アレッポ市「戦闘中止」イニシアチブをめぐる動き(2014年11月11日)

シリアを訪問中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、ダマスカスでワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談した。

今回の訪問でムアッリム大臣と会談するのは2度目。

SANA(11月11日付)によると、会談では、アレッポ市の「戦闘中止」イニシアチブの実現に向けて引き続き協議を続けることで合意した。

デミストゥラ共同特別代表は会談後の記者会見で、前日までのアサド大統領らとの会談結果に関して「建設的な感心を示していた…。この提案(アレッポ市の戦闘中止)を前進させるため…我々がほかの当事者…と接触することを期待している」と述べた。

一方、デミストゥラ共同特別代表はBBC(11月11日付)に対して、ダーイシュがシリアのすべての紛争当事者にとって共通の脅威だと位置づけたうえで、その存在がシリア政府と反体制武装集団の間での停戦合意締結に資するだろう、と述べた。

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アレッポ革命軍事評議会のザーヒル・サーキト議長はフェイスブックで、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表によるアレッポ市の「戦闘中止」イニシアチブに関して、「四つの条件が受け入れられなければシリア政府との間に停戦はない」と表明した。

サーキト議長が示した4条件とは、①住民に対して化学兵器を使用した戦争犯罪人の引き渡し、②宗派主義的テロ民兵のシリアからの撤退、③樽爆弾と空爆の停止、④「テロ刑務所」(シリアの刑務所)からの逮捕者、とりわけ女性の釈放。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が提起しているアレッポ市での「戦闘中止」イニシアチブに関して、「シリアの民間人に救援を行うための停戦を人道に沿ったものだとして支援する」と述べた。

AFP, November 11, 2014、AP, November 11, 2014、ARA News, November 11, 2014、BBC, November 11, 2014、Champress, November 11, 2014、al-Hayat, November 12, 2014、Kull-na Shuraka’, November 11, 2014、al-Mada Press, November 11, 2014、Naharnet, November 11, 2014、NNA, November 11, 2014、Reuters, November 11, 2014、SANA, November 11, 2014、UPI, November 11, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:トルコ国営通信、ダーイシュがシリア軍戦闘機を撃墜したと主張(2014年11月10日)

トルコのアナトリア通信(11月10日付)は、シリア人権監視団から得た情報として、ダーイシュ(イスラーム国)がハマー県郊外でMiG21を撃墜したと主張した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市ハール市場、市庁舎、自由広場など市内東部、マナーズィー地区、イザーア地区など同市西部で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また米国など有志連合は、アイン・アラブ市工業地区、市庁舎一帯、自由広場一帯のダーイシュ拠点、市南部のマナーズィー地区などを5回にわたって空爆した。

一方、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員は、人民防衛隊とともにアイン・アラブ市西部郊外を砲撃した。

他方、SANA(11月10日付)によると、シリア軍がバーブ市を攻撃し、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(11月10日付)によると、アイン・アラブ市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ・メンバー多数を殺傷した。

 

またARA News(11月10日付)によると、米国など有志連合がシャッダーディー市郊外のカビーバ石油貯蔵所(ダーイシュ(イスラーム国)が占拠)など複数カ所を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月10日付)によると、ダイル・サウル市フワイジャト・サクル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 10, 2014、AP, November 10, 2014、ARA News, November 10, 2014、November 11, 2014、Champress, November 10, 2014、al-Hayat, November 11, 2014、Kull-na Shuraka’, November 10, 2014、al-Mada Press, November 10, 2014、Naharnet, November 10, 2014、NNA, November 10, 2014、Reuters, November 10, 2014、SANA, November 10, 2014、UPI, November 10, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:アサド大統領がデミストゥラ共同特別代表と会談し、アレッポ市の「戦闘凍結」(停戦)に前向きな姿勢(2014年11月10日)

シリアを訪問中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、ダマスカスでアサド大統領と会談した。

大統領府の公式ホームページなどによると、会談では、アレッポ市での戦闘中止に関するデミストゥラ共同特別代表のイニシアチブについて検討がなされ、アサド大統領は「アレッポ市の治安回復という目標に向けて、検討し、実施を試みるに値する」と評価するとともに、アレッポ市の重要性を強調、同市を含むシリア全土における民間人の保護をめざしていると表明した。

アサド大統領はまた、国連安保理決議第2170号、第2178号を実施する必要についても強調、国際社会に対して、シリアを含む中東地域での「テロとの戦い」のために努力を行うよう求めたという。image001

AFP, November 10, 2014、AP, November 10, 2014、ARA News, November 10, 2014、Champress, November 10, 2014、al-Hayat, November 11, 2014、Kull-na Shuraka’, November 10, 2014、al-Mada Press, November 10, 2014、Naharnet, November 10, 2014、NNA, November 10, 2014、Reuters, November 10, 2014、SANA, November 10, 2014、UPI, November 10, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:バグダーディー氏重傷か?(2014年11月9日)

アラビーヤ(11月9日付)は、米国など有志連合が7日夜、イラクのアンバール県カーイム市を空爆、同市内の民家で会合を開いていたダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏が致命傷を追ったと報じた(未確認情報)。

アラビーヤによると、この空爆で、ダーイシュのムフティー、アフマド・アワド・サルマーニー氏、治安担当官のサーミル・ムハンマド・マハッラーウィー氏、ザーワ村組織部門担当のカナアーン・アッブード・ムハイディー氏、アーナ村組織部門担当のワリード・ズィヤーブ・アーニー氏、ユーフラテス州ワーリーのアブー・ザフラー・ムハンマディー氏が死亡したという。

また、クッルナー・シュラカー(11月9日付)によると、有志連合の空爆は、ダーイシュが接収しカーイム市議会議員の自宅に対して行われ、アンバール県ワーリーのアドナーン・ラティーフ・スワイダーウィー氏も殺害された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マナーズィー地区、イザーア地区などで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が激しく迫撃砲戦を行う一方、ハーッジ・ラシャード・モスク、ハール市場、同市南部でも両者が交戦した。

