シャルア暫定大統領は、2025年政令第66号を発布し、人民議会選挙高等委員会を設立:議会の定数を150議席と定め、各県に議席を配分(2025年6月13日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、2025年政令第66号を発布し、人民議会選挙高等委員会を設立した。


委員会のメンバーは以下の通り。

委員長:ムハンマド・ターハー・アフマド
委員:ハサン・イブラーヒーム・ダギーム、イマード・ヤアクーブ・バルク、ララー・シャーヒル・イーズーキー、ナウワール・イリヤース・ナジュマ、ムハンマド・アリー・ムハンマド・ヤースィーン、ムハンマド・ハドル・ワーリー、ムハンマド・ヤースィル・カハーラ、ハナーン・イブラーヒーム・バルヒー、バドル・ジャームース、アナス・アブドゥフ

 

『クドス・アラビー』によると、主な委員の経歴は以下の通り。

  • アフマド委員長:シリア救国内閣、ムハンマド・バシール暫定内閣で農業大臣を務める
  • カハーラ:政治問題担当事務局長
  • ダギーム:国民対話大会準備委員会報道官
  • バルク、ヤースィーン、ワーリー、バルヒー、ジャームース、アブドゥフ:シリア革命反体制派勢力国民連立メンバー
  • ナジュマ:キリスト教徒
  • イーズーキー:アラウィー派、女性政治運動参加者

大統領令は、人民議会選挙高等委員会が選挙の下部機関を編成し、それらの機関が人民議会議員の3分の2を選出すると定めている。

大統領令はまた、人民議会の定数を150人と定め、各県の人口に応じて、名士部門および有識者部門の2部門に分けて配分されると規定した。

2部門への議席配分の詳細な条件は人民議会選挙高等委員会が定めるものとしている。

一方、残りの3分の1の議席は、大統領が任命する。

各県への議席配分は以下の通り:

アレッポ県:20議席
ダマスカス県:11議席
ダマスカス郊外県:10議席
ヒムス県:9議席
ハマー県:8議席
ラタキア県:6議席
タルトゥース県:5議席
イドリブ県:7議席
ダイル・ザウル県:6議席
ハサカ県:6議席
ラッカ県:3議席
ダルアー県:4議席
スワイダー県:3議席
クナイトラ県:2議席

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ダマスカス郊外県のバイト・ジン村では、前日のイスラエル軍による大規模攻撃によって拘束された住民の釈放を求める抗議デモ(2025年6月13日)

SANAシリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県のバイト・ジン村では、前日のイスラエル軍による大規模攻撃によって拘束された住民の釈放を求める抗議デモが行われた。


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米主導の有志連合がヒムス県55キロ地帯でイランの無人航空機3機を撃墜、ハサカ県ハッラーブ・ジール村の基地でイランのミサイル攻撃を迎撃、イスラエルもダイル・ザウル県でイランの無人航空機を迎撃(2025年6月13日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)上空に飛来したイランの無人航空機2機を同地に駐留する米主導の有志連合が撃墜した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、スバイハーン市の上空でイスラエル軍がイランの無人航空機複数機を迎撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハッラーブ・ジール村の基地に駐留する米軍(有志連合)が、同地上空でイランのミサイル1発を迎撃、これを撃墜した。

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イスラエルによるイラン領内への核施設などへの攻撃と、イランの報復攻撃に伴う地域情勢の緊張化を受けて、シリア南部にミサイルの残骸が落下(2025年6月13日)

SANAによると、シリア上空を通過してイスラエルに向かっていたイラン製ミサイル2発の残骸がダルアー県の農村地帯に落下した。

これによる、人的・物的被害はなかった。

SANAはその後、この残がいについて、イスラエル軍戦闘機の空中給油タンクか、イラン製ミサイルの部品とみられると伝えた。

これを受けて、ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣は、落下物や未確認物体の落下現場に近づいたり、触れたりせず、工兵部隊または戦争残骸処理班に通報するよう呼びかけた。

