イナブ・バラディーによると、沿岸部のアラウィー派住民が、東方暦4月4日(4月17日)の「4日の祭り」(イード・ラービア、あるいはズフーリーヤ)を祝った。
同サイトによると、「4日の祭り」は、もともとは豊穣と再生、春の始まりを祝うアラウィー派の社会的農耕的な季節祭で、後に宗教的性格を帯びるようになったが、近年は盛大に祝われることがなくなっていた。
クルド人が春分に祝うナウルーズ、ドゥルーズ派が4月25日に祝う「預言者シュアイブの祭り」とも同様の性格や意味を持っている。
この祭りで最も重要な儀礼は、太鼓とミズマール(管楽器)の伴奏によるダブケで、広場の中央に太鼓奏者とミズマール奏者が立ち、演奏が始まると、農作業からの解放と社会的交流の機会を象徴する踊りが展開される。
若者たちは手を取り合って踊りを始め、未婚の男女が互いに注目を引く場ともなり、多くの結婚のきっかけがこの場で生まれたとされる。
ダブケは単なる踊りではなく、山の精神やその響き、時間と場所との関係性を体現するものでもあったという。
また、祭りは宗教的聖所の近くや村の広場で行われ、子ども向けにブランコなどの遊具も設けられた。
タルトゥース県バニヤース市近郊のアナーザ町、タルトゥース市郊外のサフサーファ村、ラタキア県ジャブラ市近郊のスヌーバル村などが、祭りが行われることで知られている。
祝いの食事には、ゆで卵やジャガイモが用いられ、キリスト教の復活祭とも共通し、また菓子の配布も行われる。
宗教儀礼では、花を水に浸し、翌朝その水で身を清める行為が行われる。
これは、モーゼの逸話に由来し、自らを罪から浄化することを象徴、またフェニキア神話のタムーズとイシュタルの物語を想起させるものでもり、ここから「ズフーリーヤ(花の儀礼)」とも呼ばれる。
また、この行為は、アラウィー派の再生・転生観とも一致しており、魂がその行いに応じてより良い、あるいは悪い段階へ移行すると考えられている。
神への供犠や犠牲の捧げものが行われることもあり、これはイブラーヒームの犠牲の伝統を再確認し、創造主への祈願を表すものである。
祭りは1980年代以降、アラウィー派の密教的な宗教儀礼に変化し、アラウィー派にとっても馴染みのないものになっていた。


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中・西部シリア政治評議会(PCCWS)(フェイスブック)によると、タルトゥース県ミシャーフ郡のサルーキーヤ村で「4日の祭り」が盛大に祝われた。
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