、al-Hayat, July 5, 2014、Kull-na Shuraka’, July 4, 2014、al-Mada Press, July 4, 2014、Naharnet, July 4, 2014、NNA, July 4, 2014、Reuters, July 4, 2014、SANA, July 4, 2014、UPI, July 4, 2014、Yeni Safak, July 4, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月4日)

アレッポ県では、SANA(7月4日付)によると、軍がシャイフ・ナッジャール市工業団地地区を制圧し、同地の治安と安定を回復、また「テロリスト」の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

SANA, July 4, 2014
SANA, July 4, 2014

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は、シャイフ・ナッジャール市の北東部に位置するカフルサギール村、ラフマーニーヤ村で、シャームの民のヌスラ戦線、ムジャーヒディーン軍、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人)などからなるジハード主義武装集団と交戦の末、同地を制圧した。

両者の戦闘はまた、マクバラ村近郊のマアバディーヤ村でも発生し、軍はその後、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区の第1ブロックの半分、第2ブロック、第3ブロックを制圧していったという。

これに対して、ムハージリーン・ワ・アンサール軍は、アレッポ中央刑務所周辺のビル1棟を占拠し、軍と交戦したという。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがアレッポ市バーブ街道地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区、ジャンドゥール交差点を空爆、ザフラー地区(空軍情報部一帯)では、軍、国防隊が、外国人戦闘員からなるムハージリーン・ワ・アンサール軍、シャーム軍団などジハード主義武装集団と交戦した。

さらにシリア軍はシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が占拠するマーリア市、タッル・リフアト市一帯、アターリブ市近郊を空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町での軍との戦闘で、ジハード主義武装集団戦闘員でイスラーム教ウラマー連盟代表の息子が死亡した。

一方、SANA(7月4日付)によると、ムハルダ市北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方のフライタ村郊外の無人地帯(レバノン国境近く)、ダーライヤー市各所をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(7月4日付)によると、サクバー市、ハラスター市、ムライハ市郊外、アイン・タルマー渓谷、マイダアー町およびその郊外、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月4日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ドゥーマー殉教者旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月4日付)によると、ジャッブーリーン村、カフルラーハー市、スィルハーニーヤ村、下ヒルバト村、ワーディー・ミーラー村、ブライジュ村、ウンム・シャルシューフ村周辺、クサイル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月4日付)によると、ハビーブ村、ウンム・ワラド村、アトマーン村・タファス市街道交差点、ヤードゥーダ村、ジャースィム市、ダーイル町、インヒル市、ダルアー市各所、東ガーリヤ村・フラーク市街道、アトマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月4日付)によると、ダワーヤ・スグラー村、ウーファーニヤー村、カフターニーヤ町、ハルシュ・ムムティナ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月4日付)によると、マアッラトミスリーン市西部、ビダーマー町、ジャドラーヤー村、ハーッジ・ハンムード農場、ザーウィヤ山、アブー・ズフール町西部などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月4日付)によると、アイン・サームール村、アブー・リーシュ村郊外、カスタル・シャイフ・ヌーリー村、ダッラ村、フルワ村、ハーン・ジャウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 4, 2014、AP, July 4, 2014、ARA News, July 4, 2014、Champress, July 4, 2014、al-Hayat, July 5, 2014、Kull-na Shuraka’, July 4, 2014、al-Mada Press, July 4, 2014、Naharnet, July 4, 2014、NNA, July 4, 2014、Reuters, July 4, 2014、SANA, July 4, 2014、UPI, July 4, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月3日)

シリア政府の動き

ラッカ県では、ARA News(7月3日付)によると、シリア軍戦闘機がラッカ市内のダーイシュ(イスラーム国)のシャリーア法廷(ラッカ市文化センタ-)、タッル・アブヤド市東部、フナイダ市のダーイシュ拠点に対して空爆を行った。

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シャームの民のヌスラ戦線のシャリーア学者のアブー・マーリヤー・カフターニー氏はツイッターで、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言を「幻想のカリフ制宣言」と批判した。

シリアの反体制組織の動き

シリア国内最大の反体制政治連合、民主的変革諸勢力国民調整委員会はフェイスブックを通じて声明を出し、ダイル・ザウル県でのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して「シリア国家の存在、領土の一体性と保全を脅かす…危険な動き…。国際社会がこれに対抗するために早急に行動しなければ、深刻な結果をもたらす」と警鐘を鳴らした。

調整委員会はそのうえで「国を危機から脱出させる唯一の方途は政権が政治的解決を受け入れ、安保理が外国人戦闘員の潜入や武器の流入阻止、テロ組織の資金源の根絶、ジュネーブ合意に基づく政治プロセスの再生のため、断固たる措置を即座に講じることで、政権に義務を履行させること」だと主張した。

シリアの反体制武装集団の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が占拠していたシリア国内最大の油田ウマル油田を、ダーイシュ(イスラーム国)が制圧した。