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一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍防空システムが13日未明にシリア南部上空を通過してイスラエル領内に侵入しようとしていたイランの無人航空機複数機を迎撃、ダルアー県のインヒル市近郊とサナマイン市にミサイルの残骸が落下した。

また、戦車1輌と装甲車複数台からなるイスラエル軍の地上部隊が12日深夜から13日未明にかけてダルアー県のマアリーヤ村に侵入し、アフマド・シャルア移行期政権の国防省の志願兵の自宅を捜索した。

さらに、ダルアー県上空での迎撃に続いて、イスラエル軍の防空システムがクナイトラ県の西ズバイダ村、ナブア・サフル村、ウンム・バーティナ村、マジュドゥーリヤー村上空に飛来したイランの無人航空機複数機を迎撃し、ミサイルの残骸がマムティナ村に落下した。

これと前後して、ダルアー県のマール丘上空でもイスラエル軍は正体不明の飛翔体を迎撃した。

その後、クナイトラ県のラフィード町では、イランの無人航空機1機が撃墜されて墜落し、火災が発生、住民が消火を行った。

一方、ダルアー県では、県北部のジャンドゥール地区上空をイスラエル軍戦闘機が低空で飛行、旋回を行った。

イスラエル軍が迎撃したイランのミサイルの破片がクナイトラ県のラフィード町に落下し、子ども1人が負傷した。

イスラエル軍地上部隊が、クナイトラ県のハーン・アルナバ市、ウーファーニヤー村、ジュバーター・ハシャブ村一帯に侵入し、同地の複数ヵ所に検問所を設置した。

さらに、車輌3輌からなるイスラエル軍部隊がハミーディーヤ村、西サムダーニーヤ村を巡回し、住民らに尋問を行った。

クナイトラ県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、イランのミサイル、無人航空機による攻撃とイスラエル軍による迎撃の様子が上空で確認された。









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イスラエルによるイラン領内への核施設などへの攻撃と、イランの報復攻撃に伴う地域情勢の緊張化を受けて、シリアで民間航空機の運航が停止(2025年6月13日)

SANAによると、シリア航空は、イスラエルによるイラン領内への核施設などへの攻撃と、これに対するイランの報復攻撃に伴う地域情勢の緊張化を受けて、ヨルダンおよびイラクの空域が一時的に閉鎖されたことを受けて、UAEおよびサウジアラビアとの全航空便を一時的に停止すると発表した。

また、シリア民間航空総局のアシュハド・サリービー局長は、本日午後3時(ダマスカス時間)までシリア空域を一時的に閉鎖すると発表した。

シリア民間航空総局は、その後影響が想定される航空路の閉鎖を6月14日(土)午前8時(ダマスカス時間)まで延長すると発表した。

また、シリア航空も、事態が改善し、空域が正常化するまで、全便の運航を一時停止すると発表した。

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ロイター通信:ダーイシュはシリアとイラクで戦闘員の再組織、標的の選定、武器の分配、リクルートや宣伝活動を再開している(2025年6月12日)

ロイター通信は、シリア、イラク、米国、欧州の20人以上の安全保障・政治関係者や外交官に取材、ダーイシュ(イスラーム国)が戦闘員の再組織、標的の選定、武器の分配、リクルートや宣伝活動を再開しているとして復活の可能性に警鐘を鳴らしていると伝えた。

記事では、ダーイシュが、シリアとイラクで戦闘員の再活性化を開始しているとしたうえで、外国人戦闘員がシリアに渡航し、武装組織に加わる可能性があることに対し、懸念が高まっているとしている。
また、複数の国の諜報機関は、過去数ヵ月で少数の外国人戦闘員が欧州からシリアに向かうのを初めて確認したが、それがダーイシュによる勧誘か、別組織によるものかは判明していないという。

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前政権時代の国防隊司令官の1人ファーディー・サクル:「国防隊の司令官に任命されたのはタダームン区での虐殺の後だった」(2025年6月12日)

