化学兵器禁止機関(OPCW)は執行理事会を開き、シリア情勢を協議した。
執行理事会では、化学兵器関連物質の搬出が遅れた現状の評価をめぐって米露などが対立し、報告書がまとまらなかった。
AFP(1月31日付)などが伝えた。
AFP, January 31, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
PFLP-GCのアンワル・ジャラー報道官は、PFLP-GCがシリア政府の支援のもと、ダマスカス県ヤルムーク区に人道支援物資を搬入した、と発表した。
**
アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。
SANA(1月30日付)は、会合で政府代表団が、テロとの戦いに関する声明案を提示し、国連安保理決議第1267号(1999年)、第1373号(2001年)などに準じた国際社会によるテロ撲滅支援の必要性を訴えたと報じ、声明案のコピーを転載した。
声明案では、テロ行為を行う組織・個人への物心面での支援阻止、煽動活動阻止、タクフィール主義思想など宗教過激主義の普及阻止などを求めるとともに、シリア全土における治安と平和を回復するための支援、シリアの主権、独立の尊重、領土保全、内政不干渉をジュネーブ2会議参加各国に求めた。
ジュネーブ報道チームによると、対するシリア革命反体制勢力国民連立は「テロ国家を自由シリアへと転換することで殺戮停止をめざしているが、政権はテロについて云々することを望んでいる」と主張、「樽爆弾」こそがテロだ、住民を餓死させることがテロだ、拷問と逮捕もテロだ」と主張し、政府代表団が提出した声明案の審議を拒否した。
そのうえで、連立代表団は、アサド政権の人道犯罪、戦争犯罪に関する国際機関の報告書(ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書など)や情報を開示するとともに、レバノン、イラク、イエメンなどの「宗派的アイデンティティを有する」民兵による政権支援の実態を報告した。
連立はさらにイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアサド政権とつながりを持っていることを示す情報を開示したという。
しかし、これに関して、SANA(1月31日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団がいかなる文書も提出していないとのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の談話を速報で伝え、これを否定した。

**
アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会談後の記者会見で「今日の会合後もシリアの両代表団の姿勢に変化はない…。我々はテロがシリアで広まっている点で意見が一致している…。最後の会合は明日(31日)朝に開かれる…。これまで行ったことから教訓を得ることになろう」と述べた。
また「両代表団の協議では、困難な瞬間もあれば、期待ができる瞬間もあった…。引き続き次回の会合に向けた準備が行われるだろう」と付言した。
一方、人道支援物資の配給に関しては「今日、ヤルムーク区に600箱の人道支援物資を搬入することに成功した」ことを明らかにした。
なお31日で一旦閉会となる両者の会合は、『ハヤート』(1月31日付)によると、2月11日に再会される予定。
**
SANA(1月30日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立代表団がテロとの戦いに関する政府代表団の声明案を拒否したことに関して「連立がテロを支援していることの明らかな証拠」だと批判的に伝えた。
**
シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官はテロとの戦いの審議を求める政府代表団の姿勢に関して「移行期統治機関のしくみについての審議を交渉の最後に延期し、ジュネーブ合意のすべての項目から免れようとしている。しかし、移行期統治機関の結成は、国際社会が合意したすべての項目を実施に移す唯一の手段だ。この点に関して我々と政権の意見の相違は大きい」と述べた。
また「政権は暴力の問題…から始めたいと考えている。我々は今日、暴力の問題について話したが、この方法は本末転倒で、馬の前に馬車を置くようなものだ。馬車はジュネーブ合意に記された発砲停止、逮捕者釈放、包囲解除で、これらは重要な項目だが、その実現には馬が必要だ。この馬こそが移行期統治機関だ。移行期統治機関がなければこれらの項目は進展し得ない」と述べた。
**
ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「アサド政権が化学物質の国外への搬出に責任を負っている。我々は政権が自らの義務を履行することを期待する」と述べた。
化学兵器禁止機関の米国代表を務めるロバート・ミクラーク氏は、シリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「シリアは、これらの化学物質の搬出の遅れが治安上の問題によると述べ、コンテナ車輌、電気機器、爆発物発見装置など、さらなる機器が必要だと主張している。この要求は留意するに値しない。交渉の意思が見え見えだ」と述べた。
『ハヤート』(1月31日付)が伝えた。
**
フランスのローラン・ファビウス外務大臣はシリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「動きが鈍化しているようだ。国際社会は目を覚ましてシリアに制約を守らせるため真剣に迫るべきだ」と述べた。
AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014, SANA, January 31, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
イラキー・ニュース(1月30日付)によると、合同作戦司令部が声明を出し、ニナワ県警がモスル市郊外のハムラ村でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のメンバー15人を逮捕した。
AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
NNA(1月30日付)によると、シリア領(ダマスカス郊外県カラムーン地方)からベカーア県バアルベック郡アルサール村に不法入国しようとしたシャームの民のヌスラ戦線メンバーのシリア人3人をレバノン軍が逮捕した。
また、OTV(1月30日付)は、軍がシリア領内からレバノンに武器弾薬を違法に持ち込もうとしたレバノン人2人をベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で逮捕した、と報じた。