またシリア軍は、ダーイシュが占拠するバーブ市を「樽爆弾」などで空爆し、21人が死亡、約100人が負傷した。

なおARA News(11月10日付)によると、ダーイシュのインドネシア人戦闘員1人が市内で自爆攻撃を行ったという。

またARA News(11月9日付)によると、ダーイシュはハーッジ・ラシャード・モスク一帯からの撤退時に同モスクを爆破した。

一方、SANA(11月9日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するバーブ市一帯をシリア軍が攻撃した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(11月9日付)が複数の地元活動家の話として、米国など有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するハリータ村を空爆したが、住民らが使用している井戸を油田と間違って破壊した。

一方、SANA(11月9日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイリーヤ地区、ハッラータ油田一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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シリア人権監視団は、アイン・アラブ市(アレッポ県)一帯へのダーイシュ(イスラーム国)が本格化した9月16日以降の戦闘での死者数が1,013人に達したと発表した。

このうち609人がダーイシュ・メンバー、363人が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊隊員、16人が親政権の民兵戦闘員、24人が民間人、だという。

AFP, November 9, 2014、Alarabia, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、November 10, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ダマスカスでイラン人1人を含む原子力技師暗殺(2014年11月9日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区の科学研究センター(国防省付置機関)で、原子力技師5人が何者かに暗殺された。

シリア人権監視団は10日、殺害された技師のなかにイラン人1人が含まれていたと発表した。

同監視団によると、残る4人はいずれもシリア人(ニザール・サマル氏、カーミル・サワーディー氏、イバーダ・ウユーン氏、ニダール・ガーズィー氏)。

5人はバルザ区に近いハルナ橋近くをバスで移動中に襲撃され、射殺されたという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月9日付)によると、アクナーフ・バイト・ムカッダス大隊が、ヤルムーク区で、シリア軍やPFLP-GC民兵の塹壕、地下トンネルを破壊した。

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ダルアー県では、ARA News(11月9日付)によると、「自由シリア軍」がナワー市を完全制圧、これを受けシリア軍が37回にわたって同市を空爆した。

『ハヤート』(11月11日付)によると、この空爆で女性、子供を含む11人が死亡したという。

なおナワー市制圧に関して、「自由シリア軍」、シャームの民ヌスラ戦線がインターネットを通じて、それぞれ声明・画像を出し、自らが同市を制圧したと発表した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ダーイル市、イブタア町、タファス市、ナワー市一帯で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市スッカリー地区で、イスラーム戦線の司令官(ブライジュ地区司令官)が何者かに暗殺された。

一方、シリア軍は、ハンダラート・キャンプ一帯を空爆、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員とともに、アンサール・ディーン戦線と交戦した。

これに対して、ジハード主義武装集団もサイファート村一帯を砲撃した。

他方、SANA(11月9日付)によると、アレッポ市旧市街、ハッダーディーン地区などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市を空爆し、女性1人を含む2人が死亡した。

シリア軍はまたマアッラト・ヌウマーン市、ジャバーラー村、ハーン・スブル村、クマイナース村、フバイト村、タマーニア町に対しても空爆を行った。

一方、SANA(11月9日付)によると、マアッルディブサ村、フバイト村、ダーディーフ村、マアッラト・ヌウマーン市、バスラジャ村、クーリーン村、アルバイーン山南部、サルミーン市、クマイナース村郊外、サイルーン村、シャイフ・ユースフ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒムス市ワアル地区、ハウラ地方、ハーリディーヤ村を砲撃した。

一方、SANA(11月9日付)によると、シリア軍がラスタン市ガジャル村街道沿いの「武装テロ集団」拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、武器・装備を破壊した。

またシリア軍は、ラスタン湖一帯、ザーラ村西部、ハッターブ村、ムシャイリファ村、ワディーヒー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、地元和解プロセスの一環で、ヒムス市、ラスタン市、フルクルス町、クサイル市、マシャーヒダ村、ダイル・バアルバ村で当局に投降していた反体制武装集団元メンバー85人が放免となり、釈放された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラターミナ町を「樽爆弾」で空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザブディーン村各所をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(11月9日付)によると、当局に投降していた反体制武装集団元メンバー108人が放免となり、釈放された。

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Durar al-Shamiya, November 10, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、November 11, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、November 10, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:デミストゥラ共同特別代表がムアッリム外相と会談(2014年11月9日)

シリアを訪問中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、ダマスカスでワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(11月10日付)によると、会談でデミストゥラ共同特別代表は、アレッポ市の「戦闘中止」(アレッポ市を占拠する反体制武装集団へのシリア軍の攻勢中止)などを提案、「終始和やかなムードで会談を行い、建設的な結論に達した」。

デミストゥラ共同特別代表は、10月31日に安保理で自身の行動計画を提示、そのなかでアレッポ市などへの人道物資搬入、停戦交渉のための「戦闘中止」を提案していた。

SANA, November 9, 2014
SANA, November 9, 2014

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:民主的変革諸勢力国民調整委員会はイラク・クルディスタン地域のペシュメルガの撤退を要求(2014年11月9日)

民主的変革諸勢力国民調整委員会は、月例会合を開き、アイン・アラブ市に入ったイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員に関して「国際紛争にシリア人以外の武装集団が介入」したと非難、撤退を求めた。

民主的変革諸勢力国民調整委員会は国内で活動する最大の反体制政治同盟で、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党の参加している。

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ARA News(11月9日付)によると、シリア・クルド左派党(シャラール・カッドゥー氏が書記長を務める派閥)とシリア・クルディスタン自由党(アフマド・スライマーン・アッジャ氏が党首)を名乗るグループが合併した。

合併後の組織名は、シリア・クルド左派党。

AFP, November 9, 2014、AP, November 9, 2014、ARA News, November 9, 2014、Champress, November 9, 2014、al-Hayat, November 10, 2014、Kull-na Shuraka’, November 9, 2014、al-Mada Press, November 9, 2014、Naharnet, November 9, 2014、NNA, November 9, 2014、Reuters, November 9, 2014、SANA, November 9, 2014、UPI, November 9, 2014などをもとに作成。