2023年4月にダマスカス県タダームン地区で発生した虐殺に関与したとされ、アフマド・シャルア移行期政権の司法当局に拘束された前政権時代の国防隊司令官の1人ファーディー・サクル氏は、『ニューヨーク・タイムズ』の取材に応じ、自身が国防隊の司令官に任命されたのは、虐殺の後だったとして、事件への関与を否定した。

発言は、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員(シャーム自由人イスラーム運動元司令官、シリア解放戦線元司令官)が10日の記者会見で、サクル氏が釈放されたと発表したのを受けたもので、サクル氏は「内務省が私に不利な証拠を持っていたなら、私は今でも現政権とともに働いているはずがない」と容疑を否定、そのうえで「正当な法的手続きを前提に、いかなる司法判断にも従う用意がある」と表明した。

サクル氏はまた、自身がアラウィー派で、国防隊の指揮官であったことで、前政権の支持者を説得し、シャルア移行期政権から離反させないようにする「信頼の裏付け」になっていると述べた。

そのうえで、「革命派が、彼ら(旧政権側)をパートナーとして受け入れるかどうかが、根本的な問題だ…。ファーディー・サクルという名前こそが、紛争の当事者どうしが共存可能かどうかを測る試金石なのだ」と付言した。

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シャルア暫定大統領は2025年政令第88号を施行、前政権時代のテロ法廷で勤務していた67人の判事に対し高等司法評議会が科した罷免処分を実施(2025年6月12日)

法務省はフェイスブックを通じて声明を出し、アフマド・シャルア暫定大統領が2025年政令第88号を施行、前政権時代のテロ法廷で勤務していた67人の判事に対し、高等司法評議会が科した罷免処分の実施が決定されたとしたうえで、高等司法評議会の決定の妥当性を確認した。

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シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権の司法当局は、テロ法廷の複数の判事らを拘束した。

これらの判事は、司法大臣の呼び出しを受けて業務の進捗確認のために出頭していた。

関係筋によると、逮捕された判事少なくとも18人の身元が確認されており、彼らの資産および財産も差し押さえられた。

さらに情報筋によると、逮捕された判事が拘束中に暴行、侮辱、罵倒などの扱いを受けたという。

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ジョー・ウィルソン米下院議員はシーザー法に基づくシリアへの制裁の全面解除を定めた法案を提出したと発表(2025年6月12日)

ジョー・ウィルソン米下院議員(共和党)はXを通じて、シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)に基づくシリアへの制裁の全面解除を定めた法案を提出したと発表した。

発表の内容は以下の通り。

シリアへの制裁解除に尽力してくれた米国駐トルコ大使に感謝している。

本日、私はジミー・パネッタ議員、マーリン・スタッツマン議員、ルー・コレア議員、ジャック・バーグマン議員、そしてプラミラ・ジャヤパル議員とともに、超党派の法案を提出した。
この法案は、「シーザー法」とそれに基づくシリアへの制裁を全面的に撤廃するものだ!

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首都ダマスカスのウマウィーイーン広場で、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員の10日の記者会見に反発する活動家らが戦争犯罪の加害者の責任追及を求めるデモ(2025年6月12日)

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ウマウィーイーン広場で、シリアでの戦争犯罪の加害者の責任追及を求めるとともに、社会平和維持高等委員会のハサン・スーファーン委員(シャーム自由人イスラーム運動元司令官、シリア解放戦線元司令官)による6月10日の記者会見を、人権侵害の正当化や加害者のイメージ洗浄の試みであるとして非難した。

これと関連して、行方不明者の家族や人権活動家らも、同様の要求を掲げて首都ダマスカスの司法省前で抗議行動を行った。

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トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県アアザーズ市で、治安部隊が「オリーブの枝」地域内のジンディールス町近郊のハーリターン村に帰郷しようとした若い男性1人を逮捕(2025年6月12日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カムハーナ村で正体不明の武装グループが前政権参加の民兵のメンバーと見られる男性1人を銃で撃ち、殺害した。