制圧に際して、ヌスラ戦線らとダーイシュとの間に戦闘はなく、ヌスラ戦線などの戦闘員は、ダーイシュの進軍を前に敗走したという。

また、ウマル油田制圧により、ダーイシュはダイル・ザウル県の油田のほぼすべてを手中にし、またダイル・ザウル県の対イラク国境に位置するブーカマール市から、ラッカ市、アレッポ県バーブ市にいたるユーフラテス河畔のほぼ全域(ダイル・ザウル市を除く)を掌握したという。

またこれに先立ち、ダーイシュは同日早朝、ウマル油田に近いマヤーディーン市にも「無血入城」し、ヌスラ戦線などは同市から退去した。

さらに、ヌスラ戦線の拠点と目されるシュハイル市、アシャーラ市、および周辺の村落でも、ダーイシュとの戦闘が停止、これに関して、シリア人権監視団は、ヌスラ戦線とダーイシュが部族の仲介のもと停戦交渉を行っているとの情報があると指摘した。

これに関して、ARA News(7月3日付)は、ダイル・ザウル市の複数の活動家の話として、シュハイル市一帯で活動するイスラーム軍など複数の武装集団がダーイシュに忠誠を誓い、同市へのダーイシュの進入を受け入れたと報じた。

ダーイシュに忠誠を誓った武装集団は、イスラーム軍のほか、イフラース軍、イスラーム・ムウタ軍などで、ヌスラ戦線だけは忠誠を拒否しているという。

イラク国内の戦況

キルクーク県では、マダー・プレス(7月3日付)によると、イラク軍ヘリコプターが、キルクーク市西75キロに位置するサフラー村近くで、燃料を積んだトレーラー3台を破壊した。

トレーラーはダーイシュ(イスラーム国)によって盗まれたもの。

またフワイジャ郡などの複数の部族長(スンナ派)は、マダー・プレスに対し、ダーイシュに忠誠を誓わなければ殺すと脅されていると述べた。

なおマダー・プレスによると、これに先立ち、ダーイシュは、自らの支配を拒否した部族長や政治家の邸宅などの没収を開始したという。

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バービル県議会は、県北部のジュルフ・サフル地方各所で、イラク軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員40人を殺害したと発表した。

マダー・プレス(7月3日付)が伝えた。

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ディヤラ県警察のジャミール・シャムリー署長は、ヤアクーバ市北部のダリー・アッバース地方で、イラク軍と部族民兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員70人を殲滅、同地方の2カ所(ダワーリーブ地区、シューハーニー地区)の浄化を完了したと発表した。

マダー・プレス(7月3日付)が伝えた。

レバノンの動き

ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓ったバアルベック自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、「特殊部隊が、レバノン、とりわけベカーア・イスラーム国のキリスト教教会を浄化する任務についた…。我々は同国(ベカーア)およびレバノンで、教会の鐘を沈黙させるべく、十字軍を標的にする」と発表、キリスト教徒へのテロを予告した。

諸外国の動き

ロイター通信(7月3日付)は、コロラド州デンバーの米連邦当局高官の話として、シリアとイラクで活動するダーイシュ(イスラーム国)への資金援助に関与している容疑で、女性1人が逮捕されたと報じた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、6月10日にモスル市でダーイシュ(イスラーム国)によって拉致されたトルコ人貨物車輌運転手32人が解放され、アルビル市のトルコ領事館に身柄を保護されたと発表した。

AFP, July 3, 2014、AP, July 3, 2014、ARA News, July 3, 2014、Champress, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014、Kull-na Shuraka’, July 3, 2014、al-Mada Press, July 3, 2014、Naharnet, July 3, 2014、NNA, July 3, 2014、Reuters, July 3, 2014、SANA, July 3, 2014、UPI, July 3, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月3日)

SANA, July 3, 2014
SANA, July 3, 2014
SANA, July 3, 2014
SANA, July 3, 2014

ハマー県では、ARA News(7月3日付)によると、軍ヘリコプターがムーリク市、カフルズィーター市を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(7月3日付)によると、カルアト・ヒスン市での軍による地雷、爆弾撤去作業が完了し、避難生活を送っていた住民が帰宅した。

他方、サラーム・ガルビー村、ウンム・リーシュ村、マスアダ村、ザアフラーナ村、タッル・ザハブ町、アーミリーヤ村、ウンム・シャルシューフ村郊外、ジュッブ・ジャッラーフ町郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(7月3日付)によると、アーリヤ農場、アッブ農場、マイダアー町郊外、ジスリーン町郊外、カフルバトナー町、アイン・タルマー渓谷、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(7月3日付)によると、アレッポ市旧市街、シャッアール地区、ブアイディーン地区、ジャンドゥール地区、ズィルバ村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、クワイリス村、ハーディル村、カフルハムラ村、タッル・カッラーフ村、フライターン市、ザフラト・アブドゥラッブフ村、アアザーズ市、タッル・ジャニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月3日付)によると、サムリーン村・ズィムリーン村交差点、アトマーン村、東カラク村、ハッジャ村、ブスラー・シャーム市、サリーヤー村・フィキーア村街道、ダルアー市バジャービジャ地区、旧税関地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヨルダン領内からティースィヤー村に潜入しようとした戦闘員を軍が撃退した。