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講演「過激派組織「イスラム国」の実態と欧米の対応」(暦日会)

青山弘之「過激派組織「イスラム国」の実態と欧米の対応」

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講演要点
今週は青山弘之氏の<『イスラム国』と欧米>に関するお話です。青山氏はアラブ問題研究の専門家。

イスラム過激派組織「イスラム国」の実態に迫るに当たってシリアとイラクの政治情勢さらには欧米との複雑な関係を浮き彫りにした。

1979年のイラン革命に始まり、湾岸戦争、イラク戦争などの経緯を振り返り、同時に欧米との関係などを解説し「イスラム国」結成の背景や実態を明らかにした。

「イスラム国」はアルカイーダ系の組織で、イラク・アルカイーダが2006年に結成したイラク・イスラム国(ISI)が母体という。

従来のアルカイーダがイデオロギー重視であるのに対して「イスラム国」はこれを非現実的とみて敵視し転覆を狙う。

主にシリアで勢力を拡大しアサド政権に対抗する。

戦闘員は2~3万人とされ、その4分の1から5分の1が外国人で約80カ国から来ているとみる。

「イラクとシリアの緩衝地帯など両国の実効支配が及ばない地域で主に活動している」という。

グループは残忍性、恐怖政治、宗教に厳格で盲目的に信じるなどの特徴を持つ。

これに対する欧米の基本的な戦略は「強いシリア」「強いイラク」化をけん制する意味で
イスラム国に対応してきた面もある。

つまり「イスラム国」を利用してシリアのアサド政権やイラク政権の強化にブレーキをかける魂胆もあるという。

ただ「イスラム国」が石油資源などを有するイラクに侵入したことに危機感を持ち「米国中心に欧米や中東諸国がイスラム国の空爆を断行した」との背景を説明した。

青山弘之(あおやま・ひろゆき) プロフィール
1968年生まれ。東京外国語大学卒、一橋大学大学院修士課程修了。在ダマスカスIFPO(フランス中東研究所)共同研究員、JETROアジア経済研究所研究員、東京外国語大学准教授を経て2013年4月から現在の東京外国語大学総合国際学研究院教授。
専門は現代シリア・レバノン政治。著書は「混迷するシリア:歴史と政治構造から読み解く」(岩波書店)、「シリア・アラブの顛末記」など。

http://www.rekijitsukai.co.jp/koushi_a/2014/aoyama-hiroyuki14-11-02.html

諸外国の動き:デミストゥラ共同特別代表シリア訪問(2014年11月8日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がシリアを訪問した。

AFP(11月8日付)によると、デミストゥラ共同特別代表は、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣に伴われ、滞在先となるダマスカス県内のシェラトン・ホテルに入ったという。

SANA, November 8, 2014
SANA, November 8, 2014

AFP, November 8, 2014、AP, November 8, 2014、ARA News, November 8, 2014、Champress, November 8, 2014、al-Hayat, November 9, 2014、Kull-na Shuraka’, November 8, 2014、al-Mada Press, November 8, 2014、Naharnet, November 8, 2014、NNA, November 8, 2014、Reuters, November 8, 2014、SANA, November 8, 2014、UPI, November 8, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ダイル・ザウルでシリア軍、米国など有志連合がダーイシュを攻撃(2014年11月8日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市フジャイジャト・サクル地区を空爆、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また米国など有志連合は、タナク油田一帯、ガラーニージュ市・バフラ村間のダーイシュ検問所などを空爆し、2人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市一帯で交戦、双方に19人の死者(ダーイシュ戦闘員13人、人民防衛隊隊員6人)が出た。

この戦闘で、人民防衛隊は市内中心部市庁舎地区、ハーッジ・ラシャード・モスク周辺で若干の進軍を遂げたという。

人民防衛隊はまた、アイン・アラブ市・ジャラーブルス市間を走行中のダーイシュ戦闘員のバイク2台を破壊し、戦闘員4人を殺害した。

このほか、人民防衛隊とイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊は、アイン・アラブ市東部郊外のダーイシュ拠点などに対して砲撃を行った。

これに対して、ダーイシュは対トルコ国境の避難民キャンプ一帯(タッル・シャイール村近郊)を砲撃し、2人が死亡したという。

一方、米国など有志連合は、アイン・アラブ市のラシャード・モスク、ハール市場地区などのダーイシュ拠点を空爆した。

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ハサカ県では、ARA News(11月8日付)によると、ラアス・アイン市郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続いた。

AFP, November 8, 2014、AP, November 8, 2014、ARA News, November 8, 2014、Champress, November 8, 2014、al-Hayat, November 9, 2014、Kull-na Shuraka’, November 8, 2014、al-Mada Press, November 8, 2014、Naharnet, November 8, 2014、NNA, November 8, 2014、Reuters, November 8, 2014、SANA, November 8, 2014、UPI, November 8, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:米大統領、イラクへの増派承認(2014年11月7日)

バラク・オバマ米大統領は、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うイラク・クルディスタン地域のペシュメルガへの教練や作戦面での支援強化のため、イラクに米軍兵を最大1,500人増派することを承認した。

これにより派遣規模は計3,100人になる見通し。

ARA News(11月8日付)などが伝えた。

AFP, November 8, 2014、AP, November 8, 2014、ARA News, November 8, 2014、Champress, November 8, 2014、al-Hayat, November 9, 2014、Kull-na Shuraka’, November 8, 2014、al-Mada Press, November 8, 2014、Naharnet, November 8, 2014、NNA, November 8, 2014、Reuters, November 8, 2014、SANA, November 8, 2014、UPI, November 8, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ダーイシュがラッカ住民にシリア軍兵士3人を蹴り殺させる(2014年11月7日)