また、ニーサーフ村で内務省総合治安局が旧シリア軍の准将で、アフマド・シャルア移行期政権による社会復帰手続きを済ませていた男性1人を含む3人を逮捕した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装グループがカフル・ナースィジュ村で人身売買に関与していると見られる男性を自宅前で銃で撃ち殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアアザーズ市で、治安部隊が「オリーブの枝」地域内のジンディールス町近郊のハーリターン村に帰郷しようとした若い男性1人を逮捕した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スィーラト・ウルヤー村で治安部隊の制止を無視した若い男性2人が撃たれ、1人が死亡した。

また、ニムラト・カルヤー村では、何者かが30歳代の男性を銃で撃ち殺害した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市近郊のシャーティー・アズラクに向かう街道で旅客バスが何者かの銃撃を受け、女性1人が死亡、この女性の夫と子どもたちが負傷した。

これに関して、SANAは13日、内務省治安部隊がシャーティー・アズラクに向かう街道で違法行為を行っていた集団を追跡し、これにより2人が死亡したと伝えた。

シリア人権監視団によると、14日に負傷していた女性1人が新たに死亡、死者数は2人となった。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジッリーン村で内務省総合治安局の車輌を中央委員会傘下の武装グループが襲撃、隊員1人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ミスヤーフ市に至る橋(ミスヤーフ橋)近くで2週間前に何者かによって誘拐されていたムフターリーヤ村出身の46歳の男性が遺体で発見された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で前政権の協力者と見られる男性が、ダイル・ザウル市労働者住宅地区でオートバイに乗った武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市郊外でアラウィー派の25歳の男性が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

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シリア・テレビ:米国務省はニューヨークの国連におけるシリア常駐代表部の分類を変更し、米国が承認する政府の代表部として扱うこととする(2025年6月12日)

トルコを拠点とするテレビ・チャンネルのシリア・テレビは、情報筋の話として、米国務省がニューヨークの国連におけるシリア常駐代表部の分類を変更し、米国が承認する政府の代表部として扱うことにしたと伝えた。

米政府は4月に国連を通じて、シリア常駐代表部の法的地位を「国連加盟国の代表部」から、「米国が承認していない政府の代表部」に変更すると通知、シリアの外交官に対して発給するビザをG1(米国が承認した政府の外交官に発給されるビザ)からG3(非承認政府の代表に発給されるビザ)に変更することを決定していた。

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米中央軍は6月10日にシリア北西部で精密爆撃を実施し、シリアを拠点とするダーイシュ(イスラーム国)の幹部の1人のラヒム・ボエフ容疑者を殺害したと発表(2025年6月12日)

米中央軍はXを通じて、6月10日にシリア北西部で精密爆撃を実施し、シリアを拠点とするダーイシュ(イスラーム国)の幹部の1人で、米国および協力国の市民らを狙った対外作戦の立案に関与していたラヒム・ボエフ容疑者を殺害したと発表した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合がシリア民主軍の支援を受けて、11日深夜から12日未明にかけて県北部でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーがいると思われる拠点1ヵ所への空挺作戦を実施、3人を逮捕した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受けて、シュハイル村でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーと見られる男性1人を逮捕した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市で何者かが若い男性1人を銃で撃ち殺害した。

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アブー・カスラ国防大臣は、シリアを訪れたトルコのギュラク軍参謀総長およびその随行団と首都ダマスカスで会談(2025年6月12日)

SANAによると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、シリアを訪れたトルコのメティン・ギュラク軍参謀総長およびその随行団と首都ダマスカスで会談し、両国の利益に資する共通の関心事および軍事協力の強化について協議した。

アブー・カスラ国防大臣はまた、国防省庁舎でパキスタンのオマル・ハヤート・カーン臨時代理大使およびアーシフ・アクラム・ヌーン顧問と会談した。

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SANAによると、ヒンド・カバワート社会問題労働大臣が率いる代表団がスイスのジュネーブで開催中の第113回国際労働会議の「社会正義のためのグローバル連合フォーラム」に参加した。