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イドリブ県では、SANA(7月3日付)によると、シャンナーン村周辺、ハーッジ・ハンムード農場、ビンニシュ市、カフルルーマー村、マアッラトミスリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人イスラーム運動の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月3日付)によると、ウーファーニヤー村、ズバイダ村、ビイル・アジャム村、ラスム・バグル村、ハルシュ・ムムティナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 3, 2014、AP, July 3, 2014、ARA News, July 3, 2014、Champress, July 3, 2014、al-Hayat, July 4, 2014、Kull-na Shuraka’, July 3, 2014、al-Mada Press, July 3, 2014、Naharnet, July 3, 2014、NNA, July 3, 2014、Reuters, July 3, 2014、SANA, July 3, 2014、UPI, July 3, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月2日追記)

ARA News(7月5日付)は、複数の地元活動家の話として、7月2日夜、ラッカ県にあるダーイシュ(イスラーム国)の基地の一つにシリア軍が空爆を行うなか、「シリア軍でない外国の空挺部隊」が降下したと報じた。

活動家らによると、降下した空挺部隊は、米軍とヨルダン軍の合同部隊だと思われ、空挺部隊が降下するなか、シリア軍は「シャイフ・ウサーマ・ビン・ラーディン基地」とダーイシュが呼ぶラッカ市東部アキールシー基地を空爆、砲撃したという。

ARA News, July 5, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月2日追記)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(7月3日付)によると、民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会のアブドゥルイラーフ・ハッジ・カースィム議員がハサカ市・タッル・タムル町間の街道で爆弾の爆発に巻き込まれ、死亡した。

Kull-na Shuraka’, July 3, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月2日)

シリア国内の動き

アレッポ県北部、ラッカ県、ダイル・ザウル県で活動するジハード主義武装集団など11組織は共同声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立、同暫定政府、自由シリア軍参謀委員会といったトルコ在留の反体制組織に対して、ダーイシュ(イスラーム国)に対抗するための武器を増援しなければ、武器を放棄する、と脅迫した。

共同声明を発表したのは以下の組織:

Kull-na Shuraka', July 2, 2014
Kull-na Shuraka’, July 2, 2014

アッラーのためのジハード旅団

ラッカ革命家旅団

マンビジ大隊連合

アレッポ北部農村作戦司令室

ジャラーブルス大隊

カラーマ大隊

バーズ大隊

アフタリーン大隊

マンビジ東部戦線革命家大隊

シリア・クルド人戦線

シリア自由人東部戦線

声明において、11組織は、「1週間以内に(アブー・バクル・)バグダーディーの組織(ダーイシュ)に対抗し、同組織を我々の領土から放逐し、解放された都市への進軍を食い止めるための武器が増援されない場合…、武器を放棄し、これらの地域からムジャーヒディーンを撤退させるだろう。そうすれば皆は…我々がハワーリジュどもに抵抗していたことを知ることになる。我々は銃弾が尽きるまで抵抗を続ける」と表明した。

そのうえで「我々の革命、我々の人民と家族の革命、我々の若者や子供たちの血が失われた革命は、バグダーディーの組織がカリフ制樹立を宣言して以降、同組織によって危機に曝されている」と付言した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が1日に制圧したブーカマール市内で、強制家宅捜査を行い、多数の市民を逮捕した。

ダーイシュはまた、シャームの民のヌスラ戦線の拠点と目されるシュハイル市を砲撃、同地北部入口付近でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、ブーカマール市から撤退したヌスラ戦線らは、同じくダーイシュによって制圧されたブサイラ市郊外の農場、ザッル村に対して砲撃を行った。

この砲撃によりザッル市では子供2人、女性2人を含む6人が死亡した。

このほか、ブクルス遺跡一帯の砂漠地帯で、ダーイシュとジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員6人が死亡した。

他方、シリア軍はクーリーヤ市、ブサイラ市近郊を空爆し、クーリーヤ市では市民2人が、ブサイラ市ではダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

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アレッポ県では、ARA News(7月2日付)によると、ルーズ・マガール村で、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市郊外を襲撃し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦し、市民2人が死亡、4人が負傷した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(7月2日付)が、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立を受けて、カリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明した住民(若者ら)に、「かたちだけ」の報酬と食糧を援助していると報じた。

またシリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲する第17師団基地周辺で、シリア軍とダーイシュが交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラーム軍がイスラーム国家(ダーイシュ)との戦闘の末、マイダアー町を制圧した。

シリア、イラク、レバノンの有識者らの動き

シリア、イラク、レバノンの有識者約260人が共同声明を出し、三国におけるダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に異議を唱え、「宗教に基づく支配は、本質において人間が作った加工場であり…、エリート主義に基づく人種差別支配、ファシズム支配を作り出す…。このような政体は自由、女性、美、近代教育に敵対し…、奴隷制を作り出す」と批判、カリフ制樹立への拒否の姿勢を示した。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(7月2日付)によると、イラク軍が県内をバイジ郡方面に向かって逃走中だったダーイシュ(イスラーム国)の車輌を取り押さえ、リビア人司令官のアブー・アフマド・アフガーニー氏と副官2人の合わせて3人を逮捕した。

またティクリート市北部の複数地区で、イラク軍がダーイシュの掃討作戦を行い、チェチェン人狙撃手2人、北アフリカ出身者2人、自爆ベルトを着用した湾岸出身者1人を殺害した。

さらにダーイシュが占拠・使用していたティクリート病院の燃料倉庫をイラク軍ヘリコプターが攻撃・破壊した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月2日付)によると、イラク軍戦闘機がジュルフ・サフル地方を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員40人が死傷した。

また同地区でのダーイシュとイラク軍の戦闘で、イラク軍中尉が撃たれて重傷を負った。

諸外国の動き

イスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構の指導者の一人アブー・アブドゥッラー・ウスマーン・アースィミー氏は音声声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)に関して「我々とあなた方の間に友愛の綱を結びたい。あなた方は、家族や部族よりも我々にとって愛すべき存在で、我々は常にあなた方のために、祈りを捧げている」と述べ、支持を表明した。

『ハヤート』(7月3日付)が伝えた。

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の暴力(2014年7月2日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・タルマー渓谷、ティーバ市、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジハード主義武装集団と交戦、またアドラー市ウンマーリーヤ地区、ザバダーニー市西部山岳地帯を軍が空爆した。

また、ドゥーマー市郊外の幹線道路を走行中の旅客バスが何者かの発砲を受け、子供1人が負傷した。

一方、SANA(7月2日付)によると、ムライハ市北部郊外、ナシャービーヤ農場、アーリヤ農場、カラム・ラサース農場、ザバダーニー市東部山岳地帯、ハーン・シャイフ・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アーミリーヤ地区の軍事アカデミー付近で、軍とジハード主義武装集団が交戦、軍が砲撃を加えるとともに、ハーディル村などを軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(7月2日付)によると、ラヒーマ村、カフルハムラ村、アアザーズ市、ダイル・ジャマール村、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市、アウラム・クブラー町、アターリブ市、タッル・ハターバート村、フライターン市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ブラート丘(ブラート村一帯)、ウワイジャ地区、ブアイディーン村、ハンダラート・キャンプ、ハーン・アサル村、アレッポ市ジャンドゥール地区、ハナーヌー地区、カスタル・マシュト地区、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、シャッアール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(7月2日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月2日付)によると、ウンム・シャルシューフ村周辺、バルグースィーヤ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月2日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(7月2日付)によると、ダルアー市カルク地区、旧税関地区など、アトマーン村、ヤードゥーダ村、ズィムリーン村・サムリーン村交差点、サフム・ジャウラーン村、インヒル市、タスィール町、ジャースィム市、ナワー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月2日付)によると、ウーファーニヤー村、アジュラフ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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法務省は、ヒムス県で投降した反体制武装集団元メンバー284人と、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ダルアー県、クナイトラ県で投降した63人の合わせて347人を釈放した、と発表した。

SANA(7月2日付)が伝えた。

AFP, July 2, 2014、AP, July 2, 2014、ARA News, July 2, 2014、Champress, July 2, 2014、al-Hayat, July 3, 2014、Kull-na Shuraka’, July 2, 2014、al-Mada Press, July 2, 2014、Naharnet, July 2, 2014、NNA, July 2, 2014、Reuters, July 2, 2014、SANA, July 2, 2014、UPI, July 2, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年7月1日)

バグダーディー氏声明発表

ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏はイスラーム・カリフ制樹立後初となる音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=_kjajeNX-84)を発表した。

19分にわたる声明は「ムジャーヒディーンとイスラームのウンマへのラマダーン月のメッセージ」と題され、そのなかでバグダーディー氏は、イスラーム教徒に対して「イスラームの家へのヒジュラ(聖遷)」が義務だと主張、結集を呼びかけた。