ラッカ県では、『ハヤート』(11月8日付)などによると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市の広場で、住民にシリア軍兵士3人を蹴り殺させた。

こうした処刑が行われるのが、これが初めてで、3人は、ダーイシュによる第17師団基地、タブカ航空基地攻撃時に捕捉された兵士だという。

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ヒムス県では、『ハヤート』(11月8日付)によると、シリア軍が奪還したシャーイル油田一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)が反撃に転じ、兵士数十人を殺害、戦車9輌を破壊、7輌を捕獲した。

ダーイシュが破壊・捕獲した戦車は、「虎」の異名で知られるスハイル・ハサン大佐の部隊に所属する戦車だという。

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アレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州広報局が、県北部のクルド人の20村がダーイシュへの忠誠を宣言したと発表した。

『ハヤート』(11月8日付)が伝えた。

また、ARA News(11月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊が、アレッポ市東部のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対する合同作戦を行い、ダーイシュの狙撃手を殺害した。

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米中央軍によると、米国など有志連合は、アレッポ県アイン・アラブ市一帯、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯などでダーイシュ(イスラーム国)に対して8回にわたって空爆を行い、武器庫、拠点などを破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月7日付)によると、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区、ハウィーカ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)
の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 7, 2014、AP, November 7, 2014、ARA News, November 7, 2014、Champress, November 7, 2014、al-Hayat, November 8, 2014、Kull-na Shuraka’, November 7, 2014、al-Mada Press, November 7, 2014、Naharnet, November 7, 2014、NNA, November 7, 2014、Reuters, November 7, 2014、SANA, November 7, 2014、UPI, November 7, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:オバマ大統領「アサド政権はシリア爆撃の標的ではない」(2014年11月6日追記)

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(2014年11月6日付)は、バラク・オバマ米大統領が10月中旬にイランの最高指導者アリー・ハーメネイー師に宛てて極秘の書簡を送り、「イスラーム国」(ダーイシュ)との戦いで協力する可能性を論じるとともに、核開発問題での包括合意を条件として提示していたと報じた。
同紙が「書簡に詳しい人々」の話として伝えたところによると、オバマ大統領はダーイシュとの戦いについて、米・イランの「共通の戦い」と指摘、そのうえで、いかなる協力も、今月24日に交渉期限を迎えるイラン核協議で包括合意に達せるかどうかにかかっていると強調したという。

シリアのアサド政権について、書簡では、米軍のシリア空爆の標的にしていないことも説明したとされる。

オバマ大統領がハーメネイー師に書簡を送るのはこれが4通目だが、ハーメネイー師からの返信は1度もないという。

ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官は、報道内容を否定も肯定もせず、「大統領と各国指導者との個人的なやりとりに関してコメントする立場にはない」とのみ述べた。

The Wall Street Journal, November 6, 2014などをもとに作成。

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化学兵器廃棄プロセスの進捗状況(2014年11月6日)

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は、シリアでの化学兵器破棄に関する安保理会合後、記者団に対して、シリア領内に残されている最後の化学兵器関連施設の解体作業が今月中に開始されることを明らかにした。

カーグ事務次長補によると、12の生産施設、7つの貯蔵施設、5つの地下トンネルの解体作業が今月中に開始され、2015年夏までに完了する予定だという。

『ハヤート』(11月7日付)などが伝えた。

AFP, November 6, 2014、AP, November 6, 2014、ARA News, November 6, 2014、Champress, November 6, 2014、al-Hayat, November 7, 2014、Kull-na Shuraka’, November 6, 2014、al-Mada Press, November 6, 2014、Naharnet, November 6, 2014、NNA, November 6, 2014、Reuters, November 6, 2014、SANA, November 6, 2014、UPI, November 6, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:シリア軍がシャーイル油田をダーイシュから奪還(2014年11月6日)

ヒムス県では、SANA(11月6日付)によると、シリア軍が、国防隊の支援のもとダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュによって占拠されていたシャーイル油田(ガス採掘所)およびその周辺の丘陵地帯を奪還した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市一帯(とりわけ同市東部)で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊、「自由シリア軍」戦闘員が、ダーイシュ(イスラーム国)と砲撃戦を行った。

同監視団によると、6日には散発的な戦闘が行われたにとどまったが、ダーイシュが撃った迫撃砲弾8発がアイン・アラブ市内に着弾した。

こうしたなか、アイン・アラブ市の対トルコ国境に位置するイブラーヒーム・ハリール国境通行所の高官によると、ペシュメルガが武器、弾薬などを積んだ車輌9台をトルコからシリア領内に移送しようとしたが、トルコ当局によって通行を拒否された。

同高官によると、トルコ政府は、イラク・クルディスタン地域政府に対して、通行拒否を正式に伝えたという。

一方、米国など有志連合は、アイン・アラブ市東部のカッルムーグ村、ハルビーサーン・シャイフ・ハイダライーン村間でダーイシュの車輌を攻撃、破壊した。

AFP, November 6, 2014、AP, November 6, 2014、ARA News, November 6, 2014、Champress, November 6, 2014、al-Hayat, November 7, 2014、Kull-na Shuraka’, November 6, 2014、al-Mada Press, November 6, 2014、Naharnet, November 6, 2014、NNA, November 6, 2014、Reuters, November 6, 2014、SANA, November 6, 2014、UPI, November 6, 2014などをもとに作成。

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米国など有志連合がイドリブ県で「穏健な反体制派」を放逐したヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ホラサンの拠点を爆撃(2014年11月6日)

米国防総省高官は、『フォーリン・ポリスィー』(11月6日付)に、5日深夜から6日未明にかけて、米国など有志連合が、イドリブ県サルマダー市一帯のホラサンと思われる組織の司令部を空爆したことを明らかにした。

Fox News(11月6日付)などによると、空爆は、無人戦闘機によって行われ、ホラサンのメンバーで爆発物製造の専門家とされるフランス人1人(ダヴィッド・ドルゲオン(David Drugeon)氏)が死亡したという。