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イスラエル軍はダマスカス郊外県のバイト・ジン村を襲撃、民間人1人を殺害、ハマースの破壊工作員7人を逮捕(2025年6月12日)

内務省はフェイスブックなどを通じて、イスラエル軍がダマスカス郊外県のバイト・ジン村を襲撃、民間人1人を殺害、7人を逮捕したと発表した。

内務省によると、12日未明、戦車、兵員輸送車、歩兵部隊からなるイスラエル軍部隊が、無人偵察機の航空支援を受けてバイト・ジン村に侵入、民家への強制捜索と逮捕を実施し、7人を拘束、また住民に向けて発砲を行い民間人1人を殺害したという。

これを受けて、外務在外居住者省は声明を出し、イスラエルの侵攻を非難、国際社会に対し、イスラエルの度重なる攻撃を止めるための断固とした措置を求めた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の大規模部隊は、無人航空機の航空支援を受けて、多数の軍用車輛を伴い、11日深夜から12日未明にかけてバイト・ジン村に多方面から侵攻し、攻撃目標地点を包囲し、封鎖、拡声器で指名手配者の名前を読み上げ、その後7人を拘束、その際若い男性1人を銃殺した。

イスラエル軍がダマスカス郊外県でこうした大規模な作戦を実施するのは、今回が初めて。

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イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はXを通じて以下の通り発表し、ハマースのメンバーを標的としたものであることを明らかにした。

速報:夜間の特殊作戦で、シリアでハマースのテロ組織の破壊工作員を逮捕。
イスラエル軍第210師団の指揮下にあるアレクサンドロニ旅団第3部隊は昨夜、シリアのバイト・ジン村地域で活動していたハマースのテロ組織の工作員を逮捕する作戦を完了させた。
これは、過去数週間にわたり収集された諜報情報に基づいて実施されたもので、イスラエル軍による精密な夜間作戦の一環として複数の工作員を逮捕、彼らは、イスラエル国民およびイスラエル軍部隊に対する複数のテロ計画を進めようとしていた。
逮捕された工作員は、今後の取り調べのためにイスラエル国内に移送され、軍の第504部隊によって尋問される予定である。
また、作戦地域において、自動小銃、弾倉、さまざまな種類の弾薬などの武器類が発見・押収された。
イスラエル軍は、イスラエル国民およびゴラン高原住民へのあらゆる脅威を排除するための活動を継続している。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊がクードナ村の農地に放火した。

また、四輪駆動車5台からなる部隊がブライカ村に侵入した。

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トランプ米大統領に福音派牧師とユダヤ教のラビがシャルア暫定大統領と会談:「シリアとイスラエルの和平の可能性、あるいは実現性が非常に高い」(2025年6月11日)

ロイター通信は、ドナルド・トランプ前政権第1期のホワイトハウス顧問を務めた福音派のジョニー・ムーア牧師と、ユダヤ系人権団体サイモン・ヴィーゼンタール・センターのラビを務めるエイブラハム・クーパー師の2人がシリアを訪れ、首都ダマスカスの人民宮殿でアフマド・シャルア暫定大統領と会談を行っていたと伝えた。

会談が行われたのは、6月9日夜遅く。

訪問の目的はイスラエルとの関係を議論することではなかったが、会談ではこの問題についても取り上げられたという。

会談後にムーア牧師は、シリアとイスラエルの和平の可能性、あるいは実現性が非常に高いと感じているが、まずはシリアが国内に集中することが優先だ、と語った。

また、シャルア暫定大統領が、懸念点を率直に述べた一方で、非常に前向きな将来の可能性についても語ったと付言した。

ムーア牧師は、シャルア暫定大統領の印象について、和平路線を実行に移せる特異な存在だとしたうえで、「シリコンバレーで言うユニコーンのような存在、唯一無二だ」と語った。