バグダーディー氏は「科学専攻の学生、法学者、説教師、とりわけカーディー、軍事、行政、福祉に関する技能を持つ者たち、医師、さまざまな専門・分野の技師に呼びかける…。彼らへの号令は…、イスラーム教徒の必要に応えるための義務である…。イスラーム国の兵士たちよ、各地にいるあなたたちの同胞は、あなたたちの助けを待っている。あなたたちの前衛に期待している。中央アジア、そしてそれ以前にはビルマであなたたちに行われたことだけで十分だ…。アッラーに誓って、復讐しようではないか。今でなくとも復讐しようではないか」と述べた。

シリア国内の動き

Kull-na Shuraka', July 1, 2014
Kull-na Shuraka’, July 1, 2014

イスラーム戦線のシャリーア評議会などイスラーム主義組織9団体が共同声明を出し、「カリフ制の条件は、とりわけ国家機関という面で、現時点においてまだ達成されていない」と表明し、ダーイシュ(イスラーム国)によるイスラーム・カリフ制を「ハワーリジュのカリフ制」と非難し、「無効」と断じるとともに、ダーイシュを「ビドア(婉曲)と誤導」の組織と糾弾し、参加を禁じた。

声明において9団体は、「カリフ制国家樹立宣言が、アサド政権の打倒をめざす革命家に対抗するためパワー・バランスの転換を望む外国諸勢力の口実として利用され、西側において合法的な指導者としての彼(アサド大統領)のイメージを改善することに資してしまう」と警鐘をならした。

共同声明を出したのは以下の団体:

東部ムジャーヒディーン・シューラー評議会

ムジャーヒディーン軍シャリーア委員会

イスラーム連合シャリーア委員会

アレッポ・シャリーア委員会

シリア・イスラーム教ウラマー総合委員会

地域中央シャリーア委員会

イスラーム戦線シャリーア評議会

イドリブ・イスラーム委員会

海岸イスラーム委員会

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団が、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との交戦の末、早朝にブーカマール市の大部分を制圧したと発表した。

ブーカマール市攻防戦では、ヌスラ戦線側の司令官2人を含む多数の戦闘員が死亡した。

また同市の複数の消息筋によると、ダーイシュはブーカマール市を完全制圧、早朝から戦闘は行われていないという。

一方、ARA News(7月1日付)によると、ブーカマール市でのダーイシュとヌスラ戦線らとの戦闘激化、シリア軍による空爆、ダーイシュの同市制圧を受け、住民約4,000人が市外に避難した。

ブーカマール市はヌスラ戦線などジハード主義武装集団のダイル・ザウル県における拠点と目されており、ダーイシュは同県を「ハイル州」と自称し、制圧をめざしている。

ブーカマール市を制圧したダーイシュはまた、ヌスラ戦線などとの交戦の末、キサール村も制圧し、同村の南部に位置するヌスラ戦線の拠点シュハイル市に進軍を続けたという。

さらにダーイシュは、ザッル村に進軍し、ヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

これを受け、シリア軍がダーイシュの拠点などを狙い、ブーカマール市各所に4度、ブサイラ市に2度、カスラー村に2度、県西部の製塩工場周辺を1度、空爆を行った。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方でダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団が未明に交戦し、後者の戦闘員2人が死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するラッカ市各所およびその周辺をシリア軍が空爆した。

またARA News(7月1日付)によると、ラッカ市各所をシリア軍が空爆、また同市南部郊外にスカッド・ミサイルが着弾した。

イラク国内の戦況

ニナワ県では、マダー・プレス(7月1日付)によると、モスル市郊外の新市街で、武装した何者かがダーイシュを要撃し、アフガン人戦闘員ら3人を殺害した。

また、モスル市北部のモスル大学入口のダーイシュ(イスラーム国)の拠点をイラク軍戦闘機が空爆した。

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バービル県では、マダー・プレス(7月1日付)によると、イラク軍がジュルフ・サフル地方で特殊作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所、車輌2台を破壊、戦闘員6人を殺害した。

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マダー・プレス(7月1日付)は、内務省筋の話として、バグダード県北部のマシャーヒド地区で、イラク軍および義勇兵がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、義勇兵2人が死亡、5人が負傷、ダーイシュ戦闘員3人が負傷したと報じた。

ヨルダンの動き

ヨルダンのジハード主義潮流の理論家アブー・ムハンマド・マクディスィー氏(本名イサーム・バルカーウィー)は、ダーイシュ(イスラーム国)によるイスラーム・カリフ制樹立について「きちんと目を通していない…。イラク・シャーム・イスラーム国を自称していた組織は私に危害を与えるものではないが…、時間を割いて批判するまでもなかろう…。時期尚早にことを急いだ者は、自らの禁忌を罰せられる」と消極的な姿勢を示した。

『ハヤート』(7月2日付)が伝えた。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年7月1日)

アブドゥッラー・アッザーム旅団(シャームの民のヌスラ戦線)のスィラージュッディーン・ズライカート報道官はツイッターを通じて声明を出し、「遅くなる前にシリアからすぐに撤退するようイランの党に話している」と綴り、ヒズブッラーを脅迫した。