またシリア人権監視団によると、米国など有志連合は県内のシャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動拠点に対しても空爆を行った。

この空爆で、ヌスラ戦線メンバー6人が死亡したという。

同監視団によると、有志連合はこのほかにも、ラッカ県内のイスラーム国(拠点)に対しても空爆を行った。

しかし、SANA(11月6日付)は、シリア軍が、ワーディー・サフリーン、ザーウィヤ山でヌスラ戦線の武器弾薬庫複数カ所を破壊したと報じた。

これに関して、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム戦線の双方はツイッターなどで声明を発表し、有志連合の空爆を受けたことを認めた。

なお、クッルナー・シュラカー(11月6日付)は、複数の現地活動家の情報として、有志連合が空爆したのは、ハーリム市、バーブ・ハワー村、サルマダー市、ビンニシュ市、バスカラー村のヌスラ戦線拠点、武器庫、ムハーミーンのシャーム自由人イスラーム運動の拠点だと報じた。

AFP, November 6, 2014、AP, November 6, 2014、ARA News, November 6, 2014、Champress, November 6, 2014、Foreign Policy, November 6, 2014、Fox News, November 6, 2014、al-Hayat, November 7, 2014、Kull-na Shuraka’, November 6, 2014、al-Mada Press, November 6, 2014、Naharnet, November 6, 2014、NNA, November 6, 2014、Reuters, November 6, 2014、SANA, November 6, 2014、UPI, November 6, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:国連共同特別代表、アレッポでの国民和解に向けた国際社会の介入の必要を示唆(2014年11月5日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、シリア情勢に関してCNN(11月5日付)に対し、アレッポ市での戦況に国際社会が介入する必要を示唆した。

デミストゥラ共同特別代表は「国際社会全体がコバネ(アイン・アラブ市)を放棄してはならない」と述べる一方、「ダーイシュ(イスラーム国)がコバネから遠いアレッポに向かって移動していることを注視している。これが本当なら、シリアの反体制派とシリア政府の間で何ももたらしていない戦闘を目の当たりにしているこの都市を救済するチャンスだ」と述べた。

しかし、「アレッポ市救済」の真意について、デミストゥラ共同特別代表は「つまり、それはダーイシュ(の動き)を止め…、少なくとも他の場所での戦闘を中止し、我々がこの組織に集中できるようにすることだ。アレッポはこうしたことが適用可能な都市の一つだ」と付言、シリア政府と反体制派の同市での和解をめざしていると述べた。

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トルコのアフメト・ダウトオール首相は、アレッポ県ハンダラート・キャンプ一帯などでのシリア軍によるアンサール・ディーン戦線への攻勢に関して、シリア軍がアレッポ市郊外で虐殺を行っていると非難、アレッポ市をシリア政府が完全制圧すれば、トルコが新たな避難民危機に直面すると警鐘を鳴らした。

ダウトオール首相は軍幹部との会談後、記者団に対して「我々はアレッポ情勢を懸念をもって監視している。同市はすぐに陥落はしないだろうが、強圧に曝されている」と述べた。

アンサール・ディーン戦線は、ムハージリーン・ワ・アンサール軍(外国人戦闘員)、シャームの暁イスラーム運動、シャーム・イスラーム運動、ハドラー大隊などからなる武装集団。

またアレッポ市は、東部一帯をシャームの民のヌスラ戦線をはじめとするジハード主義武装集団などによって制圧されており、シリア軍はハンダラート・キャンプ一帯での攻勢を強めることで、同地一帯への包囲を強めている。

AFP(11月5日付)が伝えた。

AFP, November 5, 2014、AP, November 5, 2014、ARA News, November 5, 2014、Champress, November 5, 2014、CNN, November 5, 2014、al-Hayat, November 6, 2014、Kull-na Shuraka’, November 5, 2014、al-Mada Press, November 5, 2014、Naharnet, November 5, 2014、NNA, November 5, 2014、Reuters, November 5, 2014、SANA, November 5, 2014、UPI, November 5, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:シリア軍がヒムス県内のガス田をダーイシュより奪還(2014年11月5日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊が、ジャッハール・ガス採掘所、マフル・ガス採掘所、ヒヤーン・ガス社一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地一帯を奪還した。

戦闘では、ダーイシュ戦闘員がシリア軍拠点に対して自爆攻撃を行うなどして、激しく抵抗したという。

また、Champress(11月5日付)によると、シリア軍が国防隊の支援のもと、シャーイル油田周辺に位置するザムラト・マフル山、シリアテル丘陵、マフル・ガス採掘所、ジャッハール村、第802哨所などを制圧し、テロリスト(ダーイシュ(イスラーム国)多数を殺傷した。

シリア軍は、ヒヤーン油田に向かって進軍を続け、テロリスト20人を殲滅、装甲車輌3輌を破壊したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市東部のカーニー・アラバーン地区一帯に進軍を試みたダーイシュ(イスラーム国)が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と交戦した。

ダーイシュはカーニー・アラバーン地区以外にもアイン・アラブ市内東部の複数カ所に進軍しようとしたが、人民防衛隊の抵抗に遭った。

ダーイシュはアイン・アラブ市一帯を砲撃する一方、人民防衛隊は自由広場一帯で若干進軍したという。

さらに、人民防衛隊とイラク・クルディスタン地域のペシュメルガからなる合同部隊は、アイン・アラブ市南部のダーイシュ拠点複数カ所を砲撃、また同地一帯で人民防衛隊とダーイシュが交戦した。

アイン・アラブ市郊外のバグダク村、カラフ・ムーグ村では、人民防衛隊がダーイシュ車輌3輌を攻撃し、戦闘員5人を殺害した。

なお5日の戦闘では、ダーイシュ戦闘員11人、人民防衛隊隊員2人が死亡、また有志連合の空爆でダーイシュ戦闘員4人が死亡したという。

 

一方、ARA News(11月6日付)によると、ユーフラテスの火山作戦司令室所属部隊がアイン・アラブ市各所でダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員36人を殺害した。