そのうえで、「今こそより良い状況を築くチャンスがあることは明白だ。ただし、それが簡単な道のりではないことも間違いない」と付言した。

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ロシア軍の貨物機1機がカーミシュリー国際空港を離陸し、トルコ領空に入る(2025年6月11日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍の貨物機1機がカーミシュリー国際空港を離陸し、トルコ領空に入った。

シリア駐留ロシア軍の航空機がラタキア県のフマイミーム航空基地以外の基地からトルコ領内に入ったのはこれが初めて。

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アクシオス:ネタニヤフ首相はバラック在トルコ米大使兼シリア担当特使に対し、シャルア移行期政権のとの交渉を希望していると伝え、米国に仲介役を務めることを要請(2025年6月11日)

アクシオスは、これはイスラエル・米政府高官2名の話として、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、トーマス・バラック在トルコ米大使兼シリア担当特使に対し、アフマド・シャルア移行期政権のとの交渉を希望していると伝え、米国に仲介役を務めることを要請したと伝えた。

イスラエル政府高官の1人によれば、ネタニヤフ首相は、サウジアラビアでのドナルド・トランプ米大統領とシャルア暫定大統領会談の勢いを活かして、米国の仲介の下で公式交渉を開始したい棟、バラック特使に伝えた。 公式交渉においては、最初の段階で、1974年の兵力引き離し協定に基づいた安全保障協定の更新を目指し、最終的には和平協定の締結を目指すという。 これに対して、バラック特使も、シャルア移行期政権がイスラエルとの新たな合意について協議する用意があるとイスラエル側に伝えたという。 バラック特使もイスラエル政府も、アクシオスの取材に対して、この件に関するコメントは拒否した。

一方、米政府高官によると、イスラエル側はバラック特使に対して以下の「レッドライン」を提示した。
シリア国内にトルコ軍基地を設置しないこと イランとヒズブッラーの再進出を認めないこと シリア南部の非武装化 イスラエルは、新たな協定が締結されるまではシリア領内に部隊駐留させ続ける意向だという。 また、将来的な国境合意において、イスラエル側は国連平和維持軍に米軍部隊を追加配備することも提案しているという。

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ダイル・ザウル県のビシュリー山周辺の砂漠地帯で、米主導の有志連合がシリア自由軍の部隊とともにダーイシュの拠点1ヵ所に対して空挺作戦を実施し、ダーイシュの司令官多数を殺害(2025年6月11日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、県西部のビシュリー山周辺の砂漠地帯で、米主導の有志連合が、アフマド・シャルア移行期政権の国防省に合流したシリア自由軍の部隊とともに、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点1ヵ所に対して空挺作戦を実施し、ダーイシュの司令官多数を殺害した。

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イスラエル軍のパトロール部隊がクナイトラ県カフターニーヤ町に侵入、清掃局職員3人を逮捕(2025年6月11日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍のパトロール部隊がカフターニーヤ町に侵入し、住宅地に展開した。

イスラエル軍部隊は、同地で、クナイトラ県の清掃局職員3人を逮捕した。

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ヒムス県タッル・カラフ市で内務省総合治安局隊員5人が武装グループで襲撃で死傷する一方、同市近郊の村が襲撃を受けアラウィー派の住民5人死亡:ダマスカス郊外県アシュラフィーヤト・サフナーヤー市でもドゥルー派5人逮捕(2025年6月11日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、10日深夜から11日未明にかけて、タッル・カラフ市にある内務省総合治安局の検問所が武装グループの襲撃を受けて激しい戦闘となり、隊員1人が死亡、4人が負傷した。


検問所を襲撃したは、国境地帯の治安対策強化をめぐって総合治安局と対立していたアブー・アラマイン・ハズーリー氏が率いるグループ、フサイン・ヌアイミー氏が率いるグループ、ジャースィム・ミスリー氏が率いるグループ。