Naharnet, July 1, 2014
Naharnet, July 1, 2014

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年7月1日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(7月1日付)によると、アッブ農場、アーリヤ農場、アイン・タルマー村、カフルバトナー町、ムライハ市北部郊外、ナシャービーヤ農場、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺、アッサール・ワルド村郊外の無人地帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(7月1日付)によると、ジャウバル区、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(7月1日付)によると、シャンダーヒーヤ村、アブー・ハリース村、アブー・タッラーハ村、マヌーフ村、ハール村、ラスタン市、ウンム・シャルシューフ村周辺、ヒルバト・ヒーラーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ARA News(7月1日付)によると、アレッポ市サーフール地区、マンナグ村、アアザーズ市、ダーラト・イッザ市、アウラム・クブラー町を軍が「樽爆弾」などで空爆し、少なくとも3人が死亡した。

一方、SANA(7月1日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、スッカリー地区、サーフール地区、ジャズマーティー地区、ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・サイード地区、旧市街、フライターン市、アルド・マッラーフ地区、カフルハムラ村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、タームーラ村、アターリブ市、マーリア市、カフルサギール村、バービース村、ラヒーマ村、マクバラ村、マアブーディーヤ村、シャイフ・フドル村、ダフラト・アブドゥラッフブ村、ハンダラート・キャンプ、サイファート村、マンスーラ村、ダーラト・イッザ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月1日付)によると、ナブア・サームーク村、アブー・リーシュ村、ヌアイマ村、カルト村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(7月1日付)によると、アイン・スーダ村、ジャーヌーディーヤ町、カストゥーン村、マガーラ村、カフルナジュド村、カフルジャーリス村、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール町南部、マールディーン農場、クーリーン農場、ハーッジ・ハンムード農場、サルマーニーヤ村、ジュブ・アフマル村、シュグル村、ビカフルーン村、ビンニシュ市、ファイルーン村、タフタナーズ市近郊、バイルーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アクサー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、ARA News(7月1日付)によると、ジャースィム市を軍が砲撃し、民間人2人が死亡した。

一方、SANA(7月1日付)によると、ダルアー市旧税関地区周辺、ビラール・ハバシー・モスク東部、カルク地区、ヤルムーク学校周辺、ウンム・マヤーズィン町、ハバブ町、ズィムリーン村・サムリーン村交差点、ダーイル町、インヒル市、アトマーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月1日付)によると、アジュラフ村、カフターニーヤ町、西サムダーニーヤ村、カンタラ・ダム、ジュバーター・ハシャブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年7月1日)

クッルナー・シュラカー(7月1日付)は、アレッポ市ザフラー地区(空軍情報部一帯)で反体制武装集団との戦闘を指揮していた国防隊のムハンマド・アッカーシュ隊長が窃盗容疑で解任され、現在その罪状について捜査が行われていると報じた。

AFP, July 1, 2014、AP, July 1, 2014、ARA News, July 1, 2014、Champress, July 1, 2014、al-Hayat, July 2, 2014、Kull-na Shuraka’, July 1, 2014、al-Mada Press, July 1, 2014、Naharnet, July 1, 2014、NNA, July 1, 2014、Reuters, July 1, 2014、SANA, July 1, 2014、UPI, July 1, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(旧イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月30日)

シリア国内の動き

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によるカリフ制樹立宣言にもかかわらず、ブーカマール市でダーイシュとシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員1人が死亡した。

また、ARA News(6月30日付)によると、ダーイシュがブーカマール市各所を迫撃砲で攻撃し、複数の市民が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフタリーン市周辺、マスウーディーヤ村周辺、バールーザ村周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団やジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マイダアー町にあるダーイシュ(イスラーム国)本部にイスラーム軍が突入、イスラーム軍戦闘員、広報関係者ら7人の遺体を発見した。

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Reuters, June 30, 2014
Reuters, June 30, 2014

ロイター通信(6月30日付)などによると、ラッカ県ラッカ市では、29日のカリフ制樹立と、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のイスラーム・カリフ制樹立を祝うパレードがダーイシュ戦闘員らによって行われ、その写真がインターネット上に公開された。

イラク国内の戦況

キルクーク県では、マダー・プレス(6月30日付)によると、イラク軍がトゥーズ郡の複数の村にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員19人を殺傷した。

またイラク・クルディスタン地域ペシュメルガは、バシーラ村でダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員数十人を殺害したという。

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アンバール県では、マダー・プレス(6月30日付)によると、カーイム市、ルトバ市、アーナ市、ラーワ市、ウバイディー市一帯で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)の掃討作戦を行い、ダーイシュ戦闘員7人を殺害、9人(いずれも外国人)を逮捕した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月30日付)によると、ティクリート市北部のスパイカー軍事基地近郊でイラク軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