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ハサカ県では、ARA News(11月5日付)によると、ヤアルビーヤ町近郊のアブー・カサーイブ村、マスルーラ村、アルジャ村一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

 

またARA News(11月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がラアス・アイン市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘の末、5つの村、23の農場、丘陵1カ所を奪還した。

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『ハヤート』(11月6日付)によると、米国など有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点などに対して14回にわたり空爆を行った。

しかし、アイン・アラブ市一帯に対しては3回空爆を行うにとどまった。

一方、ARA News(11月6日付)によると、米国など有志連合は対トルコ国境に位置するタッル・アブヤド市のダーイシュ拠点を空爆し、拠点複数カ所を破壊した。

AFP, November 5, 2014、AP, November 5, 2014、ARA News, November 5, 2014、November 6, 2014、Champress, November 5, 2014、al-Hayat, November 6, 2014、Kull-na Shuraka’, November 5, 2014、al-Mada Press, November 5, 2014、Naharnet, November 5, 2014、NNA, November 5, 2014、Reuters, November 5, 2014、SANA, November 5, 2014、UPI, November 5, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:イランがイラク人、アフガン人民兵の統合を決定(2014年11月4日)

スィラージュ・プレス(11月4日付)は、複数の消息筋の話として、イランが、シリア領内に投入したとされるイラク人、アフガン人民兵を統一司令部の下に統合し、シリア軍と並立する「並列軍」を設置することを決定したと報じた。

同プレスによると、イランはアレッポ市郊外ハンダラート・キャンプ一帯での戦闘などにイラク人、アフガン人民兵数千人を投入しており、新設されるであろう「並列軍」は、ヒズブッラーの部隊を模し、同部隊とともにアサド政権と共闘するという。

複数の反体制筋によると、イランはこうした民兵に月額で400米ドルを支払っているという。

なお、イランのこの決定に先だって、シリア政府は予備役数千人を召集、また兵役免除の規制を強化したという。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、TRT(11月4日付)のインタビューに応じ、アイン・アラブ市をめぐる米国の政策を批判した。

エルドアン大統領は、米軍によるアイン・アラブ市への武器・支援物資の投下に関して「あなたがた(米国)は、PKKもイスラーム国もテロリストだと言っていたが、前者に武器を供与し、両者に武器を投下した」と批判した。

また「あなたがた(米国)はアイン・アラブに囚われている…。純粋でない…邪悪な計略…意図がある…。アイン・アラブはトルコに隣接している。米国ではなくトルコにとって戦略的要衝なのだ」と述べた。

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、Siraj Press, November 4, 2014、TRT, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブでの戦闘続く(2014年11月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市中心街(市庁舎一帯、自由広場、ハンサー学校、ハーッジ・ラシャード・モスクなど)、東部、南部(バアス学校)一帯、同市西部郊外のアルバルール村、マナーズィー村、アブルーシュ農場で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦する一方、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊が、同市一帯のダーイシュ拠点を重火器で砲撃した。

この戦闘で双方に10人以上の死者が出た。

また同監視団によると、米国など有志連合によるアイン・アラブ市郊外イザーア地区、ジュールバク村へのダーイシュ拠点への空爆で、ダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

一方、ARA News(11月4日付)によると、重火器などを積んだペシュメルガ増援部隊の車輌9輌がトルコからアイン・アラブ市に入った。

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『ハヤート』(11月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)は2014年2月にラッカ県タッル・アブヤド市・ハサカ県ラアス・アイン市街道で拘束したクルド人93人を釈放した。

このうち53人はトルコ領内に入国したという。

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ハサカ県では、ARA News(11月5日付)によると、米国など有志連合は、ヤアルビーヤ町一帯を空爆した。

AFP, November 4, 2014、AP, November 4, 2014、ARA News, November 4, 2014、November 5, 2014、Champress, November 4, 2014、al-Hayat, November 5, 2014、Kull-na Shuraka’, November 4, 2014、al-Mada Press, November 4, 2014、Naharnet, November 4, 2014、NNA, November 4, 2014、Reuters, November 4, 2014、SANA, November 4, 2014、UPI, November 4, 2014などをもとに作成。

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最新論考「イスラム国爆撃」(共同通信社)

青山弘之「イスラム国空爆」(共同通信社)

シリアとイラクで勢力を広げている過激派の「イスラム国」に対して米国を中心とした有志連合が空爆に踏み切った。・・・

『岩手日報』2014年11月3日、『佐賀新聞』2014年11月5日、『デイリー東北』2014年11月5日、『高知新聞』2014年11月6日、『山形新聞』2014年11月7日に掲載。

イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブの攻防続く(2014年11月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市内各所で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また米国など有志連合は、アイン・アラブ市内の工業地区、カーニー・アラバーン地区にあるダーイシュ拠点、マズラアト・ダーウド村、マナーズィー村などを4度にわたって空爆した。

米空軍はまた、マンビジュ市からアイン・アラブ市に向かって移動中のダーイシュ増援部隊を空爆し、車輌複数台を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブーカマール市でダーイシュ(イスラーム国)が男性8人を処刑した。

8人はいずれも武装集団メンバーで数日前に投降していたという。

ダーイシュはまた、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区でも男性2人をシリア政府に内通していたとして斬首、また1人を「覚醒評議会」(部族民兵)に属していたとして処刑した。

一方、Champress(11月3日付)によると、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区、工業地区、ハウィーカ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, November 3, 2014、AP, November 3, 2014、ARA News, November 3, 2014、Champress, November 3, 2014、al-Hayat, November 4, 2014、Kull-na Shuraka’, November 3, 2014、al-Mada Press, November 3, 2014、Naharnet, November 3, 2014、NNA, November 3, 2014、Reuters, November 3, 2014、SANA, November 3, 2014、UPI, November 3, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ペシュメルガがアイン・アラブの戦闘に参加(2014年11月2日)