**
NNA(1月30日付)によると、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方のカビール川岸で、シリア人2人がシリア領から発砲を受け、1人が死亡した。
AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、OTV, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地近くの穀物施設を反体制武装集団が砲撃し、同施設を拠点としていた軍の兵士複数が死傷、また同基地周辺で軍と武装集団が交戦した。
またアレッポ市カルム・タッラーブ地区では、ジハード主義武装集団が軍の拠点を襲撃し、兵士6人が死亡した。
一方、SANA(1月30日付)によると、マアーッラト・アルティーク村、ヒーラーン村、フライターン市、シャイフ・ルトフィー村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ラスム・アッブード村、アナダーン市、アブティーン村、ハッダーディーン村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またアレッポ市ジャズマーティー地区、フィルドゥース地区、カルム・マイサル地区、シャッアール地区、ハラク地区、バニー・ザイド地区、スライマーン・ハラビー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
このほか、SANA(1月30日付)は、アレッポ市内のアレッポ大学で、学生らがデモを行い、ジュネーブ2会議に提出された政府代表団のテロとの戦いに関する声明案への支持を表明したと報じた。
**
ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ブルガラーン村一帯、タラール・ウブーディーヤ地方で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、軍側に少なくとも16人の死者が出た。
またハンマール・ヒスン村の軍検問所でジハード主義武装集団が爆破攻撃を行った。
これに対して、軍はザーラ村などを地対地ミサイルで攻撃し、同村周辺で反体制武装集団と交戦する一方、カルアト・ヒスン市を包囲した。
一方、SANA(1月30日付)によると、タラール・ウブーディーヤ地方、ブルガラーン村、ザーラ村、クサイル市南部郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またヒムス市ハムラー地区、マイダーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、6人が負傷した。
**
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市を軍が「樽爆弾」によって空爆し、子供3人を含む11人が死亡した。
一方、SANA(1月30日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、アーリヤ農場、ハラスター市、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザバダーニー市、リーマー農場、マアルーラー市近郊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ダマスカス県では、SANA(1月30日付)によると、ジャウバル区東部、カダム区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シューラー・ワ・ムジャーヒディーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
またマイダーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、4人が負傷した。
一方、Syria-News(1月30日付)によると、マイダーン地区にあるムハンマド・バフジャド・ビータール女子高校で、生徒10人が治安当局に逮捕・連行された。
このほか、SANA(1月30日付)は、ダマスカス県内の国連本部前で、市民らがデモを行い、軍によるテロとの戦いへの支持を表明するとともに、ヤルムーク区からの武装テロ集団の退去を要求した。
**
ダイル・ザウル県では、SANA(1月30日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ラシュディーヤ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またダイル・ザウル市ハウィーカ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、建物などが被害を受けた。
**
イドリブ県では、SANA(1月30日付)によると、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、アブー・ズフール町、カフルラーター村、サラーキブ市、サルミーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
**
ダルアー県では、SANA(1月30日付)によると、ダルアー市各所、クサイバ村、ジッリーン村、ジュバイリーヤ村、スワイサ村、アトマーン村、インヒル市、シャイフ・マスキーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーン・ムジャーヒディーン大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またハーッラ市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、1人が負傷した。
AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、Syria-news.com, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
クッルナー・シュラカー(1月30日付)は、アレッポ県で活動する反体制武装集団8組織が、「イスラーム特殊任務旅団」を結成したと報じた。
司令官に就任したムハンマド・シャッラーシュ氏によると、イスラーム特殊任務旅団は、あらゆる反体制武装集団と協力しつつも、その指揮下に入らず、独自の活動を行うという。
**
ドゥーマー統一医療局は声明を出し、医薬品と燃料不足を理由に透析部門、保育器部門、身体介護部門を閉鎖すると発表した。

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.