レバノン国内の動き

バアルベック自由人旅団はツイッターを通じて声明を出し、29日のダーイシュ(イスラーム国)によるイスラーム・カリフ制樹立に関して「全面的に支持する」としたうえで、カリフに就任したアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明した。

諸外国の動き

ロシア外務省は、ロシア・イラク政府間の合意に従い、攻撃用戦闘機Su-25を5機の納品を完了したと発表した。

イタルタス通信(6月30日付)が伝えた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、シリア政府の管理下にないシリア産の原油の輸出入が違法であることを改めて確認し、ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線によるシリア産石油の密売と取引を禁止する国連決議の採択を呼びかけた。

『ハヤート』(7月1日付)が伝えた。

AFP, June 30, 2014、AP, June 30, 2014、ARA News, June 30, 2014、Champress, June 30, 2014、al-Hayat, July 1, 2014、Itar-tass, June 30, 2014、Kull-na Shuraka’, June 30, 2014、al-Mada Press, June 30, 2014、Naharnet, June 30, 2014、NNA, June 30, 2014、Reuters, June 30, 2014、SANA, June 30, 2014、UPI, June 30, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年6月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市内各所をジュンド・アクサー機構が砲撃し、5~7人が死亡、23人が負傷した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ハーッジ・ハンムード農場、アイン・スーダ村、カフルラーター村、ファイルーン村、カストゥーン村、カフルハーヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市カッラーサ地区、フライターン市、カフルハムラ村を軍が「樽爆弾」などで空爆する一方、ジハード主義武装集団はアレッポ市北部を手製の迫撃砲で攻撃した。

またジャバル・アッザーン周辺、バッラース村、アブティーン村・ワディーヒー村街道、タッラト・タアーナで軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月30日付)によると、アレッポ市ハナーヌー地区、ハイダリーヤ地区、インザーラート地区、シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、シュカイフ村、マアーッラト・アルティーク村、アルド・マッラーフ地区、カフルハムラ村、ハーン・アサル村、タッル・ジャビーン村、バルダ村、カフルカール村、マーリア市、タッル・リフアト市、ザバディーヤ村、カフルサギール村、バービース村、サースィーン村、アターリブ市、マアブーディーヤ村、ラヒーマ村、マンスーラ村、シャルファ・スグラ村、フライターン市、ダイル・ジャマール村、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、マアラカ村、ガディール・ブスターン村を軍が「樽爆弾」などで攻撃した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カフターニーヤ町、トゥルナジャ村、西サムダーニーヤ村、マムティナ村、ビイル・アジャム村、ウーファーニヤー村・ジュバーター・ハシャブ村街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクードナ村南部で軍が、シャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、シャイフ・マスキーン市、ジッリーン村、ジャービヤ丘、ジュムーア丘、タスィール町にあるシャームの民のヌスラ戦線の拠点などを軍が空爆した。

またクッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、県内で活動する「自由シリア軍」内最大の武装集団と目されるヤルムーク師団司令部が、6月28日にナスィーブ村で司令官の一人ムーサー・ズウビー空軍准将が武装した何者かの要撃を受け、拉致、連行されたと発表した。

一方、SANA(6月30日付)によると、アトマーン村、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道、ダルアー市バジャービジャ地区、マンシヤ地区、ヒルバト・ガザーラ町、タファス市・アトマーン村街道、ジャニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市南部および東部、ドゥワイル・アクラード村一帯で、軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

また軍の砲撃によるものと思われる爆発がナージム村で発生した。

さらに、マブウージャ村にあるファイサル・クルスーム元ダルアー県知事の邸宅が何者かによって未明に爆破されるとともに、同村の東部に位置するラフジャーン村の軍検問所がジハード主義武装集団の攻撃を受け、兵士8人が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市各所、ナシャービーヤ農場、アッブ農場、マイダアー町、ハーン・シャイフ・キャンプ、カフルバトナー町各所を軍が未明に空爆した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カラムーン地方のアイン・ハスィーン渓谷(無人地帯)で、軍が爆弾が仕掛けられた自動車3台を発見、破壊した。

またシリア軍部隊はシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月29日)

イスラーム・カリフ制樹立、イスラーム国建国

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官(元シャームの民のヌスラ戦線報道官)は音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=AycoYAdtmFs)を出し、「名望家、指導者、司令官からなるアフル・ハッル・ワ・アクドおよびシューラー評議会によって代表される国家(ダーイシュ)は、イスラーム・カリフ制樹立、ダーイシュの指導者アブー・バクル・バクダーディー氏のイスラーム教徒の国家のカリフへの就任と同氏への忠誠を決定し、同氏はこの忠誠を受け入れ、イスラーム教徒のイマーム、カリフとなった」と発表した。

またアドナーニー報道官は「イラクとシャーム」という名を廃し…、本声明よりイスラーム国家を名乗る」と付言、「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)」という組織名を改め、「イスラーム国」を名乗ると発表した。