アレッポ県では、『ハヤート』(11月3日付)などによると、アイン・アラブ市に派遣されたイラク・クルディスタン地域ペシュメルガ戦闘員が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との合同作戦を開始し、同市周辺のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して重火器で砲撃を行った。

またペシュメルガはアイン・アラブ市内で爆発物撤去の作業を行った。

人民防衛隊も、アイン・アラブ市東部の市庁通り、自由広場などでダーイシュと交戦、14人を殲滅した。

一方、米中央軍によると、米空軍は、2日から3日にかけて、アイン・アラブ市一帯のダーイシュの部隊などに対して6回にわたって空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、米中央軍によると、米空軍が、同県東部を2度にわたり空爆し、ダーイシュの戦車を破壊した。

AFP, November 2, 2014、AP, November 2, 2014、ARA News, November 2, 2014、Champress, November 2, 2014、al-Hayat, November 3, 2014、Kull-na Shuraka’, November 2, 2014、al-Mada Press, November 2, 2014、Naharnet, November 2, 2014、NNA, November 2, 2014、Reuters, November 2, 2014、SANA, November 2, 2014、UPI, November 2, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ダーイシュがヒムス県のガス採掘施設を制圧(2014年11月1日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシャーイル油田内のヒヤン・ガス社のガス採掘施設の大部分を制圧した。

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アレッポ県では、米中央軍によると、米国など10月31日から11月1日にかけてアイン・アラブ市一帯を5回にわたって空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点9カ所、施設1棟を破壊した。

シリア人権監視団によると、米軍などの空爆で、ダーイシュ戦闘員11人(ラッカ県への空爆の死者も含む)が死亡したという。

また西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊隊員15人がダーイシュとの戦闘で死亡した。

AFP, November 1, 2014、AP, November 1, 2014、ARA News, November 1, 2014、Champress, November 1, 2014、al-Hayat, November 2, 2014、Kull-na Shuraka’, November 1, 2014、al-Mada Press, November 1, 2014、Naharnet, November 1, 2014、NNA, November 1, 2014、Reuters, November 1, 2014、SANA, November 1, 2014、UPI, November 1, 2014などをもとに作成。


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諸外国の動き:外国人戦闘員が月1,000人のペースでシリア、イラクに入国(2014年10月31日)

『ワシントン・ポスト』(10月31日付)は、米諜報機関高官の話として、米国など有志連合による空爆にもかかわらず、毎月1,000人の外国人戦闘員がシリアとイラクに潜入し、ダーイシュ(イスラーム国)に加わっていると報じた。

なお9月23日から1ヶ月の間で、米国などの空爆で死亡したダーイシュ戦闘員は約460人。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はフランスを訪問し、フランソワ・オランド大統領と会談、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

エルドアン大統領は会談後、米国など有志連合がアイン・アラブ市一帯に集中的に空爆を続けていることに関して「こうしたことを理解することは困難だ」と述べ、疑義を呈した。

またアサド政権に関しては、国際社会に対して「(アサドが)去ったら何が起きるか自らに問うべきだ」としたうえで、「アサドが去れば、何が起きるかをシリア人が決める…。そうでないうちに民主主義について語ることは意味がない」と主張した。

一方、オランド大統領は、「自由シリア軍」教練に向けた活動を行うことを決定したとしたうえで、「ダーイシュが支配する地域を取り戻すことは、(自由シリア軍の)現地で力を持っていなければ不可能だ」と述べた。

『ハヤート』(11月1日付)が伝えた。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表は、国連安保理の非公式会合でシリアの紛争への対応に関して三つの優先事項を提言した。

デミストゥラ特別代表が提示した三つの優先事項は以下の通り:①暴力の低下、②人道支援物資配給促進、③政治プロセスの「種を蒔く」こと。

デミストゥラ特別代表はまた、紛争解決にかかる「前提条件」を乗り越える必要を強調し、和解に向けた政治的対話開始に際してのアサド大統領の進退については明言しなかった。

『ハヤート』(11月1日付)などが伝えた。

AFP, October 31, 2014、AP, October 31, 2014、ARA News, October 31, 2014、Champress, October 31, 2014、al-Hayat, November 1, 2014、Kull-na Shuraka’, October 31, 2014、al-Mada Press, October 31, 2014、Naharnet, October 31, 2014、NNA, October 31, 2014、Reuters, October 31, 2014、SANA, October 31, 2014、UPI, October 31, 2014、The Washington Post, October 31, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:「自由シリア軍」、武器配給を受けられずアイン・アラブからトルコに帰国(2014年10月31日)

アレッポ県では、ARA News(10月31日付)がアイン・アラブ市内の信頼できる複数の消息筋の話として、28日にトルコから同市内に入った「自由シリア軍」戦闘員14人が、現地での武器配給を受けられずトルコに帰国した、と報じた。

またARA News(10月31日付)によると、ダーイシュは国境通行所一帯を砲撃する一方、市内各所で人民防衛隊と交戦した。

米中央軍によると、米国など有志連合は30日から31日にかけて、アイン・アラブ市一帯を4回にわたって空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点4カ所、施設1棟を破壊した。

これに関して、シリア人権監視団は、空爆により、デンマーク人戦闘員1人を含むダーイシュ戦闘員21人が死亡した、と発表した。

『ハヤート』(11月2日付)などによると、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員約150人、車輌20輌が晩、国境通行所を通って、アイン・アラブ市に入った。
ペシュメルガ部隊は、タッル・シャイール方面に向かったという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市ジャルダーク広場で、ダーイシュ(イスラーム国)が男性1人を処刑した。

この男性は、政権側の警官だったという。

クッルナー・シュラカー(10月31日付)によると、ダーイシュはまたアシャーラ市で、イスラーム軍司令官(東部地区司令官)のサリーム・ハーリド氏を含む3人を処刑した。

一方、Champress(10月31日付)によると、ダイル・ザウル市旧空港地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、Champress(10月31日付)によると、シリア軍がシャーイル・ガス田一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、多数の戦闘員を殺傷したという。