この事件を受けるかたちで、複数の地元武装グループがタッル・カラフ市近郊のバールーハ村で民家複数件を襲撃し、アラウィー派の住民5人を殺害した。

一方、旧シリア軍防空部隊の退役士官のユースフ・マフムード・サーリーン氏(62歳)が正体不明の武装グループによって拉致され、その後マサーキン・イッディハール地区で遺体で発見された。

また、バーバー・アムル地区でも、防空部隊の退役士官のハイサム・マフムード氏(75歳)が即決処刑され、遺体で発見された。

このほか、シーン町でアフマド・シャルア移行期政権の国防省と内務省の予備部隊がオートバイで職場に向かう途中だったアラウィー派の18歳の青年を検問所で殺害した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、内務省総合治安局のパトロール部隊がジャブラ市内各所でアラウィー派の青年ら5人を逮捕した。

また、内務省総合治安局がアイン・バイダー町で同局の車輌を撮影しようとしたとして14歳の子どもを逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハフィール・ファウカー村で、「ハタル」の名で知られる前政権の協力者の男性が何者かによって殺害された。

またマアリーン村のタバコなどを販売している商店を武装グループが襲撃し、中にいた住民1人が死亡した。

一方、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市近くに設置されている内務省総合治安局の検問所で、ドゥルーズ派の若い男性3人がレバノンに向かおうとしていたところを逮捕され、暴行を受けた。

また、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市では、同市のナースィル・ハンナーウィー治安委員会議長が「シャーム解放機構の支持者」として知られる「シャイフ・アブー・スィヤーフ」なる人物が率いる武装グループによって誘拐された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アラウィー派が住むトゥライスィーヤ村の井戸で、前政権時代に殺害されたと見られる住民の遺体10体以上が発見された。

また、トゥルクマーン・ムーサー村の商店に向かってオートバイに乗った2人組の武装グループが銃を発砲し、中にいた若い男性1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ハッダーディーン地区で、パレスチナ人民兵組織のクドス旅団の元メンバー1人が正体不明の武装グループによって銃で撃たれて死亡した。

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スワイダー県では、スワイダー24によると、スワイダー市のマクース地区で部族どうしの発砲事件が発生し、複数の民家で火災が発生した。

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アレッポ県各所で「トルコの傭兵」(シリア国民軍)がクルド人住民を拉致(2025年6月11日)

アレッポ県では、ANHAによると、「トルコの傭兵」(シリア国民軍)がアレッポ市に向かおうとしたトルコ占領下の「オリーブの枝」地域内のバークー村で出身の若い男性1人を拉致した。

また、ANHAによると、「トルコの傭兵」はハサカ県カーミシュリー市からアレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区に向かっていた2人を拉致した。

さらに、ANHAによると、アフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局がトルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアアザーズ市でアフリーン市に向かおうとしていたクルド人の若い青年を拉致した。

シリア人権監視団によると、拉致したのはハムザ師団とスルターン・スライマーン・シャー師団(アムシャート師団)が合同で設置している検問所の戦闘員らで、北・東シリア地域民主自治局に協力しているとの理由で逮捕された。

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スワイダー市で県内の政治的姿勢、市民としての姿勢の統一を目的とした政治対話会議開催(2025年6月11日)

スワイダー県では、ヤウムTVによると、スワイダー市の文化センターで、県内の政治的姿勢、市民としての姿勢を統一し、県の住民の要望を反映した包括的ヴィジョンを構築し、同地のさまざまな問題に対処する解決策の基礎を築くことを目的とした政治対話会議が開催され、活動家、政治勢力、市民の代表らが出席した。

会議において、参加者らは、スワイダー県における多様な政治的、宗教的、社会的構成要素を包含する統一的な立場を明確にする重要性を強調した。

とりわけ、経済面、生活面困難の深刻化や、国全体で深まる政治的分断を踏まえ、統一的な立場の形成が不可欠であることを確認した。

また、全国レベルでの対話の回路を強化する複数の提案、アフマド・シャルア移行期政権のの交渉を担当する県内のすべての社会的、政治的、宗教的要素を代表するチームの結成が提案された。