シリア国内の動き

Kull-na Shuraka', June 29, 2014
Kull-na Shuraka’, June 29, 2014

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がダイル・ハーフィル市およびバーブ市で、男性8人を「覚醒評議会」(反体制武装集団のこと)に所属していた罪で、広場で貼り付けにしたうえ、処刑した。

またスマート・ニュース(6月29日付)は、シャームの民の合同作戦司令室が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の県北部での攻勢がシリア軍によるマクバラ村とラフマーニーヤ村攻略を後押しする動きだと批判している、と報じた。

同報道によると、ヌスラ戦線などからなるシャームの民の合同作戦司令室は、29日にシリア軍との戦闘の末、ラフマーニーヤ村を奪還していた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)本部一帯をシリア軍が3度にわたって空爆した。

これに対して、ダーイシュは第17師団基地を砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(6月29日付)によると、ラッカ市内のマカッス検問所で、ダーイシュが、男性11人を「民間人を徴兵し、国防隊に協力した」容疑で拘束した。

ARA News, June 29, 2014
ARA News, June 29, 2014

またARA News(6月29日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の女性部隊「ハンサー大隊」が、「組織の法に反した女性」の追跡を行い、少女1人を拘束した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハムーリーヤ市周辺で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とイスラーム軍(イスラーム戦線)が交戦した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ダマスカス郊外県でダーイシュとジハード主義武装集団が交戦するのはこれが初めてだという。

また両者の戦闘は、シリア軍が攻略を進めるムライハ市郊外でも発生したという。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が対立するブサイラ市(ダーイシュが制圧中)各所をシリア軍が空爆した。

シリア軍はまたダーイシュが占拠するカスラ村に対しても空爆を行った。

また、ARA News(6月29日付)によると、ブーカマール市で、ダーイシュとヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦し、4人が死亡した。

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シリア人権監視団は、2014年1月3日以降のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の武装集団のシリア各地での戦闘による死者数が、5,641人に達したと発表した。

このうち605人が民間人の犠牲者、ダーイシュ戦闘員の死者が2,196人、それ以外の武装集団の死者が2,764人。

またダーイシュによる処刑者は68人、またダーイシュの本部などで発見された身元不明の遺体が76体にのぼるという。

イラク国内の戦況

サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月29日付)によると、イラク軍部隊がティクリート大学周辺地域からイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を掃討、同地を解放した。

これに対し、ダーイシュはイスハーキー地方で、サーマッラー市警察の高官の邸宅3件を爆破し、家族6人を拉致した。

またシャルカート郡北部では、軍の士官1人を含む軍・治安部隊隊員20人を拉致した。

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キルクーク県では、マダー・プレス(6月29日付)によると、キルクーク市南部のタマース地方で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とイラク・クルディスタン地方ペシュメルガが交戦し、ダーイシュ戦闘員1人が死亡、双方に14人の負傷者が出た。

またバシーラ村のトルクメン人義勇兵数十人が、同村を占拠するダーイシュと交戦したが、10人がダーイシュによって殺害された。

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バービル県では、マダー・プレス(6月29日付)によると、軍・警察合同部隊がジュルフ・サフル地方での2日間にわたるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘で、ダーイシュ戦闘員70人を殺害した。

また治安部隊は、イスカンダリーヤ地方でダーイシュの車列を要撃し、車2台を破壊、ダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

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イラク軍総司令部報道官のカースィム・アター大将は記者会見で、過去24時間でイラク軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員14人を殺害、車輌51台を破壊、また軍ヘリコプターによる攻撃が102回に及んだと発表した。

レバノン国内の動き

LBCI(6月29日付)は、ベイルート県ルーシャ地区のドゥロイ・ホテルでの自爆テロに関する捜査で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアブドゥッサラーム・ウルドゥンニーを名乗る活動家をレバノンのアミールに任命したとの情報を捜査当局が掴んだと報じた。

LBCIによると、捜査当局は、アブドゥッラフマーン・シュナイフィー容疑者(自爆未遂容疑)への取り調べにより、このウルドゥンニー氏が、レバノン人仲介者のマズハル・ハサン氏を教練し、彼を介して、シュナイフィー容疑者とドゥロイ・ホテルで自爆したアブドゥッラフマーン・フマイキー氏がトルコのイスタンブール経由で送り込まれたことが明らかになったという。

AFP, June 29, 2014、AP, June 29, 2014、ARA News, June 29, 2014、Champress, June 29, 2014、al-Hayat, June 30, 2014、Kull-na Shuraka’, June 29, 2014、LBCI, July 29, 2014、al-Mada Press, June 29, 2014、Naharnet, June 29, 2014、NNA, June 29, 2014、Reuters, June 29, 2014、SANA, June 29, 2014、SMART News, June 29, 2014、UPI, June 29, 2014などをもとに作成。

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