AFP, October 31, 2014、AP, October 31, 2014、ARA News, October 31, 2014、Champress, October 31, 2014、al-Hayat, November 1, 2014、November 2, 2014、Kull-na Shuraka’, October 31, 2014、al-Mada Press, October 31, 2014、Naharnet, October 31, 2014、NNA, October 31, 2014、Reuters, October 31, 2014、SANA, October 31, 2014、UPI, October 31, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

諸外国の動き:ヘーゲル米国防長官、「爆撃はアサドを利する」(2014年10月30日追記)

チャック・ヘーゲル米国防長官は記者会見で、米国など有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けた空爆に関して「アサドを利することになる」と述べた。

『ハヤート』(11月1日付)などが伝えた。

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『ガーディアン』(10月30日付)は、シリアとイラクで伸張するダーイシュ(イスラーム国)に関して、過去数年間で80カ国から約15,000人の外国人戦闘員が参加していると報じた。

同紙が入手した国連安保理の報告書によると、2010年以降、シリアとイラクに潜入した外国人ジハード主義者の数は、1990~2010年に潜入した戦闘員の数の数倍に達し、出身国は、フランス、ロシア、英国など80カ国におよぶという。

The Guardian, October 30, 2014、al-Hayat, November 1, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:国民評議会が米国などによるシリア爆撃を非難/国民連合暫定政府閣僚らの給与半額に(2014年10月30日追記)

シリア国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立所属)は声明を出し、イドリブ県アービディーン避難民キャンプに対するシリア軍の空爆(29日)に関して、ダーイシュ(イスラーム国)掃討をめざす米軍など有志連合の「戦闘機がなぜシリアの子供たちを守らないのか? 政権側の戦闘機が有志連合の戦闘機のそばで安心して飛行できるのはどういうことか?」と批判した。

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シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府のアフマド・トゥウマ暫定首班は決定第33/2号を発し、暫定政府閣僚の給与などを20~50%削減することを決定した。

これにより、8,000米ドルだった首班の給与(月額)、そして6,000米ドルだった閣僚の給与は3,500米ドルに削減されるという。

AFP, October 31, 2014、AP, October 31, 2014、ARA News, October 31, 2014、Champress, October 31, 2014、al-Hayat, November 1, 2014、Kull-na Shuraka’, October 31, 2014、al-Mada Press, October 31, 2014、Naharnet, October 31, 2014、NNA, October 31, 2014、Reuters, October 31, 2014、SANA, October 31, 2014、UPI, October 31, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:イスラーム国戦闘員志願の日本人大学院生に関する捜査続く(2014年10月30日)

『毎日新聞』(10月30日付)は、北海道大学大学院の男子学生(26歳)が、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員になるためシリアへの渡航を計画した事件で、学生が警視庁公安部の事情聴取に対し、「渡航を仲介した元大学教授から、イスラーム国と別の過激派組織の二つを紹介された」と話していることが捜査関係者への取材で分かったと報じた。

公安部は、現地情勢の説明など元教授の助言で計画が具体化していったとみて詳しい経緯を調べているという。

捜査関係者などによると、学生は4月頃、秋葉原の古書店でシリアでの求人の張り紙を見て、渡航を考えるようになった。

その後、古書店運営会社の役員で杉並区の一軒家で共同生活をしていた30代の男性から元同志社大教授の中田考氏を紹介されたが、その際、中田氏から「イスラーム国かヌスラ戦線なら紹介できる」と説明されたという。

学生は当初からイスラーム国で戦闘員になることを希望していたため、イスラーム国への参加を選んだとみられるという。

『毎日新聞』2014年10月30日付けをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き:ダーイシュ女性部隊30人がラッカへの米軍の爆撃で死亡(2014年10月30日)

クッルナー・シュラカー(10月30日付)によると、米国など有志連合は、29日から30日にかけてラッカ市の「アレッポ州大使館」、旧検閲査察委員会ビル、旧政治治安部ビルなど、ダーイシュの主要拠点を空爆した。

同サイトによると、旧政治治安部ビルへの空爆で、ダーイシュの女性部隊「ハンサー大隊」の戦闘員30人が死亡したという。

Kull-na Shuraka', October 30, 2014
Kull-na Shuraka’, October 30, 2014

 

米中央軍によると、有志連合は、アイン・アラブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)に対して10回にわたって空爆を行い、拠点7カ所、施設5棟、2部隊を破壊したほか、ダイル・ザウル県のダーイシュに対して空爆を行ったという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員約10人(先遣部隊)が国境通行所を経由してアイン・アラブ市内に入った。

同部隊は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と合同作戦司令部を設置したという。

同市内では、人民防衛隊とダーイシュの戦闘が続き、ダーイシュが国境通行所一帯を砲撃した。

なお市内での戦闘で、人民防衛隊隊員30人が死亡したという。

一方、ARA News(10月31日付)によると、ユーフラテスの火山作戦司令室は声明を出し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、同女性防衛部隊、ラッカ革命家旅団、クルド人戦線旅団、自由の暁部隊は、過去24時間でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員80人を殲滅したと発表した。

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ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(10月30日付)などによると、ダーイシュ(イスラーム国)は、ヒムス市とタドムル市の間に位置するシリア軍のタイフール航空基地の入り口で爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

また、アナトリア通信(10月30日付)によると、ダーイシュは声明を出し、シャーイル油田を「完全制圧」したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、Champress(10月30日付)によると、ダイル・ザウル市フジャイワト・サクル地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 30, 2014、Anadolu Ajansı, October 30, 2014、AP, October 30, 2014、ARA News, October 30, 2014、October 31, 2014、Champress, October 30, 2014、al-Hayat, October 31, 2014、Kull-na Shuraka’, October 30, 2014、al-Mada Press, October 30, 2014、Naharnet, October 30, 2014、NNA, October 30, 2014、Reuters, October 30, 2014、SANA, October 30, 2014、UPI, October 30, 2014などをもとに作成。

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