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アサーイシュはダイル・ザウル県でダーイシュのスリーパーセルの襲撃を受ける一方、シリア民主軍軍事作戦師団(TOL)が米主導の有志連合とともにラッカ県で特殊合同治安作戦を実施し、ダーイシュのメンバー2人を逮捕(2025年6月11日)

ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は、ダイル・ザウル県で10日、バトロール部隊がダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルの襲撃を受けたと発表した。

シリア人権監視団によると、襲撃事件はヒサーン村で発生し、ダーイシュのスリーパーセルはアサーイシュの軍用車輛を攻撃した。

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ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは、軍事作戦師団(TOL)が米主導の有志連合とともに、ラッカ県マンスーラ村で特殊合同治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバー2人を逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、アブドゥッサッタール・アブドゥルファッターフ・ムハンマド容疑者(アブー・アミーラ)とそのきょうだいのムハンマド・アブドゥルファッターフ・ムハンマド容疑者(アブー・バラー)。

2人は即席爆弾の製造などに関与していたとされる。

また、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)がジャルニーヤ町の検問所で指名手配者1人を殺害した。

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ハサカ県では、ANHAによると、欧州議会議員やフランスのNGO「国境なき弁護士団(Avocats Sans Frontières)」の代表者らかなる代表団が、カーミシュリー市で、トルコ占領下の「平和の和泉」地域や「オリーブの枝」地域からの国内避難民(IDPs)に対応するスィリー・カーニヤ(ラアス・アイン)避難民委員会およびアフリーン社会連盟の代表らと会合を行った。

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シャルア暫定大統領は2025年大統領令第78号を発令し、小麦をシリア穀物公社に納入したすべての農民に対して、1トンあたり130ドルの奨励金を支給することを決定(2025年6月11日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は2025年大統領令第78号を発令し、小麦をシリア穀物公社に納入したすべての農民に対して、1トンあたり130ドルの奨励金を支給することを決定した。

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シャイバーニー外務在外居住者大臣はオスロ平和フォーラムが開催されるノルウェーを訪れ、各国外務大臣らと会談(2025年6月11日)

SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、オスロ平和フォーラムが開催されるノルウェーを訪れ、ノルウェーのエスペン・バルト・エイデ外務大臣、エジプトのバドル・アブドゥルアーティー外務大臣、カタールのモハンマド・ビン・アブドゥルアズィーズ・ビン・サーリフ・フライフィー外務担当国務大臣、インドネシアモハンマド・アニース・マッタ外務副大臣、ノルウェーのアスモンド・グローヴァー・オークルースト国際開発大臣と個別に会談、二国間共通の課題、協力態勢などについて協議した。




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SANAによると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、首都ダマスカスの国防省庁舎において、ワヒード・ムバーラク・サイヤール駐シリア・バーレーン大使と会談し、両国間の二国間関係の強化と共通分野における協力推進について協議した。

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観光省では四つ星以上のリゾート施設やプールでの西洋式の水着の着用を禁じる(2025年6月10日)

観光省はFacebookXを通じて、海岸やプールでの公共の安全と安心を確保するため、観光客や来訪者の服装を定めた決定第294号を発出した。

決定第294号は、「国際クラス(四つ星以上)」に分類されるリゾート施設やプライベート・クラブに対しては例外的な軽減規定を設け、「一般的な西洋式水着の着用が、礼儀と公序良俗の範囲内で許可される」とする一方、それ以外のクラス(四つ星未満)に分類されるホテルやリゾートでは、これを適用しないと定めている。

また、決定は、観光施設の投資者および所有者に対して、この新たな指示を海岸やプールにおいて明確に掲示し、これに沿った管理と遵守、そして許可された範囲での営業時間の経営を行う義務づけている。

ただし、決定においては、その実施メカニズムや、違反があった場合に課される処罰については明記していない。

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